グリーンフィールド市訪問記(その2)

10月9日、グリーンフィールド市訪問3日目の朝、角田市との交流20周年を記念した
「姉妹都市公園」の開園式が多くの市民が集まる中で行われた。
市役所のある中心市街地の一角に作られた日本風庭園で100坪はあろうか。園内には木
造のあずまやと石燈籠を中心に、数個の大きな置き石やシダレ桜などの植栽を施している。
ボランティア精神にあふれる町で、砂利や土、コンクリート、木などの資材は多くの市民
から提供していただいたという。
姉妹都市協会会長のトニー・キャンベルさんは開園式で、「この庭園は日本の友人である角
田市民への贈り物であり、姉妹都市事業の結びつきがここにある」とスピーチをした。翌
朝の地元新聞には「グリーンフィールド市と角田市の友情をはぐくむ場所」として紹介さ
れたのだが、グリーンフィールド市民が角田市民との交流を非常に大切にしていることが
よくわかった。
ご当地出身でアメリカの国民的詩人と言われるジェームズ・ウイットコム・ライリーの生
誕を祝う「ライリー祭」はこの町の最大のイベントで、4日間にわたって行われる。メイ
ンイベントは2千人もの市民が参加する大パレードだ。角田市訪問団7名は赤い祭り半纏
姿で参加し沿道の市民から大歓迎を受けた。
ライリーの生家「ライリーハウス」は西部開拓時代の1850年に建てられ国家歴史登録
財に指定されている。間口6間、奥行8間ほどはあろうか、一部2階建ての白亜の木造建
築である。私はこのライリーハウスが非常に気に入り、角田の町の中にこの白亜の洋館が
ある風景を想像してみた。グリーンフィールド市が角田市との交流の証に姉妹都市公園を
造ったと同じように、角田市にライリーハウスを復元しさまざまな交流の場として活用し
てはどうだろうか、など夢が広がった。
別れの夜は、デリーマー市長宅はじめ4家族からホームパーティの招待をいただいた。パ
ーティで賑わっている中で、ある青年が私に日本語で話しかけてきた。彼は角田市でAL
T(外国語指導助手)として働きながら両市の友好の懸け橋として貢献したいという。こ
ちらも夢のふくらむ話で、交流20周年訪問のいい土産話となった。