2009 年 3 月 23 日 第5回世界水フォーラム速報 Vol. 3 トルコ・イスタンブールで開催された「第5回世界水フォーラム」の速報(3 月 21~22 日開催分)をお届けしています。 第5回世界水フォーラムにおける日本水フォーラムの役割については、http://www.waterforum.jp/jpn/ をご覧ください。 <3月21日(土)> フォーラム大詰め 閣僚声明に向けて最後の議論 2009.3.21 第5回世界水フォーラムは、21 日、開催 6 日目を迎え、主要テーマの議論の全てがまとめの段階に入った。また、閣 僚声明の採択に向けて災害や気候変動など 6 つのトピックに関する議論が閣僚円卓会議で行われた。 同円卓会議には、世界各国から 95 名の大臣・副大臣が参加。分科会「水関連災害の被害軽減」の議長は、ポルトガル とともに日本政府が務め、同フォーラムにおける「災害管理」の議論の成果を金子 国土交通副大臣が報告した。分科会 「水問題と気候変動」には、西尾 環境事務次官が参加し、COP(気候変動枠組条約締結国会議)等における、気候変動 に対する「適応策」の議論の活性化のための方策が話し合われた。 <3月22日(日)> 閣僚声明を採択 2009.3.22 22 日午前、第5回世界水フォーラムにおける閣僚声明が採択された。声明では、ミレニアム開発目標達成に向けた努 力の強化、流域単位での統合水資源管理(IWRM)の実施、生態系のための水の確保、水関連災害の予防と対応、開発政 策における安全な水と適切な衛生設備確保の最優先化、国際河川・湖沼等における関係国の協調の促進、紛争時の水資源 保護のための国際法の遵守などが確認された。 「水へのアクセス」を「権利」とみなすかどうかについては議論が分かれ、同声明の中では、「人間としての基本的ニ ーズ」とするに留め、国連システムにおける「人権」と「水へのアクセス」に関する諸活動を承認するとした。 第5回世界水フォーラムが閉幕 閉会式で挨拶するエロール トルコ環境森林大臣 2009.3.22 22 日、国連が定めた「世界水の日」であるこの日、第5回世界水フォーラム (主催:世界水会議、トルコ)が閉幕し、7 日間に渡るプログラムの全てを終了 した。 同フォーラムには、会期中 150 カ国以上、約 25,000 人が参加し、世界の水 問題解決に向けた、首脳級による「水に関するイスタンブール首脳宣言」、水担当 大臣らによる「閣僚声明」、地方自治体の長による「イスタンブール水コンセンサ ス」などの成果文書がとりまとめられた。また、日本を含めたアジア・太平洋地 域からは、「水の安全保障に関する大臣イニシアチブ」(国連アジア太平洋経済社 会委員会、アジア開発銀行、アジア河川流域機関ネットワーク、日本水フォーラ ム)が発表され、今後具体的な活動が開始される予定だ。 その他、同フォーラムの機会を利用して、下記の文書が発表された。 ・ 水関連災害の削減に向けた「行動計画」(「水関連災害」に関する有識者委員会) ・ 「世界水発展報告書第三版」(国連) ・ 「河川流域における統合水資源管理のためのガイドライン」(国連教育科学文化機関) 次回の世界水フォーラムは、3 年後の 2012 年に開催される。開催地は、本年 6 月に決定予定。 * なお、同フォーラム開催による環境負荷を低減する試みの一つとして、トルコ環境森林省及び第5回世界水フォーラム事務局が参加 者数分の植樹を行う。 若者たちがフォーラム参加者へメッセージを再発信 2009.3.22 第5回世界水フォーラムの閉会式冒頭、若者たちが 20 日 にとりまとめたユース宣言を発表し、政策決定やガバナンス における若者の参加促進や水問題解決に向けた教育の重要性 などを改めて強く訴えた。 ユース宣言の全文は、下記 URL にて公開。 http://youth.worldwaterforum5.org/en/ 閉会式でユース宣言を発表する若者たち(右から二番目::WACCA(北海道)の小松さん) 1/2 インドの NGO が京都世界水大賞を受賞 2009.3.22 京都世界水大賞(実施協力:日本水フォーラム)の受賞者 がインドの NGO「ウォーターシェッド・オーガニゼーショ ン・トラスト(WOTR)」に決定し、同フォーラムの閉会式 で授与式が行われた。水不足と土地の荒廃が続く同国マハー ラーシュトラ州における土壌改良・排水処理等の技術トレー ニング事業について、地下水位の大幅な上昇や農業生産性の 向上・雇用の増加・定住、女性の家庭内労働時間の軽減など 京都世界水大賞授与の瞬間 の効果の他、事業実施過程での女性や低カースト層の参加、 左から、横田 日本水フォーラム チーフ・プログラムオフィサー、ドゥソーザ エグゼ クティブ・ディレクター(WOTR)、大島 京都市地球環境政策監 持続性などが高く評価された。同団体のドゥソーザ氏は、受 賞時のスピーチで各村落での活動の広がりに触れ、「水には人々を団結させる力がある」と語った。また、同団体には、 国際ソロプチミスト京都から副賞 300 万円が贈られた。 * 京都世界水大賞は、2003 年の第3回世界水フォーラムを契機に開催都市の一つである京都市が創設を表明したもの。 <3月20日(金)>(追加分) 日中韓が共同声明 – 河川・水資源分野での協力強化 2009.3.20 20 日、日本、中国、韓国の3カ国の政府は、気候変動などの新たなリスクに対応するため、河川及び水資源分野にお いて3カ国間の協力の更なる強化を図ることを公式に発表した。 ¾ ¾ 第5回世界水フォーラム 公式サイト http://www.worldwaterforum5.org/ http://www.iisd.ca/ymb/water/worldwater5/ では、IISD Reporting Services による最新の第 5 回世界水フォ ーラムレポート(英語・フランス語・トルコ語)が掲載されています。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 発行:特定非営利活動法人日本水フォーラム 〒102-0083 東京都千代田区麹町一丁目8番1号半蔵門 MK ビル5階 TEL03-5212-1645 / FAX03-5212-1649 URL: http://www.waterforum.jp / E-mail: [email protected] ※本紙は、速報暫定版のため後日修正されることがあります。 第 1.1 版 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 2/2
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