4 サイクルバイクにお乗りのお客様へ

4 サイクルバイクにお乗りのお客様へ
最近、少しずつ増えてきている4サイクルバイク(特に小排気量のスクーター)に起きる
不具合について、お話してみたいと思います。
下の写真は長い間オイル交換をしないで、走行を続けた50cc スクーターのエンジンを
分解した所です。
左の写真は劣化したオイルで走行を続けた為、正常な冷却や潤滑の効果が得られずピスト
ンが焼きつき、一部が砕けています。こうなるとエンジンはもう使えません。
右の写真はクランクケース(エンジンの腰下と言われる部分です)を分割した写真です。
カーボン(簡単に言うとオイルが汚れて、熱で“すす”状になった物です)やドロドロの
タール状の物がこびりついて真っ黒になっています。
この“すす”やタールが、エンジンのクランクシャフトベアリング等に不具合を引き起こ
します。クランクシャフトとは、言わばバイクの心臓部で、ここの修理をする為にはエン
ジンの全分解が必要な為、費用は莫大になってしまいます。
4サイクルのバイクにとってオイル交換は絶対です!!
本来、2サイクルに比べて耐久力があるエンジンも、オイル交換をしないと耐久力どころ
ではありません。
定期的なオイル交換は必ず忘れないようにしましょう!!
又、あまり距離を乗らなかったり、長い期間乗らないという方も注意が必要です(つづく)
あまり乗らないからと油断しないで!!
バイクは持っているけどあまり乗らない、という方もご注意ください。
エンジンオイルは乗っていなくても劣化します!!
下の写真をご覧ください。
左の写真上部にグレーの液体がありますが、これはオイルと水分が混ざった物です。
オイルは正常ですと、薄い茶色で透き通っていますが、エンジンを動かすと少しづつ
汚れて透明度が落ち、濃い茶色から黒へと変化します。(ここまで使う前に交換してく
ださいね)このオイルに水分が混ざると、科学反応で白っぽく濁ります。
こうなるとオイル本来の性能が発揮できず、エンジンに不具合が発生します。
では何故水分が混ざるのでしょうか?
皆さん結露はご存知ですよね?寒い日などに締め切った部屋の窓を見ると付いている
水滴です。これと同じことがエンジンの中でも起きるのです。
通常この結露はエンジンを始動すると、エンジンの熱で蒸発してほとんど無くなって
しまいます。
ですが、1度の走行距離が数 km と短かったり、乗らない期間が長かったりすると
エンジン内に結露の水分が溜まり、オイルが劣化してしまいます。
オイルが劣化すると、買ってからそんなに乗ってないのにエンジンがかからない
すぐに止まる、等の不具合を起こし、最悪はエンジンが故障してしまいます。
あまり距離を走らなかったり、あまり乗らない期間が長いようであれば
少しもったいないですが、予定の距離を走ってなくても、季節が変わるごと(特に冬か
ら春に変わる頃)にオイル交換をお願いします。
現在のバイクは昔のバイクとは環境が異なり、エンジン内の水分が外に逃げにくい構
造なのです。(環境保護の為です。)どうか、ご理解をお願いいたします。