くりのみ

道徳の時間学習指導案
指導者
1 日 時
平成25年6月7日(金) 5校時
2 学 年
第2学年 8名
3 主題名
「こまっているともだちに」 内容項目
4 ねらい
うさぎの2つしかないしなびたくりをわたすやさしさに,涙を流すきつねの心情を通して,困っていると
きには互いに助け合おうとする思いやりの気もちを育てる。
5 資料名
「くりのみ」 【日本文教出版】
2-(2)思いやり・親切
6 主題設定の理由
(1)主題の設定
子どもにとって,明るく楽しい学校生活を送るために,友達は欠かすことのできない存在である。よりよい友情
を築くには,互いを認め合い,様々な場面での学習活動や生活を通して,助け合い,理解し合い,相手の気持
ちや心情を思いやることが大切である。相手のことを考えて,思いやる行動をとることができるようになるために,
だれかに思いやりをもらうことが思いやる行動へとつながることを想定し,自分が思いやってもらったときの気持
ちを味わうことが大切である。
そこで,少しずつ仲間意識を持ち、友達関係のよさを実感し、相手の立場になって考える力が発達するこの期
に、本主題を取り上げる。本資料「くりのみ」を通して,自分が困っている時に友達から心配されたり,やさしくさ
れたりすれば,嬉しい気持ちになることを感得させ,友達と仲良くし,助け合おうとする態度を育てる。
(2)児童の実態
省略
(3)いのち育みプログラムとの関連
見取りの活動として,図画工作の時間での「おおきな紙で」を取り上げた。友達と協力し,互いの
工夫を教え合いながら,みんなで作品をつくろうとする心情を養っていく。事後活動においては,図画
工作の時間での「ワクワクがっき」を取り上げる。友達と協力し,互いの工夫を教え合い,自分たちでつ
くった楽器を使って,みんなで合奏したりして音を楽しむ態度を育てる。
(4)資料の概要
本資料は,冬の寒いある日,友達同士のきつねとうさぎは,それぞれに食べ物を探しに出かける。きつねは
どんぐりをたくさん見つけておなかいっぱい食べた後,残りのどんぐりを落ち葉で隠すが,独占欲がわいて何も
みつからずに腹ぺこだとうさぎにうそをつく。するとうさぎは自分が二つしかくりのみを見つけなかったにもかか
わらず,きつねの嘘を疑うこともなく,きつねに一つ分け与える。きつねはそんなうさぎの優しく心温まる行為に,
友達のありがたさを感じて涙を流すという話である。
うさぎの友達を思う優しさに触れ,ぽろっと涙を流すきつねの気持ちを考えさせることにより,相手を思いやり,
友達と仲よくすることの大切さに気付かせたい。
(5)指導の工夫
価値を理解させるために,きつねが食べ物を独占したくなった気持ちに共感させたり,うさぎの優しさに触れ
たときの気持ちを考えさせたりすることで,相手を思いやる心の優しさが友情を深めていくことに気付かせ,友
達と仲よく助け合うことの大切さを理解させたい。また価値と自分とをかかわらせるために,日常の生活の中から
友達と助け合って過ごしたときの楽しさやありがたさを想起させ,自分たちの中にある友達との心のつながりに
気付かせたい。さらに,価値実現の意欲を持たせるために,終末では,子どもたちの生活の中から友達と助け
合って過ごしている姿を紹介し,これからも友達と仲よく助け合っていこうとする意欲を持たせたい。
7 準備物
資料の絵,短冊,ペープサート
1
8 いのち育みプログラム
たったひとつしかないいのち
ねらい
どんな生きものも命はひとつしかない。そのたったひとつの命を大切に生きていこうとする態度を育
てる。
意識の事前把握
自
分
社
会
生
命
仲
間
1学期のめあてを決め
よう
【学級活動における道
徳教育の視点】
規則正しく,健康に気
をつけて1学期の生活
を送ろうとする心情を
育てる。
わくわく町たんけん
【生活科の時間にお
ける道徳教育の視点】
通学路を振り返り,
地域のことについて
知ろうとする態度を
育てる。
かんさつ名人になろう
【国語科の時間における
道徳教育の視点】
生物や植物には,命が
あり、成長するものとい
うことに気づく。
おおきな紙で
【図画工作科の時間
における道徳教育の
視点】
友達と協力して,工
夫を教えながら,みん
なで作品をつくろう
とする心情を養う。
道 徳 の 時 間
見取りの活動
なおみさんは
花だんがかり
1−(2)勤勉・努力
自分がやらなければ
ならない仕事は最後ま
でやり遂げる心情を養
う。
ぼくのはっけんコース
4−(5)郷土愛
自分の生活範囲を
変えて見て,郷土へ
の愛着を高めようと
する心情を養う。
ふしぎな音
3−(1)生命尊重
命のすばらしさに
気づき,かけがえの
ない命を大切にしよ
うとする心情を養
う。
運動会
【行事における道
徳教育の視点】
運動会を成功さ
せるために,一生懸
命練習に取り組む。
アイガモの放鳥
【生活科の時間におけ
る道徳教育の視点】
町の人と交流して
アイガモの放鳥を通
して,自分の町に対
して愛着を持とうと
する態度を育てる。
やさいづくり
【生活科に関わる道徳教
育の視点】
愛情を持って,野菜の世話
児童の意識の流れ
・じぶんのめあて
をもってよりよ
い生活をしてい
こう。
・わたしたちのこ
とを考えて,見守
ってくれる人た
ちがいるんだ。
・どんな生きもの
も命をもってい
る。命ってすばら
しい。
をし,植物の命を大切にし
ようとする心情を養う。
くりのみ
2−(3) 信頼・友情
日ごろから友達と
仲良く遊んだり勉強
したり,困っている
ときには互いに助け
合おうとする思いや
りの心情を養う。
ワクワクがっき
【図画工作科におけ
る道徳教育の視点】
自分たちでつくっ
た楽器で,みんなで
合奏したりして音
を楽しむ態度を育
てる。
・みんなで協力す
れば,すばらしい
ものができるん
だ。
たくさんの人に支えられているいのちを大切にし,自分にできることをしていこう
2
9 学習展開
学習活動
主な発問と児童の心の動き
指導上の留意点
(○支援 ☆児童への評価の観点
1涙をながすときの心
導
情を考える。
入
○普段,どんなとき,どんな気持ちで涙 ○自由に発言させて資料の内
を流しますか。
容の導入をはかる。
・かなしいとき
・けがをしたとき
2「くりのみ」を聞い ○「くりのみ」を聞き,話し合いましょ ○資料の絵を提示すること
う。
て話し合う。
で,きつねの行動を児童にじ
っくり理解させる。
①うさぎに,うそをつ ○きつねは,どうして「なんにも見つか ○うそをついて,どんぐりを
いたきつねの気もち りません」とうそをついたのだろう。
独り占めしようとしたきつ
・だれにもあげたくない。
を考える。
ねの独占欲をおさえる。
・見つからないように隠したい。
展
・うさぎにとられたくない
【み・・見つける】
②しばらく考えたあと ○ きつねがはらぺこと聞いて,うさぎは ○困っている友達を助けよう
でくりのみをあげた
とするうさぎのやさしさを
しばらく考えて,どんな気もちでくり
うさぎの気もちを考
おさえる。
のみをあげたでしょう。
える。
・2つしかないけど,1こあげ
ようかな。
・友達が困っているからあげよ
うかな。
・しなびたくりでもいいかな。
【し・・知っている(経験)ことから】
開
③うさぎにくりのみを
もらって,涙をなが
したきつねの気持ち
を考える。
◎なみだをながしたきつねは,どんな ○うさぎのやさしさにふれた
ことできつねの気もちに変
ことを思っているでしょう
・うさぎさんはやさしいな、ありがとう。 化がおきたことをおさえ
る。
・2つしかないのにくれるの?
(基本的理解)
・うそをついて悪かったな。ごめんね。
・くりのみをもらったからどんぐりを返
そう。
(主観的理解)
・ こんどは,どんぐりをあげよう。
・ ぼくもうさぎさんみたいにともだち
にやさしくしよう。
(客観的理解)
【よ・・・よりよい生き方を比較して考える】
終
末
3 これまでの子ども
の様子を紹介す
る。
・事例を取り上げて,認めて
もらうことで,実践への意欲
付けをする。
3
10 板書計画
くりのみ
﹁なにもなくて﹂
落ち葉に
どんぐり
をかくす
絵
かくす
しばらく考えた
・ だれにもあげたくない
・ 見つからないように
・ うさぎにとられたくない
きつねが
うさぎに
出会う絵
うさぎと
きつねが
出会う絵
うさぎが
くりをわ
たす絵
やっと見つけた
一つさしあげましょう
・2つしかないけど,あげよ
うかな。
・友達だから困っているから
・
・
どんぐりをあげよう。
うさぎさんありがとう。
ごめんね。
きつねが
泣いてい
る絵
なみだをながしたきつねは,
どんなことを思っているでしょう。
・
・ 困っている友達のために。
ともだちだから,たすけあう
4
見つける
知っていることから
より良い生き方