在ハンガリー日本国大使館 ~ 住居選定に当たってのアドバイス ~ はじめに 住居は生活の基礎であり、しっかりした基礎の上に家庭や社会生活が築かれま す。安全な住居の確保なしに、良質で快適なハンガリー生活はあり得ません。 しかし、残念ながら、最も安全な場所であるはずの我が家に泥棒や強盗に侵入 さ れ て し ま う 事 件 が 、在 留 邦 人 の 間 で も 発 生 し て い ま す 。被 害 原 因 を 調 査 す る と 、 鍵の掛け忘れなどのほか、住居の防犯性能自体に問題があると思われる事件もあ りました。 そこで当館では、「住居選定に当たってのアドバイス」を作成しましたので、 ハンガリーにおける住居選定にご活用下さい。なお、当地では、一戸建てよりア パートを借りる方が圧倒的多数であることから、本資料においてもアパートを賃 借する場合を想定しています。 1 住居選定の基本的アドバイス (1)最も基本的な防犯策は「犯罪に強い住居の選定」であり、まさに「防犯の 1丁目1番地」に当たります。 一般に、住居の選定に当たっては、 ○ 広さと間取り ○ 家賃と共益費 ○ プール等の共用設備 ○ 通勤・通学の利便性 ○ 買い物の利便性 等に目が行きがちですが、最も重視すべきは「安全性」です。別添「住居の 安全チェックシート」に詳細なチェック項目を掲載しましたので、参考にし て下さい。なお、これは目安であって、項目の全て又は大部分に該当しなけ れば安全な物件ではないという意味ではありません。 (2)街は、昼と夜とで全く違う顔を見せることがあります。昼間には気付かな か っ た 欠 点( 街 灯 が 少 な く 、人 通 り も な い 等 )に 気 付 く こ と が あ り ま す の で 、 住居の下見をされる際は、夜間に再度、同じ物件を訪れることをお勧めしま す。 2 お勧めできない物件 個人の好み(「庭付き物件が良い」など)や予算の都合もありますので、以下 の物件を絶対に借りてはいけないという訳ではありません。しかし、防犯だけの 観点から見れば、積極的にお勧めはできません。 (1)誰でも外部から部屋の玄関まで来られる物件 【理由】 泥棒や強盗が室内に辿り着くまで、鍵、つまり彼らにとっての障害物が多 け れ ば 多 い ほ ど 、防 犯 性 は 高 ま り ま す 。① 周 囲 の 塀 や フ ェ ン ス の 門 扉 、② 建 物 の共有玄関、③自室の玄関の3か所に鍵があることが理想です。 (2)地上階の物件 【理由】 高層階に比べ、地上階は外部からの侵入が容易です。しかし、高層階だか ら 1 0 0 パ ー セ ン ト 安 全 で は な く 、例 え ば 、鉄 製 の 雨 樋 を よ じ 上 っ て 2 階 の ベ -1- ラ ン ダ に 侵 入 す る 泥 棒 も い れ ば 、屋 上 か ら 最 上 階 の 部 屋 の ベ ラ ン ダ に ロ ー プ を 垂 ら し て 侵 入 す る 泥 棒 も い ま す の で 、ベ ラ ン ダ 付 近 や 屋 上 の 構 造 に も ご 注 意 下 さい。 (3)ガレージのない物件 【理由】 10年前と比較すれば、当地の治安は向上しましたが、未だ車両窃盗や車 上荒らしは多発しており、多くが路上駐車中に発生しています。 (4)大家が信頼できない印象を受けた物件 【理由】 ハ ン ガ リ ー で は 、賃 借 契 約 の 大 部 分 は 大 家 と の 直 接 契 約 で あ り 、部 屋 の 修 繕 は も ち ろ ん 、物 理 的 な 防 犯 も 大 家 の 責 任 で す 。と こ ろ が 、例 え ば 、入 居 後 に セ ンサーライトの設置を申し入れたとしても、 「 契 約 書 に 書 か れ て い な い 。」 「契 約 時 に 申 し 出 て い な い の で 、無 効 。」な ど と 応 じ て く れ な い 大 家 が い ま す 。し た が っ て 、大 家 の 信 頼 性 は 、住 居 の 防 犯 に 直 結 し ま す 。も ち ろ ん 、第 一 印 象 だ け で そ の 人 柄 が 分 か る は ず も あ り ま せ ん の で 、仲 介 不 動 産 業 者 に 大 家 の 人 と な りを質問してください。 態度が横柄であるなど、大家に何となく嫌な印象を持った場合、その人と 数年間付き合うことを考慮すれば、その物件は避けた方が無難かも知れませ ん。 おわりに 当館は、在留邦人や邦人旅行者の被害状況や犯人の手口等を分析し、ホームペ ージや領事メール等を通じて防犯情報を随時発信しています。 侵入窃盗・強盗を含め、不幸にも犯罪被害に遭われた方は、ご面倒でも当館ま でご一報いただければ幸いです。ご連絡いただいた情報は、個人が特定されない ようプライバシーの保護に配慮した上で防犯情報として皆様に還元し、当地邦人 社会全体の安全向上に資することとしたい考えです。ご理解とご協力をお願いし ます。(了) -2- -3-
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