… 1415.「沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ」。斎藤茂吉が昭和… 東京新聞「筆洗」2013.3.20. (傍線:吉田祐起引用) <沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄(ぶどう)に雨ふりそそぐ>。斎藤茂吉が昭和二十 年秋につくった歌だ。戦争賛美の歌を多く詠んだ歌人の沈黙には、 敗戦に言葉を失っただけで はなく、別の解釈も成り立つ ▼「自分が文壇、歌壇でどのような場に立たされるのかに関して、かすかな懸念もあったはずで ある。そのような鬱屈(うっくつ)した思いが、彼に沈黙を強いたのであるかもしれない」(永田和 宏著『近代秀歌』) ▼一度始めた戦争はやめることが難しい。敵味方は問わず、おびただしい人命が失われる。そ れだけに指導者の決断は重く、支持した民衆の責任も歴史に問われることになる ▼イラク戦争が始まってきょうで十年を迎える。大量破壊兵器を開発・保有している、米中枢同 時テロに協力した-。米国が開戦理由として挙げた「大義」は、ことごとく事実ではなかった ▼ウソから始まった戦争で十万人ともいわれるイラク人が犠牲になった。米国の占領政策の失 敗で、宗派対立が激化し、イラク人同士が殺し合った ▼自衛隊が初めて戦地に派兵された戦争だった。航空自衛隊は米兵を激戦地に空輸すること に協力した。集団的自衛権の行使が認められていたなら、米軍と共に行動した陸上自衛隊はイ ラク人兵士らの命を奪い、戦死者も出ただろう。ひたすら米国に追従し中東で信頼を失った。当 時の指導者に沈黙は許されない。 ヨシダコメント: 極めて重厚感のある本記事です。ヨシダの感想を意のままに書くとしたら、本記事の数十倍の ボリュームとなるでしょう。ことほど左様にヨシダは一家言も二家言も有しています。凝縮してそ の一端を披歴します。 歌人や作家に共通することは、その時代時代を反映したものを謡うことであり書くことです。軍 国主義時代には、批判的な表現は自己破滅すら伴いました。「迎合主義」は人類の宿命。さらに、 いただけないのは、肯定否定に関わらず、「迎合」する大衆心理も同罪です。 本稿でこれだけは、と思うことを一つだけ書きます。それはイラク戦争のこと。大量破壊兵器を 保有していなかったのなら、なぜ、フセイン大統領は米側の「査察」を受け入れなかったのか!? です。それさえしていたら、イラク戦争は起こってはいなかったでしょう。もっとも、ブッシュはフセ インを抹殺したかったから、なんとか口実をつけて戦争をしかけたでしょうが・・・。 おりしも、ローマ・カトリック教の新法王の就任式が昨日、盛大に行われました。関連マスメディ アのなかに、ひとつだけ、これだけは日本人が反省すべきこと、と強調したことがあります。本コ ラムはNo.1389:「ローマ法王選出 その重みを理解したい」をぜひともクリックして読んでく ださい。一つだけ此処で再現します。先々代のヨハネス・パウロ二世は生前、ブッシュ大統領に イラク戦の仕掛けを強く止めようとした人物。それを振り切ってのイラク戦。同法王の逝去のおり の葬儀で、ブッシュさんはいち早く駆けつけ、法王の遺体の前にひざまづいた・・・デス! その法王の盛大な葬儀に大国で元首が出席しなかったのは中国・ロシア・日本だけだったので す。同法王がヒロシマを訪問されたにも関わらず・・・でした!日本は宗教を否定する共産国並 みです!なんとも、お恥ずかしい・・・デス。 No.1(1-300) No.2(301-400) No.3(401-500) No.7(996-1100) No.4(501-700) No.5(701-900) No.8(1101-1300) No.9(1301-1500) No.6(901-996)
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