AZ系※1エンジン用パワートレーンECUの開発

AZ系※1エンジン用パワートレーンECUの開発
Development of power train ECU for AZ line※1 engine
要
Norimitsu Yukumatsu
Koji Sakamaki
池添
朗 Akira Ikezoe
樽本 拓啓 Takuhiro Tarumoto
鵜野 雄二 Yuji Uno
行松
規光
酒巻
浩二
旨
近年、自動車業界においては、グローバル化が急速に進み、競争の激化と共に製品の短期開発や低コスト化要
求が高まり、当然の事ながら車載機器への要求も、今まで以上にレベルの高いものになって きている。
この様な市場要求に対応するため、当社の担当するパワートレーン制御の分野において、今までの製品開発〜
物作りの各ステップで根本的な見直しを行ない、新技術・工法の導入・適用を進めた。
本論文では、すべての電子部品の面実装化による作り易さの改善や、ICT(In-Circuit Tester)を使用しない新
しい検査方法、更にソフトウエア開発手法の改善について紹介する。
(※1:トヨタ自動車株式会社様 RAV4( 00/5)・Opa( 00/8)に搭載される2000ccエンジン(1AZ-FE、1AZ-FSE))
Abstract
Motor industry is globalizing rapidly in recent years, and the requests for short-term product development and cost
reduction are increasing, with intensifying competition. Therefore, the demand for on-vehicle equipment quality is becoming
much higher than ever before.
To correspond to such market factors, we reexamined each conventional operation step in the power train control field,
from development to production. We then started the introduction and application of new technology and construction
methods.
In this article, we introduce the improvements toward the ease of manufacturing by surface mounting all electric parts, and
new inspection methods without using the ICT (in-circuit tester). In addition, improvements in software development
technique are introduced.
※1: 2000cc engine (1AZ-FE, 1AZ-FSE), which is loaded on the RAV4 ( 00/5) and the Opa ( 00/8) by Toyota Motor Corporation.
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AZ系※1エンジン用パワートレーンECUの開発
1.はじめに
当社においてパワートレーン系ECUを生産して20
年以上になるが、当初排気ガス制御だけであった物が、
最近のECUにおいては、燃料噴射・点火時期・トラン
スミッション・電子スロットル制御等が盛り込まれ、高
機能化が進んでいる。
また、要旨でも述べたように低コスト化・開発期間短
縮も同時に要求されている。
この様な要求に対応するため、2000年5月ライン
オフのAZ系エンジン用パワートレーンECUを開発す
るにあたり、当社モートロニクス本部として、画期的な
製品開発を目指し、SRM2000(Super Rap
id Module2000)プロジェクト活動を1997年
11月より発足させ、製品企画段階から関連部署(品
管・製技・製造・他)とコンカレントに開発を進めた。
今回、プロジェクト活動のコンセプトを実現するため
の、設計面での取り組み事項について報告する。
(表-1)
放熱板により放熱する必要があった。
これを解決するため、スィッチング方式での製品成立
性に関して、要求電圧精度等から検討を実施したところ、
①と②に対しては、採用可能と判断した。その結果、①
と②のトータル消費電力が0.55Wになった。
ただし、要求電圧精度の高い③に関しては、消費電力
が0.25Wである事と、④に関しても消費電力が0.1W以下
であることから、従来のシリーズ方式を採用した。
この結果、トータルの消費電力が0.9Wとなり、面実装
部品での製品成立が可能となった。
今回①・②・③・④の電源を供給するために新規にカ
スタムで電源ICを開発し、1個ですべての電源をコン
トロールするようにした。
また、図-5で示す放熱板付リードICに関しても、裏
面放熱板付SOP(面実装)パッケージを採用し、積極
的に基板に放熱した。(図-3)
従来品
表-1 SRM2000のコンセプトと方策・狙い
Table 1 Concept, manner, and aim of SRM2000
SRM2000
コンセプト
スピード
スリム
検査
研出力
向上
狙い 品質 コスト 供給
(Q) (C) (D)
方策
オール面実装
部品化
コネクタ
リード部品
放熱板
面実装部品
開発品(コネクタを除くすべての部品が面実装)
コネクタ
部品点数
削減
ソフトウェア開発
手法改善
検査専用ソフト
(ICT削除)
実車モード
検査
図-1 製品形態
Fig.1 Product configuration
従来品
2.実装部品のオール面実装部品化
高密度化対応およびハイスピード生産が可能となるス
リムな製品形態を目指し、全ての電子部品を面実装タイ
プ(リフロー部品)とし、放熱板も無くした。
(図-1)
その結果、図-2で示す様に製造工程が簡素化(シング
ルプロセス化)され、かつ超高速マウンタのみで実装可
能となった。
ネックとなるECU内部電源の低消費電力化について
は、トヨタ自動車株式会社向けパワートレーンECUと
して、初めて内部電源にスィッチング方式(従来はシリ
ーズ方式)を採用した。
以下に、今回のECUが必要としている電源を挙げる。
①3V電源:32ビットフラッシュマイコン用
②5V電源:統合IC・32ビットフラッシュマイコ
ン・ 出力プリドライバー回路等用
③5V高精度電源:センサー・アナログ信号処理回路・
ノック処理回路・統合IC等用
④8V電源:32ビットフラッシュマイコン書き込み用
仮に、今回の開発品において従来のシリーズ方式を用
いた場合、電源部の消費電力はトータル3.8Wとなるため、
図-5で示すように電源トランジスタは、リード付品とし、
A面実装
リ
フ
ロ
リ
ー
フ
部
ロ
品
︵
ー
実
装
︶
超高速マウンタ
A面挿入
B
面
グ
ル
ー
部
品
実
装
リ
ー
ド
部
品
︵
横
︶
リ
ー
ド
部
品
︵
縦
︶
異
形
部
品
挿
入
フ
ロ
ー
は
ん
だ
付
け
低速挿入機
開発品
B面実装
A面挿入
リ
フ
ロ
リ
ー
フ
部
ロ
品
︵
ー
実
装
︶
超高速マウンタ
リ
フ
ロ
リ
ー
フ
部
ロ
品
︵
ー
実
装
︶
超高速マウンタ
コ
ネ
ク
タ
実
装
コ
ネ
ク
タ
フ
ロ
ー
は
ん
だ
付
け
①超高速マウンタのみで実装可能(スピード)
②面実装部品であるため高密度実装可能(スリム)
③製造工程の簡素化(スピード・スリム)
図-2 製造工程
Fig.2 Manufacturing process
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富士通テン技報 Vol.18 No.2
3.部品点数削減への方策
放熱板
(パターンにはんだ付け)
今回のECU開発にあたり、機能ブロック別(図-4)にI
C化を検討し、以下のカスタムICを開発した。
①2000年EFI用統合IC
②電子スロットル制御IC
③リニアソレノイド駆動IC
④電源IC
その結果、部品点数が開発品の機能から考えた場合、
従来では1200点必要なところを、850点に削減で
きた。
今回の開発品の外観を図-5に示す。
放熱
スルーホール
放熱パターン
内層放熱パターン
図-3 裏面放熱板付SOP(面実装)パッケージ
Fig.3 SOP (surface mounting) package with rear cooling wheel
が新規カスタムIC
コネクタ 122ピン
電源部
5V・3Vスイッチング電源用ドライブ回路
入力波形整形回路
電源IC
SW入力(キーSW・
ドライブポジション・他)
EFI通信
VSC通信
その他通信
電子スロットル出力
モータドライブ回路
電子スロットル制御IC
その他の入力回路
リニアソレノイド駆動IC
2000年EFI用統合IC
車内通信バッファー
TRC通信
ECT(CVT)
・VVT出力
リニアソレノイド駆動IC
リニアソレノイド駆動IC
③フラッシュ書き込み用8V電源
④その他
BEAN通信
出力回路
センサ入力(水温・吸気温・他)
①5V・3Vスイッチング電源コントロール
②5V高精度電源
リニアソレノイド駆動IC
①16ビットマイコン
32ビットフラッシュ
②ノック制御
マイコン
32ビットフラッシュ
①電子スロットル制御 ③回転系入力バッファ処理
マイコン
(エンジン回転数・車速・ECT回転数・他)
②ECT(CVT)制御
①エンジン制御
①ADコンバータ
(40cH)
③その他
(噴射・点火・他)
②イモビ制御
②その他
③点火制御
④その他
図-4 機能ブロック
Fig.4 Functional block
従来品
開発品
電源トランジスタ
リード部品+放熱板
電源部
面実装部品
で構成
放熱板付
リードIC
裏面放熱板付
SOPパッケージ
の採用
図-5 開発品の製品形態
Fig.5 Product configuration of development product
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プ
リ
ン
ト
基
板
噴射出力
点火出力
ランプ出力
(ウォーニングランプ・他)
その他出力回路
AZ系※1エンジン用パワートレーンECUの開発
4.新しい検査
従来品
4.1 検査専用ソフトの採用
今回のような高機能なECUであると必然的に高密度
実装が必要となる。従来は各部品の定数検査をICT
(In−Circuit Tester:プリント基板上に
測定用ピンをあてて検査)により行なっていたが、この
場合プリント基板上の各部品毎にテストターミナルが必
要であることから、高密度実装化の妨げとなっていた。
また、機種毎に数百ピン(今回の開発品では600ピン
以上)のICT用フィクスチャを準備し、かつ流動毎に
段取り替えする必要があるため、製造工程を複雑化して
いる要因にもなっており、かつ温度(温特)検査との併
用を困難にしていた。
そこで、今回はフラッシュメモリー内蔵マイコンを採
用することから、その書き換え機能を有効利用し、検査
専用のソフト開発を行うと同時に、2000年EFI用
統合ICに対してはバウンダリースキャン機能を持たせ
ることにより、マイコンと統合ICの各端子に対し、任
意にHi(5V)・Lo(0V)出力および入力設定が
できるようにした。
こうすることにより、マイコン・統合ICが出力設定
の場合はコネクタ端子をモニタ、また入力設定の場合は
入力結果をパソコン等の測定機へ返信する事により、回
路ブロック毎で部品定数、およびファンクション(機能)
検査が同時に行なえるようになった。
(図-6)
この結果、従来のICT検査が削除可能となり、かつ
本検査が温度かけた状態で行なえることから、温度(温
特)検査との統合と、検出力の向上が図れた。
また、図-7で示す様に、自動外観検査と実車モード検
査を新たに導入し、検出力の向上を図った。
ファンクション
(機能)検査
ICT
温特
検査
ICT削除・検査の場合
開発品
自動
外観
検査
新規温特検査
(検査ソフト)
QT
(製品ソフト)
図-7 検査工程
Fig.7 Inspection process
4.2 実車モード検査の導入
本製品では、ECU出荷検査の検出力向上を狙いとし
て、実車シミュレータ(CRAMAS ※2)を新たに導入
し、実車モードでの検査を追加した。
シミュレータ
製品
(エンジンECU)
(CRAMAS)
走行パターン
エンジン回転数
スロットル開度
ECU出力
・
・
・
点火時期
照合
燃料噴射量
従来品:基板にピンを立てて測定(数百本)
R6
統合IC
R5
R2 C1
開発品:コネクタ端子で、定数・機能確認
波
形
を
モ
ニ
タ
C2
R1
R3
5V・0V・入力
任意に設定
R6
R4
R5
統合IC
マイコン
バウンダリー
スキャン機能
搭載
検査
専用
ソフト
R2 C1
パ
ソ
コ
ン
・
・
・
図-8 実車モード検査
Fig.8 Actual car mode inspection
矢印毎にテストターミナル
C2
R3 R4
実車
モード
検査
検査の検出力向上と工程のスリム化を実現
期待値
R1
QT
シリアル通信によりコントロール
(検査コマンド送信・入力結果受信)
この実車モード検査では、実車シミュレータ(CRA
MAS)に登録した走行パターンを用いて、ECUを動
作させ、ECUの出力信号を連続でモニタする事により、
期待値とリアルタイムに照合している。(図-8)
また、特定の走行状態でのみ発生するような現象が起
った場合でも、走行パターンに追加することで、検査の
レベルUPを図る事が可能になる。
※2 CRAMAS(ComputeR Aided Multi-Analysis System)
車両モデルを使用して、実車両相当の評価環境で、ECU動作確
認、およびソフトウェアデバッグを効率的に行う当社開発のシミ
ュレーションシステム。
図-6 検査方法
Fig.6 Inspection method
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富士通テン技報 Vol.18 No.2
アプリケーション層
近年の燃費向上や排ガス規制の強化などの環境対策に
より、パワートレーン制御ECUのソフトウェアに対す
る要求は大規模・複雑化してきている。本製品開発では、
それらの要求に対応するため、ソフトウェア部品を単に
標準化するだけに止まらず、ソフトウェアの資産価値を
有効に活用するための、再利用性向上や品質確保を目指
し、以下の取り組みを行った。
5.1 ソフトウェアの構造
本製品では従来から取り組んできたソフトウェア構造
の見直しをさらに進め、ソフトウェア再利用性の向上、
システム変更への柔軟な対応を目的として当社パワート
レーン制御ECU初の階層構造ソフト(図-9)を導入し、
ソフトウェアの部品化(モジュール化)を進めた。
5.1.1 階層構造ソフト構成
1)プラットフォーム層
①ECUハード層(ECU層・CPU層)
ECU回路、マイコン(CPU)内部回路の処理を
行う。
②アプリケーションプラットフォーム層(APF層)
センサ・アクチュエーターの特性を吸収し、アプリ
ケーション部とECUハード層を結合する。
2)アプリケーション層
システム制御を受け持つソフトウェア部分。
OBD
ECT
故
障
診
断
変
速
演
算
プラットフォーム層
5. ソフトウェア開発手法の改善
ECU層
図-9 階層構造ソフト構成
Fig.9 Software composition in hierarchical structure
5.1.2 階層構造ソフトの特徴
従来はECU回路構成、CPU内部回路等のハードウ
ェア変更時には、関連する複数ソフトウェア部品の変更
も必要であったが、このソフト構成の採用により、プラ
検証工程
要件分析
ECU検査
レビュー
ハード・ソフト
構成検討
ハード・ソフト
結合検査
レビュー
CRAMAS
プログラム(結合)検査
レビュー
詳細設計
プログラム(単体)検査
レビュー
コーディング
CAPAS
コーディング検査
図-10 ソフトウェア開発工程
Fig.10 Software development process
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OS
CPU層
出荷
ソフト構造設計
噴
射
演
算
APF層
製品
要求仕様書
設計工程
エンジン
AZ系※1エンジン用パワートレーンECUの開発
ットフォーム層のソフトウェア部品を交換することでア
プリケーション部を変更/再設計することなく柔軟に対
応する事が可能となっている。
また、自動車制御用として、省メモリ、高速応答性を
重視し、μITRON仕様に準拠したリアルタイムOS
を導入することによりアプリケーションソフトの効率的
な処理を実現した。
5.2 開発工程の改善
ソフトウェアの制御対象拡大に伴ない、ソフトウェア
の信頼性をさらに向上させるため、従来のソフトウェア
開発工程に改善を加えた(図-10)
。
5.2.1 改善された開発工程の特徴
1) 設計工程
設計の各段階毎にデザイン・レビューを実施すること
で、各段階毎に作業が完結し、手戻りも最小限にする
ことができるため、開発期間の短縮が可能になる。
2) 検証工程
検証対象と設計工程を関連づけることにより、設計工
程の品質管理を兼ねる。また、問題発生時に、上流の
仕事の仕方で、どこに問題があったかが明確になり、
再発防止を図ることができる。
今回の改善により、開発期間短縮が図れるソフトウェ
ア開発工程を作り込むことができ、本製品以降の開発製
品においては、設計標準として展開が図られている。
5.3 ツールの活用
従来から、ソフトウェア開発効率化のためにツールの
活用を行っていたが、本製品開発では、図-10のソフト
ウェア開発工程の各工程において、新たなツールを導入
することにより、さらなる効率化を目指した。
①デザインレビュー機能の強化(CAPAS※3)
プログラムの品質を人間の手ではなく、ツールを使っ
て自動的にチェックする手法が一般的に採用され、ソ
フトウェアも市販されている。
当社では、従来から独自開発したCAPASを活用し、
社内のさまざまなニーズに対応してきた。
本製品開発においては、ソフトウェアの部品化により、
部品内のソフトウェア品質は検証済であるが、部品間
の整合性については、ECUに実装する段階での検証
が重要になる。
今回、CAPASの従来機能に加えて、部品間の整合
性に関する部分のレビュー機能を強化することで、検
証工程の早い段階で問題点の検出が可能になった。
② 実車シミュレータ(CRAMAS)
今回開発したCVT制御は、トヨタ自動車株式会社初
のシステムであるため、ECUデバッグでは、ソフト
部品レベルのみでなく、車両全体の動作確認による検
証が必要であり、実車に代わるツールが必要不可欠で
あった。
CRAMASは、そのニーズに応えるべき実車シミュ
レータとして開発されたが、当初はエンジン、トラン
スミッションモデルが実装されてはいたが、簡易的な
モデルであったため、より実車に近い動作を実現させ
る、精密なモデルの開発が必要であった。
このため、CVTの制御仕様より、ECUデバッグに
必要な車両状態のモデルを、独自に開発し、実車シミ
ュレータ(CRAMAS)に組込んだ。(図-11)
CRAMAS
入
力
デ
ー
タ
変
換
出
力
デ
ー
タ
変
換
model 演算
アクチュエータ駆動信号等
センサ信号等
外部信号
運転モード、環境条件
図-11 実車シミュレータ(CRAMAS)
Fig.11 Actual car simulator (CRAMAS)
モデルの作成においては、MATLAB/SIMUL
INKを利用して、モデルブロック図を作成したが、開
発が進むにつれCVT実機のレベルアップが行われ、そ
れに対応させるべく、モデルブロックもレベルアップを
重ねることで、より実車に近い状態での効果的な評価環
境を実現させることができた。
6. 開発の成果
今回の取り組みにより、パワトレーンECUの高機能
化と、製品形態のスリム化との両立を図ることができた。
その結果、従来以上の品質を確保した上で、製造工程
の大幅な簡素化とコストダウンが実現できた。
表-2に従来品( 97モデル)に対して、D4制御(燃
料筒内噴射)・CVT(無段変速装置)・電子スロット
ル制御等を織込んだ今回の開発品での効果を示す。
表-2 従来品と開発品との比較
Table 2 Comparison to the conventional type in development
従来品
開発品
( 97モデル)
部品点数
400点
850点
(従来技術1200点)
加工費(指数)
100
75
製造工程数
21
11
ライン長さ
80m
45m
流動タクト
30秒
20秒
コスト(機能比)
100
75
※3 CAPAS(Computer Aided Program Analysis System)
コンピュータによるソフトウェア設計・プログラム解析支援シス
テム。
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富士通テン技報 Vol.18 No.2
7. 今後の展開計画
①次期モデルの開発に際して、さらに作り易いECUを
目指し、完成度アップに取り組む。
部品点数:300点以下
小型化:235×170mm→160×170mm
②実車シミュレータを他の制御へも活用し、ECUデバ
ッグのさらなる効率化に取り組む。
8. おわりに
今回の活動により製造ラインの生産性の向上、および
ソフト設計手法の改善を図ることができ、今までにない
高機能なECUを、無事今年の5月より量産開始できま
した。
最後に、本製品の開発に多大な協力を頂いたトヨタ自
動車株式会社様、およびSRM2000全関係者に改め
て感謝いたします。
筆者紹介
行松
規光
(ゆくまつ
のりみつ)
浩二
(さかまき
こうじ)
1986年入社。以来、自動車用
センサ・HICの開発を経て
1998年より自動車用電子機器
の開発に従事。
現在モートロニクス本部第一
技術部第12技術課在籍。
1985年入社。以来、自動車用
エンジン制御電子機器のソフ
トウェア開発に従事。
現在、モートロニクス本部ソ
フトウェア技術部第二ソフト
プロジェクト在籍。
池添
樽本
朗
(いけぞえ
あきら)
1982年入社。以来、自動車用
エンジン制御電子機器の機構
設計、ソフトウェア開発等に
従事。
現在、モートロニクス本部
ソフトウェア技術部第一ソフ
トプロジェクト課長。
鵜野
雄二
(うの
ゆうじ)
1984年入社。以来、自動車用
HICおよび高密度実装技術
の開発を経て、1999年より自
動車用電子機器の開発に従事。
現在、モートロニクス本部第
一技術部第12技術課長。
40
酒巻
拓啓
(たるもと
たくひろ)
1984年入社。以来、自動車用
エンジン制御電子機器のソフ
トウェア開発に従事。
現在、モートロニクス本部ソ
フトウェア技術部第二ソフト
プロジェクト課長。