細胞増殖試薬 WST-1 Cell Proliferation Reagent WST-1 細胞増殖、細胞のバイアビリティ、および細胞毒性の WST-1法に基づく定量化の発色試験キット。放射性同位体を使用しません。 Cat. No. 1 644 807 25ml(2500テスト) Cat. No. 5 015 944 8ml( 800テスト) Ver. 16.0 1. 製品説明 内 容 細胞増殖試薬 WST-1は、透明、わずかに赤、WST-1と電子共役 剤を含む調製済みの溶液で、滅菌 PBS に希釈されています。 ・成長因子、サイトカイン、マイトジェン、栄養因子への応答におけ る細胞増殖の測定(図1)。 ・成長阻害抗体や生理学的メディエーターの評価(図2)。 ・抗ガン剤や他の医薬品などの、細胞傷害性、細胞増殖抑制性の化合 物の分析。 使用回数 Cat. No. 1 644 807 25 ml(2500テスト) Cat. No. 5 015 944 8ml(800テスト) 2. 使用方法 2. 1 はじめる前に 使用濃度 100μl/ ウェル中に培養された細胞に10μl の WST-1を加えるこ とを推奨します(1:10希釈)。100μl/ ウェルの培養細胞を使用すると、 1バイアルは2500テストを行うのに十分です(25プレート)。 注:もし細胞が200μl/ ウェルで培養されているなら、20μl/ ウェル の WST-1を加えてください。 保存と安定性 未開封の試薬は、遮光、-15~-25℃で有効期限まで安定です。 注:沈殿や濁りが融解中に観察された場合は、溶液を37℃まで1~2分 暖め、沈殿が消えるまで振とうします。遠心は、使用濃度が低下する ために推奨できません。WST-1試薬の溶解後は、そのまま使用及び 保存ができます。次のように保存してください。 -溶解後は、遮光、2~8℃で数週間は安定です。しかしながら、溶液 の粘性が高くなってしまうかもしれません、もしそうなったら溶液 を上述のように37℃で1~2分暖めてください。 -長期保存の場合は、分注して、-15~-25度での保存が推奨されます 注:キットはドライアイスで輸送されます。 至適なインキュベーション時間の決定 細胞増殖試薬 WST-1を添加した後の適切なインキュベーション 時間は、それぞれの実験(使用した細胞のタイプや細胞濃度)に依存し ます。それゆえ、予備実験において、WST-1添加後の様々な時間(0.5, 1,2、4時間)での吸光度を測定してください。これにより、特定の実 験セットアップに適切な至適インキュベーション時間が決定できます (図6参照)。 追加で必要な器具と試薬 反応に追加で必要な器具と試薬 ・インキュベーター(37℃) ・遠心器 ・マイクロプレート (ELISA) リーダー:420nm-480nm で測定が可能 なこと。レファレンス波長は600 nm, 以上を推奨 ・顕微鏡 ・ヘマサイトメーター ・マルチチャンネルピペッター(10,50,100μl) ・滅菌ピペットチップ ・96ウェルマイクロプレート 高感度が要求される場合 高感度が要求される場合、細胞増殖試薬 WST-1の存在下で、よ り長い時間インキュベートします(図6を参照:0.7x104細胞 / ウェル で4時間培養すると、2x104細胞 / ウェルで0.5時間培養した吸光度の 約2倍になります。)。 初期の培養 細胞の初期インキュベーションで、大容量の培地が必要とされる場 合、同様に添加する WST-1を増やします(細胞を200μl/ ウェルの 培地で培養する場合、WST-1を20μ l/ ウェル添加します)。 細胞増殖アッセイ用 ・培地、例えば、10%の不活化ウシ胎児血清(FCS)、2 mM の L-グ ルタミン酸、1 mM のピルビン酸ナトリウム、1 x 非必須アミノ酸、 50 μM の2-メルカプトエタノールを含む RPMI 1640 ・オプションとして、ペニシリン / ストレプトマイシンかゲンタマイ シン ・ヒト IL-2(10,000 U/ml; 5μg/ml)、滅菌 コントロール(ブランク) 実験に使用する場合と同容量の、培地と細胞増殖試薬 WST-1 (例 えば、100μl の培地と10μl の WST-1)を1個のウェルに加えます。 このバックグランドコントロール(細胞が無い状態での培地+ WST -1の吸光度)を、ELISA リーダーのブランクポジションとして使用 します。 細胞傷害性アッセイ(TNF- α) ・培地、例えば、10%の不活化ウシ胎児血清(FCS)、2 mM の L-グ ルタミン酸、1μ g/ml のアクチノマイシン C1を含む RPMI 1640 ・オプションとして、ペニシリン / ストレプトマイシンかゲンタマイ シン。 ・ヒト TNF-α(10μg/ml)、滅菌 バックグランド 細胞増殖試薬 WST-1が細胞の無い培地に加えられた場合でも、わ ずかな吸光度が確認されます。このバックグランド吸光は、培地、イ ンキュベーション時間、光への曝露に依存します。2時間後の典型的 な吸光度は、0.1-0.2の間です。 2.2 操 作 培養のインキュベーション時間と細胞密度は、実験条件と使用する 細胞株に依存します。注:ほとんどの実験のセットアップには、0.1 ~5 x 104細胞 / ウェルの細胞濃度と、24~96時間の培養が適切です。 アプリケーション 細胞増殖試薬 WST-1は、96ウェルプレートを使った増殖や化学 感受性アッセイにおける細胞の成長とバイアビリティを分光光度計で 測定します。放射性同位体を使用しません。これは、以下のアッセイ に使用できます: 120 1 2 3 4 5 マイクロプレート(組織培養グレード、平底)中で、加湿条件下 (37℃、5% CO2)内で100μl/ ウェルの培地の終濃度で、細胞を 培養します。 インキュベーションの後、10μ/ ウェルの細胞増殖試薬 WST -1を加えます。 加湿条件下(37℃、5% CO2)内で0.5-4時間、細胞をインキュ ベートします。 シェーカー上で1分間、十分に振とうします。 バックグランドコントロールをブランクとして、マイクロプレ ート(ELISA)リーダーでサンプルの吸光度を測定します。フ ォルマザン産物の吸光度測定の波長は、420-480 nm で設定し てください。リファレンス波長は600 nm 以上とします。 6 バックグランドコントロールをブランクとして、マイクロプレ ート(ELISA)リーダーでサンプルの吸光度を測定します。フ ォルマザン産物の吸光度測定の波長は、420-480 nm(最大吸 収は440 nm)で設定してください。リファレンス波長は600 nm 以上とします。 細胞増殖アッセイ マウス CTLL-2細胞におけるヒトインターロイキン-2(IL-2)活 性の測定(図1参照) 1 2 3 4 5 マイクロプレート(組織培養グレード、96ウェル、平底)中に、 様々な濃度の IL-2(終濃度0.005-25 ng/ml)を含む、100μl の 培地中に4 x 103細胞 / ウェルの濃度で、細胞を播種します。 細胞を37℃、5% CO2で48時間インキュベートします。 10μl の細胞増殖試薬 WST-1を加え、37℃、5% CO2で4時間 インキュベートします。 シェーカー上で1分間、十分に攪拌します。 バックグランドコントロールをブランクとして、マイクロプレ ート(ELISA)リーダーでサンプルの吸光度を測定します。フ ォルマザン産物の吸光度測定の波長は、420-480 nm(最大吸 収は440 nm)で設定してください。リファレンス波長は600 nm 以上とします。 図2:マウス線維芽腫細胞株 WEHI-164におけるヒト腫瘍壊死因子 - α(TNF- α) の細胞傷害性効果の測定 3. 追加情報 製品説明 細胞増殖と細胞のバイアビリティを測定することは、ライフサイエ ンスにおいて鍵となるテクノロジーとなりました。高感度で、信頼性 があり、迅速・簡便な方法が必要とされ、いくつかの標準アッセイが 開発されました(1)。 代表的な手法として、核酸に取込まれた [3H]-チミジンなどの RI 標識ヌクレオチドの量を測定することによる、DNA 合成の測定が挙 げられます。 また、チミジンの代わりに5-ブロモ-2-デオキシウリジン(BrdU) を使用して、DNA 合成と細胞増殖をモニタリングすることができま す(これらのキットはロシュ・ダイアグノスティックスで発売してい ます)。 培地に加えたテトラゾリウム塩の分解による分析手法も開発されま した。この技術は細胞の洗浄だけでなく採取も必要とせず、マイクロ 培養のはじめから ELISA リーダーによる分析まで、同じマイクロプ レートで実行できます。 データ収集、計算、レポート作成を行うためのオンラインコンピュ ーターを用いることで、多数のサンプルの迅速、簡便、全自動アッセ イを可能にし、上記の方法の有用な代替法となります。 (アッセイ原理の項は省略) 図1マウス CTLL-2細胞におけるヒトインターロイキン -2(IL-2)反応の測定 他の細胞増殖試薬と比較して WST-1の有利な点 新しい、細胞増殖試薬 WST-1 (図1)は、従来の試薬と比較してい くつかの利点があります: ・水に不溶性のフォルマザン結晶に分解され、それを可溶化しなけれ ばならない MTT に比べ、WST-1は XTT や MTS などと同じく 水溶性の分解産物を産し、余分な可溶化のステップ無く測定できま す。 ・XTT や MTS に比べ、WST-1はより安定です。それゆえ、WST -1は調製済み試薬として供給され、+2~+8℃でほとんど分解 されずに、数週間は保存できます。 ・WST-1は XTT に比べ、より広い直線域を持ち、素早い発色を示 します(図5と図6)。 2. 3 細胞傷害性アッセイ(TNF- α) マウス線維芽腫細胞株 WEHI-164におけるヒト腫瘍壊死因子-α (TNF-α)の細胞傷害性効果の測定(図2参照) 1 2 3 4 5 マイクロプレート(組織培養グレード、平底)中で、加湿条件下 (37℃、5% CO2)内で100μl/ ウェルの培地の終濃度で、細胞を 培養します。 マイクロプレート(組織培養グレード、96ウェル、平底)中に、 1μg/ml のアクチノマイシン C1と様々な濃度の TNF-α(終 濃度0.005-25 ng/ml)を含む、100μl の培地中に5 x 104細胞 / ウェルの濃度で、細胞を播種します。 細胞を37℃、5% CO2で24時間インキュベートします。 10μl の細胞増殖試薬 WST-1を加え、37℃、5% CO2で4時間 インキュベートします。 シェーカー上で1分間、十分に攪拌します。 121 図5:P815細胞を使用しての、MTT(▲)、XTT(■)と WST-1(●)の比較。図 に表示された細胞濃度の P815細胞は、様々なテトラゾリウム塩を添加する前 に20時間、プレインキュベートされた。4時間の基質反応後、吸光度を ELISA リーダーによりそれぞれの波長で測定した。 図6. WST-1の代謝のカイネティックス。A549細胞は、様々なテトラゾリウム 塩を添加する前に20時間、図に表示された細胞濃度で培養した。0.5時間(●)、 1時間(■)、2時間(▲)、4時間(▼)のインキュベーション後、吸光度を ELISA リーダーで測定した。 参考文献 1 Cook, J. A. & Mitchell, J. B.(1989)Anal. Biochem . 179, 1-7. 2 Mosmann, T.(1983)J. Immunol. Methods 65, 55-63. 3 Carmichael, J. et al.(1987)Cancer Res. 47, 936-942. 4 Vistica, D. T. et al.(1991)Cancer Res. 51, 2515-2520. 5 Scudiero, D. A. et al.(1988)Cancer Res. 48, 4827-4833. 6 Weislow, O. S. et al.(1989 )J. Natl. Cancer Inst. 81, 577-586. 7 Roehm, N. W. et al.(1991)J. Immunol. Methods 142, 257-265. 8 Cory, A. H. et al.(1991)Cancer Commun. 3, 207-212. 9 Slater, T. F., Sawyer, B. & Sträuli, U.(1963)Biochim. Biophys. Acta 77, 383-393. 10 Berridge, M. V. et al.(1996): The Biochemical and Cellular Basis of Cell Proliferation Assays That Use Tetrazolium Salts. Biochemica 4,15-19. 11 Ishiyama, M. et al.(1995)In vitro Toxicology 8, 187-189. 12 Ishiyama, M. et al.(1993)Chem. Pharm. Bull. 41, 1118-1122. 13 Shirahata, S. et al.(1995)Biosc. Biotech. 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