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「ずっと暮らしたい 活力と交流の茶源郷 和束」
の創造を目指して
京都府相楽郡和束町における定住・移住及び
入り込み促進のための政策提言
―和束茶カフェ及びその周辺の活性化を基軸として―
早稲田大学 大学院 政治学研究科
フィールドスタディ 京都講座
B班 池田、王、坂井、前川
本提言の問題意識
和束町第四次総合計画
「ずっと暮らしたい 活力と交流のまち 茶源郷」
平成32年
定住人口 4300人
交流人口 25万人
・ロードマップ、評価システムが不十分
・「茶源郷 和束」PR拠点の茶カフェが役割を十分に果たしてい
ない
和束町の発展
持続可能なまちに
‘稼げる’まち
‘楽しめる’まち
定住人口の維持・増加
交流人口(入込客)の増加
この二つを同時に満たすために、
‘和束茶カフェおよび周辺をいかに活性化すべきか’
本提言の目標、骨組み
提言の目標
(1)定住人口の維持・増加
(2)交流人口(入り込み客)の増加
そのためには
(1)「稼げるまち和束」の創出
(2)「楽しめるまち和束」の創出
(3)町民との協働を円滑に進めるシステムの在り方
以上の観点から政策提言を行う
本プレゼンのポイント
①「和束茶」の独自ブランド化
②農家民泊の推進
③協働によるカフェの活性化
稼げるまち和束の創出
和束町は日本茶の最高評価を受けている宇治茶の名産地で
ありながら、知名度が低い
広く国内外に「和束茶」をアピールし、茶の販売の促進や観
光産業の活性化を図ることで、「稼げるまち、和束」を実現す
ることが、町の活性化を達成する最適な手段
「京都宇治和束茶」ではなく、「和束茶」ブランドの確立が必要
稼げるまち和束の創出
地域ブランドの本質(1)
①地域特有の資源
②他地域同種の商品と差別化、高品質化が図られている
③地域商品の満足度の向上
④地域の生活・文化の魅力向上
(例) ブルゴーニュ・ワインとロマネ・コンティ
ブルゴーニュ地域圏
フランス東部の地域圏、産出されるワインはボルドーと並び世界的に有名
ロマネ・コンティ
ブルゴーニュ地方、ヴォ―ヌ・ロマネ村のブドウ畑から産出されるワイン、世
界最高級のワインとして有名
(1)みずほ総合研究所 「各地で進む地域ブランド化の行方 ―地域団体商標制度の効果的な活用方法に関する研究―」
「和束茶」ブランドの確立に向けて
①戦略
PR活動による知名度向上が必要
販路の拡大、茶カフェ機能の見直しなど総合的な施策が必要
②協力
町民交流の場としての茶カフェ
③競争
販路拡大での市場競争、従来品との差別化
地域ブランド確立に向けての諸施策 1/3
(1)在外公館(日本大使館、総領事館)における和束茶の供用
外務省に働きかけ、ジャパニーズ・ティーの代表格として国際的アピール
(2)国際線ファースト・ビジネスクラスへの「和束茶」の提供
本邦及び外国エアライン各社へ売り込み、国際的アピール
(3)ローマ法王への献上
石川県羽咋市神子原町の「献上米」の例に倣い、在日ローマ法王庁を通じ
ローマ法王へ献上、PRの素材へ
地域ブランド確立に向けての諸施策 2/3
(4)ILTM JAPAN 京都イベント(2014年3月)でのブース展開
世界で最も権威ある国際的富裕者向け旅行博、International Luxury Travel
makerへ出展、各国富裕層へアピール
(5)薬局、薬店への缶茶販路拡大
和束茶活性化センター製造の缶入り茶の販路拡大をめざし営業を強化
健康面に注目し、薬局、薬店へ営業攻勢
(6)インターネット販売の展開
茶葉、缶入り飲料、加工食品等を和束茶カフェ運営協議会のインターネット
サイトでPR、その前提として町内の通信環境の整備
地域ブランド確立に向けての諸施策 3/3
(7)コンビニエンスストア、駅売店への販路拡大
薬局同様コンビニや売店の経営主体へ営業、缶入り茶の販路拡大
(8)和束茶の品質管理
科学的優位性(味が良い、健康によい等)を明示し、他製品との差別化を図る
楽しめるまち和束に向けて
観光価値の持続可能性の必要条件
①差異化(オンリーワン)
②体験
③古典化(実績)
④人との交流を取り入れる
これらの観点から、和束町の観光資源を活かし、提言を行う必要がある
(4)安島博幸 「観光の新時代と地域の発展」 『地域開発』 533号 2009年 3~5頁
楽しめるまち和束の創出
観光価値の持続性と着地型観光の観点から、以下の四つの論
点より提言を行う
①宿泊
②食
③体験
④景観
楽しめるまち和束の創出の具体策 1/3
①宿泊
入り込み客数の増加には滞在型の観光への取り組みが必須
「共に取り組む命の里事業」ではなく、
大胆な規制緩和 (食品衛生法 第51条及び52条)
を行うことにより、農家民宿の全面的な展開を図る
楽しめるまち和束の創出の具体策 2/3
②食
「恋茶グループ」によるメニュー開発は進められているが、「数時間の
ドライブや鉄道移動を伴ってでも味わいたい食」の開発をさらに進め、
茶葉だけにこだわらず、メインデッシュとなる看板料理を開発する
楽しめるまち和束の創出の具体策 3/3
③体験
「記憶に残る体験」、「再度訪れたくなる体験」を来訪者に感じてもらう
べく、茶摘み体験以外にも、和束茶カフェに隣接したガラスハウスでの
有機栽培農業体験、花卉摘み体験、河川を利用した釣り体験、料理
体験など、コンテンツの充実を図る
④景観
美しい茶畑を維持し、かつ顧客誘引に結び付けるため、「和束町みど
りの計画条例(仮称)」を早急に策定し、和束町のブランドを景観の面
からも確立することが必要
「和束茶カフェ」の運用について
(1)「和束茶カフェ」の位置付け
①喫茶機能
②直売所機能
③観光案内所機能
④ふるさとギャラリー
「和束茶カフェ」ウェブサイト(和束町雇用促進協議会が運営)より
(2)「和束茶カフェ」の問題点
①人が集まるカフェとしての賑わいがなく、来訪者に対するホスピタリティや積極的な
情報提供を行う意欲が感じられない。起点とする町内観光への誘引力に欠け、商材
の購買意欲も湧きにくい。
②営業時間が極端に短く、ティータイム(午後3時)の到来と同時にクローズするなど、
設備稼働率が低く、対外的に説明困難な運用方針が採られている。
③空間が雑然としており、カフェの基本である「寛ぎ空間」が演出できず、商品陳列手
法も平板で魅力に乏しい。
④主体的に参画するはずの町民の姿が殆どみられない。
(3)「和束茶カフェ」の機能の見直し 1/2
カフェ=「寛ぎ空間の提供」
・機能毎に施設内を区切って運用
・隣接するガラスハウスや茶倉庫(和束町茶冷蔵庫)の活用
・住民と来訪者の交流の場
(3)「和束茶カフェ」の機能の見直し 2/2
入り込み客数を現状の1万人から3万人に引き上げ
(交流人口25万人に向けて)
町民一人当たり年間7人の入込客の動員を図る
(4)文化、歴史ギャラリーの創設
・茶カフェ隣の機能不全の茶倉庫(和束町茶冷蔵庫)を和束茶
及び和束町の歴史・文化や魅力を伝える施設として活用
・歴史に詳しい地元の方と協力し、地域の歴史の語り部を育成
(5)周辺施設の活用
・天空カフェ
使い勝手が悪く、利用者数が低迷している
簡易な荷物運搬リフトの設置、空調の整備等による対応策が必要
・てらす和豆香
恋茶クラブの活動拠点として一定の活用は図られているが、施設の目的が不明瞭
太陽光発電は関西電力への売買による収益確保の検討の価値あり
・旧老人福祉センター
広い浴場等を活かし、介護ビジネスの研修での活用等多様な用途の検討
町民との協働を円滑に進めるシステムの在り方
①情報共有の見直しと高度化
②意思決定の簡素化・効率化
③総合計画の具体化と進行管理
④情報公開による住民の意識改革
⑤子供たちを巻き込んだ「和束茶カフェ」等活用策の検討
結び
「稼げるまち和束」の創造
「楽しめるまち和束」の創造
町民との協働のシステム構築
持続可能な発展
ずっと暮らしたい 活力と交流の茶源郷 和束!!
関係者の皆様、大変お世話にな
りました。
誠にありがとうございました。