2013 JCCC Economy Report

2013 年版・中西部・イリノイ州の経済
中西部・イリノイ州の経済
建設機械
工作機械
機械部品
鉄鋼
電気・電子機器
金融
保険
航空
フォワーダー
建設
不動産
情報
観光
農業
自動車産業
小売
税務・財務
法務
中西部の社会・経済指標
「中西部・イリノイ州の経済」の発行にあたって
中西部・イリノイ州は、広大な米国大陸の中央部に位置し、古くから流通の拠点
として栄えてきました。また広大な農地が背後に控える穀物集積所として、さらには
五大湖周辺を中心とした自動車、鉄鋼、機械産業などの製造拠点としての役割も
果たしており、現在ではアメリカ第二の製造・金融の拠点となっています。
2009 年の景気底入れ以降、米国雇用環境は緩やかながらも改善を続け、危機の
震源地である住宅市場もようやく持ち直しに向けた動きがみられるようになりました。
懸案だった過剰債務調整も進展し、自動車販売をはじめとする中西部の製造業は
底堅い成長をみせています。
『中西部・イリノイ州の経済』
(年 1 回発行)は、そうした地元経済状況や各業界の
動向をコンパクトに解説したものです。
本誌はこれまで、当地域でビジネスに従事されている方、また当地を訪問される
方々へのビジネス情報誌として広く活用されてきており、現在は方式をオンライン
バージョンとし、より多くの方々にいつでもご利用頂けるようにしております。
当地の各分野に関する貴重な最新情報として是非ご参照頂ければ幸甚です。
本誌の発行に際しまして、在シカゴ日本国総領事館様、ジェトロ・シカゴ様、さらには、
当商工会議所が業種別に構成する各部会の部会長各位ならびに、執筆をご担当いた
だきました会員の皆様に多大なるご協力を賜りました。
末筆ながらこの場をお借りしまして、関係各位の格別のご尽力に心より感謝申し
上げます。
シカゴ日本商工会議所 商工業政策運営委員会
委員長 仁尾 康司
三菱重工業
2013 年度商工業政策運営委員会
敬称略・順不同 2013 年 5 月 28 日現在
委員長
仁 尾 康 司
三菱重工業
副委員長
角 南 元 司
JX 日鉱日石エネルギー USA
武 藤 啓 之
あいおいニッセイ同和損害保険
岩 下 重 彦
日本通運(会頭)
丸 田 博 一
三菱東京 UFJ 銀行(専務理事)
飯 島 健 司
住友商事(金属部会)
鍛 冶 正 勝
パナソニックノースアメリカ(電子部会)
宇 井 秀 夫
東京海上日動火災保険(金融部会)
遠 藤 良 孝
KNT! 近鉄日本ツーリスト(運輸・観光部会)
静 井 茂
東芝機械(機械部会)
神 谷 伸 顕
オーエスジー(機械部品部会)
大 場 秀 樹
東洋インキアメリカ(物資・食糧部会)
鴻 田 邦 孝
鴻田パートナーズ(開発・文化・サービス部会)
日 笠 絋
日本国総領事館
岡 野 祐 介
日本貿易振興機構
三 谷 哲 郎
シカゴ日本商工会議所
委員
目次
ジェトロ・シカゴ
古 城 大 亮
3
建設機械
コマツ アメリカ
井 上 容 義
6
工作機械
東芝機械
静 井 茂
7
機械部品
ユニタイト
尾 関 雄 ニ
8
鉄鋼
米国三井物産
成 田 和 信
11
電気・電子機器
三菱電機
川 合 敏 生
13
金融
みずほコーポレート銀行
太 田 智 之
15
保険
日本生命保険
清 水 優
17
航空
日本航空
岡 裕 次
21
フォワーダ
日本通運
内 山 透
23
建設
竹中工務店
新 藤 陽 一
24
不動産
White Cube LLC
大 春 敬
26
情報
NTT データ
和 田 健 也
29
観光
KIE / 近鉄インターナショナル
畑 尻 郷
32
農業
豊田通商アメリカ
飯 田 進
34
自動車産業
プライスウォーターハウスクーパース Autofacts 渡 辺 司
36
小売
日経アメリカ社
野 毛 洋 子
40
税務・財務
プライスウォーターハウスクーパース
市 場 哲 也
45
法務
バーンズ & ソーンバーグ法律事務所
山 本 真 理
47
在シカゴ日本国総領事館
日 笠 絋
49
中西部・イリノイ州の経済
主要業界の動向
当地日系企業の経営課題
中西部の社会・経済指標
2
中西部・イリノイ州の経済
経済
執筆者 : 古城 大亮 日本貿易振興機構 シカゴ事務所
JETRO CHICAGO
1 E. Wacker Dr., Suite 600, Chicago, IL 60601
Tel:(312)832-6000・Fax:(312)832-6066・www.jetro.org
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)は 1958 年政府全額出資の貿易振興機関として設立された後、
翌 1959 年にシカゴにオフィスを開設しました。以来半世紀以上にわたり、それぞれの時代の要請にもと
づき日本と米国特に中西部地域との貿易・経済関係の緊密化に向けた諸事業を展開してまいりました。
近年は、日本産品の輸出促進、米国企業の対日本投資の促進、ハイテク分野の企業間連携の促進、国際
ベンチャー企業の育成、地域間経済交流事業など様々な活動を行っています。
在中西部の日系企業の皆様に対しては
1 . 経営課題・政治経済の最新トピックなどについてのセミナーを開催
2 . イベントの開催やコンサルティングを通じ、米国企業とのビジネス機会の創出などを行っています。
93.3 に低下し、さらに 09 年は前年比▲ 23.3% の 71.6
景気後退からの回復遅い
に大幅下落した。自動車・鉄鋼部門については特に落ち
米国経済は、0 7 年 1 2 月から景気後退に入り、0 9 年 6
込みが激しかった。
月まで 18 ヶ月間、
景気後退局面が続いた。これは、
73 年、
8 1 年の景気後退期間 1 6 カ月を超え、戦後最長の後退期
しかしながら、中西部の指標は 0 9 年半ば以降次第に
上向きとなり、1 0 年以降は回復を続けている(図 2)。
間となった。米国の実質 GDP 成長率は、0 9 年▲ 3 . 1 %、
特に好調なのは、自動車部門である。自動車販売は好調
1 0 年 2 . 4 %、1 1 年 1 . 8 %、1 2 年 2 . 2 % となり、未だ弱
に増加している。これは、金融危機を経て先延ばしにして
い回復を続けている(図 1)。
きた購買需要が大きいことや、ローン金利の低下を背景と
このような低成長の背景としては、①欧州債務危機の
しており、当面は堅調な売れ行きが続くと見られている。
影響、②米国財政問題(いわゆる財政の崖)
、③遅い住宅
機械市場も回復に向かっている。工作機械需要は、金
市場の改善、④遅い労働市場回復、⑤家計のバランスシー
融危機から V 字回復している。これは、自動車、航空機、
ト調整、⑥所得・個人消費の弱い伸びがあげられる。
電子機器等ユーザ産業の市況回復のほか、資源開発に絡む
中西部・イリノイ州の経済
に よ れ ば、 中 西 部 合 計 で は 08 年 に 前 年 比 ▲ 6.7% の
米国経済の概況
部材加工の伸びによる需要の押し上げもみられる。建設機
回復の遅い中西部経済
械需要は、いったん落ち込むが、住宅や官公需等の堅調な
中西部では産業全体に占める製造業の比率が特に高く、
需要を受け、金融危機前のレベルまで増加してきている。
製造業の動向が中西部経済全体に大きな影響を与えてい
また、先行き不透明感から建機をレンタルし工事するケー
る。シカゴ連銀が発表した中西部製造業指数(CFMMI)
スが増加しており、レンタル向け需要は拡大している。
図 1 : 米国の実質 GDP 成長率
%
5.0
4.1
4.0
3.5
3.1
2.7
3.0
3.0
2.5
2.0
1.8
1.0
2.2
1.9
1.8
1.1
0.0
00
01
02
03
04
-1.0
05
06
07
-0.3
08
09
10
11
12
-2.0
-3.0
-3.1
-4.0
出典 : 商務省経済分析局データーより制作
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
3
中西部の雇用の回復は遅い
援プログラムは、EDGE と呼ばれ、5 0 0 万ドル以上の投
非農業部門雇用者数は、0 8 年初からの 2 年間で 8 7 4
資と 2 5 人以上の新規雇用(小規模事業者向け緩和措置あ
万人失われた一方、1 0 年 3 月以降の雇用増は 5 8 8 万人
り)を行おうとする企業であって他州と立地の競合があ
であり、依然 3 0 0 万人弱の雇用が失われている。また、
るものに対し、法人税の減税を行うものである。2 0 1 2
金融危機を経て 1 0 . 0 %(0 9 年 1 0 月)まで上昇した全米
年は日本企業の投資も活発であり、三菱自動車のノーマ
の失業率は 4 年ぶりの低水準である 7 . 6 %(1 3 年 3 月)ま
ル工場への投資、日本車輛のロシェル工場への投資、ア
で低下してきた。同期間中、中西部 1 2 州の失業率はお
ステラス製薬のグレンビューの新社屋建設などがイリノ
おむね同様に推移している。
イ州政府の支援を受けた。
製造業の集中する GreatLakes5 州のうち 4 州(イリノイ、
米国各州政府、地方政府の多くは、イリノイ州と類似
インディアナ、ミシガン、オハイオ州)は高い失業率にあ
した新規・拡大投資への支援を行っている。ある程度の
えいでいるが、Plains7 州のうち 6 州(アイオワ、カンザス、
規模以上となる新規・拡大投資案件については、州政府
ミネソタ、ネブラスカ、ノースダコタ、サウスダコタ州)
や地方政府の支援を受けられないかどうか当局に相談し
の失業率は上昇したものの全米平均をはるかに下回って
てみるとよいであろう。
いる。
中西部・イリノイ州の経済
こういった中でも、GreatLakes 各州の失業率は下がっ
てきており、1 3 年以降も持続的な回復が期待される。
失業率の低下でオバマ大統領再選
12 年 11 月の大統領選で、オバマ大統領が再選されるか
否かは、失業率がどれほど低下するかがカギとなるとみら
雇用創出に取り組むイリノイ州政府
れていた。これは、1936 年以降の大統領選挙では、現職
雇用の重要性が政治的・経済的に高まる中、州・地方
敗れたフォード、
カー
が10勝3敗と有利となっているものの、
政府による企業誘致競争と呼ばれる状況が生じている。
ター、ブッシュ父大統領いずれもが経済環境が敗因となっ
1 2 年 1 2 月 1 日付 New York Times 電子版は、このよう
ていたためだ。再選に向けては 8% の失業率は高すぎると
な状況を
「補助金合衆国」
(United States of Subsidies)と
の見方があったが、12 年 10 月に発表された同年 9 月の失業
呼んでいる。
率は前月より 0.3 ポイント改善し、7.8% となった。この失
イリノイ州政府は、クイン州知事のリーダーシップで
業率は大方のアナリスト予測を下回る
「サプライズ」であっ
雇用確保に取り組む姿勢を強調している。イリノイ州経
たが、
再選に向けた原動力となった。オバマ大統領 2 期目も、
済開発局ウェブサイトにおいては、イリノイ州において
雇用など経済政策が最重要課題となる(図3)。
顕著な雇用創出に貢献した企業を PR している。例えば、
クライスラー社は、同州 Belvidere の工場に 7 億ドルを
投資し、新たな Dodge Dart を生産することで 1 , 8 0 0 人
に及ぶ雇用を創出するとし、同州政府は税制支援プログ
12 年在北米日系企業経営実態調査の結果
12年10月、ジェトロは在米日系製造業企業にアンケー
ト調査を行い、1 3 年 3 月に結果を公表した。
ラムや雇用訓練プログラムにより支援する。この税制支
図 3 : 失業率の推移
図 2 : 中西部製造業指数の推移
09 年
11 年
12 年
13 年
2月
82 .5
87 .9
91 .1
95 .0
97 .2
97 .1
6 .6 %
3 .6 %
4 .2 %
2 .5 %
3 .0 %
71 .6
78 .3
84 .6
92 .5
96 .2
96 .5
前年比 -23 .3 %
9 .4 %
8 .0 %
9 .3 %
5 .7 %
6 .4 %
57 .1
70 .6
77 .7
91 .8
97 .9
99 .1
中西部合計
前年比 -31 .3 % 23 .6 % 10 .1 % 18 .2 % 11 .3 % 13 .3 %
鉄鋼
機械
08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 13年 順位13年3月
3月 (ワシントンDCを含む)
13 年
3月
前年比 -13 .6 %
全米合計
自動車
10 年
全米
5 .8
9 .3
9 .6
8 .9
8 .1
7 .6
中西部
6 .0
9 .6
9 .4
8 .4
7 .4
7 .4
イリノイ
6 .4 10 .0 10 .4
9 .7
8 .9
9 .5
50
インディアナ
5 .9 10 .4 10 .1
9 .0
8 .4
8 .7
44
ウィスコンシン
4 .9
8 .5
7 .6
6 .9
7 .1
24
Great Lakes 5州
8 .8
82 .5
89 .7
93 .4
92 .4
オハイオ
6 .6 10 .2 10 .0
8 .7
7 .2
7 .1
24
前年比 -35 .0 % 16 .1 % 14 .5 %
8 .6 %
4 .5 %
4 .4 %
ミシガン
8 .3 13 .4 12 .7 10 .4
9 .1
8 .5
42
87 .8
95 .9
98 .0
98 .1
Plains 7 州
7 .3 % 15 .3 %
9 .3 %
2 .7 %
2 .5 %
アイオワ
4 .1
6 .2
6 .3
5 .9
5 .2
4 .9
5
カンザス
4 .4
7 .1
7 .1
6 .5
5 .7
5 .6
12
サウスダコタ
3 .1
5 .2
5 .1
4 .8
4 .4
4 .3
4
ネブラスカ
3 .3
4 .7
4 .7
4 .5
4 .0
3 .8
2
ノースダコタ
3 .2
4 .1
3 .8
3 .5
3 .1
3 .3
1
ミズーリ
6 .0
9 .4
9 .3
8 .4
6 .9
6 .7
21
ミネソタ
5 .5
8 .0
7 .4
6 .5
5 .6
5 .4
11
62 .1
71 .0
前年比 -28 .0 %
72 .1
76 .1
注 : 2007 年= 100
出典 : 中西部製造業指数 : シカゴ連邦銀行(Federal Reserve Bank of Chicago)
www.chicagofed.org/economic_research_and_data/cfmmi.cfm
注 : 失業率が最も低いのはノースダコタ州(3 .3 %)。最も高いのはネバダ州(9 .7 %)。
出典 : 連邦労働省、各州政府・www.bls.gov/xg_shells/ro5 xg02 .htm
4
この調査は、1 9 8 1 年以来実施しているもので、今回
、生産効率の改善(3 7 . 4 %)
場の売り上げ増加(8 4 . 8 %)
で 3 1 回目。米国で第一線で操業する日系製造業企業の
であり、悪化の理由としては、現地市場での売り上げ減
皆様方 6 4 6 社のご協力を得て実施した。調査内容はジェ
、調達コストの上昇(3 9 . 0 %)
、販売価格へ
少(5 2 . 5 %)
トロウェブサイトで閲覧可能である。
の不十分な転嫁(3 0 . 1 %)であった。
http://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/reports/07001235
原材料などの高騰や円高は深刻なコスト上昇要因
景況感は 11 年より改善。7 割以上が 12 年の
今後 1 〜 2 年の事業展開の方向性として、5 7 . 1 % が拡
営業黒字を見込む
縮小は 3.0% であった。
大とした一方、
現状維持は 39.0%、
1 2 年の企業の景況感を示す DI 値(調査年の営業利益が
経営上の課題 : コスト上昇要因については、原料・資
前年比で
「改善」とした割合から
「悪化」した割合を差し引
、人件費の上
源・コモディティの価格の高騰(5 8 . 8 %)
いた数値)は、前年より回復し、29.9 となった(図 4)。13
、
円高(5 4 . 0 %)
、
医療保険の負担増(5 2 . 4 %)
昇(5 5 . 1 %)
年の見通しは、さらに上昇して 38.6 となっており、日系
であり、その他の項目を大幅に上回った(図 5)。また、経
製造業の景況感予想は強気の見方をしていることがわか
営上の課題 : 販売抑制要因については、価格競争の激化
る。ここ 10 年間ほど DI 値はおおむね GDP 成長率と連動
、有力な競合商品の存在(4 7 . 7 %)
、差別化の
(8 0 . 8 %)
図りにくさ(3 3 . 8 %)が主要な要因となった(図 6)。
中西部・イリノイ州の経済
して推移しており、13 年営業利益の改善を期待したい。
営業利益が前年よりも改善する理由としては、現地市
図 4 : DI 値でみた営業利益の推移と米国の実質 GDP 成長率
DIඩ
60
%
50
42.6 42.9
4.5
5
41.6
4.1
4.4
34.4
4.1
30
20
42.1
4.8
36.9
40
3.4
38.6
31.4
3.7
3.1
2.5
2.9
27.0
18.2
20.0
20.8
32.9
29.9
3.5
21.4
2.5
2.4
23.9
2.7
3
2
2.2
14.1
1
1.1
6.6
0
91
92
-0.2
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
Ŧ
05
06
-0.3
08
09
07
10
11
0
12
-1
-10.3
ଌଋGDP౰ෳᆎĪ೐༃྘ī=‫ۦ‬ᄆ౻?
-2
-16.6
-20
4
2.1
1.8
1.9
1.8
10
-10
6
55.7
53.0
-30
-3
-3.1
-40
-4
ဴਡDIඩ
-41.8
ଌଋDI౰ෳᆎ
-50
-5
注: DI値とはDiffusion Indexの略で、
「改善」
すると回答した企業の割合から、
「悪化」
すると回答した企業の割
合を差し引いた数値。景況感などがどの方向に変化しているかを示す指標になる。2012 年、2012 年の実質
GDP 成長率はIMFの予測(2012年10月9日発表)
。
※04年は調査を実施しなかったため、DI 値は03 年調査時点の見通しの数値。
図 5 : 経営上の課題(1)コスト上昇要因(MA)
図 6 : 経営上の課題(1)売上抑制要因(MA)
55.1
ఱॣྣĪࢣᅇĆ௤ᅇīɈ௫ீ
ঈ੮ᆧĆ૝঍Ć
ʋʺʟɻʞɻ‫߆ݟ‬Ɉ௫ீ
80.8
‫ࢻ߆ݟ‬ഈɈॗ‫ݛ‬
58.8
5.0
‫ޠ‬യཹĆჹၝ࿚Ɉ݁਄
54.0
‫ܟ‬਒
ᄪഗྣ
Īʄʕ˂ˋīɈ௫ீ
ྀ༸Ʌᅟȳɥࢮ໻‫ݢ‬ຑɈ
উ߆ȯ
25.6
ဘᆔĆᆔฆ௫Ɉ
ࡤ౫ࣅ‫ݛ‬
ʨɼɺʹ˂ʃˋ௸ਐɈശ੭
3.4
‫ۇ‬ᆫ။ঃĪʰ˃ʑʉɺīɈ
࿹ඐഝ
ྀᇭ߄൥Ɉਲ໧ȯ
2.9
2.1
0%
3.9
1.6
3%
૵ଜ౿࿚Ćࡳ୹Ʌ࠲ȳɥ
໻ඪ๱Ɉฝȯ
52.4
3%
ഝಉ
ȷɈ഼
33.8
ੇ်‫ݛ‬ɈూɤɅȩȯ
4.5
૝ࣸ෮ൿʋʑʠɈ௫ீ
47.7
ᄵᆵɄࢻਗ౿࿚Ɉശ੭
ర੠Ʌɢɥဇ࿎ྡޮ
0.8
ၪଗ༑ॳੈຑɈ
౉੫೜඲Ɉউ߆‫ݛ‬
0.0
3.9
ȷɈ഼
20%
40%
60%
80%
22.9
10.2
0%
20%
40%
60%
80%
100%
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
5
主要業界の動向
建設機械
執筆者 :
井上 容義
コマツ アメリカ
KOMATSU AMERICA CORP.
1701 Golf Rd., Suite 1-100, Rolling Meadows, IL 60008
Tel:(847)437-5800・Fax:(847)437-5814・www.komatsuamerica.com
コマツアメリカは、建設・鉱山機械、産業機械メーカーであるコマツ(
(株)小松製作所)の米国現地法
人であり、北米地域における統括本社の役割を担っています。米国内に 3 つの工場、開発拠点、および
広範な営業・サービス拠点を有します。品質と信頼性を基本に、建設・鉱山機械部門では、フルライン
メーカーとして、小型建機から 300 トン級の積載量を誇る超大型オフロードダンプトラックなどの鉱山
機械に至るまでのラインナップを取り揃え、産業機械部門では、サーポプレス、プラズマ切断機、フォー
クリフトなど、お客様の生産性向上に貢献しています。
米国における建設機械マーケットの動向
2 0 1 2 年の米国における建設機械需要は、主要 6 商品
主要業界の動向 ̶ 建設機械
の台数ベースで対前年同期比約 2 0 % 増と、2 0 1 1 年の
車両増強投資の継続、オイル、シェールガスなどのエネ
ルギー分野の堅調な需要の伸びが予想される為、2 0 1 3
年度も対前年約 1 5 – 2 0 % の需要増加を見込む。
約 4 5 % 増より伸び率は低下したが、引き続き需要は堅
調に推移した。
米国の建設機械需要は景気の循環と共にアップダウン
を繰り返している。過去にはそれぞれ 1978 年、88 年、
中西部マーケットの動向
中西部においては、2012 年の建設機械需要は、主要 6
商品の台数ベースで対前年同期比約 20% の増加と全米と
98 年と 10 年周期で需要のピークを迎えていたが、2006
同様の傾向。中西部の建機需要は全米需要のおよそ 25%
年住宅バブルの崩壊により直近のピークは 2005 年の約 6
を占めており、業種別需要構成としては農業分野向けの
万 5 千台となっている。2008 年のリーマンショック後、
需要が全米平均と比較して高い。2012 年の業種別伸び率
需要は急速に落ち込み、2009 年には過去最低レベルの 2
としては全米同様にレンタル分野が高い伸びを示した他、
万台弱までに減少したが、2010 年にエネルギー分野や
住宅部門や道路建設などに代表されるインフラ部門、エ
レンタル会社向けの伸長により需要が増加し、2012 年
ネルギー部門などが伸びた。
(図 1)
まで 3 年連続で需要増となっている。
2013 年に関しては、全米の傾向と同様に住宅分野と
建設機械需要は従来、住宅及び商業施設建設着工件数
非住宅分野が中西部の需要を牽引すると予測される。特
と強い相関があった。しかし 2 0 0 6 年の住宅バブル崩壊
に 2012 年の住宅分野の需要はピーク時と比較して未だ
後はこの主要 2 分野の構成比が落ち、石油やシェールガ
に 4 割程度に留まっており、2013 年以降の回復を期待し
ス田などのエネルギー分野向けが新たな需要の牽引役に
ている。またノースダコタ州のバッケン油田に代表され
なっている。またリーマンショック後は建設機械の主要
るエネルギー分野は過去の需要からみると既に高いレベ
顧客である土木建設会社の景気先行き不安が根強く、機
ルにあるが、パイプライン敷設向けなどの需要は堅調に
械購入からレンタルにシフトする傾向が大きくなってい
推移すると考えている。
る。レンタル会社は 2 0 0 9 年の不況期にレンタル車両を
注 : 文中の年は全て 4 月から翌年 3 月までの会計年
大幅に削減したこともあって、レンタル会社向けの需要
図 1: 米国における主要建設機械の需要推移(台数ベース: 主要6商品ベース*)
も増加してきている。その反面、安価なシェールガスの
൤ౘ
100,000
台頭により発電に使用される石炭の需要が落ちたため、
マイニング分野が対前年減となった。
2 0 1 3 年見通しについては、新聞報道にもある通り
2 0 1 2 年末から住宅分野の回復が顕著になっており、住
宅価格上昇を伴って住宅着工件数は 2 0 0 7 年以来となる
年率換算で 1 0 0 万戸に届く見込みである。1 0 0 万戸は住
宅着工件数のベンチマークとなっており、今後も安定し
て件数が伸びると見ている。非住宅分野の商業施設も同
様に空室率が減少し、価格が上昇している。主要 2 分野
の需要が戻ることに加え、レンタル分野の更新需要及び
6
఑ᆎ!%
୅ᅟĪ੆૾ī
ൎ೐༃఑ᆎ&Ī‫૾ۦ‬ī
100%
50%
80,000
0%
60,000
-50%
40,000
20,000
0
97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
* 主要 6 商品 : 油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダー、ダンプトラック、
アーティキュレート・ダンプトラック、モーターグレーダー
工作機械
執筆者 :
静井 茂
東芝機械
TOSHIBA MACHINE CO., AMERICA
755 Greenleaf Ave., Elk Grove Village, IL 60007
Tel:(847)593-1616・Fax:(847)593-0897・www.toshiba-machine.com
当社は北米地域において、東芝機械グループ製の高い生産性と高精度で定評を戴いている、射出成形機、
ダイカストマシン、スカラロボット、工作機械等の販売、サービスのほか、部品・ユニット等の当地調達
を行っています。1960年代初めからの駐在員事務所を経て、1974年4月に米国法人となってから、今年で
38周年を迎えました。現在の従業員は89名。ここシカゴに本社を置き、
カリフォルニア、
ニュージャージー
ほか北米地域で計7拠点があります。東芝機械グループは、産業の基礎づくりに寄与し、時代の流れに迅
速に対応する柔軟な発想と高度な技術力で、お客様に高品質で信頼のおける機械を提供いたします。
米国における工作機械市場の動向
あるが、部品の大型化に伴い、加工依頼先に変化が生じ始
めた様子で、WI 州や OH 州にも大手掘削メーカーからワー
ク契約が流れている。また、シェールガスに伴いシェール
昨年 9 月には全米最大の IMTS 展示会の関係で急激な需
オイルも注目を集めており、オイル & ガス関係は堅調の
要が生じ $ 7 0 0 M に達する勢いであったが、その他の月
まま 2013 も推移すると見られている。シェールガスが増
を見ると大きな動きは無く、$ 4 0 0 M 〜 5 0 0 M の間を上
えると鉱山機械(石炭)がダウンすると言われており、建
下した。月平均では $ 4 6 7 . 1 M/2 , 3 2 9 台と言う結果で、
設機械・鉱山機械の部品加工業者にとっては難しい 1 年と
(AMT 調べ)
変動の少ない 1 年となった。
なりそうである。BP 社の調査では 1900 年を 100 とする
業種別でみると、米国エネルギー市場、特に天然ガス
と 2030 年は 200 であり、倍のエネルギー消費量となる予
生産の拡大は、鉄鋼需要(パイプライン、油井管)を招き、
想で、これに向けて原子力以外の発電、特に火力発電、ガ
2 0 1 3 年もこのまま継続する見通しである。天然ガス生
ス発電などが注目を浴びており、これまでのクリーンエネ
産と輸送インフラの構築の拡大が期待される為、鉄鋼需
ルギーの動きは少しトーンダウンした格好で、化石燃料に
要も含めてポンプ・バルブ業界もしばらくは堅調である
よる発電が主体となっていく様子である。
と思われる。
主要業界の動向 ̶ 工作機械
2 0 1 2 年の米国における工作機械の内需(消費)は、
$ 5 , 7 0 5 . 5 8 M で前年比 2 . 6 % アップの結果となった。
半導体は好調で、TI 社は 2 0 1 3 年第一四半期で利益、
一方、風力発電は下降傾向にあり、米国内での需要は
売上とも市場予測を上回る結果であったと報告された。
低調のまま推移すると見られている。現在、風力発電の
2 0 1 3 年の見通しとしては鉄鋼が横這い、住宅は回復
発電量は全体必要量の約 3 % 程度を占めている程度で、
とみられ、内需復興型の天然資源開発に自動車の好調さ
今後増える傾向には無い状況と悲観しているメーカーも
が加わる形の 1 年と見込まれる。経済成長も 2 % 程度を
ある。デンマークに本社がある VESTAS 社ではコロラ
IMF では見ており、新興国と米国が世界経済を牽引する
ド州のタワー工場を閉鎖する予定である。
と期待されている。
建機・鉱山機械関連は横這いの状況で、キャタピラー
社の報告では今年後半までは生産調整(減産)が続き、加
工業者へのワーク契約量もこのまま下降すると見られて
いる。
航空機は今年も堅調を見込まれているが、急激な需要
増加は見込まれていないものの、ジェットエンジン関連
中西部市場の動向
2013 年 1 月 の 米 国 工 作 機 械 需 要(AMT 調 べ )は、
$370.62M であり前月比 26.5% ダウン、2 月は $385.89M
であり前月比 5.7% アップしたが、2012 年平均には及ばず
低調なスタートになった。
でこれから需要が上がって来ると期待されている。特に
1 月 の 中 西 部 工 作 機 械 市 場 は、North Central East:
コミュータクラスのエンジン需要が多いが、更なる設備
$98.54M、及び North Central West: $72.41M で、この 2
投資が期待出来るほどは需要がまだ見えてきていない。
つの地域を足した $170.95 は全体の 46% となり、依然と
自動車は依然好調を持続しており、各社大型投資が予
して中西部は大きな市場として位置付けられている。2 月
定されている。MI 州では GM が大型投資を 2 0 1 3 年も
は East: $111. 92M、West: $80.22 Mとなり、全体の 49.
継続しており、同州の工場に $ 3 8 M を投資、新たなライ
8% を占めている。
ンを作り雇用を促進する計画で、MI 州政府も援助する
予定である。
この地域には重厚長大と呼ばれる加工部品から小さな
自動車部品加工まで様々な業種が揃っている為、かなり
オイル & ガスは好調を維持する見通しであるが、全体
堅調に見えるが、実際は自動車関連が非常に強くまた好
としては少し緩やかな上昇となると予想されている。その
調であり、中西部の景気を牽引する形となっている。重
中でも“オフショア”と呼ばれるオイルリグ関係が好調で
厚長大の旗頭であるキャタピラー社(IL)では、鉱山向け
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
7
重機の需要低下が影響しているとのことで 2 0 1 3 年の利
他社においても同様である。
益予想を 1 株あたり $ 7.0 0 と下方修正した。同社では一
中西部では特に東側が自動車・航空機、西側が重厚長
時的な下方修正との見方を示しているが、鉱山機械の需
大関連の産業が多く、この構造による景気の格差は避け
要低下は今後も避けられない見通しで、この状況は競合
られない状況である。
図 1 : Total U.S. Manufacturing Technology Orders
Uipvtboet
911-111
811-111
Total Order Value
3 Month Moving Average
12 Month Moving Average
711-111
611-111
511-111
411-111
311-111
主要業界の動向 ̶ 工作機械・機械部品
211-111
1
::
機械部品
11
12
13
14
執筆者 :
15
16
尾関 雄二
17
18
19
1:
21
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24
ユニタイト
UNYTITE, INC.
One Unytite Dr., Peru, IL 61354
Tel:(815)224-2221・Fax:(815)224-3434・www.unytite.com
1986年ボルト・ナット販売会社として設立、1990年に製造工場を稼動、1995年より機械加工を加えた自
動車部品の生産、圧造技術を基本に熱間、冷間、複合鍛造から機械加工を加えたコンポーネント組み立て
まで一貫体制にて建設、自動車、建機などの分野に幅広く活動しております。
ボルト・ナットは機能部品・部材を締結する事でそれらの部品に求められる性能を発揮する縁の下の力持ちであり、
あらゆる産業に使用されるため、その業界の経済状況や動向を反映している。当記事では、産業を支えるボルト・ナッ
トおよび熱間・冷間鍛造部品を生産する素材メーカーの視線を以って米国市場の動向を検証すると共に、弊社が主に供
給させて頂いている四つの業界の動向をレポートしたい。
建設用市場
弊社は比較的大型のボルト・ナットを生産しており、高
8
マンショックで建設投資は再び急速に減少、3 年後の 2010
年には8億Sq-ftとピーク時の40%まで落ち込んだ。2011年、
層ビル・架橋・発電所・病院・学校等の非住居建設に使用
2012 年は年率 5 〜 10% の回復を示していたが、それでも
されている。非住居建設は景気に最も影響を受け、景気が
2012 年末現在ではピーク時の 45% に留まっている。
(図1)
良くなるとショッピングモール・娯楽施設・ホテル・カジノ・
売れるボルト・ナットのサイズで、どの様な建築物件が
製造工場への建設投資が盛んに行われる。全米の非住居建
多いのかも経験則で分析することが出来る。民間商業用ス
設の着工延べ床面積は、2000 年に 20 億スクエアーフィー
ペース、例えばショッピングモール・比較的低層の建屋・
ト(Sq-ft)相当となり最初のピークを迎えた。その当時はラ
事務所ビルには主に 3/4" のボルトが使用される。架橋に
スベガスには次から次へと新しいホテルが建ち、パリス、
は 7/8" が中心に使用され、高層ビル・公共施設には 1 〜 1
べラージオ、べネチアン、更に野球場、バスケットボール
1/8" が主に使われている。リーマンショックの 2008 年以
ニュー
のスタジアムが建設された。そして2001年9月11日、
降の 4 年間は、3/4" の需要が大幅に減り、7/8" と 1" の需
ヨーク貿易センタービルを狙った同時多発テロにより、高
要が増えた。これらのボルトのサイズから民間投資が細り、
層建築・大型建築計画の殆どが開発を凍結される厳しい時
公共事業が増えた事が窺える。米国商務省のデータによる
代を迎える。再び建設投資が増えるのが 3 年後の 2004 年で
と、2006 年に公共建設投資の割合が 22%(民間投資 78%)
2007 年には 19 億 Sq-ft まで回復したが、
2008 年のリー
あり、
であったのが 2009 年に 35%、2010 年には 38% と大幅に
増えており、政府の公的資金による建設が増えた事が裏付
が管理された国産品の需要が増え、更にシェールドオイ
けられる。政府の公共投資により架橋・発電所・学校・裁
ル掘削事業への需要がカナダ、オハイオ州、ペンシルベ
判所・ソーラー発電等のプロジェクトの建設が全国で進め
ニア州からも出てきており、納期に追われる程まで景気
られ、連邦・州の税金を使った公共事業は Made in USA の
が回復して来た。絶対量の増加と国産品需要増が、向こ
建築資材を使用する括りがあるため、市場規模が半減して
う 5 年位は期待出来ると言われている。
いるのにも拘らず国内品の需要は維持されており、我々国
内メーカーは恩恵を受けている。また、昨年後半より民需
自動車部品産業
の動向を示す 3/4" の需要が伸び始めており、公共事業に加
弊社の場合、2 0 1 2 年は年初予測していなかった 3 0 %
えて今年は民需の伸びが期待出来る。大手メーカーが海外
強の増産となり、多くの自動車部品メーカーも経験され
での生産を国内に戻す工場建設が始まっており、更に政府
た 1 日 2 4 時間週 7 日稼働を行った。2 0 1 3 年に入り円高
は全米に 7 万を超える老齢化した橋の補修工事にも言及し
から円安に反転し 1 0 0 円 /$ に迫っているが、日系メー
カーにおける現地化の動きは止まる様子がない。弊社で
も新規受注と多くの見積案件を抱え、現状の設備では対
おり、2013 年から 2014 年に掛けて非住居建設の本格的な
応出来ず、設備投資を迫られている。また、今年は各社
回復がかなり期待出来る状況になって来ている。
共、従来品の増産と新規受注品の立上げを同時に行う忙
しい年になると見込まれる。米国での自動車販売台数は
石油精製・化学プラント産業
6 ヵ月連続で年率換算で 1 5 0 0 万台を超えており、日系
2010 年に起きた BP 社のメキシコ湾深海油田での原油
自動車メーカーは各社とも販売予想台数を上方修正して
漏れ事故以来、オイルリグ・石油精製プラントで使われ
おり、2 0 1 3 年は 1 6 0 0 万台を超えるとも言われている。
る部品に対する品質要求が強化されている。弊社は主に
パイプを繋ぐボルト・ナットを供給しているが、ここ 15
風力発電産業
年程は中国・韓国・台湾からの 30% 以上安い低品質の部
2 0 3 0 年までに再生可能エネルギーによる電気供給を
品が市場を圧巻し、我々国内メーカーは殆ど納入が出来
全米の電力需要の 2 0 %( 3 0 万 MW まで引き上げるとす
ない状況であった。しかし事故以来、品質の高い、履歴
るオバマ政権の方針で、助成金制度、風力発電への税制
主要業界の動向 ̶ 機械部品
ている。グラフ(図2)にも示されている様に、昨年末からの
非住居建設着工面積は過去三回の回復期の動向に良く似て
図 1: 米国建設投資額(商務省$Million)
27-111-111
公共
民間
25-111-111
23-111-111
21-111-111
9-111-111
7-111-111
5-111-111
3-111-111
13
14
15
16
17
18
19
1:
21
22
23
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
9
措置が取られている。具体的にはクリーンエナジー産業
2 0 3 0 年に風力発電能力 3 0 万 MW を達成するには年間
を助成する新規投資への補助金、風力発電事業に対して
1 万 4 千 MW、タワー数にして 7 〜 8 , 0 0 0 基を今後 1 7 年
は発電(kwh)に対して 2 . 2 セントの税額優遇制度(PTC)
間建て続ける計算になるが、政府の長期コミットメント
が与えられている。この補助金を利用して Vestas を始め
が無いため、風力発電ファームを作る事業者の投資を鈍
とする、Siemens、三菱重工(建設途中で計画中止)など、
らせている。風力発電は、本来発電コストが天然ガス発
世界の大手風車メーカーが米国に生産拠点を建設した。
電・火力発電よりも高く、補助金・優遇税制が無ければ
弊社もこの助成金制度を利用して、風力発電タワーに使
成り立たない事業であり、今後とも国民の税金を投入し
われる大型ボルト(3 6 〜 4 8 mm)が生産出来る設備を導
て継続するのかとの議論もある。排気ガスが比較的少な
入した。2 0 1 2 年度末で PTC が打ち切られる予定だった
いシェールガスが、大量に使用できる安価なエネルギー
2012年には過去最高の年間1万3千MWが建設され、
ため、
源として脚光を浴びる中、オバマ政権一期目からクリー
米国の風力発電能力は 6 万 MW となり、全米需要の 3 . 5 %
ンエナジーとして注目され、その間発電能力を 2 . 5 倍に
を供給している。PTC はその後、2 0 1 3 年 1 月に
「2 0 1 3
して来た風力発電も長期展望が待てなくなり、将来が分
年度に着工した風車まで」と延長された。
(図3)
からなくなって来た感がある。
主要業界の動向 ̶ 機械部品
図 2: Total U.S. Sq Footage of Non-Residential Construction Starts.
Through November 2012 (EW Dodge)
2,200,000
Sq Feet / Rolling 12 Months
1,0001 ,000
Sq Feet
/ Rolling 12 Months .
2,100,000
2,000,000
CAGR
10.4%
1,900,000
1,800,000
1,700,000
1,600,000
1,500,000
1,400,000
1,300,000
1,200,000
1,100,000
1,000,000
900,000
800,000
700,000
.
600,000
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
Year Annual Capacity
Installations, MW
図 3: U.S. Annual and Cumulative Wind Power Capacity Growth
(Utility Scale Wind)
81-111
3Q Capacity Installations
Cumulative Capacity
2Q Capacity Installations
4Q Capacity Installations
1Q Capacity Installations
60,007 60,009
60,000
Wind Power Capacity (MW)
Annual Capacity Installations
50,000
46,930
40,283
40,000
35,068
30,000
25,065
20,000
16,702
8,993
10,000
4,147
4,557
6,222
11,450
6,619
1
12
10
13
14
15
16
17
18
19
1:
21
22
23
24
Cumulative
Capacity, MW
Through End 1999
844
2 ,385
2000
71
2 ,456
2001
1 ,000
4 ,147
2002
411
4 ,557
2003
1 ,666
6 ,222
2004
396
6 ,619
2005
2 ,374
8 ,993
2006
2 ,457
11 ,450
2007
5 ,253
16 ,702
2008
8 ,362
25 ,065
2009
10 ,006
35 ,068
2010
5 ,216
40 ,283
2011
6 ,820
46 ,930
2012
13 ,131
60 ,007
鉄鋼
執筆者 :
成田 和信
米国三井物産
MITSUI & CO.(U.S.A.), INC.
200 E. Randolph Dr.,Suite 5200 Chicago, IL 60601-7125
Tel:(312)540-4030・Fax:(312)540-4026・www.mitsui.com
Mitsui & Co.(U.S.A.),Inc.: 米国三井物産( 株)シカゴ鉄鋼課として当社グループの多種多様な
事業知見から生み出される総合力と、当社が持つ「マーケティング」
「ファイナンス」
「ロジステック」
「リ
スクマネジメント」「IT・プロセス構築力」の 5 つの機能を組み合わせ、お客先のさまざまなニーズにお
答えするよう、又、1959 年に当地にて営業開始した歴史を踏まえ、日米間の橋渡し役を少しでも務め
られるよう日々活動しております。
鉄鋼業界概観
2 0 12 年の世界経済は、欧州の債務危機が 1 年を通じて大きな影響を与えた年であった。EU の財務緊縮が欧州経済停
滞の主因となるとともに、ユーロ安や欧州諸国の輸入減少を通じて世界経済減速の要因ともなった。欧州向け輸出の鈍
化につれて、中国やアジア等新興国経済も減速した。
宅産業等が年後半漸く回復し始めたが依然低い水準に留まり、輸入鋼材の影響もあり過剰な供給が継続、2012年の鉄
鋼生産量は若干の伸びがみられたに留まった。20 1 3 年に入り、強制歳出削減の影響への懸念はあるものの、自動車や
エネルギー産業の堅調さに加え、住宅産業が大幅に回復してきており、如何に供給過剰を克服できるかが今後の課題と
なる。
需給動向
鉄鋼出荷比率の最も大きな割合を占める(40%)
(図1)建
に加え、輸入鋼材の増加もあり、2012 年の鋼材見掛消費
量(図 6)は約108百万ネットトンと2011年比で8%程度増加、
設業界においては、住宅着工件数(図2)や民間非住宅建築支
米国鉄鋼ミルの製鋼操業率(図7)は 75% と前年より下落し
出(図3)の統計にも見られるように、2012 年は 2011 年比
た。尚、2013 年に入り、4 月までの米国鉄鋼ミルの粗鋼生
でそれぞれ 28%、15% の増加となり漸く回復し始めた。
供給過剰が継続、
産量は前年同期比で7.6%減となっており、
2013 年に入り、住宅着工件数の 3 月までの統計では、
主要業界の動向 ̶ 鉄鋼
2 0 12 年の米国鉄鋼業界は、回復を続ける自動車産業、高水準を維持するエネルギー産業等の好調に加え、建設や住
市況も回復の糸口を見出せずにいる状況となっている。
前年同期比で 36% の増加となっており、着実な回復が見
られる。
自動車業界においては、2012 年は北米自動車生産が前
年比約 19% アップの 15.4 百万台となり、2007 年のレベ
ూ࿍1ć୅ᅟࣞ‫์ޢ‬਍୸‫྘ݷ‬ᇉ
図1: 需要業界鉄鋼出荷比率
ルにまで回復(図4)。トヨタ、ホンダが東日本震災、サプラ
8% Energy
イチェーン寸断の影響に伴い生産減となった前年から大幅
に回復、デトロイトスリー 3 社全てにおいても生産台数が
増加した。2013 年の北米自動車生産は、 2012 年比で更
12% Machinery
and Equipment
に 3% 以上伸びる見通しとなっており、足元の鉄鋼需要を
支えている。
25% Automotive
4% Container
4% Other
機械関連産業については、米国商務省の統計では、
2012 年の機械受注は 2011 年比で 4% 程度の減少となった
4% Appliances
が、2013 年に入ってからは 3 月までの季節調整済統計で
前年同期比 6% 程度の増加となっている。
40% Construction
エネルギー産業については、2012 年は原油価格が総じ
3% National Defense
and Homeland Security
て堅調に推移する一方、シェールガスの生産増加を受け天
然ガス価格が低迷、米国内の掘削用活動リグ数は石油井が
出典 : American Iron and Steel Institute
増加するも、ガス井が大幅に減少、2012 年末時点で 1,762
機となり、2011 年末の 2,007 機から大幅な減少となった。
こうした需要動向を受け、供給面で 2012 年の米国粗鋼
生産量が約 98 百万(図5)ネットトンと約 3% 増加したこと
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
11
図3: 民間非住宅建築支出
図2: 米国住宅着工件数
(Value of Private Non-residential Construction Put in Place)
ಫট
‫ݍ‬ʡ˃
1,000
4,500
4,000
800
3,500
3,000
600
2,500
2,000
400
1,500
200
1,000
08
09
10
11
12
08
主要業界の動向 ̶ 鉄鋼
出典 : U.S. Department of Housing and Urban Development
図4: 北米自動車生産台数
09
10
11
12
09
10
11
12
11
12
出典 : 米国商務省
図5: 米国粗鋼生産量
ಫ൤
ಫNT
16,000
110,000
15,000
100,000
14,000
90,000
13,000
80,000
12,000
11,000
70,000
10,000
60,000
9,000
50,000
8,000
40,000
7,000
30,000
6,000
08
09
10
11
12
08
出典 : WardAuto
出典 : World Steel Association 等
図6: 米国鋼材見掛消費量
図7: 米国鉄鋼メーカーの製鋼操業率
ಫNT
%
120,000
85
110,000
80
100,000
75
70
90,000
65
80,000
60
70,000
55
60,000
50
50,000
45
40,000
08
09
出典 : World Steel Association
12
10
11
12
40
08
出典 : AISI
09
10
電気・電子機器
執筆者 :
川合 敏生
三菱電機
MITSUBISHI ELECTRIC AUTOMATION, INC.
500 Corporate Woods Parkway, Vernon Hills, IL 60061
Tel:(847)478-2100・Fax:(847)478-0328・www.meau.com
三菱電機オートメーション社は、生産用の機械や設備に組み込まれる三菱電機製産業用制御機器に関する
米国での製造、販売、サービスの拠点として1997年に設立し、15年が経過しました。現在ここイリノイ
州を本社として、米国、カナダ、メキシコなどに計8 ヶ所の支店を有し、米州の各製造業の皆様向けに製
品やサービスを提供しています。常にお客様の視点とCSRに立脚した行動を基本に、米州の企業と地域社
会の発展に貢献してまいります。
昨今、生産財に関連する主要市場の動向を見ると、日本国内ではアベノミクスの設備投資への波及効果にはまだ時間を
要し、中国では過去の過剰投資の影響などから、生産財需要の急回復は見込めない状況にある。また、欧州に関しても、
債務危機リスクや新興市場向け輸出の減速等から早期の復調は厳しいと思われる。こうした中、米州市場は自動車需要の
増加やエネルギー等の社会インフラ関連投資の拡大、及び米国製造業の国内回帰の動きなどから、相対的に需要伸長への
製造業の動向とグローバル市場における役割について述べてみたい。
各種指標に見る米国市場の現状
但し、機械や通信機器など一部の産業の受注は依然爬行状
IMF が 4 月に発表した、2013 年の世界主要各国・地域
態にあること、3 月の失業率(図4)は 7.7% と未だ改善途上
の GDP 伸長率の見通し(図1)によれば、米国は連邦歳出の
であること、雇用者数が安定した増加傾向に無いことなど
強制削減措置や増税等の下方圧力があるものの、住宅市場
から、引き続き今後の指標動向にはより注視が必要である。
(2011年: 1.8%)
や個人消費の回復基調などから前年比1.9%
と、前年とほぼ横ばいながら、主要先進国の中では最も
主要業界の動向 ̶ 電気・電子
期待感が高まっている。2013年も第1四半期を経過し、製造業に関連する各種指標が発表されたことから、今後の米国
中西部の状況
。
高い伸長が見込まれている(日本 : 1.6%、ドイツ : 0.6%)
イリノイ州を含む北中西部は、米国内では北中東部に
さらに、この傾向は翌年以降も継続するとの見方から、
続いて製造業の占めるウエイトが大きい地域であり、機
2014 年においては 3.0% への拡大が予想されている。ま
械・装置の生産額では米国全体の約 2 割を占めている。米
た、2013 年も第 1 四半期を経過したが、民間設備投資に加
国製造技術組合(USMTO)の統計によれば、北中西部に
え、米国の生産財関連指標によれば、耐久財受注(図2)、鉱
おける直近の 2013 年 1-2 月累計の金属加工機械関連の受
工業生産指数(図3)においても、昨年の第 3 四半期の半ば以
注実績は、前年同期比、前月比の両伸長率とも米国全体
降、総じて増加傾向を維持してきている。特に耐久財受注
の平均以上(平均比各+ 8.7%、+ 7.0%)で推移しており、
では裾野産業の広い航空機、自動車分野での増加が寄与し
北中東部とともに米国需要を牽引する役割を担っている。
ており、今後この分野での設備稼働率の上昇が期待される。
同地域における製造業関連の主要業種としては、食品・
図1: 実質国内総生産(GDP)
10
14年
13年
8.08.2
8
6
4
5.3
3.3
4.0
1.9
2
世界全体
6.2
5.7
5.9 5.5
インド
ASEAN5カ国
3.0
1.6 1.4
0
-2
5.7
米国
日本
1.1
-0.3
ユーロ圏
0.6
1.5
ドイツ
0.9
-0.1
-1.5
フランス
イタリア
0.5
0.7
1.5
英国
新興・途上国
中国
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
13
飲料・包装・自動車などが、イリノイ州、ウイスコンシ
・コア技術の蓄積とキーパーツの内製化
ン州、ミネソタ州、ミズーリ州などに集積しているため、
・IT 技術活用による現場の可視化
昨今の市況から今後耐久財や個人消費の回復に伴い、加
(品質管理、予防保全の強化)
工・組立・食品・包装等の分野での伸長が期待される。
・省エネへの意識改革と取り組み強化
昨今、一部の業種において、新興国におけるカントリー
グローバル市場における米国製造業の役割
リスク回避のため、製造機能を米国内に戻す動きもある
米国内で従来から競争力があり、今後更に拡大が期待
が、米国内の製造拠点がマザー工場として位置付けられ
される業種としては、航空機、自動車、医療、エネルギー
るためには、技術と人材の蓄積が不可欠である。加えて、
2012 年、
などが挙げられる。特に自動車分野においては、
米国が過去から得意とする高付加価値型産業において、
好調な新車販売に支えられ、米国生産台数は 1 0 百万台
いかにしてコスト競争力を高め、同分野での強みを他の
を上回り、今後も自動車各社による米国内での能力増強
産業に対して安価に転換・供給できるかが課題と考える。
主要業界の動向 ̶ 電気・電子
や、メキシコなど周辺国への生産拠点の拡大が計画され
グローバル市場の急速な需要変動に追従しつつ、根幹
ている。こうした好調分野において、生産用に様々な機
となる技術や付加価値をどこに求め、これをどう継承し
械、装置等の需要が期待されるが、米国製造業が将来に
ていくか。強い米国製造業の基盤確立には更に時間を要
渡り持続的な発展を実現するためには、以下の項目を一
するものと思うが、一方で、日本の製造業はこれにどう
層推進する必要があると考える。また、その推進過程で
関わり、あるべき姿として何を目指すのか。中・長期的
は、その他関連する生産財の需要も誘発されることから、
な戦略に基づく判断と行動が一層重要になってくる。
新しい製造業のモデルとして、グローバル市場に大きく
貢献する可能性もある。
図2: Durable Goods Manufacture’
s Orders(耐久財受注)
$Billion
240
230
220
229
224
215
210
215
218
221
200
232
228
217
219
221
Sep.
Oct.
Nov.
98.0
98.1
220
199
190
180
Feb.
Mar.
Apr.
May
Jun.
Jul.
Aug.
Dec.
Jan.
Feb.
図3: Industrial Production Index(鉱工業生産指数)
100
99
98
97.3
97.2
97
96
97.9
97.3
96.4
97.2
97.0
99.1
99.5
98.0
96.8
95
94
Mar.
Apr.
May
Jun.
Jul.
Aug.
Sep.
Nov.
Oct.
Jan.
Dec.
Feb.
Mar.
図4: Unemployment Rate(失業率)
%
8.4
8.3
8.2
8.1
8.0
7.9
7.8
7.7
7.6
7.5
7.4
14
8.3
8.2
8.1
8.2
8.2
8.3
8.1
7.8
7.9
7.7
7.8
7.9
7.7
Mar.
Apr.
May
Jun.
Jul.
Aug.
Sep.
Oct.
Nov.
Dec.
Jan.
Feb.
Mar.
金融
執筆者 :
太田 智之
みずほ総合研究所
MIZUHO CORPORATE BANK, LTD.
311 S. Wacker Dr., Suite 2020, Chicago, IL 60606
Tel:(312)855-1111・Fax:(312)855-8200・www.mizuho-fg.co.jp
みずほコーポレート銀行シカゴオフィスの使命は、中西部に根付いたきめの細かい金融サービスを通じ
て、
当地の日本企業・米国企業のご発展をお手伝いすることです。事業資金のご調達・資金運用・外国為替・
リース・証券化等、幅広いニーズにお応えすべく努めて参ります。また格段に拡がったお客様のネット
ワークを活かしながら、日米両企業の事業提携等、積極的にご提案申し上げて参ります。みずほは世界
最大級の金融グループとして、お客様に常に最先端の金融サービスを提供すべく邁進してゆく所存です。
米国みずほ証券は、NY・シカゴ・ロンドンにオフィスを有し、米国債券プライマリーディーラー・ア
ジア株式・金融先物等の業務において高品質金融サービスを提供して参ります。
米国経済の回復力は未だ力強さに欠けるものの、景気の足かせとなっていた家計のバランスシート調整は着実に進
展している。危機の震源地だった住宅市場も回復に転じ、米国経済正常化に向けた環境は着々と進んでいる。
2 0 1 3 年の米国経済を展望すると、3 月に発動された歳出強制削減などの影響から、年央にかけて成長率は一旦減
金融政策については、FOMCメンバーの間で、現行の資産購入策見直しを主張する意見が強まっており、年内の
資産買い取りペース削減・終了が現実味を帯びつつある。FRBの政策転換が意識される中、今後、長期金利は緩や
かな上昇局面に転じ、ドル円相場は円安基調で推移することになるだろう。
自律回復に向けた環境整備が進む米国経済
住宅バブル崩壊をきっかけとした金融危機から丸 5 年
金融政策の新機軸を矢継ぎ早に打ち出した RBF
米国経済が正常化に向けた歩を着実に進める一方、雇
が経過した。米国経済の回復力は未だ力強さに欠けるも
用の改善ペースは極めて緩慢なものにとどまっている。
のの、自律回復に向けた環境整備は着々と進んでいる。
失業率は 7 % 台半ばと、FRB が適正と考える水準(5 . 2
実際、景気低迷の主因であった家計のバランスシート
〜 6 . 0 %)を未だ大きく上回っているのが現状だ。
調整はかなりの程度進展した。債務削減に加え、株価や
雇用の最大化を政策目標に掲げるFRBは、2 0 1 2 年
住宅価格の上昇で家計が保有する資産の価値が大きく増
9 月、住宅ローン担保証券(MBS)を月 4 0 0 億ドル購入
加したからだ。資産から負債を差し引いた家計の純資産
「労働
する、いわゆる量的緩和第 3 弾の実施を決定した。
額は、今や 66 兆ドルと既往ピークに肩を並べる水準まで
市場の見通しに大幅な改善がみられるまで」と具体的な
回復している(図 1)。給与税減税の失効など年間 2000 億
期限を定めない、事実上の無制限買い取りである。
ドル(日本円にして 20 兆円)にも及ぶ負担増が年初に実
12月のFOMCでは、
期限を迎えるオペレーション・
また、
施されたが、その影響が今のところ限定的なのも、こう
ツイストに代わり、残存期間 4 年以上の長期国債を追加
したバランスシートの改善が背景にある。
今後についても、資産価格の上昇が景気回復を後押し
購入することを決定。現在、国債と MBS を合わせ、毎月
850 億ドルもの資産買い取りを継続中だ。
する状況が続くとみられる。とりわけ、住宅市場は、低
さらに、同会合において、低金利政策に関するガイダン
金利に支えられた堅調な需要を背景に、需給が逼迫傾向
スが、従来の期日を示す方法から、具体的な指標とその水
にあり、年後半にかけて住宅価格の上昇ペースはさらに
準を明示する方法へと変更された。低金利解除の条件とし
高まるとの見方が有力だ。
て、①失業率 6.5%、②インフレ率 2.5%、③長期のイン
住宅は、家計が保有する主要な資産の中でも最大の割
フレ期待安定の金融緩和策転換の 3 条件を示すことで、金
合を占め、かつ中・低所得層でも幅広い世帯が保有して
融政策の決定過程をより透明化し、市場参加者や国民が、
いるだけに、価格上昇の波及効果は侮れない。3 月に発
金融政策の道筋を予見しやすくしようとの狙いがある。
動された歳出の強制削減など、財政面からの下押し圧力
このように新たな手法を矢継ぎ早に導入してきたFRB
はあるものの、住宅をはじめとした資産価格上昇が下支
だが、ここにきて FOMC メンバー内では、費用対効果
えとなり、米国経済が腰折れする事態は回避されるだろ
の観点から、現行の資産購入策見直しを主張する意見が
う。年終盤には、歳出削減の影響も徐々に和らぐほか、
強まっている。
海外経済の持ち直しなどもあり、米国経済は自律回復に
向けた動きを強めると予想している。
主要業界の動向 ̶ 金融
速すると見込まれるが、歳出削減の影響が徐々に和らぐ年後半には自律回復に向けた動きを強めるとみている。
事実、3 月会合の議事録によると、FOMC メンバーの
1 名が直ちに買い取りペースの削減を主張したほか、大
半のメンバーが雇用の改善を条件に、年末までの買い取
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
15
り終了を容認していることが明らかになった。年内の買
それまで 1 ドル 80 円前後で推移していたドル円相場は、
い取り維持を主張するメンバーは 2 名と少数派である。
2013 年 1 月に 90 円を突破。4 月には、黒田日銀総裁が打
こうした状況に鑑みると、バランスシート拡大を通じた
ち出した異次元とも言われる大胆緩和策によって、1 ドル
非伝統的な金融政策は、1 つの転機を迎えつつあるとい
99 円 78 銭と 2009 年 5 月以来、ほぼ 4 年ぶりの円安を記
えそうだ。
録した。足元では、米国経済指標の下ブレなどから、円
がやや戻す格好となっている(図3)。
長期金利は低位安定。為替は緩やかな円安基調
FRB による実質無制限の長期国債買い取りが続く中、
先行きについては、しばらく現行水準でもみ合いを予
想するものの、基調としては緩やかな円安継続がメイン
長期金利は低位で安定的に推移している。2013 年初には
シナリオである。米国経済が、予想通り年後半に力強さ
景気回復期待の高まりなどから、10 年物米国債利回りが
を増し、FRB が資産買い取りペースの削減など、現行金
一時 2.0% を上回る局面もみられたが、足元では経済指
融政策の見直しに着手する局面では、円安ペースが一時
標の弱含みを受けて 1.7% 前後で推移している(図2)。
的に加速することもあるとみている。
既述の通り、年央には歳出強制削減など財政面からの下押
主要業界の動向 ̶ 金融
しが意識されるため、当面は 2% を下回る水準で推移するだ
金融機関の収益は大幅改善
ろう。ただ、年終盤には自律回復への手ごたえが強まるとみ
米国経済の着実な回復を反映し、金融機関の業績は持
られるほか、FRB による資産買い取り額縮小の思惑も絡み、
ち直している。2 0 1 2 年の純利益は、1 4 1 3 億ドル(前年
金利は緩やかな上昇局面に転じると予想している。
比 + 1 9 . 3 %)と 2 0 0 6 年(1 4 5 2 億ドル)に次いで過去 2
ドル円相場は、2012 年末以降、安倍政権への期待や米
番目に高い水準となった。内訳をみると、金融市場の回
国の堅調な経済指標を受けて、急ピッチで円安が進んだ。
復を背景に投資銀行業務が好調だったほか、延滞率の低
図 2 : 米国 10 年債利回り
図 1 : 家計の純資産額
%
兆ドル
67.4
2.4
66.1
65
2.2
60
2.0
55
1.8
50
45
1.6
40
1.4
35
0
02
04
06
08
10
12
1.2
1/12
出典 : FEB・ 注 : 純資産 = 総資産
4
7
10
1/13
4
出典 : Bloomberg
図 4 : 資産規模別にみた純利益の回復状況
図 3 : ドル / 円相場
円/ドル
2006年=100
100
$100億以上
100
95
$10-100億
$10億未満
80
60
90
40
20
85
0
80
-20
75
1/12
4
出典 : Bloomberg
16
7
10
1/13
4
-40
06
07
08
出典 : 米連邦預金保険公社
09
10
11
12 ༃
下や貸出債権良化に伴う貸し倒れ引当金からの戻し入れ
過去最高益並みの利益を計上する一方、資産規模 1 0 億
益が全体を押し上げた。その一方で、商業銀行業務は伸
ドル未満の中小金融機関は、2 0 0 6 年対比で 7 割程度を
び悩んでいる。貸出残高は増加しているものの、激しい
戻したに過ぎない(図 4)。主要顧客である中小企業の不
貸出競争を映じて、利ザヤの縮小傾向に歯止めがかから
振のほか、都市部に比べて住宅市場や商業用不動産市場
なかったことが理由である。イリノイやインディアナ、
の戻りが弱いことも影響していると思われる。その結果、
ケンタッキーなど中西部 6 州の金融機関についても、事
651行とピーク(2008
経営に問題を抱える金融機関数は、
情はほぼ同じだ。
年 : 8 8 4 行)から減少したとはいえ、今もなお多い。こ
れは 2 0 0 6 年(5 0 行)の 1 3 倍に相当する数だ。こうした
なお、金融機関全体の業績が持ち直す中、規模によっ
てその改善ペースが異なる点には注意が必要である。事
中小金融機関に、景気回復の恩恵が行き渡るまでには、
実、総資産 1 0 億ドル以上の大・中堅金融機関が、ほぼ
まだしばらく時間がかかるとみた方がよいだろう
保険
執筆者 :
清水 優
米国日本生命
20 N. Martingale Rd., Suite 150, Schaumburg, IL 60173
Tel:(312)807-1100・Fax:(866)860-7511・www.nipponlifebenefits.com
日本語カスタマーサービス、全米の拠点をカバーする「駐在員総合プラン」等、ニッセイならではの
きめ細かなサービス・サポート体制を通じ、米国最先端の団体医療保険をご提供致しております。
2 0 1 2 年についても医療保険料は上昇を続けており、それに伴って雇用主負担も増加している。
そのような中、医療保険料の抑制を目的とした、HDHP プランの導入、およびウェルネスプログラム導入を進める
主要業界の動向 ̶ 金融・保険
NIPPON LIFE INSURANCE COMPANY OF AMERICA
雇用主の動きが顕著となっている。更に 2 0 1 4 年は、オバマ医療制度改革法の中でも、保険プラン・医療保険料に影
響を与える複数の重要条項が施行となる事から、雇用主としては今一度、自社プランを慎重に見直す必要があるだろう。
医療保険料の現状・動向
カイザーファミリー財団の調査によると、2012 年の平
料の従業員負担割合が徐々に上昇(雇用主負担割合が低
下)する傾向にある。
均医療保険料は、家族型(従業員・配偶者・子)の場合で年
間 $15,745、対前年比で 4.5% 増となっている(図1・図2)。
類型別の医療保険の現状・動向
未だ保険料上昇は止まらないものの、近年は上昇率が 10%
類型別では、PPO(※ 1)が主流である事に大きな変化
前後で推移していた状況を鑑みると、2012 年の保険料上
は見られない。一方、ここ数年の勢いは無くなったもの
昇は穏やかであったと言える。但し、長期失業者の増加等
の、HDHP(High Deductible Health Plan)と言われる
を背景に医療費支出が一時的に抑制されているだけとの見
Deductible(自己免責額)を高く設定したプランの利用
方もあり、今後の景気・雇用動向によっては上昇ペースが
が広がっており、2 0 0 9 年に 8 % であった同プランの占
再加速する事も有り得る。
率が、2 0 1 2 年は 1 9 % へと飛躍的に上昇している(図 6)。
次に、地域別の医療保険料を見ると、中西部は引き続き
全米平均並みとなっている(図3)。
通常、HDHP は HSA(※ 2)や HRA(※ 3)等の医療積立
口座と併せて提供されるが、内訳としては HSA 利用者
が HRA 利用者よりやや多い状況である。
雇用主(従業員)負担割合の動向
また地域別で見ると、中西部では HMO 占率が 8 %
医療保険料の雇用主(従業員)負担割合の設定につい
(全米 1 6 %)と低く、一方で HDHP 占率が 2 9 %(全米
ては、
「従業員本人分」と「従業員家族分」を分けて設定す
1 9 %)と高くなっている事が、地域の特徴として挙げら
る企業も多い。2 0 1 2 年の雇用主負担割合の平均値につ
れる(図 7)。
いては、「従業員本人分」は 8 3 . 1 %、「従業員家族分」は
7 2 . 6 % となっており、双方とも 2 0 1 1 年と比較して特
に大きな動きは見られなかった(図 4・図 5)。
また、やや長期的な視点に立って見ると、医療保険
ウェルネス・プログラムの新潮流
近年、従業員の医療費支出抑制等を目的とするウェル
ネス・プログラム(健康増進プログラム)により注目が集
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
17
まっており、2012 年は医療保険を提供する企業のうち
63% が導入している。
(図8)
。
康リスク特定をサポートする事、ひいては同プログラム
への参加促進を意図して導入されるケースが多い。
同プログラムは従業員の任意加入が原則であり、従業
員の参加を促す為にインセンティブ(報酬・ペナルティ)
オバマ医療制度改革法、2014 年以降への備え
を組み合わせる事が多くなっている。具体的には、同プ
2 0 1 0 年に成立した医療制度改革法案は、2 0 1 8 年ま
ログラムを修了、あるいは設定目標を達成した従業員に
でのタイムスケジュールが設定されており、同法成立以
対し、インセンティブを与えるという仕組みである。
後、段階的な施行が続いている。
2012 年に見られた大きな変化として、Health Fair(※ 4)
2013 年は、取り立てて大きな影響を与える改正は予
を取り入れる企業が急速に増えている事が挙げられる。具
定されていないものの、2014 年には複数の重要条項が
体的には、2011 年はウェルネス・プログラム導入企業の
施行される予定である(図 9)。保険プラン設計に関わる
うちHealth Fairを利用する企業は9%にとどまっていたが、
ものや、雇用主に対してペナルティが科せられる可能性
2012 年は 24% まで急拡大している。主に、従業員の健
のある新ルールが適応される中、雇用主は自社プランに
ついて、今一度、慎重に見直す必要があるだろう。
主要業界の動向 ̶ 保険
※1 PPO。どの医療機関を利用しても保険給付を行う一方、保険会社と提携している医療機関を利用した場合は医療費がディスカウントされる類型。
※2 Health Saving Account。ブッシュ政権が導入した、
自己負担となる医療費について保険加入者に非課税のメリットを与えて積み立てを認める貯蓄口座。
※3 Health Reimburse Arrangement。保険加入者である従業員の医療費自己負担に対する援助を行うべく、企業が非課税で資金を拠出し従業員がその
積立金を利用する仕組み。
※4 Health Fair。簡易的なスクリーニングや生活習慣改善に向けた指導等、職場での開催する健康増進に向けた各種イベント
図 2 : 医療保険料の対前年上昇率推移
図 1 : 平均保険料(年間)の推移
年
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
$2,196
$5,791
$2,471
従業員のみ
$6,438
$2,689
16.0%
家族型
14.7%
14.0%
$7,061
$3,083
$4,704
$4,824
$5,049
$5,429
$5,615
9.7%
11.2%
9.7%
9.7%
8.8%
8.0%
$11,480
$4,479
12
10.0%
$10,880
$4,242
11
12.0%
$9,950
$4,024
10
13.3%
13.3%
$9,068
$3,695
09
$12,106
9.2%
$12,680
9.5%
9.3%
8.9%
7.5%
5.5% 5.6%
5.0%
6.0%
4.0%
4.7%
2.0%
$15,745
2.6%
00
01
02 03
04
05
06
07
08 09
中西部
南部
西部
全米
$6 ,156
$5 ,882
$5 ,599
$6 ,040
$5 ,850
$17 ,670
$16 ,350
$15 ,343
$17 ,187
$16 ,356
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
18
10
11
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
図 3 : 地域別の平均年間医療保険料(2012 年)
北東部
3.0% 3.4%
0.0%
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
従業員のみ
4.7%
$13,770
$15,073
4.5%
5.5%
5.4% 5.5%
$13,375
$2,000 $4,000 $6,000 $8,000$10,000 $12,000 $14,000 $16,000 $
家族型
‫ݦ‬രळ
12.5%
$8,003
$3,383
୦ࣞۙɈə
12 ༃
図 4 : 雇用主及び従業員負担額の推移(家族型の場合)
༃
99
$1,543
$4,247
00
$1,619
$4,819
01
$1,787
$5,269
02
03
$2,137
$2,661
05
$2,713
06
$2,973
08
09
10
従業員本人分
雇用者負担
$6,657
$7,289
$8,167
80.0%
$8,508
$3,281
$8,824
$3,354
$9,325
$3,515
$9,860
$3,997
75.0%
$9,773
11
$4,129
$10,944
12
$4,316
$11,429
$2,000
従業員家族分
85.0%
$5,899
$2,412
04
07
従業員負担
図 5 : 医療保険料に占める雇用主負担割合の推移
%
90.0%
$4,000
$6,000
70.0%
$8,000 $10,000 $12,000 $14,000 $
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09 10
11
12 ༃
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
図 6 : 医療保険の類型別占率の推移
%
70
PPO
HMO
POS
HDHP
Indemnity
60
主要業界の動向 ̶ 保険
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
50
40
30
20
10
0
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
༃
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
図 7 : 医療保険の地域別 & 類型別占率(2012 年)
Indemnity
HMO
PPO
POS
HDHP
1%
全米
16%
56%
9%
19%
1%
西部
27%
48%
11%
13%
9%
17%
1%
南部
12%
62%
1%
中西部
8%
54%
9%
29%
1%
北東部
18%
0%
57%
20%
40%
6%
60%
80%
19%
100%
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
19
図 8 : ウェルネスプログラム提供内訳(2012 年)
70
63%
60
50
45%
45%
40
30
29%
30%
27%
22%
20
14%
10
一つ以上の
プログラムを提供
減量支援
プログラム
バイオメトリック
調査
ヘルスコーチング
ニュースレター
インターネット
経由の情報提供
ジム割引等
禁煙プログラム
主要業界の動向 ̶ 保険
0
出典 : Kaiser/HRET Survey of Employer-Sponsored Health Benefits
分母は医療保険提供企業
図 9 : オバマ医療制度改革法(2013 年・2014 年に施行される主な項目)
2013年
メディケア税引き上げ(年収25万ドル以上の家族および20万ドル以上の個人が対象。1.45%→2.35%)
FSA非課税拠出額に$2,500の上限設置(以後、毎年cost of livingに応じて調整)
2014年
保険提供の義務化
個人に対し、医療保険加入を義務化。
• 一部貧困層等を除き未加入はペナルティ。
• 未加入の場合、ペナルティ
(税金)として、年間$695
(家族分で最大$2,085)または年収の2.5%のいずれか
高い額が徴収される。
雇用主に対する団体医療保険提供責任
• 従業員数がフルタイム換算50名超の企業について、下記①または②に該当し、かつ、エクスチェンジを
通じて保険加入& 税額控除を享受する従業員が1名以上いる場合、ペナルティが科される。
① 従業員に対し、最低限必要となる給付内容の医療保険を提供していない。
② 従業員に対して医療保険を提供しているものの、従業員の拠出する保険料が従業員の世帯所得に比して高い。
保険加入支援策
エクスチェンジ(保険取引所)の設置開始(一部スケジュールは2015年へ延期決定)。
• 個人、小企業(※4)は、エクスチェンジを通して保険プランの比較購入が可能。
• 一定所得以下の貧困層については、エクスチェンジ経由の場合、税額控除制度の対象。
プラン内容への影響
Waiting Period(待ち期間)について、90日以上の設定を禁止。
Deductibleについて、個人型の場合2000ドル、家族型の場合4000ドルに上限を設定。
Out of Pocket Maximumについて上限を設定( 執筆時点では、2014年の上限額は未発表)。
既往症等を理由とする謝絶を禁止。
保険料計算への影響
※ 4 : 州により、人数定義が異なる。
個人保険、小企業(※4)、エクスチェンジにおいては、下記に基づいてのみ保険料格差が設定可能へ。
① 年齢(但し、保険料格差は最大“3:1”)、② 地域、③ 家族構成、④ 喫煙有無 (但し、保険料格差は
最大“1.5 :1”)
⇒ いわゆる性別、健康状態等による保険料格差を禁止。
※ 4 : 州により、人数定義が異なる。
20
航空
執筆者 : 岡 裕 次 日本航空 シカゴ支店
JAPAN AIRLINES
Bldg. 516, Express Center Dr., Chicago, IL 60666
Tel:(773)601-7501・Fax:(773)894-7219・www.ar.jal.com/ja
JAL は、2013 年 4 月 1 日にシカゴ線就航 30 年周年を迎えました。2014 年 1 月には新しいシートを備え
た新税機を導入し、お客様に最高のサービスを提供させて頂きます。
航空機は 1 9 0 3 年のライト兄弟による初飛行後、1 9 1 0 年代に商業利用されるようになり、1 9 2 0 年代には旅客輸
送が事業として成り立つようになった。その後、2 回の世界大戦を経て航空機は著しい技術的進歩を遂げ、第 2 次大
戦後に民間航空産業は飛躍的に発展したが、常にその中心となってきたのは米国であり、航空機製造業・航空輸送業
ともに、世界の中で米国が非常に大きなシェアを占めている。
旅客数は、1990 年代後半以降、各社とも積極的に供給
量を拡大してきたが、米国経済の減速とともに 2000 年後
2012年のACI
(AIRPORTS COUNCIL INTERNATIONAL)
半頃から需要の伸びが止まり、業績が悪化しつつあった
の統計では、全世界の航空利用旅客数(発着旅客数)は
ところへ、2001 年 9 月の大規模同時テロ事件、2003 年
前年比で 4 . 0 % 成長して約 5 0 億 6 千万人、全世界の空
3 月からのイラク戦争、SARS(重症急性呼吸器症候群)
、
港離発着回数は 0 . 2 % 増加し 6 , 3 7 1 万回を記録した。北
2004 年にアジアにて蔓延した鳥インフルエンザなどの発
米地区の旅客数は 1 4 . 8 億人と横ばいで依然としてリー
生で、航空旅客は 1991 年の湾岸戦争以来 2 度目の縮小を
マンショック前の水準を回復していない。欧州地区は金
経験しその後 3 年間も低迷した。然し景状が底を打った
融危機の影響で経済が低迷するも、前年比で 1 . 7 % 増加
2004 年に航空旅客は前年比 11.4% と急増し、漸く 2000
し 1 5 . 3 億人とリーマンショック前の水準を引き続き上
年の水準を越えるところまで回復した。続いて 2005 年も
回り、北米地区を若干越え最大の市場になった。しかし
経済の復調に伴い 5% 増と順調に拡大した。
ながら、貨物の面では欧州地区経済の低迷の影響を受け、
主要業界の動向 ̶ 航空
世界の航空輸送マーケット
一方燃油価格は、1990 年代に 1 バレル当たり 20 ドル
対前年比にて - 2 . 6 % と輸送量は低下している。太平洋
を下回っていた原油価格は 2000 年から再び上昇を始め
アジア地区では、高い経済成長率に支えられ、対前年比
2003 年には 30 ドル、2004 年には 40 ドルを超え、2005
2 ケタ成長と引き続き航空需要の高まりが見られるほか、
年にはメキシコ湾岸地域を襲った二度の大きなハリケーン
ラテンアメリカ・アフリカにおいても高い伸び率は今後
で製油設備が重大な被害を蒙ったこともあって 2006 年に
も継続していくと思われる。
は 72 ドル、2007 年には 110 ドル、2008 年には最高 140
ドルを超え歴史的価格に急騰した。航空産業にとって燃油
米国の航空事情
高騰は、非常に大きなマイナスファクターであり、総じて
極めて困難な状況に追い込まれている。
米国航空業界の動向
米国は 1978 年に航空輸送業規制緩和法を成立させ、
2002 年 8 月に US エアが、12 月にユナイテッド航空、
2003 年 3 月にハワイアン航空、更に 2005 年 9 月にデル
1981 年に路線参入・撤退の自由化、1983 年には運賃の
タ航空・ノースウエスト航空、2011 年には遂にアメリ
自由化を実施した。これらの規制緩和により、米国では航
カン航空もと大手のほとんどが相次ぎ連邦破産法 11 条
空会社の設立が相次ぎ、現在までに 200 社以上が誕生し、 (チャプター 11)を申請したほか(2000 年以来ローコスト
またそのほぼ同数が消えるという熾烈な生存競争を通じて
、多くの航空会社がこ
キャリアを含めて 20 社以上が申請)
市場の独占的寡占化が進み、現在の此処シカゴ・オヘア空
の困難な状況に直面し収益悪化に苦しんでいることが分か
、ユナイテッド航空
港をハブとするアメリカン航空(AA)
る。無論、各社ともに減便、費用・人員削減等により事業
「メガ・キャリア」が形成
(UA)を代表とする巨大航空会社
立て直しを図っているが、燃油高騰により厳しい状況が続
されてきた。
き、昨今では、米国内線におけるローコストキャリアとの
1990 年代後半には、米国経済の回復やドル安などにも
熾烈な競争が各社の経営をさらに圧迫、更には、サブプラ
助けられ、米国の各航空会社は総じて順調に業績を伸ばし
イム住宅ローン焦げ付き、リーマンショック、BIG3 問題
てきたが、2000 年代に入り状況は一変した。
の他、連邦政府の歳出削減策等、様々な要因が業種に経済
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
21
不況の影を落とし、個人消費減少を誘引。ことアメリカ中
の渡航需要減少の主要因になっている。とはいえ、ここ
部地区における製造業に大きな影響がもたらされたことは
数年の間、不景気に悩む欧州に比べ、米国および日本の
否めず、失業問題にも発展、当該産業の収益比重の高かっ
経済は比較的安定している感がある他、若干円安に戻し
た航空業界には引き続き厳しい状況に直面している。その
たものの、昨今の超円高のおかげで、日本からの渡航需
ため、ユナイテッド航空はコンチネンタル航空と合併、ア
要は好調である。また、日本への需要は東日本大震災の
メリカン航空は US エアと合併(2013 年 5 月現在、裁判所
影響は若干残るものの、概ね回復しつつある。
の最終認可待ち)する等、業界の再編成が着々と進んでい
る状況である。
2 0 1 3 年に入り、中国で鳥インフルエンザの発生が報
道されていることや、北朝鮮のミサイル発射が懸念され
るものの、日米間の航空需要は今のところ安定している
米国および中西部の航空マーケット
ものと言える。
前述の通り、米国はその高い経済力および広大な国土と
そのような中で、全日空は 2013 年 9 月以降の 1 日 2 便
全米各地に分散している経済拠点(大都市)という地理的
化を公表している他、日本航空は東京=シカゴ線就航 30
条件から、航空輸送に対する需要が旺盛であり、世界でも
周年を迎える等、ますます今後の日本=中西部の航空事
群を抜いて大きな航空マーケットが形成されている。
情がお客様にとって、
利便性の良いものになることを願っ
主要業界の動向 ̶ 航空
米国航空マーケットの主力である国内線については、
て止まない。
ニューヨークと西海岸・中西部などを結ぶ路線が最も大きな
マーケットとなっているが、シカゴと全米各地を結ぶ路線も
航空貨物の動向
かなり大きな需要があり、シカゴ=ニューヨーク、シカゴ=
北米線航空貨物は重量ベースで大幅な入超である。航
ロサンゼルスをはじめ、シカゴ発着路線も旅客数ランクの上
空各社は東南アジア特に 2 0 0 0 年以降中国発北米向け貨
位に多く入っている。
物需要と自国発貨物需要を合わせてに運んできている
また、約 28 万平方kmの敷地と 7 本の滑走路を擁する
が、東行(アジア→米国)需要に応えられるように供給
シカゴ・オヘア空港は、シカゴそのものの経済的・地理的
対応を図っているため西行便の Load Factor(搭載率、消
条件に加え、乗り継ぎの利便性が高いことから、国際線・
席率)は相対的に低くなっている。また米国の消費動向
国内線が多数乗り入れ、航空機の発着回数ではアトランタ・
として感謝祭〜クリスマスの時期の需要が最も強いた
ハーツフィールド空港に次いで世界第二位を誇る。年間乗
め、アジア発北米向け航空貨物は 8 月中旬〜 1 2 月中旬
降客数でも、羽田空港とほぼ同等の乗降客数を誇る等、文
の4 ヶ月に顕著な需要期が見られる。そのような中にあっ
字通り、超巨大空港といえる。
て、米国中西部地区は米国でも製造業が非常に多いエリ
米国および中西部の航空マーケット
多く見られ、年間を通して比較的重量が平準化されてい
アであるため輸入貨物には原材料・生産材・工作機械が
2 0 0 3 年前半までの国内景気低迷および同時テロ事
た。他方輸出貨物も生鮮貨物(水産・農産物)が少なく
件・イラク戦争・SARS・鳥インフルエンザ等による航
機械関連、医薬品、医療機器が中心であるため、西海岸
空産業の低迷は日本も米国と同じ状況であり、特に近
発のような顕著な季節需要は見られない。
年順調に伸びていた中国をはじめとするアジア路線が、
SARS・鳥インフルエンザの流行による旅行手控えの影
リティー深化に関する要請が強まり、航空会社にとって
響を強く受けたことにより業界のダメージは相当なもの
は有形無形のコストが掛かることとなった。航空各社は
であったが、2 0 0 4 年以降日米両国の景気が民間主導で
より一層のコスト削減に向けて、新機種導入等様々な対
持ち直し始めたため日米間の航空需要は 2 0 0 6 年には過
策を講じているものの、2 0 0 1 年 9 月の大規模同時テロ
去最高値の 2 0 0 0 年並まで順調に回復を見せた。しかし
事件以降、航空貨物業界にとっては厳しい状況が続いて
ながら、2 0 0 8 年後半、金融危機の影響から中西部地区
いる。
の中核を支える製造業の景気は大幅にしかも急速に後退
し収益を直撃。この影響は再度航空業界にも及び日米間
22
2008 年前半は燃油価格の高騰に加え、航空貨物セキュ
フォワーダー
執筆者 :
内山 透
日本通運
NIPPON EXPRESS U.S.A., INC.
401 E. Touhy Ave., Des Plaines, IL 60018
Tel:(847)460-7000・Fax:(847)297-1419・www.nipponexpressusa.com
1969 年にシカゴに事務所を開設して以来、日常の生活に密着した引越・旅行をはじめ、航空貨物輸送・
海運貨物輸送・倉庫業務など経済活動の裏方として、幅広い物流業務に携わっております。
全米で 54 カ所の拠点の中の、中西部のキーポイントとして、アジア・ヨーロッパを中心に、世界 40 ケ
国 223 都市 438 拠点のネットワークを活かし、日本発着のみならず、グローバルな物流にも対応致しま
す。また、独自の情報システムを活用し、陸・海・空の輸送機関を組合せて、近年、ますます多様化す
るニーズに合ったキメの細かいサービスを提供することによって、皆様の信頼にお応え致します。
2012 年の国際貨物動向
次に米国発の航空貨物輸出物量(CNS 統計)について
は、2 0 1 1 年にはほぼリーマン前の数値まで回復してい
たものの、1 2 年は再び前同対比でマイナスに転じてい
からの復興需要を背景に自動車関連を中心に旺盛な動き
る。欧州・中国の購買力の低下が主原因と思われる。ま
を見せたが、後半は実体経済を反映し荷動きにブレーキ
た日本向けも前同マイナスとなっている。
がかかったと表現できるのではないか。
まず海運貨物動向を見てみると、日本を含めたアジア
と米国間のコンテナ数換算で 2 0 1 1 年は 1 0 年に対し米
2013 年の見通し
自動車産業の動向が強く反映される中西部の荷動きに
米国輸出は6.3%増を記録していたが、
国輸入で0.8 %増、
ついては、自動車関連部材の現地調達率の引き上げによ
12 年は 11 年に対し米国輸入で 0.6% 増、米国輸出が 0.4%
る輸入減の傾向は全般的に見られるものの、当面は旺盛
減と大幅に落ち込んだ(Piers/JoC より)
。輸入では住宅
な需要を背景とした輸入部材の増加が見込まれる。特に
関連、アパレルなど米国の消費に関わる商材の荷動きが
海運貨物については自動車関連部材の他、機械・設備関
大きくは回復せず、輸出では建機、生産に関わる設備・
連出荷も引き続き堅調に増加するものと見通している。
部材など特に中国向けが低調であったようだ。ただし中
また、様々な商材でコスト削減のために航空便から海運
西部での荷動きについては統計資料はないものの、好調
貨物へのシフトが進んでいる。航空貨物物量はこうした
な自動車産業に支えられ荷動きは堅調に推移した。また
海貨へのシフト、消費財では運賃負担力のあるヒット
機械を含む生産設備関連部材も増加傾向にあった。
商品不足のため下降現象は止まらず、昨年第一四半期
一方、航空貨物の日本発米国向け物量(航空貨物運送
がよかったことの反動もあり 1、2 月とも前同対比 2 0 〜
協会= JAFA 統計)については、通年ベースでは米国向
3 0 % 減という厳しいスタートとなっている。一方、米
け全体で対前同 6 . 6 % の減少であった。季節波動で見て
国からの輸出も伸び悩んでおり、今後円安がどのように
みると、第一四半期は前述の通り自動車・消費財の荷
航空貨物動向に影響してくるのか、現時点では不透明な
動きも活発で重量で対前同比 1 0 % 弱の増を示していた
状況ではあるが、総じて 2 0 1 2 年の総物量とほぼ同等か、
が、4 月より状況が一転し、それ以降 1 2 月まですべて
それを下回る懸念もある。
主要業界の動向 ̶ フ
航�
空ワ�ダ�
昨年の国際貨物の動向を一言で表すなら、前半は震災
の月で前同比マイナスに転じ、最終的に通年ベースでは
上記の通り対前同減となった。中西部に限ってみると、
第一四半期は 2 0 % の伸びを示し、その後も自動車関連
運賃動向
海運貨物については、2 0 1 3 年には大型新造船の投入
に支えられ 8 月までは前同比プラスで推移したものの、
による供給増もあり、全体のスペースは増加傾向の見
9 月からマイナスに転じ 1 2 月はわずかに回復し、通年
通しであるが、燃料費(船舶、米国内鉄道、トラック)
ベースでは 6 . 7 % の増加となった。また、きちんとした
の高止まり、直近のアジア発貨物需要増を背景に、今
データは揃えていないが、中国を含むアジア発米国向
次運賃契約更改については昨年比で若干の運賃修正(値
け航空貨物も同じように大幅に物量が減少したことが、
上げ)が実施される見込み。また過去数年にわたる大手
航空会社・フォワーダーの間では認識されている。総
船社のアライアンスの強化の結果、運賃マーケットは
じてヒット商品が限定的であり、本来年末に向け消費
安定度を増しており、過去に見られたスペース増=運
が旺盛となる秋頃にも一般消費財の輸入が立ち上がら
賃下落という動きは当面見られない。航空貨物におい
なかったことが特筆される。
ても、各航空会社とも需要に応じたスペースの供給調
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
23
整が一般化しており、現状の運賃レベルが維持されるも
ンテナ貨物について、船積港を船舶が出港する 2 4 時間
のと考えられる。
前までに積荷情報を電子的に日本の税関に報告すること
を義務付けられるもので、違反に対しては罰則規定も設
日本版 24 時間ルール(セキュリティ強化の動き)
けられている。実施は 2 0 1 4 年 3 月からを予定しており、
今後実施される海運貨物のセキュリティ強化につい
2 0 1 3 年 1 0 月よりテスト運用が開始される。正確な情報
て最後に触れておく。現在米国をはじめ各国で実施され
を電子的に事前送信することが不可欠であり、今後これ
ている
「出国前報告制度」が日本でも実施されることと
らの情報の提供手順について輸出者とキャリア・NVO
なった。各国のルールと同様、日本に輸入される海上コ
建設
執筆者 :
新藤 陽一
(利用運送業者)間で事前の準備が求められる。
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主要業界の動向 ̶ フ�ワ�ダ�・建設
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全米建設マーケット
2 0 1 2 年度の全米建設投資は、8 5 4 5 億ドル(前年度比 9 . 8 % 増)と 6 年ぶりの増加となった。最大セクターとなる
住宅投資は前年比 1 6 . 2 % 増となり、また、事務所、製造施設も増加に転じる等、民間工事を主体として、建設投資
全体を押し上げてきている。
足許では、住宅投資において継続的な回復を示しており、また、シェール革命によるインフラ投資等が 2 0 1 3 年度
の建設投資を牽引していくことが予想される。米国建設調査会社の予測では、
2013年度も引き続き回復基調が継続し、
全米建設着工額は前年比 6 – 8 % の増加が期待されている。
各セクターの 2 0 1 3 年度見通しは下記の通り。
公共工事
連邦・州政府の厳しい財政状況の影響を受け、2 0 1 2
られ在庫率は過去最低水準で推移しており、今後も住宅着
工件数は回復ペースを速めていくことが期待されている。
年度は 3 年連続のマイナス成長となった。州・地方政府
においては、連邦政府による財政支援打ち切りに伴い
財政状況が悪化しており、歳出削減の動きが持続する
民間非住宅
民間非住宅部門も 2012 年度は大きく回復に転じた。電
公算が高く、2 0 1 3 年度も公共工事の拡大は期待できず、
力施設は、北東部を襲ったハリケーン
「サンディ」からの
現状の水準を維持もしくはそれを下回ることが予想さ
復旧需要も影響し、2012 年終盤に急増する結果となった。
れる(図1)。
商業用不動産価格も 2009 年に底打ちした後、回復基調を
維持しており、2012 年度の事務所投資は増加に転じた。
民間住宅
住宅バブル崩壊以降、長い低迷を続けてきたが、2012
24
2 年連続の増加となった商業施設は、堅調な個人消費に支
えられ、2013 年度も増加基調が続くことが予想される。
年は力強い回復を示した。2013 年 3 月の住宅着工件数は
また、製造施設においても、シェール革命による米国エ
103.6 万戸(年率換算)となり、2008 年 6 月以降で初めて
ネルギーコストの低減がグローバル・マーケットにおけ
100 万戸台を回復した。住宅市場でも、一戸建て住宅販売
る米国の競争力を高めることを期待されており、海外企
が回復基調をたどっており、また、力強い賃貸需要に支え
業の新規進出や設備投資の拡充が期待されている(図2)。
図 1 : 主要セクター建設投資推移
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
全体
991 ,356
5 .1 %
1 ,104 ,136
11 .2 %
1 ,167 ,222
11 .2 %
1 ,152 ,351
-1 .3 %
1 ,067 ,564
-7 .4 %
903 ,201
-15 .4 %
804 ,561
-10 .9 %
778 ,238
-3 .3 %
854 ,490
9 .8 %
民間工事
771 ,173
14 .2 %
869 ,976
12 .8 %
911 ,837
4 .8 %
863 ,278
-5 .3 %
758 ,827
-12 .1 %
588 ,306
-22 .5 %
500 ,595
-14 .9 %
494 ,961
-1 .1 %
578 ,792
16 .9 %
住宅
532 ,900
19 .5 %
611 ,899
14 .8 %
613 ,731
0 .3 %
493 ,246
-19 .6 %
350 ,257
-29 .0 %
245 ,912
-29 .8 %
238 ,819
-2 .9 %
236 ,960
-0 .8 %
275 ,461
16 .2 %
非住宅
238 ,273
3 .9 %
258 ,077
8 .3 %
298 ,105
15 .5 %
370 ,032
24 .1 %
408 ,569
10 .4 %
342 ,394
-16 .2 %
261 ,776
-23 .5 %
258 ,001
-1 .4 %
303 ,331
17 .6 %
事務所
32 ,879
7 .5 %
37 ,276
13 .4 %
45 ,680
22 .5 %
53 ,815
17 .8 %
55 ,502
3 .1 %
37 ,282
-32 .8 %
24 ,368
-34 .6 %
22 ,538
-7 .5 %
26 ,172
16 .1 %
商業施設
63 ,195
9 .9 %
66 ,584
5 .4 %
73 ,368
10 .2 %
85 ,858
17 .0 %
82 ,654
-3 .7 %
50 ,460
-39 .0 %
36 ,504
-27 .7 %
39 ,972
9 .5 %
43 ,924
9 .9 %
ヘルスケア
26 ,272
8 .5 %
28 ,495
8 .5 %
32 ,016
12 .4 %
35 ,588
11 .2 %
38 ,437
8 .0 %
35 ,309
-8 .1 %
29 ,552
-16 .3 %
28 ,606
-3 .2 %
29 ,735
3 .9 %
電力
27 ,603
-17 .9 %
29 ,210
5 .8 %
33 ,654
15 .2 %
54 ,115
60 .8 %
69 ,242
28 .0 %
76 ,064
9 .9 %
66 ,117
-13 .1 %
63 ,935
-3 .3 %
88 ,134
37 .8 %
製造施設
23 ,219
8 .3 %
28 ,413
22 .4 %
32 ,264
13 .6 %
40 ,215
24 .6 %
52 ,754
31 .2 %
56 ,296
6 .7 %
39 ,778
-29 .3 %
40 ,631
2 .1 %
48 ,171
18 .6 %
その他
65 ,105
5 .0 %
68 ,099
4 .6 %
81 ,123
19 .1 %
100 ,441
23 .8 %
109 ,980
9 .5 %
86 ,983
-20 .9 %
65 ,457
-24 .7 %
62 ,319
-4 .8 %
67 ,195
7 .8 %
公共工事
220 ,183
1 .9 %
234 ,160
6 .3 %
255 ,385
9 .1 %
289 ,073
13 .2 %
308 ,738
6 .8 %
314 ,895
2 .0 %
303 ,966
-3 .5 %
283 ,277
-6 .8 %
275 ,698
-2 .7 %
教育
61 ,549
1 .1 %
66 ,899
8 .7 %
71 ,089
6 .3 %
80 ,068
12 .6 %
86 ,267
7 .7 %
86 ,351
0 .1 %
74 ,986
-13 .2 %
70 ,140
-6 .5 %
67 ,674
-3 .5 %
道路・公共交通
76 ,513
1 .9 %
81 ,718
6 .8 %
90 ,877
11 .2 %
99 ,116
9 .1 %
106 ,698
7 .6 %
109 ,702
2 .8 %
110 ,863
1 .1 %
103 ,883
-6 .3 %
105 ,853
1 .9 %
その他
82 ,121
2 .5 %
85 ,543
4 .2 %
93 ,419
9 .2 %
109 ,889
17 .6 %
115 ,773
5 .4 %
118 ,842
2 .7 %
118 ,117
-0 .6 %
109 ,254
-7 .5 %
102 ,171
-6 .5 %
主要業界の動向 ̶ 建設
種別
図 2 : 公共・民間別全米建設投資推移
$ĆMillion
1,400,000
৊ࢼ
მ࠰
1,200,000
1,000,000
800,000
600,000
400,000
200,000
0
04
05
06
07
08
09
10
11
12
出典 : 商務省センサス局資料
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
25
不動産
執筆者 : 大春 敬 ホワイトキューブ 商工業不動産ソリューションサービス
WHITE CUBE LLC
One Oakbrook Terrac., Suite 600, Oakbrook Terrace, IL 60181
Tel:(847)380-2882・Fax:(847)364-1183・www.whitecubellc.com
全米及びメキシコにネットワークを持ち、一人用オフィスから大規模ロジスティクセンターまで、各専
門家がチームを組みサービス致します。
メントは利回りが良くリスクが少ないので、平均取引単
全米不動産市況マクロ的視点
価がピーク時の 95% 前後を記録した。
ここ数年の全米商業不動産動向を振り返ってみる。
シカゴ地区売買動向
• 2007 年 : 不動産売買取引ピーク
全米第 3 位不動産市場であり、全世界主要都市別でも
主要業界の動向 ̶ 不動産
• 2008 年 : Credit Crunch(信用収縮)突入
第 1 2 位に入るシカゴ市場の年間取引総額グラフからも
• 2009 年 : 金融危機発生
同様の傾向が見られる。2 0 0 7 年のピーク時から一気に
• 2010 年 : 徐々に市場回復の兆し
9 3 % 減少した取引総額が、2 0 1 2 年には 5 6 % まで回復
した(図 2)。
全米四半期単位不動産総取引額グラフが上記の激し
い変化を明確に物語っている。ここで特筆したいのが、
シカゴ地区オフィス賃貸市況
2012 年の第四四半期の売買総額が 2005 年〜 2006 年の
ダウンタウン市場
平均を上回るレベルまで回復した点(図1)。
2012年の売上げを牽引したのは1)ダウンタウンオフィ
2012 年もリース契約が着実に増加し空室率は継続的
スビル 2)集合住宅(アパート用物件)で、この二つのセグ
に減少している。2012 年第四四半期最終時点で空室率は
図 1 : Quarterly Sales Volume by Property Type
%CJmmjpo
1.50
1.20
Retail
Office
Industrial
Multifamily
90
60
30
0
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
出典 : Real Capital Analytics
図 2 : Annual Sales Volume by Property Type - Metro Chicago
$BIllion
20
Retail
Office
Industrial
Multifamily
15
10
5
0
01
02
出典 : NAI Hiffman
26
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13.47% を記録、これは最大空室率時 2010 年から 3.5 ポ
し売却された為、最大ピークの 2 0 1 0 年に 1 2 . 1 % であっ
イントも下回る(図3)。
た空室率が 2 0 1 2 年末には 9 . 2 % まで減少した。これは
2012 年ダウンタウンオフィスマーケットのトピック
金融危機発生前の 2 0 0 7 年の水準である。
スは、Motorola Mobility を買収した Google が歴史的
Hare 地 区、Du Page 郡、
市 場 別 に 考 察 す る と、O’
建造物 Merchandise Mart の最上部 4 階分を新規賃貸契
I- 9 0・I- 8 8・I- 5 5 各沿線市場は活発で、各空室率は好
、United Airline の Willis
約(572,000sf/ 約 53000M2)
調時であった 2 0 0 7 年を下回る。
Tower 内での拡張などがある。
(830,000sf/ 約 77,000M2)
景気回復基調にあるものの賃料は依然低水準にあり、
ビルオーナー側が積極的に価格を下げて契約獲得を行
郊外オフィス市場
なって来ている結果である(図5)。
上記の様に市場回復が顕著であるものの、不動産開
るダウンタウンと比較すると郊外市場は依然高い空室率を
発会社各社は依然慎重な姿勢を維持しており、大幅な
維持しているが、A クラスビルの積極的なマーケティング
新規投資活動に転じてはいない。現在建設中物件総数
活動により全体空室率は堅調に改善されて来た。依然苦戦
は 5 9 0 万 sf/ 5 5 万 M 2 で、これは 2 0 0 8 年以降で最大で
を強いられている B クラスビルが回復基調になってくれば
はあるが過去 2 0 年平均 1 4 9 0 万 sf/ 1 3 8 万 M 2 を大きく
全体指数は大幅に上向いて来るであろう(図4)。
下回る(図6)。
シカゴ地区工業ビル賃貸市況
が、2 0 0 9 年の底からは脱し順調な回復基調にあり、す
平均取引価格は 2 0 1 1 年から大きく改善はしていない
でにピーク直前の 2 0 0 4 〜 2 0 0 5 年の売買価格は越えて
シカゴ郊外工業用ビルの賃貸契約は 2 0 1 2 年も活発に
来ている(図7)。
推移し 1 4 6 0 万 sf/ 1 3 6 万 M 2 の空室スペースが契約ない
図 3 : Downtown Vacancy and Absorption
2,000,0000
Wbdbodz!Sbuf!)&*
主要業界の動向 ̶ 不動産
金融や各種プロフェッショナルサービス会社が集中す
%
20
Ofu!Bctpsqujpo!)TG*
1,000,0000
17
0
14
11
-1,000,0000
-2,000,0000
8
07
08
09
10
11
12
図 4 : Suburban Vacancy and Absorption
1,500,0000
Wbdbodz!Sbuf!)&*
%
26
Ofu!Bctpsqujpo!)TG*
750,0000
23
0
20
-750,0000
17
14
-1,500,0000
07
08
09
10
11
12
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
27
2 0 1 3 年に O’Hare 地区にて 2 0 万 sf/ 約 1 9 千 M 2 以上
しかしこの 3 物件以外に今年から来年にかけてこのま
の新規建設案件を三社が進めており、2 0 1 4 年には新設
ま新築物件が市場に投入されないままであると、需要と
物件の高価格が市場全体に影響を与え始めるのではない
供給のバランスから見て、いよいよ賃料の上昇の傾向に
かと言う見方も出て来ているが、2 0 1 3 年内は大きな変
転じてくる可能性が出て来る。
2 0 1 3 年のユーザー動向次第で、買手市場から売手市
化は生まれないと判断する。
場へと入れ代わる分岐点になりうるので注目したい。
図 5 : Industrial Vacancy and Absorption
MM
%
10
15
Ofu!Bctpsqujpo!)TG*
Wbdbodz!Sbuf!)&*
主要業界の動向 ̶ 不動産
15
13
0
11
-5
9
-10
7
07
08
09
10
11
12
図 6 : Historical Deliveries
MM
30
Upubm!Efmjwfsjft!)TG*
Bwfsbhf!)TG*
25
20
15
10
5
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
出典 : Costar
図 7 : Total Industrial Sale Transactions and Proce PSF
MM
$
70
100
Upubm!TG!Tpme
Bwfsbhf!Qsjdf!QTG
$;!Upubm!ovncfs!pg!Tbmft
80
60
60
50
40
762
40
825
656
593
20
409
30
330
470
403
384
301
395
202
224
09
10
20
0
00
01
02
03
出典 : Costar & NAI Hiffman
28
04
05
06
07
08
11
12
情報
執筆者 : 和田 健也 NTT データ
NTT DATA, INC.
325 N. LaSalle St., Suite 325, Chicago, IL 60654
Tel:(312)873-3400・Fax:(312)873-3500・www.nttdata.com/americas
システム・インテグレータ日本最大手の NTT データの現地法人として、業務コンサルティングからシス
テム開発、システム運用/業務アウトソーシング、クラウドサービスにいたるまで、製造、小売、金融、
ヘルスケア、建設、エネルギー、運輸、政府関係などさまざまな業界のお客様へ、グローバルにサービ
スを提供しております。
ここ数年、IT の世界では、スマートフォンやソーシャル・メディアなどの台頭により、かつてないほどに消費者主
導の技術革新が進んでいる。その中でも代表的なトレンドが、
「モバイル」
、
「クラウド」
、
「ビッグデータ」であり、企業
の情報システムにも影響を与え始めている。本稿では、
この3つのトレンドに注目し、
その概要や動向をレポートしたい。
また、ホワイトカラーの生産性向上だけではなく、製
モバイルの動向
従来、企業内システムの利用やインターネットへの接
ンを導入することで、効率性の高いより正確な業務遂行
続には、PC を用いるのが通常であった。それが昨今、ス
が可能となった。例えば、従来紙ベースで行っていた工
マートフォンやタブレットなどのモバイル端末を目にす
場での作業スケジュール管理をシステム化し、各工員に
ることが多くなった。メールの確認や簡単な返信、
ドキュ
携帯させたモバイル端末と連動させることで、急な作業
メントの閲覧・レビューや簡単なコメント返信などは、
スケジュールの変更や要員の再配置などを効率よく行う
わざわざ PC を用いなくても、これらのモバイル端末で
ことができる。また、倉庫における製品、部品・原材料
容易にできるようになった。すなわち、従来オフィスの
などの在庫管理、品質管理、ピッキングなどの倉庫業務
デスクにて作業していたこれらの業務が、場所・時間の
も、モバイルを用いることで劇的に業務を改善すること
制約から解放され、移動中や出張先、また勤務時間外な
が可能となる。
デスクトップ端末から打ち出された紙ベー
どでも行えるようになったのである。グラフに示す通り、
スの指示書に従って作業を行うのではなく、バーコード
すでにスマートフォンの新規出荷台数は PC を越え、数
や RFID などをスキャンできるモバイル端末を用いるこ
年でタブレットの新規出荷台数が PC に肩を並べること
とで、より正確でリアルタイムな倉庫業務が遂行できる。
主要業界の動向 ̶ 情報
造業における工場の現場などにもモバイル・ソリューショ
が予測されている(図1)。
図 1 : 世界におけるPC、モバイル端末出荷台数の予測(単位: 百万台)
2400
2000
ʗʮ˄ʛʠ
ʵĜʗʮ˃QD
ʑʶĜʠʭʁˋ
ʟʑʇʠʛʯQD
1600
1200
800
400
0
12年
13年予測
14年予測
15年予測
16年予測
17年予測
出典 : IDC
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
29
また、現在半数以上のフィールドサービスの要員がモ
対応していくのは、非常に手間やコストがかかる話であ
バイル端末を携帯しているという統計もある。アフター
る。そこで注目が集まっているのがクラウド・コンピュー
セールスの修理などに従事している要員にとっては、モ
ティング(以下、クラウド)である。クラウドは一言でい
バイルを通じて、作業指示を受けたり、過去のサービス
えば、コンピュータ・システムを自社で抱えることなく、
履歴にアクセスしたり、関連商品のクロスセルやアップ
クラウド事業者からレンタルする仕組みである。
セルの情報にアクセスすることも可能である。ここでも
アップルのヘビーユーザであればすでに経験してい
膨大なペーパーワークから解放され、より効率的、機動
ると思うが、アップルから提供されている iCloud とい
主要業界の動向 ̶ 情報
的に業務が遂行できる。さらに、営業要員にとっても、
うクラウドサービスがある。これは、iPhone、iPad、
従来客先とオフィスとの間を行ったり来たりしていたや
Macbook など複数のアップル製品を利用している場合、
り方が、客先でモバイルを通じて簡単に情報にアクセス
メールやアドレス帳、写真や音楽などがどの端末からで
できることで、より迅速なアプローチが可能となった。
もアクセスができる。ユーザがいちいち自分でデータを
過去の取引状況や折衝情報、自社のプレゼン資料など営
コピーしたりすることなく、複数の端末で同じコンテン
業活動に寄与する情報の入手だけでなく、例えば、出張
ツが利用できるのである。アマゾンなどの電子書籍も同
しながらモバイル端末のカメラで出張経費のレシートを
様のことが言えるが、自宅にてタブレット端末で読んで
撮影し、出張旅費精算を行うといった事務処理作業軽減
いた書籍にしおりをつけ、外出中にスマートフォンで同
のためのシステムも徐々に出始めている。
じ書籍の続きをしおりから読むといったことが、ごく自
以上のように、モバイルを用いたソリューションは、
従来の音声を中心とする通信と、PC を中心とするイン
然にできる。このように、コンシューマの間では、無意
識のうちにクラウド環境を利用しているのである。
ターネットが融合し、業務に従事するワーカーに場所や
企業のシステムも同様に、システムそのものが競争
時間の制約から解放させ、新たなワークスタイルを提供
力を持たない汎用的な仕組みの場合、クラウドを検討す
する強力な武器となっている。
るに値する。システムのハードウエアやネットワークな
どのインフラから、メールや顧客管理、人事管理や給与
クラウドの動向
計算などのソフトウエアまで、昨今、クラウドに移行す
このように、従来単一の PC から企業の情報システムに
るユーザが増えている。さらに、受発注や債権管理、ク
アクセスしていた形態から、昨今はスマートフォンやタブ
レーム処理など、自社内の独自のシステムを社員や関連
レットなど、複数の端末からシステムにアクセスする傾向
会社、取引先など限定された利用者に向けてサービスと
が見られる。当然、企業のシステムもそれに合わせて変え
して提供するプライベート・クラウドと呼ばれる仕組み
ていく必要があるが、多様化するシステム環境にその都度
も注目を浴びている(図 2)。外部のクラウド事業者(一般
図2: システム別クラウド形態(クラウド導入予定ユーザーへの調査結果)
FSQ‫ޏ‬ो
CJ
ʏʑʞʸާཡࠞࣃ
70%
18%
12%
64%
22%
14%
63%
62%
22%
fʹĜ˃
60%
26%
ʟɻʎʑʗĆ˂ʃʨ˂
60%
FD
ླྀᅙʫʐʥʑBQ
26%
16%
14%
15%
17%
23%
56%
55%
18%
26%
56%
ࣞ‫ޢ‬৐ȫʫʐʥʑBQ
26%
21%
19%
TDNĆ෮ൿ
51%
24%
25%
Xfcʍɼʠ
49%
28%
23%
ʋˁʴ˄Ĝʏʿˋ
48%
28%
24%
DSN
48%
30%
23%
ʯˁɼʱĜʠĆʇˁɾʡ
出典 : The Everest Group
30
20%
FSQఱૢ
ɃȻɣɂɜȞȢɄȞ
ʩʮ˂ʛʇĆʇˁɾʡ
にパブリック・クラウドと呼ばれる)にシステムをアウ
Facebook や Twitter などに代表されるソーシャル・メディ
トソースするだけでなく、自社管理下のデータセンタに
アにおける参加者のコメントや、ブログ、消費者の口コミ、
自社のシステム環境を仮想化と呼ばれる技術で統合・管
写真や動画など、
「非構造的」なデータも含まれる。イン
理し、限定したユーザに利用させるのである。これによ
ターネットやモバイルの普及により、このような非構造
り、必要なときに必要なだけコンピュータ資源を活用で
化データが爆発的に増え、これらの大量のデータを蓄積
き、ユーザには複数の端末からシステムがどこにあるか
し、即時に適切に分析する技術が登場している(図3)。
ビジネスにおける適用例として、自動車などの製造
ということを意識せずに利用させるクラウドの利点を提
供しつつ、情報漏洩等のセキュリティに対する懸念を解
業の場合、品質管理に利用する動きが出てきている。従
消することができる。最近では、パブリック・クラウド
来のコールセンターに集まる既存顧客のクレームや要望
と、プライベート・クラウドのそれぞれの利点をうまく
だけでなく、ソーシャル・メディアや口コミサイトなど
組み合わせて活用するハイブリッド・クラウドと呼ばれ
で書き込まれた大量のコメントを収集・分析することに
る形態も徐々に普及しつつある。
よって、製品の品質に関わる情報を早期に発掘し、リ
コールや事故などの発生を未然に防ぐといった使い方が
する」時代へと徐々に変化しつつある IT 環境であるが、
されている。あるいは、消費者の書き込みから潜在的な
システムベンダとしても、この流れに応じて、各企業の
ニーズを抽出し、新製品の開発に役立てるといったマー
業務や IT 環境のたな卸しを行い、どのようなシステム
ケティング的な使い方も出てきている。
をクラウドに移行し、何を自社に残すか、それらのシス
ここで重要なのは、大量のデータをただ集めるだけで
テムのアーキテクチャや将来のロードマップ、移行コス
なく、どういった目的でどのように蓄積し、どんな分析
トや移行後の運用シミュレーションなどを分析するアセ
を施してどのようなアクションが可能かということを考
スメント・サービスを提供する動きが出てきている。
えることである。ビッグデータを蓄積・分析する環境を、
自社で抱えるのは技術的に困難な場合も多く、これらを
ビッグデータの動向
2 0 1 2 年の米国大統領選挙におけるオバマ氏勝利に関
主要業界の動向 ̶ 情報
「システムを所有する」時代から
「サービスとして利用
専門にクラウドで提供する動きも出てきている。また、
さまざまな業界・業種向けに、ビッグデータを分析し、
して、IT が寄与したことを報道するメディアが目立っ
企業の売上向上や課題解決の支援を行うサービスを提供
たのは記憶に新しい。特に、さまざまな支持者名簿を 1
するベンダーも増えてきている。
つの巨大なデータベースに登録をし、綿密な分析を施し
てアクションを行っていたことが興味深い。これにより、
まとめ
どの地域のどのような属性を持った支持者が何に興味を
今や、ビジネスと IT は切っても切れない関係にある。
抱いているかといった分析が可能となり、パーティでの
その IT も、利用者の端末は PC からモバイルへと広がり、
特別ゲストに適切な人物を招待し、資金集めを効果的・
アクセスするシステムも企業内で所有しているシステム
効率的に進めていたようである。
だけでなく、クラウドへと広がっている。ソーシャル・
これを技術的に支えていたのが、
「ビッグデータ」だ。
メディアなどではグローバルで日々兆の単位の文字が書
ビッグデータは社会・経済、ビジネスなどにおける問題
き込まれており、企業にとってもその中に宝が埋もれて
解決や付加価値向上に寄与する大量の各種情報を総称
いる。今後しばらくは、
「モバイル」
、
「クラウド」
、
「ビッ
したものである。特に、従来の販売・財務情報や製品
グデータ」をどのように企業の戦略に取り込んでいける
情報、組織情報など構造的に扱えるデータだけでなく、
かが、1 つの競争のポイントになると考えられる。
図 3 : 業界別ビッグデータ活用例
製造
流通・小売
通信・メディア
公共・公益
・サプライチェーン・ロジスティクス管理
・予防保守、製品保証
・顧客センチメント分析
・顧客センチメント分析
・コールセンタ通話分析
・キャンペーン、顧客ロイヤルティ分析
・通話・ネットワーク解析
・クロスチャネル分析
・ターゲット広告分析
・エネルギー消費分析
・気象・自然災害分析
・コンプライアンス監査
金融
保険
ヘルスケア
旅行
・不正解析
・顧客セグメンテーション
・顧客センチメント分析
・不正解析
・パーソナライズ化した保険料率算定
・コールセンタ通話分析
・診療・処方データ解析
・臨床データ解析
・医療保険金査定支援
・パーソナライズ化した価格設定
・顧客ビヘイビア分析
・顧客ロイヤルティ管理
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
31
観光
執筆者 : 畑尻 郷 近鉄インターナショナル
KIE/KINTETSU INTERNATIONAL
One Pierce Pl., Suite 135C, Itasca, IL 60143
Tel:(630)250-8840・Fax:(630)250-8574・www.kintetsu.com
近畿日本ツーリストシカゴ支店です。企業の皆様のビジネストラベル、ミーティング、インセンティブ
旅行のご提案、運営管理とご家族皆様の里帰り、呼び寄せ、レジャー等旅行のお手伝いを積極的に致し
ます。
日本人が訪れるアメリカの観光地は?
日本人観光客とシカゴ
では日本人にシカゴはまったく興味を持たれていな
シカゴに対する第一印象は?
いのかというのかというと決してそうでもない。アメ
主要業界の動向 ̶ 観光
日本でシカゴの第一印象を聞くと、
「ギャング、マフィ
リカ商務省のデータで、日本人がアメリカで訪れる都
ア、犯罪・・・」といわゆる 1930 年代のイメージがどん
市という項目がある(図1)。この都市別の項目の中の堂々
どん出てくる。まあ、この印象を変えることは正直
「アン
5 位にシカゴに名前が入っている。確かに上位 4 位との
タッチャブル」なところなのかもしれない。それくらい
Volume、Market Share の格差は否めないが、土俵に乗
に
「あの時代」というのはシカゴの歴史上、一番目立って
れないというハンディを背負いながら、一般的に横綱、
いたころなのであろう。しかし、実際にシカゴを訪れて
大関クラスのハワイ、カリフォルニアと善戦していると
いる観光客に聞くと、
「綺麗、さわやか、現代的・・・」
いえるのではないだろうか。
という印象をよく聞く。シカゴは本当は非常に評判のい
い観光地なのだ。ところが、この印象のギャップが少な
乗り換えの空港のある町としてのイメージ
からずシカゴを訪問する日本人の足止めになっている感
このデータの背景には巨大空港を持つ強みも垣間見ら
がある。実際、
「来てみなければわからない」は観光業に
れる。
「シカゴに来たことはあるか ?」という問いの中で多
とっては、まずお客様が訪米旅行プランを立てるにあ
いのが
「経由として立ち寄った」という回答だ。実際、航
たって土俵になかなかのってこないという意味で、大変
空会社によると、東京→シカゴ線に搭乗している旅行者
痛いところである。
で、シカゴで乗り継いで他都市へ行く搭乗者は平均で 8
割であるといわれている。この点を見る限り、他のロス、
図 1 : U.S. Destinations Visited (States, Cities, and Regions)
Visitation to U.S.
Destinations/Regions (3 )
Market Share
2010 (Percent)
Volume 2012
(000 )
Market Share
2011 (Percent)
Volume 2011
(000 )
2 ,096
Regions
Pacific Island
66 .3
2 ,245
64 ,5
Pacific
16 .2
549
17 .7
575
Middle Atlantic
10 .4
352
10 .4
338
South Atlantic
6 .2
210
6 .1
198
East North Central
3 .4
115
4 .6
149
**
States / Territories
Hawaiian Islands
**
Guam
27 .7
938
25 .3
822
California
15 .3
518
16 .9
549
New York
Illinois
9 .3
315
9 .5
309
**
**
3 .0
97
1 ,115
Cities
Honolulu
32
**
**
34 .3
New York City-WP-Wayne
8 .9
301
9 .4
305
Los Angeles
8 .1
274
8 .9
289
San Francisco
**
**
5 .9
192
Chicago
**
**
2 .7
88
ニューヨークなどの大都市に比べて、旅行者の質が極端
2 0 1 3 年 1 月、シカゴ観光局が東京で始動した。シカゴ
に違うということがわかる。シカゴのダウンタウンで日
はニューヨークに比べて海外からの渡航者の率が低く、
本人の姿を見つけるのは大きなコンベンションの時の
もっと海外から訪問者を誘致するべきというシカゴ市長
み・・などと揶揄されることもあるのだが、実際、日本
の理念のもとに、観光客誘致の焦点をもっと海外に当
人のシカゴに対する印象は
「乗り換え空港」というものに
て、外国人訪問者を 2 0 2 0 年までに 1 0 0 0 万人以上にす
もとれてしまうと、すこし残念な話である。
るという目標の元に活動を開始したということだ。シカ
ゴで観光業に携わるものとしては非常に喜ばしい流れで
アメリカ国内でのシカゴの観光地としての立ち位置
ただ、さまざまな観光統計をみると、シカゴはアメリ
ある。この流れを逃さず、良い波に乗っていきたいもの
である。
カ国内では人気の観光都市であることがわかる。シカゴ
観光局から以下のような統計がでている(図2)。この統計
シカゴ日本進出!
今そうした努力も実ってきたのだろうか、成田空港近
くの酒々井に、アウトレットモールがオープンし、その
た旅行者は全体の 9 0 % に及ぶ。ほかの統計で比べてみ
中にシカゴ名物のキャラメルポップコーン
“Garrett”が出
てもシカゴの観光地としての人気はロスやニューヨーク
店したそうだ。毎回、アメリカの食品関係のフランチャ
に引けをとるものではなく、少なくともアメリカ国内で、
イズが出店すると、その並んでいる風景、時間などが話
シカゴは大関、横綱級の観光地なのであることがわかる。
題になるが、Garrett も例に漏れず、最大 6 時間待ちの列
ができたとの情報も入ってきた。いよいよ日本でシカゴ
日本人観光客にとってのシカゴの立ち位置
が始動である。
一般に日本人観光客にとっては、乗り継ぎで通りす
ぎてしまう都市という印象があり、どうしても
「古き悪
日本から近い都市へ
きイメージ」が煽っているせいか、日本人のシカゴの観
2 0 1 3 年 5 月時点でシカゴには日本から一日 4 便の直
光に関しては認知度はまだ低いといわざるを得ない。し
行便が運航している。アメリカ中西部の都市の中では最
かし、国内観光客の統計を見る限り、多くの観光客がシ
も日本に近い都市といえよう。この地の利を活かし、い
カゴを訪れており、シカゴは大変魅力的な観光地である
ろいろな魅力的な企画を発し、日本からシカゴへの道を
ことが証明されている。つまり日本人に対しては本当の
より広く軽やかなものにしていきたい。まだ数々の障害
魅力が十分、伝わっていないのではないかということに
はあるとは思うが、シカゴ日系人社会の一員として全力
なる。そう考えると、日本人にもっとシカゴに来てもら
を尽くしていきたいと思う所存である。
主要業界の動向 ̶ 観光
によると 2 0 1 1 年には約 4 3 6 0 万人の観光客がシカゴを
訪れている。そのうちアメリカ国内からシカゴを訪問し
うための第一歩に関しては、いかにシカゴの魅力を上手
に伝えるかにある。実際に具体的なアクションとして、
図 2 : Total Travel Volume
Millions
50
45.23
46.30
45.71
41.26
40
35.13
38.30
34.81
35.86
35.27
01
02
03
39.57
38.88
43.59
39.24
30
20
10
0
99
00
04
05
06
07
08
09
10
11
Year
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
33
農業
執筆者 : 飯 田 進 豊田通商アメリカ
TOYOTA TSUSHO AMERICA, INC.
25 Northwest Point Blvd., Suite 490, Elk Grove Village, IL 60007
Tel:(847)472-7340・Fax:(847)439-7360・www.taiamerica.com
弊社は豊田通商株式会社の米国現地法人です。
(本社ケンタッキー州)シカゴ支店は全米に 32 ある拠点の
ひとつです。
2 0 1 2 年、米国の農業は数十年振りの記録的な干ばつにより大きな被害を受けた。世界最大の穀物生産国である米
国と世界市場の関係はどのように変化したのか、そして今年の穀物生産の見通しについて下記に述べたい。
イリノイ州の農業
8250 万トンの 5.6% にも相当する。また大豆はイリノイ
主要業界の動向 ̶ 農業
私たちの住むイリノイ州は全米第三の都市シカゴ市を
州で 1,133 万トンが生産されたが、これは全米の生産量
有し、工業や商業が発達した州であるとともに、全米で
である 8,419 万トンの 13% を占めており、世界全体の
も有数の農業州である。イリノイ州を含む中西部は一般
生産量である 2 億 3,977 万トンの 4.7% に相当している。
にコーンベルトと呼ばれ、米国におけるコーン・大豆生
私たちの住むイリノイ州とその周辺は世界有数の穀倉地
産の中心となっている。その主な理由は肥沃で広大な土
帯なのである。
壌、農業に適した天候に加え、河川を利用した安価な輸
さらにイリノイ州の農業は生産だけに留まらない。シ
送手段に恵まれたことも大きい。中西部で生産された穀
カゴのダウンタウンには世界最大の商品取引所である
物は世界有数の流域面積を誇り、また流れが穏やかで水
CME(Chicago Mercantile Exchange)があり、CME は世
路に適したミシシッピ川を下り、河口にあるニューオー
界の穀物取引における決済機能、値決め、将来の価格変
リンズ港から全世界へと輸出されている。イリノイ州の
動のリスクヘッジ機能を提供している。イリノイ州は世
農業生産額は 133 億ドルで、農地面積は 2,660 万エー
界の穀物取引の中心でもあるのだ。
カーに上る。2,660 万エーカーとは 10.8 万平方キロメー
トルであり、韓国の国土 10 万平方キロメートルを上回っ
ている。なお米国は全世界のコーン生産量の 36%、大
全世界への食糧供給を担っている米国中西部である
豆の 35% を生産している世界最大の穀物生産国である
が、2 0 1 2 年は記録的な干ばつにより穀物生産量が大き
が、その中でもイリノイ州はコーンと大豆の生産が盛ん
く減少することとなった。干ばつの原因は暖冬によって
で、どちらもアイオワ州に次いで全米 2 位の生産量を誇っ
積雪が少なかったことに加え、生育段階において最も水
ている。イリノイ州では 2011 年に 4,945 万トンのコー
を必要とする夏の受粉期に雨が降らなかったことが大き
ンを生産したが、これは全米の生産量である 3 億 1395 万
い。米国のコーン畑では 2 0 1 1 年に 1 エーカーあたり平
トンの 16% を占めており、世界全体の生産量である 8 億
均 1 4 7 ブッシェル(1 ブッシェル = 約 2 5 キログラム)の
図 1 : 受粉に失敗したコーン。所々実がついていない。
34
2012 年の記録的な干ばつ
図 2 : 2012年夏にコーン価格が高騰
コーンが収穫されたが、2 0 1 2 年は干ばつの影響で 1 エー
ナでは米国の不作を補う量の穀物は生産できても、それ
カーあたり 1 2 3 ブッシェルしか生産することができな
を安定的に輸出する為のインフラが整っていなかった。
かった(図 1)。その結果 CME の先物コーン価格も 1 ブッ
そのため特にブラジルの港では輸出港での積み込み開始
シェルあたり 6 ドル程度で推移していた価格が 8 ドル 3 0
を待つ船が沖で長い列を作ることとなり、その待機期間
セントまで高騰することとなった(図 2)。
は例年の 1 週間程から 2 ヶ月間へと悪化した(図 3)。その
結果予定通りに穀物が到着しない輸入国では産地の切り
他国産穀物の台頭
2011 年の全世界のコーン輸出量は 9,146 万トンであり、
替えや緊急調達といった代替策を行うことで大きな追加
コストを支払うこととなった。
その内米国産は 5 割強の 4,659 万トンを占めていた。し
かし 2012 年は干ばつによる価格高騰により米国産コーン
今年の米国産地の天候概要
の世界輸出量に占めるシェアは 23% にまで下落している。
次に 2 0 1 3 年春から作付け期を迎える新穀について述
べたい。例年イリノイ州では 4 月中旬から作付け作業が
本格化する。しかし今年の春は例年よりも多くの雨と低
輸出量に占めるシェアは 2011 年から 2012 年にかけて、
い気温により作付け開始が遅れていることから、決して
ブラジルが 9% → 22%、アルゼンチンが 18% → 22%、
順調なスタートとは言えない。だが近年は農業用重機の
ウクライナが 5% → 15% へと増加した。しかし問題はこ
大型化により農家の作付け能力が飛躍的に向上している
れで解決とはならなかった。
ことから、作付けに適した天候さえ訪れれば、これまで
の遅れを取り返すことは可能である。そして土壌水分は
物流能力の限界
既に十分であることから、ひとたび作付けが行われれば
穀物は石炭や鉄鉱石と同じく大型のばら積船に積載さ
理想的な生育となる可能性は大きい。さらに穀物価格の
れ世界の海を往来することで貿易が行われる。しかし穀
高騰により農家の生産意欲は旺盛で、コーンは数十年振
物の主な用途は家畜の飼料であることから、輸入国への
りの作付面積、大豆は過去最高の作付面積が予想されて
船の到着が遅れれば家畜は飢え死にしてしまう。また食
いる(図 4)。単位面積当たりの穀物収穫量(単収)は毎年
料である穀物は品質劣化を防ぐ為に風雨にさらされない
天候によって上下するものの、種子の品種改良や施肥に
清潔な倉庫で保管される必要がある。よって石炭や鉄鉱
よりトレンドとしては上昇傾向にある。もし今年の天候
石のように大量に野積みして保管することができない為、
に問題がなく単収もこれまでの上昇トレンドを大きく外
輸入国における保管能力には限界がある。つまり石炭や
れなければ、コーン及び大豆の収穫量は過去最高となる
鉄鉱石よりも安定的且つ高い頻度での海上輸送が不可欠
見込みである。
主要業界の動向 ̶ 農業
では米国の不作をどの国が補ったかというと、ブラジル・
アルゼンチン・ウクライナの 3 か国である。世界のコーン
なのである。しかしブラジル・アルゼンチン・ウクライ
図 3 : ブラジルの港の状況。印は積み込みの順番を沖で待つ船
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
35
まとめ
り、質の高い穀物を世界に売り込むための制度や第三
昨年は数十年振りの記録的な干ばつによって大きな
者機関も充実していることから、社会的インフラ全体
被害を受けた米国の穀物生産であるが、一方で安定的
で見た場合の優位性は抜きんでている。昨年のような
な輸出インフラという米国が長年積み上げてきた優位
干ばつによる非常事態の年を除けば、米国が穀物貿易
性を目の当たりにした 1 年でもあった。確かに南米の輸
のリーダーであり続けることは間違いなく、その米国
出インフラも徐々に拡充されていることから、長期的
でも有数の農業州であるイリノイは今後も世界の食を
には穀物貿易に占める米国の影響力は逓減していくこ
支え続ける重要な役割を担っている。
とが予想される。しかし米国は政治的にも安定してお
図 4 : 年度別 3 大作物の作付面積
120.00
110.00
100.00
ʋĜˋ
90.00
主要業界の動向 ̶ 農業・自動車産業
80.00
70.00
60.00
ழདྷ
50.00
80
40.00
30.00
20.00
10.00
0
自動車産業
൥ຜ
24
28
32
36
40
44
48
52
56
60
64
68
72
76
80
84
88
92
96
00
04
08
執筆者 : 渡 辺 司 プライスウォーターハウスクーパース Autofacts
PRICEWATERHOUSECOOPERS AUTOFACTS
500 Woodward Ave., Detroit, MI 48226
601 S. Figueroa St., Los Angeles, CA 90017
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PwC Autofacts は、PricewaterhouseCoopers のシンクタンクサービスグループの一部門で、デトロイト
とロサンゼルス(米国)
、パリ(フランス)
、シュトゥットガルト(ドイツ)
、トリノ(イタリア)
、サンパ
ウロ(ブラジル)
、チェンナイ(インド)
、および上海(中国)に事務所を設け、世界の自動車産業全般に
渡り、情報収集、生産台数予測、トレンド予測等の業界分析を行っております
はじめに
世界のほとんどの地域で自動車産業は成長を続けて
言えるでしょう。特に米国は日系の自動車関連企業にとっ
て販売と製造の両面で大きなウェイトを占めています。
います。世界各国で深刻な景気後退となった 2008 年と
2009 年には全世界のライトビークルの生産台数は一時的
36
新車販売の展望
に前年割れとなりましたが、2010 年には新興アジア諸国
2 0 0 9 年以降、米国市場は堅調に回復しており、2 0 1 2
の台頭によりいっきに史上最高の 7176 万台へと増加し
年のライトビークル新車総販売台数は前年比 1 3 . 4 % 増
ました。そして、
昨年は 7891 万台にまで増加しています。
の 1 4 4 9 万台となりました。今年に入っても新車販売台
その中で北米(米国、カナダ、メキシコ)での 2012 年の
数は増加しており、弊社の自動車産業調査予測部門の
生産台数は 1540 万台で全世界の 19.5% を占めています。
Autofacts は 2 0 1 3 年の総販売台数を 1 5 4 0 万台と予測し
従って、北米は自動車産業にとって非常に重要な地域と
ています。住宅市場や失業率の回復がもたついています
が、自動車ローンの与信基準の緩和や魅力的な新型車の
2 0 1 4 年は 1 6 3 0 万台に増加すると予測しています。経
投入などが最近の自動車市場の回復を支えています。中
済成長と人口動勢から、北米の新車市場は今後も拡大す
でも、米国で最も人気のある中型セダンセグメントでは、
ると考えられ、欧州とアジアから引き続き北米への生
2 0 1 1 年終わりから 2 0 1 2 年にかけてほとんどの主力モデ
産移管が行われることもあり、総生産台数は 2 0 1 6 年に
ルが新型となっており、2 0 1 3 年は競争が更に熾烈にな
は既に過去最高を超えることが予測されます。さらに、
るでしょう。次に人気のある小型車セグメント(セダン、
2 0 1 9 年には 1 8 4 5 万台まで成長すると見込まれます。
クーペ、ハッチバック)も、ここ数年でこれまでよりも
また、北米の日系ブランド車の生産台数は、2 0 1 2 年に
格段に充実した装備の新型モデルが多く投入され、ガソ
初めて 5 0 0 万台を超え、2 0 1 9 年には 6 0 0 万台に増加す
リン価格上昇もあり、販売が好調です。燃費規制が次第に厳
る見込みです。北米の中でも、低コストと南北アメリ
しくなる中で、今後も引き続きこの 2 セグメントの人気は
カへの輸出拠点としての魅力のあるメキシコには、日系
高いでしょう。また、新型車が続々と投入され、景気がさ
メーカー数社が生産能力の増強や新工場の建設を既に決
定しています。メキシコでの日系ブランド車の生産台数
ことになるでしょう。また、CUV(クロスオーバー・ユー
は 2 0 1 2 年から 2 0 1 9 年の間に 7 7 万台から 1 3 0 万台へと
ティリティ・ビークル)セグメントもここ数年で大きくシェ
5 3 万台増加すると予測されます。これは、同期間のメキ
アを伸ばしています。昨年の日系ブランド車の新車総販
シコでの総生産台数増加の実に 5 2 % となります。
売台数は 534 万台で、シェアは 2011 年から約 2% 増加し
36.9% となりました。その内、日本からの輸入車は 160
中西部の自動車産業
万台で、日系ブランドの総販売台数の 30% 弱を占めてい
ここ中西部は米国内でも有数のライトビークル生産地
ます。今後は北米での現地生産化が進み、この比率が低く
域であり、現在はイリノイ、インディアナ、オハイオ、ミ
なると予測されます。
シガン、ミズーリの各州で生産が行われています。デト
ロイト 3 の工場閉鎖に加え景気後退により 1999 年に 786
燃費規制への対応
万台あった生産台数は 2009 年に実に 317 万台まで激減し
2 0 1 6 年には、CAFE(企業別平均燃費)の基準が 1 ガ
ました。しかし、昨年の生産台数は 578 万台まで回復し、
ロン当たり 3 5 . 5 マイルに引き上げられます。さらに、
今年は 610 万台程度となる見込みです。今後は、景気回
2 0 2 5 年にはこの基準が 1 ガロン当たり 5 4 . 5 マイルに大
復とカナダと日本からの生産移管により、中西部での自
幅に引き上げられる予定です。各社とも厳しい基準に対
動車生産台数は 2019 年には 680 万台強まで増加すると思
応するために、内燃機関の多様化と改良(ハイブリッド、
われます。イリノイ州に関しては、生産台数が 1995 年の
ディーゼル、エタノール、CNG、排気量のダウンサイジ
72 万 6 千台から 2009 年には 17 万 5 千台まで縮小しまし
ング、ターボ化、直噴化など)
、変速機の多様化と改良
たが、2012 年には実に 63 万 6 千台まで回復し、2019 年
(CVT や DCT の搭載、オートマの 6 速以上への多段化な
主要業界の動向 ̶ 自動車産業
らに回復すると、今年はピックアップのシェアが増加する
には過去最高レベルの 72 万 9 千台に達する見込みです。
ど)
、車体の軽量化を行っています。数年前までには高級
車にさえ搭載されていなかった 9 段の変速機も大衆ブラ
おわりに
ンドの車に搭載され始めています。さらに、いくつかの
依然として中国と欧州市場では厳しい状況が続いてお
メーカーからは 1 0 段変速がこの先数年の間に登場するこ
り、日系自動車関連各社とも堅調な北米市場の重要性が
とになるでしょう。そして、現在は市場の 0 . 3 % しかな
これまで以上に感じられるのではないでしょうか。中西
い電気自動車やプラグインハイブリッドも、ゆっくりで
部における日系の自動車関連企業の皆様の益々のご健闘
すが着実に増加することになるでしょう。
をお祈りいたします。
車両生産の展望
米国市場の回復により、北米でのライトビークル生産
も堅調に回復しています。Autofacts は 2 0 1 3 年の生産
注 : ライトビークルは、GVWR(総車両重量評価)が北米では 6 .3 トン以
下、その他の地域では 6 トン以下の自動車。
販売台数実績に関しては Automotive News を参照。
販売台数予測と生産台数に関しては、Autofacts 2013 年第 2 四半期デー
タを参照。
台数を 2 0 1 2 年より約 5 5 万台増の 1 5 9 4 万台、そして、
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
37
図 2 : 全世界 : 主要新興市場と北米の生産台数の展望
2012 対 2019 年
図 1 : 全世界 : 市場別ライトビークル生産台数
2012 –2019 年
単位: 百万台
新興市場
100
単位: 百万台
成熟した市場
ෂਡ
80
!
ɼˋʡ
60
43.6
39.8
56.4
52.9
48.4
27.4
3.4
!
6.7
63.1
61.6
59.1
16.6
4.0
+!
ɺʓɺˋ
6.2
3.1
ʮˁʐ˃
40
20
39.1
38.5
42.0
41.2
39.7
42.8
42.8
5.0
˅ʏɺ
42.8
႘ဴ
0
12
13
14
15
16
17
18
19
2.1
!
3.3
2012年
2019年
15.4
!
18.4
0
10
20
30
*アセアンは、インドネシア、タイ、マレーシア、フォリピン、
ベトナムを含む
出典 : Autofacts 2013 年第 2 四半期データ
主要業界の動向 ̶ 自動車産業
出典 : Autofacts 2013 年第 2 四半期データ
図 3 : 北米 : ライトビークル新車販売台数の推移
2003 –2013 年(予測)
図 4 : 北米 : ライトビークル新車販売台数の推移
2012 年 1 月 –2013 年 3 月
単位: 百万台
単位: 百万台
メキシコ
22
カナダ
米国
1.8
米国
20
1.6
18
1.4
16
カナダ
メキシコ
1.2
14
1.0
12
10
0.8
8
0.6
6
0.4
4
0.2
2
0.0
0
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
(予測)
出典 : Automotive News, Autofacts 分析
出典 : Automotive News, Autofacts 分析
図 6 : 米国 : メーカー別ライトビークル新車市場シェア
2009 年 –2013 年第 1 四半期
図 5 : 米国 : メーカー別ライトビークル新車販売台数
2012 年第 1 四半期対 2013 年第 1 四半期
700
単位: 千台
2012༃൦1હ཰ࡖ
1/12 2/12 3/12 4/12 5/12 6/12 7/12 8/02 9/1210/1211/1212/121/13 2/13 3/13
2013༃൦1હ཰ࡖ
前年比(右軸)
15%
%
20
600
10%
500
2009༃
2010༃
2012༃
2013༃൦1હ཰ࡖ
2011༃
15
400
5%
10
300
200
0%
5
100
-5%
0
G
M
フ
ド
ト
ヨ
タ
出典 : Automotive News
38
ク
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出典 : Automotive News * 起亜を含む
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図 8 : 米国 : セグメント別ライトビークル新車販売シェア
2012 年第 1 四半期対 2013 年第 1 四半期
図 7 : 米国 : セグメント別ライトビークル新車販売シェア
2003 年 –2013 年第 1 四半期
%
100
30%
2012༃
2013༃
25%
80
20%
60
25.0%
23.0%
21.7%
20.2%
21.6%
19.6%
15%
13.4%
13.0%
40
10%
20
7.9%
7.5%
7.1%
6.5%
5.4%
4.8%
5%
1.8%
1.7%
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04
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図 10 : 北米 : アライアンスグループ別生産台数予測
2013 年対 2019 年
単位: 百万台 %
20
100
18
90
16
80
14
70
単位: 百万台
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3.89
3.02
3.09
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12
3.37
主要業界の動向 ̶ 自動車産業
出典 : Automotive News
図 9 : 北米 : ライトビークル生産台数の展望
2004 年 –2019 年
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出典 : Automotive News
04 05
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0.5
0.86
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2013༃
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2.0
2.5
2019 ༃
3.0
3.5
4.0
4.5
‫ݲ‬ລᆎĪ‫૾ۦ‬ī
出典 : Autofacts 2013 年第 2 四半期データ
出典 : Autofacts 2013 年第 2 四半期データ
図 11 : 中西部 : 州別ライトビークル生産台数の展望
2004 年 –2019 年
単位: 百万台
9!
8!
7!
6!
5!
4!
3!
2!
1!
15! 16! 17! 18! 19! 1:! 21! 22! 23! 24! 25! 26! 27! 28! 29! 2:!
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出典 : Autofacts 2013 年第 2 四半期データ
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
39
小売
執筆者 :
野毛 洋子
日経アメリカ社
NIKKEI AMERICA, INC.
125 S. Wacker Dr., Suite 1080, Chicago, IL 60606
Tel:(312)263-8877・Fax:(312)263-8879・www.nikkei.co.jp
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基本姿勢は、中正公平。事実に基づく的確な報道と先見性で変化の時代を先導します。
2012 年の米国小売り動向
米商務省によると、2 0 1 2 年の米国の小売業売上高(季
曜日)のネット経由の消費者支出額は前年に比べ 3 0 % 増
えた。背景には百貨店など伝統的な小売店のネット通販
節調整済み、飲食店含む)は約 4 兆 8 8 9 0 億ドルと前年比
事業強化によって裾野が広がっていることがある。
5 . 2 % 伸び、前年の伸び率である 5 . 7 % をやや下回った。
注目トレンド
内訳をみると、建築材・園芸用品が前年比 5 . 5 %、家具・
家庭用品などが 3 . 2 % とそれぞれ伸び、住宅市場の不振
主要業界の動向 ̶ 自動車産業・小売
さを反映し落ち込んだ昨年と比べかなり改善した。自
高級百貨店ニーマン・マーカスなど中国に実店舗を持
動車・自動車部品の伸び率は 7 . 9 % と前年の 8 . 8 % を下
たない百貨店が中国に通販サイトを立ち上げる動きが相
回った。オンライン・ショッピングなど非店舗小売業は
次いでいる。ニーマン・マーカスは昨年、香港を拠点と
1 1 . 7 % 増と前年の伸び率 9 . 6 % を上回る高い伸びを示
する高級衣料品のネット通販企業、グラマー・セールズ
した一方、実店舗を展開する百貨店・ディスカウント
に 2 8 0 0 万ドルを出資、グラマーを拠点として 1 2 年末
チェーン店の伸び率は 0 . 4 % にとどまった。
に中国市場向けの自社販売サイトを立ち上げた。1 3 年 3
月末に上海でファッションイベントを開催、ダナ・キャ
2012 年の年末商戦
予想を下回る伸びに終わった。全米小売業協会(NRF)
ランなど有名デザイナーや中国人デザイナーの作品を披
露し、中国での認知度を高めようとしている。一方、米
によると、12 年の年末商戦での小売売上高(自動車、ガ
百貨店最大手メーシーズも中国の販売サイト、ヴィップ
ソリン、外食を除く季節調整前ベース)は 5798 億ドルと
ストアに 1 5 0 0 万ドルを出資した。1 3 年にメーシーズ
前年同期比 3% 増え、事前予想の 4.1% を下回った。ク
の中国向け販売サイトが立ち上がるとの予測が業界内で
レジット・カード大手マスターカード系の民間調査によ
強まっている。メーシーズ傘下の高級百貨店ブルーミン
ると、年末商戦(10 月 28 日から 12 月 24 日まで、クリス
グデールズは外国人観光客の来店数で中国人はブラジル
マス明けや年明けのバーゲンセールを含まず)の売上高は
人に次ぐ 2 位となっている。このため中国語に堪能な販
前年同期比 0.7% 増にとどまり、伸び率は 08 年以来 4 年
売員を配し、中国のクレジットカードを受け付けるなど
ぶりの低水準だった。大型減税の失効などが重なる
「財政
中国人消費者の開拓に力を入れている。このほか、米会
の崖」協議の難航で、米消費者が景気先行きへの警戒感を
員制量販店のコストコも年内に販売サイトでの中国市場
強めたうえ、1 0 月末に米東部を襲った大型ハリケーン
参入を計画しているとみられるほか、ウォルマート・ス
「サンディ」、銃乱射事件などが消費に影を落とした。
業態別ではまだら模様になり、中間所得者を対象とす
トアーズも 1 2 年 8 月に中国の大手食品ネット通販会社
の買収に関する現地許可を受けている。
る百貨店が苦戦した一方、住宅市況の改善やハリケーン
コンサル大手マッキンゼーの調査によると、中国の 12
「サンディ」の被害に伴う復旧特需が寄与し、ホームセン
年のネットショッピング売上高は推定 2100 億ドルで、
ター大手のホーム・デポが好調になった。ディスカウン
03 〜 11 年累計の 2 倍強に急伸し、米国に次ぐ 2 位に成長
ト最大手のウォルマートは低価格販売戦略で年末商戦を
している。オンライン利用の中国消費者数は 12 年が 2 億
乗り切った。傾向としては、インターネット販売が引き
4700 万人で 13 年末までに 3 億 1 千万人に増えると予測さ
続き伸びた。調査会社ストアコムによると、米国で個人
れ、米各社はこの成長市場への足がかりを築く構えだ。
消費が最も盛り上がりをみせる感謝祭後の連休のネット
背景には中国に実店舗を出店するリスクもある。大手
販売額は初めて 1 0 億ドルを突破し、NRF によると 2 2
家電量販店ベストバイは 1 1 年に 9 点全店を閉鎖して撤
日〜 25 日の消費額のうちネット経由は 40.7% を占めた。
退、大手ホームセンターのホーム・デポも 1 3 年中に全 7
米 IBM の調査でも、年末商戦序盤でネット消費が最も
店の閉鎖を決めた。
盛り上がるとされるサイバーマンデー(感謝祭明けの月
40
米大手百貨店、中国市場にネット通販攻略
ディスカウントストア(DS)と高級百貨店が販売提携
ンに大型旗艦店を 1 8 年をめどに開く。富裕層が集まる
大手ターゲットと高級百貨店ニーマン・マーカスが提
ミッドタウン地区の高級ショッピング街に出店し、高級
携し、クリスマス商戦に向けて共同で期間限定商品を開
百貨店としては04年にブルーミングデールズがソーホー
発し販売した。$7.99 から $499.99 まで価格に幅のある
地区に出店して以来の動きになる。
50 品目のギフト用品のシリーズを
「ホリデー・コレクション」
として販促も共同で行い、12 月から 3 週間に限り販売した。
米国の消費者の購買パターンとなった
「ハイ・ロー・クロス
百貨店
JC ペニーの戦略ミスが話題になった。米アップルか
ショッピング(商品により同じ消費者が高級品と低価格商品
ら引き抜いたロン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)
の両極端を購入する消費傾向)の心理をくすぐる戦略として
が推進した安売りセールの撤退と店舗イメージの向上を
注目を集めた。ニーマン・マーカスはターゲットが持つ若
めざした戦略は顧客流出を招く経営上の惨事になった。
年層やアッパーミドルの顧客取り込みが狙え、ターゲット
年末商戦を反映した 1 2 年 1 1 月〜 1 3 年 1 月決算で売上
はイメージアップにつながる。
高が前年同期比 2 8 % 減少、5 億 5 2 0 0 万ドルの赤字を出
した。1 3 年に入り、同社はテレビで戦略ミスを認める
コマーシャルをテレビで流し、ジョンソン CEO を更迭
業態別動向
リーダーとしての地位を取り戻すチャンスがある」と就
まだら模様ながらも米株価が穏やかに回復し、富裕層
任直後に述べたが、安売りセールに慣れた消費者の心を
に支えられた高額消費は好調だった。高級百貨店ノード
つかむに至らなかった。百貨店業界全体のトレンドとし
ストロームの 1 2 年売上高は前年比 1 2 % 増と 2 ケタの伸
ては、大手百貨店のオンライン販売同事業への設備投資
びを示し、0 . 5 % の伸びにとどまったディスカウント・
拡大がある。オンライン販売の伸びが高まるなか、高級
ストアのウォルマートに大きな差をつけた。好調の波に
百貨店ノードストロームは今後 5 年間でネット事業のイ
乗り、ノードストロームは、ニューヨーク市マンハッタ
ンフラ改善費用として 1 0 億ドル超を投資する。業績不
図 1 : 業種別売上額(原数値)
単位 : 百万ドル
小売り販売業
及び
小売り業
自動車
飲食店
売上額合計 自動車部品
売上額合計
小売り販売業
家具
家庭用品
家電等
建築材
園芸用品
食料品
飲食店業
医療品 ガソリンスタンド
健康用品
アパレル
装飾品
非店舗
百貨店
ディスカウント 小売業
チェーン店 メールオーダー
オンライン
ショッピング
その他
飲食店
493 ,501
11 年(累計) 4,647,648
4,154,147
826 ,299
188 ,817
278 ,902
613 ,908
272 ,286
526 ,196
226 ,748
629 ,123
393 ,745
198 ,123
11 年 1 月
338 ,500
301 ,732
58 ,718
13 ,798
16 ,476
48 ,674
22 ,242
37 ,659
13 ,633
44 ,578
31 ,746
14 ,208
36 ,768
11 年 2 月
340 ,500
303 ,323
63 ,669
14 ,245
16 ,460
45 ,856
21 ,290
36 ,290
15 ,820
46 ,044
29 ,717
13 ,932
37 ,177
11 年 3 月
390 ,622
348 ,836
76 ,556
15 ,697
22 ,643
50 ,069
23 ,625
43 ,860
18 ,117
49 ,927
32 ,831
15 ,511
41 ,786
11 年 4 月
384 ,506
342 ,996
70 ,852
14 ,174
25 ,222
50 ,985
22 ,250
45 ,268
18 ,498
50 ,733
29 ,669
15 ,345
41 ,510
11 年 5 月
396 ,066
353 ,318
70 ,618
14 ,664
28 ,694
51 ,905
22 ,783
47 ,615
18 ,618
51 ,708
30 ,462
16 ,251
42 ,748
11 年 6 月
392 ,888
351 ,082
71 ,537
14 ,853
28 ,007
51 ,506
22 ,413
46 ,880
17 ,637
51 ,193
30 ,491
16 ,565
41 ,806
11 年 7 月
388 ,749
345 ,661
70 ,503
15 ,198
24 ,256
53 ,005
21 ,909
47 ,493
17 ,776
50 ,990
28 ,531
16 ,000
43 ,088
11 年 8 月
398 ,950
356 ,718
72 ,557
16 ,065
24 ,540
52 ,054
23 ,032
47 ,602
19 ,056
51 ,642
31 ,844
18 ,326
42 ,232
11 年 9 月
379 ,330
338 ,059
68 ,024
15 ,134
23 ,299
50 ,360
22 ,265
44 ,738
17 ,818
48 ,615
31 ,139
16 ,667
41 ,271
11 年 10 月
384 ,345
341 ,995
66 ,851
14 ,793
24 ,018
51 ,298
22 ,622
44 ,421
18 ,095
51 ,324
32 ,712
15 ,861
42 ,350
11 年 11 月
395 ,724
355 ,969
64 ,740
18 ,079
23 ,222
51 ,730
22 ,468
42 ,312
20 ,787
57 ,735
37 ,937
16 ,959
39 ,755
11 年 12 月
457 ,468
414 ,458
71 ,674
22 ,117
22 ,065
56 ,466
25 ,387
42 ,058
30 ,893
74 ,634
46 ,666
22 ,498
43 ,010
12 年(累計) 4,889,021
4,359,393
891 ,208
194 ,818
294 ,224
634 ,304
274 ,867
546 ,913
239 ,224
631 ,808
439 ,709
212 ,318
529 ,628
12 年 1 月
360 ,415
320 ,540
62 ,757
14 ,618
18 ,728
50 ,173
22 ,772
40 ,742
14 ,283
46 ,363
34 ,749
15 ,355
39 ,875
12 年 2 月
376 ,652
335 ,404
71 ,103
15 ,373
19 ,280
49 ,208
22 ,618
41 ,540
17 ,831
49 ,130
33 ,843
15 ,478
41 ,248
12 年 3 月
419 ,599
373 ,528
81 ,923
16 ,261
25 ,254
52 ,981
23 ,889
47 ,587
20 ,054
52 ,809
35 ,842
16 ,928
46 ,071
12 年 4 月
398 ,514
354 ,268
74 ,008
14 ,100
27 ,305
51 ,271
22 ,686
46 ,882
18 ,526
50 ,349
33 ,136
16 ,005
44 ,246
12 年 5 月
424 ,012
378 ,037
80 ,242
15 ,680
30 ,800
54 ,425
23 ,471
48 ,401
19 ,908
52 ,312
35 ,039
17 ,759
45 ,975
12 年 6 月
406 ,128
360 ,752
76 ,285
15 ,392
26 ,990
53 ,181
22 ,143
45 ,734
18 ,684
51 ,398
33 ,195
17 ,750
45 ,376
12 年 7 月
400 ,813
355 ,767
75 ,478
15 ,754
24 ,986
53 ,361
22 ,263
45 ,921
18 ,234
49 ,847
32 ,891
17 ,032
45 ,046
12 年 8 月
422 ,692
377 ,199
80 ,961
16 ,569
25 ,238
53 ,990
23 ,080
49 ,407
20 ,679
52 ,376
35 ,629
19 ,270
45 ,493
12 年 9 月
391 ,105
347 ,544
71 ,522
15 ,250
23 ,353
51 ,689
21 ,468
46 ,481
18 ,392
48 ,153
34 ,262
16 ,974
43 ,561
12 年 10 月
404 ,731
360 ,654
72 ,508
14 ,910
25 ,783
52 ,850
22 ,948
48 ,317
18 ,866
50 ,170
36 ,966
17 ,336
44 ,077
12 年 11 月
415 ,899
372 ,942
69 ,935
18 ,525
24 ,483
53 ,516
22 ,384
43 ,847
22 ,061
57 ,215
42 ,777
18 ,199
42 ,957
12 年 12 月
468 ,461
422 ,758
74 ,486
22 ,386
22 ,024
57 ,659
25 ,145
42 ,054
31 ,706
71 ,686
51 ,380
24 ,232
45 ,703
5 .2 %
4 .9 %
7 .9 %
3 .2 %
5 .5 %
3 .3 %
0 .9 %
3 .9 %
5 .5 %
0 .4 %
11 .7 %
7 .2 %
7 .3 %
対前年比(%)
主要業界の動向 ̶ 小売
「米国の百貨店は人々のライフスタイル・
した。同 CEO は
高級店
出典 : 米国勢調査局「Estimates of Monthly Retail and Food Services Sales by Kind of Business: 2010」
より 資料作成 : Yuko DeVito
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
41
振が続くシアーズもオンライン販売を強化し、オンライ
ンで購入した商品を店舗で受け取るなどネットと実店舗
専門店
衣料品大手ギャップが好調だ。1 2 年 1 1 月〜 1 3 年 1 月
を融合したサービスに力を入れている。
期の売上高は前年同期比 1 0 % 伸び、純利益は同 6 1 % 増
ディスカウントストア(DS)
事業再編計画が軌道に乗り始めた。北米では
「ギャップ」
になった。経営陣の刷新、不採算店閉店など昨年来の
世界最大の小売業ウォルマート・ストアーズは、低価
「バナナ・リパブリック」
「 オールド・ネイビー」など傘
格戦略に徹して 1 2 年を乗り切った。同社は 1 1 年に米国
下の既存店売上高の増加傾向が続いている。海外市場の
事業の売り上げが 2 年ぶりに回復したが、1 2 年も年末商
強化にも力を入れ、ギャップの低価格衣料品店
「オール
戦は徹底した低価格戦略を取り入れた。1 2 年 1 1 月〜 1 3
ド・ネイビー」は 1 4 年中に北米市場外にフランチャイズ
年1月期の売上高は前年同期比4%増の1279億ドル。ただ、
チェーン(FC)展開を始める。同店は 1 2 年 7 月に東京・
同社には頭の痛い問題もある。一つはライバルの追撃。
お台場に開業し、首都圏や大阪などに 1 0 店を運営する。
主要業界の動向 ̶ 小売
ドイツ資本で 7 0 年代に米国進出したアルディは米国内
一方、日本勢では、米国での収益拡大に動くファースト
で約 1 2 0 0 店舗を展開し、商品の絞り込みで仕入れ値を
リテイリングが
「ユニクロ」の米国出店を加速し、1 3 年 9
下げ、ウォルマートよりも価格を低く設定する。もう一
月以降、年 1 0 〜 2 0 店の出店を計画する。日本でヒット
つはスマートフォン(スマホ)の価格比較アプリだ。消費
した機能性と値ごろ感の両方を打ち出す商品戦略を全米
者は売り場で商品のバーコードをスマホで読み取れば、
で推進する。
近隣店舗の同商品の価格比較ランキングを入手できる。
このため、ウォルマートは
「プライス・マッチング」とし
て他店のより安い価格に合わせて販売するが、収益力に
レストラン
グローバル企業の代表選手マクドナルドが失速した。
影響が出る。また、アマゾン・ドット・コムの価格はウォ
0 8 年の金融危機で業績が落ち込んだものの、その後は順
ルマートよりも安い、との調査もあり、ディスカウント・
調に回復を示してきた同社だが、1 2 年 7 〜 9 月期の売上
ストアの王者としての地位が脅かされそうだ。
高が 3 年ぶりの減収になった。日本や欧州など売上高の
図 2 : 業種別売上額(季節調整値)
単位 : 百万ドル
小売り販売業
及び
小売り業
自動車
飲食店
売上額合計 自動車部品
売上額合計
11 年(累計) 4 ,647 ,982 4 ,154 ,449
小売り販売業
家具
家庭用品
家電等
建築材
園芸用品
食料品
飲食店業
医療品 ガソリンスタンド
健康用品
非店舗
百貨店
ディスカウント 小売業
チェーン店 メールオーダー
オンライン
ショッピング
その他
飲食店
493 ,533
827 ,475
188 ,815
278 ,978
613 ,802
272 ,552
526 ,275
226 ,188
628 ,880
393 ,356
198 ,128
11 年 1 月
375 ,739
336 ,373
67 ,961
15 ,268
22 ,380
49 ,933
22 ,673
41 ,384
18 ,215
50 ,900
31 ,721
15 ,938
39 ,366
11 年 2 月
378 ,934
338 ,743
68 ,351
15 ,505
22 ,147
50 ,433
22 ,458
42 ,051
18 ,360
51 ,871
31 ,303
16 ,264
40 ,191
11 年 3 月
382 ,094
341 ,367
67 ,969
15 ,858
22 ,502
50 ,499
22 ,651
43 ,642
18 ,652
51 ,926
31 ,463
16 ,205
40 ,727
11 年 4 月
383 ,507
343 ,049
67 ,758
15 ,647
22 ,711
51 ,184
22 ,407
44 ,121
18 ,676
52 ,166
31 ,973
16 ,406
40 ,458
11 年 5 月
383 ,447
342 ,618
66 ,774
15 ,561
22 ,920
50 ,943
22 ,647
44 ,376
18 ,705
52 ,074
32 ,214
16 ,404
40 ,829
11 年 6 月
385 ,266
344 ,159
67 ,638
15 ,505
23 ,295
51 ,208
22 ,617
43 ,569
18 ,951
52 ,439
32 ,457
16 ,480
41 ,107
11 年 7 月
386 ,928
345 ,892
67 ,871
15 ,652
23 ,269
51 ,449
22 ,704
44 ,057
18 ,931
52 ,603
32 ,763
16 ,593
41 ,036
11 年 8 月
387 ,838
346 ,636
67 ,141
15 ,703
23 ,550
51 ,548
22 ,849
44 ,446
18 ,877
52 ,621
33 ,069
16 ,832
41 ,202
11 年 9 月
392 ,354
350 ,582
70 ,039
15 ,764
23 ,612
51 ,448
22 ,836
44 ,649
19 ,245
53 ,126
33 ,004
16 ,859
41 ,772
11 年 10 月
395 ,995
353 ,856
71 ,116
16 ,185
24 ,075
51 ,831
22 ,920
44 ,644
19 ,012
53 ,052
34 ,187
16 ,834
42 ,139
11 年 11 月
397 ,868
355 ,620
71 ,800
16 ,203
23 ,936
51 ,838
22 ,857
45 ,157
19 ,193
53 ,082
34 ,734
16 ,820
42 ,248
11 年 12 月
398 ,012
355 ,554
73 ,057
15 ,964
24 ,581
51 ,488
22 ,933
44 ,179
19 ,371
53 ,020
34 ,468
16 ,493
42 ,458
12 年(累計) 4 ,883 ,676 4 ,354 ,890
890 ,887
194 ,496
294 ,158
633 ,698
274 ,678
546 ,138
238 ,627
632 ,181
438 ,076
211 ,951
528 ,786
12 年 1 月
400 ,197
357 ,275
72 ,118
16 ,080
24 ,565
52 ,171
22 ,909
44 ,969
19 ,377
53 ,836
34 ,111
17 ,139
42 ,922
12 年 2 月
402 ,800
359 ,472
72 ,761
16 ,139
24 ,495
52 ,130
22 ,939
46 ,002
19 ,872
52 ,932
34 ,737
17 ,465
43 ,328
12 年 3 月
406 ,200
362 ,448
73 ,035
16 ,170
25 ,339
52 ,449
22 ,970
46 ,517
19 ,820
53 ,388
35 ,249
17 ,511
43 ,752
12 年 4 月
404 ,112
360 ,174
72 ,894
15 ,991
24 ,531
52 ,582
23 ,031
45 ,739
19 ,515
52 ,791
35 ,540
17 ,560
43 ,938
12 年 5 月
403 ,641
359 ,814
73 ,496
16 ,257
24 ,006
52 ,523
22 ,921
44 ,733
19 ,683
52 ,689
36 ,012
17 ,494
43 ,827
12 年 6 月
400 ,635
356 ,962
73 ,182
16 ,085
23 ,504
52 ,621
22 ,618
43 ,186
19 ,826
52 ,536
35 ,952
17 ,452
43 ,673
12 年 7 月
403 ,587
359 ,725
73 ,266
16 ,289
23 ,897
52 ,886
22 ,975
43 ,404
19 ,957
52 ,606
36 ,755
17 ,690
43 ,862
12 年 8 月
407 ,696
363 ,826
74 ,618
16 ,100
24 ,286
52 ,705
22 ,874
46 ,003
20 ,017
52 ,702
36 ,828
17 ,693
43 ,870
12 年 9 月
412 ,705
368 ,346
76 ,029
16 ,332
24 ,940
53 ,243
22 ,790
46 ,856
20 ,109
52 ,522
37 ,803
17 ,722
44 ,359
12 年 10 月
411 ,997
367 ,475
74 ,809
16 ,161
24 ,598
53 ,475
22 ,788
47 ,934
20 ,049
52 ,388
37 ,349
17 ,924
44 ,522
12 年 11 月
414 ,036
368 ,960
76 ,809
16 ,428
24 ,884
53 ,347
22 ,794
45 ,769
20 ,109
52 ,032
38 ,731
18 ,057
45 ,076
12 年 12 月
416 ,070
370 ,413
77 ,870
16 ,464
25 ,113
53 ,566
23 ,069
45 ,026
20 ,293
51 ,759
39 ,009
18 ,244
45 ,657
5 .1 %
4 .8 %
7 .7 %
3 .0 %
5 .4 %
3 .2 %
0 .8 %
3 .8 %
5 .5 %
0 .5 %
11 .4 %
7 .0 %
7 .1 %
対前年比(%)
出典 : 米国勢調査局「Estimates of Monthly Retail and Food Services Sales by Kind of Business: 2012」
より
42
アパレル
装飾品
資料作成 : Yuko DeVito
7 割を占める海外市場の不振が響いた。1 2 年夏に米中西
にあたる 2400 人の削減を発表し、経営再建を急いでいる。
部を見舞った歴史的干ばつで穀物価格が上昇し、コスト
13 年に入り、創業者のリチャード・シュルツ氏が名誉会
面を圧迫したこともマイナス要因だ。1 2 年 1 0 〜 1 2 月期
長に就任し事実上経営復帰を発表、欧州事業からの撤退な
の決算では米国事業が持ち直したが、既存店売上高の伸
ど事業再建策を打ち出している。ただ、アマゾン・ドット・
び率は 0 . 3 % 増と低い数字にとどまった。
コムなどオンライン小売業との競争は厳しく、試行錯誤は
続きそうだ。
大型店
「ビッグボックス」と呼ばれる大型店舗を主体とする小
オンライン販売
売業の苦戦が続いた。廉価で家電を販売するネット通販
米調査会社コムスコアの調べによると、12 年のオンラ
の台頭に押されている。家電量販店大手ベストバイは既
イン売上高は 1862 億ドルと前年比 15% 伸びた。年末商戦
存店売上高のマイナスが続き、12 年夏に総従業員の 1.4%
のインターネットを通じた物品売上高は前年比 14% 増の
図 3 : 米大手小売りチェーン年間売上高
Fiscal
Year
Wal-Mart
Stores, Inc.
単位 : 百万ドル
Target
Corporation
Macy's Inc. Federated Department
Stores, Inc.
J.C. Penney
Company, Inc
GAP Inc.
Kohl’
s Limited Brands, Nordstrom, Inc.
Corporation
Inc.
285 ,222
46 ,839
19 ,701
15 ,630
18 ,424
16 ,267
11 ,701
9 ,408
7 ,131
308 ,945
52 ,620
49 ,455
22 ,390
18 ,781
16 ,023
13 ,402
9 ,699
7 ,723
8 ,561
06 年
344 ,759
59 ,490
53 ,016
26 ,970
19 ,903
15 ,943
15 ,544
10 ,671
07 年
373 ,821
63 ,367
50 ,703
26 ,313
19 ,860
15 ,763
16 ,474
10 ,134
8 ,828
08 年
401 ,087
64 ,948
46 ,770
24 ,892
18 ,486
14 ,526
16 ,389
9 ,043
8 ,272
09 年
405 ,132
65 ,357
43 ,360
23 ,489
17 ,556
14 ,197
17 ,178
8 ,632
8 ,258
10 年
418 ,952
67 ,390
42 ,664
25 ,003
17 ,759
14 ,664
18 ,391
9 ,613
9 ,310
11 年
443 ,854
69 ,865
41 ,567
26 ,405
17 ,260
14 ,549
18 ,804
10 ,364
10 ,497
12 年
446 ,114
73 ,301
39 ,854
27 ,686
12 ,985
15 ,651
19 ,279
10 ,459
11 ,762
Wal-Mart Stores, Inc.
03 年 256,329.0
Target Corp.
03 年
48 ,163 .0
04 年
46 ,839 .0
05 年 308,945.0 511-111
05 年
52 ,620 .0
06 年 344,759.0
06 年
59 ,490 .0
07 年
63 ,367 .0
08 年
64 ,948 .0
09 年
65 ,357 .0
10 年
67 ,390 .0
11 年
69 ,865 .0
12 年
73 ,301 .0
04 年 285,222.0
07 年 373,821.0
08 年 401,087.0
561-111
461-111
411-111
09 年 405,132.0 361-111
10 年 418,952.0
11 年
443,854.0
311-111
12 年 446,114.0 261-111
14
15 16
17
18
19
1: 21
03 年
15 ,264 .0
04 年
15 ,630 .0
05 年
49 ,455 .0 50,000
05 年
22 ,390 .0
06 年
53 ,016 .0
06 年
26 ,970 .0
07 年
26 ,313 .0
08 年
24 ,892 .0
09 年
23 ,489 .0
10 年
25 ,003 .0
07 年
50 ,703 .0
46 ,770 .0
09 年
43 ,360 .0
10 年
42 ,664 .0
40,000
30,000
11 年
41 ,567 .0
11 年
26 ,405 .0
12 年
39 ,854 .0 20,000
12 年
27 ,686 .0
40,000
30,000
03
04 05
06
07
08
09 10
11 12
03
04 05
06
07
08
09 10
11 12
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
10,000
0
50,000
Macy’
s Inc.
17 ,072 .0 60,000
19 ,701 .0
08 年
60,000
0
22 23
Sears Holdings Corp.
04 年
70,000
10,000
61-111
1
80,000
20,000
211-111
03 年
主要業界の動向 ̶ 小売
04 年
05 年
0
03
04 05
06
07
08
09 10
11 12
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
43
約 423 億ドルと前年に続き過去最高になった。配送料無
今後の動向
料キャンペーンがオンライン・ショッピングの利便性と
全米小売業協会(NRF)は 2 0 1 3 年 1 月にニューヨー
低価格の魅力を後押しした。消費者の利用が増え、イン
ク市内で開いた年次総会で、1 3 年の小売売上高は 2 兆
ターネット小売最大手、米アマゾン・ドット・コムは驚
5 3 0 0 億ドルで前年比 3 . 4 % 増になり、1 2 年の伸び率で
異的な成長を続けている。年末商戦を反映する 12 年 10
ある 4 . 2 % を下回ると予測した。1 2 年末にかけて消費
〜 12 月期の売上高は前年同期比 22% 増の 212 億 6800
者の購買意欲の衰えにつながった
「財政の崖」問題をきっ
万ドルになり、過去最高を更新した。同社の売上高は過去
かけに、米国財政の先行き不透明感が根強く残り、旺盛
5 年間にわたり年率 25% のペースで成長している。同社
な消費にブレーキをかけると分析した。
は物流拠点の増設や情報システムへの投資を進めること
によってコスト節約を図っている。
GAP Inc.
J.C. Penney Company, Inc.
25,000
主要業界の動向 ̶ 小売
03 年
15 ,854 .0
04 年
16 ,267 .0
05 年
16 ,023 .0
06 年
15 ,943 .0
19 ,860 .0
07 年
15 ,763 .0
18 ,486 .0
08 年
14 ,526 .0
09 年
14 ,197 .0
10 年
14 ,664 .0
11 年
14 ,549 .0
12 年
15 ,651 .0
03 年
17 ,786 .0
04 年
18 ,424 .0
05 年
18 ,781 .0
06 年
19 ,903 .0
07 年
08 年
09 年
17 ,556 .0
10 年
17 ,759 .0
11 年
17 ,260 .0
12 年
12 ,985 .0
20,000
15,000
10,000
5,000
0
10 ,282 .1
04 年
11 ,700 .6
05 年
13 ,402 .2
06 年
15 ,544 .2
07 年
16 ,474 .0
08 年
16 ,389 .0
09 年
17 ,178 .0
10 年
18 ,391 .0
11 年
18 ,804 .0
12 年
19 ,279 .0
04 05
06
07
08
09
10
11
7 ,131 .4
05 年
7 ,722 .9
06 年
8 ,560 .7
07 年
8 ,828 .0
08 年
8 ,272 .0
09 年
8 ,258 .0
10 年
9 ,310 .0
11 年
10 ,497 .0
12 年
11 ,762 .0
20,000
15,000
10,000
14,000
03
04 05
06
07
08
09 10 11
03
04 05
06
07
08
09 10
12
03 年
8 ,934 .0
04 年
9 ,408 .0
05 年
9 ,699 .0
06 年
10 ,670 .6
07 年
10 ,134 .0
08 年
9 ,043 .0
09 年
8 ,632 .0
10 年
9 ,613 .0
11 年
10 ,364 .0
12 年
10 ,458 .7
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
03
04 05
06
07
08
09
10 11 12
03
04 05
06
07
08
09 10
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
11 12
資料作成 : Yuko DeVito
44
14,500
Limited Brands, Inc.
Nordstrom, Inc.
6 ,491 .7
15,000
12
25,000
0
04 年
15,500
13,000
03
5,000
03 年
16,000
13,500
Kohl’
s Corp.
03 年
16,500
0
11 12
当地日系企業の経営課題
税務・財務
執筆者 : 市場 哲 也
プライスウォーターハウスクーパース
PRICEWATERHOUSECOOPERS LLP
One N. Wacker Dr., Chicago, IL 60606
Tel:(312)298-6191・Fax:(678)529-1675
www.pwc.com・www.japan-bus.pwc.com・[email protected]
PwC シンシナティ事務所で 2006 年まで、最初の米国勤務を経験した後、税理士法人 PwC の名古屋事務
所長として、その設立以来 7 年間日本本社の移転価格・国際税務コンサルティングに従事し、2013 年 1
月から PwC シカゴ事務所に出向しています。中西部の日本企業様とお目にかかり、幅広い意見交換が
できることを楽しみにしております。
米国・メキシコの新規投資優遇措置に関する
税務取組について
1. 米国での適切な税務コンプライアンスと納税。
2. 競合先に対して米国市場で優位なポジションを獲得で
きるキャッシュフローの確保。
税務取り組みの一例として)
3. 2. と 3. を両立させるための妥当な水準での税コスト
管理と、
剰余金の日本への配当を通じた親会社への貢献。
2008 年秋のリーマンショックに始まる
「100 年に一度」
と言われた金融危機から数年間、グローバル競争にさらさ
そこで本稿では、景気回復局面で日本の製造業の上の
れてきた日本の製造業にとっての生存競争の舞台はアジア
目標達成に大きく貢献する税務取組の典型として、米国
諸国、とりわけ中国でした。中国経済の実力値に対する疑
各州およびメキシコでの投資優遇措置に関する取組につ
問が深まっている中、米国の景気回復基調といわゆる
「アベ
いて、その概要をご説明します。
ノミクス」がもたらす日本の経済環境に関する心理的効果
は、米国の日系ビジネス全体にとって、微風ながらフォロー
の風が吹き始めているという表現になろうと思われます。
1 . 各地方当局の投資誘致当局の権限
中西部一円はイリノイ州、インディアナ州、ミシガン
当地日系企業の経営課題̶ 税務・財務
(景気回復局面における日系製造業の典型的
州、オハイオ州、ケンタッキー州にわたって、古くから
現在、海外子会社が日本本社に還流する配当は原則そ
自動車関連を中心に無数の日系製造業法人が展開して
の 95% が日本で課税されません(日本の国外子会社配当
きました。米国では州によって課税の体系が全く異なる
非課税制度)
。この制度が導入されるまで、米国内での節
ことはよく知られていますが、各州の投資誘致当局は
税を通じて留保利益を極大化したとしても、日本親会社
雇用の維持・拡大と州内の景気刺激のため、製造業に
が配当として受け取るときに日本の世界最高の法人税率
よる新しい誘致を何とか我が州に引き込もうとするラ
で通常どおり課税されていたため、米国内での節税努力
イバル関係にあるということは、日本企業の間では意外
は原則として日本での吐き出しを伴う、という結果に終
に省みられない事実です。例えばオハイオ川はインディ
わっていました。また、日本の国外子会社配当非課税制
アナ・オハイオの両州とケンタッキー州を隔てています
度が導入された 2009 年 4 月は経済危機の影響が最も深刻
が、各州地方の投資誘致当局は、ある日本企業の新規工
な時期であり、日本企業の北米製造業はほとんどが欠損
場建設が川の北岸・南岸どちらに決まるかについて、自
状態にあったため、日本への配当を検討できる米国子会
らの州の雇用拡大、景気刺激促進の観点から大きく注目
社は皆無に近かったと言えます。現在、多くの会社が経
しています。
済危機以降累積していた繰越欠損金を消化し、米国での
例えばレストランのテーブルに着けば運ばれてくるメ
納税が始まろうとしています。日本の国外子会社配当非
ニューのように、各自治体当局は一般的な投資優遇措置
課税制度が正常に機能する環境が、制度導入後 4 年越し
のパッケージを当然用意していますが、誘致競争の力学
で整いつつあるわけです。
が背景となって各自治体当局はいわゆる定型メニューに
米国子会社の無駄な税が自社のグローバルな税コスト
ある誘致プランを拡張する権限を行使して、誘致実績を
の増大に直結し、逆に米国子会社の適切な節税がグロー
獲得しようとするのです。各州が用意する投資優遇措置
バルな税コストの管理向上に直接貢献する今日的環境に
の内容は多岐にわたりますが、ごく簡単には次のように
おいて、日本企業の米国子会社は次のようなことが求め
分類できます。
られていると考えられます。
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
45
• プロパティタックス(固定資産税)の軽減幅の拡大、免
除期間の延長
• 工事コスト、水道光熱費、従業員訓練費の助成・一部
負担
それだけに投資先としてポテンシャリティがある自治体
のうち、これまで日系企業から進出先として省みられな
かった一部の自治体にとっては、誘致実績の格差が動機
付けとなって、米国の州投資誘致について既述したこと
• 低利融資
と本質的に同様の状況が展開しています。しかしながら
• 州法人税額の税額控除(新規雇用の規模、適格資産の
米国事業とメキシコ事業との相互関連性から、米国での
取得価額、適格研究費金額など広範なベース)
製造拠点投資経験がメキシコ進出の青写真とされる場合
が日本企業では一般的に多く、米国での投資誘致交渉の
2. プロパティタックスの優遇措置について
中西部の日系製造業は大規模装置産業が主体であり、
上の項目のうち特にプロパティタックスは、工場法人が
経験をそもそも持ち合わせない日本企業の多くは、メキ
シコでの投資誘致交渉の機会をも獲得できないでいます。
メキシコの各州の投資誘致当局を対象とする投資誘致
当地日系企業の経営課題̶ 税務・財務
利益を稼ぎ始めるか否かにかかわらず課税され、その税
措置の交渉は、一般的に次の項目を対象とするものとなっ
額は製品製造原価項目の中の主要な要素を構成して製品
ています。米国と同様、メキシコでも製造法人の設立手
の価格競争力を直接左右します。工場稼動後、顧客先か
続きに先立ってかかる交渉に取り組む必要があることが、
らの厳格な
「価格協力要請」が慣行的に行われる場合は、
大きな特徴です。
工場用地選定の一環で将来にわたるプロパティタックス
を通じた原価低減効果をあらかじめ確保しておくことは、
• 工場用地代金の軽減免除
在米の他の企業との競争を勝ち抜くためには戦略的に重
• 給与税(会社負担社会保険料などに相当するもの)の
要な要素であるといえます。
プロパティタックスの優遇措置は州によって、次のよ
軽減免除
• 製造装置などの固定資産税の軽減免除
うな形態をとる場合があります。
4. 日系企業にとっての投資誘致交渉の実際的課題
直接方式
投資誘致交渉はそもそも自治体当局間の誘致競争を巡
、軽減・
課税する税率の軽減幅の拡張(例えば 25% → 75%)
る力学を背景にしているという性質上、工場が正常に稼
、およびこ
免除が有効な期間を延長(例えば 5 年→ 20 年)
動し始めてから投資優遇措置の増額交渉を行うというわ
れらの組み合わせ。
けには通常いきません。特に納品先顧客への供給責任が
明確な OEM ビジネスの場合は、新規工場の進出が決まる
産業振興債を使ったキャピタルリース方式
とプロジェクトチームは客先への正常な納品開始までの
自治体が特定の債券(産業振興債)を発行して資金を調達
工程表の項目から、余分な事項を極力排除する傾向にあ
し、誘致対象会社の事業供用する工場設備等を取得して、
るため、プロジェクトチームの一部で投資効率向上の必
誘致対象会社はその設備のリースを受ける。当該工場設
要性について声が上がっても、スピード重視のプロジェ
備等の所有者は自治体なので固定資産税は課税されず、
クト方針を前にして、そのような意見がかき消されてし
その分リース料を安く設定されることになる。自治体は
まうことが多いのが実際です。
誘致対象会社から収入するリース料で順次債務を返済す
工場用地選定のスケジュールそのものに相当の自由度
る。債務が完済された段階で設備の所有権が誘致対象会
がない場合は特に、投資誘致交渉にどの程度の期間を掛
社に移り、それ以降は誘致対象会社は固定資産税の納税
けることとするのか、工場用地選定のスケジュールとの
を開始する。
兼ね合いや慎重な判断が求められます。このため比較的
大規模な新規投資の場合は、現地投資誘致当局との活発
3. メキシコでの新規投資でも同様の投資誘致交渉の
な人脈を保ち、また直近期間の交渉支援実績を豊富に積
余地がある
んだ会計事務所からのアドバイスが重要な判断材料を提
自動車関連を中心として日本の製造業のメキシコへの
46
供してくれます。
進出熱については論を待ちませんが、メキシコの工場用
また特にメキシコでの投資誘致条件の交渉では、当局
地選定の検討では、米国内以上に日本人出向者の安全面
担当官の事務能力水準が比較的高度な州と、そうとはい
などの環境的側面が重視される結果、日本企業が進出先
えない州の差が相当大きいといわれています。いったん
として選択する地域に偏りがある傾向があるようです。
妥結したとされる誘致条件の法的拘束力の確保や、交渉
期間中に担当官の交代があった場合の交渉経緯の保持な
まって、日本企業の伝統的姿勢に逆行するとも言えるで
ど、米国では考えにくい様々な局面で法律家のアドバイ
しょう。とはいえ、系列で取引が将来にわたり確保され
スが必要とされます。
る商慣習はすっかり消滅した米国やメキシコの市場で、
10 年単位、10 億円単位の固定費負担を余計に背負った日
5 . まとめに代えて
本企業の工場が、交渉上手な在米企業の工場と繰り広げ
投資資金の回収効率性を重要視する多くの在米の企業
にとって、納税ばかりではなく、自社の投資の労働分配
る原価低減競争の現場を見ると、一介の税務専門家とし
て複雑な心境を感じます。
率がもたらす雇用その他の経済波及効果と納税の合算値
景気回復局面においては本稿で取り上げた米国・メ
こそが地域貢献である、とする考え方が支配的であるよ
キシコでの投資誘致条件交渉のほか、新規工場建設出
うです。ルールによって排除されていない以上、あらゆ
費を対象とした税務減価償却計算の最適化の取組(Cost
る交渉は投資家間の純粋な自由競争の一部であると考え
Segregation)が製造業法人の典型的な税務取組例として挙
げられます。また冒頭触れた親会社のグローバルな税コ
スト管理との関係では、米国での研究開発費控除(R&D
つ継続的な納税を最大の地域社会貢献とするもので、こ
クレジット)の最大化の取組なども、納税再開の局面には
の企業文化がここ中西部でのローカルコミュニティから
非常に効果が高いと言えます。
の尊敬の源泉となってきたことは、疑う余地がないこと
本稿に最後までお付き合いいただいた皆様におかれて
です。交渉によって納税額を減らしたり、納税開始を何
は、本稿が自社の市場競争力と税コストとの関係に注目
年にもわたって遅らせようとするような行為は、交渉事
するきっかけとなるようであれば、執筆者としてこれに
をそもそも苦手とするといわれる日本人の国民性とあい
優る幸せはありません。
法務
執筆者 :
山本 真理
バーンズ & ソーンバーグ法律事務所
BARNES & THORNBURG LLP
One North Wacker Dr., Suite 4400, Chicago, IL 60606
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米国、イリノイ州の景気回復による
労働市場の改善と移民法改正
当地日系企業の経営課題̶ 税務・財務・法務
て積極的に取り組む姿勢は、多くの在米の企業にとって
当然な行為と言えます。一方日本企業の文化は、早期か
りも速いペースで回復に向かっているという。イリノイ
州周辺でも、製造業、小売業では雇用は減少が続いてい
るが、プロフェッショナルサービス、教育/ヘルスケア
2 期目を迎えたオバマ大統領が就任式で話題にあげたこ
部門の雇用は大幅に増加しており、これにレジャー/ホ
ともあり、本年度は移民法の改正が米国民の関心を集めて
スピタリティ業界が続いている。中西部の場合、自動車
いる。移民法改正は、前任のブッシュ時代にもゲストワー
業界での数年来の雇用カットが大きく影響し、シカゴ周
カープログラムなど大幅の改正が見込まれていたが、同時
辺では非都市地域よりも小売業者が多いため、これらの
テロによる国民感情とその後の米国経済の低迷から大きく
業界では他地区よりも変動が大きいが、全国的にも、中
後退してしまっていた。今回の移民法改正も、上院からの
西部、イリノイ州周辺でも、景気は上向き傾向として報
改正案提出の直後にボストンでのテロ事件が発生し、反対
告され、雇用も遂に人員削減期から新規雇用再開期に
派の声を再び高めた。しかし、遂に明るい兆しを見せ始め
入ったとも言われている。
た米国の景気から、移民法は外国人雇用を増やす傾向で改
正されるとみられ、次代を担う先進分野の充実に焦点が当
てられると共に、世界中のアメリカンドリーマーに門戸を
広げようとしている点が注目されている。
高スキル、高学位外国人の確保と米国移民法
明るさの見えてきた雇用市場で、近年問題視されてい
るのが、高レベルのスキル、知識、技術、学位を持った
人材の不足である。米国では今後の世界で特に必要とな
アメリカの景気回復と雇用市場の変化
、テクノロジー(Technology)
、エ
る学位を科学(Science)
米国労働省統計局の発表によれば、2 0 1 3 年の米国の
、数学(Mathematics)の頭
ンジニアリング(Engineering)
雇用は僅かながらも引き続き上昇の傾向にあり、昨年よ
文字を取って STEM 学位と呼び、大学で STEM 学位取得
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
47
を目指す学生は年々増え続けている。しかし、2012 年 2
そこで、今後のアメリカの発展、経済成長に不可欠な人
月に大統領に提出された科学テクノロジー顧問委員会の報
材にとって、魅力的、効果的、現実的なシステムに移民
2020年代に必要とされるSTEM学位取得者は、
告によれば、
法を改正しよう、というのが今回の改正の趣旨になって
現状のままであれば100万人以上が不足するという。更に、
いる。オバマ大統領は
「卒業証書にグリーンカードを貼り
そのうちの 92% は修士号以上を必要とするであろうこと
付ける」という表現で、その必要性をアピールした。
も紹介されている。今回の移民法改正案は、この問題が重
視されている。
更に、上院から提出された移民法改正案には、アメリ
カでの事業設立者に対するビザの新設案も盛り込まれて
同報告によれば、修士号以上の米国の STEM 学位取
いる。インターネットで急激にグローバル化している世
得者は、1 0 人のうち 4 人が外国人だという。また、米
界の傾向を受け、新種のビジネスにとって、アメリカに
国教育省の全国教育統計センター(National Center for
基盤を置くことが魅力となることにも焦点が当てられて
Education Statistics)による 2 5 〜 3 4 才の若者を対象とし
いる。
た 2 0 1 0 年度統計では、STEM 学位保持者は生来の米国
民で 2 5 . 3 %、市民権獲得者では 3 7 . 8 % だが、米国市民
当地日系企業の経営課題̶ 法務
権を持たない層では 5 2 . 3 % となっている。ビジネスの学
もちろん、仕事が外国人に取られてしまう、外国人に高
位を加えると、生後に市民権を獲得した層が 6 3 %、市民
スキル高給与の職が移行してしまうという反対意見はある
権を持たない層の大卒者は 7 1 % が STEM 又はビジネス
が、求職者に対する需要と供給のバランスをとる算出法も
学位を持っていることになり、いずれも生来の米国民の
既に開発が進んでおり、これまでと同様に、アメリカ人よ
4 5 . 3 % を大きく上回っている。STEM 系学部の多いイリ
りも低賃金での雇用などは禁じられる。また、ボストンで
ノイ工科大学(Illinois Institute of Technology)は、2 0 1 0
のテロ事件も移民法改正にブレーキをかけたが、今回の移
年度秋の統計(US News & World Report)で全学生の
民法改正にはテロ対策用の設備開発計画等も含まれると言
2 0 % を留学生が占め、留学生率の高さで全国第二位にラ
われている。
ンクされているが、2 0 1 3 年現在の Internationalstudent.
全体として、今回の移民法改正は、国防目的による移民
com の情報では、全学生の 3 8 . 1 % が留学生になっている。
縮小よりも、高スキル高学位の外国人を含め、アメリカの
ところが、米国の移民法は、高スキル、高学位によっ
産業、経済を活性化する外国人の獲得が焦点になると見ら
て外国人の雇用機会が増えるシステムにはなっていない。
れている。具体的には、H-1B ビザ上限数の拡大、永住権
唯一、この層を対象にしている H- 1 B ビザは、近年の不
審査の優先迅速化などが挙げられており、視野を将来的な
景気から発行上限数が落ち込んだため、申請者の多くが
発展に広げた傾向が目立つ。日系企業にとっても、注目す
受付の時点ではじかれているのが現状である。また、仮
べき改正法となることが予想されている。
に企業が H- 1 B ビザによって高スキル、高学位の従業員
を得ても、ビザ失効と共に帰国するシステムでは、アメ
リカでの学識、
実務経験が6年後には外国に流れてしまう。
48
まとめ
中西部の社会・経済指標
経済関連
執筆者 :
日笠 絋
在シカゴ日本国総領事館
CONSULATE GENERAL OF JAPAN AT CHICAGO
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広報文化センター
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在留届 : 海外で日本人が思わぬ災害や事件・事故に巻き込まれるケースが増えています。シカゴ総領
事館管内に 3 ヶ月以上滞在される方は、在留届を忘れずに届出して下さい(用紙は HP で download 可)
(ご希望の方には緊急情報 e-mail サービスを提供)。
在外選挙人登録 : 海外にお住まいの日本人の方も日本の国政選挙で投票出来ます。在外選挙人証をお
持ちでない方はお早めに登録申請願います(当館窓口又は領事出張サービスでも登録可)。
その他業務 : 各種証明、戸籍・国籍に関する各種届出、旅券事務、日系企業支援、日本関連広報活動、
中西部の経済情報・安全情報・文化行事情報提供等。
中西部 12 州は、北米大陸のほぼ中央に位置し、面積、人口、域内総生産でそれぞれ全米の約 2 割を占めている。
表 1 : 面積(含む水域)
00 年、単位 : 千 km2
全米
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
9 ,827
2 ,129
150
94
251
116
170
146
213
225
181
200
183
200
全米シェア
-
21 .7 %
1 .5 %
1 .0 %
2 .6 %
1 .2 %
1 .7 %
1 .5 %
2 .2 %
2 .3 %
1 .8 %
2 .0 %
1 .9 %
2 .0 %
順位
-
-
25
38
11
34
23
26
15
12
21
16
19
17
全米
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
313 ,914
67 ,315
12 ,875
6 ,537
9 ,883
11 ,544
5 ,726
3 ,074
2 ,886
5 ,379
6 ,022
1 ,856
700
833
全米シェア
-
21 .4 %
4 .1 %
2 .1 %
3 .1 %
3 .7 %
1 .8 %
1 .0 %
0 .9 %
1 .7 %
1 .9 %
0 .6 %
0 .2 %
0 .3 %
順位
-
-
5
16
9
7
20
30
33
21
18
37
48
46
中西部の社会・経済指標
基本指標
出典 : 商務省「U.S. Census Bureau」
表 2 : 人口
12 年 7 月 1 日現在推計、単位 : 千人
出典 : 商務省「U.S. Census Bureau」
表 3 : GDP
名目、11 年、単位 : 億ドル
全米
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
149 ,810
30 ,585
6 ,707
2 ,781
3 ,852
4 ,840
2 ,548
1 ,490
1 ,309
2 ,817
2 ,495
942
403
401
構成比
-
20 .4 %
4 .5 %
1 .9 %
2 .6 %
3 .2 %
1 .7 %
1 .0 %
0 .9 %
1 .9 %
1 .7 %
0 .6 %
0 .3 %
0 .3 %
順位
-
-
5
17
13
8
21
30
31
16
22
37
47
48
出典 : 商務省「Bureau of Economic Analysis」
表 4 : 1 人当たり個人所得
順位
12 年、単位 : ドル
全米
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
42 ,693
44 ,815
36 ,902
37 ,497
39 ,289
40 ,537
42 ,126
41 ,835
46 ,227
39 ,049
43 ,143
51 ,893
43 ,659
-
17
40
36
31
27
23
25
13
32
21
7
19
出典 : 商務省「Bureau of Economic Analysis」
表 5 : 失業率
2010
単位 : %
全米
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
9 .6
10 .4
10 .1
12 .7
10 .0
8 .5
6 .3
7 .1
7 .4
9 .3
4 .7
3 .8
5 .1
2011
8 .9
9 .7
9 .0
10 .4
8 .6
7 .5
5 .9
6 .5
6 .5
8 .4
4 .4
3 .5
4 .8
2012
8 .1
8 .9
8 .4
9 .1
7 .2
6 .9
5 .2
5 .7
5 .6
6 .9
3 .9
3 .1
4 .4
-
41
36
44
25
19
5
10
9
19
2
1
3
順位
出典 : 労働省 「Bureau of Labor Statistics」
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
49
在留邦人数
中西部 12 州の在留邦人数については、近年増加のスピードが緩やかになってきている。
表 6 : 在留邦人数の推移
単位 : 人
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
1970
1 ,516
221
1 ,239
1 ,141
118
129
137
132
354
120
13
25
1980
2 ,513
381
1 ,980
1 ,380
209
178
202
259
459
154
15
35
1990
4 ,443
771
6 ,184
5 ,323
406
252
301
486
641
238
34
46
2000
13 ,370
4 ,110
7 ,277
6 ,712
1 ,601
714
869
2 ,064
1 ,704
612
105
140
2005
13 ,160
3 ,970
10 ,176
7 ,521
1 ,572
891
962
2 ,039
1 ,959
1 ,089
98
147
2011
13 ,914
5 ,249
10 ,360
8 ,087
2 ,046
1 ,168
1 ,278
2 ,918
2 ,445
1 ,094
150
218
出典 : シカゴ総領事館、デトロイト総領事館調べ 注 : 1970 年の欄の MI、OH のデータは、1969 年の数値。
産業構造
各州の産業構造は、製造業の割合が高い州が目立つ。また、農林水産業の割合が高い州も多い。12 州のGDP(名目、
中西部の社会・経済指標
2010 年)は製造業全体で全米の約 3 割を占め、特に、自動車関連では約 6 割、粗鋼、機械、電気機器では 3 〜 4 割を占める。
表 7 : 各州の主な産業構造(GDP)
全産業
農林水産
製造
構成比
構成比
名目 GDP、10 年、単位 : 億ドル
全米
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
144,166
6 ,468
2 ,673
3 ,684
4 ,669
2 ,457
1 ,409
1 ,261
2 ,708
2 ,434
901
357
382
1 ,570
55
38
33
35
44
77
46
69
34
63
32
35
1 .1 %
0 .9 %
1 .4 %
0 .9 %
0 .7 %
1 .8 %
5 .5 %
3 .6 %
2 .5 %
1 .4 %
7 .0 %
9 .0 %
9 .2 %
17 ,020
796
691
544
739
461
257
174
368
299
104
26
33
11 .8 %
12 .3 %
25 .9 %
14 .8 %
15 .8 %
18 .8 %
18 .2 %
13 .8 %
13 .6 %
12 .3 %
11 .5 %
7 .3 %
8 .6 %
出典 : 商務省「Bureau of Economic Analysis」
表 8 : 各州別の製造業の全米シェア
名目 GDP、10 年、単位 : 億ドル
全米 12州計
全製造業
粗鋼
機械
電気機器
自動車関連
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
4 ,492
796
691
544
739
461
257
174
368
299
104
26
33
- 26 .4 %
4 .7 %
4 .1 %
3 .2 %
4 .3 %
2 .7 %
1 .5 %
1 .0 %
2 .2 %
1 .8 %
0 .6 %
0 .2 %
0 .2 %
16
62
23
44
9
6
1
4
6
1
0 .03
0 .3
5 .3 % 10 .2 %
2 .1 %
1 .4 %
0 .2 %
0 .9 %
1 .4 %
0 .2 %
0 .0 %
0 .1 %
17 ,020
全米シェア
432
全米シェア
172
- 39 .9 %
1 ,397
全米シェア
162
54
60
71
75
65
16
33
26
12
8
6
- 42 .1 % 11 .6 %
588
3 .9 %
4 .3 %
5 .1 %
5 .4 %
4 .7 %
1 .1 %
2 .4 %
1 .9 %
0 .9 %
0 .6 %
0 .4 %
442
全米シェア
150
27
8
18
32
28
6
4
9
16
1
0 .1
0 .5
- 33 .8 %
6 .1 %
1 .8 %
4 .1 %
7 .2 %
6 .3 %
1 .4 %
0 .9 %
2 .0 %
3 .6 %
0 .2 %
0 .0 %
0 .1 %
15
81
148
45
11
6
4
3
26
3
1
1
2 .7 % 14 .8 % 27 .0 %
8 .2 %
2 .0 %
1 .1 %
0 .7 %
0 .5 %
4 .7 %
0 .5 %
0 .2 %
0 .2 %
548
全米シェア
3 .7 % 14 .4 %
SD
344
- 62 .8 %
出典 : 商務省「Bureau of Economic Analysis」
穀物生産
中西部 12 州は、米国を代表する穀倉地帯であり、トウモロコシ、大豆では全米生産の約 8 割以上のシェアを占める。
12 年・単位 : 百万ブッシェル
表 9 : トウモロコシ生産量
全米
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND*
10 ,780
9 ,176
1 ,286
597
318
449
399
1 ,877
379
1 ,374
248
1 ,292
422
535
全米シェア
-
85 .1 %
11 .9 %
5 .5 %
2 .9 %
4 .2 %
3 .7 %
17 .4 %
3 .5 %
12 .7 %
2 .3 %
12 .0 %
3 .9 %
5 .0 %
順位
-
-
2
5
11
7
10
1
9
2
12
3
8
6
SD*
出典 : 農務省 「Crop Production」 2013 年 1 月推計
12 年・単位 : 百万ブッシェル
表 10 : 大豆生産量
全米
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
3 ,015
2 ,434
384
224
86
206
71
414
84
301
155
207
161
141
全米シェア
-
80 .7 %
3 .6 %
2 .1 %
0 .8 %
1 .9 %
0 .7 %
3 .8 %
0 .8 %
2 .8 %
1 .4 %
1 .9 %
1 .5 %
1 .3 %
順位
-
-
2
4
12
6
14
1
13
3
8
5
7
9
出典 : 農務省 「Crop Production」 2013 年 1 月推計
50
日系企業の進出状況
中西部 12 州には、製造業を中心に 2 千を超える日系事業所が進出しており、約 21 万人の雇用を生み出している。中
西部の日系企業は,事業所数で 64 %、従業員数で 91 % と製造業が中心となっており、特に自動車・同部品は事業所
数で 22 %、従業員数で 59 % を占めている。
表 11 : 日系事業所数
単位 : 事業所
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
2009
2 ,051
619
217
484
388
54
47
35
72
80
40
6
9
2010
2 ,071
601
212
497
422
53
47
35
71
76
42
6
9
2011
2 ,080
603
213
480
420
56
50
40
76
83
43
6
10
2012
2 ,041
590
203
481
423
53
45
40
71
81
40
5
9
出典 : シカゴ総領事館、デトロイト総領事館調べ
表 12 : 事業所数の産業セクター別シェア(2012 年)
出典 : シカゴ総領事館、デトロイト総領事館調べ
೔દࣞ!
౿ഢࣞ
金融0။ঃ0࿤຦દ!3&
৙੼࡙‫!ޟ‬5&
஬ࣞ27&
౼დ࡙‫!ޟ‬5&
中西部の社会・経済指標
๝࡜0๝ા!8&
८ಡࣞ!1&
ȷɈ഼࡙‫!ޟ‬8&
਋ࣞ!1&
౿ഢࣞ
75&
૵຦ଠ/
ວင࿚
33&
ʍĜʫʑࣞ!7&
ʗɼʼ0ʌʸ!2&
ࣸമ0์਍!3&
఍࿚!2&
༔ᆹ౉દࣞ!4&
‫!ߔݛ‬21&
‫ۿ‬ᄪ0ೲঝࣞ!7&
ᄞ࿚!2&
ȷɈ഼!3&
ȷɈ഼!7&
表 13 : 日系事業所従業員数
単位 : 人
12 州計
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD
2009
181,690
35 ,010
38 ,200
32 ,109
56 ,041
2 ,210
4 ,400
1 ,150
4 ,480
4 ,900
2 ,750
220
220
2010
183 ,900 35 ,180
39 ,470
32 ,293
55 ,737
2 ,180
4 ,470
1 ,190
4 ,610
4 ,830
3 ,470
250
220
2011
192 ,933 36 ,120
42 ,610
33 ,190
57 ,883
2 ,440
4 ,590
1 ,380
5 ,210
5 ,660
3 ,390
260
200
2012
206 ,404 38 ,340
43 ,950
35 ,554
65 ,690
2 ,510
4 ,710
1 ,420
4 ,220
5 ,830
3 ,760
230
200
出典 : シカゴ総領事館、デトロイト総領事館調べ
表 14 : 従業員数の産業セクター別シェア(2012 年)
出典 : シカゴ総領事館、デトロイト総領事館調べ
ࣸᅃ0။ঃ0࿤຦દ!2&
೔દࣞ!
౿ഢࣞ
๝࡜0๝ા!6&
৙੼࡙‫!ޟ‬2&
८ಡࣞ!1&
౼დ࡙‫!ޟ‬4&
஬ࣞ!5&
਋ࣞ!1&
ʍĜʫʑࣞ!2&
༔ᆹ౉દࣞ!2&
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౿ഢࣞ
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૵຦ଠ0
ວင࿚
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ʗɼʼ0ʌʸ!4&
ࣸമ0์਍!3&
఍࿚!3&
‫!ߔݛ‬5&
‫ۿ‬ᄪ0ೲঝࣞ!3&
ȷɈ഼!2&
ᄞ࿚!4&
ȷɈ഼!5&
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
51
各州対日輸出額
2010 年以降はほとんどの州で増加している。日本は引き続き各州の主要な輸出相手先に留まっている。
表 15 : 各州対日輸出額
2010
2011
2012
単位 : 百万ドル
全米
IL
IN
MI
OH
WI
IA
KS
MN
MO
NE
ND
SD 12州計
60 ,486
1 ,841
1 ,197
1 ,240
1 ,343
731
852
586
1 ,133
596
437
30
52 10 ,038
4
7
6
5
6
5
3
3
3
5
3
11
65 ,706
2 ,041
1 ,289
1 ,337
1 ,476
736
976
665
1 ,310
591
537
31
日本の順位
4
8
4
5
7
6
3
3
3
5
3
14
70 ,046
2 ,180
1 ,750
1 ,392
1 ,551
863
892
743
1 ,180
651
468
34
4
7
5
6
6
5
3
4
4
5
4
10
日本の順位
日本の順位
4
-
55 11 ,044
4
-
55 11 ,759
4
-
出典 : 商務省 The Office of Trade and Industry Information, Manufacturing and Services, International Trade Administration
中西部主要政治家リスト
中西部の社会・経済指標
13 年 5 月 17 日現在
イリノイ州
アイオワ州
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
次期選挙
Richard Durbin
民主
1997
2014
Mark Kirk
共和
2010
2016
連邦下院議員(定員 19 名 : 民主 8・共和 11)
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
Chuck Grassley
共和
1981
次期選挙
2016
Tom Harkin
民主
1985
2014
選挙区
氏名
政党
就任
連邦下院議員(定員 5 名 : 民主 3・共和 2)
1.
Bobby L. Rush
民主
1993
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Bruce Braley
民主
2007
2.
Robin Kelly
民主
2013
3.
Daniel Lipinski
民主
2005
2.
David Loebsack
民主
2007
3.
Tom Latham
共和
1995
Steve King
共和
2003
4.
Luis Gutierrez
民主
1993
5.
Mike Quigley
民主
2009
4.
6.
Peter J. Roskam
共和
2007
州知事
7.
Danny K. Davis
民主
1997
氏名
政党
就任
次期選挙
2013
Terry Branstad
共和
2011
2014
次期選挙
8.
Tammy Duckworth
民主
9.
Jan Schakowsky
民主
1999
主要都市市長
10 .
Brad Schneider
民主
2013
氏名
政党
就任
11 .
Bill Foster
民主
2013
デモイン : Frank Cownie
民主
2004
2016
シェダー・ラピッズ : Ron Corbett
共和
2010
2016
次期選挙
12 .
William Enyart
民主
2013
13 .
Rodney Davis
共和
2013
14 .
Randy Hultgren
共和
2011
15 .
John Shimkus
共和
1997
16 .
Adam Kinzinger
共和
2011
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 0・共和 2)
17 .
Cheri Bustos
民主
2013
氏名
政党
就任
18 .
Aaron Schock
共和
2009
Pat Roberts
共和
1997
2014
Jerry Moran
共和
2011
2016
州知事
氏名
政党
就任
次期選挙
Pat Quinn
民主
2009
2014
主要都市市長
カンザス州
連邦下院議員(定員 4 名 : 民主 0・共和 4)
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Tim Huelskamp
共和
2011
氏名
政党
就任
次期選挙
2.
Lynn Jenkins
共和
2009
シカゴ : Rahm Emanuel
民主
2011
2015
3.
Kevin Yoder
共和
2011
スプリングフィールド: Michael Houston
共和
2011
2015
4.
Mike Pompeo
共和
2011
州知事
氏名
政党
就任
次期選挙
Sam Brownback
共和
2011
2014
次期選挙
主要都市市長
52
氏名
政党
就任
ウィチタ : Carl Brewer
民主
2007
2015
オーバーランドパーク : Carl Gerlach
共和
2005
2013
ミズーリ州
インディアナ州
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 0・共和 2)
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
次期選挙
氏名
政党
就任
Joe Donnelly
民主
2013
2018
Claire McCaskill
民主
2007
2018
Daniel Coats
共和
2011
2016
Roy Blunt
共和
2011
2016
連邦下院議員(定員 9 名 : 民主 3・共和 6)
次期選挙
連邦下院議員(定員 9 名 : 民主 3・共和 6)
選挙区
氏名
政党
就任
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Peter J. Visclosky
民主
1985
1.
William Lacy Clay, Jr.
民主
2001
2.
Jackie Walorski
共和
2013
2.
Ann Wagner
共和
2013
3.
Marlin Stutzman
共和
2010
3.
Blaine Luetkemeyer
共和
2009
4.
Todd Rokita
共和
2011
4.
Vicky Hartzler
共和
2011
5.
Susan Brooks
共和
2013
5.
Emanuel Cleaver
民主
2005
6.
Luke Messer
共和
2013
6.
Sam Graves
共和
2001
7.
Andre Carson
民主
2008
7.
Billy Long
共和
2011
Vacant*
8.
Larry Bucshon
共和
2011
8.
9.
Todd Young
共和
2011
州知事
州知事
氏名
政党
就任
次期選挙
Jay Nixon
民主
2009
2016
政党
就任
次期選挙
無所属
2011
2015
2001
2017
次期選挙
氏名
政党
就任
次期選挙
Mike Pence
共和
2013
2016
氏名
政党
就任
次期選挙
カンザスシティー : Sly James
インディアナポリス: Gregory A. Ballard
共和
2008
2015
セントルイス : Francis G. Slay
民主
フォート・ウェイン : Tom Henry
民主
2008
2015
氏名
ネブラスカ州
ミネソタ州
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 2・共和 0)
氏名
政党
就任
次期選挙
Amy Klobuchar
民主
2007
2018
Al Franken
民主
2009
2014
連邦下院議員(定員 8 名 : 民主 4・共和 4)
選挙区
氏名
政党
氏名
政党
就任
Deb Fischer
共和
2013
2018
Mike Johanns
共和
2009
2014
連邦下院議員(定員 3 名 : 民主 0・共和 3)
選挙区
氏名
政党
就任
就任
1.
Jeff Fortenberry
共和
2005
1.
Tim Walz
民主
2007
2.
Lee Terry
共和
1999
2.
John Kline
共和
2003
3.
Adrian Smith
共和
2007
3.
Erik Paulsen
共和
2009
州知事
4.
Betty McCollum
民主
2001
氏名
政党
就任
次期選挙
5.
Keith Ellison
民主
2007
Dave Heineman
共和
2005
2014 **
6.
Michele Bachmann
共和
2007
主要都市市長
次期選挙
7.
Collin Peterson
民主
1991
氏名
政党
就任
8.
Rick Nolan
民主
2013
オマハ : Jean Stothert
共和
2013 ***
2017
リンカーン : Chris Beutler
民主
2007
2015
次期選挙
州知事
氏名
政党
就任
次期選挙
Mark Dayton
民主
2011
2014
主要都市市長
ノースダコタ州
氏名
政党
就任
次期選挙
ミネアポリス : R. T. Rybak
民主
2002
2013
セントポール : Chris Coleman
中西部の社会・経済指標
主要都市市長
主要都市市長
民主
2006
2013
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
Heidi Heitkamp
民主
2013
2018
John Hoeven
共和
2011
2016
連邦下院議員(定員 1 名 : 民主 1・共和 0)
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Kevin Cramer
共和
2013
州知事
氏名
政党
就任
次期選挙
Jack Dalrymple
共和
2010
2016
次期選挙
主要都市市長
氏名
政党
就任
ファーゴ : Dennis Walaker
民主
2006
2014
ビスマルク : John Warford
共和
2002
2014
*2013 年 6 月選挙 ** 州憲法上の再選規制により、本人は次の選挙には出馬しない。 ***2013 年 6 月就任
Japanese Chamber of Commerce and Industry of Chicago
53
ウィスコンシン州
サウスダコタ州
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
次期選挙
氏名
政党
就任
Tim Johnson
民主
1997
2014
Tammy Baldwin
民主
2013
2018
John Thune
共和
2005
2016
Ron Johnson
共和
2011
2016
連邦下院議員(定員 1 名 : 民主 0・共和 1)
次期選挙
連邦下院議員(定員 8 名 : 民主 3・共和 5)
選挙区
氏名
政党
就任
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Kristi Noem
共和
2011
1.
Paul Ryan
共和
1999
2013
2.
Mark Pocan
民主
氏名
政党
就任
次期選挙
3.
Ron Kind
民主
1997
Dennis Daugaard
共和
2011
2014
4.
Gwen Moore
民主
2005
5.
James Sensenbrenner
共和
1979
政党
就任
次期選挙
6.
Thomas Petri
共和
1979
州知事
主要都市市長
氏名
スーフォールズ : Mike Huether
共和
2010
2014
7.
Sean P. Duffy
共和
2011
ラピッドシティー : Sam Kooiker
共和
2011
2013
8.
Reid Ribble
共和
2011
州知事
オハイオ州
氏名
政党
就任
次期選挙
Scott Walker
共和
2011
2014
主要都市市長
中西部の社会・経済指標
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 1・共和 1)
氏名
政党
就任
次期選挙
Sherrod Brown
民主
2007
2018
Rob Portman
共和
2011
2016
氏名
政党
就任
次期選挙
ミルウォーキー : Tom Barrett
民主
2004
2016
マディソン : Paul Soglin
民主
2011
2015
次期選挙
連邦下院議員(定員 18 名 : 民主 5・共和 13)
選挙区
氏名
政党
就任
1.
Steven Chabot
共和
2011
ミシガン州
2.
Brad Wenstrup
共和
2013
連邦上院議員(定員 2 名 : 民主 2・共和 0)
3.
Joyce Beatty
民主
2013
氏名
政党
就任
4.
Jim Jordan
共和
2007
Carl Levin
民主
1979
2014
5.
Bob Latta
共和
2007
Debbie Stabenow
民主
2001
2018
6.
Bill Johnson
共和
2011
連邦下院議員(定員 15 名 : 民主 6・共和 9)
7.
Bob Gibbs
共和
2011
選挙区
氏名
政党
就任
8.
John A. Boehner
共和
1991
1.
Dan Benishek
共和
2011
2011
9.
Marcy Kaptur
民主
1983
2.
Bill Huizenga
共和
10 .
Michael Turner
共和
2003
3.
Justin Amash
共和
2011
11 .
Marcia Fudge
民主
2008
4.
Dave Camp
共和
1991
1977
12 .
Patrick J. Tiberi
共和
2001
5.
Dale E. Kildee
民主
13 .
Timothy Ryan
民主
2003
6.
Fred S. Upton
共和
1987
14 .
David Joyce
共和
2013
7.
Timothy Walberg
共和
2011
15 .
Steve Stivers
共和
2011
8.
Mike Rogers
共和
2001
16 .
Jim Renacci
共和
2011
9.
Sander M. Levin
民主
1983
10 .
Candice Miller
共和
2003
氏名
政党
就任
次期選挙
11 .
Kerry Bentivolio
共和
2013
John Kasich
共和
2011
2014
12 .
John D. Dingell
民主
1955
13 .
John Conyers, Jr.
民主
1965
14 .
Gary Peters
民主
2009
州知事
主要都市市長
氏名
政党
就任
次期選挙
クリーブランド : Frank Jackson
民主
2006
2013
州知事
コロンバス : Michael B. Coleman
民主
2000
2015
氏名
政党
就任
次期選挙
シンシナティ : Mark L. Mallory
民主
2005
2013
Rick Snyder
共和
2011
2014
主要都市市長
54
氏名
政党
就任
次期選挙
デトロイト : Dave Bing
民主
2009
2013
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2013 年版・中西部・イリノイ州の経済
2013 年 5 月
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