2005年9月29日 村田製作所、TDK、太陽誘電 : 地球環境にやさしい

2005年9月29日
村田製作所、
TDK、太陽誘電 :
地球環境にやさしいバルク実装の普及に向け、超小型積層
セラミックコンデンサ0603サイズの新たな推奨寸法を3社で共同提案
村田製作所、TDK、太陽誘電は、
テーピング廃棄物削減効果や部品保管スペース削減等、省資源化
の面で地球環境にやさしいバルク実装方式(注1)
の、普及拡大に向けた環境整備に取り組んでいま
す。昨年8月31日にはその具体的な取り組みの一環として、積層セラミックコンデンサの世界市場に
おいて、数量構成比でおよそ8割を占める1005サイズ(1.0 0.5 0.5mm)と1608サイズ
(1.6 0.8 0.8mm)
に関して、従来よりも高いレベルの推奨寸法公差(注2)
を3社共同で提案し
ました。
今回はこの取り組みをさらに進め、機器の小型高密度化にともなって需要が拡大している、超小型
積層セラミックコンデンサ0603サイズ(0.6 0.3 0.3mm)について、新たな部品推奨寸法公差
(下表参照)
を提案します。
新たに推奨する具体的な部品寸法公差は、太陽誘電が販売しているユニット方式のバルクフィーダ
(注3)
を使用して、3社で検討した結果を踏まえた推奨値です。
この新たな推奨寸法公差の0603
サイズ積層セラミックコンデンサと、
ユニット方式バルクフィーダを使用して検証してきた結果、実際
の生産ラインで部品実装したときの実装信頼性の指標となる部品吸着率(注4)
で、99.99%以上
を実現。従来の寸法公差による部品吸着率99.9%に比較して優れたレベルを達成することが確認
されました。
今回3社で共同提案する推奨寸法公差の0603サイズ積層セラミックコンデンサとバルク実装を組
み合わせることで、地球環境にやさしい部品実装を実現するだけでなく、半導体ICと積層セラミック
コンデンサなどの受動部品を実装する超小型モジュールなど、
クリーンルーム内の実装工程におい
ても、超小型積層セラミックコンデンサの高密度バルク実装の可能性を広げることが期待されます。
3社はこの新たな推奨寸法公差使用に関して、前回と同様、JEITA(電子情報技術産業協会)
の
「バ
ルク実装調査研究G」
においてその詳細を説明し、協力を呼びかけるなどして、部品実装におけるバ
ルク化の環境整備に取り組みます。
また、JEITAの受動部品標準化委員会では、前回の1608サイ
ズ、1005サイズの寸法推奨値と合わせて、JEITA規格への反映を検討していく予定です。
<従来の一般的な寸法と今回の推奨値>
積層コンデンサ種類
0603サイズ
従来の一般的な値
長さ寸法と公差
0.60 0.03 mm
幅・高さ寸法と公差
0.30 0.03 mm
3社の新たな推奨値
0.60 0.03 mm
0.30 0.025 mm
<用語解説>
注 1:バルク実装方式
チップ゚部品を回路基板に自動機械(チップ部品実装機)を用いて装着(表面実装)するには、チップ部品をひとつずつ供給
するための装置(フィーダ)
が必要となる。現在主流となっているのはテープフィーダといわれる、
チップ部品を保持したテー
プをリール状に巻いた状態から供給する方式。
しかし、テープフィーダは通常、紙と樹脂を材料として使用するため、使用後
に廃材がでるという問題がある。
これに対してバルクフィーダを使用するバルク実装方式は、チップ部品をばらばらの状態
でケースに入れ、そこからひとつひとつ供給できるようにした方式。
テープを必要としないことから、環境にやさしい供給方
式としても注目されている。
注 2:部品推奨寸法公差
寸法公差とは、チップ部品の基準寸法(縦、横、高さ)
に対して、ばらつきとして許容される寸法誤差の範囲。
たとえば 1005
サイズ積層セラミックコンデンサの長さ寸法であれば、1.00 0.04mm であり、基準寸法 1.00mm に対して 0.04mm
のばらつき
(公差)
まで許容できることを示す。
下表は、3 社が昨年 8 月に提案した新たな推奨寸法公差
積層コンデンサ種類
1005サイズ
1608サイズ
長さ寸法と公差
幅・高さ寸法と公差
長さ寸法と公差
幅・高さ寸法と公差
従来の一般的な値
3社の新たな推奨値
0.50 0.05 mm
0.50 0.03 mm
1.00 0.05 mm
1.60 0.07 mm
0.80 0.07 mm
1.00 0.04 mm
1.60 0.05 mm
0.80 0.04 mm
注 3:ユニット方式のバルクフィーダ
バルクフィーダの基本機能である
「供給・搬送・吸着」
を5 つのユニットで構成したことを最大の特徴とするバルクフィーダ。
各ユニットは特別な技術を持たない人でも簡単に交換できるワンタッチ構造となっているため、エラー時の対応が極めて
容易であるなどのメリットを有する。
注 4:部品吸着率
チップ部品実装機において、フィーダから送り出される部品総数に対して部品を吸着して保持するノズルで実際に吸着で
きた数量の比率を示す数値。
この吸着率が高いほど吸着時のエラーが起こりにくいことを意味する。