関西医科大学 病理学第一講座 病理医を目指す方へ Q and A Q:病理医を目指した場合、研究活動はできないのでしょうか? A:実験病理は講座の大きな柱です。幹細胞病理学を研究したいと思っている 方の積極的な受け入れを行っています。当講座の研究内容は非常に病理学の発 想に近く、また扱っている臓器は多岐に渡ります。学位未取得の方は、社会人 大学院や大学院への入学をお勧めしており、学位取得済の方に関しては、研究 員等として学内で研究することが可能です。詳しくはお問い合わせください。 Q:講義や実習の Duty はありますか? A:Duty はありませんが、経験に応じて教育能力・資格があると判断された方 には是非チャレンジして頂きたいと思います。 Q:別々の場所で病理トレーニングをして、研修年限が 5 年経ちました。病理 医としての勉強を続けることはできますか? A:さまざまな事情で、病理専門医の受験資格を得ているのに受験できないと いう研修医師を多く拝見します。大学病理学講座の使命として、病理医になり たい方すべてに対する支援が大きな役割となっていますので、病理医になるこ とをあきらめず、是非ご相談頂きたいと思います。 Q:病理研修体制はどのようになっていますか? A:現在病理専門医資格者 2 名、細胞診専門医資格者 1 名、臨床検査専門医資 格者 2 名が教室におります。いずれも病理医ならではの苦労を経験して育って きた点では共通しており、価値観や病理診断医の癖などを押しつけることはあ りません。無理がなく個性に合った質の高い病理研修を目指しています。 また、外科病理診断の Duty をトレーニングと称して行わせたり、剖検当番を押 し付けたりということもありません。トレーニング中はあくまで病理専門医研 修プログラムに合わせて研修を進めていく形をとります。 Q:学内正式ルーチンが剖検のみで、外科病理診断のルーチンがなくても研修 はできるのでしょうか? A:病理専門医試験で一番割合が高く、合否に影響するのは、外科病理診断の 分野ではなく、剖検問題によるものです。剖検は臨床的思考を育成するととも に、病理学的にも所見を読み解く力を蓄える重要な業務です。当講座では、ま ずは臨床医と話し合いの上、剖検診断を行い、カンファランスで議論できる能 力を体得してもらうことを最初のトレーニングの到達点としています。 外科病理ルーチンも並行して、教室内の検査センターのプローベでゆっくり行 っていきますので、充分な研修が無理なく可能となっています。 ある程度慣れてきたところで、当講座の非常勤講師が勤務している関連病院 での研修や病院病理部への兼任を申請し、無理のない形で外科病理診断のトレ ーニングを受けることも可能です。 Q:いわゆるプローベの義務は無いのでしょうか? A:当講座には充分な研究費がありますので、プローベは義務ではありません が、他に研究費が無く、必要な事情があれば行う事は可能です。 Q:病理医の収入や待遇はどうなっておりますでしょうか? A:保険点数改定が平成 25 年度に行われ、常勤病理医が 2 名以上いる場合、病 理診断加算Ⅱ、常勤病理医が 1 名以上いる場合、病理診断加算Iという項目が つきました。300 床前後の比較的中規模以上の病院では、経営上病理医を置くこ とで大きな意味を成すことが示されています。今まで、臨床検査加算Ⅲ∼Ⅳで 臨床検査の管理を専ら行う医師を病理医にしていた病院も、病理に関しては、 病理診断加算ⅡもしくはIに登録した場合、臨床検査加算Ⅲ∼Ⅳは加算できな いことになりました。臨床検査管理に関しても専門家がいますので、トレーニ ングを受けることも可能です。病理診断加算には、病理トレーニング歴が明記 されますので、当講座に所属することはその履歴となり、メリットになります。 よって、待遇は決して悪くなく、卒後年数で年収が決定する病院が大部分です ので、将来に対する心配はありません。 Q:女性医師は勤務しやすい職場でしょうか? A:女性医師にも適しています。特に職場復帰しやすいのが特徴です。放射線 科医のように自宅での遠隔画像診断の仕事は、病理の場合簡単には普及してい ませんが、子育て期間に病院で非常勤勤務をして無理なく診断業務を行ってい る病理医はたくさんいます。仕事と日常生活のバランスを考えた勤務が可能で す。 Q:外科医ですが、病理診断を勉強することは可能でしょうか? A:外科の先生方には是非とも病理診断を学んでいただきたいと思っています。 外科医からの病理への転向例は非常に多く、そういった場合のトレーニングプ ログラムも無理なく組むことができます。併せて、他科の先生方の短期での病 理診断学の勉強も支援いたします。なお、その際は、各人のプログラムを組ん で評価していきます。様々な背景の方のご連絡をお待ちしています。 Q:病理専門医、細胞診専門医、臨床検査専門医の受験コースはありますか? A:正式なコース設定はありませんが、指導のご相談には広く応じます。現時 点では、当講座に所属しているメンバーを中心にセミナーや勉強会を開催し、 指導を行う予定でおりますので、そちらで勉強していただくことも可能です。 Q:病理医となって、一般病院に就職した場合、教室としてコンサルテーショ ンを受けさせていただけるのでしょうか? A:大学の講座ですので、コンサルテーションを受けることができます。 また、全国の病理医に対して、病理学会のコンサルテーションも利用すること ができます。当講座で育成した病理医のアフターケアーは最後まで行っていき ますので心配はありません。 Q:将来的に大学に残ることは可能でしょうか? A:当講座の場合、教育能力と研究能力が業績によって証明されれば、充分可 能です。まずは実力をつけることを支援いたします。 Q:病理医になると開業できないのでしょうか? A:病理診断科が標榜できるようになり、病理診断科の開業を行っているグル ープが出始めました。それらのグループでは癌のセカンドオピニオンの外来が 中心です。検査センターと提携して、プローベを行っている場合も多く、独立 も可能です。 時代の流れのなかで、癌のセカンドオピニオンは必須となっています。その場 合、病理診断だけでなく、放射線治療、化学療法、手術療法に関する深い知識 が要求されます。希望される場合は、病理診断を学んだあと、他分野での研修 を受けることも推奨されます。他分野を学んで、病理に戻ったとき更に空気の 読める病理診断が可能となるでしょう。 Q:病理専門医を取得した後、腫瘍内科や放射線科に転科したいと思っていま す。知識的に出遅れることはあるでしょうか? A:癌の知識と病気の知識、そして、標本を読み解く病理診断力は各科で必要 な診断技術とは一線を画した専門的な技術です。特に外科、腫瘍内科では病理 医としての診断技術を持っている者は大変重宝されます。逆に病理医にとって も内科医、外科医、放射線科医等の背景は非常にプラスになるものです。当講 座では、病理医を必ずしも一生続けることを目的とするのではなく、個人のラ イフプランに合わせ、様々な可能性を支援したいと考えておりますので、今ま での経験も合わせ、積極的にご相談に応じたいと思います。 Q:研修中の身分や経済的な保障はありますか? A:研修中の身分は各人の状況をふまえ、主任教授との面談にて相談にて決定 されます。当講座では、大学院生、社会人大学院生、研究生、教員、技師が在 籍しています。それぞれの状況に合った形で、経済的な活動を許可しておりま すので、まずは教授室にお問い合わせください。診断病理学にかかわることで 経済的に不利になることはないよう配慮いたします。 Q:出身大学による有利不利はありますか? A:一切ありません。関西医科大学の関係者以外にもさまざまな出身の大学の 医師が多数おられます。もちろん、臨床研修指定病院で臨床研修された方が病 理を研修したい、研究にかかわりたいという希望に際しては、積極的に応じる ことができますし、社会人大学院生として病院に勤務しながら所属することも 可能です。 Q:講座の見学や研修の説明を受けることは可能でしょうか? A:可能です。まずは是非教授室にご相談下さい。
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