半月板損傷

はんげつばんそんしょう
半月板損傷
●病態・原因●
○膝関節には太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の
間にある半月板という繊維性軟骨があり、
衝撃の吸収や、膝の安定に作用します。
○体重がかかった状態で、曲がった膝に異常な
捻じれる力が加わると、半月板が大腿骨と脛骨の
間に挟まり、傷ついてしまいます。
○スポーツでは、ターンや相手からのタックルなどで
膝を捻った際に損傷します。また、加齢とともに
傷つきやすくなり、階段昇降などの日常生活でも損傷することがあります。
○小児期では、明らかな受傷機転を伴わない、円板状半月による損傷がみられます。
円板状半月は、日本人の7%にみられる生まれた時からの形態異常で、通常の
半月板より厚みがあり、傷つきやすくなっています。
円板状半月
正常
上から見た図
(右膝)
正面から見た図
(右膝)
外側
半月板
大腿骨
外
内側
半月板
内
内側
半月板
内
上から見た図
(右膝)
外側
半月板
内側
半月板
外
内
外側
半月板
外
脛骨
円板状半月
●診断●
○診断は、受傷機転と症状の経過、症状誘発検査(痛みや膝を動かす際に音がなる)、
MRI、関節鏡などから行われます。
MRI画像
正常像
半月板に傷がなく、
痛みのない状態です。
外側半月板
断裂像
半月板に傷が入っており、
膝に痛みのある状態です。
●症状●
○膝の痛み、腫れ
○膝関節に水がたまる
○キャッチング:膝がひっかかる感じがする
○ロッキング:膝が曲がったまま伸びなくなってしまう
●治療方針●
急性期
急性期とは、患部に痛みや腫れ、熱をもっている時期をいいます。
この時期には安静にして、しっかりと冷やしましょう。
保存療法
○保存療法は損傷範囲がごく小さい場合や手術を望まない場合に適応と
なります。
○痛みの出る動作(過度の曲げ伸ばしや捻り)を控えます。
○膝の周りの筋力を鍛えることで安定性を獲得し、膝にかかる負担を
減らします。
○加齢による変化の場合、ヒアルロン酸の関節内注入も有効です。
注射
リハビリ
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損傷範囲が大きい場合や症状の改善が見られない場合には、
専門医の診断のもと、手術が行われることがあります。
手術療法
○損傷範囲が大きい場合や症状の改善が見られない場合に適応となり
ます。手術には「部分切除術」と「縫合術」があります。
半月板縫合術
半月板切除術
手術法
1.部分切除術
傷んだ部分を切り取り、形を整えます。
2.縫合術
断裂部を縫い合わせます。