インストールガイド FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 Update1

資料コード:C120-E190-02
インストールガイド
FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 Update1
for Solaris TM Environment
本製品は、一般事務用、パーソナル用、家庭用、通常の産業等の一般的用途を想定して開発・設計・製造されている
ものであり、原子力施設における核反応制御、航空機自動飛行制御、航空交通管制、大量輸送システムにおける運行
制御、生命維持のための医療用機器、兵器システムにおけるミサイル発射制御など、極めて高度な安全性が要求され、
仮に当該安全性が確保されない場合、直接生命・身体に対する重大な危険性を伴う用途(以下「ハイセイフティ用途」
という)に使用されるよう開発・設計・製造されたものではありません。
お客さまは本製品を必要な安全性を確保する措置を施すことなくハイセイフティ用途に使用しないでください。また、
お客さまがハイセイフティ用途に本製品を使用したことにより発生する、お客様または第三者からのいかなる請求ま
たは損害賠償に対しても富士通株式会社およびその関連会社は一切責任を負いかねます。
UNIX は、米国およびその他の国におけるオープングループの登録商標です。
Solaris およびすべての Solaris に関連する商標及びロゴは、米国およびその他の国における米国 Sun Microsystems,
Inc.の商標または登録商標であり、同社のライセンスを受けて使用しています。
Microsoft は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。
Netscape, Netscape Navigator, Netscape Communications は、米国 Netscape Communications Corporation の商標で
す。
そのほか、本書に記載されている会社名および製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
All Rights Reserved, Copyright (C) FUJITSU 2004
まえがき
本書では、Solaris™ オペレーティング環境に関する表記を以下のように記述いたします。
Solaris™ オペレーティング環境(以降 Solaris OE)、Solaris™ 2.6 オペレーティング環境(以降 Solaris 2.6 OE)、
Solaris™ 7 オペレーティング環境(以降 Solaris 7 OE)、Solaris™ 8 オペレーティング環境(以降 Solaris 8 OE)、
Solaris™ 9 オペレーティング環境(以降 Solaris 9 OE)と記載します。
第 1 章 動作環境
本ソフトウェアを使用する場合には、以下のソフトウェア環境およびハードウェア環境を満たしている必要がありま
す。
1.1 ソフトウェア環境
1. 前提基本ソフトウェア
本ソフトウェアを使用する場合、以下の基本ソフトウェアが必要です。
項
番
基本ソフトウェア名
備考
1
日本語 Solaris(TM) 2.6 オペレ
ーティング環境
Hardware:5/98 以降
2
Solaris(TM) 2.6 Operating
Environment
Hardware:5/98 以降
3
日本語 Solaris(TM) 7 オペレー
ティング環境
5/99 以降
1
4
Solaris(TM) 7 Operating
Environment
5
Solaris(TM) 8 Operating
Environment
6
Solaris(TM) 9 Operating
Environment
5/99 以降
パッチが適用された、FJPFC 2.2 のパッケージが必要です。 本ソフト
ウェアにはパッチ(910936-15)が適用済みです。
2. 必須ソフトウェア
特にありません。
3. 排他ソフトウェア
特にありません。
4. 必須パッチ
特にありません。
1.2 ハードウェア環境
本ソフトウェアを使用する場合、以下のハードウェアが必要です。
1. 主記憶
64M バイト以上の主記憶容量が必要です。
2. 必須ハードウェア
本ソフトウェアが動作するために以下の入出力装置が必要です。
項番
機器名
型名
備考
1
ファイバチャネルカード
GP7B8FC1
ディスクアレイ接続用
1.3 静的ディスク資源
本ソフトウェアに必要なディスク所要量は以下に示すとおりです。
1.3.1 必要とするディスク容量
本ソフトウェアを新規にインストールするためには、各ファイルシステムに以下のディスク容量が必要です。必要が
あれば、該当するファイルシステムのサイズを拡張してください。
項番
ファイルシステム
マウントポイント
ディスク所要量
(単位:M バイト)
1
root ファイルシステム
/
1.5
2
usr ファイルシステム
/usr
0
3
var ファイルシステム
/var
0.1
4
opt ファイルシステム
/$DIR (注)
1.3
注)
"$DIR"は本ソフトウェアのインストール時に指定する相対ディレクトリ名です。
1.3.2 必要とする作業域
ありません。
1.3.3 スワップ容量
スワップは使用しません
第 2 章 制限、注意事項
2.1 制限
ありません。
2
備考
2.2 移行上の注意
ありません。
2.3 注意事項
本ソフトウェアでは、以下に示す注意事項があります。
1. 本製品をインストールするときに、GP7000S シリーズ(および OEM を含む Sun Microsystems 社製の装置)の一部
で、GP7B8FC1 が実装されているにも関わらずアダプタが実装されていない旨のメッセージが表示されること
があります。この場合、以下のコマンドの実行結果を確認してください。
# prtconf -pv | grep 10cf <RETURN>
上記コマンドの実行結果が、以下の 1. の様に表示される場合、本体装置の Flash PROM に格納されている
OBP(Open Boot PROM)に障害があります。障害のない装置では、2. の様に表示されます。
1. compatible: 'pci105c,10cf' + 'pci103c,1028' ... (誤)
2. compatible: 'pci10cf,105c' + 'pci103c,1028' ... (正)
この問題に対する対策は、CD-ROM 内に格納されている「FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 説明書」の「4. トラ
ブルシューティング」を参照してください。
2. マルチパスディスク制御 1.2 以降では、MPHD viewer による RAID コントローラの活性交換機能があります。
しかし、マルチパスディスク制御 1.x 系の MPHD viewer は本製品のファブリック接続機能 (正確には、
/kernel/drv/fjpfca.conf の fcp-bind-target によるターゲット装置の指定) に対応していません。(マルチパスディ
スク制御 2.0 以降の MPHD viewer は、ファブリック接続機能に対応しています。)
RAID コントローラの活性交換は、マルチパスディスク制御のマニュアルの「パス故障復旧手順」にしたがっ
て、手動にて行なって下さい。
マルチパスディスク制御の「パス故障復旧手順」には、「装置アドレスの解放」の項目があります。 これは、
GP7B8FC1 のドライバが記憶している交換対象の RAID コントローラの WWN(World Wide Port name)に関する
情報を消去(または変更)するための操作であり、本製品に含まれる clchgfc コマンドにて行ないます。
clchgfc コマンドは以下のように実行してください。 なお、部品交換により RAID コントローラの WWN が変
更にならない場合は本コマンドの実行を省略することができます。
○ fcp-bind-target に記述されていない装置を交換する場合
■ 実行するタイミング
部品交換後、RAID 装置側のケーブルを抜いた状態で実行してください。
非クラスタシステムの場合、全ノードで実行してください。
クラスタシステムの場合、ある一つのノードで実行すると、自動的に全ノードで本コマンドが
実行されます。
■ コマンドの形式
# /usr/sbin/FJSVpfca/clchgfc -d 交換対象デバイス名 <RETURN>
○
fcp-bind-target に記述されている装置を交換する場合
■ 実行するタイミング
部品交換後、新しい部品の WWN を調べて、マルチパスディスク制御の交換の後処理(iompadm
restart 処理、または chgctl -c 処理)の前に実行して下さい。
非クラスタシステムの場合、
交換対象の RAID 装置の定義をもつ全ノードで実行してください。
クラスタシステムの場合、ある一つのノードで実行すると、自動的に全ノードで本コマンドが
実行されます。
■ コマンドの形式
# /usr/sbin/FJSVpfca/clchgfc -d 交換対象デバイス名 -p 新しい部品の
WWN <RETURN>
注) マルチパスディスク制御 1.x のマニュアルには、chgfcctl コマンドを使用するように記載されていますが、
FUJITSU PCI Fibre Channel 2.1 以降では、chgfcctl コマンドの代わりに clchgfc コマンドを使用することを推奨し
ます。clchgfc コマンドは、クラスタシステムか、非クラスタシステムかを判別し、クラスタシステムの場合は、
すべてのノードに対して clchgfc コマンドが自動的に実行されます。
3. GR700 シリーズ(F6403xx)をダンプデバイスに設定する場合は、Arbitrated loop(private loop)で接続してください。
Fabric 接続された GR700 シリーズ(F6403xx)をダンプデバイスに設定することはできません。
3
第 3 章 構成プログラム
システムを構成するプログラムの単位をパッケージと呼びます。本ソフトウェアは、以下に示すパッケージから構成
されています。
項
番
1
パッケージ
名
FJSVpfca
バージョ
ン・レベル
機能
2.2
GP7B8FC1(ファイバチャネルカード)HBA ドライバ
(Fibre Channel Protocol for SCSI ドライバ)
パッチ(910936-15)が適用済みです。パッチの修正情報については
/cdrom/cdrom0/patch に格納されている README を参照してください。
第 4 章 インストール手順
本ソフトウェアをインストールする手順を以降に説明します。
4.1 インストールの前準備
本ソフトウェアをインストールするためにディスクに十分な空きがあ るかを確認してください。本ソフトウェアが使
用するディスクサイズについて は、"1.3 1.3 静的ディスク資源"を参照して ください。十分な空きがない場合には、
ディスクのパーティション構成を設定 しなおしてください。
4.2 ソフトウェアのインストール
1. システム上でスーパ・ユーザになります。
# su <RETURN>
Password: パスワード(表示されません) <RETURN>
2. システムをシングルユーザモードで立ち上げている場合は、必要なファイルシステムをマウントします。
# mountall -l <RETURN>
3. vold が動作しているか確認し、動作していないときは起動します。
# ps -ef | grep /usr/sbin/vold | grep -v grep || sh /etc/init.d/volmgt start <RETURN>
4. CD-ROM 媒体を CD-ROM 装置へセットし、以下のコマンドを実行します。
# cd /cdrom/cdrom0/bin <RETURN>
一部の環境では、CD-ROM を正常に参照できない場合があります。その場合、"付録 B 付録 B シングルユーザ
モードにて CD-ROM が参照できない場合"を参照してください。
5. pfcapkgadd.sh を実行します。
# ./pfcapkgadd.sh <RETURN>
6. 以下の対話処理を行ってください。
1. 初期インストールの場合
This package's default installation information is following:
Program install directory: /opt
Do you want to change the install directory? [y,n,?,q] n <RETURN>
## Processing package information.
## Processing system information.
:
:
2. 上書きインストールの場合
Current version: 2.2(no patch)
New version: 2.2(910936-15)
Do you want to overwrite? y <RETURN>
## Processing package information.
4
## Processing system information.
:
:
7. shutdown(1M)コマンドを実行して、システムを再起動してください。
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 <RETURN>
4.3 インストール後の環境設定
ファイバチャネルスイッチと接続する場合は環境設定が必要となります。また、SCSI ターゲットドライバのコンフィ
ギュレーションファイル(/kernel/drv/sd.conf など)を接続する装置にあわせて変更が必要になる場合があります。詳しく
は"FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 Update1 説明書"を参照してください。
4.4 ソフトウェアの削除方法
1. システム上でスーパ・ユーザになります。
# su <RETURN>
Password: パスワード(表示されません) <RETURN>
2. pkgrm(1M)コマンドを実行します。 "第 3 章 3. 構成プログラム"の逆の順番に 従って削除してください。
# pkgrm FJSVpfca <RETURN>
第 5 章 適用マニュアル
5.1 オンラインマニュアル
以下のマニュアルは、
オンラインマニュアルとして製品を格納している CD-ROM に HTML 形式で格納されています。
CD-ROM を直接参照するか、ディスクにコピーして参照することができます。
項番
マニュアル名称
1
FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 Update1 説明書
オンラインマニュアルは、Web ブラウザを使ってパソコンおよびサーバで参照することができます。HTML3.2 をサポ
ートする Web ブラウザ(Microsoft(R)Internet Explorer V3.0 以降、Netscape Navigator(R) V3.0 以降、 Netscape(R)
Communicator V4.0 以降など)をお使いください。
5.1.1 パソコンで CD-ROM を直接参照する場合
1. CD-ROM 媒体を CD-ROM 装置にセットします。
2. 以下のファイルを Web ブラウザで開いてください。
CD-ROM のドライブ名:¥manual¥japanese¥index.htm
5.1.2 サーバで CD-ROM を直接参照する場合
1. CD-ROM 媒体をサーバの CD-ROM 装置にセットします。
2. CD-ROM がマウントされていなければマウントします。
3. 以下のファイルを Web ブラウザで開いてください。
/マウントポイント/manual/japanese/index.htm
5.1.3 PDF 形式マニュアルを参照する場合
PDF 形式マニュアルを参照するためには Adobe Systems Incorporated 社の Adobe Reader(R)が必要です。
PDF 形式マニュアルは次のディレクトリに配置されています。
CDROM のドライブ名:¥manual¥japanese¥pdf
5
付録 A Solaris 9 9/04 OE における注意事項
Solaris 9 9/04 OE にて、FUJITSU PCI Fibre Channel カードを使用する場合にはそれぞれ以下の版数のドライバが必要で
す。
◆FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2 Update1 以降 (GP7B8FC1 を使用する場合)
◆FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2.1 Update1 以降 (PW008FC2 を使用する場合)
本付録では、Solaris9 9/04 OE を使用する場合の注意事項について記載しています。
なお、上記ドライバは次の FUJITSU ドライバダウンロードページからダウンロードすることができます。
http://primeserver.fujitsu.com/primepower/support/download/driver/
A.1 OSのアップデートを行った場合
Solaris9 9/04 OE 以前の OS から、Solaris9 9/04 OE へOSのアップグレードインストールを行った場合には、付録 A
「Solaris 9 9/04 OE にて必要な FIbre Channel ドライバ」を再度インストールする必要があります。
なお、OSのアップグレード前のシステムで付録 A 「Solaris 9 9/04 OE にて必要な FIbre Channel ドライバ」を既に
使用していた場合にも、再度ドライバのインストールが必要になります。
1. 本ドライバの再インストールが必要なパタン
Solaris 2.6 OE(全版)から Solaris 9 9/04 へのOSアップグレードインストール
Solaris 7 OE(全版)から Solaris 9 9/04 へのOSアップグレードインストール
Solaris 8 OE(全版)から Solaris 9 9/04 へのOSアップグレードインストール
Solaris9OE(初版〜4/04)から Solaris 9 9/04 へのOSアップグレードインストール
2. インストール手順
1. OSのアップデートを行います
2. 本書「4.1 4 章インストール手順」を参照し、pfcapkgadd.sh を使用してドライバを上書きインストール
します。
A.2 適用方法を誤った場合の復旧手順
誤って次の手順を行ってしまった場合には、付録 A 「Solaris 9 9/04 OE にて必要な FIbre Channel ドライバ」の再イン
ストールを行ってください。
●
●
FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2/2.2.1 Update1 よりも前の版数のドライバをインストールした
FUJITSU PCI Fibre Channel 2.2/2.2.1 Update1 にて提供されている FJSVpfca パッケージを、pkgadd コマンドを直
接使用してインストールした。インストールスクリプト pfcapkgadd.sh は使用していない。
この場合、「4.1 4 章インストール手順」を参照し、pfcapkgadd.sh を使用して付録 A 「Solaris 9 9/04 OE にて必要な FIbre
Channel ドライバ」を上書きインストールします。
付録 B シングルユーザモードにて CD-ROM が参照
できない場合
インストール手順において、CD-ROM の内容が参照できない場合、以下の対処を行ってください。
対処方法
1. volume manager を停止します。
# /etc/init.d/volmgt stop <Return>
2. CD-ROM のマウント先ディレクトリを作成します。ただし、すでに存在している場合はこの作業は必要ありま
せん。
# mkdir /cdrom/cdrom0 <Return>
3. CD-ROM をマウントします。 <CDROM_DEVICE>には使用する CD-ROM デバイスを指定します。
6
# mount -F hsfs /dev/dsk/<CDROM_DEVICE> /cdrom/cdrom0 <Return>
4. CD-ROM のディレクトリに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0 <Return>
以上の作業を行うと CD-ROM が参照できるようになります。
なお、CD-ROM を取り出す場合には、以下の手順でアンマウントを行ってください。
1. ディレクトリを移動します。
# cd / <Return>
2. CD-ROM をアンマウントします。
# umount /cdrom/cdrom0 <Return>
3. CD-ROM をイジェクトします。
7