第103回 日本臨床外科学会 北海道支部総会 支部長 平 会 長 渋 田 谷 公 一 均 日時:平成25年7月13日(土) 9:25∼ 場所:室蘭プリンスホテル (室蘭市中央町1丁目4-9 第1会場(4F 銀枝の間) 1.一 般 演 ℡:0143-22-5555) 第2会場(4F 桃山の間) 題:口演時間 5分 討論時間 2分(時間厳守) 2.学会賞選考発表会:口演時間 5分 討論時間 3分(時間厳守) 3.PC発表:詳細は裏面をご覧下さい 学会賞選考発表会 第1会場 評議員会・学会賞授与式 第2会場 ランチョンセミナー 第1会場 総会 第1会場 懇親会 4F金枝の間 総会事務局 10:00∼10:25 11:45∼12:25 12:25∼13:25 13:25∼13:40 17:00∼ 市立室蘭総合病院 外科 TEL:0143-25-3111 FAX:0143-25-2277 【ご発表の皆様へ】 ●発表は、パソコンによるプロジェクター1面映写(解像度はXGA 1024 768)です。 ●事務局で用意するパソコンの OS は Windows 7、対応するアプリケーションソフトは Windows 版 Microsoft Power Point2003, 2007, 2010 です。 ●動画を利用して講演をされる場合は、ご自身のパソコンをご用意ください。 ●音声のご使用はできません。 メディアをご持参の場合 ●発表データは、CD-R または USB フラッシュメモリーでご用意ください。 フォントはWindows標準フォント(MS・MSP明朝、MS・MSPゴシック、Time new Roman、Century等)をご使用ください。(Macintosh版 Microsoft Power Pointで 作成したデータは、必ず事前にWindows版 Microsoft Power Pointで試写を行ってか らお持ちください。) ●事務局で用意したパソコンにコピーし、動作の確認をお願いします。メディアは、その 場でご返却します。(コピーした発表データは本会終了後、本会事務局が責任をもって消 去します。) ●メディアでご持参の場合、発表者ツールはご使用できませんのでご注意ください。 ●発表データのファイル名は『演題番号−名字』で保存してください。 例: 43-鈴木 パソコンをご持参の場合 ●事務局で用意するのは、通常の Mini D-sub15 ピンに対応する端子のみとなります。 ●スマートフォン、i-pad等でのデータ持込み及びHDMIでの送出は対応しておりません。 ●パソコンをご使用の先生は、発表で使用されるパソコンがMini D-sub15ピン対応であ る事を確認してください。Mini D-sub15ピンに変換が必要なパソコンの場合は、必ず 変換コネクタをご持参ください。(発表、準備中にバッテリー切れになる場合がござい ます。電源アダプターも必ずご用意ください。) ●パソコンのスクリーンセーバー、省電力機能、ウイルス駆除ソフト等が作動しないよう に設定をご確認ください。 ご発表について ●発表データ及びパソコンを演題受付にご持参のうえ、発表開始30分前までに動作、出力 確認をお済ませください。 ●学会賞選考の発表時間は、5分、質疑応答は、3分です。一般講演の発表時間は、5分、 質疑応答2分です。PowerPointの枚数の制限はございませんが、発表時間を厳守してくだ さい。 ●演台上にモニター、マウス、キーボードをご用意しておりますので、ご自身で操作し発 表してください。(レ-ザーポインターは事務局でご用意しております。) ●発表中は青色ランプ、終了1分前に黄色ランプ、終了時に赤色ランプが点灯します。 ●発表開始時間の15分前までに、次演者席にご着席ください。 1 進行予定および座長一覧 第1会場(4F 銀枝の間) 9:25 9:30 9:58 開会の辞 腹膜・後腹膜Ⅰ 第2会場(4F 桃山の間) (1〜4) 9:30 (37-40) 日鋼記念病院 浜田 弘巳 斗南病院 川原田 陽 9:58 10:00∼10:25 学会賞選考発表会(第1会場)Ⅰ〜Ⅲ 北海道大学消化器外科Ⅰ 神山 俊哉 (5〜7) 10:25 乳腺 10:25 腹膜・後腹膜Ⅱ 10:46 北海道大学 高橋 典彦 上部消化管Ⅰ (8〜11) 10:53 11:14 札幌医科大学 信岡 隆幸 上部消化管Ⅱ (12〜15) 11:21 11:35 腹壁・ヘルニア 東札幌病院 亀嶋 秀和 乳腺・甲状腺 (45〜48) 札幌ことに乳腺クリニック 肺・縦隔 勤医協中央病院 河島 秀昭 11:42 11:45∼12:25 評議員会(第2会場) 学会賞授与式(第2会場) 12:25∼13:25 『 (41〜44) 増岡 秀次 (49〜51) 旭川医科大学 北田 正博 ランチョンセミナー(第1会場) 切除可能大腸癌への集学的治療 1.結腸癌への補助化学療法 2.直腸癌への術前化学放射線療法 』 講師 東海大学消化器外科 教授 貞廣 荘太郎 先生 座長 市立室蘭総合病院 副院長 渋谷 均 13:40 13:25∼13:40 小腸Ⅰ 14:08 小腸Ⅱ 14:36 旭川医科大学 山田 理大 大腸Ⅰ (23〜26) 14:43 札幌医科大学 水口 徹 胆道Ⅰ (61〜64) 15:04 恵佑会札幌病院 久須美貴哉 大腸Ⅱ (27〜30) 15:11 市立函館病院 倉内 宣明 胆道Ⅱ (65〜68) 15:32 札幌医科大学 沖田 憲司 大腸Ⅲ (31〜33) 15:39 北海道大学 田中 栄一 (69〜73) 15:53 製鉄記念室蘭病院 仙丸 直人 肛門・その他 (34〜36) 16:14 16:14 総会(第1会場) (15〜18) 13:40 北海道大学 七戸 俊明 (19〜22) 14:08 血管 肝 膵 (52〜55) 市立函館病院 森下 清文 (56〜60) 札幌医科大学 木村 康利 日鋼記念病院 高田 譲二 ※ 10:25∼10:40 選考委員会 ( 2F 白雲の間 3 ※ 10:40∼11:40 幹事・世話人会 ( 2F 白雲の間 ) ※ 17:00∼ 懇親会(参加費 無料)( 4F 金枝の間 ) 2 会場付近案内図 JR:札幌駅から函館本線の特急に乗車。室蘭駅下車。徒歩約 7 分。 道南バス/中央バス:JR 札幌駅前から 2 時間 20 分。中央町下車。徒歩約 1 分。 東室蘭駅から、タクシーで約 15 分(¥2,000 程度) JR 時刻表 行き 帰り 東室蘭 発 東室蘭 着 東室蘭 発 室蘭着 室蘭発 S 北斗 2 号 7:00 8:12 8:17 8:29 13:22 北 斗 号 7:30 8:55 9:10 9:23 S 北斗 6 号 8:34 9:51 10:00 10:14 14:08 15:42 北 斗 8 号 S 北斗 10 号 9:19 10:37 10:37 11:52 10:49 12:00 11:02 12:12 16:27 16:55 17:08 S 北斗 13 号 17:17 18:35 すずらん 2 号 11:13 12:56 18:06 12:22 13:36 13:45 13:57 S 北斗 15 号 すずらん 9 号 18:15 S 北斗 12 号 17:53 18:26 19:28 20:06 北 斗 14 号 13:17 14:35 14:49 15:02 19:00 19:13 北 斗 17 号 19:27 20:49 20:17 20:30 北 斗 19 号 20:36 21:57 21:22 21:35 S 北斗 21 号 21:40 22:56 室蘭着 室蘭発 東室蘭 着 東室蘭 発 函館着 4 東室蘭 着 函館発 東室蘭 発 すずらん 5 号 14:21 15:55 S 北斗 9 号 北 斗 11 号 札幌着 15:06 14:29 16:12 すずらん 7 号 15:44 17:29 18:07 S 北斗 1 号 7:04 9:01 9:10 9:23 13:22 13:33 S 北斗 12 号 13:37 15:38 S 北斗 3 号 8:30 10:29 10:49 11:02 14:08 14:21 北 斗 14 号 14:36 16:49 北 斗 5 号 S 北斗 7 号 9:30 10:40 11:40 12:40 12:00 12:45 12:12 12:56 15:42 17:53 15:55 18:06 S 北斗 16 号 S 北斗 18 号 16:07 18:12 18:09 20:12 S 北斗 9 号 12:30 14:28 14:49 15:02 19:00 19:13 北 斗 20 号 19:36 21:48 20:17 20:30 S 北斗 22 号 20:49 22:47 急行はまなす 23:52 02:52 東室蘭 着 札幌発 3 【ランチョンセミナー】12:25∼13:25 (第1会場) 座長 市立室蘭総合病院 副院長 渋谷 均 『 切除可能大腸癌への集学的治療 結腸癌への補助化学療法 2. 直腸癌への術前化学放射線療法 』 共催 第 103 回日本臨床外科学会北海道支部総会 大鵬薬品工業株式会社 講師 東海大学 消化器外科 教授 貞廣 荘太郎 先生 1. 4 【学会賞選考発表会】10:00∼10:25 座長 (第1会場) 北海道大学消化器外科Ⅰ 神山 俊哉 Ⅰ. 胆管癌に対する肝膵同時切除の臨床的意義についての検討 Ⅱ. 下大静脈/右心房腫瘍栓を伴う高度進行肝細胞癌に対する外科的治療 Ⅲ. 下部消化管術後創感染の危険因子の解析 5 第1会場 ( 4F 銀枝の間 ) 9:25 開会 腹膜・後腹膜Ⅰ 9:30∼9:58 座長 日鋼記念病院 浜田 弘巳 1. 肝硬変患者の難治性腹水に対する腹腔静脈シャント療法の検討 (JR 札幌病院外科) ◯永山 稔,岩山 祐司,中野正一郎,鶴間 哲弘 2. 診断治療に苦慮した11歳女児肝背側膿瘍の1例 (旭川医科大学小児外科) ◯升田 晃生,宮本 和俊,平澤 雅 3. イレウスを来した巨大後腹膜リンパ腫の 1 例 (JA 北海道厚生連帯広厚生病院外科) ◯齋藤 崇宏,鯉沼 潤吉,蔦保 暁生,加藤 航平 武藤 潤,山村 喜之,黒田 晶,吉岡 達也 村川 力彦,大竹 節之,大野 耕一 4. 術前 AI 療法を施行した巨大膵周囲脂肪肉腫の 1 切除例 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯石井 雅之,木村 康利,高田 弘一,信岡 今村 将史,目黒 誠,西舘 敏彦,伊東 及能 大輔,水口 徹,古畑 智久,平田 (札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座)加藤 隆幸 竜哉 公一 淳二 腹膜・後腹膜Ⅱ 10:25∼10:46 座長 北海道大学消化器外科Ⅰ 高橋 典彦 5. 小腸腸間膜リンパ管腫の 1 症例 (手稲渓仁会病院) ◯青木 泰孝,今村 清隆,荒木謙太郎,清水 徹 石井 生,寺村 紘一,齋藤 博紀,高田 実 岸田 明博,安保 義恭,中村 文隆,樫村 陽一 松波 己 6. 特発性腸間膜デスモイド腫瘍の 2 例の検討 7. Ewing/pPNET の腹膜転移に対して化学療法後外科的切除を行った一例 6 (王子総合病院外科) ◯細井 勇人,岩井 和浩,渡邉 幹夫,狭間 一明 松井 あや,京極 典憲,河合 典子 (北海道がんセンター消化器外科)◯長津 明久,篠原 敏樹,二川 憲昭,前田 好章 濱田 朋倫 (同 泌尿器科) 三浪 圭太 上部消化管Ⅰ 10:46∼11:14 座長 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科 信岡 隆幸 8. Heterotopic glands により幽門狭窄をきたした若年女性の 1 例 (JA 北海道厚生連札幌厚生病院外科) ◯谷岡 利朗,高橋 福田賢太郎,松本 植木 伸也,田原 田中 浩一,益子 周作,高橋 昌宏,川村 哲,久慈麻里子,渡会 宗徳,山上 英樹,秦 博幸,石津 寛之,高橋 大資 博志 庸壮 弘昌 9. HER2 強陽性高度進行胃癌に対し、conversion therapy を施行し pCR が得られ た1例 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯伊東 竜哉,信岡 隆幸,石井 雅之,目黒 誠 西舘 敏彦,木村 康利,平田 公一 (札幌医科大学腫瘍・血液内科学講座) 佐藤 康史,加藤 淳二 10. 4型進行胃癌に対する術前化学療法(DCS を中心とした)後の手術成績の検討 11. 脾動脈塞栓術,腹腔鏡下脾臓摘出術施行後に壊死性先行性胃潰瘍を来した 1 例 (北海道がんセンター消化器外科)◯濱田 朋倫,篠原 敏樹,前田好 章,長津 明久 二川 憲昭 (帯広厚生病院外科) ◯鯉沼 潤吉,齋藤 崇宏,蔦保 暁生,加藤 航平 武藤 潤,黒田 晶,山村 喜之,吉岡 達也 村川 力彦,大竹 節之,大野 耕一 上部消化管Ⅱ 11:14∼11:35 座長 勤医協中央病院 河島 秀昭 12. イマチニブを投与した胃 GIST 症例の検討 (恵佑会札幌病院外科) ◯三橋 洋介,西田 靖仙,坂下 啓太,那須 裕也 澄川 宗祐,米森 敦也,吉川 智宏,木ノ下義宏 久須美貴哉,細川 正夫 (同 内科) 奥田 博介,小平 純一,塚越 洋元,穂刈 格 (同 病理診断科) 大内 知之,武内 利直 13. 術前診断しえた嚢胞変性を伴った胃 GIST の一例 (滝川市立病院外科 1) ◯久木田和磨 1,2,星川 剛 1,大島 秀紀 1,2,柴田 稔人 1,2 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2) 平田公一 2 14. 食道神経 腫の 1 例 (旭川医大呼吸器センター) ◯石橋 佳,北田 正博,松田 佳也,林 諭史 7 (同 循環呼吸腫瘍病態外科) 升田 晃生,東 信 (同 手術部) 平田 哲 小腸Ⅰ 13:40∼14:08 座長 北海道大学消化器外科Ⅱ 七戸 俊明 15. 腹腔鏡下に切除した横行結腸浸潤を伴う回腸悪性リンパ腫の 1 例 (市立室蘭総合病院外科 1) ◯奥谷 浩一 1,2,内山 素伸 1,斎藤 佐々木賢一 1,澁谷 2 (市立芦別病院外科 ) 水島 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 3) 平田 16. 血管内留置コイルを指標として腹腔鏡下小腸切除を行った小腸出血の 1 例 17. 縫合糸膿瘍により肉芽腫を形成し腸管狭窄を来たした 1 例 慶太 1 均 1 康博 2 公一 3 (旭川赤十字病院外科) ◯上村 志臣,安孫子剛大,佐々木剛志,真名瀬博人 平 康二 (同 放射線科) 長沢 研一 (旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野) ◯谷 誓良,千里 直之,浅井 慶子,山田 理大 鈴木和香子,北 健吾,長谷川公治,小原 啓 谷口 雅彦,古川 博之 18. 術後長期間留置した経腸栄養チューブにより小腸 孔を来たした1例 (北海道大学病院消化器外科Ⅱ) ◯芦立 嘉智,松本 譲,中村 透,土川 貴裕 田中 栄一,七戸 俊明,平野 聡 小腸Ⅱ 14:08∼14:36 19. 座長 旭川医科大学消化器病態外科 山田 理大 腸重積を契機に発見された腎細胞癌小腸転移の 1 例 (製鉄記念室蘭病院外科) ◯宇佐美 信,大高 和人,川瀬 寛,早馬 聡 高橋 康宏,市村龍之助,仙丸 直人 (同 病理臨床検査科) 藤田 美悧 20. 小腸脂肪種による腸重積症の 1 例 21. イレウスで発症した小腸 lymphangioma の一例 (網走厚生病院外科) ◯今井 敦,巖築 慶一,葛西 弘規,長田 忠大 下國 達志,西川 眞 (札幌厚生病院病理部) 後藤田裕子 8 (小林病院外科) ◯古郡茉里子,山本 康弘,八木 亜記,重原 健吾 岡村 幹郎 22. 回腸導管に発生した原発性回腸癌の1手術例 (市立室蘭総合病院外科) ◯佐々木賢一,斎藤 慶太,奥谷 浩一,内山 素伸 澁谷 均 (同 泌尿器科) 加藤 隆一,宮尾 則臣 大腸Ⅰ 14:36∼15:04 座長 恵佑会札幌病院 久須美貴哉 23. 大腸癌術後に孤立性脾転移を来した 1 例 24. パンツ型皮膚浸潤を呈した肛門腺癌の一例 25. 当科における遠隔転移のない他臓器浸潤直腸癌の治療成績 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯沖田 憲司,古畑 智久,西舘 敏彦,植木 知身 秋月 恵美,伊東 竜哉,川本 雅樹,目黒 誠 信岡 隆幸,木村 康利,水口 徹,平田 公一 26. XELOX+bevacizumab 療法により PR が得られた stageIV AFP 産生大腸癌の 一例 (北海道大学消化器外科学分野Ⅰ)◯沢田 尭史,皆川のぞみ,柴崎 晋,本間 重紀 川村 秀樹,高橋 典彦,武冨 紹信 (旭川厚生病院外科) ◯豊島雄二郎,中野 詩郎,赤羽 弘充,稲垣 光裕 栁田 尚之,芝木泰一郎,正村 裕紀,庄中 達也 木村 鐘康,岡田 尚樹 (日鋼記念病院外科) ◯喜納 政哉,西越 崇博,蔵谷 勇樹,舩越 徹 高田 譲二,浜田 弘巳 (同 臨床病理部) 藤岡 保範 大腸Ⅱ 15:04∼15:32 座長 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科 沖田 憲司 27. 急性虫垂炎で発見された虫垂胚細胞カルチノイドの 1 切除例 28. 術前鑑別に苦慮した虫垂膿瘍保存治療後の虫垂癌上行結腸 (JA 北海道厚生連遠軽厚生病院外科) ◯高橋 裕之,萩原 正弘,青木 貴徳,橋本 道紀 稲葉 聡,矢吹 英彦 9 通の 1 切除例 (製鉄記念室蘭病院) ◯植村 慧子,大高 和人,川瀬 寛,早馬 聡 高橋 康宏,市村龍之助,仙丸 直人,藤田 美悧 29. 盲腸軸捻転症の 2 例 30. 回盲部と S 状結腸に狭窄を認めた腸管子宮内膜症の 1 例 (深川市立病院外科) ◯乾野 幸子,岡山大 志,水上 周二,新居 利英 (JA 北海道厚生連旭川厚生病院外科) ◯安藤 貴士,庄中 達也,中野 詩朗,稲垣 光裕 赤羽 弘充,柳田 尚之,芝木泰一郎,正村 裕紀 木村 鐘康,豊島雄二郎,岡田 尚樹 大腸Ⅲ 15:32∼15:53 座長 製鉄記念室蘭病院 仙丸 直人 31. トロッカー 刺による膀胱損傷の一例 32. 大腸癌イレウスに対する SEMS の挿入と腹腔鏡下手術の経験 33. 繰り返す消化管出血に対し血管 3D-CT が出血部位予測に有用であったストマ静 脈瘤の1例 (市立室蘭総合病院外科) ◯斎藤 慶太,内山 素伸,奥谷 浩一,佐々木賢一 澁谷 均 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 平田 公一 (市立旭川病院外科) ◯村上 慶洋,吉見 泰典,福永 亮朗,笹村 裕二 武山 聡,沼田 昭彦,子野日政昭 (小樽掖済会病院外科) ◯大野 敬祐,佐々木一晃,田山 誠,及能 大輔 村上 武志 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 西舘 敏彦,沖田 憲司,古畑 智久,平田 公一 肛門・その他 15:53∼16:14 座長 日鋼記念病院 高田 譲二 34. 当院における低位筋間痔瘻に対する術式選択 35. 遠隔病理診断(テレパソロジー)による術中迅速病理診断症例の検討 (札幌いしやま病院) ◯樽見 研,石山元太郎,川村麻衣子,西尾 昭彦 石山 勇司 (JA 北海道厚生連網走厚生病院) ◯巖築 慶一,葛西 弘規,下國 達志,長田 忠大 今井 敦,西川 眞 10 36. 90 歳以上の超高齢者手術症例の検討 (小樽掖済会病院外科) ◯及能 大輔,佐々木一晃,大野 敬祐,田山 誠 村上 武志 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 平田 公一 11 第2会場( 4F 桃山の間 ) 腹壁・ヘルニア 9:30∼9:58 座長 KKR 札幌医療センター斗南病院 川原田 陽 37. Composix Kugel Patch を用いて腹壁再建を行った腹壁原発脂肪肉腫の 1 例 (北海道社会事業協会函館病院) ◯三浦 亮,鬼原 史,大野 敬,久木田和晴 向谷 充宏 38. 鎮静下頻回デブリドメントにて生存を得た下肢腸腰筋に及ぶ壊死性筋膜炎の1 例 (北海道大学消化器外科Ⅱ1) ◯横山 和之 1,2,本谷 康二 1,2 (余市協会病院外科 2) 吉田 秀明 2 39. 自己整復後に回腸 孔をきたした嵌頓鼠径ヘルニアの 1 例 (札幌徳洲会病院外科) ◯大原みずほ,斉藤 琢巳,長尾 知哉,城田 誠 紀野 泰久,小谷 裕美 40. 腸管切除を伴うヘルニア修復術に人工物の留置は可能である (市立函館病院消化器病センター消化器外科) ◯小林 雄太,倉内 宣明,砂原 正男,常俊 雄介 鍵谷 卓司,大橋 大成,笠島 浩行,原 豊 鈴木 伸作,遠山 茂,木村 純 乳腺 10:25∼10:53 座長 東札幌病院ブレストケアセンター 亀嶋 秀和 41. 乳腺紡錐細胞癌の一例 (北海道医療センター) ◯柴田 賢吾,蔵谷 大輔,井上 玲,菊池 健 植村 一仁,大坂 喜彦,高橋 宏明,伊藤 美夫 42. Luminal B-like (HER2 negative) 乳癌について (札幌ことに乳腺クリニック) (東札幌病院) (北広島病院) (札幌医大医学部公衆衛生) ◯増岡 秀次,三神 俊彦,下川原 出,浅石 三原 野村 森 和昭 大佳 直弘 満 43. 当科における非腫瘤性病変の術前マーキングの工夫 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 12 ◯里見 蕗乃,九冨 五郎,前田 豪樹,島 宏彰 平田 公一 44. 造影 CT による術前腋窩リンパ節評価の可能性 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯九冨 五郎,島 宏彰,前田 豪樹,里見 蕗乃 平田 公一 (東札幌病院ブレストケアセンター) 亀嶋 秀和,大村 東生 乳腺・甲状腺 10:53∼11:21 座長 札幌ことに乳腺クリニック 増岡 秀次 45. 遊離真皮脂肪弁移植を施行した 4 例 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯島 宏彰,九冨 五郎,里見 蕗乃,前田 豪樹 平田 公一 (東札幌病院ブレストケアセンター) 亀嶋 秀和,大村 東生 46. 再発乳癌に対するエリブリンの使用経験 (東札幌病院ブレストケアセンター1) ◯今野 愛 1,2,亀嶋 秀和 1,大村 東生 1,染谷 哲史 1 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2) 平田 公一 2 47. 当院における甲状腺低分化癌の検討 (札幌ことに乳腺クリニック) ◯三神 俊彦,増岡 秀次,下川原 出,浅石 和昭 48. 巨大甲状腺腫手術例の検討 (医療法人東札幌病院) ◯亀嶋 秀和,大村 東生,今野 愛,染谷 哲史 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 平田 公一 肺・縦隔 11:21∼11:42 座長 旭川医科大学呼吸器センター 北田 正博 49. 経過中に縮小傾向を認めた 塞性胸腺腫の 1 例 (日鋼記念病院外科) ◯西越 崇博,蔵谷 勇樹,舩越 徹,喜納 政哉 高田 譲二,浜田 弘巳 (同 臨床病理部) 藤岡 保範 13 50. 食道 (恵佑会札幌病院外科) ◯坂下 啓太,三橋 洋介,那須 裕也,澄川 宗裕 米森 敦也,吉川 宏,木ノ下義宏,久須美貴哉 西田 靖仙,細川 正夫 孔性縦隔炎に対し、ドレナージ術後に 2 期的再建術を施行した 1 例 51. 胸壁膿瘍、肺膿瘍にて発症した肺放線菌症の1例 (社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院) ◯田畑佑希子,石川 慶大,進藤 学,草野 真暢 川村 健 血管 13:40∼14:08 座長 市立函館病院心臓血管外科 森下 清文 52. 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術施行 3 年 5 か月後にタイプ 3 エンドリー クを認めた 1 例 (名寄市立総合病院心臓血管外科) ◯清水 紀之,和泉 裕一,真岸 克明 53. 急性胸部大動脈症候群に対する緊急ステントグラフト留置術 (市立函館病院呼吸器心臓血管外科) ◯楢山 耕平,森下 清文,馬渡 徹,馬場 俊雄 柴田 豪,佐賀 俊文 (手稲渓仁会病院心臓血管外科) 氏平 功祐 54. 腹部腸骨動脈瘤に対し iliac branch graft を用いて EVAR を行った1例 (札幌厚生病院心臓血管外科) ◯吉田 博希,稲葉 雅史 (製鉄記念室蘭病院心臓血管外科) 大谷 則史,数野 圭 55. 中枢ネック高度屈曲した IFU 外 AAA 症例に対する EVAR の治療経験 (製鉄記念室蘭病院心臓血管外科) ◯中西仙太郎,大谷 則史 肝 14:08∼14:43 座長 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科 水口 徹 56. 肝内胆管進展を認めた大腸癌肝転移の 1 例 57. 肝細胞癌腹腔鏡下術後に早期腹膜播種再発をおこした1例 (斗南病院消化器病センター外科)◯佐藤 理,鈴木 善法,岩城久留美,山本 和幸 小野田貴信,川田 将也,川原田 陽,北城 秀司 大久保哲之,奥芝 俊一,加藤 紘之 14 (北海道大学消化器外科学分野Ⅰ)◯加藤 紘一,神山 俊哉,横尾 英樹,柿坂 達彦 折茂 達也,若山 顕治,敦賀 陽介,蒲池 浩文 武冨 紹信 58. 術後22年目に再発し多発性肝嚢胞と診断された腎癌嚢胞性肝転移の1例 (済生会小樽病院外科) ◯茶木 良,木村 雅美,孫 誠一,長谷川 格 (済生会小樽病院内科) 水越 常徳,明石 浩史 (札幌医科大学病理学第二講座) 辻脇 光洋,田中 敏 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) 平田 公一 59. アスペルギルス抗原陽性肝移植患者 2 症例に対するアムビゾームの使用経験 (北海道大学消化器外科学分野Ⅰ)◯沢田 尭史,後藤 了一,深作 高橋 徹,青柳 (同 移植外科学講座) (北海道大学病院 臓器移植医療部)太田 稔,山本真由美,古舘 慶友,腰塚 靖之 武史,武冨 紹信 山下健一郎 馨,嶋村 剛 60. 肝切除術における Liver Hanging Maneuver の工夫 (札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座) ◯及能 拓朗,水口 徹,川本 雅樹,目黒 誠 植木 知身,秋月 恵美,沖田 憲司,信岡 隆幸 木村 康利,古畑 智久,平田 公一 胆道Ⅰ 14:43∼15:11 座長 市立函館病院消化器病センター 倉内 宣明 61. 待機的に腹腔鏡下手術を行った胆嚢捻転症の 1 例 62. 胆嚢消化管瘻に対する手術症例 11 例の検討 63. 胆嚢捻転症を伴う急性胆嚢炎に対し緊急手術を施行した1例 64. 外傷性胆嚢破裂の 1 例 (市立旭川病院外科) ◯吉見 泰典,村上 慶洋,福永 亮朗,笹村 裕二 武山 聡,沼田 昭彦,子野日政昭 (北海道消化器科病院外科) ◯森本 浩史,加藤健太郎,楢崎 肇,中山 智英 岡村 圭祐,藤田 美芳,森田 高行 (伊達赤十字病院外科) ◯上野 峰,行部 洋,川﨑 亮輔,佐藤 正文 下沢 英二,前田 喜晴 (市立釧路総合病院外科) ◯小野 雅人,長谷川直人,寺本 賢一,飯村 泰昭 市之川正臣,新垣 雅人 15 胆道Ⅱ 15:11∼15:39 座長 北大消化器外科Ⅱ 田中 栄一 65. 高齢者に対する膵頭十二指腸切除術における工夫 66. 出血性嚢胞との鑑別が困難だった胆管 MCN の一例 67. 術前診断しえた下部胆管原発腺内分泌細胞癌の 1 例 68. 腹腔鏡下総胆管切石術の症例数の推移と普及の課題 (札幌道都病院外科) ◯西森 英史,池田慎一郎,矢嶋 知己,岡田 邦明 秦 史壯 (北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅰ) ◯大平 将史,神山 俊哉,蒲池 浩文,横尾 英樹 柿坂 達彦,敦賀 陽介,折茂 達也,若山 顕治 武冨 紹信 (王子総合病院外科) ◯京極 典憲,岩井 和浩,河合 典子,細井 勇人 松井 あや,狭間 一明,渡邉 幹夫 (北海道大学病理学講座分子病理学分野) 大塚 紀幸 (市立函館病院消化器病センター消化器外科) ◯倉内 宣明,砂原正 男,常俊 雄介,鍵谷 卓司 大橋 大成,笠島 浩行,原 豊,鈴木 伸作 遠山 茂,木村 純 膵 15:39∼16:14 座長 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科 木村 康利 69. 異時性多発膵癌に対し残膵全摘を施行した 4 症例 70. 腫瘤形成性膵炎との鑑別が困難であった退形成性膵管癌の 1 例 71. 膵 Mixed ductal-neuroendocrine carcinoma の 1 例 (北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅰ) ◯渋谷 一陽,蒲池 浩文,敦賀 陽介,若山 顕治 折茂 達也,柿坂 達彦,横尾 英樹,神山 俊哉 武冨 紹信 72. 腹腔鏡下膵体尾部切除を施行した膵ガストリノーマの1例 (北海道消化器科病院外科) ◯中山 智英,森田 高行,藤田 美芳,岡村 圭祐 加藤健太郎,楢崎 肇,森本 浩史 (北海道社会保険病院外科) ◯脇坂 和貴,市川 伸樹,相木 総良,中西 一彰 数井 啓蔵 16 73. (北海道大学病院消化器外科Ⅱ) ◯横山 啓介,海老原裕磨,サシームパウデル 野口 美紗,高野 博信,芦立 嘉智,佐藤 暢人 蔵前 太郎,松村 祥幸,村上 壮一,田本 英司 倉島 庸,中村 透,松本 譲,土川 貴裕 田中 栄一,七戸 俊明,平野 聡 膵分節切除術を施行した膵インスリノーマの 1 例 (北海道社会事業協会函館病院) ◯久木田和晴,鬼原 史,大野 敬,三浦 亮 向谷 充宏 17 抄 録 集 学会賞選考発表会 一 般 演 題 18 【学会賞選考発表会】 Ⅰ.胆管癌に対する肝膵同時切除の臨床的意義についての検討 【背景】肝膵同時切除(HPD)は高侵襲の術式ではあるが、広範囲に進展する胆管癌では HPD を選択せざるをえない場合がある。HPD はこれまで高い合併症率と死亡率が報告されてお り、施行する施設も限られる。 【目的】胆管癌に対する HPD の手術成績を検討し臨床的意義を評価する。 【対象と方法】1998 年-2012 年の胆管癌切除例で、葉切以上の肝切除を伴う HPD33 例(HPD 群)と葉切以上の肝切除施行 122 例(Hx 群)の手術成績を比較検討した。患者選択は ICG15 分値を基準として肝機能を判定し、HPD 対象症例では PS などの全身状態を慎重に評価して 切除適応とした。 【結果】年齢、性別、病期(stage1/2/3/4a/4b)の患者背景に有意差はなかった。術式 (R/R3/L/L3)は HPD 群 24/1/8/0 例、Hx 群 64/6/44/8 例、門脈合切は HPD 群 15 例(45%)、Hx 群 77 例(63%)、動脈合切は HPD 群 2 例(6%)、Hx 群 18 例(14%)で有意差はなかった。手術時 間は HPD 群 693(552-989)分、Hx 群 631(426-1023)分で HPD 群が有意に長く(P=0.0012)、出 血量は HPD 群 1850(860-8510)ml、Hx 群 1628(580-8930)ml で有意差はなかった。術後在院 日数は HPD 群 51(24-145)日、Hx 群 35(2-159)日で HPD 群が有意に長かった(P=0.0001)。 Clavien-Dindo grade 3a 以上の合併症は HPD 群 19 例(57%)、Hx 群 48 例(39%)、ISGLS grade C 肝不全(grC LF)は HPD 群 5 例(15%)、Hx 群 6 例(4%)でいずれも有意差なく、ISGPF grade C 膵液瘻(grC PF)は HPD 群 4 例(12%)、Hx 群 4 例(3%)で grade 0、A と比し有意に多かった。 HPD 群の grC PF の初期の 2 例(/9 例、22%)は仮性瘤破裂後に grC LF となり在院死した。全 期間の在院死は HPD 群 3 例(9.1%)と高値だが、2006 年 4 月に膵管空腸粘膜吻合を完全外瘻 挿管密着法へ変更後の grC PF は 1 例(/24 例、4.1%)、在院死は消化管縫合不全の 1 例(/24 例、4.1%)のみで Hx 群 7 例(5.7%)と同等であった。5 生率、MST は HPD 群 36.6%、40.2 ヶ月、 Hx 群 48.7%、53.5 ヶ月で同等であった。R0 率は HPD 群 81%(27 例)、Hx 群 78%(96 例)で同 等で、HPD 群の R1 の 6 例は肝側胆管断端の上皮内癌陽性例であった。 【結語】胆管癌に対する HPD は術後合併症率、死亡率ともに高く、未だ満足できる手術成 績ではないが、正確な術前診断の下に腫瘍を完全切除することで長期生存が期待できる症 例も存在し臨床的意義を認める。慎重な症例選択と安全な膵再建が在院死を減らすために 肝要と考えられた。 19 Ⅱ.下大静脈/右心房腫瘍栓を伴う高度進行肝細胞癌に対する外科的治療 【背景・目的】下大静脈/右心房腫瘍栓を伴う肝細胞癌(Vv3)は有効な治療手段が少なく、 肺動脈腫瘍塞栓で突然死するリスクを伴うことから、当科では積極的に外科的治療を行っ ている。当科における肝細胞癌 Vv3 手術症例から、手術成績、再発・予後を検討した。 【対象】1990 年から 2012 年までに当科で手術した肝細胞癌 Vv3 症例 13 例を対象とした。 【結果】平均年齢 63 歳、男性 12 例/女性 1 例で、全例肝予備能は Child Pugh A であった。 下大静脈腫瘍栓を 7 例に、右心房腫瘍栓を 6 例に認め、平均腫瘍径は 11.8cm であった。8 例には術前遠隔転移(肺 5 例、右副腎 2 例、縦隔リンパ節 1 例)を認めた。術式は右葉切除 5 例、拡大左葉切除 3 例、拡大右葉切除 2 例、右 3 区域切除 1 例、拡大内側区切除 1 例、 拡大後区域切除 1 例、右副腎転移例 2 例では右副腎摘出を併施した。下大静脈腫瘍栓例で は全例 Hepatic vascular exclusion により腫瘍栓を摘出した。平均手術時間 349 分、出血 量中央値 950 (750-1520) ml、術後平均在院日数 24 日、術後胆汁瘻を 1 例、腹水貯留を 1 例に認めた。右心房腫瘍栓は全例人工心肺下に腫瘍栓を摘出、肝鬱血の強い 2 例で Bio-pump を 用 い た Porto-Venus bypass を 併 施 し た 。 平 均 手 術 時 間 608 分 、 出 血 量 中 央 値 6540(1050-35820)ml、術後平均在院日数 21 日、術後 1 例に急性腎不全、1 例に心房細動を 認めたが、手術関連死は認めなかった。肝内および肝外に癌遺残を認めない R(0、1)手術 は 13 例中 5 例に施行された。術後補助療法として PMC 療法(UFT300mg 内服+5-FU500mg 静注) と UFT 内服を 4 例ずつ、FP 療法と TS-1 内服を 1 例ずつに施行した。癌遺残を認めた R(2) 症例において、肺転移に対しては 2 例で UFT 内服、1 例で PMC 療法、1 例で TS-1 内服(のち に切除)が施行された。遺残肝内転移巣に対して、2 例に UFT 内服、1 例に TACE が施行され た。縦隔リンパ節転移 1 例に対しては術後放射線治療が施行された。全症例の 1 年/3 年生 存率は 50.4%/21.0%、生存期間中央値は 15.3 ヵ月であった。R(0、1)群での 1 年/3 年生 存率は 80.0%/30.0%、生存期間中央値は 30.8 ヵ月であったのに対し、R(2)群での 1 年生 存率は 29.2%、生存期間中央値は 10.5 ヵ月であった。R(0、1)群でも全例に再発を認め、 無再発生存期間中央値は 3.8 ヵ月であった。 【結語】肝細胞癌 Vv3 症例において、特に右心房腫瘍栓を有する症例でも補助体外循環を 用いることで、安全に切除可能であった。完全切除例では予後の改善が期待され外科的切 除の有用性が示唆されたが、早期の再発が課題であり、より有効な術後補助化学療法が期 待される。 20 Ⅲ.下部消化管術後創感染の危険因子の解析 【目的】下部消化管手術における創感染の危険因子の抽出とその対策による治療成績の向 上を目的とした。 【対象】2001 年 4 月から 2012 年 3 月までに、当科にて施行した下部消化管手術症例のう ち、人工肛門造設例を除く CDC 創分類が class2 に該当する 582 例を対象とした。 【方法】性別、年齢、出血量、輸血の有無、糖尿病の有無、手術時間、ASA score、吻合法 (DST or FEEA)、術式(開腹手術または腹腔鏡手術)、創洗浄および創保護の有無(以下、創 洗浄と記載)、BMI、抗菌薬の使用法、真皮縫合の有無を検討因子とし、術後創感染率との 関連について統計学的に検討を行った。 【結果】創感染率は 6.9%であった。単変量解析で創感染と有意な相関(p<0.05)を認めた因 子は、出血量、手術時間であった。一定程度の有意傾向を認めた因子は創洗浄と術式であ った。創洗浄施行例の創感染率は 6.8%、非施行例では 15.8%であった。また開腹手術の創 感染率は 10.7%、腹腔鏡手術では 6.1%であった。次に開腹手術と腹腔鏡手術別の創感染の 危険因子の検討を行った。開腹手術では明らかな因子はなかったものの、輸血、手術時間、 創洗浄が創感染と関連する傾向にあった。このことから、輸血なし、手術時間 285 分未満(カ ットオフ値は ROC 解析で設定)、洗浄ありの症例群について創感染率を検討したところ 2.4%(2/83)であった。腹腔鏡手術では出血量が有意な因子(p<0.05)として抽出された。有 意傾向にあった因子としては手術時間が抽出された。これらの因子の条件を手術時間 254 分以上(ROC 解析にて設定)、出血量 90ml 以上(同上)とした場合、創感染率は 11.7%(15/128) であった。出血量、手術時間、創洗浄、術式の各因子に対し多変量解析を行うと、術式と 創洗浄が独立した因子(p<0.05)として抽出された。出血量と手術時間は互いの相関が強い と思われるため抽出されなかった。開腹手術と比較して腹腔鏡手術において創感染率が低 い要因の検討の為に、最も有意な因子であった出血量を propensity score matching method を用いて解析を行った結果、創感染率は開腹手術では 6.4%(6/93)、腹腔鏡手術では 8.6%(8/93)で創感染率に差を認めなかった。腹腔鏡手術において創感染率が低い要因は出 血量が少ないためであると示唆された。 【結語】創感染率を低下させるためには、開腹手術では無輸血、手術時間の短縮、創洗浄 及び創保護を行うこと、腹腔鏡手術では出血量の減少、手術時間の短縮を目指すことが重 要であると考えられた。 21 【一般演題】 1 肝硬変患者の難治性腹水に対する腹腔静脈シャント療法の検討 JR 札幌病院外科 永山 稔、岩山祐司、中野正一郎、鶴間哲弘 難治性腹水に対する腹腔静脈シャントは、1974 年に Le Veen によって報告されて以来本邦でも施 行されている。今回我々は、過去 3 年間に末期肝硬変に伴う難治性腹水に対して腹腔静脈シャント療 法を施行し、術後経過を追跡し得た 6 例を対象として、その臨床的有用性について検討を行った。肝 硬変の原因はウイルス性 2 例、非ウイルス性 4 例で、1 例は肝細胞癌を合併していた。術後早期合併 症として 1 例にポンプ部の血腫を認めたが、保存的に治癒した。シャント術後平均入院期間は 26 日 で、全例に腹水や浮腫が減少するなど臨床症状の改善効果が得られ、在宅移行が可能であった。後期 合併症としては 1 例にシャント閉塞を認め(術後 4 ヶ月目)、シャントの交換を要した。現在のとこ ろ、1 例が死亡しているが(術後 5 カ月目)、死因は肝不全であった。末期肝硬変に伴う難治性腹水 への腹腔静脈シャントは患者の QOL 改善に有用な治療法と考えられた。 22 2 診断治療に苦慮した11歳女児肝背側膿瘍の1例 旭川医科大学小児外科 升田晃生、宮本和俊、平澤雅敏 今回我々は術中所見から穿孔性虫垂炎術後10カ月での遺残糞石膿瘍と診断した1例を経験したの で報告する。症例は11歳女児、右季肋部痛、39℃台の発熱で前医受診。腹部エコーで肝右葉背側 に嚢胞性病変を認め当科紹介。10ヵ月前に穿孔性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行。WB C14080/μl、CRP11mg/dlと炎症反応上昇、造影CTで径7cm大の多房性嚢胞性 病変を認め後腹膜膿瘍と診断した。鑑別に後腹膜腫瘍性病変の感染や重複腸管感染による後腹膜進展 を考えた。CLDM+PAPM/BP投与、エコーガイド下に膿瘍穿刺、持続ドレナージを開始。透 視下に膿瘍腔内へ造影剤注入するも、腸管との交通はなかった。第10病日に開腹、膿瘍壁部分切除 +膿瘍腔掻爬術を施行し内部から遺残糞石を認め、これによる遺残膿瘍と診断した。術後8日目に退 院。病理診断では後腹膜表面にリンパ濾胞形成を認め膿瘍壁の所見として矛盾しなかった。 23 3 イレウスを来した巨大後腹膜リンパ腫の 1 例 JA 北海道厚生連帯広厚生病院外科 齋藤崇宏、鯉沼潤吉、蔦保暁生、加藤航平、武藤潤、山村喜之、黒田晶、吉岡達也、村川力彦、大竹 節之、大野耕一 今回我々は巨大後腹膜嚢胞性リンパ管腫の一切除例を経験した。症例は 75 歳男性。腹痛を主訴に 近医を受診後、イレウスの診断にて紹介となった。CT にて腹腔内全体に多房性の巨大嚢胞を認め、 腹腔内臓器が右方に圧排され一部小腸が拡張していた。巨大嚢胞による腸管の圧排がイレウスの原因 と判断し手術を施行した。脾湾曲部を受動し、左側の結腸を尾側にめくるようにして病変を露出させ た。左腎が巻き込まれており剥離困難なため、合併切除した。切除標本は 30x28cm の多房性嚢胞であ り、組織学的診断はリンパ管腫であった。後腹膜リンパ管腫は無症状で経過することが多い。今回の ようにイレウス症状を引き起こすほど巨大化することは稀である。治療は手術による完全切除で予後 は良好とされるが、切除困難なためドレナージ施行された報告も散見される。本症例は切除可能であ ったが再発の可能性はあり、当面定期受診を予定している。 24 4 術前 AI 療法を施行した巨大膵周囲脂肪肉腫の 1 切除例 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 1 同 腫瘍・血液内科学講座 2 石井雅之 1、木村康利 1、高田弘一 2、信岡隆幸 1、今村将史 1、目黒 誠 1、西舘敏彦 1、伊東竜哉 1、 及能大輔 1、水口 徹 1、古畑智久 1、加藤淳二 2、平田公一 1 【はじめに】今回、我々は術前 AI 療法を施行後、切除に至った巨大な膵周囲脂肪肉腫の 1 例を経験 したので報告する。【症例】69 歳、男性。左後腹膜腔に最大径 28cm の腫瘍を認めた。腫瘍は膵体尾 部、脾、左腎を巻き込んでおり、胃、横行結腸と接していた。腫瘍径減少による切除縁陰性化を企図 し AI 療法(DXR:30mg/㎡、IFM:2000mg/㎡)を 2 コース施行した。腫瘍は縮小(28cm→25cm)し、効果判 定は SD であった。 【手術】腫瘍は十二指腸第 3-4 部、横行結腸と近接し、これらを併せて膵体尾部・ 脾、左腎、左副腎、横隔膜を合併切除した。手術時間 506 分、出血量 250ml、摘出標本重量は 4.4kg (30×25×15cm)であった。 【病理】脱分化型脂肪肉腫、悪性度 Grade3、組織学的治療効果判定 Grade0。 【まとめ】脂肪肉腫に対する化学療法の有用性は確立されていないものの、AI 療法により若干のダ ウンサイズ後に切除を行い得た 1 例を経験した。 25 5 小腸腸間膜リンパ管腫の 1 症例 手稲渓仁会病院 青木泰孝、今村清隆、荒木謙太郎、清水 徹、石井 生、寺村紘一、齋藤博紀、高田 実、岸田明博、 安保義恭、中村文隆、樫村陽一、松波 己 生来健康な 28 歳男性。5 日前より続く発熱、下腹部痛を主訴に当院 ER を受診。身体所見では下腹 部の圧痛と軽度膨隆を認めた。造影 CT では 22cm 大の腹腔内腫瘤を認め,内部は嚢胞多房性、隔壁は 薄く、均一な液体成分で充満していた。後腹膜リンパ管腫を疑い,入院となった。第 19 病日に開腹 手術を施行。腹腔内の大半を占める弾性のある固い被膜に覆われた腫瘤を認めた。視野を確保する目 的で穿刺吸引を行い 1800ml の乳糜様排液を得た。腫瘍は小腸間膜・十二指腸水平脚・後腹膜と接し, 膵臓と接していなかった。小腸間膜リンパ管腫と診断した。流入血管やリンパ管を結紮切離し、残存 腫瘍なく摘出した。病理組織診断では海綿状リンパ管腫であった。術後合併症はなく術後 7 日目に退 院となった。当院で施行されたリンパ管腫に対する他の手術症例も合わせ,文献的考察を加え報告す る。 26 6 特発性腸間膜デスモイド腫瘍の 2 例の検討 王子総合病院外科 細井勇人、岩井和浩、渡邉幹夫、狭間一明、松井あや、京極典憲、河合典子 症例1は 49 歳、男性、腹痛を主訴に当院受診。CT 検査で回腸の拡張とその肛門側に 5cm 大の腫瘤 性病変を確認。内視鏡検査では回腸に粘膜面に異常のない圧迫性狭窄を認めた。小腸腫瘍による狭窄 病変を疑って手術を施行。腫瘍は腸間膜内に存在し、回腸以外に横行結腸、十二指腸にも浸潤してい た。右半結腸及び十二指腸を一部合併切除して腫瘍を摘出した。摘出腫瘍はデスモイド腫瘍(DT)であ った。現在術後7カ月無再発生存中である。症例2は 64 歳、男性、検診エコー検査で 5cm 大の腫瘤 性病変を指摘された。画像上、小腸と連続していたため、GIST を第一に考え手術を施行。腫瘍は腸 間膜内に存在し小腸壁に浸潤していた。小腸部分切除して腫瘍を摘出した。摘出腫瘍は DT であった。 現在術後 3 ヶ月無再発生存中である。腹腔内 DT は、家族歴や開腹歴などの既往との関連が知られて いるが特発例の報告は稀である。今回、特発性 DT を 2 例経験したので若干の文献的考察を加えて報 告する。 27 7 Ewing/pPNET の腹膜転移に対して化学療法後外科的切除を行った一例 北海道がんセンター消化器外科 1 同 泌尿器科 2 長津明久 1、篠原敏樹 1、二川憲昭 1、前田好章 1、三浪圭太 2、濱田朋倫 1 症例は 27 歳女性、最大径が 140mm の左腎下極の腫瘤性病変を認め開腹腎摘術を受けたが、2 ヶ月 後の CT で再発を指摘された。地元である当院へ紹介。腹腔内に最大径 135mm の多発腫瘤を認め再発 と考えられた。前医のプレパラートの再検索、および遺伝子検査で、ES/pPNET 腹腔内再発・腹膜転 移の診断となった。VDC+IE を各 6 コース施行し、腫瘍の著明な縮小を認め瘢痕様の病変を数カ所残 すのみとなったため、腫瘍残存の有無の確認および残存腫瘍の切除を目的として当科で開腹腫瘍切除 術を施行した。術中所見で合計 5 箇所腫瘤性病変を認め、すべて切除し肉眼的には遺残のない手術と なった。切除標本の大半は線維化と組織球の集簇が見られるものであったが、大網の結節の一部に小 円形の腫瘍細胞の残存をわずかに認めた。切除後補助化学療法として VDC を 5 コース施行し、初回手 術から 14 ヶ月、再発巣切除から 2 ヶ月経過した現在画像上明らかな再発なく生存中である。 28 8 Heterotopic glands により幽門狭窄をきたした若年女性の 1 例 JA 北海道厚生連札幌厚生病院外科 谷岡利朗、高橋周作、高橋昌宏、川村大資、福田賢太郎、松本 哲、久慈麻里子、渡会博志、植木伸 也、田原宗徳、山上英樹、秦 庸壮、田中浩一、益子博幸、石津寛之、高橋弘昌 症例は 17 歳の女子で、食事摂取困難と腹部膨満感が徐々に悪化してきたため当院を受診した。家 族歴、既往歴に特記すべきものはなかった。腹部所見では腹痛はなく、心窩部に膨満を認めた。上部 消化管内視鏡では胃内に多量の食残があり、幽門輪に全周性の狭窄を認めた。消化管造影でも幽門輪 に狭窄を認め、ガストログラフィンも通過不良であった。CT では胃の拡張と幽門に全周性の壁肥厚 を認めた。病変部からの生検では腺窩上皮の過形成を認めるのみであった。良性の狭窄と判断しバル ーン拡張術を数回試みたが、狭窄は悪化し手術の方針となった。手術は整容性を考慮し腹腔鏡下幽門 側胃切除術を施行した。経過は良好で術後 10 日目に退院した。病理組織検査の結果は heterotopic glands による幽門狭窄の診断であり、筋層の肥厚や悪性所見は認めなかった。Heterotopic glands による幽門輪狭窄の症例報告は世界的にもなく極めて稀な症例である。 29 9 例 HER2 強陽性高度進行胃癌に対し、conversion therapy を施行し pCR が得られた 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 1 同 腫瘍・血液内科学講座 2 伊東竜哉 1、信岡隆幸 1、石井雅之 1、目黒 誠 1、西舘敏彦 1、木村康利 1、佐藤康史 2、加藤淳二 2、 平田公一 1 症例は 61 歳男性、2011 年秋より全身倦怠感を自覚。胃体下部に巨大な 3 型腫瘍を認め、生検にて Group5(tub1-por)。また、肝両葉に多発する転移巣を認め、StageⅣ胃癌の診断となった。この時点 では切除不能であり、全身化学療法を導入。HER2 強陽性(score 3)であり、2012 年 1 月より mDCS+Trastuzumab(Tmab)を 6 コース、DS+Tmab を 3 コース、CPT-11+Tmab を 6 コース施行。化学療法 が著効し、原発巣は大幅縮小(生検では癌細胞を検出)。肝転移もほぼ消失し、肝 S2 に LDA を一つ残 すのみとなった。2013 年 4 月に審査腹腔鏡を施行し、切除不能因子がないことを確認したのち、胃 全摘術+肝左葉外側区切除術を施行した。切除標本では胃・肝・リンパ節すべてに pCR が確認された。 胃癌に対する conversion therapy において、これまで pCR 症例の報告は少ないが、現在の化学療法 の進歩を考慮すれば同様の症例が増える可能性がある。症例を集積し、conversion therapy におけ る薬剤選択や切除の意義についての検討を加えていきたい。 30 10 4型進行胃癌に対する術前化学療法(DCS を中心とした)後の手術成績の検討 北海道がんセンター消化器外科 濱田朋倫、篠原敏樹、前田好章、長津明久、二川憲昭 【目的】術前化学療法では,薬剤強度の高い抗癌剤の選択が可能 であると同時に効果発現が早く奏 効率の高いレジメンが必要とされる.今回 DCS を中心とした術前化学療法を行った4型進行胃癌手術 症例について retrospective に安全性と治療成績を検討した. 【対象・方法】80 歳以下の4型進行胃 癌に対して S-1 80mg/m2(day1-14),CDDP 60mg/m2(day8),Docetaxel 60mg/m2(day8)を 3 週毎 2 コ ースを基本として行い,化療終了 3 週目以降に定型手術を行った.今回,術後 3 年以上経過した 12 例を対象とした.【結果】DCS2 コースの完遂率は 75%であった.grade3 以上の有害事象を全例に認 めたが,認容可能であった. 2 例(17%)で down stage が得られた.臨床効果は PR 1 例(8%), SD 10 例(83%),PD 1 例であった.8 例(67%)で治癒切除が行われた.全例術後重篤な合併症無く経過し, 術後中央値 18 日で退院した.術前 DCS 療法の組織学的効果では,grade3 1 例,grade2 1 例,grade1b 1 例,grade1a 9 例であった. 2 年生存率(化療開始日から)は,91%であった. 31 11 脾動脈塞栓術,腹腔鏡下脾臓摘出術施行後に壊死性先行性胃潰瘍を来した 1 例 帯広厚生病院外科 鯉沼潤吉、齋藤崇宏、蔦保暁生、加藤航平、武藤 潤、黒田 晶、山村喜之、吉岡達也、村川力彦、 大竹節之、大野耕一 症例は 58 歳女性.遺伝性球状赤血球症にて脾臓摘出目的で当科紹介となった.CT にて脾臓は長径 約 20cm に腫大しており,脾動脈塞栓術施行後に腹腔鏡下脾臓摘出術施行した.術後炎症反応の遷延 が見られ,腹部 CT にて胃の穹窿部で胃壁が途絶していた.上部消化管内視鏡検査では穹窿部に黒色 に変色した部位が広がっており,壊死が疑われた.壊死性胃潰瘍と診断し,同日腹腔鏡下胃部分切除 術施行した.その後の経過は良好であった.切除標本の病理検査所見では粘膜下層血管内に人工的塞 栓が多数見られるとのことであった.脾臓摘出術に先行しての脾動脈塞栓術を施行することがあるが, 術後に胃潰瘍を合併した報告はない.胃の血流は豊富であり,脾動脈からの血流遮断により胃潰瘍を 形成するとは考えがたく,塞栓物質が粘膜下層血管まで到達したことが潰瘍形成の要因と考えられた. 本症例は教訓を有する症例と思われ考察を加えて報告する. 32 12 イマチニブを投与した胃 GIST 症例の検討 恵佑会札幌病院外科 1 同 内科 2 同 病理診断科 3 三橋洋介 1、西田靖仙 1、坂下啓太 1、那須裕也 1、澄川宗祐 1、米森敦也 1、吉川智宏 1、木ノ下義宏 1、 久須美貴哉 1、細川正夫 1、奥田博介 2、小平純一 2、塚越洋元 2、穂刈 格 2、大内知之 3、武内利直 3 当院においてイマチニブを投与した胃 GIST 症例について報告する。過去10年間の胃 GIST の症例 は 65 例あり、このうちイマチニブを投与した 10 例を対象とした。リスク分類は modified-Fletcher 分類を用いた。 イマチニブを用いたのは高リスク群 9 例、中リスク群1例であった。術後補助療法 として投与した 3 例のうちの2例は 12 ヶ月、7 ヶ月経過して再発を認めなかった。1 例は投与後 9 ヶ月経過し肝転移を認めた。再発後の治療として投与を行った症例は 5 例であった。再発部位は肝臓 であり、1 例が CR、3 例が SD、1 例が PD であった。また、腹膜播種のため非切除となり、術後イマ チニブ使用した 2 例は PD であった。考察:イマチニブは exon11 の変異には効果があるが、他では効 果が少ないと報告されている。遺伝子検索は保険治療上困難な点もあるが、このことを念頭に置いた 投与が必要である。 33 13 術前診断しえた嚢胞変性を伴った胃 GIST の一例 滝川市立病院外科 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 久木田和磨 1,2、星川 剛 1、大島秀紀 1,2、柴田稔人 1,2、平田公一 2 Gastrointestinal stromal tumor(以下 GIST)は消化管に発生する間葉系腫瘍のひとつであり、そ のほとんどが c-kit 蛋白を発現しているのが特徴的で紡錘形あるいは類上皮型の腫瘍細胞から構成 される。GIST の大半は充実性粘膜下腫瘍の形態を示し、嚢胞形成を示すことはまれである。今回、 嚢胞変性を伴った胃 GIST の 1 例を経験したので報告する。症例は 62 歳、女性。2012 年 2 月、心窩 部痛を主訴に当院内科を受診。上部消化管内視鏡で体上部小彎に壁外性圧排様に内腔に突出した粘膜 下腫瘤を認め、CT で嚢胞変性を伴った腫瘍と判断していたことより、EMR 用の注射針を用いて内容液 を吸引したのちに経鼻内視鏡用の生検鉗子を穿刺孔から挿入し内腔の壁を生検したところ、わずかな 紡錘形細胞が採取され、免疫染色の結果 GIST と診断された。手術は腫瘍の主座や大きさから胃全摘 術を行った。本症例について若干の文献的考察を加えて報告する。 34 14 食道神経鞘腫の 1 例 旭川医大呼吸器センター1 同 循環呼吸腫瘍病態外科 2 同 手術部 3 石橋 佳 1、北田正博 1、松田佳也 1、林 諭史 1、升田晃生 2、平田 哲 3、東 信良 2 食道原発良性腫瘍の頻度は低く、その大部分は平滑筋腫であり神経鞘腫は稀である。食道粘膜下発 生の神経鞘腫と診断され、手術を施行した症例を経験したので報告する。症例)55 歳女性。動悸・ 嚥下時違和感を主訴に受診。CT 上で上・中縦隔にかけて 75x57x80mm 大の内部陰影均一な分葉状腫瘤 を認めた。上部内視鏡検査で門歯より 22cm の部分から正常粘膜に覆われた平滑な隆起を認め、生検 で神経鞘腫と診断された。手術は第5肋間開胸、胸腔鏡補助下に行った。胸部中部食道に接した約 80mm 大の腫瘤を認めた。食道筋層が広範囲に欠損し直接縫合が困難と考え、食道切除および胸腔内 吻合による胃管再建を行った。病理組織学的所見では、紡錘形細胞が束状・錯綜に増生し、核の柵状 配列も認めた。免疫組織化学染色で S100 陽性、αSMA、CD34、CD117 が陰性であり、良性の神経鞘腫 と診断された。術後経過は良好、現在まで再発の兆候は認めていない。 35 15 腹腔鏡下に切除した横行結腸浸潤を伴う回腸悪性リンパ腫の 1 例 市立室蘭総合病院外科 1 市立芦別病院外科 2 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 3 奥谷浩一 1,2、内山素伸 1、斎藤慶太 1、佐々木賢一 1、澁谷 均 1、水島康博 2、平田公一 3 症例は 80 歳、女性。食欲低下と右下腹部の腫瘤を自覚し平成 25 年 2 月中旬に近医受診、右側大腸 癌を疑われ精査加療目的に当科紹介となった。腹部 CT 検査にて回腸末端部に造影効果を伴う 15×10 cm 大の腫瘤性病変を認め、下部消化管内視鏡検査では全大腸に異常所見を認めなかった。以上より 小腸腫瘍の診断で平成 23 年 2 月下旬に手術を行った。術中所見は Bauhin 弁から 5cm 口側の回腸に巨 大な腫瘍を認め、横行結腸と癒着しており浸潤と判断し、腹腔鏡補助下右側結腸切除術を施行した。 術後経過に特記事項なく、第 13 病日に軽快退院した。組織学的にびまん性大細胞性 B 細胞リンパ腫 と古典的ホジキンリンパ腫との中間型 B 細胞性リンパ腫の診断だった。回腸以外に病変を認めず、現 在のところ再発所見なく外来で経過観察中である。腹腔鏡下に切除した横行結腸浸潤を伴う回腸悪性 リンパ腫の 1 例を経験したので文献的考察を含めて報告する。 36 16 血管内留置コイルを指標として腹腔鏡下小腸切除を行った小腸出血の 1 例 旭川赤十字病院外科 1 同 放射線科 2 上村志臣 1、安孫子剛大 1、佐々木剛志 1、真名瀬博人 1、平 康二 1、長沢研一 2 小腸出血では診断と治療に難渋することが多い。我々は血管造影検査で小腸出血を診断し、病変部 へのコイル留置により術中に病変を同定しえた小腸出血の 1 切除例を経験したので報告する。症例は 22 歳男性、血便を主訴に受診。腹部 CT、内視鏡検査では原因不明であった。入院後大量下血を認め 腹部血管造影を行ったところ、上部空腸に漏出を認め血管塞栓術を行った。2日後再度下血を認めた ので、小腸切除を前提に腹部血管造影を行った。明らかな血管外漏出を認めなかったが、責任血管と 思われる部位にコイルを留置し手術を行った。腹腔鏡下で全小腸を確認したが病変を同定できず、透 視下でコイルを確認し小腸にマーキングを行った後腹壁外に拳上した。病変は触知できなかったが、 コイルを含むよう小腸を切除した。摘出標本に小潰瘍と露出血管を認めたので責任病変と断定した。 2 度の血管造影と腹腔鏡下手術にて最小限の侵襲で治癒を得ることができた1例であった。 37 17 縫合糸膿瘍により肉芽腫を形成し腸管狭窄を来たした 1 例 旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野 谷 誓良、千里直之、浅井慶子、山田理大、鈴木和香子、北 健吾、長谷川公治、小原 啓、谷口雅 彦、古川博之 縫合糸によると思われる肉芽腫形成により腸管狭窄を来たし、術後管理に難渋した症例を経験した ので報告する。症例は 50 歳代、男性。Rb の Type0-IIc 病変に対して内視鏡的粘膜切除術を行い、病 理結果が「SM(1616μm),ly0,v0,HM0,VM1,簇出 Grade1」。追加切除で腹腔鏡下超低位前方切除術(D2) +回腸双孔式人工肛門造設術施行。腹壁近傍でストーマ狭窄によるイレウスを発症し、術後 33 日目 に人工肛門閉鎖術を行った。Vicryl で腸管吻合、腸間膜を閉鎖。術後、イレウスを発症し初回手術 後 57 日目にイレウス解除術施行。前回手術時に閉鎖した腸間膜に腫瘤を形成し、腸管を巻き込むよ うにしてイレウスを生じていた。吻合部と腫瘤を形成した腸間膜を切除し腸管は Vicryl で吻合。腸 間膜は PDS で閉鎖。計 3 回の術後に好酸球高値ありステロイド内服し、初回手術後 79 日目に退院。 術後、原因不明のイレウスを来たし好酸球高値の症例に対しては、縫合糸など医療材料に対する異物 反応も考慮する必要がある。 38 18 術後長期間留置した経腸栄養チューブにより小腸穿孔を来たした1例 北海道大学病院消化器外科Ⅱ 芦立嘉智、松本 譲、中村透、土川貴裕、田中栄一、七戸俊明、平野 聡 症例は 60 歳代の男性。十二指腸 Brunner 腺腫瘍に対し SSPPD を施行した際、経腸栄養用チューブ を挙上空腸から挿入留置した。術後 23 病日の退院時、栄養チューブを固定した吸収糸が融解前で抜 去困難であり留置のまま自宅退院した。52 病日に強い左下腹部痛を認め、CT で栄養チューブ先端の 腸管外への貫通所見を認め、緊急手術を施行した。チューブは先端が極度に硬化し、空腸を穿孔して いたため、抜去後に穿孔部を縫合閉鎖した。腸穿孔の原因は塩化ビニール製チューブを軟化させるた めの可塑剤が空腸内のアルカリ環境下で溶出し、先端が硬化したためと考えられた。チューブの添付 文書では、先端を胃に留置しかつ短期間での抜去が推奨されていた。当科ではこれまで同じ製品を多 数使用してきたが、穿孔例はなかった。本症例を経験後、直ちに同チューブの空腸内留置を禁止し、 シリコン製空腸内留置用チューブを空腸内留置に使用することとした。 39 19 腸重積を契機に発見された腎細胞癌小腸転移の 1 例 製鉄記念室蘭病院外科 1 同 病理臨床検査科 2 宇佐美 信 1、大高和人 1、川瀬 寛 1、早馬 聡 1、高橋康宏 1、市村龍之助 1、仙丸直人 1、藤田美悧 2 55 歳男性。2011 年 4 月、右腎腫瘍、左肺腫瘍に対し、右腎摘出術を施行。病理学的に右腎細胞癌 と診断された。左肺腫瘍は転移性肺腫瘍と判断し、インターフェロン製剤による免疫療法や分子標的 治療を行った。2011 年 11 月、CT で左肺腫瘍の増大を認め、VATS 左肺部分切除を施行した。病理診 断は腎細胞癌の肺転移であった。術後、分子標的治療を施行したが、2012 年 4 月、CT で左鎖骨下リ ンパ節転移を認め、分子標的治療を施行した。2012 年 5 月頃より、食欲不振、嘔気といった症状を 認めた。2012 年 12 月、Hb6.5 と貧血を認め、輸血目的に入院した際に CT で腸重積を認めた。イレウ ス症状があり、口側腸管の拡張を認めたため、同日、空腸切除を施行した。術後病理診断の結果、腎 細胞癌小腸転移と診断された。腎細胞癌の小腸転移は比較的稀であり、文献的考察を加えて報告する。 40 20 小腸脂肪種による腸重積症の 1 例 網走厚生病院外科 1 札幌厚生病院 病理部 2 今井 敦 1、巖築慶一 1、葛西弘規 1、長田忠大 1、下國達志 1、西川 眞 1、後藤田裕子 2 症例は 75 歳女性。2013 年 2 月上旬に朝から続く右下腹部痛にて当院を受診。同部位に反跳痛を伴 う圧痛を認めるも筋性防御は認めず。腹部 CT にて上行結腸から回腸末端にかけて肥厚した腸壁と陥 入する腸管膜を認め、先端部分に脂肪と同じ density を示す大きさ 2.5cm の腫瘤を認め脂肪腫による 腸重積症と診断。注腸ガストロでの整復を試みるも困難で、大腸内視鏡にて重積先端は Bauhim 弁を 超えるものの、それ以降は整復できず、同日緊急手術を施行した。重積部を用手的に整復し、回腸末 端より口側 60cm 部分に腫瘍を認め、その部分を切除した。切除標本では大きさ 2.5cm の粘膜下腫瘍 を認め、病理所見は脂肪腫であった。術後経過は良好で術後 8 日目に退院。成人腸重積は比較的稀な 疾患であり、その原因が脂肪腫となるのは稀である。今回、回腸脂肪腫が原因で発症した腸重積症を 経験したので、文献的考察を加え発表する。 41 21 イレウスで発症した小腸 lymphangioma の一例 小林病院外科 古郡茉里子、山本康弘、八木亜記、重原健吾、岡村幹郎 症例は 60 代男性。5 年前にイレウスにて入院。保存的加療で改善を認めたが、腹部 CT にて腸間膜 嚢胞を認め、手術予定となっていた。しかし、通院を自己中断し放置されていた。今年 2 月に腹部膨 満、嘔吐を主訴に救急外来受診。腹部 CT にて、拡張した小腸および、小腸と連続する嚢胞性病変を 認め,腸管膜嚢腫によるイレウスの診断で入院となった。イレウス管を留置し、イレウスの改善を待 って待機的に手術を施行した。手術は腹腔鏡下で施行し、回盲部より 2m の空腸に嚢胞性病変を認め、 腸間膜と癒着し、同部位で caliber change を認めた。小開腹し、嚢胞部を含めて小腸部分切除を施 行した。嚢胞は漿膜面より連続し、粘膜面は異常なく腸管内腔は保たれていた。病理組織学的検査で は、粘膜筋板下及び筋層から漿膜内にかけてリンパ管の拡張、増生を認め、D2-40 染色陽性であり、 lymphangioma の診断であった。比較的稀な、消化管 Lymphangioma によるイレウスを経験したので、 文献的考察を加えて報告する。 42 22 回腸導管に発生した原発性回腸癌の1手術例 市立室蘭総合病院外科 1 同 泌尿器科 2 佐々木賢一 1、斎藤慶太 1、奥谷浩一 1、内山素伸 1、加藤隆一 2、宮尾則臣 2、澁谷 均 1 尿の長期暴露が消化管癌発生のリスクであることは良く知られているが、頻度はまれで、多くは大 腸癌である。今回われわれは、極めてまれな回腸導管に発生した回腸癌の1手術例を経験したので、 若干の文献的考察に加え、回腸導管再造設後の留意点にも言及し報告する。症例は、66 歳男性。16 年前、前方骨盤内臓全摘・回腸導管による尿路変更術。今回、左水腎症に伴う腎盂腎炎を発症し入院。 回腸導管内視鏡検査で尿管回腸吻合部近傍に 3cm 大の 3 型腫瘍を認め、生検で腺癌(tub2)と診断され た。腎瘻造設1ヶ月後に、両側尿管吻合部を含む導管回腸切除、および回腸導管再造設術を施行した。 病理学的に、回腸腸間膜に tub2 の増生像を認め(pP1)、StageIV 相当の原発性回腸癌(pSE、pN1)と診 断した。術後、意識障害を伴う高 Cl 性アシドーシスを併発したが、NaHCO3 による補正で軽快した。 回腸導管再造設など比較的長い消化管で尿路変更した場合、尿中 NH4Cl の再吸収による高 Cl 性アシ ドーシスの併発を念頭におき、NaHCO3 の補充療法を考慮することが肝要である。 43 23 大腸癌術後に孤立性脾転移を来した 1 例 旭川厚生病院外科 豊島雄二郎、中野詩郎、赤羽弘充、稲垣光裕、栁田尚之、芝木泰一郎、正村裕紀、庄中達也、木村鐘 康、岡田尚樹 【はじめに】大腸癌術後に異時性孤立性脾転移を来たし脾摘術を施行した 1 例を経験した.【症例】 症例は 70 歳代男性で,S 状結腸癌に対し腹腔鏡補助下 S 状結腸切除 D3 郭清を施行した.病理所見は tub2,pSS,int,INFb,ly1,v0,pN1,pStageIIIa で術後に FOLFOX を 12 クール施行した.術後 1 年 7 カ月後に,血清 CEA 値が 7.9ng/ml に上昇し,腹部 CT 検査で脾臓に径 18mm 大の周囲に比べ enhance されない腫瘤を認め,FDG-PET で脾臓の腫瘤に一致して FDG の高集積を認めた.脾臓以外には高集積 は認めず,S 状結腸癌の脾転移を疑い脾摘術を行った.病理所見は中分化腺癌で S 状結腸癌の脾転移 であった.術後 CEA 値は正常域まで低下した.【まとめ】大腸癌術後の脾転移は比較的稀であり,診 断がつき次第,脾転移に対する手術に加え,術後補助化学療法を含めた集学的治療が必要と考えられ る. 44 24 パンツ型皮膚浸潤を呈した肛門腺癌の一例 日鋼記念病院外科 1 同 臨床病理部 2 喜納政哉 1、西越崇博 1、蔵谷勇樹 1、舩越 徹 1、高田譲二 1、浜田弘巳 1、藤岡保範 2 80 歳の男性。1 年前から肛門痛を自覚するも放置していた。肛門周囲の硬結、疼痛増強、便失禁を 主訴に受診された。肛門内から肛門周囲皮膚へ連続する固い小結節病変により肛門は狭窄し、わずか な隙間から便汁が滲み出してくる状態であった。会陰から陰嚢・陰茎包皮にかけての皮膚は硬く肥厚 し、尿道口が埋没していた。さらに網目状の発赤と強い浮腫が広がり、腰部から両大腿部上部までの パンツ型を呈していた。肛門周囲の結節病変の生検では、重層扁平上皮下に粘液産生性の明瞭な低分 化腺癌細胞が小集塊を形成して浸潤性増殖を示している像であった。また、陰嚢・下腹部からの皮膚 生検では、異型細胞は表皮直下のリンパ管内に認められ、表皮内にはごく少数を認めるのみであり、 pagetoid spread とはいえないものであった。広範な皮膚浸潤を伴う肛門腺癌の一例を経験したので 報告する。 45 25 当科における遠隔転移のない他臓器浸潤直腸癌の治療成績 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 沖田憲司、古畑智久、西舘敏彦、植木知身、秋月恵美、伊東竜哉、川本雅樹、目黒 誠、信岡隆幸、 木村康利、水口 徹、平田公一 (目的)当科の直腸癌に対する治療方針は、側方郭清を伴う切除を基本としている。当科における他 臓器浸潤直腸癌の治療成績について検討した。(対象)1991 年から 2011 年までに当科で手術治療を 受けた直腸癌のうち、遠隔転移が無く病理学的に他臓器浸潤を認めた症例を対象とした。(結果)症 例は 21 例。側方郭清は 15 例で行われており、7 例で側方リンパ節転移陽性であった。全症例の 5 年 MST は 3.1 年であった。Stage2 の MST は 6.8 年、Stage3 は 1.8 年であった。Stage2 に関しては、Cur A 症例の 5 年 DSS は 62.5%、DFS は 32.8%であり、同時期の他臓器浸潤のない Stage2 直腸癌 症例に 比べ、予後不良であった。(考察)Stage2 の Cur A 症例でも予後不良であり、強力な補助療法が必要 である可能性が示唆された。側方郭清を行った症例での転移陽性率は 46.7%であり、他臓器浸潤を 伴う場合は側方転移率が高いことが示唆された。Stage3 症例の予後は側方郭清を行っても不良であ り、CRT を含めた補助療法の必要性が示唆された。 46 26 XELOX+bevacizumab 療法により PR が得られた stageIV AFP 産生大腸癌の一例 北海道大学消化器外科学分野Ⅰ 沢田尭史、皆川のぞみ、柴崎 晋、本間重紀、川村秀樹、高橋典彦、武冨紹信 背景)AFP 産生大腸癌の報告は稀で、高率に肝転移を伴う予後不良な疾患である。XELOX+bevacizumab 療法により PR が得られた stageIV AFP 産生大腸癌の一例を経験したので報告する。症例)65 歳男性。 食欲不振で近医受診。AFP1407ng/ml、肝右葉中心に多発腫瘍を認め、当科紹介受診。精査にて横行結 腸脾弯曲に全周性 2 型病変を認め、tub2 の診断。CT、MRI で肝両葉多発腫瘍と脾前面にリンパ節転移 を認めた。横行結腸癌、T3N2H2M1stageIV の診断にて腹腔鏡下横行結腸切除+D2 郭清を施行した。術 後 XELOX+BV 療法を 8 コース施行し、AFP460.3ng/ml と低下、肝転移、リンパ節転移とも縮小し、化 学療法の効果は PR と判定した。結語)XELOX+Bv 療法により PR が得られた stageIV AFP 産生大腸 癌の一例を経験した。今後有効な治療法となり得る可能性が示唆された。 47 27 急性虫垂炎で発見された虫垂胚細胞カルチノイドの 1 切除例 JA 北海道厚生連遠軽厚生病院外科 高橋裕之、萩原正弘、青木貴徳、橋本道紀、稲葉 聡、矢吹英彦 【症例】70 歳代男性。2 日前からの右下腹部痛で近医を受診した。急性虫垂炎が疑われたため当科紹 介、腹部造影 CT で穿孔性虫垂炎と診断し虫垂切除を施行した。病理組織診断で虫垂断端に 10mm 大の 腫瘤性病変を認め、胚細胞を有する異型腺管の増生が見られた。免疫組織学的に胚細胞カルチノイド と診断され深達度は pSS、断端陽性であったため待機的に回盲部切除を施行した。病理組織所見上虫 垂断端に胚細胞カルチノイドの残存を認めたが切除断端陰性であり、リンパ節転移は認められなかっ た。【まとめ】胚細胞カルチノイドは大半が虫垂に発生し、カルチノイド類似像と腺癌類似像を共有 する比較的稀な腫瘍である。虫垂胚細胞カルチノイドの術前診断は一般的に困難とされており急性虫 垂炎あるいは腸閉塞を契機に発見されることが多い。本症例のように虫垂根部の炎症所見が強く肉眼 的に判断困難な場合は病理組織診断を確認すべきである。 48 28 術前鑑別に苦慮した虫垂膿瘍保存治療後の虫垂癌上行結腸穿通の 1 切除例 製鉄記念室蘭病院 植村慧子、大高和人、川瀬 寛、早馬 聡、高橋康宏、市村龍之助、仙丸直人、藤田美悧 症例は 64 歳女性。3 週間前からの右下腹部痛を主訴に当院を受診した。採血で炎症反応上昇、腹 部エコーと CT で虫垂周囲に膿瘍形成を認め抗生剤治療目的に入院となった。CEA 高値で悪性疾患も 疑い、大腸内視鏡検査で上行結腸に排膿を伴う潰瘍を認め虫垂膿瘍の穿通と考えられたが、生検で悪 性所見は認めず第 10 病日に退院した。Interval appendectomy(IA)の方針で 2 ヵ月後に CT と大腸 内視鏡検査を再度施行したが、膿瘍は残存し上行結腸への穿通所見も認めた。悪性疾患も完全には否 定できず初診から 3 ヶ月後に腹腔鏡下回盲部切除術+D2 郭清を施行した。病理では上行結腸への穿 通を伴う虫垂腺癌の診断でリンパ節転移は認めなかった。虫垂膿瘍に対して近年 IA が行われるよう になってきているが、虫垂癌の術前診断は困難な場合が多い。今回、術前鑑別に苦慮した虫垂膿瘍保 存治療後の虫垂癌上行結腸穿通の 1 切除例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 49 29 盲腸軸捻転症の 2 例 深川市立病院外科 乾野幸子、岡山大志、水上周二、新居利英 【はじめに】 腸軸捻転症のほとんどは S 状結腸に発症する。盲腸は通常後腹膜に固定されているこ とが多いため起こりにくい。 【症例】 症例 1:82 歳男。長期療養型病院入院中に腹痛が出現し、腹 部 X 線写真にてイレウスが疑われた。胃管を留置し減圧を図ったが症状の改善なく、2 日後に当科紹 介受診。腹部 CT 検査にて S 状結腸軸捻転症が疑われ、内視鏡的整復を試みたが整復できず緊急手術 となった。回腸末端から盲腸にかけての捻転・壊死を認め、回盲部切除術施行。術後 DIC となり 16 日目に死亡した。 症例 2:85 歳男。腹痛を主訴に当院へ救急搬送。腹部 CT 検査にて腹水、下腹部全 体に拡張した腸管を認めた。腹部所見が強く、絞扼性イレウスが疑われたため緊急手術となった。血 性の腹水、盲腸の捻転・壊死を認め、回盲部切除術施行。術後、肺炎を合併し 37 日目に死亡した。【ま とめ】 今回、重篤な経過をたどった盲腸軸捻転症の 2 例を経験したので文献的考察を含めて報告す る。 50 30 回盲部と S 状結腸に狭窄を認めた腸管子宮内膜症の 1 例 JA 北海道厚生連旭川厚生病院外科 安藤貴士、庄中達也、中野詩朗、稲垣光裕、赤羽弘充、柳田尚之、芝木泰一郎、正村裕紀、木村鐘康、 豊島雄二郎、岡田尚樹 症例は 36 歳女性。腹痛・嘔吐を主訴に来院。イレウスの診断で入院となった。CT で回盲部の腸管 壁肥厚像と小腸の拡張像を認めた。S 状結腸に関しては異常所見を指摘できなかった。イレウス管挿 入で症状は軽快した。盲腸部・S 状結腸部ともに PET で異常集積は認めなかった。CF・CT colonography では S 状結腸に狭窄を認めたが、盲腸までの結腸には狭窄は認めなかった。一時保存的に症状は軽快 したため検査を予定していたが、生理開始直前より腹痛・嘔吐が出現。再度イレウスとなったため臨 時手術を施行、手術所見で回盲部と S 状結腸に狭窄を認め回盲部切除と S 状結腸切除を施行した。病 理診断で回盲部・S 状結腸ともに腸管壁に子宮内膜組織の増殖を認め腸管子宮内膜症の診断にいたっ た。腸管子宮内膜症で複数病変を認める症例は約 16%であるとされている。腸管子宮内膜症につい て文献的考案も含め報告する。 51 31 トロッカー穿刺による膀胱損傷の一例 市立室蘭総合病院外科 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 斎藤慶太 1、内山素伸 1、奥谷浩一 1、佐々木賢一 1、澁谷 均 1、平田公一 2 腹腔鏡手術手技と周辺機器の進歩により手術適応が広がり、腹腔鏡手術件数は増加の一途を辿って いる。腹腔鏡手術では低侵襲を目的としており、合併症を少なくすることが重要である。特に腹腔鏡 特有の合併症についてよく認識しておく必要がある。今回、我々は腹腔鏡下高位前方切除時に膀胱損 傷をきたした症例を経験したので報告する。 症例は 67 歳、男性。腹部不快感を主訴に当院消化器内 科受診。大腸内視鏡検査にて直腸 RS に 2 型腫瘍を認め、生検にて中分化腺癌と診断された。手術目 的に外科紹介となり、 腹腔鏡下高位前方切除術施行。術中、視野確保のため恥骨上部に1ポート追 加した。手術終了時、ポート抜去の際、膀胱筋膜を確認しインジコカルミン希釈生理食塩水を膀胱内 に注入した。明らかな漏出は認めなかったが、縫合結紮にて修復した。術後 6 日目に尿道カテーテル より造影し問題ないことを確認し抜去し、術後 10 日目に退院となった。 52 32 大腸癌イレウスに対する SEMS の挿入と腹腔鏡下手術の経験 市立旭川病院外科 村上慶洋、吉見泰典、福永亮朗、笹村裕二、武山 聡、沼田昭彦、子野日政昭 大腸癌イレウスに対する手術は、経肛門イレウス管挿入、あるいは人工肛門造設による減圧後の切 除が行われてきたが、2012 年 1 月より自己拡張型金属ステント(SEMS)が保険収載され、大腸癌イ レウスに対する術前の減圧法として行う事が可能となった。当院でも現在までに大腸癌イレウスに対 して SEMS を挿入後に待機手術を行った症例を 8 例経験し、半数の 4 例に腹腔鏡下手術を行った。い ずれの症例も術後の重篤な合併症を認めず、腹腔鏡下手術においても、開腹移行例は認めず、根治術 としての郭清度の確保が可能であった。本法は、その有用性についての報告が散見される一方、予後 についての報告もされており、適応には慎重を要するが、人工肛門造説による二期的手術、経肛門イ レウス管による患者側の負担を減らすことが可能であり、その利点も少ないくない。今回我々は、大 腸癌イレウスに対する術前減圧法としての SEMS 挿入と腹腔鏡下手術の有用性につき、若干の文献的 考察を加え報告する。 53 33 繰り返す消化管出血に対し血管 3D-CT が出血部位予測に有用であったストマ静脈 瘤の1例 小樽掖済会病院外科 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 大野敬祐 1、佐々木一晃 1、田山 誠 1、及能大輔 1、村上武志 1、西舘敏彦 2、沖田憲司 2、古畑智久 2、 平田公一 2 症例:65 歳、女性.既往歴:64 歳時、直腸癌、S 状結腸癌および肝細胞癌に対しハルトマン手術、 肝部分切除術施行.その際、高度肥満のため、下行結腸切離断端での人工肛門造設は困難であり、肛 門側結腸を盲端とした横行結腸双口式人工肛門造設術を施行.併存症:B 型肝炎および NASH による 肝硬変.現病歴:前医にて上記手術施行され、当院術後経過観察中、人工肛門パウチ内に多量の新鮮 血を認め、精査加療目的に入院。入院時検査所見では貧血を認めた.内視鏡検査では出血源となる明 らかな所見なし.出血の原因は不明であり,入院経過中再出血せず退院となった.1 ヶ月後、新鮮血 を認め入院.輸血を行い入院加療中、入浴時に人工肛門下方より噴出性出血を自覚したが、診察時は 止血されていた.3D-CT 検査所見:肝硬変による門脈圧亢進症の状態であり、腹壁静脈もしくは人工 肛門の中結腸静脈からの出血が疑われたが、CT 上、中結腸静脈の怒張を認め、人工肛門からの出血 源であることが示唆された.腹壁動静脈は人工肛門からの出血として明らかな関連は認めなかった. 入院経過時に再出血を認め、出血部位にて縫合止血を施行した.肝機能障害による出血傾向により不 正出血をきたし、肝不全となり死亡した.結語:下血の出血源予測に血管 3D-CT が有用であった 1 例を経験した. 54 34 当院における低位筋間痔瘻に対する術式選択 札幌いしやま病院 樽見 研、石山元太郎、川村麻衣子、西尾昭彦、石山勇司 低位筋間痔瘻は痔瘻の中では最も頻度が高く、瘻管走行は単純なものが多い。しかし術式を誤ると 再発や術後括約筋機能不全を来すことがある。以前より低位筋間痔瘻に対しては開放術式(Lay open) が一般的に行われていた。しかし開放術式では括約筋の修復が不可能なため場所や深さによっては術 後括約筋機能不全が避けられない。また括約筋を温存するくりぬき術式(coring out)を行うと再開 通による再発がある程度の頻度で来してしまう。 我々は低位筋間痔瘻の術式は、後方痔瘻及び前側 方痔瘻の浅いものに対しては一旦瘻管を完全に切除し(fisterectomy)、切除後の欠損部に括約筋を 縫合充填する方法を選択し、前側方痔瘻の深いものに対しては瘻管を括約筋貫通部分だけ残して切除 し、括約筋貫通部分のみ seton 法とする方法(minimal seton 法)を選択している。今回それぞれの 術式の手術方法と成績について検討したので報告する。 55 35 遠隔病理診断(テレパソロジー)による術中迅速病理診断症例の検討 JA 北海道厚生連網走厚生病院 巖築慶一、葛西弘規、下國達志、長田忠大、今井 敦、西川 眞 【背景・目的】常勤病理医不在の当院では、2007 年より術中迅速病理診断を要する症例に対し、遠 隔病理診断システムを導入している。今回、それらの症例に関して検討を行った。 【対象】遠隔病 理診断施行 70 症例(2007 年 6 月〜2013 年 4 月) 【方法】当院検査技師がスライド作成・鏡検・撮像 を行い、画像を Web 回線で担当病理医に送信し判定を依頼する。要請に応じて、画像追加・標本再採 取の形をとる。 評価依頼内容は(1)切除断端評価、(2)腫瘍・臓器評価、(3)乳腺センチネルリンパ節 生検であった。【結果】症例は(1)45 例(乳腺 30 例、胃食道 9 例、胆管 5 例、結腸 1 例)、(2)8 例(乳 腺 4 例、副甲状腺 2 例、肺 1 例、肝 1 例)、(3)30 例であった。迅速診断と永久標本との診断一致率 は、(1)が 97.8%、(2)が 75%、(3)が 100%であった。 【結語】遠隔病理診断による迅速診断は、適切 な標本選択と画像作成により、十分正確な診断能を有するといえる。 56 36 90 歳以上の超高齢者手術症例の検討 小樽掖済会病院外科 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 及能大輔 1、佐々木一晃 1、大野敬祐 1、田山 誠 1、村上武志 1、平田公一 2 超高齢者に対する手術内容、術後合併症について検討した。2005 年から 2012 年の間に当院で手術 を施行した 3010 例について、90 歳以上の群を A 群、90 歳未満の群を B 群として、1)高齢者の割合、 2)手術内容、3)術後合併症の発生率、4)術後合併症の内訳の検討を行った。1)75 歳以上が 939 例 (31.2%)、90 歳以上が 49 例(1.6%)であった。2) A 群に緊急手術が多い傾向がみられた(p=0.07).3) 術後合併症の発生率は A 群で有意に高率であったが(p<0.01)、緊急手術、脊椎麻酔下手術で 2 群間に 差はみられなかった。4)A 群の合併症の内訳はせん妄 7 例、SSI、呼吸器関連合併症、イレウスが各 3 例で、Clavien-Dindo 分類Ⅲb 以上の合併症発生率は 2 群間に差はみられなかった。以上より、術後 合併症は超高齢者で多くみられたが、その内訳からは適切な術後管理、観察が重要であることが示唆 された。 57 37 例 Composix Kugel Patch を用いて腹壁再建を行った腹壁原発脂肪肉腫の 1 北海道社会事業協会函館病院 三浦 亮、鬼原 史、大野 敬、久木田和晴、向谷充宏 症例は 72 歳男性。下腹部の膨隆を主訴に受診した。腹部造影 CT にて、恥骨上〜腹壁に 15cm 大の 腫瘤を認め、生検で多形性肉腫疑いと診断された。腹腔内臓器への明らかな浸潤を認めず、切除可能 と判断し手術を施行した。腫瘍は腹直筋・腹横筋と一塊になっていたためこれらを合併切除した。ま た、右鼠径輪近傍まで腫瘍が存在していたため、鼠径管後壁にあたる横筋筋膜を一部合併切除し腫瘍 を摘出、結果的に鼠径管の構造が破壊される形となった。腹壁欠損部および右鼠径管の修復は、 Composix Kugel Patch により一期的に行った。病理組織診断の結果、脱分化型脂肪肉腫の診断であ った。感染徴候なく術後 20 日で退院となり、現在のところ腫瘍再発や腹壁および鼠径ヘルニアを認 めていない。腹壁発生の脂肪肉腫は報告例が少なく、極めて稀な症例と思われる。また、腹壁欠損を 伴う腹部手術において、Composix Kugel Patch は簡便に腹壁の再建が可能であり、有用な方法であ ると考えられた。 58 38 例 鎮静下頻回デブリドメントにて生存を得た下肢腸腰筋に及ぶ壊死性筋膜炎の1 北海道大学消化器外科Ⅱ1 余市協会病院外科 2 横山和之 1,2、本谷康二 1,2、吉田秀明 2 症例は 68 歳女性。2型糖尿病、慢性腎不全にて週 3 回維持透析通院中であった。右足の閉塞性動 脈硬化症の進行により右下肢壊死となり当院整形外科にて右大腿切断術施行目的で入院。入院中二回 右大腿切断行ったがその後経過良好であった。切断後 47 日目に敗血症ショックとなり当院外科転科 のうえ薬物療法施行した。腹部骨盤 CT の結果右大腿から背部腸腰筋に至る壊死性筋膜炎の診断であ った。直ちに人工呼吸器管理鎮静下で広範な壊死組織のデブリドメントを施行、加えてエンドトキシ ン吸着を二日間施行した。鎮静下のデブリドメントは毎日施行し壊死組織を除去することに努めた。 その結果 25 日にわたり生存を得られた。壊死性筋膜炎は壊死組織の早急かつ必要十分なデブリドメ ントと抗菌薬投与全身管理が重要であり、今症例では鎮静下での頻回のデブリドメントが比較的長期 の生存につながったと考えられる。 59 39 自己整復後に回腸穿孔をきたした嵌頓鼠径ヘルニアの 1 例 札幌徳洲会病院外科 大原みずほ、斉藤琢巳、長尾知哉、城田 誠、紀野泰久、小谷裕美 症例は 60 代男性。1 年前から左鼠径部の膨隆を自覚していたが自己整復で様子を見ていた。2012 年 9 月、同部位が手拳大に膨隆し整復不能となり腹痛を主訴に当院へ救急搬送された。来院時、鼠径 部の膨隆と疼痛を認めた。腹部 CT 上、脱出腸管は明らかではなかったが、左鼠径部の腹水貯留と左 下腹部小腸の浮腫性変化を認め、嵌頓鼠径ヘルニアの診断により緊急手術を行った。左鼠径部には腸 管は脱出していなかったが、近傍の回腸が団子状に一塊となっており一カ所で穿孔していた。嵌頓し ていた腸管と判断し、一塊となった回腸を切除・吻合した。後日、来院前に自己整復に成功、その後 腹痛が増強して救急要請したことが判明した。術後経過は良好で術後 13 日目に退院した。切除した 回腸は浮腫状で線維増生を認め繰り返すヘルニア脱出に伴う変化として矛盾しない所見であった。ま た、経過から整復操作に伴う外力によって回腸穿孔をきたしたと考えられた。 60 40 腸管切除を伴うヘルニア修復術に人工物の留置は可能である 市立函館病院消化器病センター消化器外科 小林雄太、倉内宣明、砂原正男、常俊雄介、鍵谷卓司、大橋大成、笠島浩行、原 豊、鈴木伸作、遠 山 茂、木村 純 【目的】腸管切除を伴うヘルニア修復症例でメッシュを用いた修復法の是非について意見が分かれる。 今回 2008 年 1 月〜2013 年 4 月のヘルニア嵌頓症例 61 例を特に腸管切除を行った 18 例の手術術式に ついて retrospective に検討した。 【結果】腸管切除を行った 18 例は、大腿ヘルニア 6 例、鼡径ヘル ニア 6 例、閉鎖孔ヘルニア 2 例、腹壁瘢痕ヘルニア 2 例、腰三角ヘルニア 1 例、臍ヘルニア 1 例。人 工物を用いた mesh repair7 例、メッシュを用いない修復法 11 例であった。肉眼的汚染のない腸切除 を行った 12 症例で mesh repair は 6 例あり、全て感染、発熱を認めなかった。腸管穿孔による汚染 症例は 6 例で 1 例に mesh repair を行ったが感染、発熱を認めなかった。【考察とまとめ】腸管切除 術を要するヘルニア修復症例でもメッシュ関連の合併症は見られず、肉眼的汚染がなければメッシュ 留置は問題ないと考えられた。 61 41 乳腺紡錐細胞癌の一例 北海道医療センター 柴田賢吾、蔵谷大輔、井上 玲、菊池 健、植村一仁、大坂喜彦、高橋宏明、伊藤美夫 【症例】72 歳女性。【主訴】全身倦怠感、呼吸困難感。【現病歴】約 1 年前より右乳房腫瘤からの出 血を認め、徐々に増加していた。上記主訴のため、当院へ救急搬送された。来院時 SpO2 100%(リザ ーバーO2 8l)、心拍数 106/分、BP 116/64 mmHg、呼吸数 23 回/分。右乳房全体を占める巨大な腫瘤 を認め、潰瘍・出血を伴っていた。また、Hb 1.9 g/dl と高度の貧血状態であった。【入院後経過】 精査にて右乳癌、T4b、N1、M0、Stage Ⅲb と診断した。全身状態の改善を行い、持続する出血のコ ントロールのため、胸筋温存乳房切除術、腋窩郭清(LevelⅡ)を施行。腫瘍径は 13×11×6cm、病 理組織学的に乳腺紡錘細胞癌、ER(-)、PgR(-)、Her2(-)と診断した。【考察】乳腺紡錐細胞癌は乳癌 の約 0.1%と稀である。本症例を若干の文献的考察を加えて報告する。 62 42 Luminal B-like (HER2 negative) 乳癌について 札幌ことに乳腺クリニック 1 東札幌病院 2 北広島病院 3 札幌医大医学部公衆衛生 4 増岡秀次 1、三神俊彦 1、下川原出 1、浅石和昭 1、三原大佳 2、野村直弘 3、森 満 4 【目的】St. Gallen 2013 Recommendations では、Luminal B-like (HER2 negative)の group は、ER positive, HER2 negative and either Ki-67 or PgR low とされた。PgR は IHC 法で陽性細胞占有率 20%を low の cut off 値と提示している。この度 Luminal 乳癌をこの recommendation に従い分類し 妥当性について検討した。 【対象と方法】両側乳癌、非浸潤癌、StageIV、術前化学療法施行例を除く、 IHC 法で ER,PgR,HER2 が測定された Luminal 乳癌 886 例を解析の対象とした。年齢は 25 歳から 88 歳、 平均 56.8 歳である。平均観察期間は 4.57 年である。生存率は Kaplan-Meier 法を、検定は Logrank (Mantel-Cox)を用いた。 【結果と考察】PgR20%未満を Luminal B とすると、Luminal A は 609 例(68.7%)、 Luminal B は 277 例(31.3%)となる。平均年齢は A が 55.2 歳、B が 60.3 歳、有意を持って B 群の年齢 が高かった(t 検定:p<0.0001)。リンパ節転移状況で解析すると、転移陽性、陰性ともに DFS では有 意の傾向が、OS では有意を持って A 群の予後は良好であった。しかし DFS が有意の傾向であったこ とは cut off 値 20%が適切かの判断は観察期間が短く、長期的な観察が必要である。 63 43 当科における非腫瘤性病変の術前マーキングの工夫 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 里見蕗乃、九冨五郎、前田豪樹、島 宏彰、平田公一 近年ステレオガイド下マントモーム生検(ST-MMT)の普及により DCIS 症例が増加している。しか しながら超音波検査(US)や造影 MRI 検査で病変の同定ができず、マンモグラフィ(MMG)でのみ病 変が指摘される症例においては術前のマーキングはしばしば困難である。そこで今回、当科における 非腫瘤性病変の術前マーキングの手技について供覧する。症例は 67 歳女性。検診にて石灰化異常を 指摘され当科紹介となり、ST-MMT を施行したところ DCIS と診断された。US、造影 CT 検査、造影 MRI 検査を施行したがいずれも異常所見を認めなかった。そのため、術前にマーカーを乳頭より等間隔に 体表に置き、その状態で ML および CC を撮影して石灰化および ST-MMT 時に留置したクリップの位置 を同定し、術前マーキングを行った。マーキングにより病変を正確に同定し切除することが可能であ った。術前精査にて石灰化のみが認められる非腫瘤性病変で、造影 MRI 検査でも異常所見を認めない 症例には、本症例のような手技での術前マーキングは有用であると考えられる。 64 44 造影 CT による術前腋窩リンパ節評価の可能性 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 1 東札幌病院ブレストケアセンター2 九冨五郎 1、島 宏彰 1、前田豪樹 1、里見蕗乃 1、亀嶋秀和 2、大村東生 2、平田公一 1 【目的】造影 CT による術前腋窩リンパ節評価の定量化を目的に、各因子をスコアー化し検討を実施 した。 【対象と方法】当科にてセンチネルリンパ節生検を実施した原発性乳癌 50 症例に、リンパ節の 形、リンパ節のサイズ、CT 値の 3 因子をスコアー化し、合計スコアーと腋窩リンパ節転移の有無の 関係を検討した。【結果】腋窩リンパ節転移陰性症例(n=40)の平均スコアーは 0.5、腋窩リンパ節 転移陽性症例(n=10)の平均スコアーは 2.1 であり、有意に腋窩リンパ節転移陽性症例ではスコアー が高いという結果であった(p<0.0001)。さらに、腋窩リンパ節転移の有無を判断する際の、最適な スコアー(Cut Off 値)を検討したところ 2.0 であり、感度 92.3%、特異度 63.6%、陽性的中率 90.0%、 陰性的中率 70.0%であった。【結語】造影 CT において、リンパ節の形(Clear)、リンパ節のサイズ (0.5cm≧)、CT 値(0≧)の 3 因子のうち、2 つ以上の因子に該当する症例は、腋窩リンパ節転移の 可能性が高いことが示唆された。 65 45 遊離真皮脂肪弁移植を施行した 4 例 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 1 東札幌病院ブレストケアセンター2 島 宏彰 1、九冨五郎 1、里見蕗乃 1、前田豪樹 1、亀嶋秀和 2、大村東生 2、平田公一 1 乳房温存術における欠損部の補填に有用な手法のひとつに、下腹部からの遊離真皮脂肪弁移植 (FDFG)による再建がある。症例 1:54 歳、女性。右 C 領域に径 2.5cm の腫瘤を認め、細胞診で悪性で あった。BP+SNB および FDFG による再建を行った。症例 2:37 歳、女性。左A領域に径 1.2cm の腫瘤 を認め、針生検で悪性であった。BP+SNB および FDFG による再建を施行した。症例 3:49 歳、女性。 左 CA 領域の径 1.8cm の腫瘤に対して同様の手術を施行した。症例 4:48 歳、女性。右 C 領域に区域 性に広がる非腫瘤性病変に対して同様の手術を施行した。アンケート調査では4例いずれも移植片の 周囲がかたいと感じていたが、整容性に関しては「満足している」と回答していた。また、術後の CT から2割以下の移植片の萎縮が見られたが、良好な整容性を維持している。今回われわれは、FDFG 手術 4 例を経験したので報告する。 66 46 再発乳癌に対するエリブリンの使用経験 東札幌病院ブレストケアセンター1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 今野 愛 1,2、亀嶋秀和 1、大村東生 1、染谷哲史 1、平田公一 2 当院でのエリブリン使用経験につきまとめ、報告する。症例は再発乳癌 10 例で、症例の平均年齢 は 54.3 歳(37〜67)、前治療はタキサン系、VNR、GEM などの 1〜8 レジメンであった。エリブリンの 投与量は 1.4 ㎎/m2 とし、2 週投与 1 週休薬で 1〜10 クール施行した。最良総合評価は PR1 例、SD5 例(うち long SD1 例)、PD4 例だった。副作用としては grade3 以上の骨髄抑制をきたした症例が 2 例あったが、可逆性だった。末梢神経障害が 5 例、下痢が 4 例に認められ、他の副作用より出現率が 高かった。しかしいずれも Grade1 であり、治療継続に支障はなかった。 再発乳癌に対して数種類の 抗がん剤の既治療症例に対してもエリブリン使用によって一定の臨床的効果が認められた。 67 47 当院における甲状腺低分化癌の検討 札幌ことに乳腺クリニック 三神俊彦、増岡秀次、下川原出、浅石和昭 今回、当院で経験した低分化癌について検討した。【対象】平成5年 11 月より平成 24 年 12 月ま でに当院にて手術を行った甲状腺癌は 289 例であり、そのうち低分化癌 4 例(1.4%)である。男女比は 男:女=1:3、年齢は 30 から 55 才(平均 46.3 才)。主訴は 2 例で甲状腺腫瘤を触知、1 例で乾性咳 嗽。超音波所見はいずれも不整形の低エコー腫瘤像を呈し最大腫瘍径は最小 5mmから最大 2.8cm であり、一番大きな症例では砂粒状の石灰化が甲状腺ほぼ全体に認められた。細胞診所見はいずれも 乳頭癌疑いであった。【病理診断】術前に施行した組織学的所見としては乳頭癌に索状構造を伴うも のが 3 例、充実性構造を伴うものが 1 例であり、2 例で周囲に被膜形成を見た。治療は 2 例に甲状腺 全摘術+D2b 郭清後に内用療法を行い、2 例に片葉切除+D1a 郭清を行った。予後は 1 例で術後 6 年 4 ヶ月で頚部リンパ節再発をきたし頚部リンパ節郭清術を行い、1 例では初診時より両側肺転移を伴っ ていた。 68 48 巨大甲状腺腫手術例の検討 医療法人東札幌病院 1 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 2 亀嶋秀和 1、大村東生 1、今野 愛 1、染谷哲史 1、平田公一 2 一般的に甲状腺重量が 200g を超えるものは巨大甲状腺腫と定義され、手術手技的に難易度が増大 するといわれている。今回、過去 2 年間で 5 例の巨大甲状腺腫の手術を経験したので報告する。症例 は、バセドウ病 3 例、橋本病 2 例で男性 1 例、女性 4 例、年齢は 48-71 歳、平均 59.8 歳であった。 手術術式は全例に甲状腺全摘術が施行され、手術時間は平均 240 分(190-315 分)で出血量は平均 383ml(101-587ml)であり、同期間の通常の甲状腺全摘術 37 例の平均手術時間 203 分、平均出血量 98ml に比べ、長時間手術で出血量は多い傾向にあった。摘出標本重量は平均 231g(200-283g)であった。 全例、反回神経損傷なく副甲状腺は温存され、術後合併症なく経過した。巨大甲状腺腫の手術につい て若干の文献的考察を含め報告する。 69 49 経過中に縮小傾向を認めた梗塞性胸腺腫の 1 例 日鋼記念病院外科 1 同 臨床病理部 2 西越崇博 1、蔵谷勇樹 1、舩越 徹 1、喜納政哉 1、高田譲二 1、浜田弘巳 1、藤岡保範 2 症例は 68 歳男性。深呼吸時の右胸部痛を主訴に受診した。CT では右前縦隔に 46mm の腫瘤影を認 めた。内部石灰化は認めず周囲脂肪織濃度上昇を認めた。MRI では表面平滑、辺縁明瞭な腫瘤を認め、 T2 強調画像でやや不均一な高信号、造影 MRI では辺縁のみ濃染、脂肪抑制で抑制されなかった。鑑 別疾患として胸腺腫、悪性リンパ腫等が挙げられた。術前 CT で腫瘍は辺縁に造影効果を認める嚢胞 病変で 26mm に縮小していたが、診断、治療を兼ねて胸腔鏡下縦隔腫瘍切除術を施行した。切除標本 は線維性結合組織で被包された結節性腫瘤で、中心部は広範な凝固壊死に陥り壊死巣の周辺は線維増 生していた。その外側は円形ないし類円形の核と、少量の明るい細胞質を有する細胞が胞巣を形成し て増殖、胞巣の中心側に腺様構造が目立ち梗塞性胸腺腫と診断された。 今回経過中に縮小傾向を認 めた梗塞性胸腺腫 1 例を経験したので文献的考察を加え報告する。 70 50 食道穿孔性縦隔炎に対し、ドレナージ術後に 2 期的再建術を施行した 1 例 恵佑会札幌病院外科 坂下啓太、三橋洋介、那須裕也、澄川宗裕、米森敦也、吉川智宏、木ノ下義宏、久須美貴哉、西田靖 仙、細川正夫 症例は 73 歳男性。2001 年に胃癌で胃全摘術施行。2012 年 4 月の定期検診の内視鏡検査にて Lt,33-35cm,右後壁に 0-Ⅰs 病変(生検:SCC)認め加療目的に当院内科紹介。5 月に ESD 施行し、病 理組織学的検査は SCC,sm2(862μm),ly0,v0,pVM0(10μm)であったため、7 月より化学放射線療法 (50.4Gy+FP 療法 2 回)施行した。治療終了後、食道狭窄を認めたために施行した内視鏡的バルー ン拡張術で穿孔し、縦隔炎となり当科転科する。穿孔部に減圧チューブ留置、左胸腔ドレーン挿入、 気管切開施行するが改善せず、発症後 15 日で左開胸縦隔胸腔ドレナージ術施行する。その後状態は 改善し、穿孔後3ヵ月の造影検査、内視鏡検査で穿孔部は確認できない状態となったが、食道狭窄が 強く経口摂取は困難のため、穿孔後4ヵ月に再建術を施行する。食道を鎖骨下で離断し胸部食道を温 存し、胸壁前経路で有茎空腸再建術を施行した。術後 15 病日で嚥下造影検査施行、食事訓練を開始 した。食道穿孔性縦隔炎に対し、ドレナージ術後に再建術を施行した 1 例を経験したため報告する. 71 51 胸壁膿瘍、肺膿瘍にて発症した肺放線菌症の1例 社会福祉法人北海道社会事業協会小樽病院 田畑佑希子、石川慶大、進藤 学、草野真暢、川村 健 症例は 60 歳、男性。右前胸部に腫瘤を自覚、約 2 週間で急速に増大し、疼痛が強くなり当科に救 急搬送となった。初診時、右前胸部に 20cm 大の皮下腫瘤を認め、皮膚に発赤、熱感を伴い、内部に 液貯留を認めた。胸部 CT で右前胸部腫瘤は内部に液体・ガスが貯留、第1肋間で右胸腔と連続して おり、右肺上葉は無気肺となっていた。感染症もしくは悪性腫瘍を疑い入院、右前胸部腫瘤の切開排 膿術を行った。膿瘍壁の組織診で悪性所見はなく、膿の培養で放線菌を認め、肺放線菌症による右肺 膿瘍と胸壁穿通による右胸壁膿瘍と診断した。 排膿とアンピシリン静注にて前胸部膿瘍は著明に縮 小したが、胸腔内病変は変化なく、2 週間後に右醸膿胸膜切除術を施行。胸腔は開放としたが徐々に 閉鎖し、CT 上も胸腔内膿瘍・右肺膿瘍が縮小傾向となり、アンピシリン静注をアモキシシリン内服 に変更し、入院より2か月後に自宅退院となった。外来にて抗生剤投与継続し、胸壁膿瘍は治癒、肺 膿瘍は著明に縮小している。 初診時 CT 所見は右肺上葉から胸腔、右胸壁を占拠する病変と感染であ り、肺癌や胸壁悪性腫瘍も疑われた。本症例では膿培養により放線菌症の診断が可能であったが、初 回の培養で放線菌が同定されない場合もあり、原因不明の肺膿瘍や胸壁膿瘍の症例では、放線菌も鑑 別にあげ、診断的治療としての抗生剤投与も考慮すべきである。 72 52 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術施行 3 年 5 か月後にタイプ 3 エンドリーク を認めた 1 例 名寄市立総合病院心臓血管外科 清水紀之、和泉裕一、真岸克明 症例は 79 歳男性.2009.11.6 最大径 65mm 大の腹部大動脈瘤に対し,ステントグラフト内挿術を施 行した.Zenith AAA 右大腿動脈よりメインボディーを挿入 TFB-32-103 対側レッグ TFLE-24-54, 同側レッグ TFLE-24-71.退院時,エンドリークは認めず,外来で経過観察していた.2012.3.27 施 行の造影 CT では,エンドリークは認めなかった.2013.4.16 造影 CT 上,ステントグラフト左脚の接 合部が外れているのが判明,タイプ 3 エンドリークであり,手術目的に入院した.CT 上,腹部大動 脈瘤の最大径は 68mm と拡大.採血上,Plt 7.4 万 PT-INR 1.84 APTT 55.3 Fib 44 D-Dimer 104.8 であった.手術は,接合部が外れた左脚からメインボディー内にガイドワイヤーを通過させることが でき,TFB-12-73 を追加し,エンドリークは消失した.術後造影 CT でもエンドリークがないことを 確認できた. 73 53 急性胸部大動脈症候群に対する緊急ステントグラフト留置術 市立函館病院呼吸器心臓血管外科 1 手稲渓仁会病院心臓血管外科 2 楢山耕平 1、森下清文 1、馬渡 徹 1、馬場俊雄 1、柴田 豪 1、佐賀俊文 1、氏平功祐 2 (目的)急性胸部大動脈症候群に対する治療成績は不良なためステントグラフト留置術への期待が高 い。 (方法)2007 年 12 月から 2013 年 3 月までに急性胸部大動脈症候群に対し胸部ステントグラフ ト留置術を行った 25 例を対象とした。内訳は胸部大動脈瘤破裂が 15 例、外傷性胸部大動脈損傷が 7 例、胸部下行大動脈人工血管置換術後の吻合部仮性瘤破裂が 2 例、特発性胸部大動脈破裂が 1 例であ った。手術入室時ショック状態の患者は 5 例であった。 (結果)術後 30 日死亡を 4 例(16%)に認めた。 1 例は術中再破裂し台上死した。残り 3 例は多臓器不全で死亡した。術後合併症は呼吸不全が 12 例 (48%)、脳梗塞が 3 例(12%)、腎不全が 2 例(8%)、であった。ステントグラフトに関連する合併症は挿 入部位の動脈損傷 3 例、endoleak3 例、graft migration1 例であった。再 TEVAR 手術を 2 例に施行し た。技術的成功は 21 例(84%)で術後 3 ヵ月目における臨床的成功は 18 例(72%)であった。遠隔死亡を 5 例に認め、瘤関連死亡を 2 例含んだ。 (結論) 急性胸部大動脈症候群に対するステントグラフト 留置術の早期成績は術前状態を考慮すると良好であった。ただし遠隔期にステントグラフト関連の合 併症や瘤関連死亡が起こるため密なる経過観察が必要である。 74 54 腹部腸骨動脈瘤に対し iliac branch graft を用いて EVAR を行った1例 札幌厚生病院心臓血管外科 1 製鉄記念室蘭病院心臓血管外科 2 吉田博希 1、稲葉雅史 1、大谷則史 2、数野 圭 2 腹部大動脈瘤の治療において Endovascular aneurysm repair(EVAR)が有効な治療手段となってき たが,両側腸骨動脈瘤合併例では腸管虚血や臀筋虚血などのリスクがあることから,EVAR での治療 が困難である.今回われわれは腹部腸骨動脈瘤に対し iliac branch graft(IBD)を用いて EVAR を行 い,内腸骨動脈の血流を温存することができ,良好な結果が得られたので報告する.症例は 83 歳, 男性で,腎嚢胞の経過観察中に腹部大動脈瘤を指摘された.CT 上,腹部大動脈瘤は径 60mm で,48mm の右総腸骨動脈瘤,32mm の左総腸骨動脈瘤を合併していた.高齢で,狭心症を合併していたことか ら開腹手術のリスクが高く, IBD を用いた EVAR を行った.左内腸骨動脈はコイル塞栓し,IBD を右 総腸骨動脈におき,そこを通して covered stent を右内腸骨動脈に挿入した.腹部大動脈にステント グラフトを留置し,左脚は外腸骨動脈まで延長した.術後経過は良好で,6 ヵ月目の CT でも endoleak はなく,内腸骨動脈は開存しており,臀筋跛行もなく,順調に経過している. 75 55 中枢ネック高度屈曲した IFU 外 AAA 症例に対する EVAR の治療経験 製鉄記念室蘭病院心臓血管外科 中西仙太郎、大谷則史 症例:77歳女性。主訴:腹部拍動性腫瘤。既往歴:高血圧。術前精査にて心機能問題なかったが 冠動脈 CT にて3枝ともに石灰化を認め、CAG を施行したところ#1で CTO、LAD も diffuse に狭窄し ていた。造影 CT で中枢ネックが 150 度程度の屈曲、左右総腸骨動脈が7mm弱と狭窄していたが、 EVAR での加療を選択。機種は Excluder。右肘穿刺の上造影カテーテルを腎動脈上におろしておいた。 ガイドワイヤーはランダキスタを選択し、挿入後ネックはある程度屈曲が軽減された。メインボディ を展開後、同側リムをすぐに追加してから対側リムを追加。バルーニング後の造影で type1a あり、 数 mm 程度中枢側にエクステンションカフを追加、圧着で type1a 消失した。術後 CT でもリークなく 良好に経過した。高度屈曲・アクセス軽度不良の IFU 外 AAA 症例に対してステントグラフトにて加療 成功した1例を経験したので報告する。 76 56 肝内胆管進展を認めた大腸癌肝転移の 1 例 斗南病院消化器病センター外科 佐藤 理、鈴木善法、岩城久留美、山本和幸、小野田貴信、川田将也、川原田陽、北城秀司、大久保 哲之、奥芝俊一、加藤紘之 症例は 50 歳代女性。3 年前に S 状結腸癌に対し当院で腹腔鏡下 S 状結腸切除術を施行した。pStage Ⅱ、ly1、v2 にて術後補助化学療法(FOLFOX8 コース、FUFOL4 コース)を施行した。術前より B7 の 胆管に軽度拡張を認めていたが、化学療法後に胆管拡張は消失した。しかし、術後 1 年 4 ヶ月の CT 検査で再度 B7胆管の拡張を認めた。その後胆管拡張が次第に増強し、B7 胆管拡張の中枢に腫瘤を認 めた。胆管細胞癌または転移性肝腫瘍の診断で当科紹介となり、肝後区域切除術を施行した。病理で は拡張胆管内部に白色結節と末梢胆管に沿って腫瘍が進展している所見を認めた。大腸癌肝転移で肉 眼的肝内胆管進展を伴うものは 10%程度とされており、高分化型腺癌が多く、また肉眼的肝内胆管 進展を伴わない症例に比較して再発までの期間が長く、切除例は予後が良いと報告されている。肝内 胆管進展を認めた大腸癌肝転移の 1 例を経験したので文献的考察を交えて考察する。 77 57 肝細胞癌腹腔鏡下術後に早期腹膜播種再発をおこした1例 北海道大学消化器外科学分野Ⅰ 加藤紘一、神山俊哉、横尾英樹、柿坂達彦、折茂達也、若山顕治、敦賀陽介、蒲池浩文、武冨紹信 【症例】64 歳男性。検診にて B 型肝炎を指摘。2012 年に発熱・右季肋部痛を主訴に前医を受診、CT にて HCC の診断となり当科紹介。腫瘍マーカーは AFP 5230ng/ml、L3 分画 21.4%、PIVKA-II 24IU/L。 Child-Pugh 分類 A、Liver damage A の評価で、腹腔鏡下肝 S7 亜区域切除術施行。病理は単純結節周 囲増殖型, H1, St-P, 3.7×3.5cm, 低分化型肝細胞癌, eg, fc(+), fc-inf(+), sf(+), s1, nx, vp1, vv0, va0, b0, px, sm(-), CH, f2,pT3, Stage III。術後 13 日目に退院し、退院後 1 ヶ月目の CT では再発所見を認めなかった。切除後 3 ヶ月目に AFP 8641ng/ml と上昇を認め、CT で胃小弯側・肝 外側区・膵臓の間に 10×7×10cm 大の内部不均一な境界明瞭な腫瘤を認め、その後も急速な増大傾向 を認めた。ソラフェニブ 800mg より開始し、容量を調節しながら投与継続したが中断。腫瘍は縮小す ることなく、切除後 6 ヶ月目に永眠された。【考察】本症例の様に、原発巣に切り込まず完全切除で きた場合においても、腹膜播種再発をきたした。腹腔鏡下での操作及び腫瘍に与える影響などについ て文献的考察を加え検討した。 78 58 術後22年目に再発し多発性肝嚢胞と診断された腎癌嚢胞性肝転移の1例 済生会小樽病院外科 1 済生会小樽病院内科 2 札幌医科大学病理学第二講座 3 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 4 茶木 良 1、木村雅美 1、孫 誠一 1、長谷川格 1、水越常徳 2、明石浩史 2、辻脇光洋 3、田中 敏 3、 平田公一 4 症例は 85 歳、男性。上腹部の膨隆と軽度の疼痛を自覚し内科受診。腹部 CT 検査において多発性肝 嚢胞と診断された。内科にて経過観察されていたが、嚢胞の増大と腹痛を認めたため、手術目的に外 科紹介となった。腹腔鏡下に肝嚢胞開窓術が施行されたが、嚢胞壁の病理組織検査で腎細胞癌の肝転 移と診断された。患者は 22 年前に腎癌で右腎摘出手術をうけていたが、告知されておらず術前に情 報が得られなかった。病理組織学的検査においてこの腎癌の再発と考えられた。腎細胞癌は晩期再発 を来しやすい腫瘍であるが、術後 20 年以上を経て再発することは稀であり、また嚢胞性肝転移も稀 な転移様式であるため、文献的考察を含め報告する。 79 59 アスペルギルス抗原陽性肝移植患者 2 症例に対するアムビゾームの使用経験 北海道大学消化器外科学分野Ⅰ 1 同 移植外科学講座 2 北海道大学病院 臓器移植医療部 3 沢田尭史 1、後藤了一 1、深作慶友 1、腰塚靖之 1、高橋 徹 1、青柳武史 1、太田 稔 3、山本真由美 3、 古舘 馨 3、山下健一郎 2、嶋村 剛 3、武冨紹信 1 【背景】術前アスペルギルス抗原陽性患者は一般に肝移植の適応とならない。今回我々は、術前アス ペルギルス抗原陽性患者に対し、タクロリムスとの相互作用が少ないアムビゾーム (L-AMB)を使用す ることで安全に肝移植を施行できた症例を経験した。【症例1】64 歳女性、C 型肝硬変に対し生体肝 移植術施行。術前よりアスペルギルス抗原 1.3 と陽性でボリコナゾール開始したが陰性化しなかった。 術後 L-AMB とミカファンギン(MCFG)の併用を開始し術後 2 日目にアスペルギルス抗原陰性化 (0.5 以 下)が確認された。 【症例 2】64 歳女性、B 型肝硬変に対し生体肝移植術施行。術前アスペルギルス抗 原 2.3 であり、L-AMB 開始したが陰性化しなかった。術後 L-AMB と MCFG 併用投与し、術後 2 日目に 抗原の陰性化が確認された。2 症例ともタクロリムス血中濃度に影響無く、腎機能への影響も軽度で あり安全に使用可能であった。 【結語】 L-AMB の使用により術前アスペルギルス抗原陽性患者に対し、 安全に肝移植を施行し得た。 80 60 肝切除術における Liver Hanging Maneuver の工夫 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 及能拓朗、水口 徹、川本雅樹、目黒 誠、植木知身、秋月恵美、沖田憲司、信岡隆幸、木村康利、 古畑智久、平田公一 肝切除術における Liver Hanging Maneuver は、下大静脈近傍における実質切離時の到達目標点と して、また出血コントロールなどで有用性が高い。一般的な手技として、金属鉗子を通す方法がある が、腫瘍が大きく下大静脈を圧排するような場合には下大静脈壁が菲薄化しており、下大静脈内への 鉗子の迷入が危惧される。我々は水圧を用いることで、安全にハンギングテープを挿入する方法を採 用している。まず肝下部下大静脈と尾状葉の漿膜を切開し、肝上部下大静脈の右肝静脈と中肝静脈の 間についても十分に剥離する。8Fr 内瘻化チューブに延長チューブを装着し、肝下部下大静脈前面か ら生理食塩水を勢いよく注入しつつ内瘻化チューブを挿入していく。水圧により肝‐下大静脈間の疎 な組織が剥離され、中肝静脈‐右肝静脈間に先端が見えた時点で完了となる。この手技についてシェ ーマおよびビデオを用いて提示させていただく。 81 61 待機的に腹腔鏡下手術を行った胆嚢捻転症の 1 例 市立旭川病院外科 吉見泰典、村上慶洋、福永亮朗、笹村裕二、武山 聡、沼田昭彦、子野日政昭 【症例】84 歳 女性【現病歴】 平成 24 年 4 月中旬、嘔吐、腹痛出現。症状出現 3 日後、近医に入 院、CT にて膵体尾部腫瘍を疑われ精査加療目的に当院内科紹介入院となった。同院施行の CT にて膵 体尾部腫瘍あるいは膵仮性嚢胞内への出血が疑われたが、当院内科での MRI にて胆石胆嚢炎を伴う左 側胆嚢の疑いとなり、穿刺は困難との診断にて当科紹介となった。【手術所見】平成 24 年 4 月下旬、 上記診断にて待機的に手術を施行した。腹腔鏡下にて手術を開始。肝床付着部をほとんど有さない巨 大な胆嚢が尾側から見て反時計方向に捻転し壊死していたが、穿孔は認めなかった。腹腔鏡下に胆嚢 を周囲より剥離し、捻転を解除して胆嚢管を Clipping し切離、胆嚢を摘出し手術を終了した。病理 検査にて胆嚢粘膜は壊死していたが、悪性所見を認めなかった。【術後経過】術翌日より経口摂取を 開始し、術後第 6 病日に退院となった。 胆嚢捻転症は比較的まれな疾患である。今回我々は、待機 的に腹腔鏡下手術を施行した症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。 82 62 胆嚢消化管瘻に対する手術症例 11 例の検討 北海道消化器科病院外科 森本浩史、加藤健太郎、楢崎 肇、中山智英、岡村圭祐、藤田美芳、森田高行 【目的】胆嚢消化管瘻に対する治療を検討し腹腔鏡下手術の適応を評価する。【方法】当院におい て1992年から2013年までの間に手術を施行された胆嚢消化管瘻11例中、腹腔鏡下に手術を 開始した8例について検討した。【結果】術前に胆嚢消化管瘻と診断されたのは2例であった。瘻孔 部位は胆嚢底部が6例と多く、体部と頸部が各々1例ずつであった。瘻孔を形成していた臓器は、十 二指腸が5例、横行結腸が3例であった。高度の炎症性癒着のため6例が開腹移行となったが、胆嚢 頸部の炎症が比較的軽度であった2例では腹腔鏡下手術を完遂できた。8例全例で胆摘と瘻孔切除が 行われた。瘻孔の閉鎖方法は自動縫合器による切離閉鎖が4例、縫合閉鎖が4例であった。術後合併 症は開腹移行症例で腹腔内膿瘍を1例認めた。【結論】胆嚢底部及び体部で消化管と瘻孔を形成し、 かつ胆嚢頸部の炎症が比較的軽度な症例では腹腔鏡下手術を完遂できる可能性が示唆された。 83 63 胆嚢捻転症を伴う急性胆嚢炎に対し緊急手術を施行した1例 伊達赤十字病院外科 上野 峰、行部 洋、川﨑亮輔、佐藤正文、下沢英二、前田喜晴 【症例】81 歳女性。急な心窩部痛を主訴に近医を受診し、腹部エコーで急性胆嚢炎が疑われ、当院 紹介となった。腹部造影 CT では胆嚢腫大、壁肥厚、周囲の腹水貯留、壁の造影不良を認めた。腹部 MRI では胆嚢管は一部描出不良で、胆嚢結石、胆管結石の所見は認めなかった。急な発症であること、 胆嚢結石の所見もなく、限局した腹水を認めたことから、胆嚢捻転症を疑い、同日緊急で腹腔鏡下胆 嚢摘出術を施行した。術中所見では、捻転は胆嚢管と胆嚢動脈を軸として反時計回りに約 270 度であ り、胆嚢床は狭く、GrossⅠ型と診断した。捻転を解除し、胆嚢摘出術を施行した。経過は良好で術 後 5 日目に退院となった。【まとめ】胆嚢捻転症は比較的稀な疾患であり、早期に診断し手術加療を 行えば予後良好であるが、術前診断が困難なことも多い。今回我々は術前に胆嚢捻転を疑い、緊急手 術を選択し、良好な経過を得られたので、文献的考察を含めて報告する。 84 64 外傷性胆嚢破裂の 1 例 市立釧路総合病院外科 小野雅人、長谷川直人、寺本賢一、飯村泰昭、市之川正臣、新垣雅人 症例は50代男性.2tトラック運転中にスリップし,対向車と衝突,車外に投げ出されて受傷. 右側腹部に圧痛,筋性防御あり.FAST でモリソン窩に液体貯留を認めた.造影 CT で肝脾周囲に液体 貯留認め,腹腔内臓器損傷,出血を疑い試験開腹術を施行した.正中切開にて開腹し腹腔内に出血を 認めたが,腸間膜損傷,腸管穿孔はなく,胆嚢穿孔を認めた.胆嚢の Free wall 側が約5cm裂けて おり,内腔が確認でき外傷性胆嚢破裂と診断した.肝,周囲組織に損傷を認めず,胆嚢摘出術を施行 した.術後経過は順調で,特に合併症を認めなかった.胆嚢はその解剖学的位置から鈍的外傷による 胆嚢破裂は稀である.交通外傷による胆嚢破裂の 1 例を経験したので,文献的考察を加え報告する. 85 65 高齢者に対する膵頭十二指腸切除術における工夫 札幌道都病院外科 西森英史、池田慎一郎、矢嶋知己、岡田邦明、秦 史壯 【はじめに】当院では高齢者に対する PD をより安全に施行するために以下の 3 点を工夫している。1) 膵空腸吻合は端側一層による嵌入法、2)膵管チューブはロストチューブ、3)早期食事摂取のため胃 切除を行う。これらの詳細と手術成績を報告する。 【対象】過去 3 年間に当院で経験した 80 歳以上 (手術時年齢)の PD 症例 6 例。 【結果】男性 3 例、女性 3 例、平均年齢は 83.2 歳で最高齢は 88 歳。手術対象疾患は、膵頭部癌:2 例、胆管癌:2 例、ファーター乳頭部癌:1 例、十二指腸カルチ ノイド:1 例であった。再建は全例 Child 変法で Braun 吻合を併施。平均手術時間は 332 分。平均出 血量は 696cc で 2 例に輸血。術後膵液瘻は ISGPF 分類で膵液瘻なし:2 例、Grade A:2 例、B:1 例、 C:1 例。在院死を 1 例(16.7%)、再発による原病死を 1 例に認めたが、4 例(66.6%)は無再発生存 中である。 【結語】83.3%(5/6 症例)が経口摂取可能な状態で転院あるいは退院されており、80 歳以上の高齢者においても単純に年齢だけで PD を躊躇するものではなく、比較的安全に施行可能で あると思われた。 86 66 出血性嚢胞との鑑別が困難だった胆管 MCN の一例 北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅰ 大平将史、神山俊哉、蒲池浩文、横尾英樹、柿坂達彦、敦賀陽介、折茂達也、若山顕治、武冨紹信 【緒言】Mucinous cystic neoplasm(MCN)は多房性嚢胞性腫瘍で、病理組織学的には、嚢胞壁の粘液 産生性上皮と、卵巣様間質が特徴的である。【症例】55 歳女性。2011 年 11 月から、出血性嚢胞とし て近医で経過観察されていた。1 年後に腹部膨満感の増強で検査したところ、CT 上の腫瘍の増大と CA19-9 の上昇を認め、当科紹介入院となった。CT では、肝左葉に 21x13x25cm の境界明瞭な多房性嚢 胞性腫瘍を認め、一部嚢胞内に突出する充実性病変もあった。同部位は PET で集積亢進を認めた。画 像上の形態と CA19-9 の上昇、PET の結果から胆管 MCN を疑い、拡大肝左葉切除術を施行。摘出標本 では、嚢胞内容はチョコレート様で、嚢胞壁に乳頭状結節病変を認めた。病理組織診の結果、乳頭状 結節部には粘液産生性の異型細胞を、嚢胞壁上皮下には卵巣様間質を認め、胆管 MCN の診断となった。 【考察】胆管 MCN の鑑別診断と、臨床・画像・病理組織学的な特徴を文献的に考察する。 87 67 術前診断しえた下部胆管原発腺内分泌細胞癌の 1 例 王子総合病院外科 1 北海道大学病理学講座分子病理学分野 2 京極典憲 1、岩井和浩 1、河合典子 1、細井勇人 1、松井あや 1、狭間一明 1、渡邉幹夫 1、大塚紀幸 2 症例は 64 歳、男性。心窩部痛を主訴に当院を受診した。腹部 CT にて肝内胆管の拡張、および下部 胆管に造影効果を伴う壁肥厚を認め閉塞性黄疸をきたしていた。内視鏡的逆行性胆管造影時に施行し た下部胆管狭窄部からの生検にて、N/C 比が高く、rosette 様または腺管様の配列を呈する腫瘍細胞 を認め、免疫組織化学染色にて chromogranin A、synaptophysin、NSE がいずれも陽性であり、胆管 原発の腺内分泌細胞癌と診断した。遠隔転移は認めず亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。術 後は TS-1 による補助化学療法を開始し、3 ヶ月間無再発生存中である。胆管原発の腺内分泌細胞癌 はまれであり、また術前の生検にて診断しえた報告はほとんどなく貴重な症例と考えられたため報告 する。 88 68 腹腔鏡下総胆管切石術の症例数の推移と普及の課題 市立函館病院消化器病センター消化器外科 倉内宣明、砂原正男、常俊雄介、鍵谷卓司、大橋大成、笠島浩行、原 豊、鈴木伸作、遠山 茂、木 村 純 【目的】LCBDE の傾向と対策を検討した.【対象と方法】2004 年からの(胆嚢)総胆管結石 267 例につ き LCBDE の数,全治療中の割合,環境要因を検討.【結果】総胆管結石症例数,LCBDE 数,施行割合 は 2004 年から順次,22 例/1 例/4.5%,37/15/40.5,29/9/31.0,32/10/31.3,27/7/29.2,30/14/46.7, 37/17.45.8,16/6/37.5,28/10/35.7,本年は 4 月まで 12/4/33.3.経乳頭的治療では EPLBD や DBE の導入あり.毎春新着内科医のみならず外科医の一部が LCBDE を知らなかった.【まとめ】このまま では外科治療は絶滅する.内科には一般に EST が第一選択(消化器病学会 GL)だが可能なら LCBDE が第一選択となりえること(内視鏡外科学会 GL)から,当院では両方提示する必要ありと説明した. また多くの外科医が本法を理解し実施する必要がある. 89 69 異時性多発膵癌に対し残膵全摘を施行した 4 症例 北海道消化器科病院外科 中山智英、森田高行、藤田美芳、岡村圭祐、加藤健太郎、楢崎 肇、森本浩史 近年,悪性疾患に対する診断技術・治療成績の向上により多くの異時性多発癌症例を経験するよう になったが,膵における異時性多発癌症例の報告は散見される程度である.われわれは膵癌根治切除 後,異時性に発生した残膵癌に対し残膵全摘にて根治切除を得られた 4 症例を経験したので報告す る.(症例 1)54 歳女性.膵体部の浸潤癌に対し尾側膵切除施行後 3 年後に残膵癌を認め残膵全摘術を施 行.(症例 2)59 歳男性.膵体部癌に対し尾側膵切除を施行し,2 年 9 か月後に残膵全摘を施行.(症例 3)67 歳女性.膵体部癌に対し SSPPD を施行し,1 年 1 か月後に残膵の腫大を認め残膵全摘を施行.いず れも浸潤癌.(症例 4)66 歳男性.Vater 乳頭部癌に対し SSPPD 施行し,術後病理標本で膵頭部に CIS を 合併.術後 2 年 4 か月後残膵癌を認め残膵全摘を施行.いずれの 4 症例も初回手術の切除断端は陰性で あった.異時性多発膵癌に対し残膵全摘を施行した 4 症例を経験したので文献的考察を加えて報告す る. 90 70 腫瘤形成性膵炎との鑑別が困難であった退形成性膵管癌の 1 例 北海道社会保険病院外科 脇坂和貴、市川伸樹、相木総良、中西一彰、数井啓蔵 退形成性膵管癌の発生頻度は膵癌全体の 0.31%と稀であるが、急速に発育し巨大腫瘍として発見さ れる場合が多く、予後不良とされている。 症例は 62 歳女性、腹痛を主訴に当院外来受診した。超音 波検査で膵体尾部に嚢胞性病変および主膵管の拡張を認めた。CT では膵体尾部に辺縁の造影効果と 内部に壊死を反映した低吸収域を伴う 20mm 大の腫瘤性病変を認め、PET では同部位の SUVmax4.4 の 集積亢進を認めた。退形成性膵管癌が疑われたが、腫瘤形成性膵炎との鑑別は困難であり、十分な IC を行った後、膵体尾部切除術を施行した。術後病理診断は多形細胞型退形成性膵管癌、T2N0M0、 StageⅡであった。ゲムシタビンによる術後補助化学療法を 12 クール施行し、術後 1 年 4 か月現在無 再発生存中である。 本症例は術前に腫瘤形成性膵炎との鑑別が困難な退形成性膵管癌であったが、 退形成性膵癌の悪性度が高いことを考慮し、十分な IC を行った後に根治的切除を行い、経過は良好 である。 91 71 膵 Mixed ductal-neuroendocrine carcinoma の 1 例 北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅰ 渋谷一陽、蒲池浩文、敦賀陽介、若山顕治、折茂達也、柿坂達彦、横尾英樹、神山俊哉、武冨紹信 症例は 72 歳男性。肝細胞癌術後の経過観察中、CT で膵体部に 20×10mm の動脈相で低吸収、平衡 相で周囲が淡く染まる辺縁不整、境界不明瞭な腫瘍を認めた。分枝膵管内に占拠性病変を認め、 EUS-FNA で腺癌と NET(neuroendocrine tumor) の mixed type の診断となり、膵体尾部切除を施行し た。病理組織学的に分枝膵管内に進展する 2.5cm の白色充実性病変の中に、類円形に腫大した粗造な クロマチンを有する腫瘍細胞の増殖を認めた。免疫染色では腫瘍の約 1/3 に Chromogranin A(+) 、 Synaptophysin(+)、 CD56(+)の神経内分泌細胞への分化を認めた。2010 年 WHO 分類での grading は Ki-67 の 標 識 率 が 約 40 % で G3(neuroendocrine carcinoma) で あ っ た 。 以 上 よ り Mixed ductal-neuroendocrine carcinoma の診断となった。本疾患は稀であり文献的考察を加えて報告する。 92 72 腹腔鏡下膵体尾部切除を施行した膵ガストリノーマの1例 北海道大学病院消化器外科Ⅱ 横山啓介、海老原裕磨、サシームパウデル、野口美紗、高野博信、芦立嘉智、佐藤暢人、蔵前太郎、 松村祥幸、村上壮一、田本英司、倉島 庸、中村 透、松本 譲、土川貴裕、田中栄一、七戸俊明、 平野 聡 【はじめに】ガストリノーマはその40%が悪性であり、その約半数に所属リンパ節転移を認めるた め、根治切除の際には、リンパ節郭清を併施するべきとされている。今回、膵体部のガストリノーマ に対しリンパ節郭清を伴う腹腔鏡下膵体尾部切除術を施行した 1 例を経験したので報告する。 【症例】 65 才、女性。平成5年より近医にて膵体部非機能性内分泌腫瘍として経過観察されていた。平成2 4年4月に胃部の不快感が出現。上部消化管内視鏡検査にて多発する胃潰瘍を認め、血液検査所見に て血清ガストリン値 516pg/ml と高値であり、ガストリノーマが疑われ、膵腫瘍に対し EUS-FNA を施 行。SASI テストによる局在診断は得られなかったが、FNA 生検結果ならびに多発胃潰瘍による症状も あることから膵ガストリノーマと診断し、手術の方針となった。【手術】手術は腹腔鏡下膵体尾部切 除術を行った。体位は、開脚仰臥位5ポート。膵下縁より門脈直上で膵をトンネリングしトライステ ープラ(黒)にて切離。リンパ節郭清を行い、脾動静脈をそれぞれ ETS(白)にて切離した。手術時間 は4時間8分、出血量は0mlであった。 【術後経過】術後は合併症なく術後第 14 日目に退院となっ た。膵癌取扱い規約:NET, G2, pT3, N0, pStageIII。TNM 分類:pT3,pN0,M0,G2,pStageIIA。 【結語】 今回、比較的臨床で遭遇することの少ない膵ガストリノーマに対し、腹腔鏡下に切除し得た 1 例を経 験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 93 73 膵分節切除術を施行した膵インスリノーマの 1 例 北海道社会事業協会函館病院 久木田和晴、鬼原 史、大野 敬、三浦 亮、向谷充宏 膵の低悪性度病変に対する切除術として、可能な限り侵襲を小さくし、正常膵がより多く温存され る術式が望まれる。今回、膵体部インスリノーマに対して膵分節切除術を施行した 1 例を経験したの で、文献的考察を加えて報告する。症例は 39 歳女性。繰り返す低血糖発作にて前医受診された。精 査の結果、膵インスリノーマの診断にて、更なる精査加療目的に当院紹介となった。腹部造影 CT で は、膵体部に早期相で造影効果を有する 1cm 大の腫瘍が認められ、膵 NET に矛盾しない所見であった。 腫瘍は主膵管に近接していたため、核出術は困難であり、膵分節切除術、尾側膵空腸吻合術を施行し た。病理組織診断では、インスリン産生 NET、G1 の結果であった。術後経過は良好で、術後 14 日目 に退院となり、これまでのところ耐糖能異常や膵炎の発症は認めていない。膵分節切除は、膵体部の 低悪性度病変に対して、膵機能温存と根治性の両面において有用な術式であると考えられた。 94 日本臨床外科学会北海道支部会則 (目的) 第 1 条 本会は北海道臨床外科学の進歩発展を図ることを主旨とし,かねて医道精神の高揚,学権の確保,学務の改善なら びに医事衛生の研究に努め,もって会員相互の団結を期することを目的とする. (名称) 第2条 本会は日本臨床外科学会北海道支部と称し事務局を札幌市中央区南1条西16丁目札幌医科大学第1外科教室内に おく. (会員) 第3条 会員は,外科医ならびに本会の目的に賛同する医師とする. (入会) 第4条 入会を希望する者は,所定の入会申込書に氏名,現住所,勤務先等を記入のうえ本会事務局に申込むものとする. (異動,退会) 第5条 前条申込書記載事項に変更のあったとき,または退会を希望するものは,その旨を速かに届けるものとする. (役員) 第6条 (1)本会に次の役員をおき,任期をそれぞれ2年とし,再任を妨げない.ただし、欠員 により補充された役員の任 期は前任者の残任期間とする. 支 部 長 1 名 監 事 2 名 世 話 人 若干名 幹 事 若干名 評 議 員 若干名 (2) 世話人は支部長の指名によって定められ会務を分掌する. (3) 支部長は,会員多数の推薦によって定められ会務を統轄する. (4) 幹事は支部長の指名によって定められ会務を分掌する.ただし第8条第3号による主催者の申出により支部長 は臨時の若干名の幹事を指名することができる. (5) 評議員は外科臨床経験のある会員の中から評議員の推薦を受け、幹事会および評議員会の議を経て支部長がこ れを委嘱し,本会の重要な事項を議するものとする. (6) 評議員は評議員会を連続 3 回欠席した場合その職を失う. (7) 評議員は評議員会を欠席するにあたり特別な理由がある場合は支部長に前もって申し入れ、その理由が幹事会 評議員会で認められた場合は出席扱いとする. (8) 評議員は 3 年以上の会員歴を要し,会費滞納のないものとする. (名誉支部長,名誉会員,特別会員および顧問) 第 7 条 (1) 会員多数の推薦により本会に名誉支部長、名誉会員、特別会員および顧問をおくことができる。 (2) 名誉支部長、名誉会員、特別会員および顧問は評議員会の議を経て支部長が委嘱する。 (3) 年会費は免除される。 (集会) 第8条 本会は集会を開催するものとし,その方法は次のとおりとする. (1) 集会は毎年2回とし,研究の発表が行なわれる.ただし,うち1回を総会とし役員の改選,会計および事業の 報告もする. (2) 演説の内容は臨床材料を基本とする.ただし,演題の取捨,選択,内容の整理は支部長に一任する. (3) 集会の開催地およびその主催者は前回の総会において定める. (4) 集会の期日および日数は,主催者の申出により支部長が定める. (5) 集会において演説するものが,非会員であっても支部長の承認があるときは演説できる. (6) 総会の会長は評議員から選出され、例会の会長は支部長と隔年毎に世話人から選出される。 (会費) 第9条 本会の経費は,会費および寄付金をもってあてる. (1) 本会会員は年会費として 3,000 円を納めるものとし,中途退会しても既納の会費を返付しない. (2) 会費を2年以上滞納した場合は,会員の資格を失うことがある. (3) 本会の会計年度は4月1日から翌年3月31日までとする. (議決機関) 第10条 評議員会を最高議決機関とする.会員は評議員会に出席して意見を述べることができる. (会則変更) 第11条 本会会則は評議員会の議を経て変更することができる. 細 則 第1項 名誉支部長は支部長を退役したものとする. 第2項 名誉会員は会長を務めた人および本学会に特に貢献した人とし,67歳到達時に推挙される. 第3項 特別会員は67歳を越えてかつ評議員を25年以上勤めた人およびこれに準ずる功績のあった人を推挙する. 第4項 評議員は67歳を越えて再任されない. 附 則 第1項 この会則は昭和59年6月23日から施行する. 第 2 項 この会則は平成 8年7月 6日から施行する. 第 3 項 この会則は平成10年7月 4日から施行する. 第 4 項 この会則は平成10年7月 4日から施行する. 第 5 項 この会則は平成13年4月 1日から施行する. 第 6 項 この会則は平成16年7月11日から施行する. 第 7 項 この会則は平成23年7月 3日から施行する. 第 8 項 この会則は平成23年12月10日から施行する. 95 日本臨床外科学会北海道支部会 学会賞規定 (目的) 第 1 条 日本臨床外科学会北海道支部会が北海道の臨床外科学発展のために貢献し,独創性と発展性に富む業績を挙げた者(原則 として会員)に対して授与し、その功績を顕彰することを目的とする。 (対象範囲) 第 2 条 学会賞受賞の対象となる者は次のとおりとする。 1. 北海道における臨床外科学発展のためにすぐれた業績を挙げた者。 2. 2年以上の日本臨床外科学会北海道支部会会員で会費滞納のない者。 3. 過去 5 年以内に学会賞受賞の経験のない者。 (選考方法) 第 3 条 表彰者の選考は、公募により候補者を募り、選考委員会にて公正に選出する。選出方法は次のとおりとする。 1. 選考は採点形式で行い、選考委員による抄録評価・発表評価・発表時間評価の合計を基準とする。 2. 抄録評価と発表評価は A 判定 5 点、B 判定 4 点、C 判定 3 点、D 判定 2 点、E 判定 1 点の五段階評価とする。 3. 採点の基準は、内容の非常に優れているものを A 判定(100%-81%)、やや優れているものを B 判定(80%-61%)、標準的な ものを C 判定(41%-60%)、やや劣るものを D 判定(40%-21%)、非常に劣るものを E 判定(20%以下)とする。 4. 発表時間評価は、規定時間±15 秒までを 5 点、規定時間±30 秒を 3 点、規定時間±45 秒を 1 点、規定時間±60 秒を-1 点 とし、60 秒超を-3 点とする。 5. 選考委員の評価点を合計し、順位の高い者を選考対象とする。 (選考委員会) 第 4 条 選考委員会は北海道支部会幹事で構成される。選考委員長は支部会総会または例会の会長が務めるものとする。 (業績評価) 第 5 条 選考基準は,次のとおりとする。 1. 目的、方法、結果、結語が明確に示されていること。 2. 研究・手技に将来性が見込まれること。 3. 未発表であること(演題登録申請時の自己申告による)。 4. 症例報告は対象としないこと。 5. 外科学に関する報告で,外科学の発展に\貢献をすると認められるものであること。 (表彰) 第 6 条 表彰は,賞状および副賞(金 3 万円)の授与をもって行う。 (対象人数) 第 7 条 学会賞授賞の対象人数は,毎年総会ならびに例会において原則各1名とする。 (授賞) 第 8 条 日本臨床外科学会北海道支部会総会ならびに例会の席上において授賞を行う。 (規程変更) 第 9 条 本規定は評議員会の議を経て変更することができる。 細則 第 1 項 選考委員は指導に関連した演題の採点は原則行わないものとし、辞退することができる。 第 2 項 抄録内容評価において、選考委員に配布する採点用の抄録には候補者の氏名を記載しないものとし、候補者の特定がで きないものとする。 附則 第1項 この規定は平成 23 年 9 月 1 日から実施する。 第2項 この規定は平成 23 年 12 月 11 日から実施する。 第3項 この規定は平成 24 年 7 月 14 日から実施する。 第4項 この規定は平成 24 年 11 月 1 日から実施する。 日本臨床外科学会北海道支部 抄録評価 発表評価 学会賞 評価表 目的 方法 結果 結語 スライドの評価 発表の態度 質疑応答 学術的価値 発表時間評価 評価 分 合計点数 点数 抄録評価と発表評価は A 判定 5 点、B 判定 4 点、C 判定 3 点、D 判定 2 点、E 判定 1 点とする。 採点の基準は、内容の非常に優れているものを A 判定(100%-81%)、やや優れているものを B 判定(80%-61%)、標準的なものを C 判定(41%-60%)、やや劣るもの D 判定(40%-21%)、非常に劣るもの E 判定(20%以下)とする。 発表時間評価は、規定時間+15 秒までを 5 点、規定時間±30 秒を 3 点、規定時間±45 秒を 1 点、規定時間±60 秒を-1 点とし、 60 秒超を-3 点とする。 96
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