L etter from Terra Vert 2013.09 “AOCル・ピュイ”をINAOに申請 ボルドーとブルゴーニュ。どちらも詳細に決めたAOC法に守られている地域ですが、異なる点がひとつあります。それはブルゴーニュには複 数存在する“モノポール”がボルドーには存在しないという事。テロワールの個性よりも造り手の名前が全面に語られる事が多いボルドー。右 岸の造り手シャトー・ル・ピュイは、所有畑の特殊なテロワールを守る為に“AOCル・ピュイ”をINAOに申請しました。この“AOCル・ピュイ”が 承認されるとボルドーで初めての“モノポール”が誕生します。 ■400年間農薬から守られた畑 シャトー・ル・ピュイは現当主のジャン・ピエー ル・アモローで13代目にあたる歴史の長い造 り手。1610年以降一切農薬・化学肥料を使 わずにワイン造りをしています。『農薬使用の是 非が問われる以前から、私たちは農薬を一切 使用していません。私達が造りたいのはこの畑 からしか作る事の出来ない“シャトー・ル・ピュ イ”のワイン。私たちには農薬や化学肥料など 外部のものを使用するという発想はありません でした』先祖達から受け継いで来たテロワール をそのまま受け継いでいく。その純粋な想いが 栽培技術の進化による薬品や技術からこの土地を守ってきました。“特別な土地”であるここには古代人が置いたと思われる巨大石のサー クルが残されています。『研究者によると周囲の石がエネルギーを集め中心の石から放出しているらしい。詳しいことは分からないけど、これ もまたル・ピュイのテロワールの一部だよ』 ■1立方メートル=2億5千万の微生物 微生物 2億5千万匹 約150グラム = 1㎥ 『シャトー・ル・ピュイがテロワールの味わいを表す事が出来るのは、この土 中にいる微生物の唾液のお陰だ』彼らの畑には1立方メートル当たり2億5 千万匹の微生物が住み付いていると言います。目には見えませんが、まと めると150グラム程。微生物は葡萄の根に寄生して、樹液中の糖分を吸 い上げます。その後彼らが吐き出す酸性の唾液が土中のカルシウムを溶 かし、土中にミネラルが豊かに含まれる様になります。このミネラルこそがそ の土地ならではのテロワールを表す要素。葡萄樹がミネラルを含んだ水分 を吸い上げる事で、葡萄果にテロワールが蓄えられて行きます。一度でも 除草剤や化学薬品を使ってしまうと土中の微生物は激減してしまい、この サイクルが正常に行われ無くなります。つまりはワインにテロワールが現れな くなってしまいます。『最近では除草剤や化学薬品を大量に使っている造り 手達でも自分のワインはテロワールを表現していると主張する。シャトー・ ル・ピュイの理論ではそれは不可能な事。私達が400年以上も有機栽培 にこだわっているのはテロワールの味わいを表現し続ける為なのだから』 ■純粋のテロワールの表現の為“何も足さない” シャトー・ル・ピュイにとって、ワインとは“純粋なテロワー ルの表現”。その為テロワールに由来する以外のものは 出来る限り使用しません。酵母も天然酵母のみ。シャト ー・ル・ピュイの生きた土壌には豊富な天然酵母が含ま れます。SO2も彼らにとっては不要な存在。『酸化防止 剤の使用が当たり前とされていた19世紀半ばにおいて も私の先祖達はその使用を疑問視していた。この特別 なテロワールを表現する為には、外部に由来するものは 出来る限り避ける』収穫後及び発酵時にはSO2は添加 せず、樽熟成の際に極少量の気化した硫黄を使用する ボンド・アセプティック のみ。キュヴェ“バルテル”及び“マリー・セシル” はSO2 気化した極少量の硫黄を使用 完全無添加で仕上げています。2009年からはシャト ワインと触れるのは極めて僅か (樽は50hlのフードル) ー・ル・ピュイのセカンド・ワインとして“デュック・デ・ノー ヴ”をリリースしました。若木の葡萄を中心に使用してい ます。『私達のワインを好んで下さる方にもっと気軽に楽しんで貰えるワインを造りたかった。私達のテロワールから生まれるワインはボルドー でありながらミネラルを感じさせる。ピュアで溢れるような果実味と良質のタンニンを前面に出して仕上げた。“デュック・デ・ノーヴ”からも“シ ャトー・ル・ピュイ”の特別なテロワールを感じて貰えるはず』 テラヴェール株式会社 東京都港区赤坂4-1-31 アカネビル 7F 〒107-0052 TEL:03-3568-2415 FAX:03-3584-2681
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