Ⅵ 教育課題に関する研修 教育課題講演会 今年度は、喫緊の教育課題である「学校掃除」「幼小連携」「生徒指導」「情報教育」「不登校」「教 育相談」をテーマとした研修会を、それぞれの課題に精通した講師を招いて実施した。 第1回 講 師 平成22年8月9日(月) 株式会社ダスキン暮らしの快適化生活研究所 テーマ 「子どもたちの力を伸ばす学校掃除セミナー」 藤原玲子 守屋圭依子 氏 氏 【内容】 (1) 従来から変わらない掃除用具、児童数減少による掃除区域の負 担増加、掃除に関する知識の入手が困難等の理由から、子どもた ちの掃除に対する意欲の減退が見られ、指導の困難さがある。 (2) 掃除の仕方等を教える授業と掃除時間を連携させる必要がある。 (3) 掃除によって子どもたちの力を伸ばすには、発達段階に応じた 具体的な到達目標を設定することが必要である。 (4) 学校掃除の基本原則 (5) 学校掃除の基本手順 ① 自分でできる範囲で掃除計画を立てる。 ① 掃除の基本は「上から下へ」 ② 汚れはため込まないで、軽いうちに落とす。 ② 「奥から手前へ」効率よく ③ 掃除部分の材質チェックをする。 ③ 洗剤はスポンジにつけてから ④ 洗剤や道具の特徴を知って使いこなす。 ④ 洗剤も拭き取りも「下から上へ」 ⑤ 作業は「軽い汚れからひどい汚れへ」 第2回 講 師 演 題 平成22年8月18日(水) (第2回幼児教育研修会と合同開催) 鳴門教育大学 木下光二 准教授 「育ちと学びをつなげる幼小連携」 【内容】 (1) 幼小の連携を推進するための4つの留意点 ① 幼稚園教育を踏まえる。 ② 既存のカリキュラムを生かす。 ③ 互恵性のある活動をつくる。 ④ 交流後の話し合いを大切にする。 (2) 幼小の連携を進めやすい環境を、管理職自らが中心となって整える必要がある。 (3) 幼稚園全体と小学校全体を結びつけることは困難である。個人レベルで連携できるパートナー を互いに見つけることが大切である。 (4) 小学校も幼稚園も既存のカリキュラムの中に連携のカリキュラムをつくる工夫をすることが大 事である。 (5) 幼小の間には方法論や評価観などの違いがあるため、幼稚園教育の内容を最初から理解するこ とは難しいが、自分にできることから始めることである。 (6) 幼小双方の子どもの学ぶ姿を見つめることが、幼稚園教育に照らし合わせることになり、生活 科が重視してきた具体的な活動や体験の本来の意味が自ずと見えてくる。大事なことは、初めの 1歩をしっかりと踏み出すことである。 第3回 講 師 演 題 平成22年8月19日(木) 東京理科大学 八並光俊 教授 「先手必勝で取り組む授業型の生徒指導(ガイダンスカリキュラム) -アセスメントとプログラムマネジメントの重要性-」 【内容】 (1) 社会性を育てるスキルを育成していくことが、先手必勝の生 徒指導につながっていく。 (2) 事件が起こってから対処するのではなく、事件を予防する生 徒指導を学校全体で取り組んでいかなければならない。 (3) 子どもたちが「自分づくり」ができる環境を学校でつくるた め、学級経営や学年経営の工夫が必要である。 第4回 講 師 演 題 平成22年8月23日(月) 園田学園女子大学 堀田博史 教授 「教育の情報化で授業が変わる、そして子どもが変わる」 【内容】 (1) 1時間の授業全体でICTを使う必要はない。児童生徒の理解の手 助けとなるよう授業のポイントとなる部分でICTを活用すればよ い。 (2) 従来の授業スタイルは変えずにICTを活用することが大切であ る。基盤となる授業力は常に磨いておかなければならない。 (3) 学習の流れに適したICTの活用 ① 子どもたちの注意を獲得する。 ② 何を学ぶのかを伝える。 ③ 前に学んだことを思い出させる工夫 ④ 遊び方や学び方を提示する。 第5回 講 師 演 題 ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 遊びや学びのヒントを与える。 チャレンジする場をつくる。 褒めて学ばせる。 成果を評価する。 応用ができる準備をする。 平成22年8月23日(月) 京都ノートルダム女子大学 藤川洋子 教授 「元気の出る不登校問題解決法-心をつなぐコツ-」 【内容】 (1) 不登校の例 ① 精神科受診が望ましい例 ② 理由がわかり、冷却期間が必要だと考えられる例 ③ 理由がはっきりせず、どこかに窓口を確保しておく必要が ある例 (2) 不登校を解決させる一つの鍵は、対人関係力である。 (3) 不登校の原因の一つとして、発達障害という視点を持つ必要がある。 (4) 不登校からの回復には、①安全の確保、②自己コントロール感の確立、③他者との関係の確立、 ④倫理・ルールの理解、⑤自己の特徴理解、⑥夢や目標に向かって努力(回復)などが必要である。 第6回 講 師 テーマ 平成23年2月3日(木) 京都文教大学 香川 克 准教授 「子どもたちの“人生”を思い描くために」 【内容】 (1) 児童生徒の表面的に表れている言動のみを捉える(外から の理解)のではなく、生活環境・生育歴・心の痛み等の背景 を理解・想像(内からの理解)することが重要である。 (2) 生徒に関する小学校からのデータや各教員が持っている情 報をつなぎ合わせていくことで、問題のある言動の原因が見 えてくる。 (3) 多様な家庭の増加にともなって、教師が思い描く常識の枠 を広げていくことが必要である。
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