S tep ヒントや ノウハウ 地図に書き込む 5 ■整理した情報は、シールや付箋等を使って、地図上に書き入れ ながら取捨選択し、効率的な作業を心がけよう。 整理 した 情 報を 地 図に 書き 込む 作 業は 、作 成 過程 で修 正・追 加が 効 率的 にで き る よう に書 き 込み 方 を工 夫す る必 要 があ り ます 。ま た、防災 マ ップ に 使う 基図( ベー ス図 )は 、一 般 の住 民 にも なじ み やす い 図面 であ るこ と 、ど こに 誰 が住 んで い るか がわ かる こ と、個々 の 家の 形が 記 載さ れ てい るこ と、更新 頻 度が 高 く実 情に 応 じた 更新 が可 能 であ る こと 等に 注意 す ると 実 用性 の高 いマ ッ プに な りま す。 以下 に地 図 に書 き 込む 上で 必要 な 事柄 に つい て例 示し ま す。 1. 基図 ( ベー ス 図) に使 用す る 地図 の ポイ ント ○書 き込 み 用の 地 図 ∼地 域が よ くわ か り問 題点 等を 記 入し や すい 縮尺 のも の を∼ 地図は、対象とする地区(町内会など)の様子が、よくわかり問題点等を記入し やす いも の を選 び ます 。 また 、対 象 とす る 地区 (町 内会 な ど) ご とに 地図 は異 な りま す 。 地図 を選 定 する 際 、次 のよ うな 点 を踏 ま えて おく と良 い でし ょ う。 【地 図の 種 類と 特 徴】 調べた情報を収集する際や実際に集めた情報を地図に書き込むには、白地図(都 市計 画図 な ど) や 明細 地図 (住 宅 地図 な ど) を利 用す る と便 利 です 。 ここ では 、 白地 図 と明 細地 図の 特 長に つ いて 紹介 しま す 。 ●白 地図 ( 都市 計 画図 など ) ・自 治 体が そ の行 政 区 域内 の 都市 計 画の 内 容 を示 した 地 図で 、 通常 、 地 形図 に 航空 写 真判 読 に よ り家 形 など を 追加 し 、 都市 計 画道 路 の位 置 な ど を書 き加 え たも の です 。 ・市 町 村の 都 市計 画 担 当に 問 合せ い ただ け れ ば概 ね入 手で き ます 。 (例:岡山市 岡 山 市 域 図 260∼ 320 円 程 度 ) 白地 図( 一 例 ) ・縮 尺は 自 治体 の 面積 によ って も 異な り ます 。 (1/2,500、1/25,000、1/10,000 など 。数 字が 大 きい ほ ど広 範囲 。) ・一 軒一 軒 の家 や 建物 (名 称) や 道路 、 水路 など を識 別 しに く い点 があ りま す 。 ●明 細地 図 (住 宅 地図 など ) ・ 主 に 一 軒 一 軒 の 家 や 建 物 ( 名 称 )、 店 舗 、 信 号 交 差点の名称など細かい情報が記載されています。 ・一 般 の 書 店 に 問 合 せ い た だ け れ ば 概 ね 入 手 で きま す 。複 数 の 出 版 社 か ら 、概 ね す べ て の 地 域 に つい て発行されています。 住宅地図、明細地図(一例) ・家や建物などの名称は、表札や郵便受けによる調査により集められたもので、 土地 、建 物 の所 有 者を 示す もの で はあ り ませ ん。 ・編 集等 の 都合 上 、土 地の 境界 や 建物 の 形状 が実 状と 異 なる 場 合が あり ます 。 17 ○な るべ く 最新 の 地図 を 基図 (ベ ー ス図 ) に使 用す る地 図 の作 成 時期 を確 認し ま しょ う 。 地図が古い場合、地形状況や家屋、道路の状況等、地域の実情に会わない場合が ある ため 、 なる べ く最 新の 地図 を 使用 し まし ょう 。 ○地 図を 利 用す る 際は ルー ルを ま もっ て 基図 に利 用 する 地 図に つい ては 、「 著作 権 法 」の対 象と し て保 護さ れて おり 、コ ピ ー・印刷・ホームページ掲載など複製等をする場合、特定の場合を除いて、著作者 の許諾を得ることが必要とされています。また、自治体で作成している白地図など も、 測量 法 など を 守っ て使 用し ま しょ う 。 ●測 量法 (測 量成 果 の複 製 ) 第 43 条 公共 測 量 の測 量成 果 のう ち 、地 図そ の他 の 図表 、 成果 表、 写真 又 は 成果を記録した文書を複製しようとする者は、当該測量計画機関の長の承認を 得なければならない。測量計画機関の長は、複製しようとする者がこれらの成 果をそのまま複製して、もっぱら営利の目的で販売するものであると認めるに 足る 充分 な 理由 が ある 場合 にお い ては 、 承認 をし ては な らな い 。 (測 量成 果 の使 用 ) 第 44 条 公共 測 量 の測 量成 果 を使 用 して 測量 を実 施 しよ う とす る者 は、 測 量 計画機関の長がその測量成果が当該測量に関して適切なものであるか否かを確 かめるために当該測量成果を作成した測量計画機関の長の承認を得なければな らな い。 2 前項の場合においては、測量成果に、使用した公共測量の測量成果を明示 しな けれ ば なら な い。 3 公共測量の測量成果を直接又は間接に使用して刊行物を出そうとする者は、 刊行 物に そ の旨 を 明示 しな けれ ば なら な い。 ●明 細地 図 (住 宅 地図 など )の 複 製手 続 き( 例) ※株 式 会社 ゼ ンリ ン 当社 地図 製 品を 複 製等 利用 する 場 合の 手 続き は、 以下 の 通り で す。 まず は、 当 社事 業 所ま たは お客 様 相談 室 まで お問 い合 わ せく だ さい 。 当社 地図 製 品を 複 製等 利用 する 場 合の 基 本条 件は 、以 下 の通 り です 。 1. 対象 地図 製 品の 購 入 2. 事前 に利 用 許諾 申 請が 必要 3. 最新 版地 図 製品 の 利用 4. 居住 者名 の 非掲 載 ( ※防 災マ ッ プと し ての 利用 であ れ ば条 件 緩和 も) 5. 著作 権及 び 許諾 番 号の 表示 6. その 他 18 2. 基図 ( ベー ス 図) に情 報を 書 き込 む 際の ポイ ント ○情 報を 書 き込 む 地図 の大 きさ 地図 大き さ は、 A0∼ A1 程 度の 規格 を 目 安と する と 良い で しょ う。 実際に情報を書き込んだり、写真などを張ったりすることを考慮するとA1サイ ズ程 度が 望 まし い でし ょう 。 【一 般的 な 紙の 規 格と サイ ズ表 】 規 格 サイズ(ミリ) 主な用途 A0 841×1,189 図面、大判ポスター A1 594×841 A2 規 格 サイズ(ミリ) 主な用途 B0 1,030×1,456 図面、大判ポスター ポスター B1 728×1,030 420×594 ポスター B2 515×728 ポスター A3 297×420 ポスター B3 364×515 車内吊りポスター A4 210×297 楽譜・グラフ誌 B4 257×364 グラフ誌 A5 148×210 書籍・雑誌・教科書 B5 182×257 雑誌・カタログ A6 105×148 文庫本 B6 128×182 書籍 A7 74×105 ポケット辞書 B7 91×128 手帳 A8 52×74 B8 61×91 大判ポスター ○ま ずは 様 々な 地 域の 情報 の位 置 を確 認 し、色分 け テー ブル に 基図( ベー ス図 )に 使 用す る 地図 を広 げ、現 在 地を 確認 す る とと もに 、主 な道 路、河川 と、 収集 した 情 報や 点 検( タウ ンウ ォ ッチ ン グ)など で チェックしてきた様々な地域の情報の位置を確認 し、 色分 け して 図 化し まし ょう 。 また 、情 報 の内 容 を整 理せ ず、気 づい た こと をバ ラバ ラに 地 図へ 書 き入 れる と 、後 で、マ ップ を見 る とき にわ か りに く くな りま す。 情報 の内 容 をい く つか に分 けて 、色分 け や図 上で の工 夫に よ り分 か りや すく 構成 し まし ょ う。 色分け の 一例 地 域 の 方 々 が 、必 要 な 情 報 毎 に ポ ス トイットやシールを地図に貼った り 、道 路 、水 路 な ど 施 設 に つ い て 確 認した位置の色塗りをしています。 河川や水路等水関連・・・青色 公共施設、関連・・・・・・紫色 山林・田畑地関連・・・・緑色 民間企業など・・・・・・・黄色 道路等交通関連・・・・・茶色 過去の被災箇所や危険箇所・赤色 ●写 真や ポ スト イ ット を活 用し た 情報 の 整理 情 報 の 内 容 を 図 上で 工 夫 し て 、 整 理 す るた め に は 、 写 真 やポ ス ト イ ッ ト を 使 っ て、 構 成 し て い き ま し ょ う。 ポ ラ ロ イ ド カ メ ラ やデ ジ タ ル カ メ ラ の 場 合 は、 撮 影 し て き た 写 真 を、 写 真 撮 影 地点 の近 く に貼 っ たり 、ポス ト イッ トカ ー ド は、 特 に 注 意 する 内 容 や 施 設 の 分 類 など に 便 利 で す 。 情報を地図上に付箋で落とした事例 地域内の水路や施設の位置を書き入れただけでも、必要な 情報は整理されます。 19 モデル地域 の生の声 地図に書き込む ■各モデル地区の方々は、次のような方法で、整理した情報を効 率的に書き込まれたようです。 地図について ●明細地図(住宅地図)を主に活用。 ●作成段階での図面情報として、鮮明なものを求める意見も。 3 つのモデル地区とも調べた情報を収集する際や実際に集めた情報を地図 に書 き込 む ため に 、明 細地 図( 住 宅地 図 )を 利用 され た よう で す。 ただ し、コピ ー した 図 面な どは「ぼ や けて い てよ く分 か らな い」な ど、作成 段階 での 図 面情 報 とし て、 鮮明 な もの が 必要 との 意見 も 見ら れ まし た。 ※参考 岡山県下の住宅地図 ●明 細地 図 の主 要 メー カー から 出 てい る もの は、 県下 を 36 冊 に分 け出 版 され てい る 。 ●価 格は 、 一冊 約 1 万 円∼1 万 5 千 円 ●製 本タ イ プの 他 に、 同内 容の フ ァイ ル 版( バイ ンダ ー 穴) も ある 。 地図への書き込みについて ●ポストイットに【施設の名前】、【場所の特徴】、【危険な理由】 などを書き入れ、整理 3 つの モ デル 地区 と も 、調べ た情 報 を収 集す る際 や実 際 に集 め た情 報を 地図 に書 き 込む た めに 、 ポ スト イ ット を うま く 活 用し て 、【施 設の 名 前 】、【場 所の 特徴 】、【 危 険な 理 由】 など を書 き 入れ 、 整理 され たよ う です 。 ※参考 ポストイット(付箋紙) ●各 種文 具 主要 メ ーカ ーか ら出 て いる も のは 、 サイ ズも 色 も様 々 なも のが ある 。 ●価 格は 、 一冊 約 100 円∼200 円 ●無 地タ イ プの 他 に、 罫線 入り な ども あ る。 20
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