No.14 Penta-Ocean Construction.Co.,Ltd vol.45 塗 装 の汚 れ評 価 方 法 に関 する研 究 小座野 貴弘 1) Study on Method for Evaluating Paint Contamination Takahiro Ozano1) ■ 要 旨 ■ 外装材の性能評価指標の 1 つに汚れがあるが、塗装施工面の時間経過による汚れ具合を簡易に評価が可能な 促進試験方法が確立していない。そこで(一社)日本建設業連合会では、外装用塗料の汚れ評価に関する適切な 試験方法の提案を目的に「外装材の汚れ評価に関する WG」を立ち上げ、研究活動を行っている。まず汚れの実 態を把握するため、乾燥形式、水溶系等溶媒、上塗り材の種類等 32 種をそれぞれ塗装した試験片を国内 10 箇所 の暴露地に設置し 2 年間屋外暴露試験を行い、試験結果から暴露環境による汚れの具合を定量化し、また付着す る汚れ物質を特定するなどし、促進試験方法を決める際のパラメータとすることを考えている。暴露試験では、一定 期間毎に各塗装面に対して暴露前後の色、光沢度を測定し、色差、明度差、光沢保持率として評価を行う。暴露 1 年経過後迄の試験の結果、塗装種では汚れ具合を示す色差が水溶系塗料で大きかった。低汚染品型塗料は、期 間中の色差の最大と最小値の差が小さかった。汚れの量を定量化する標準試験片を決めるために基材に用いた 磨りガラス板、フッ素樹脂の PTFE 板ではその明度差と塗装試験片の平均の明度差の間に強い相関がみられた。 -10 試験板 アルミニウム合板(t=1) 塗装試験板の平均明度差(⊿L*) -6 -4 -2 0 0 磨りガラス板 PTFE板 -2 回帰直線(磨りガラス板) 回帰直線(PTFE板) 単位:mm 暴露架台 図-4 試験板の形状と試験体の屋外設置方法 -4 y = 0.795 x R² = 0.663 y = 1.474 x R² = 0.784 -6 45°面 明度差(⊿L*) 0 -2 -4 -6 標準試験片の明度差(⊿L*) 135° 折り曲げ -8 -8 -8 -10 常温乾燥形 -12 加熱硬化形 暴露地毎の暴露3ヶ月時のデータ ※⑩は4ヶ月時のデータ -10 -14 -16 水系 弱溶剤系 強溶剤系 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617181920212223242526272829303132 試験体No. :低汚染品 図-8 45°面の明度差(⊿L*)の結果(暴露12 ヶ月時) 1) 技術研究所 建築技術開発部 * 図-19 塗装試験板と標準試験片の明度差(⊿L )の比較
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