環境報告書 - 株式会社ミクニ

M
I
K
U
N
I
ENVIRONMENTAL
ミクニ環境報告書 2009
REPORT 2009
Making Dreams Exciting Reality
社長挨拶
地球温暖化問題をはじめ環境への関心は地球規模で高まっております。
特に最近では気候変動による様々な影響を肌で実感するケースが増えており、
誰もが身近な課題と捉えていると思っています。
ミクニではこの世界共通の課題に対し「技術ともの作り」によって貢献すること
でその存在価値を高めたいと考え、環境を意識した以下の取り組みを行っており
ます。
先ずは事業を通じての取り組み。
製品の小型化/軽量化を進めることで省資源に寄与することに加えて、機能に
おいては排ガス浄化や燃費向上に寄与する製品の開発、電気自動車や燃料電池な
ど将来の環境技術に対応した新製品、エコ加湿器など生活環境対応の商品、更に
は商社活動でも省エネや新エネルギーに係る新素材/新商財を取り扱うなどミク
ニの事業はどれも「環境」と密接な関わりを持っております。
加えて開発活動においては、商品企画の段階からグリーン調達や環境負荷物質の
削減目標を設定しております。
また、生産活動における環境への配慮としては環境方針の策定、環境マネジメ
ントシステムの構築、そのツールとしてISO14001認証を国内全事業所お
よび海外の生産拠点で取得、数値目標をもって環境負荷の削減活動に取り組んで
おります。
2007年に完成した菊川事業所の新生産棟(PC棟)では最新鋭の省エネシ
ステムを採用したほか様々な環境配慮を行いました。
更に海外事業においても浙江三国が環境モデル工場に指定されるなど、その地
域で先進的な役割を果たすべく努力しております。
環境関連法規の改正、特に「地球温暖化対策推進法」「省エネ法」の改正で
は、事業者(企業)単位でのエネルギー管理義務が導入されました。
今後も、規制の強化、様々な制度や政策の発動が予測される中、法令順守は勿
論のこと、環境をキーワードとした能動的な取り組みはそのまま企業の存在価値
に繋がるとの発想のもと、継続して取り組んでゆく所存です。私たちの活動に対
して、皆様からの率直なご意見をお待ちしております。
2009年 8月
株式会社ミクニ
代表取締役社長
1
|
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
編集方針
本報告書は、株式会社ミクニの環境への取
り組みにおきまして成果をご紹介し、ス
テークホルダの方々とコミュニケーション
を図り、環境への貢献活動のさらなる向上
を目指すことを目的に発行いたしました。
本報告書の対象範囲
本報告書では、原則として以下に示します対象組
織での2008年度(2008年4月1日∼20
09年3月31日)のデータ及び活動を対象とし
ています。ただし、一部のデータと活動内容につ
いては、2009年度のものも含みます。
目次
社長挨拶
1
編集方針と目次
2
報告組織の概要
企業理念と主力製品
3
会社概要と事業セグメント
4
連結売上高と構成比、主力生産拠点
環境マネジメントシステム概況
環境方針と環境マネジメント体制
5
内部監査・外部審査について
6
参考文献
本報告書は環境省が定める「環境報告ガイドラ
イン2007年版∼持続可能な社会をめざして
∼」を参考に作成しています。
環境負荷について
マテリアルバランス
本報告書の対象組織
環境負荷及びその削減状況
2008年度の環境保全活動実績については、主
として以下の組織を対象とし、一部対象組織以外
の活動も含みます。
・小田原事業所
・菊川事業所
・相良事業所
・盛岡事業所
(盛岡工場、大釜工場、玉山工場)
目標及び実績
2008年度の取り組みとその結果
2010年8月末日
この報告書に関するお問い合わせ先
8
持続可能な社会のために
環境に配慮した技術・開発への取り組み
環境に配慮した技術・開発製品
グリーン調達(製品に含まれる環境負荷物質の低減)
次回発行予定
7
環境に配慮した製造での取り組み
9
9∼10
11
12∼13
環境に関する法規制の順守状況
14
教育について
15
緊急事態の訓練、環境会計総括
16
海外生産拠点での環境活動
17
株式会社ミクニ ISO14001統括事務局
〒439−0019 静岡県菊川市半済2828
TEL : 0537-35-0392
FAX : 0537-36-4192
中国浙江三国での活動
コミュニケーション
環境情報、環境コミュニケーションの状況
18
対話集会及びエコスタッフ養成
環境に関する社会貢献活動の状況
ミクニホームページからも
ご覧になれます。
http://www.mikuni.co.jp/
19
生物多様性について
生物多様性の保全と
生物資源の持続可能な利用の状況
20
工場緑化と水生生物の保全
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
|2
報告組織の概要
企業理念
私たちは地球的視野にたち、
人と技術を活かし
豊かな社会づくりに貢献します
経営方針
行動指針
VITAL
&
TECHNOLOGY
MAKING DREAMS
EXCITING
REALITY
バイタル・テクノロジー ミクニ
夢をかたちにときめきに
"お客様第一"を心がけたマーケットから学ぶ経営
つねにお客様の満足を考えよう
安全と環境に配慮した品質第一の
ものづくりとサービスをする経営
つねに改善・改革・創造しよう
「生きがいのある企業」を目指す経営
つねにプラス思考で考えよう
法を遵守し自主性と相互信頼を重んじ、
相手を尊重する経営
つねに高い倫理観を持ち
相手の立場でものを考えよう
夢を持ち、自己変革にはげみ、
目標に対しチャレンジする経営
つねに目標は明確に高くかかげよう
ミクニ主力製品
3|
● ディスチャージポンプ(DCP)式
フューエルインジェクションシステム
● 可変バルブ付樹脂
インテークマニホールド
小型二輪車向けに、燃料ポンプ、レギュレータ、
インジェクタの機能を統合した燃料噴射モジュー
ルです。必要な時に、必要な量だけ燃料を噴射
し、低消費電力、低システム価格、優れた耐高温
性及び制御性を特徴としています。
可変吸気管長システムによりエンジン
性能向上、また、樹脂化により軽量
化・低コスト化を実現しています。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
会社概要と事業セグメント
●事業の概要
商号
本社
設立
代表者
資本金
従業員数
●事業セグメント別連結売上高と構成比
株式会社 ミクニ
〒101-0021東京都千代田区
外神田6−13−11 ミクニビル
1948年10月1日
代表取締役社長 生田久貴
22億1530万円
1,788名
2008年度
自動車関連事業
生活・環境関連事業
輸入品販売
関連事業
188
生活・環境
関連事業
80
単位:億円
輸入品販売関連事業
売上高
879億円
自動車関連
事業 611
●ミクニ主要拠点
盛岡事業所(岩手)
菊川事業所(静岡)
盛岡工場
大釜工場
玉山工場
相良事業所(静岡)
小田原事業所(神奈川)
● 可変バルブ
タイミングシステム(VVT)
● 軽4輪車用樹脂インテークマニホールド
●ガス機器用水弁
エンジンのバルブタイミングを
制御する油圧アクチュエータと
油圧制御用ソレノイドバルブで
す。
エンジン冷却水通路と吸気通路に
別々の樹脂を用い、これを一体成型
した樹脂インテークマニホールドで
す。
小型電磁弁で給水用に
使用する水弁です。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
|4
環境マネジメントシステム概況
環境方針
私たちは企業理念に基づき、自動車関連部品、環境機器並びに
家庭用ガス機器関連部品の設計・開発から製造・販売、そして廃棄に
至るまで全過程を”ものづくり”と考え、以下の活動に取り組みます。
1. 環境に配慮した活動を推進するため、環境マネジメントシステムを構築し、
運用し、定期的に見直し、継続的な改善を図ります。
2. 環境関連法規・規制・条例及びその他の要求事項の順守はもとより、
自主管理基準を定め、環境管理レベルの向上と汚染の予防に努めます。
3. 事業活動について毎年環境に対する影響度合いの評価を実施し、
抽出された中での重要な項目に対しては目的と目標を設定して推進します。
4. 地域とのコミュニケーションを図り、利害関係者との良好な協調関係を
維持し、地域社会に貢献します。
5. 環境教育や広報活動を通して当社で働く全ての人がこの環境方針を
共通認識とし、環境保全に関する意識を向上させます。
2008年 5月 1日
取締役常務執行役員
佐倉 準之助
環境負荷及びその低減活動
当社は右図のような環境マネジメント体制を構築し、環境保全活動に取り組んでいます。2008年6月末の組
織変更にて事業部制を廃止し本部制となったことを受け、環境マネジメント体制の見直しを実施しました。
環境マネジメント体制
2008年5月より小田原、菊川、相良事業所の体
制と盛岡事業所の体制の2体制を整備し、統合体制
で活動してきており2009年7月には認証登録を
統合し、お互いの良いところを引き出し合える形と
なりました。
統括経営者
統括事務局
法規制責任者
各事業所環境管理責任者
事務局
監査責任者
監査チーム
法定管理者
分科会
各部署
5
|
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
内部監査・外部審査
当社では各事業所において年2回の内部監査と年1回の外部機関による審査を実施し、環境マネジメントシステ
ムを客観的に評価すると共に、活動に対する継続的改善を図っています。ここでは各事業所がISO14001
認証登録した外部審査の取得状況と、内部監査及び外部審査についてご報告します。
ISO14001認証取得状況
2009年7月
2006年3月
2005年3月
2004年7月
2004年3月
2003年7月
2003年4月
2002年7月
2001年3月
相良事業所・菊川事業所・小田原事業所の審査登録範囲に
盛岡事業所(盛岡工場・大釜工場・玉山工場)統合登録
盛岡工場・大釜工場の審査登録範囲に玉山工場拡大登録
盛岡工場の審査登録範囲に大釜工場拡大登録
相良事業所・菊川事業所登録範囲に小田原事業所を拡大登録
盛岡工場:ISO14001の審査登録
相良事業所の審査登録範囲に菊川事業所を拡大登録
盛岡工場:ISO14001の審査登録準備を開始
相良事業所:ISO14001の審査登録
相良事業所:ISO14001の審査登録準備を開始
ミクニの環境マネジメントへの取り組み
内部監査
事業所に所属する部署から選抜され、所定の教育
を受講し資格を取得した内部監査員により、年2回
の監査を実施しています。その結果は各部署にて
フォローアップされると同時に、各事業所の主任監
査員により指摘に対する要因分析がされ教育課題と
なります。また環境管理責任者から経営者へと報告
され、経営者から総合的な指針が出され、その指針
は各部署へと展開されます。
外部審査
環境を確実な仕組みで保全する為、ミクニも第三
者審査機関の適合性認証を受けています。毎年1
回、第三者審査を受け、指摘事項は“指摘は改善の
近道“と受け止め当該部署だけでなく、適用可能な
範囲の全ての部署に水平展開を図り、有効且つ活発
に機能させています。
(2008年度審査での指摘数)
外部審査での
指摘数
小田原事業所
菊川事業所
相良事業所
盛岡工場
大釜工場
玉山工場
合計
15
改善要求:0
軽微な指摘:15
12
改善要求:0
軽微な指摘:12
27
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
|6
環境負荷について
マテリアルバランス(2008年度)
資源エネルギーの投入量
環境負荷物質排出量
製造・研究試作
エネルギー
●電力
●灯油
●A重油
●LPG
35,003,344
391.8
1,414.7
289.3
事業所/工場+社有車
温室効果ガス
kWh
kL
kL
t
大気への排出ガス
事業所/工場
14.82 t
加 工
化学物質
組 立
水
325,741 t
塗 装
原材料
1.64
3.16
0.00
3.47
●トルエン
●キシレン
●ジクロロメタン
●その他
洗 浄
●水道水・井戸水
1.48 t
53.88 t
1.34 t
●SOx
●NOx
●煤塵
化学物質
●化学物質
19137.4 t
●CO2
t
t
t
t
など
水系への排水
(水道水・井戸水)
●アルミダイカスト材
2,713 t
●亜鉛ダイカスト材
320,174 t
●排水
104 t
水系への排出
●その他金属 (鉄・真鍮・銅etc.)
3,699 t
事務系資材
●コピー紙
3.95 t
5.79 t
●BOD
●COD
再資源化率
20.4 t
廃棄物
86.2%
●総排出量
●最終処分量
※
誤
1,367.6 kL
565.6 t
20,319.6 t
正
1,414.7 kL
289.3 t
19,137.4 t
132.66 t
※ 最終処分量とは
埋立処分に出す量を表示しています。
≪お知らせ≫ 数値に間違いがありましたので本誌にて訂正するとともに
以下に正誤表を添付いたします。ご迷惑をお掛けし、申し
分けございません。
項目
A重油投入量
LPG投入量
温室効果ガス排出量
958.4 t
項目
NOx排出量
煤塵排出量
水道水・井戸水排水量
誤
51.01 t
0.33 t
314,514 t
正
53.88 t
1.34 t
320,174 t
環境負荷及びその削減活動
●温室効果ガス排出状況
●廃棄物
CO2排出量(排出係数:0.378使用)
廃棄物の埋立処分と再資源化率の推移
売上原単位(kg/千円)
使用量
使用量
廃棄物(埋立処分)排出量(t)
排出量合計(t)
kg−CO2
●コピー紙
再資源化率(%)
kg/千円
再資源化率(%)
排出量(t)
t
30
24000
0.300
400
100
20000
0.250
320
80
16000
0.200
240
60
12000
0.150
8000
0.100
160
40
20
5
0
0
4000
0.050
0
0.000
0
各事業所においてCO2排出量を削
減してきました。各種改善活動を実
施してきましたが、100年に1度
といわれる不況に伴う生産減もあ
り、総排出量は減りましたが売上原
単位としては増えてしまいました。
20
15
80
2005 2006 2007 2008
年度
25
2005
2006 2007
年度
2008
各事業所においてゼロエミッションに向
け活動してきました。その結果全事業
所において埋立処分量は順調に減り、
再資源化率は向上しつつあります。
7|MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
10
2005
2006 2007
年度
2008
環境活動を始めた当初から継続して
削減活動を実施してきました。今で
は目標として取り上げなくても減り
つつあり、紙を極力使用しない業務
の進め方を確立しつつあります。
目標及び実績
各事業所における環境負荷の削減活動を下表に示します。目標に対し実績が未達成の項目については、次年度
へ繰越し更なる改善を加えた活動を展開します。
小田原事業所
環境目的・目標
内容
目標
実績
1 省エネ活動
CO2排出量削減
CO2排出量削減
2 コピー紙使用量削減
コピー紙全体削減
780,639kwh/年以下
742,401kwh
8,844kg/年以下
7,896kg
3
4
5
6
7
8,529kg/年以下
4.3㎥/年以下
18,295L/年以下
0.089L/個以下
製品重量をを5%減
7,696kg
6.1㎥
14,264L
0.082L/個
全体の96%完了
産業廃棄物①リサイクル焼却
産業廃棄物②埋立処分
白灯油の省エネ活動
クレンゾルの省エネ活動
グリーン設計の推進:指針策定
廃棄量削減
廃棄量削減
購入量削減
原単位評価
省資源(リデュース)
菊川事業所
環境目的・目標
内容
1 省エネ活動
CO2排出量削減
CO2排出量削減
2 グリーン購入とリサイクル
ゼロエミッションの継続と
ゼロエミッション継続
グリーン購入
環境にやさしい製品使用率向上
3 工場緑化
従業員並びに近隣住民の憩
憩いの場の製作 いの場製作
4 ビオトープ(蛍が舞うビオトープ)
水位安定化 蛍が舞う池に!
小川設置
目標
実績
8,469t以下
8,167.9t
100%維持
60%以上
100%
42%
50%以上
60%
水位安定化
小川設置
方法検討中
ポンプ、配管設置完了
相良事業所
環境目的・目標
1 省エネ活動(電気・熱)
CO2排出量削減
2 森林保護の為
コピー紙の使用量の削減
3 不良品の低減
排出された廃棄物重量
4 含油ゴミ類の削減とリサイクル化
ドラム缶による廃棄量
5 パレットのリサイクルを継続
パレットの廃棄枚数
6 プラスチック類のリサイクル化
7 廃液の排出量及び使用量の削減
内容
目標
実績
CO2排出量削減
2,793.4t以下
2,585.1t
購入量の維持管理
1,281.7kg以下
1,084.7kg
社内不良品の低減
16,366kg以下
16,156kg
リデュースと
リサイクル化
7.4缶以下
5缶 廃棄量の維持管理
163枚以下
0枚
リサイクル化80%以上
廃液の排出量削減
95%以上
128,170kg以下
80%
132,510kg
盛岡事業所 下記1は、盛岡事業所における売上げ原単位で表しています。
環境目的・目標
1 資源の有効活用と産業廃棄物削減
産業廃棄物削減
ゼロエミッションへの挑戦
2 紙類の分別回収と使用量削減
(森林保護)
3 省エネ活動
CO2排出量削減
内容
目標
実績
2007年実績の5%減 0.128kg/万円以下
100%リサイクルへ
97.1%以上
2007年比10年までに
8,159kg以下
購入枚数10%削減
0.158kg/万円
98.4%
CO2排出量削減
7,269t
8,063t以下
6,213kg
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
|8
持続可能な社会のために
環境に配慮した技術・開発への取り組み
グリーン設計の方針
当社は自動車・二輪車の排気ガス浄化、燃費改善をキャブレター(気化器)で培った技術を基に、制御
の高度化、高機能化、軽量化等を通して環境に配慮した、高性能で高品質な製品により環境へ及ぼす影
響を最小化し、最適な耐用年数を保証する製品を開発していきます。
グリーン設計の内容
燃費向上・軽量化等、原材料利用の生産性向上と資源保護の可能性を探るべく2R(リデュース・リ
サイクル)並びに、製品に使用する環境負荷物質等について、製品の環境負荷低減目標を設定し推進して
いきます。また、どの様な設計がCO2排出量削減に繋がるのか、LCA(ライフサイクルアセスメン
ト)の観点での評価に向けて推進の準備を始めました。
グリーン設計の推進計画
環境に配慮した製品設計(継続的活動)
環境負荷物質の低減
2Rの推進
LCAの推進
2008
2009
2010
2011
環境に配慮した技術・開発製品
自動車関連
●電動バキュームポンプ
最新技術で環境に対応
自動車は、速度を減速あるいは停止させたりするため、ブレー
キペダルを操作し制動力を確保しておりますが、制動力は、人間
の力だけでは不足するため、これを補う倍力装置が採用されてい
ます。
乗用車の倍力装置としては、主として真空倍力装置が採用され
ており、真空は、エンジンのマニホールドで作るのが通常ですが
エンジンがない電気自動車や、エンジンが間欠運転されるハイブ
リッド車などでは、真空を確保するための真空(バキューム)ポ
ンプが用いられています。また、バキュームポンプの動力源とし
ては電動モータ駆動によるものが求められます。
当社のバキュームポンプは、従来から保有のモータ技術及びポ
ンプ技術を更に高度化し、高耐久性、低騒音、低コストを実現し
たものです。
用途としては、電気自動車、ハイブリッド車だけでなく、環境
対応エンジンとされる、ディーゼルエンジン車、直噴ガソリンエ
ンジン車の更なる燃費向上への応用も期待されているため、種々
のパワートレインへのアプリケーション展開を含めて検討を進め
ています。
9
|
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
2012
電子制御スロットルシステム関係
●電子スロットルボデー
エンジンへ供給する空
気量を制御するスロッ
トルボデーを電子制御
化し高度な空気量制御
により排気ガス浄化・
燃費改善に貢献しま
す。
●アクセルペダルモジュール
アクセルペダルの踏み込み量
を電気信号に変換することによ
りエンジン制御他車両制御を高
度化し排気ガス浄化・燃費改善
に貢献します。また、材料を最
大限樹脂化し軽量化を図ってい
ます。
吸気システム
●可変吸気マニホールド
可変吸気マニホールドの吸気管通路長
さを可変とし、エンジンの低速から高
速まで広い回転域でのトルクUPを図
り、燃費及び動力性能の向上に貢献し
ます。また、材料を樹脂化し軽量化を
図っています。
二輪車関連
FIシステム関係
●エンジン制御ユニット
インジェクションシス
テムのECUで最適制
御により、排気ガス浄
化、燃費改善に貢献し
ています。
●DCP(ディスチャージポンプ)
小型二輪車向け低消費
電力を実現した燃料噴
射システムで排気ガス
浄化及び燃費改善に貢
献しています。
●電子スロットルボデー
電子制御による高度な空
気量制御により、排気ガ
ス浄化、燃費改善に貢献
しています。またメカニ
カル式と比べ、部品点数
を削減し軽量化も実現し
ています。
●アクチュエータ
二輪車向けDCモーター式
アクチュエータで、軽量、
小型化且つ省電力化を実現
し、車両重量の低減及び消
費電力低減により燃費改善
に貢献しています。
生活環境機器
●自然気化式パーソナル加湿器 : “ちょこっとオアシス”
電源不要、軽量、コンパクトで抗菌・防カ
ビ処理の環境に優しい‘パーソナル加湿
器’です。使い方は本体に水を注ぐだけ
で、コップ一杯の水による自然蒸発の約5
倍の加湿力を発揮します。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
| 10
持続可能な社会のために
グリーン調達(製品に含まれる環境負荷物質の低減)
当社の製品は、世界各地で多岐にわたり使用されています。それらの製品に使用する部品は社内で調達する
ものもありますが、多くの部品(材料及び副資材)は仕入先様から調達しています。これらの調達活動を通じ
て環境負荷物質を低減し、お客様に満足していただける製品を提供すべく努力しています。
グリーン調達に対する考え方
「環境配慮型製品をお客様に提供するため、法的に規制されている化学物質(環境負荷物質)に対し、削減
と管理を定め、全世界対応を行うものとする。」をグリーン調達の基本方針としています。また、コンプラ
イアンスの考え方はもとよりお客様からの要求にも順次対応しています。これらに対する当社での対応図を
以下に示します。
●グリーン調達対応図
顧客 A
グリーン調達
ガイドライン
法・制度
(国内外)
顧客 B
グリーン調達
ガイドライン
顧客 C
グリーン調達
ガイドライン
顧客 D
グリーン調達
ガイドライン
顧客 E
グリーン調達
ガイドライン
顧 ① ISO14001をはじめとする環境改善活動に取り組んでいること。
客
の ② 自主管理の使用禁止物質の不使用宣言をすること。
要
求 ③ 期限の定められた規制物質の削減・代替を推進すること。
I
M
D
S
独
自
の
シ
ー
・六価クロムの代替
・鉛フリー化
・水銀の全廃
・カドミウムの全廃
・特定臭素系難燃剤の全廃
独
自
シ
ス
テ
ム
ト
・
・
・
顧客の動向調査
法・制度の調査
代替品への切替え
グリーン調達
委員会
データ入力作業
材料データ作成
代替技術の開発
仕入先
グリーン調達の体制
グリーン調達委員会を組織し、その委員会を頂点として海外現地法人・仕入先様も含めた対応ができる体
制を構築しています。
グリーン調達の具体的活動
● グリーン調達ガイドライン
グリーン調達ガイドラインをグリーン調達委員会で作成し、定期的(原則6ヶ月毎)見直しを行うと共に、
日本語・英語・中国語の3カ国語で作成し、国内外仕入先様、海外現地法人へ徹底を図っています。
● 物質データの収集・管理
製品情報管理システム(通称“グリーン
DB”)を構築し、お客様からのデータ
提出のご要求に対応しています。
製品環境情報管理システム図
グリーンDB
個
別
シ
ー
生産管理
システム
管顧
理客
シの
スデ
テ
ムタ
ー
仕
入
先
各
社
製品構成・
部品属性
情報システム
I
M
D
S
ト
編集
● 管理の仕組みの標準化
製品の開発・設計業務における環境負荷物質の不使用あるいは規制値以下とする活動(通称“グリーン設
計”)の仕組みは、技術標準及びISO14001へ落とし込んでいます。また工場の生産工程・作業環境
における環境負荷物質の低減の仕組みは、ISO14001へ落とし込んでいます。
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MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
環境に配慮した製造での取り組み
製品の製造工程におけるオイルミスト加工(MQL)の開発を進めています。一例として盛岡事業所での事
例と効果についてご紹介します。
MQLの方式 : 内部給油のイメージ
MQL : Minimum Quantity
Lubrication
(加工可能な最低限の油量で加工する方法)
給油機でミストにして、
工具・冶具内を通り供給
【 一般的な特徴 】
環境にやさしく・人体に安全な油剤を使用している。
● 切削油の付着が僅かで洗浄工程を簡略化でき、
産業廃棄物を低減できる。
● 生分解性がある植物性の油を使用している。
● 植物性の油なので人体に安全。
工具先端部より噴射
旋盤の例
給油機
従来の加工とMQL加工の比較
工程
従来
MQL
従来の加工
MQL加工
972L/年 削減
1/10
切削油使用量 1080L/年
切削油使用量 108L/年
ポンプ不要
切削油ポンプ必要
加
工
●
評価
照合
MQL用エア必要
①
●
加工面の比較
溝部に切粉残り
洗
浄
●
洗エ
浄ア
●
炭化水素系 960L/年
次工程へ
産業廃棄物
廃油焼却処理
全面に油分付着
コンプレッサ電力使用量
32377kw/年
油分の付着と切粉残り少ない
洗浄液使用量
ゼロ(工程簡略化)
②
電力使用量
ゼロ(工程簡略化)
③
環境影響なし
②
環境影響あり
(洗浄液+切削油) 960L/年
(洗浄液+切削油)ゼロ
改善効果
【CO2削減量】 17,651kg-CO2/年
【杉の木換算で】 1,261本/年 に相当
<評価項目>
① 加工工程での効果 194kg-CO2/年
② 洗浄工程廃止での効果 2143kg-CO2/年
③ エアー洗浄工程廃止での効果 15314kg-CO2/年
※杉の木(50年生の杉、高さ20∼30m)のCO2吸収量:14kg-C02/年(出典 環境省・林野庁)を使用しています。
※CO2排出量の電気については、東北電力での係数を使用しています。また廃油焼却処理につきましては、環境省が定める係数を使用しています。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
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持続可能な社会のために
当社ではTPM活動の一環として環境保全活動にも取り組んでいます。その中で菊川事業所の製造部門における生
産活動内での省エネへの取り組みについてご紹介します。
改善テーマ
● 設備に使用している全てのエジェクタ(負圧発生器)を使用時のみの吸引へ変更する。
● エアーブローの冷却方式変更と時間の短縮を図る。
改善対象エジェクタ個数:24個
エジェクタ改善
改善点
1 ハンドプレス吸引ON・OFF
2 ペンタイプ切粉吸引ON・OFF
3 バルブ隙間確認
改善前
改善後
部品吸引が常時吸引状態であっ ハンドプレス圧入時のみ
た。
吸引するように変更
切粉吸引作業にてエアーホース ホースからペンタイプに変更
で吸引していたが、常時吸引状 し、ペンスタンドにリミットS
態であった。
Wを取り付け、ペンを持った時
のみ吸引するように変更
バルブのすきま確認する際、ダ 蛍光灯スタンドにリミットSW
イアフラムから負圧にて吸引し を設置し、センサから外れると
バルブを閉じ蛍光灯を照らし、 蛍光灯が点灯し、同時に吸引が
ゲージにてすきまの確認を行 始まる。
なっていた。
エアーブロー改善
問題点
コイルの焼け付き防止、継ぎ手部の半田剥がれと台座の冷却の為にエアーブローを行なっていた。台座の
温度が上がるとナットに温度が伝わり圧入のバラツキ・バリが発生する。
改善前
改善後
台座が高温であり、常温にする為には約1
20秒のエアーブローが必要であり、バラ
ツキを考慮し130秒に設定
約50秒にて常温になり、バラツキを考慮しエ
アーブロータイムを60秒に設定
ナットをセットする
とノズル12箇所か
らエアーブロー
ナットをセットする
とノズル3箇所から
エアーブロー
ノズル3箇所
・穴のあいたノズルを折り曲げ、コイル全体を
冷却するようにした。
・台座冷却の為にノズルの位置合わせと
プログラムを変更した。
改善効果
CO2削減量 17.6t/年
菊川事業所ではコージェネによる発電を行っており、エアーコンプレッサー消費電力をこのコー
ジェネでまかなっているとすると、
化石燃料消費量を
6,482L/年の抑制に繋がります。
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MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
環境に関する法規制の順守状況
当社では、環境に関連する法規や条例などの法改正をタイムリーに入手し、事業者の責務等について法規等
要求事項一覧表にまとめて最新版管理をしています。更に地方公共団体や地域との協定、および取引先や所属
団体からの要請なども加えて、法令順守に努めています。
順守する為の具体的事例としましては、
適用を受ける環境法規を社内公開
・適用を受ける法規全文の閲覧の容易化
・大気や水質などの排出基準は、地域の状況に
応じて法規制より厳しい自主管理基準を設定。
・各部署における法規等の順守状況の確認は、部
署責任者が定期的に実施し評価。
・部署の責任者による評価に対し、法規制責任部
署が適切性や妥当性等を検証し、その結果を
記録に残して社内公開。
・全従業員が法令順守の下で、絶えず汚染の予防
を心掛けるため、関連する法規等の教育や広報
活動の実施。
などが上げられます。
法規制責任部署による検証結果(一例)
測定結果
●工業排水系での最終排水口での水質測定結果
測定業者からの計量証明書より
pH
小田原事業所
菊川事業所
相良事業所
盛岡工場
大釜工場
玉山工場
BOD
●大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設での測定結果
測定業者からの計量証明書より
COD
(mg/L) (mg/L)
基準値
6.0∼8.2 54以下
測定結果
7.60
1.90
基準値
6.0∼8.2 18以下
測定結果
7.24
1.50
基準値
6.0∼8.2 18以下
測定結果
7.16
11.30
基準値
6.1∼8.3 24以下
測定結果
7.3
11.0
基準値
6.1∼8.3 16以下
測定結果
7.2
7.2
工業団地所有の処理施設にて
管理されています。
54以下
2.10
18以下
8.01
18以下
10.90
24以下
13.4
24以下
8.6
測定結果が「0.5未満」の場合、“0.5”を使用しています。
SOx
NOx
ばいじん
(N㎥/h)
(ppm)
(g/N㎥)
基準値
0.2以下 180以下
ボイラー
0.01未満 49.20
菊川事業所
基準値
0.2以下 950以下
コージェネ
0.03
777.67
基準値
0.2以下 100以下
相良事業所
ボイラー
0.024
58
基準値
3.1以下
猶予
ボイラー
0.023
70.5
盛岡工場
基準値
0.21以下 144以下
冷温水発生機
0.02
77
基準値
0.46以下
猶予
大釜工場
ボイラー
0.05
74
小田原事業所、 大気汚染防止法に基づく特定施設を
玉山工場
設置しておりません。
0.3以下
0.01未満
0.1以下
0.02
0.2以下
0.005
猶予
0.02
0.24以下
0.03
猶予
0.05
盛岡工場、大釜工場におきましては小型ボイラーに該当す
るため、総理府令に基づき基準が猶予されています。
※上記データは年間平均値を表します。
※基準値は各事業所における自主管理基準値を使用しています。
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
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持続可能な社会のために
環境教育について
当社は「環境方針」に則り、より良い環境を目指す為、各事業所では、働く全ての人々に対し力量・自覚の
教育を実施し、個々のレベルアップを図りつつ各分野での環境活動の取り組みに活かしています。
分類
教育項目
教育内容
方針の周知と本年度の活動(都度)
新入社員教育
一
般
教
育
専
門
教
育
内
部
監
査
員
教
育
環
境
法
規
教
育
中途・派遣社員環境教育
環境教育
教育風景
・方針展開と活動内容
温暖化防止教育
・環境一般(役割、責任や手順の適合の必要性)
・ISO14001の概要
・自覚教育を中心に環境教育実施
・地球温暖化防止など
・ISO14001の仕組み、要求事項
水質公害防止について
大気公害防止について
高圧ガス保安教育
排水処理装置の取扱い
・水質公害防止の基礎知識
・大気汚染防止知識習得
・取扱いと安全性について
・装置の取扱いについて
大気公害防止について
内部監査員レベルアップ教育
・環境活動の必要性周知
・留意事項の説明会
・グリーン調達(設計・開発)について
・環境影響評価表の確認
・過去の監査結果の問題点・改善点
・監査基準の周知及び弱点強化
内部監査員養成教育
環境内部監査員養成教育
・事前理解度テストの実施と解説
・監査通知書の作成
・監査チェックシート作成
・模擬監査の実施
・監査報告書の作成
・監査結果の発表
環境関連法規教育
・法規の目的、役割、責務について
・順守事項の理解
該当する施設や物質について
公害について
安全・リサイクルについて
TV会議で実施のため
写真なし
上記のほか、各事業所各部署単位にて環境に影響を及ぼさない為の作業手順や物品の扱い、MSDSによ
る性状等について教育を行っています。また環境保全に欠かせない資格取得の増員を図るとともに社外教育
も行っています。
公害防止管理者資格について
2008年度は、以下のとおり公害防止管理者の増員を行いました。2009年度は、さらに増員を図り公
害防止に繋げていきます。
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公害防止管理者資格名
大気
水質
人数
1名
1名
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
緊急事態想定訓練
当社では、種々の切削油・洗浄液・可燃性の液体やガスなどを使用しています。
それらを取扱い作業する上で、災害や事故(地震・火災・機械故障・取扱いミスによる漏洩など)などの緊急事
態を想定し、被害を最小にする為、対処方法について手順を定め、それに沿って毎年訓練を実施し、継続してい
ます。また、手順が確実で迅速に対応可能かどうかの有効性も検証します。
その他各事業所に設置されたAEDによる救命訓練も実施しています。
巨大震災に備えて
訓練風景
火災を想定
活性炭タンクからの油漏れを想定
東海地震が騒がれる中、菊川事業所では少しで
もお客様のご迷惑にならないよう生産活動を早く
復旧するため池の水を生産棟地下ピットへ送れる
よう配管を設けました。2007年度5月に完成
した新生産棟は、雨水を地下タンクに溜めクーリ
ングタワーやトイレに使用しています。
新生産棟へ
心室細動に対する救命処置を想定 タンクからの重油漏れを想定
小川の源流へ
環境会計
当社では、環境維持・対策のための環境保全コストを把握して、環境保全活動を効率的・効果的に維持推進し
ています。
●環境保全コスト
分類
(1)事業エリア内コスト
主な取組み内容 ①公害防止コスト 大気汚染・水質汚濁防止活動(定期分析含む)
騒音・振動防止活動
公害防止設備の保守・点検(浄化槽関連含む)
地球温暖化防止
省エネルギー活動
オゾン層破壊防止
廃棄物再資源化リサイクル活動
廃棄物処理施設の保守・点検、エネルギーの発
生抑制
生産・サービス活動により ②地球環境保全活動
事業エリア内で生じる環境
負荷を抑制するための環境
保全コスト
③資源循環コスト (2)上・下流コスト
再商品化、グリーン購入活動
生産・サービス活動により上・下流で
生じる環境負荷を抑制するためのコスト
(3)管理活動コスト
環境マネジメントシステムの維持
①環境マネジメントシステム
の整備、運用のためのコスト 従業員への環境教育
②環境改善対策コスト
事業所工場敷地内、自然保護緑化・維持清掃
③環境負荷監視のためのコ 水質、大気、騒音振動、土壌、PRTR等監視
スト
(4)社会活動コスト
地域環境美化
地域環境支援・寄付
自然破壊修復、損害保険
(5)環境損傷対応コスト
合計
投資額(千円)
9,849
13,692
3,500
443
33,598
12,608
4,596
563
200
79,049
(環境省「環境会計ガイドライン2005年版」に準拠しています)
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
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持続可能な社会のために
海外生産拠点の環境活動
当社では、海外のグループ各社においてもISO14001認証取得を推進し、人と地球に優しい工場づくり
に積極的な取り組みを進めています。
浙江三国精密機電有限公司
海外拠点
浙江三国
「浙江三国」は浙江省の慈渓
市に所在しています。
『 海外拠点の‘浙江三国’をご紹介します 』
●事業内容 : ガス立消え安全装置、ガス器具用電池電磁弁、比例弁、自動車用電磁弁の製造販売
○中華人民共和国「浙江三国精密機電有限公司(浙江三国)は、ISO14001を2006年に
取得し、消耗品である油類リサイクル、コンプレッサーのインバータ装着、局所照明などでの
節電などを行いました。
○また、全工場の排水処理施設を完備して、メッキ排水処理だけでなく、その他の工場排水も含めて再利
用水70%を行い、節水にも取組み、慈渓市清潔生産専門家の組織による審査に合格しました。
○これらの管理活動と汚染物排出総量制御統計より、規制物質の排出目標の達成、政府環境部門の排
出要求も満足し、2008年1月に寧波市/慈渓市環境モデル(グリーン)工場として認可されました。
正門からの外観
生産環境維持
環境教育風景
“中華人民共和国天津三国有限公司 [天津三国]”・“Mikuni (Thailand) Co., Ltd. [MIT]”・“三國R・K精密株式会社[MRK]
(大韓民国)”などもISO14001認証取得し、その他の拠点も順次展開中です。
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MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
コミュニケーション
環境情報・環境コミュニケーション
環境対話集会
2009年6月24日、菊川事業所において近隣の方々を対象に2008年度の環境活動を報告する対話集会を
開催しました。環境方針(第4項)に則り、地域住民の方々とコミュニケーションを図りより良い関係を築くこ
と、及び第3者の目で見た貴重な御意見を伺うことにより、菊川事業所の環境活動の更なる向上をめざします。
≪ 内容 ≫ 環境への取り組み(2008年度環境活動実績)
・企業紹介
・2008年度の目標と実績
・工場案内
・質疑応答と次回に向けてのアンケート
対話集会開催風景
この結果、環境活動に関する貴重な御意見をいただくことができました。また対話集会を今後も続けて欲し
いとのご要望もありましたので今後も継続して実施していきます。
エコスタッフ養成
盛岡事業所は、岩手県より「いわて地球環境にやさしい事業所」の認定をいただいています。今後他の企
業も当該認定を広く取得いただくため、その事業所に必要なエコスタッフの養成講座に講師として参加しま
した。
講義テーマ
「事業所におけるCO2排出削減の取り組みとエコスタッフの役割」
開催日:2009年1月29日
場所: いわて県民情報交流センター アイーナ
受講者数:70名
≪ 講義内容 ≫
・廃棄物削減の目標と実績及び具体的活動内容
・コピー紙の削減についての具体的活動内容
・省エネ目標と活動事例の紹介及び実績
(省エネについては電気のほか使用する化石燃料の削減も含む)
我々の活動内容が、他の企業の環境活動においてお役に立てるこ
とに感謝し、多くの人がCO2削減に努め、地球温暖化の防止に繋
がればと考えています。
いわて地球環境にやさしい事業所
認定書
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コミュニケーション
環境に関する社会貢献活動状況
企業理念に基づき地域に根ざした社会貢献活動やコミュニケーション活動に取り組み、より良い社会づくりの一
員となるべく努めています。
「緑の募金」・・・静岡県緑化推進協会
森林には、国土の保全、水源の涵養、木材の生産、ま
た地球温暖化防止及び子供の体験学習や健康づくりの
場としての重要な働きがあることを理解し、積極的に
募金に協力しています。
(募金協力によりいただいたスイセン)
稚魚放流と環境美化活動
相良事業所は「新野川・荿(おさ)川の自然を守る会」に参画しており、会主催で春には鯉の稚魚をそれ
ぞれの川に放流しています。秋には国道150号線環境美化活動として、浜岡原子力発電所を基点に15
0号線沿い上下線約2km範囲のゴミ拾い(可燃物・空缶・ペットボトルなど)を行いました。
鯉の稚魚と筬川
美化活動風景
小田原久野地区自治会連合会による久野川一斉清掃
地域の環境保護と美化の為、草刈りをはじめ、土手に投げ捨てられた可燃物や不燃物を分別収集する
ボランテア活動として毎年参加しています。
滝沢村美化推進活動
滝沢村美化推進月間(5月14日∼6月13日)の、企業のボランティア活動として、5月31日
に、盛岡工場、大釜工場にて、沿道の清掃(ゴミ拾い)を実施しました。
この活動で盛岡では、燃えるゴミが11kg、燃えないゴミと
して8kgを回収しました。また大釜では燃えるゴミ、燃えな
いゴミをそれぞれ1kgの回収となりました。
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MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
生物多様性について
生物多様性の保全と生物資源の持続可能な利用の状況
工場緑化
前回ご紹介しました菊川事業所での雨水用調整池における憩いの場づくりと、ビオトープ化の活動について
ご報告します。2008年度の活動としては、要となる部分の作成に努めてきました。その結果、憩いの場づ
くりでは遊歩道として周遊できるようになり、ビオトープでは小川を作るための必要機材の設置が完了しまし
た。
将来構想図
(完成予定図)
この池や小川で蛍が舞い、巡業員やその家族はもとより近隣の方々が憩える場、小学校や幼稚園の子供た
ちが安心して水辺の昆虫観察ができる場を目指しています。
水生生物の保全
工業排水と浄化槽からの排水を
溜める枡では、めだかの3代目が
元気に泳ぎ側壁ではヤゴからトン
ボに脱皮する姿が観察できます。
また夏にはさまざまなトンボが産
卵に訪れています。
池の側壁で脱皮するトンボ
元気に泳ぐめだか
MIKUNI ENVIRONMENTAL REPORT 2009
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お問い合わせ TEL.03−3833−0535
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