全町教育は、その立場によって色々な見方・考え方があります。今回は、主に学校(先生)と 家庭(保護者)にポイントを置いて考えてみました。 町づくりは人づくり 地域づくりは町づくり 人づくりは子どもづくり 保護者づくりは地域づくり 子どもづくりは学校づくり 教師づくりは保護者づくり 学校づくりは教師づくり 町内会の清掃作業にはなかなか人が集まりませんが、学校の環境整備には多くの保護者が集ま ります。古今東西「子どものため」という一言には、大人が協力し合うものです。(もっとも最 近の都会ではこの言葉の御威光も薄れてきたと言われますが…)「子どものため」にまずやらな ければならないことは、大人の絆づくりでしょう。子どもが育つための“絆”という豊かな土壌 づくりです。こうして薄れてきたと言われる地域の絆を再生させること。これが全町教育の活動 基盤です。 町づくりは人づくり 先日、本州から新得に移住された方が嬉しいことを話してくれました。「新得に来て最初に感 じたのは、新得の人の温かい雰囲気だ」というのです。 人づくりは子どもづくり 全道のPTA研究大会で、新得の『全町教育』 についての発表を聞き終わった助言者が次のよう におっしゃってくださいました。 「新得は素晴らしい宝物を持っていますね。10 年後が楽しみですね。」(子どもたちが大人になっ ても学校支援が当たり前に思う。) 子どもづくりは学校づくり 腐っても鯛。様々な課題を抱える学校ですが、 「昔も今も学校のもつ子育てへの影響は大」です。 だから、良い学校を作ることは、最重要課題です。 ラーメンのロッキー出前講座(新得小)講師陣 学校づくりは教師づくり 人はみな、大人になるにつれて「自分は成績が良かった、素行も良かった」と思ってしまいます。 その結果「今の学校が悪い」「教師が悪い」と、いわば不用意に口にすることがよくあります。 しかし、批判ばかりになると不信の関係を強めます。教師を良い方向に変えるためには、教師 を認め、教師一人ひとりの良さを引き出し、生かす政策が大切です。それが、全町教育の一つの 柱です。 教師づくりは保護者づくり 教師がもっともやる気を出すのは、子どもが喜んだときはもちろんですが、保護者に認められ たときです。新得で新卒時代を過ごしたある教師は、「学級通信を出すたびに『先生、学級の様 子がよく分かりますね。』『先生の考え方、私も同感です。』などと励まされ、気づくと年間 100 号近くの学級通信を出すようになり、それと共に、学級通信を書くために、子どもをよく観るよ うになり、学級がうまくいくようになった。」と語ってくれました。 まさに、教師を育てるのは保護者なのです。そこで、全町教育では、まずは、学校の敷居をま たぐことを奨励しています。 保護者づくりは地域づくり 朝、交通指導に立ってくれている高齢者の方がこんな お話をしてくださいました。「はじめのうちは、指導して いても、子どもは自分から『おはようございます』と言 ってくれませんでした。でも、声かけをしているうちに たくさん挨拶をしてくれるようになりました。この間は、 子どもを送って出てきたお母さんから初めて『いつもあ りがとうございます』とあいさつされました。嬉しかっ たですね。本当に。先生が言うように『活動が意識を変 える』んですね。」 「なかよし学習塾」理科実験 講師陣も楽しそう 地域づくりは町づくり 町内会活動、子ども会活動これらの活動を活発にすることは、全町教育を推進することと同じ と言って良いでしょう。そして、これらの活動も、基本は「子は“かすがい”」「子育ては自分育て」 なのです。そして、町内のあちらこちらで行われる「地域づくり」が重なって「町づくり」につ ながります。 今、37年前に話題になった「日本人の自殺」という論文が注目されているそうです。 内容は、現在の日本が、ギリシャ、ローマ帝国の衰退、没落と同じ道を歩いているという視点 で書かれているそうです。そして、過去の文明が消え去るのは外敵によって滅ぼされたのではな く、内部崩壊によってであると。没落の理由を一言で表現するなら「パンとサーカスで滅びた」と。 広大な領土と奴隷によって豊かな暮らしができたローマ市民は、次第に働かなくなり、政治家 のところに行き「パンをよこせ、食料をよこせ」と要求する。 大衆迎合的な政治家はパンを与えます。働かなくなったローマの人たちは暇をもてあまし、円 形競技場でサーカスを観るようになったそうです。ギリシャでは市民が「サーカスを見てやるのだ から、見物料をよこせ」と、本末転倒な要求まであったといいます。 そんな中で、歴史の教訓と言わ れているのが右記の内容です。 今の日本社会の一部分とダブ って見えるような…? (1) 国民が、自らのエゴを自制することを忘れたこと (2) 自らの力で解決するという自立の精神と気概を失うこと (3) エリート(政治家、学者、産業人、労働運動家など)が大衆迎合 主義に走ること (4) 年上の世代がいたずらに年下の世代にこびへつらうこと (5) 幸福を物や金だけではかること (編集・文責:新得町全町教育推進本部)
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