1-5 クロス・チェックの課題と修正操作 もう1つは、針路指示器のピッチ・ポインター(ミニチュア・エアクラフトと人工水平線) と高度計・速度計という流れで見る「横のパターン」を基本とした方法がある。 もちろん、水平線から始まる「縦のパターン」で行うクロス・チェックの中には、旋回 計のニードルや滑り計のボールの状態も組み込んでおかなければならない。 「横のパターン」で行う姿勢指示器と高度計のチェックに際しては、昇降計を見るとい う斜めのパターンも重要である。同時に、横のパターンによるクロス・チェックでは、姿 勢指示器を中心に速度計や時計を左側に見る流れと、姿勢指示器から右側の高度計の他に パワー計器までカバーする流れがある。 クロス・チェックの時間的密度を考えると、縦のパターンは見る計器が少なく短時間で 済むが、横のパターンはカバーする範囲が広く時間的に長くなる。 だからこそ、まず縦のパターンでバンクの状態をチェックして、水平飛行(又はバンク) 状態を確立しておき、次に横のパターンのチェックを行う方がより合理的なクロス・チェッ クになるといえる。 そこで、クロス・チェックの課題を3つあげて、それぞれを説明してみよう。 1.クロス・チェックの無視(Omission ・・・オミッション) まず、「クロス・チェック」の無視について、縦のパターンの例を示そう。 姿勢指示器のバンク・インデックスに誤差がなくゼロ指示であったので、針路指示器と 滑り計、又はそのどちらかを見なかった(無視した)とする。このようなことを「クロス・ チェックの無視」という。 1-25
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