□地域に根ざした食と農のための農産物加工技術 野 菜 少し手間ひまかけて、手作りのイチゴジャムを いちごジャム(プレザーブタイプ) 野 菜 材料 いちご(へたをとったもの)・・・1kg グラニュー糖・・・300g レモン・・・50g 器具 ホーローまたはステンレスの鍋 木じゃくし ジャムを詰めるびん 作り方 1 ジャムを作る ① いちごはきれいに洗って、ざるにあけ、水気を切る。レモンはしぼっておく。 ② へたを取って鍋に入れ、レモン汁と2/3のグラニュー糖を上からふりかけ、30分 から1時間置く。 ③ ②を中火で煮る。沸騰して、アクが出てきたら、きれいに取り除く。 ④ 火力を中火弱にし、いちごの形を残したいので、木じゃくしで鍋底をなでるように混 ぜる。煮詰めが進み、適当なとろみが出たら、残りのグラニュー糖を入れ、焦げない ようにやさしく煮詰める。砂糖を入れると、またアクが出るので、きれいに取り除く。 ⑤ 水を入れたコップに煮詰まってきたジャムのシロップをすくって落とし、形が残って いればできあがり。 2 びんに詰めて保存する ① ジャムを詰めるびんやそのふたは、口を下にして鍋に入れ、徐々に100℃にしてい く。100℃になったら15分間、熱湯消毒する。 ② できあがったジャムは、熱いうちにびん詰めし、しっかりとふたを閉める。鍋に湯を 沸かし、沸騰したら、ふたを上にして15分間、熱湯消毒をする。 ③ 消毒が終ったびんは、鍋から出して、ふたを上にして冷ます。一晩置いてから、製造 年月日や品名を書き、冷蔵庫または冷暗所で保存する。 【ポイント・コツ】 ※いちごは、きれいに洗って、へたを取った状態で冷凍保存できます。 ※冷凍したいちごをジャムにするときは、前の晩から鍋にいちごをあけ、レモンとグラニ ュー糖をふりかけておくとよい。あとの作り方は同じです。 15 次ページに続く→ 野 菜 ※できあがったときに、びんの中で白い膜となって固まるのを防ぐため、アクは最後まで しっかり取ってください。 ※色、つや、香りをよくするには、少量の材料を手早く煮上げることがこつです。 ひとことメモ プレザーブとは・・・ ジャムよりも砂糖を控えて果物の原形を多く残して煮たものを “プレザーブ”といいます。パンにつけて食べてもよいですが、 ヨーグルトやアイスクリームなどに添えてもおいしいです。 →ジャムについては34ページの【まめ・ちしき】でも説明 しています。 いちごは野菜に分類 一般的にフルーツとして扱われているいちごですが、植物学に基づいて考えると「野菜」 に分類されます。メロンやスイカなども同様に分類されています。 16 栗など季節の味覚を使ってアレンジも いちご大福 野 菜 材料(10個分) 白玉粉・・・80g さとう・・・70g いちご・・・10個 こし餡・・・250g 水あめ・・・10g 水・・・150cc 片栗粉(打ち粉)・・・適量 作り方 ① いちごは洗って、へたを取り、水気を切っておく。 ② 洗ったいちごの下半分を餡で包んで、お皿に置いておく(へたを取った方を下向 きにして、とんがった方が見えるように包む)。 ③ 白玉粉を耐熱ボールに入れ、水を少しずつ注ぎながらよく混ぜて、白玉粉が溶け たら、ふるったさとうを加え、ザラザラがなくなるまでよく混ぜる。 ④ ③をレンジ(500W)で1分30秒加熱して、ゴムべらでよく混ぜる。もう一 度、1分加熱してよく混ぜた後、水あめを加えてよく混ぜる。その後、1分加熱 し、よく混ぜた後、さらに30秒加熱し、生地がボールの中いっぱいに膨らんだ ら、よく混ぜる(ぎゅうひが完成)。 ⑤ バットに片栗粉をたっぷり敷き、熱いうちに、④の生地をあけ、その上からも片 栗粉を十分にまぶし、10等分に切り分けられるよう筋目を入れておく。その後、 筋目に従って、一つずつスプーンで切り離し、片栗粉をまぶして、生地を広げる (熱いので気をつけてください)。 ⑥ 生地がつかないように手に片栗粉を付け、広げた生地を手に乗せ、②をあんが上、 いちごが下になるように生地の上にのせ、クルクルと丸め込み、きれいに形を整 えればできあがり。 【ポイント・コツ】 ※④の最後の30秒で、生地がボールの中いっぱいに広がらない場合、まだ生煮えな ので、30秒くらいを目安に加熱を追加してみてください。 ※生地は中央を厚めに、外側を薄めに広げると、餡を包んだときに均一に仕上がりま す。 ※こし餡を白餡に代えて、また、いちごを入れずにつぶ餡で大福に。いちごの代わり に栗を入れるなど、季節の味覚としていろいろなバリエーションで楽しむことがで きます。 17 完熟割れトマトを使って 素材まるごと100%トマトジュース 野 菜 材料(できあがり量365g前後) 器具 ホーローまたはステンレスの鍋、フード トマト(へたをとったもの) カッターまたはジューサー、目の細かい ・・・正味1kg ざる、すりこぎ棒、うちわ、ジュースを 塩・・・小さじ1/3 入れるびん(ふたが金属のねじ式のも レモン汁・・・小さじ1(お好みで) の)、びんを消毒する鍋 作り方 ① トマトは水洗いする。 ② へたを取り、果実が割れて黒くなっているところをしっかりきれいにとる。 ③ 適当な大きさにカットして、フードカッターにかける。 ④ 鍋に③を入れ、アクを取りながら加熱させ、100℃まで沸騰させる。 ⑤ ④を熱いうちに目の細かいざるとすりこぎ棒を使って、皮や種を裏ごしして、ジ ュースだけにする。 ⑥ ジュースに塩とレモン汁を加える。無塩のトマトジュースもあるので、入れなく てもかまわない(お好みで調整を)。 ⑦ ⑥を再加熱し、17分間程度沸騰した状態を維持する。この時間が短いと分離し てしまうので、しっかり加熱をする。沸騰時は猛烈に泡立ち、そのままだと吹き こぼれてしまうので、うちわであおいで泡を消しながら、アクを取り続ける。と ろみが出てきて、「飲むトマト」という感じになる。 ⑧ びん詰めにするびんとふたは、びんを消毒する鍋に水から入れて徐々に100℃ にして15分の熱湯消毒を行う。びんの口のジュースの汚れは、カビの発生を招 くのでふき取る。 ⑨ ジュースの入ったびんを再び熱湯に入れ、100℃で15分熱湯殺菌する。 ⑩ 自然に冷まし、翌日、冷蔵庫に入れ保存する。 【ポイント・コツ】 ※失敗しないために、①果実の割れ目をきれいに取る、②ジュースが分離しないよう 加熱を2度行うが2回目の加熱は沸騰17分程度を守る。また、アクは最後まで取 り続ける、③びんの消毒と同時にジュースもできるようにし、熱いうちにびんに詰 める、といった点に注意してください。 参考資料:農文協「小池芳子の手作り食品のコツ」 18 手軽に作るなら、こちらを参考に トマトジュース 野 菜 材料 トマト・・・1kg(中約10個) 塩・・・2~2.5g 作り方 ① トマトは水洗いして、へたを取り、ざく切りにする。 ② 鍋でトマトがドロドロになるまで焦がさないように煮る。 ③ 裏ごし器でこして、種と皮を取り除き、ジュース状にする。 ④ 塩を加え、加熱する。 ⑤ 熱いまま、保存びんにつめ、手早くふたをする。 ⑥ 熱湯の中にびんごと浸し、30分ほど加熱し、30分以上冷ましたら、流水でさ らに冷やして冷暗所で保管する。 【ポイント・コツ】 ※濃厚なので、料理にも利用できます。 ※1年くらい保存が可能なので、旬の時期に作り置きすることもできます。 ひとことメモ トマトの上手な保存方法は 鮮度の良いものは、暑い時期を除いて1週間程度、 熟したものは冷蔵庫で2~3日は持ちます。赤く完熟 したトマトは、ポリ袋に入れて、冷蔵庫(2℃)で保 存すれば、熟しすぎが抑えられます。緑色が残ってい るものは常温で熟成させてから冷蔵庫に入れるとよいで しょう。 19 暑いときは、冷蔵庫でひんやり冷やして 野 トマトのコンポート 菜 材料 トマト・・・中6個 みりん・・・600ml 作り方 ① トマトはへたを取り除き、へたと反対の上側を爪楊枝でツンとついて、一か所、 穴を開ける。 ② ③ 熱湯で10秒弱、トマトを温める(皮が裂けるまで浸す)。 トマトをざるに上げ、冷水で冷やしながら皮をむく(おもしろいくらい、つるん と皮がむける)。 ④ 鍋にみりんを入れ、煮立ててアルコール分を飛ばし、湯むきしたトマトを重なら ないように並べる。 ⑤ 始めに中火にして煮立ってきたら、弱火で20~25分くらい煮て火を止める。 ⑥ そのままおいて、粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やしてできあがり。 【ポイント・コツ】 ※トマトを煮る鍋が大きすぎると、トマトにみりんが被らなくなるので、なるべくぴ ったり入るものを用意してください(少し大きい鍋の場合は、みりんを足して調節 してください)。 ※盛り付けのとき、ミントなどのハーブを飾るとかわいくなります。 ※残ったシロップでゼリーを作ったり、そのままでもおいしく食べることができます。 ぜひ、お試しください。 ひとことメモ コンポート(compote)は、基本的には果物を丸ごと(もしくはカットして)、薄い砂糖水 で、形をくずさないように煮て作られるヨーロッパ伝統の果物の保存食であり、デザートで す。煮汁にシナモンやバニラ、リキュールなどを加えることもあります。 20 ミョウバンを使って色よく漬ける なすの水漬 野 菜 材料 なす・・・使う容器によって本数の調整を 漬け汁(水1ℓ、塩100g、さとう120~150g、 ミョウバン大さじ1/2強) 器具 漬物容器(コーヒーの空きびんなどガラス製のもの)、 ネットに入れたビー玉など(重石代わり) 作り方 ① 鍋に漬け汁用の調味料を入れ、ひと煮立ちさせてから冷ます。 ② なすを押しながら、容器に隙間なくつめる。 ③ なすが隠れるまで漬け汁を注ぎ、なすが浮かないようにネットに入れたビー玉な どで抑える。 ④ ふたをしっかり閉め、6~8時間そのままにしておく。 ⑤ 冷蔵庫の野菜室に入れて、1日目くらいから好みの漬かり具合で食べる。 【ポイント・コツ】 ※容器を熱湯または35度の焼酎で消毒してください。 ひとことメモ なすの紫はナスニンの色 なすのきれいな紫、その独特の色から「なす紺」という言葉が生まれました。この色は アントシアニンの一種ナスニンという色素によるもの。鉄やアルミニウムなどの金属と反 応すると、鮮やかな黒紫色になります。漬け物にするとき、古くぎやみょうばんを入れる のはこのためです。 21 しょうがと一緒に漬けて、さっぱりと きゅうちゃん漬 野 菜 材料 きゅうり・・・1kg しょうが・・・適宜 調味料(酢100cc、ざらめ糖150~180g、しょうゆ400cc) ※味にパンチをきかせたいときは鷹の爪を入れる 作り方 ① きゅうりは洗って、1cmの輪切りにする。しょうがは皮をむいて千切りにす る。 ② 大き目の鍋に調味料を入れ、ひと煮立ちしたら火を止めて、すぐにきゅうりと しょうがを入れてふたをして冷ます。 ③ 冷めたら、別のなべにざるをのせて②をあけ、漬け汁ときゅうりを分ける。 ④ 漬け汁をもう一度火にかけて煮立て、アクをとりながら5分ほど煮詰めて火を 止める。そこにきゅうりを再び入れてふたをする。 ⑤ 冷めたら、ふたのある容器などに漬け汁ごときゅうりを入れ、冷蔵庫で保存す る。 【ポイント・コツ】 ※きゅうりがたくさん取れる時期に作って、冷蔵庫で保存しておくと重宝します。 22 ピリッとしておいしい きゅうりのからし漬 野 菜 材料 用意するもの ジッパー付きビニール袋 きゅうり・・・1kg 調味料(塩30g、さとう80g、 からし10g) 作り方 ① きゅうりは洗って、両端を切り落とす。 ② ビニール袋にきゅうりを入れて、調味料を振りかけて入れる。 ③ 袋の空気を少し抜いてジッパーを閉めてから、調味料を全体によくまぶす。 ④ 冷蔵庫に入れ、好みの漬け加減で食べる。 【ポイント・コツ】 ※塩分が強くなるので、漬け汁は捨ててください。 ひとことメモ きゅうりの表面についている白い粉は・・・ きゅうりの表面に白い粉のようなものを見たことがありますか? それは「ブルー ム」といい、表面を保護するろう物質です。以前、ブルームはきゅうりの新鮮さの証拠 と言われていました。ところが、ブルームがないと表面に光沢が出ることや白い粉が農 薬と勘違いされるなどして、ブルームレスが主流になり、市場を独占するようになりま した。しかし、最近、ブルームの出るきゅうりが出回り始めています。ブルームの出る きゅうりは、皮が薄く、食べた時にパリッとした食感が楽しめるそうです。見かけたら、 ぜひ、食べてみてください。 23 お正月のおせちのはし休めなどに 野 だいこんのゆず巻き 菜 材料 青首大根・・・太めのもの1本 酢・・・500cc ゆず・・・大4個(皮のみ) さとう・・・250g 塩・・・少々 作り方 ① だいこんをよく洗い、皮はむかずにおよそ2.5~3mmくらいの厚さにそろえ てスライスする。 ② スライスしただいこんを大きな干しざるに、1枚1枚ていねいに広げて両面を干 す。 ③ 鍋に酢、さとう、塩を入れ、一煮立ちさせてから冷まし、合わせ酢を作る。 ④ ゆずをよく洗い、包丁で縦に4か所切れ目を入れて、それに沿って皮をむく。 ⑤ ボールいっぱいに水を入れ、ゆずの皮を30分程度浸し、あく抜きをし、水気を よく拭き取って、斜めに千切りをする。 ⑥ 大きめのふた付き容器を用意し、干しただいこんに千切りのゆずを三本くらいの せ、クルクルと巻き、容器に並べていく。 ⑦ しっかり冷ました合わせ酢を並んだゆず巻きの上にひたひたになるまで、まんべ んなく注ぎ入れる。 ⑧ 冷蔵庫に容器ごと入れて漬けこめばできあがり。1週間から10日ごろが食べご ろ。 【ポイント・コツ】 ※だいこんは天気のよい日中に3時間天日に干し、さらに裏返して、3時間天日干し するとちょうどよい感じになります。 ※用意したゆずが肉厚の場合は1本減らすなどして工夫してみてください。 ※見た目も上品に仕上がります。お正月のおせちのはし休めなどのおもてなしに、我 が家ではたいへん喜ばれています。ぜひ、お試しください。 24 定番のお漬物を手作りしてみませんか たくあん漬 野 菜 材料 干しだいこん・・・10kg 米ぬか・・・2kg 塩・・・400g(だいこんの重さの4%) 作り方 1 下準備 ① だいこんはきれいに洗って、日当たりの良いところで1週間から10日くらい 干す。一緒にだいこんの葉も干しておく。雨がかからないよう注意する。 ② 2 漬物用容器はきれいに洗って、日光にあてて消毒しておく。 漬け込み ① 米ぬかと塩を合わせておく。 ② 容器に①の米ぬかとだいこんを交互に詰める。 ③ 最後の米ぬかの上に、干しただいこんの葉をかぶせて押しぶたをと重しをのせ る(重石は1週間で水が上がってくるよう30kgくらいの重いものを)。 ④ 直射日光が当たらない涼しいところに置く。1か月くらいから食べられる。 【ポイント・コツ】 ※重石が軽すぎると、なかなか水が上がらず味が悪くなります。漬け汁が押しぶた の上まできたら重石を半分にしてください。 ひとことメモ 食べる時期によるだいこんを干す日数は・・・ だいこんを漬けてから食べる時期が離れるほど、だいこんを強く干す必要があり ます。表を参考に干してみてください。 (農文協食品加工シリーズ3・漬物より) 食べる時期 12月 1~2月 3月 4~5月 およその乾燥日数 4~ 8日 7~ 9日 9~11日 12~16日 25 干しだいこんの形 誰にでもおいしく漬けられて、ちょっとぜいたくな 麹を使ったたくあん漬 野 菜 材料 干しだいこん・・・10kg 玄米・・・1.5kg 麹・・・1.1kg(1升分) 調味料(ざらめ500g、塩400g)※塩はだいこんの重さの4%が良い 作り方 1 下準備 ① だいこんはきれいに洗って、日当たりのよい場所で1週間~10日間くらい干 す。 ② 麹は作っておくか購入しておく。 ③ 漬物容器はきれいに洗い、日を当てて消毒しておく。 ④ 玄米は、漬け込む前日の朝に洗い、水に1日漬ける。ぬかの臭みを取るため、 途中で1~2回水を取り替える。 2 漬け込み ① 玄米を普通のご飯と同じに炊く(固めが良い)。 ② 炊いた玄米を冷ましてから、麹と調味料を全部合わせる。 ③ 容器に②と干しだいこんを交互に詰める。 ④ 押しぶたをし、重石をのせる。ほこりが入らないようにふたをする。重石はだ いこんの重さの1/2くらいのものが良い。 ⑤ 3日くらいで水が押しぶたの上にまで上がってくるので、重石を半分くらいに 減らす。 【ポイント・コツ】 ※2週間くらい経ったら食べられますが、3週間くらい置いたほうが本当のおいし さが出ます。 ※残った漬け液は余分な水分を取り除き、さとうと塩を足せばまた使えます。だい こんのほか、きゅうりやにんじん、小かぶなどを漬けてもおいしく食べられます。 26 密閉容器を使って作る だいこんのビール漬 野 菜 材料(1.1ℓのタッパー容器、一つ分) だいこん・・・4本(5kg) ビール(500ml)・・・1缶 粉からし・・・100g 塩・・・1カップ(200g) 酢・・・1カップ(200g) ざらめ・・・800g 作り方 ① だいこんは皮つきのまま、長さ10~15cmに切る(太いものはたてに割る) 。 ② ざらめ、酢、塩、水で練ったからし、ビールをよく混ぜる。 ③ 密閉容器に大根を入れ、②を注ぐ。 ④ ふたをして冷暗所で2週間おく。ときどき全体がよく漬かるようにゆり動かす。 ⑤ 醗酵して、ふたが膨らんだら、ふたを一部開けて、中の空気を抜く。漬けて2週 間目くらいから食べられるが3~4週間目が食べごろとなる。 【ポイント・コツ】 ※1日1~2回、揺り動かしてなじませ、醗酵したら空気を抜いてください。 ※だいこんが新しいと早く漬かるようなので、ピリッと辛いのが好みの人は1週間~ 10日くらいで食べられます。 ひとことメモ 生でも、煮ても、漬物にしてもおいしいだいこん。その品種は100 種類以上といわれ、これまで様々な品種が育成されてきました。今は青 首大根が主流となっています。市内の直売所でも青首大根を中心に、数 は少ないですが、辛味が強く、だいこんおろしに向くといわれる三浦 大根や、甘みが強く煮くずれしにくい聖護院大根などが出荷されていま す。いろいろ食べ比べてみてはいかがでしょうか? 27 ビニール袋で手軽に。からしとさとうで甘辛く ビニール袋で漬けるだいこんのビール漬 野 菜 材料 用意するもの 漬け物用の厚めのビニール袋 だいこん・・・3kg ビール・・・300cc 調味料(粉からし50g、塩100g、 酢75cc、さとう200g) 作り方 ① だいこんは皮をむき、縦二つに割り(太い場合はさらに二つに割る)、ビニール 袋に入る長さに切る。 ② ビニール袋にだいこんを入れ、すべての調味料を入れる。ビールも入れ、ビニー ル袋の口をしっかりしばる。 ③ ビニール袋は床に置き、1日3~4回上下を返すように向きを変える。 ④ 2日くらいして、だいこんがしんなりしてきたら食べられるので、漬かっただい こんだけを取り出し、冷蔵庫で保存する。 【ポイント・コツ】 ※好みの漬かり具合で、漬け汁から取り出してください。 ※からしの量は好みで調節してください。 28 長期保存ができるので、重宝します 割干だいこんの漬けもの 野 菜 材料 だいこん・・・7~8本 京にんじん・・・4~5本 鷹の爪・・・2本 調味液(しょうゆ1ℓ、ざらめ500g、麹500g、酢200cc) 作り方 ① だいこんは、たて八つに割ったものを5cmの長さに切り、一週間くらい干す。 ② 調味液のしょうゆと麹を合わせ、なじませておく。 ③ だいこんが干しあがったら、水洗いし、よく絞る。 ④ だいこんとにんじんを同じくらいの大きさに切る。 ⑤ 調味液の材料をよく混ぜ、だいこんとにんじんを漬けこみ、広口びんに入れ、冷 暗所で保存する。 ⑥ 一週間目くらいから食べられる。 【ポイント・コツ】 ※京にんじんがない場合は、にんじん2本で代用できます。そのときは、だいこんと 同じ大きさに切って一日程度干してください。 ひとことメモ だいこんの葉を食べよう! だいこんの葉は緑黄色野菜(白い部分は淡色野菜)です。捨てずに上手に食べましょ う。 ○葉をおみそ汁の具などに だいこんの葉はごま油で炒めたり、また、じゃこを入れて もおいしいです。葉をさっと茹でて水を切り、ラップに広げて冷凍庫へ。そのまま、汁 ものの具などに使えます。 ○だいこんの茎のふりかけ 残った茎はふりかけにしてみては。①だいこんの葉をしご くなどしてあらかた取る。②葉が取れた茎を小口切りにする。③フライパンに油を熱し、 ②を炒める。透き通ってきたら、しょうゆをまわしかけ、かつお節をたくさん入れる。 味がなじんだら完成! 29 きれいなオレンジ色のピューレです にんじんのピューレ 野 菜 材料 にんじん・・・1kg さとう・・・240g レモン・・・1個 作り方 ① にんじんは皮をむき、2~3cmの輪切りにする。レモンは汁を絞っておく。 ② 輪切りにしたにんじんをたっぷりの水でやわらかくなるまで茹でる。 ③ 茹で汁を捨て、ハンドタイプのフードプロセッサーなどで、なめらかになるまで すりつぶす。 ④ ③にさとうとレモン汁を加え、とろりとするまで、5~10分煮つめる。 【ポイント・コツ】 ※ヨーグルトなどにかけると色が鮮やかできれいです! ※カレーの隠し味に加えると、コクが出ておいしいですよ。 30 くせがなく、濃厚で本格的なスープが楽しめます にんじんスープ 野 菜 材料 にんじん・・・300g 冷ご飯・・・大さじ2 白みそ・・・大さじ2 固形スープの素・・・2個 塩・こしょう・・・適宜 ゆずのすりおろし・・・少々 ねぎ・・・飾り用適宜 牛乳・・・2カップ 作り方 ① にんじんは皮をむき、2cm角に切り、水大さじ1をふりかけたらラップをし て、レンジで4分加熱し、やわらかくする。 ② ミキサーに①と水1カップ、冷ご飯、白みそ、固形スープの素を入れ、混ぜる。 ③ 鍋に②と牛乳を入れ、強火にかける。 ④ 沸騰したら、弱火にして、塩・こしょうで味を調え、ゆずを少々加える。 ⑤ 器に盛り、ねぎを飾る。 【ポイント・コツ】 ※思いがけないほど、濃厚でくせのない本格的なスープができます。 ※冷ご飯の代わりに米粉大さじ1.5を使ってもできます。そのときは、②に入れて 混ぜてください。 ひとことメモ 八千代市の特産物、にんじん 市のにんじんの作付面積は約64haで、 ほうれんそうに続き、市内で2番目に多く作 られています。特に春夏にんじんは国の指定 産地になっており、八千代市の特産物ともい うことができます。 ※指定産地とは 指定野菜の生産、出荷の近代化を計画的に進め、その価格安定を図るため、 指定野菜の集団産地として育成していく必要があると認められる産地のこと。農林水産大臣 が都道府県知事の申し出を受けて指定することになっています。 31 冬野菜の代表格、はくさいをビールで漬物に はくさいのビール漬 野 菜 材料 はくさい・・・5kg 塩・・・200g さとう(ざらめ)・・・250g ビール・・・350cc 鷹の爪(お好みで) 作り方 ① 塩とさとうをよく混ぜ合わせる。 ② はくさいは洗って、たてに4~6等分に切る。 ③ はくさいの茎の方を下にして持ち、容器の中で、①を葉の間に振り入れる。 ④ 切り口を下にして、鷹の爪を間にちらしながら容器に詰めていく。 ⑤ 落としぶたをのせ、ビールを全体にかける。 ⑥ はくさいと同量の重石をのせる。 【ポイント・コツ】 ※2日目ぐらいから食べられます。 ※水が上がってきたら、その水は捨ててください。 ひとことメモ 日本での歴史は意外に浅いはくさい 葉の色は淡緑色ですが、生長すると白い葉柄が目立つよ うになってくるので、はくさい(白菜)という名前がつい たようです。日本では明治8年の東京博覧会で清国から山 東ハクサイが紹介されたことが最初とされています。普及 したのは、その後、日清・日露戦争で中国へ出征した人々 が種子を持ち帰ったのがきっかけ。全国的に栽培されるよ うになったのは昭和に入ってからだそうです。 32 衣の下から淡い緑がのぞきます ソラマメコロッケ 野 菜 材料(ピンポン玉の大きさで10個分) ソラマメ(むきみ)・・・200g ジャガイモ・・・1個 卵・・・1個 揚げ油・・・適宜 オリーブオイル 味付け こしょう 小麦粉 少々 衣 塩 パン粉 適宜 卵 作り方 ① ソラマメは茹でて、うす皮をむく。 ② じゃがいもは5~6分レンジにかけ、やわらかくする。蒸してもよい。 ③ 卵は固ゆでにし、細かく刻む。 ④ ソラマメ、じゃがいも、卵を一緒にしてつぶしながら 混ぜ、オリーブオイル、塩、こしょうで味付けをする。 ⑤ ④をピンポン玉くらいに丸め、小麦粉、溶き卵、パン 粉の順に衣をつける。 ⑥ 180℃くらいの油で、きつね色に揚げる。 ひとことメモ ソラマメをおいしく食べるには、収穫後できるだけ早く茹でることが大切。食べき れないときは、塩茹でにして、冷凍保存すれば3~4か月はおいしく食べられます。 ○冷凍の仕方 むきみのソラマメの1.7%の塩を水に入れ、沸騰したらソラマメを 入れます。茹であがったら、ざるにあけ、急冷させ、よく冷めてから保存袋に入れ、 冷凍してください。 33 【まめ・ちしき】 ●食塩について 食塩は漬け物を作るうえで重要な調味料です。塩分の濃度は、貯蔵期間や微生物との 関係で決まります。 長期保存をするには一定の塩分濃度が必要で、どうしても減塩でという場合は、腐敗 を防ぐために冷蔵庫保存などの貯蔵方法や貯蔵期間を短くする、または塩以外に何らか の調味料を使うなどの工夫が必要です。 ■貯蔵期間による塩分濃度 漬け物の種類 材料に対して(%) 備 考 即席漬 2 2%・・・・・・・・・種々の雑菌は増殖可能 一夜漬 3 3%以上・・・・・多くの雑菌は抑制される 早漬け(2~3日) 4 白菜・漬け菜 5 保存漬(1か月) 8 保存漬(2か月) 8~10 保存漬(3か月) 10~13 保存漬(6か月) 13~15 保存漬(6か月以上) 15~ 5%以上・・・・・ほとんどの腐敗菌は抑制さ れる 10%以上・・・ほとんどの腐敗菌の増殖が 抑制される ●ジャムとは ジャムの語源は、英語の「むしゃむしゃかむ」という言葉に由来しているといわれてい ます。 日本農林規格(JAS)では、ジャム類は「果実、野菜、または花弁を糖類などとと もにゼリー化するようになるまで加熱したもの」と定義されています。 ジャム・プレザーブ・マーマレードの違い ○ジャム類 果実、野菜、または花弁を糖類などとともにゼリー化するようになるま で加熱したものをいいます。 ○プレザーブ イチゴなどのベリー類では全形の果実、ベリー以外の果実類などを原料 とするものでは、5ミリ以上の果肉等の原型を保持するようにした ものをいいます。 ○マーマレード ジャム類の中でカンキツ類の果実を原料とし、 カンキツ類の果皮が認められるものをいいます。 (参考資料:農文協食品加工シリーズ) 34
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