アルストムの奨学金

2013年2月パナマ政情(内政・外交)
1.内政
(1)国会審議・政令等
(イ)5日、アルコール飲料を提供する事業所(バー、ディスコ等)が学校、病院、教会、
住宅密集地などの500メートル圏にある場合、また、これらの事業所がアルコール飲料
提供のための適切な運営許可を得ずに営業している場合、店舗に対する罰則の強化、及び
貿易産業省による業務停止命令発出といった規制の強化を可とする2013年法令第2号
にマルティネリ大統領が署名し、同日官報に付され同法は成立した。これまでは、適切な
営業許可を得ていない事業所への営業停止命令権限は省ではなく各市にあったため、貿易
産業省が直接規制をすることが出来なかった経緯がある。
(ロ)6日国会第1読会は酒税増税法案を可決、引き続き18日同法案は国会第2読会に
て、19日には同第3読会にて可決された。同法案では、ビールへの増税はなされない。
今法案策定は、与党 CD 党と対立するバレーラ副大統領一族が経営する酒類卸し業者を標的
としたものであるとも言われている。
(ハ)7日、マルティネリ大統領の承認を受け、
「中米議会脱退認可法を破棄する法案」が
2013年法令第3号として成立した。同法は、2010年11月24日まで遡って適用
されることとなり、当国選挙裁判所が、中米議員らに信任状を発給することができるよう
にするもの。
(ニ)7日、国会議員等の政党移籍を困難にする法案がマルティネリ大統領によって承認
された(2013年法令第4号)
。なお、同法適用は、2014年7月1日からとなる。
(ホ)18日、パナマ・チェコ二重課税防止条約が当国国会により批准された。同条約は、
2012年7月4日にパナマシティにて両国代表により署名されたもの。
(2)世論調査結果(IPSOS 社)
26日付当地ラ・エストレージャ紙は、当地世論調査会社 IPSOS 社が実施した2月の世
論調査結果を掲載しているところ、概要以下の通り。なお、本件調査期間は2月15日~
19日で、全国1200名を対象にしたもの。
●マルティネリ大統領の仕事振りに対する評価
12 年 9 月 12 年 10 月 12 年 11 月 12 年 12 月 13 年 1 月 13 年 2 月(%)
①評価する
30
26
21
27
24
28
②普通
37
29
30
31
36
30
③評価しない
32
44
48
39
39
40
1
1
1
3
1
2
④わからない、無回答
(当館注:これまで一年を通してバレーラ副大統領の仕事ぶりに対する好評価はマルテ
ィネリ大統領を常に上回っていたが、今月の調査結果ではバレーラ副大統領がマルティネ
リ大統領への好評価を下回った。これまでバレーラ副大統領は現政権の絡んだスキャンダ
ルや政策批判(ネガティブキャンペーン)を絶えず行ってきたことなどで支持率がじりじ
りと低下しており、このような現状を打開するためか、同副大統領は今月後半地方遊説を
精力的に行い、自身が次期政権を担うことになった場合にどのような利益を国民にもたら
すことができるのか説明をして回っている。
)
●本日、大統領選挙が行われるとしたら、誰に投票するか?
12 年 10 月 12 年 11 月 12 年 12 月 13 年 1 月 13 年 2 月(%)
①バレーラ副大統領
15
17
15
16
14
②ナバーロ PRD 党書記長
26
27
29
32
36
③フェルフィーノ社会開発大臣
11
12
14
11
8
④マルティネリ大統領
6
7
8
7
10
⑤エレーラ前 PRD 党大統領候補
6
7
4
2
4
⑥タピア TV コメンテーター
4
2
1
2
1
⑦サムエル・ルイス元副大統領兼外相 1
1
⑧コルティソ元農牧開発大臣
2
1
1
1
6
5
3
⑨その他の候補
⑩投票しない
⑪分からない・無回答
5
6
6
3
2
23
19
22
20
19
●本日、総選挙が行われるとしたら、どの政治グループに投票するか?
12 年 9 月 12 年 10 月 12 年 11 月 12 年 12 月 13 年 1 月 13 年 2 月(%)
①野党
39
46
47
47
51
53
②現政権
23
23
22
23
21
20
③無所属
10
7
9
5
8
7
④共感する政治グループなし 12
10
9
11
9
10
⑤投票しない
14
13
14
11
10
16
●本日、大統領選挙が行われるとしたら、どの政党に投票するか?
12 年 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 13 年 1 月 13 年 2 月(%)
①CD 党
22
20
20
20
21
21
21
②PRD 党
23
25
30
32
33
35
39
③パナメニスタ党
15
13
14
17
16
15
14
④無所属候補
3
8
7
4
2
6
3
⑤モリレナ党
1
1
0
⑥その他
1
1
0
2
2
1
1
⑦投票しない
8
12
13
11
8
6
10
27
20
16
14
18
16
12
⑧無回答
●当国における最重要課題
12 年 8 月 12 年 10 月 12 年 11 月 13 年 1 月 13 年 2 月(%)
①基礎食料品バスケット価格
51
49
44
44
46
②治安
26
20
19
20
18
③汚職
5
8
5
8
7
④インフレ
3
4
4
6
4
⑤失業
3
4
5
5
7
⑥麻薬(密売)
2
3
3
3
5
⑦教育
2
2
2
4
3
⑧国際経済危機
1
2
2
1
1
⑨衛生問題
0
1
5
2
1
⑩国内経済
0
1
2
2
2
(3)新パナマ運河庁(ACP)執行役員任命
6日、国会信任委員会での審議の後、マルティネリ大統領から強い意向を受けていた CD
党議員ら37名の賛成を以て、物議を醸していた3名の新 ACP 執行役員任命を短時間で承
認した。19日には、同3名の役員就任式が執り行われた。なお、任期は9年。
(4)与党 CD 党大統領予備選挙出馬申請期間終了及び右に伴う閣僚らの辞任・就任等
大統領候補に立候補するにあたり閣僚数名が選挙キャンペーンに専念するため大臣職を
離職することが明らかになった。なお、今次閣僚らの辞職は、マルティネリ大統領が、1
月17日の時点で「大統領選に出馬する意向の CD 党所属閣僚は予備選に際し大臣職を休職
若しくは辞職すべきである。
」とコメントしたことを受けてのもの。
(イ)ホセ・ドミンゴ・アリアス住宅大臣辞任
7日、同氏はマルティネリ大統領に15日付で退任する旨の辞表を提出した。
(ロ)ルークス外相辞任
22日、同氏は外相職辞表をマルティネリ大統領に提出した。
(ハ)ジャスミナ・ピメンテル住宅大臣任命
18日、マルティネリ大統領は、同前住宅次官を住宅大臣として任命した。
(ニ)ロヘリオ・ハビエル・バルコ・モラレス住宅次官任命
マルティネリ大統領は、22日、同氏(CD 党国会議員であるロヘリオ・バルコ氏の子息)
をピメンテル前住宅次官の後任として任命した。
(ホ)ヌニェス外務大臣任命
マルティネリ大統領は、26日、フェルナンド・ヌニェス・ファブレガ(Fernando Nunez
Fabrega)コクレ県知事をルークス外相の後任として外相に任命し、同氏は、27日付で外
相に就任した。
(5)外務次官の辞任
与党 CD 党大統領候補選出の党内予備選挙キャンペーンのために辞任したルークス外相の
後任が任命された直後の27日、アルバレス・デ・ソト外務次官がマルティネリ大統領に
辞表を提出した。同氏は2011年9月から外務次官を務めていた。なお、外務次官後任
には、マイラ・アロセメナ外務省官房長(3月1日付任命)が次官代行として就任した。
(6)総選挙に向けた動き
(イ)1月31日及び2月1日、バレーラ副大統領(パナメニスタ党党首)がエンリケス
PP 党党首と会合を開き、2014年総選挙に向けた連立の可能性等について話し合った。
(ロ)5日、マルタ大統領夫人は、大統領選挙出馬は念頭に無く政治にも関心がなく、今
自分が抱える事業を完遂させることに専念している旨述べた。
(ハ)18日~22日大統領選に向けた CD 党党内選挙出馬申請受付が行われ、デ・リマ経
済財務大臣(19日)
、アリアス前住宅大臣(20日)、ブリージョ中小企業庁長官(21
日)
、ルークス外相(22日)をはじめ計11名の同選挙出馬申請がなされた。なお、大統
領選出馬を希望していたファブレガ内務大臣は22日、出馬を断念すると公表している。
マルティネリ大統領は、1月時点までは「大統領選に出馬を希望する CD 党所属閣僚は予備
選に際し大臣職休職若しくは辞職をすべきである」と述べていたが、マスコミ、パナマ経
営者協会(APEDE)等、及び CD 党員からも要人(閣僚)が休職のみで選挙キャンペーンを行
うことに反対する声が多く挙がったことなどから、21日、閣僚が大統領選挙へ立候補す
る場合、無給休暇ではなく辞任をすべきであると発言し、それまで無給休暇を申請する予
定であったデ・リマ経済財務相及びブリージョ中小企業庁長官両氏は共にマルティネリ大
統領の意向に従い、辞表を提出すると表明した。
(ニ)CD 党大統領候補としてこれまで有力視されてきたフェルフィーノ社会開発大臣は、
18日、大統領選立候補を断念しパナマ市長選に立候補する旨述べた。
(ホ)21日、PRD 党における町長、市長、議員選出党内選挙への立候補申請期間が開始さ
れた。国内全土で受け付けられる同申請は3月2日にて終了する予定。なお、同党内選挙
は6月2日に実施される。
(ヘ)大統領選出予備選挙に出馬することを予定していたデ・リマ経済財務大臣が、26
日、3月にパナマで開催される IDB 総会主催、フランスで開催される OECD 会合での演説等
以前から確定していた国際的懸案事項を遂行することが求められているため、最終的には
同職に残留し、CD 党大統領選予備選への出馬を断念することを決定した。
(ト)ブリージョ中小企業庁長官の CD 党大統領選出予備選挙に関して、マルティネリ大統
領が、26日、テレビ局のインタビューに応える中で、
「ブリージョ長官は大臣級の地位を
有しているが、厳密には大臣ではない。
」と述べ、CD 党党内選挙キャンペーンを行うにあた
って、同長官が辞職ではなく休職という選択肢を採る余地を残したため、ブリージョ長官
は、同職を休職した状態で選挙キャンペーンを継続中。
(チ)26日、PRD 党大統領選党内選挙に出馬を表明している15名が一堂に会し公開討論
会を行った。同会開催直前に、最有力候補であるナバーロ同党書記長は選挙キャンペーン
顧問らの助言を受けて同会欠席の意向を伝え、他の候補から非難の声が挙がった。
(リ)28日、マルティネリ大統領は、フェルフィーノ社会開発大臣の誕生パーティの席
で、同氏を CD 党パナマ市長候補として支援する旨表明した。
2.外交
(1)コスタリカ大統領のパナマ訪問
ワールドカップ・ブラジル2014予選のパナマーコスタリカ戦をマルティネリ大統領
と観戦するためパナマを訪問したチンチージャ・コスタリカ大統領は、6日、マルティネ
リ大統領を表敬訪問し、両国国境に位置するシクサオラ河橋設置にかかる資金問題、両国
民通行の際の旅券免除などの二国間問題につき話し合った。同会談には、両国の複数の閣
僚も同席し、社会問題や太平洋同盟を含む国際問題についても意見が交換された。
(2)北朝鮮の核実験実施への当国外務省による批難声明発出(12日)
当国外務省は、北朝鮮核実験実施に関し、以下の批難声明(概要)を発出した。
国連が発出したあらゆる措置に明白に背く北朝鮮による新たな核実験の実施の報に接し、
パナマ共和国外務省は、国際社会を完全に無視し、蔑ろにする北朝鮮当局の今回の新たな
行動に対する断固たる拒否を表明する。また、国連の専門機関の査察の枠外で実施される
あらゆる核実験を即時停止することを北朝鮮当局に繰り返し呼びかけてきた国連加盟諸国
の拒否と憂慮の念の数多くの表明に、今一度連帯する。北朝鮮当局の態度と行動は国際法
と国際社会に対する完全な軽視を示すものであり、平和および対話と寛容、国際規範の尊
重に基づく国家間の関係を希求するパナマ共和国は、北朝鮮政府に対しては不安定と不安
を生み出すだけの核実験の停止、また国際社会、特に安保理に対しては、各国の政治、経
済、社会発展に不可欠な平和に資することのない北朝鮮の一方的な核のエスカレートを阻
止する手段をとることを呼びかける。
(3)カナダ外相のパナマ訪問
19日、ベアード加外相はルークス外相と会談した。両国間会談の中で、両外相は、パ
ナマ経済のダイナミックな発展と外国直接投資の導入につき意見交換し、ベアード加外相
は、カナダ企業がパナマで幅広い経済活動を展開することに関心を示した。更に、同会談
では、ラ米カリブ国連地域センター、米州地域人道支援センターのようにパナマが国際場
裡で果たしている貢献が取り上げられ、ルークス外相は両プロジェクトに対するカナダ政
府の支援を評価した。
(4)SICA 特別首脳会合へのマルティネリ大統領ら出席
20日、
コスタリカにて開催された SICA 特別首脳会合に出席したマルティネリ大統領は、
SICA 特別首脳会合の枠組みの中で、
「メキシコは中米地域と密接な関係にあり、メキシコは
中米にとってより重要な関係国であり続けるであろう。
」と述べた。同日行われた SICA・メ
キシコ首脳会合(ルークス外相同席)において、マルティネリ大統領は、パナマが太平洋
同盟に正式加盟するために不可欠なパナマとメキシコの FTA 締結を具現化することの重要
性に触れた。本件に関して、ペニャ墨大統領は、
「中米地域国民のためのよりよい開発に向
けた更なる統合及び更なる協力関係を模索する必要がある。
」と述べつつ、パナマと墨間の
投資を増大させ両国民のチャンスを増やすパナマとの FTA 締結への関心を示した。マルテ
ィネリ大統領は、今次会合に参加した墨大統領への感謝の意を示しつつ、
「中米諸国にとっ
て地域住民のための治安と社会福祉問題は優先課題であり、治安、組織犯罪、麻薬密売対
策のためにメキシコとのコミットメントを強化していくことに関心を持っている。
」と伝え
た。更にマルティネリ大統領は、中米地域国民らの生活の質改善のために、メキシコとの
貿易増大、投資拡大、移民政策改善、メキシコとの航空便増便、文化交流及び奨学金制度
増加をすべきであると指摘した。
他方、今次コスタリカ訪問に同行したアルバレス・デ・ソト外務次官は19日、ルーク
ス外相代理として SICA 外相理事会合に出席し、議長国であるコスタリカが提言する SICA
関連機関の効率性や透明性と全加盟国の平等な参加という課題に関連し、右プロセスに関
して、各国の地理上の位置による不平等があってはならないこと、全ての加盟国に機会が
順当に回ってくること、均等性、公開性の原則による実現が不可欠であるとのパナマの見
解を示した。また、パナマが男女同権の見地から、次期 SICA 事務局長選挙に際しパナマ人
女性であるベルガラ氏が事務局長として任命されることを重要視している旨表明した。
(5)マルティネリ大統領のケリー米国南方軍司令官との会合
マルティネリ大統領は、20日~21日の日程で当地を訪問したジョン・ケリー米国南
方軍司令官と20日会談した(エンリケス大統領府大臣、ルークス外相、モルト警察庁長
官同席)
。この会談の中で、ケリー司令官は、麻薬密売及び組織犯罪に対峙するためのパナ
マ政府からの協力に感謝の意を示しつつ、
「中米地域をより安全な地域とすべく今後とも協
力関係を続けていくことを希望する。」と述べた。マルティネリ大統領からは、パナマ国内
の治安維持要員のスキル向上を助ける治安、奨学金、米国におけるパナマ国家警察要員に
対するトレーニング等様々な面での協力に感謝の意が示された。
(6)当地における第18回カリブ諸国連合閣僚理事会通常会合の開催
20日、予算・運営特別委員会セッションを皮切りに、当地にて第18回カリブ諸国連
合(AEC)閣僚理事会通常会合(議長国パナマ:2012年~2013年)が開幕した。
21日には、パナマは、AEC 加盟各国から議長国としての素晴らしい運営手腕について称
賛を受けた。他方、ルークス外相は、「パナマは、AEC 事務局の新たな運営構造、同事務局
の運営能力強化に向けた予算及び運営部門再構築、事務手続き手法の見直し、倫理規定及
び情報公開戦略の創設によって、制度の再編成における前進を以てマンデート職務を果た
してきた。
」と付け加えた。
更に、同日の会合では、持続可能な観光・貿易・対外経済関係委員会、交通委員会、自
然災害防止委員会における運営状況と進捗状況に関する報告がなされ、4 月 23 日~26 日に
ハイチで開催される AEC 第5回首脳会議の準備がなされた。
22日、アルバレス・デ・ソト外相代行(ルークス外相辞任による)は、AEC 閣僚理事会
会合閉会式にあたり、「パナマは議長国として AEC の対話と協力のツールとして貢献した。
議長国として経済・政治関係強化に尽力してきた。
」と述べた。また、同外相代行は、墨か
らベネズエラまで 28 カ国がかかわる AEC 強化の必要性において全加盟国が意見を同じくし
ている点を指摘した。更に、
「正式加盟国及び準加盟国間の対話と協力のツールとして AEC
を活性化すべきである。
」と付け加えた。本会議の場において、加盟各国代表らは、貿易、
観光、交通、災害防止等の優先分野での協力を確固たるものにすることを決定した。
更に、同日、アルバレス・デ・ソト外相代行は、オルギン・コロンビア外相とのバイ会
談に臨み、様々なテーマについて話す中で、両政府が両国間 FTA 交渉プロセスを再開する
政治的な意図を有していることを再確認した。他方、アルバレス・デ・ソト外相代行は、
両国間の移民問題に真剣に取り組む活動の一つとして評価できるダリエン県ハケ(Jaque)
におけるコロンビア政府による領事館設立の発意を歓迎した。両者は本件に関して、両国
政府が国境開発を推し進める用意がある点を確認しあった。
(7)仏外相の当国訪問
マルティネリ大統領は、22日、ファビウス仏外相と会談(エンリケス大統領府大臣、
アルバレス・デ・ソト外相代行、エスピノサ同対外政策局長同席)した。この会談の中で、
両国の経済・通商関係を更に強化する仏からパナマへの投資について話し合いがなされた。
マルティネリ大統領は、会談中、フランスがパナマへの投資を続けその意欲が保持されて
いること、及び仏 Alstom 社が車両製造を担当するメトロ1号線建設のような重要なプロジ
ェクトにフランスが参画していることに満足の意を表した。更に、同大統領は、パナマ政
府が行っている公共投資と、これらの投資がパナマ国民に様々なチャンスを与えパナマに
変革をもたらしている旨説明した。
同会談にて、ファビウス仏外相から、マルティネリ大統領に対してフランスを公式訪問
しオランド仏大統領と会合の場を持つよう正式招待がなされた。また、同仏外相は、仏企
業にとってパナマが物流拠点として重要であるのはもちろんのこと、中米においてパナマ
は仏にとっての主要な経済パートナーのうちの一国であると述べた。
22日、アルバレス・デ・ソト外相代行は、ファビウス仏外相と会談した。両者は、1
05年間にわたる二国間・地域間・国際場裡での両国間関係緊密化に満足の意を表し、両
国政府の経済・通商・投資面での交流を深めつつ、様々なセクター及び自然資源における
両国間のやり取り及び協力関係を推し進めていくことにコミットしていくと述べた。ファ
ビウス仏外相は更に、フランス及び EU にとって中米地域内でパナマが大切な経済パートナ
ーであり重要な意味を持ち、特に仏・EU 投資家にとってパナマが理想の投資先としてその
価値を増してきており、パナマでの重要なプロジェクトがいくつも生まれることで当国の
発展と利益にもつながっている点を強調した。更に両者は、SICA と EU の地域統合メカニズ
ムにおける双方での進捗状況について情報交換を行いつつ、中米・EU 連携協定発効の見通
しについて情報共有した。また、両外相は、両国間の友好関係と協力関係を強化するため
の政策協議創設に向けた声明に署名した。
23日には、ファビウス仏外相は、キハーノ・パナマ運河庁(ACP)長官と会談し、大西
洋側運河橋の建設に関わる仏企業「Vinci Construction Grands Projets」社(同社の説明
では橋梁建設計画総工費およそ3億6,590万ドル)幹部を交えて非公開の話し合いを
行った。この会合の後、同仏外相は、ヘリコプターにてパナマ運河及びメトロ1号線工事
現場を視察した。