「ラスター/ベクター」と「解像度」について簡単

2.コミスタを使いこなすために欠かせない
「ラスター/ベクター」と「解像度」について簡単に知ろう!
デジタル画像は、コンピュータ内部で
ラスター画像とベクター画像の2つの基本的な表現方式で処理されています。
ラスター画像(Raster Images)は、一般的にビットマップ
(BMP:Bitmap)と呼ばれます。 JPEGやPSD、PNG等の
データ形式がそうで、 写真などの自然画向きの画像形式です。
画像を格子状に並んだ点の集合として表現する方式です。
この1つの点、すなわち画面を構成する最小の単位を
ピクセル(画素、ドット)と呼び、コンピュータ上では
このピクセルが、色や明るさなどの情報をもつことになります。
ベクター画像(Vector Images)は、イメージを
図形の集合体として捉え、輪郭やパス
(点や直線、曲線で描かれた線)の座標位置や大きさ、
方向(ベクトル=ベクター)を数式で記述する表現形式です。
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画像の描き方を記録していく方式で、CADやIllustrator等の、
ドロー系のアプリケーションで使用されています。
線の長さ・太さなどをデータとして持つ画像のことで、このデータをもとに
描画するためにどんなに拡大や回転を行っても綺麗な画質を保つことが出来ます。
また一般的にデータサイズも小さく抑えることが出来ます。
幾何学的な画像に適しており、写真などの自然画には向いていません。
また、ラスター画像では、単位面積当たりの画素の密度、すなわち解像度を
もちますが、ベクター画像は画像の描き方を「情報として」もつため、論理的には
解像度に依存しない表示が可能になります。
ただ、実際にはモニターやプリンタに出力する最終過程で、
ベクター画像からラスター画像への変換処理(ラスタライズ)が行われています。
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COMICSTUDIO のEXとPROでは、
このラスター画像とベクター画像を、一枚の原稿の中に共存させることが出来ます。
( ただ、これも実際には印刷や他の形式のデータに出力する最終過程で、
ベクター画像からラスター画像への変換処理(ラスタライズ)を行ないます。)
それによって、ラスター画像の利点(=画面を直感的に扱え、描画出来る)と、
ベクター画像の利点(=一度引いた線の太さや流れを後で調整出来、
拡大縮小しても荒れない)の両方を、ひとつのデータ上で扱うことが出来ます。
さらに、COMICSTUDIOでは、同じラスターレイヤーでも、
中間色を扱える「グレー8bit」レイヤーと
データが軽い「黒1bit」と「白黒2bit」の三種類のラスターレイヤーがあります。
(カラー32bitも入れると4種類)
このレイヤーの種類の多さは、最初少し判りにくいかもしれませんが、
慣れれば、この三種類を使い分けて、キレイに印刷される原稿のデータを
効率よく作ることが容易になるのです。
三種類のラスターレイヤーの違いについては次のページにまとめてみました。
重要なので、ここは押さえて下さいね!↓
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4. 最もよく使う
ラスターレイヤー
3種類の
違いを
理解する
ラスターレイヤー黒1bit
透明のフィルムに黒インクだけで描くレイヤー。「透明」で描く=消すことも
出来、データ容量が最も軽いので、アタリや下描き向きのレイヤーです
ラスターレイヤー白黒2bit
黒の他に白でも描ける(もちろん透明も使える)のでキャラクターの余白部分を
白で塗りつぶせば下の背景を隠せます。後でキャラの位置をずらしたい時に便利
人物や小道具等のペン入れ向きのレイヤーです(重さは1bitレイヤーの2倍)
ラスターレイヤー グレー8bit
黒から透明の間の256階調のグレーが全て扱えるレイヤー。ぼかしなどの効果が
使えるのも、カラー以外ではグレー8bitだけ。「鉛筆ツール」もコミスタでは
グレーで描くためのツールなので、この8bitレイヤーに描画します。効果や細かい
描画向き。ただし「白」は使えません(重さは1bitレイヤーの8倍です)
ラスターレイヤー カラー32bit
全ての色が扱えるレイヤー。1枚のレイヤーでグレーと一緒に白も使えるので
モノクロ原稿に使うことも。ただしフォトショップの「乗算」の様なモードは
ないので、描画部分は下の色を隠します。(重さは1bitレイヤーの32倍)
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