4章 4.1 「風の道」を使ったヒートアイランド対策の提案 「風の道」を利用したまちづくり 名古屋工業大学では、これまでにも「 風の道」を使ったヒートアイランド低減の ための提案を行ってきました。その概要をここに示します。 ■海風による暑熱気候の緩和計画 海風は、沿岸地域において暖候期に発達する、局地での空気の流れ(循環系)で す。特に夏季の昼間に日射が強くなると陸地で空気が強く暖められ上昇していきま す。その上昇した空気を埋めるようにして、海にある空気が陸へと浸入してきます。 これが海風です。海上の空気の方が陸上の空気よりも相対的に気温が低くなってい ます。夜間には相対的に陸よりも海の温度が高くなり、この反対の陸から海へ空気 が流れる現象が見られます。しかし夜間の方がその勢いはきわめて弱いものとなっ ています。日中の日射が強ければ強いほど海風が強く吹く傾向がみられます。この ことは日射が強く暑くなるときほど、海風の影響が大きくなり冷涼な空気が都市に 入り込む可能性が高くなるということになります。 図-3.3 海風がどのくらい陸に入り込むかが分かれば、どの程度都市の暑熱気候を緩和 広島市における気温分布 10) 図-3.4 福岡市における海風の通り道の概念 10) することが出来るかが推測できます。そこで、名古屋市域での海風の影響を求め てみました。我々都市に生活する人間にとっての関心事は、都市の生活域での海 風がどのような振る舞いをし、どのように冷涼な環境作りに寄与するかというこ とですので、地上2m程度の生活域について様々な調査を行いました。 都市内では、建築物があることで風の流れが阻害されます。そこで、海風が海 から陸へと遡上できる空間として河川・運河を選びました。名古屋では都心部の 運河として堀川・新堀川・中川運河、河川では庄内川・新川そして山崎川につい て調べてみまた。都心部でも10km程度の遡上が見られ、庄内川ではさらに上 流部までにも及んでいることがわかりました。これによってそれぞれの河川は海 風が遡上する役割を果たしています。これは都市内の「風の道」の働きをしてい るといえます。このような連続した開放的な空間が海風遡上を促し、暑熱気候を 緩和する働きをすることを利用したまちづくりの可能性が検証できました。 図-4.a 海風の模式図と取り込みやすい街路パターン 15 ■海風を街に取り込みやすくするための運河の整備 連続した開放的な空間である「風の道」となる運河・河川沿いを遡上する海風の影響範 囲は、何もしなければ100mから200m程度です。そこで、市街地に海風を浸透させるた めの手段が必要となります。そのために河川沿いに吹く風を誘導するような街路を計画し ます。市街地に河川から斜行した街路があれば風が浸入しやすいと考えられます。しかし、 現状の市街地形態を変更するのは難しいことです。そこで、河川と交わる街路の角をベル マウス(ベルのような形のなめらかな曲線)にしたり、建築物を風を誘導するような形にする ことが挙げられます。名古屋都心部においては、特に3つの運河のみが風の道として期待 できますので、これらの運河とこれに沿って走る道路も一体的に活用出来るようにして、風 の道の効果を上げるようにすることが可能です。その一例として中川運河沿いの倉庫・工 場等における再開発計画がある場合には、効果的な海風の市街地への浸透を目指す計 画を行いました。これを模型として示します。さらに、市街地で終点となる運河では、それよ り先へ海風が遡上するための工夫を行います。多くの場合、運河終点部では建築物等に よって海風がブロックされる懸念がありますが、ここをその先の公園・広場や広い道路と開 放的な空間として接続させる工夫が必要となります。中川運河では笹島貨物駅跡地から 名古屋駅周辺へ、新堀川では久屋大通へとつなぐプランが考えられます。 セントラル タワーズ JR名古屋駅 堀留 N 名古屋高速 中川運河 写真-4.a 中川運河の「風の道」 図-4.b 「風の道」を考慮した建物形状 16 ■都市の緑化の効果的な配置による暑熱緩和 緑地の暑熱緩和効果は、緑地が大規模であり高木が密集すればその効果は大きなもの となります。たとえば、熱田神宮での実測によれば周囲市街地に比較して5℃程度の気温 低減効果を持っています。体感温度にするとそれ以上に効果が期待できます。大規模緑 地は冷気が周辺市街地にしみ出す効果があり、これが十分に発揮できるように周辺を整え ることが望まれます。都市全体の緑地がネットワークを組むように配置されることが望ましい のですが、町の態様によっていろいろなものを組み合わせることが望まれます。海風が遡 上するような風の道があれば、それらと連続性があるような緑地配置や街路樹が豊かな道 路で連絡することなどがあります。これらの効果は、道路に水路や流水の壁面を設けたり、 建築物の壁面緑化・屋上緑化を行うことでより大きくなると考えられます。さらに、風の道と して働く連続した水面である運河や河川と緑地や街路との有機的つながりを持たせること が市街地での暑熱緩和に大きく貢献できます。運河沿い街路のより一層の緑化や運河と 交差する道路への冷涼な空気の循環を促すために、形状の一部修正や緑化、水路導入 などを行います。これらが、整備されることにより、緑地からの冷気のしみ出しも効果も有効 に利用できるものと期待されます。 名城地区 駅前地区 桜通 久屋大通 錦通 広小路 若宮大通 新堀川 堀川 中川運河 緑化や水路等の仕掛け を行う地区 運河 名古屋港 図-4.c 100m道路 暑熱緩和のための風の道、緑地、環境インフラネットワーク 17 4.2 広小路通をモデルケースとした対策の提案 (1)広小路通のヒートアイランドの実態と問題点 以下では、名古屋のヒートアイランド対策の具体的な検討を試みます。検討対象 としては、市街地に着目し、特に納屋橋から伏見を経由し栄に至る広小路通を取り 上げました。 広小路通の納屋橋∼栄間は、その両端において風の道である堀川や緑量の多い久 屋大通と交差しており、風の道・水の道を利用した街づくりが可能なポテンシャル を有していますが、通りの方向が東西軸のため現在は海風による冷気が入り込みに くく、慢性的交通渋滞による排熱や緑の少なさなどもあいまって、夏季は歩行者に とって快適とはいい難い街区となっています。 また、土地利用の観点からは、オフィスビルの集積があり業務地区としての色彩 の強い伏見地区と、ホテルやオフィスに小規模商店が混在する納屋橋地区、大型商 業施設の集積のある栄地区などの3つの異なる性格の地区が、比較的短い区間に隣 接しており、名古屋の市街地の様々な類型別の課題が見られる通りでもあります。 さらに、同地区は平成14年6月に施行された都市再生特別措置法に基づく「全 国都市再生緊急整備地域」のひとつに指定されています。また、平成15年8月に 名古屋市により公表されたまちづくりの将来構想(案)では、広小路通を名古屋駅地 区と栄地区をつなぐ連携軸と位置付け、広小路ルネサンス構想として、歩いて楽し い環境を創り出すとの方針が打ち出されています。 上記に、現在全国都市再生のためのまちづくりのテーマとして、ヒートアイラン ド対策が最も注目されていることなども考慮すると、広小路通は名古屋のヒートア イランド対策を具体的に検討していく上で、まさにふさわしい地区ということがで きます。 ■ 広小路通の現状と課題 ■慢性的な交通渋滞による自動車排熱が大きい ■緑が少なく日陰や潤いに乏しい(写真-4.1) ■海風が入り込みにくい東西方向を軸線としている ■風の道である堀川や緑量の多い久屋大通などの南北軸に交差しているが、 それらとの有機的なつながりが不足している ■上記により夏は歩行者にとって蒸し暑く不快な空間となっている ■名古屋を代表する商業地域・業務地区として、快適性を確保する必要が ある 18 堀川 伏見通 本町通 久屋大通 桜 通 錦 通 広 小 路 通 本町通 伏見通 久屋大通 白川公園 堀川 若 宮 大 通 図-4.1 広小路通とその周辺(赤枠が検討対象のエリア) ・通過交通が多く渋滞が慢性化 ・樹木が少ない 写真-4.1 広小路通の現況(納屋橋付近から栄方面を見る平成 1 5 年 12 月撮影) 19 (2)広小路通ヒートアイランドの緩和及び快適性向上のための提案 夏季の広小路通は、近年のヒートアイランドに加えて日陰の少なさ(図-4.e 参 照)や慢性的な交通渋滞などによりとても蒸し暑く感じられ、快適に歩ける通りで はありません。広小路通の街路樹は人々の歩行空間の日差しを遮るのに十分とは言 えず、また美しい景観を形成し都市空間に潤いとやすらぎを与えアメニティを向上 させるという点においても、十分とは言い難い状況です。 一方、東京の表参道やパリのシャンゼリゼ通など、世界で魅力あると言われてい るストリートでは、ゆとりのある広さ、風通しの良さ、街路樹や建築がつくり出す 日陰等により、夏季においても歩行者にとって快適な環境が確保されています。 広小路通でヒートアイランドの緩和を行いストリートの快適性を向上させるこ とは、歩いて楽しい環境の創出のための大前提であり、それが実現して初めて建物 低層階への店舗誘導などのにぎわい創出対策が活き、「にぎわいのある街区再生」 につながっていくものと考えられます。 納屋橋∼栄間の広小路通について改善の基本的な考え方を次に示します。 ■ 対策の基本的な考え方 ① 広小路通にオープン水路や建物間の空隙を設けることによる海風の誘引 ② 街区・建物緑化の推進(緑陰ストリート化) ③ 透水性・保水性舗装の推進 ④ 自動車交通の抑制(公共交通車両に限り通行可等)による排熱低減 ⑤ 建物排熱位置・方法の改善 ⑥ 特徴ある街区ごとに 快適でかつ楽しみながら歩ける街づくりへの配慮 堀川沿いやセントラルパークで感じられる心地よい海風(南風)を東西軸へと誘 引するために、広小路通にオープン水路や建物間の空隙等を設けます。このオープ ン水路は、原則的には堀川からセントラルパーク間で連続した水路とします。この せせらぎは夏季の路面温度を低下させるだけでなく、南風の東西軸への滲み出し効 果が期待できます。もちろん、親水空間のあるストリートはアメニティ向上にも寄 与します。 また、街区や建物の緑化を推進し、広小路通を緑陰ストリート化することも重要 です。屋上緑化も含めて街区の緑化面積を増やし、まとまった緑地帯と連続させる ことはヒートアイランドの緩和に有効です。また、ストリートに連続した良質な木 陰空間を創出し、蒸散効果を高めるために、ケヤキのように樹冠が大きく樹冠下部 の風通しのいい高木を街路樹として連続的に配するよう、街路樹の再生・整備を進 めることが期待されます。 同時に、公共交通車両に限定して通行を許可するなどの、自動車交通の抑制を図 20 り、トランジットモール化することが有効です。これにより、歩行者にとって不快 な環境要因である排熱、排ガス、騒音を低減するとともに、従来困難であった道路 の気軽な横断ができるようになることで、ぶらぶら歩きが可能になり、歩行者の回 遊性やにぎわいの連続性が高まります。 ヒートアイランド緩和の側面からは、自動車交通の抑制のみならず、道路面温度 の低下効果が期待できる透水性・保水性舗装の積極的な実施や、建物の空調設備か ら放熱される排熱が広小路通にこもることがないように、建築設備の排熱位置を制 限する地区計画や建築協定が可能となれば、一層の効果が期待できます。 また、快適性が向上したストリートににぎわい(集客)を創出するためには、各 街区の特徴や個性を生かした街づくりが必要です。気持ちのよい木陰を歩いている うち、もっと先まで歩いてみたくなる期待感やワクワク感がストリートや街区にあ ることが重要です。 (3)広小路通街区の特徴 広小路通に面した街区に注目すると「納屋橋」から「栄」の間は、その性格によ り大きく3つの街区に分類できます。それぞれの街区の特徴は下記のとおりです。 ② ① 図-4.2 ③ 広小路通の特徴的な3街区 ①「納屋橋∼伏見」街区 ホテルやオフィス、小規模商店街が混在する地区であり、堀川を活かし た親水空間創出が期待できるエリア。納屋橋では堀川に沿って遡上する風 を感じることができます。 ②「伏見∼広小路本町」街区 金融街を中心とする業務地区。広小路通に面して閉鎖的で重厚感のある ボリュームの建物が並ぶエリア。人通りはやや少なく静かな街区。通の南 側には植栽豊かな公開空地のあるビルがいくつか認められます。この街区 に①や③の街区と連続した賑わいを創出するためには、楽しく歩きたくな るための街づくり提案が必要な街区です。 ③「広小路本町∼栄」街区 大型商業施設の集積のある名古屋の代表的な商業地区。人通りはかなり 多く、にぎわいがあります。東側には、南で新堀川と接続する緑豊かな久 屋大通公園が近接します。 21 (4)広小路通「快適で 歩きたくなる街づくり」の提案 以下では、各街区の対策案を提示します。 ■ ①「納屋橋∼伏見」街区 昔ながらの小規模な商店街や、超高層ホテルやオフィスビルが立ち並ぶ①「納屋 橋∼伏見」街区では、オープン水路を設けて堀川との水面のネットワーク化を図る ことによる風の浸透や冷気のにじみ出し効果を期待し、通りの幅員中心部分にせせ らぎの緑道を設けています。 また、同時に広小路通はトランジットモール化されており、人々は自由に通りを 渡りやすくなります。せせらぎに沿って緑道を歩くことも可能です。 広小路通南側にある外気に面したオープンカフェでは、せせらぎの緑道を眺めな がらカフェでひと休みする人達が多く見られます。このようなカフェ等のストリー トに面した1階部分では、外部空間の一部が内部空間に入り込むことや、内部空間 の一部が外部にあふれ出すことを許容することで、より開放感のあるオープンな空 間が形成されます * 4 。 シングル水路案 通りの北側では、パ 屋上緑化・屋上庭園 ーゴラ*5もしくはオ ーニング*6のような 日除けを設置するこ とにより、夏季に歩行 者にとって快適なだ ホテルや オフィス およそ 30∼ 90m パーゴラなど パーゴラ もしくは オーニング けでなく、歩道の舗装 屋上緑化 小規模 商店 面温度の上昇を押さ およそ12m えるのに効果があり 壁面緑化 ます。一方、壁面緑化 せせらぎの緑道 【 A-A’断面イメージ 】 緑陰空間へカフェ空間のあふれ出し を行うと、日射による 壁面の高温化やそれ 建物間の空隙 による歩行者への照 り返しを緩和するの 風の誘引 A に効果があります。 *4: 欧州のカフェでは、統 一された床石材が店先、歩道、 広場空間へと連続し、気持ち よい外部を構成する一要因と なっている。 *5:軒先に設ける棚のこと で、語源は「ぶどう棚」。夏の 直射日光を遮る効果があり、 藤や蔦類をはわせる *6: 上部に 張り出すように つける可能式テントのこと。 A’ 壁面緑化 北 およそ30m 南 堀川からの涼しい風を誘引するせせらぎ つい渡ってみたくなるせせらぎの緑道 照返しを軽減する壁面緑化 1階店舗の外部空間の取り込み、外部へのあふれ出し許容 歩道の舗装と室内床素材の連続性 図-4.3「納屋橋∼伏見」街区の対策案(シングル水路案) 22 ■ ②「伏見∼広小路本町」街区 金融街のヒートア イランド対策の基本 ダブル水路案 屋上緑化 屋上緑化 的な考え方は①「納 屋橋∼伏見」街区と 同様です。ここでは 風を誘引するために 楽しくブラブラ歩ける仕掛け 銀 行 ストリート・イルミネーション およそ 30∼ 60m パーゴラもしくは オーニング パーゴラもしくは オーニング 道路中央に二本の小 オフィス など 半ピロティ空間 さな水路と緑陰帯を 計画しました。 通りの北側に並ぶ ショーウィンドウ 銀行の店舗では、午 二本の小さな水路 【 B-B’断面イメージ 】 グランドレベルでのショーウィンドウの連続性 後3時を過ぎると無 機質なシャッターが 公開空地 降ろされたり、夜に なると人通りが少な くなる現状を改善す るため、シンプルで 上品なストリート・ イルミネーションを 行ったり、通りに面 した外壁に連続する B’ B 北 半ピロティ空間 およそ30m 南 実際のショーウィンドウまたはディスプレイウォールによる演出 ヨーロッパの街を手本にした、ストリート上部のイルミネーション ストリートに面する部分の減築や用途変更(コンバージョン)も含めた街区再編 セットバックしたピロティやパーゴラにより生まれる快適な日陰空間 図-4.4「伏見∼広小路本町」街区の対策案(ダブル水路案) ショーウィンドウを設けたりする ことで、夜間も人々が安全に楽し みながら歩ける街区に再生するこ とが可能です。 また、建物ストリート側1階部分 を部分的にピロティ*7とする「セ ットバックしたピロティ化」を実 施し、その空間を公開空地とし 写真-4.2 ストリートイルミネーション(ロンドン) 写真-4.3 ショーウィンドウディスプレイの事例(ニューヨーク) 23 て提供することにより、歩行者空間を拡大しかつそこに夏季の日陰空間を創り出し、 歩行者の快適性を高めることができます。 *7: 建物1階部分の壁がなく柱と柱に囲まれた外部空間のこと。 ■ ③「広小路本町∼栄」街区 「広小路本町∼栄」 街区では、歩道空間に 近接した小さな水路を 計画しました。一方、 緑陰散策路はセントラ ルパークへと続きます。 この街区では親水空間 のあるオープンカフェ が可能です。カスケー ドや足元を流れる小さ 写真-4.4 緑陰空間と水路の例(左:仏リヨン、右:独フライブルク) 両歩道側水路案 なせせらぎの音は、涼 しさをもたらすだけで 屋上緑化・屋上庭園 屋上緑化・屋上庭園 オフィス デパート なく人々に都市空間で 自然環境の大切さを思 い起こさせることでし ょう。百貨店やオフィ スビルに屋上庭園をつ くり、市民に開放すれ およそ 30m パーゴラまたはオーニング パーゴラまたは庇 ば地上の雑踏から離れ て、ゆっくりと豊かな 緑の木々を楽しむ時間 小さな水辺とカスケード を過ごすことも可能と なります。 小さな水辺 親水空間のあるカフェ空間 【 C-C’断面イメージ 】 賑わいのあふれ出しを許容 C C’ ヒートアイランド対 策をテーマとして、快適 カスケード で賑わいや潤いのある 街づくりを実践するこ とで、広小路通は世界有 数の魅力あふれるスト リートに再生される可 能性をもっています。 北 およそ30m 南 親水空間のあるオープンカフェ セントラルパークの緑へと連続する涼しい緑陰散策路 都市空間で感じる自然環境(風・緑・水)の大切さ 早起きして歩きたくなる清々しいストリート 図-4.5「広小路本町∼栄」街区の対策案(両歩道側水路案) 24 これまで述べたヒートアイランド対策や快適で賑わいや潤いのある街づくりを実 践した場合の広小路通のイメージは以下のようになります。 図-4.6 ヒートアイランド対策を実施した場合の広小路通のイメージ図 25 ■広小路通ヒートアイランドの予測 広小路通周辺におけるヒートアイランドの現状について、シミュレーショ ンによる評価を試みました(図-4.d)。夏季日中における気流と日射の解析を 行いました。広小路通では、夏季日中は日射がほとんど直接街区に入ってくる 様子がわかります(図-4.e)。また、風の分布を見ると、堀川沿いや南北の通 りでは南風(=海風)が吹いているのに対して、建物が密集したエリアでは風 が弱くなっていることが確認できます(図-4.f∼i)。 広小路通周辺 図-4.e 図-4.d 解析対象街区 図-4.g 図-4.f 図-4.h 広小路通の日射解析 広域の風速分布 市街地における風の流れ (断面図) 市街地における風の流れ (平面図) 図-4.i 堀川上の風の流れ (断面図) 26
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