日消外会議 25(1):151∼ 155,1992年 乳癌 ,胃 癌 を併発 した際 の solid and cystic tumorの 1例 済生会中和病院外科, 奈 良県立医科大学第 1 外 科 め, 同 腫 瘍病理の 上 野 正 義 今 川 敦 史 八 倉高之助 瀬 川 雅 数1 ) 中島 祥 介1 ) 中 野 博 重1 ) 堤 雅 弘2 ) 小 西 陽 - 2 ) 膵 の solid and cystic tulnor(以 下 SCT)の 1例 を報告す る。症例 は39歳女性.乳 癌 の診 断にて定 型 的乳房切 断術 を施行 ,病 理組織診断 は浸潤性小葉癌 ,stage II(t2,nr'M。 )で あ った 。経過観察 中 の術後 9か 月 日に行 った腹部超音波検査 で際 腫瘍 ,卵 巣腫瘍 を認め ,棒 体尾部切 除術,両 側卵巣摘 除術 を行 った。乳癌 か らの転移 も疑 ったが,術 後 の組織検査 で,SCT,冒 断 された。術後 2か 月 日に 胃全摘術 を施行 し,stage IV(P2,HO,n(一 印環細胞癌 の卵巣転移 と診 ),ssγ)で あ った。術後 2 年 3か 月の現在 も再発徴候 は な く,患 者 は健在 で あ る。 SCTは 本邦報告4/1170例 とまれ な疾患 で あ る。しか も,他 臓 器癌 を併発 した4/1は 他 に 1例 の報告 を認 め るのみで あ り,本 SCT症 例 は きわめて まれ な症4/1と 考 え られた 。 Key words: solid and cystic tumor of the pancreas, triple primary cancer I, は じめ に われわれ は,Kloppelら 1)の提 唱す るまれ な腫 瘍 で あ る膵 の solid and cystic tumor(以 下 SCT)を 経験 し た。本症例 は乳癌術後 の経過観察 中 に診断 された もの Fig. 1 Microscopic view of the resected breast (HE staining) : Uniform small round tumor cells filI in lobule and infiltrate into connective tissue ( x 100). で あ り, さ らには 胃癌 を も併発 していた.き わめ て ま れ な SCTの 重 複癌 症f/1を経験 した の で SCTの 本 邦 報 告 70例 を集計 し,若 子 の文献的考察 を加 えて報 告す る。 H.症 例 患者 i39歳 ,女 性. 主訴 :特 にな し. 家族歴 !特 記事項 な し. 既往歴 :昭 和 62年 9月 10日 右乳癌 にて定型 的乳房切 断術施行.組 織学的 には形 の そ ろ った 小型 円形細胞 が 充実蜂巣状 に配列す る部 分 と,間 質結合織 中 に索状散 在性 に浸潤増生す る部 分 が見 られた (Fig.1).組 織学 た。表在 リンパ節 は触知 しなか った 。胸壁 に手術赦痕 的診 断 は浸潤性小葉癌 で,stage II(t2,nlβ ,MO)で あ った 。 を認 めた 。腹部 に 自発痛 お よび圧痛 は な く肝,陣 ,腎 を触知 しなか ったが,右 下腹部 に弾性硬 の表面平滑 な 現病歴 :乳 癌術後経過観察中の術後 9か 月 日に行 っ た腹部超音波検査 (以下 US)で ,解 腫瘍 お よび両側卵 可動性 腫瘤 を触知 した。 巣腫場 を指 摘 され 手術 目的 にて入 院 とな った, 入院時現症 !身 長 152cm,体 重 49kg.栄 養状態 良好. 眼験結膜 に貧血 は な く,眼 球結膜 に黄 染 を認 め なか っ 入院時検査 :一 般血液検査 で は特 に異常 な く,腫 瘍 markerで は,carcinoembryonic antigen(以 下 CEA) は正常範 囲であ ったが,carbohydrate antigen(以下 CA19‐9)は 64U/mlと 軽度 の上 昇 を認めた。 USで 膵体部 に径約3cmの 辺縁 明瞭 で 内部均 一 な低 <1991年 10月9日 受理>別 帰J請求先 :上 野 正 義 〒634 橿 原市四条 町840 奈 良県立医科大学 第 1外 科 echo腫 瘤 を認めた (Fig.2 upper).腹 部 computed tomography(以 下 CT)で 膵体部 に内部均 一 な isoden‐ 152(152) 乳癌,胃 癌を併発 した際の SCT Fig. 2 Upper: Abdominal sonogram shows a hypoechoic mass about 3cm in diameter at the body of the pancreas. The mass has a clear border and isogenic internal echo (as arrows). Lower: Abdominal enhancedCT shows a isodensity mass of the pancreas(as arrows). 日消外会誌 25巻 1号 Fig. 3 Formalin fixed cut section of solid and cystic tumor of the pancreas: White with spotty hemorrhagic necrosis and clear border are seen. 死巣 が 見 られた (Fig.3).組 織学的 には腫瘍 は小血 管 に富 み,一 部 の 小血 管壁 には硝子化 が見 られ ,壊 死巣 と多数の コレステ リン結 品 が見 られた (Fig.4 1eft). 腫瘍細胞 は小型類 円形 で好酸性 の胞体 に富 み,比 較 的 型 のそ ろ った核 を持 つ 細胞 か らな り,小 血 管 の周 囲 に 索状配列 し,pseudorosette形成 も見 られた。核 分裂像 はほ とん ど見 られ なか った (Fig。4 right).periodic acid‐ S chif(以 下 PAS)染 色 で は硝 子滴状 の陽性類粒 が 腫瘍 細胞 の 内外 に散在 し,grimelius染 色 で は ご く 少数 の腫瘍細胞 に好銀 性顆粒 を認 めた。免疫組織化学 antitrypsin(以 下 AAT)は 染色 で は 21‐ sity腫瘤 を認めた (Fig.2 1ower).ま た ,右 側径約4 腫瘍細胞 の約 lase(以 下 NSE) 20%に 陽性 で ,neuron‐specinc en。 cm,左 側径 約3cmの 充実性卵巣腫場 を認めた.内 視鏡 は少数 の細胞 のみ 陽性 であ った 。CEA,lysozymeは 陰 的逆行性際管造影 (以下 ERP)で は,膵 体部 で 約 1.5cm 性 であ った。 以上 の所見 よ り,SCTと にわた り主膵管 が狭少化 し,そ の末浦 で軽度 の拡張像 が見 られた。腹腔動脈造影 では ,大 膵動脈 の 2次 分枝 両側卵巣腫場 の組織学 的診 断 は,転 移性卵 巣癌 (印 卜 環細胞癌)で あ った。 術後20日 目に上部消化管透視 を に弧状 の圧排伸展像 を認 めた。 再度行 った と ころ, 胃には陥凹や隆起性病変 は認 め な 診断 した。 以上 の所 見 か らも膵 お よび卵巣腫瘍 の質的診 断 は 困 か ったが,内 視鏡検査 で は 胃粘膜全体 の発赤 と浮腫 を 難 で,乳 癌 の棒,卵 巣転移 も否定で きず,陣 腫瘍 お よ 認 め,同 部 か らの生検 にて 印環細胞癌 を認めた。 同年 び両側卵巣腫瘍 と診 断 した. 11月29日再 開腹 した。腹腔 内 は癒着著 明 であ ったが, 手術所見 :昭 和 63年 9月 29日開腹 した。腹膜,肝 , 前 回同様 胃は視診触診 上異 常 はな く,明 らかな病変部 胃に視診触診上異常 はな く, リ ンパ 節 の腫脹 も認 め な を同定 で きず, 胃全摘術 を行 った。 胃摘 出標 本 肉眼像 か った。膵腫瘤 は鶏卵大 で膵体部 腹側 に あ り,周 囲組 では,壁 の肥厚 や硬化 はな く,全 体 に軽度 の粘膜粗造 織 との剣離 は容易 で膵体尾部切 除 を行 った。両側卵巣 を認 めたのみで, このため初 回手術 時 に 胃の病変 が見 に鶏卵大 の弾性硬 で可 動性 良好 な腫瘤 を認め,両 側附 逃 された もの と考 え られた。腫瘍細胞 は非常 に未 分化 属器切除術 を行 った。 病 理 組 織 所 見 t膵 腫 場 の 大 き さは30×28×22mm で,ホ ル マ リン固定標本害J面像 で は,白 色充実性 の腫 な円形細胞 で,噴 門直下 か ら前庭部 に散在 し印環細胞 瘍 で,境 界 は比 較 的 明瞭 で あ り散在性 に点状 の 出血壊 陽性顆粒 が見 られた。stage IV(P2,HO,n(一 ),ssγ) の混 在 を認 め た が,結 合 織 の 増 生 は 見 られ な か った blue染 色 (Fig.5)。印環細胞 内 に,PASお よび alcian‐ 1992年 1月 153(153) Fig. 4 Microscopic views of solid and cystic tumor of the pancreas (HE staining) Left : There are numerous small vesselswith partially hyalinization. Necrotic lesions and numerous cholesterolcrystalsare observed (x40). Right: The tumor cells are small and oval with well developpedeosinophiliccytoplasmand homologous nucleus. Mitoses are very rate. Pseudorosettesformation of the tumor cells are observed(x100). Fig. 5 Microscopic view of the resected stomach (HE staining) : Undifferentiated round tumor cells are scattered in connective tissue with sig. net ring cells (x300). 歳 ていない. III,考 察 1959年 Frantz2)は,若 年女子 に好発す る予後 良好 な 膵腫瘍 を papillatt tumor ofthe pancreasと して報告 した。 以来 そ の腫場 は さまざまな名称 で報告 され て き た が,1984年 に Klbppe11)が 本腫瘍 の概 念 を ま とめ, solid and cystic tulnor of the pancreasと命名 した。 われわれは,乳 癌,胃 癌 を併 発 した非常 にまれ な SCT 症例 を経 験 した ので,1990年 た SCTと 3月 迄 に文献上詳述 され 考 え られ る本邦 70例 を集計 し,そ の 臨床 病 理学 的特徴 を検討 した。 1.年 齢 お よび性 :初 診 時年 齢 は 8か ら63歳 で 平 均 256歳 で あ った.年 代別 では10歳 代 が32例 (45.7%) で最 も多 く,40歳 未満 の症frllが 55例 で全体 の78.6%を で あ った 。 術 後 経 過 : 術 後 の 化 学 療 法 と し て, 週 1 回 よび5‐ Fluorouraci1 500mgを 10 Mitomycin C 2mgお 占めて いた。性別 では男性 5例 に対 し女 性 は65例 で, 大 多 数 の症 例 が 女 性 で あ った。 自験 例 も若 年 女 性 で あ った 。 2.臨 床症状 :腹 部腫瘤 が32例 (45,7%),上 腹部痛 F l u o r O u r a c i 1 2 0 0 m g連 を日経 口投 週間投与 し, 以 後 5 ‐ が29711(414%)に 与 した 。乳癌術後 3 年 5 か 月, S C T 術 後 2 年 5 か 月, 胃癌術後 2 年 3 か 月を経 た現在, 再 発 の徴候 は見 られ 部不快感 な どがあ るが,検 診や人間 ドック,他 疾患 に て検索 中偶然 に発見 された無症 状症例 も14例 (20%)に 見 られた.そ の他,嘔 気嘔吐,腹 154(154) 乳癌,胃 癌を併発 した際の SCT 日消外会誌 25巻 1号 見 られた, 自 験例 も乳癌術後 の経過観察 中 に発見 され 例 も見 られ てい る。.SCTは た無症状症4 / 1 で あ った。 な予後 が期待 され るが,前 記 の ご と く悪性例 の報告 も 3 . 入 院時検 査 t 血 液 生化学校査 で は特 徴 的 な もの 腫瘤 の完全摘 出にて 良好 散見 され ,十分 な経過観察 が必要 で あ る と考 え られ る。 はな く, 腫 瘍 m a r k e r で は t i s s u e p o l y p e p t i d e a n t i g e n 9.病 理組織学的所見 1)肉 眼所見 :腫 場 の大 きさ (最大径)は , 2か ら20 cm,平 均 7 9cmで あ った ,典 型例 では,腫 瘤 は類 円形 や , 自験 例 と同 じ くC A 1 9 、9 の上 昇例 の報 告 が 見 られ お よび i m m u n o s u p p r e s s i v e a c i d i c p r o t e 上 i n昇 の4 / 1 で線維性 の被膜 を持 ち,中 心部 は腫瘤増大 に伴 い 出血, 亨 そ こ . 4 . 画 像所見 i 腹 部単純撮影 で, 石灰化像 が7 0 例中2 6 変性壊死 な どの退行性病変 が生 じ 2次 的 に嚢胞状 とな 例 ( 3 7 . 1 % ) に見 られた。U S で 境界 明瞭 な類 円形 の低 る。 自験例 は腫瘍 が小 さ く早期 で あ るため,被 膜形成 e c h o 腫 瘤 で あ り, 記 載 された3 9 例中3 1 例 ( 7 9 . 5 % ) が 内部 e c h o 不均 一 であ った。石灰化 に よる高 e c h o の 部 が 見 られず充実性腫瘤 とな った もの と思われ る. 分 を有 した症例 は 8 例 ( 2 0 . 5 % ) であ った。 C T 上 も境 界 明瞭 な類 円形 の腫瘤 で, 4 3 例 中2 6 例( 6 0 . 5 % ) が l o w y は d e n s i tあ y った。内 で 均 一 で, 1 8 例 部 d e n s i t不 多角形 で 多形性 に乏 しい.核 は類 円形 で 分裂像 に乏 し い。周辺部 に充実性 に配列 し,小 血 管 を中心 に偽花冠 ( 4 1 . 7 % ) に石灰化像 が見 られた。自験例 は U S , C T 上 も内部構造均 一 で あ った。E R P で 主膵管 の圧排, 伸 展 が654/1中11例 (16.9%)に が3 1 例中1 9 例 ( 6 1 3 % ) に , さらに, 主 棒管 の狭窄 が 2)光 顕所見 :腫 瘍 細胞 は比較 的 明 る く胞 体 に富 み 状 を示す。被膜 内 に限局す る場合 が多 いが,被 膜浸潤 見 られた。さ らに,被 膜外 に浸潤 した例 が11911であ り, 74/1が 膵実質, 3例 が十 二 指腸,1例 が 副牌 浸潤 で あ った。PAS陽 性顆粒や コ 1 0 例 ( 3 2 . 3 % ) , 途 絶 が 8 例 ( 2 5 , 8 % ) に 見 られた。腹 レステ リン結 晶を高率 に認 め,免疫組織化学染 色 では, 部 血 管造影 で3 9 例中2 8 例 ( 7 1 . 8 % ) に 周囲血管 の圧排 AATが 像 を認 めた 。 おおむね低 血 管性 であ るが軽 度 の腫瘍濃 (90%)に 染像, 血 管増生像 を1 2 例 ( 3 0 8 % ) に 認 めた。 5 . 術 前 診 断 : 画 像 で も S C T に 特 徴 的 な所 見 に 乏 し く, 際 嚢胞や癌 と鑑別 困難 で あ り, 術 前診 断 は記載 49例 中45711(918%), NSEが 20例 中 18例 陽性 で あ った。 3)鑑 別診断 iSCTの 際腫瘍 の病理学 的分類 にお け る位置 はいまだ確立 されてお らず,組 織発生 に関 して 1),duct cell由 来説 ",さ らに内, も acinar cell由来説 ( 2 8 % ) が 際腫瘍 で あ った。1 1 例 ( 2 2 % ) が S C T を 疑 外 分泌細胞 の双方 に分化 し うる幼 弱 な細胞 (primor, dial cell)出来説 のな どがあ り,意 見 の一 致 を見て いな われたが, そ の根拠 は, 若 年女性 で, 画 像上石灰化像 を認 め, 被 膜や不均 一 な内部構造 を持 つ 嚢胞状腫瘤 で い。鑑別診断 で は ラ島腫瘍 が最 も重要 とな るが,SCT は 変 性 が 強 く,コ レス テ リン結 晶 を 認 め,PASや あ った 。 自験例 も術前診断 が 困難 であ った。 6 . 発 生部位 : 自 験例 は際体 部 に生 じた もので あ っ AAT染 た が, 報 告 例 で は膵 頭 部2 5 例 ( 3 5 7 % ) , 膵 体部19例 膵 芽腫 は幼児期 の両性 に発症 し上 皮性成分 と未 分化 間 7 % ) , 陣 体 尾部 8 例 ( 1 1 . 4 % ) ( 2 7 1 % ) , 解 尾部 1 8 例( 2 5 。 葉 成 分 が混 在 し,壊 死 や扁 平上 皮様 構 造 (squamoid c o r p u s c l e ) が存在 す る7 ) ことか ら鑑別 さをしる。 1 0 。重複 癌 : 重 複癌 の報 告 は, 高 木 らゆの上 行結 腸 の あ った5 0 例中1 7 例 ( 3 4 % ) が 解 嚢 胞 性 腫 瘍, 1 4 例 と膵 の あ らゆ る部位 に発 生 し, 好 発 部 位 は 見 られ な か った。 7 , 治 療 i S C T 全 体 の切除率 は9 8 . 3 % ( 6 8 / 6 9 ) で あ り, 他 の膵癌 に比 べ 非常 に高 い もので あ った 。際頭部 に発生 した S C T 2 5 例中1 0 例 ( 4 0 % ) に 際頭十 二 指腸切 除, 1 4 例 ( 5 6 % ) に 局所切除 が行 われた。際体尾部 に 発生 した S C T 4 5 例中3 4 例 ( 7 5 . 6 % ) に膵 尾側切 除, 8 例 ( 1 7 . 8 % ) に 局所切除 が行われ, 他 に陣全摘術 が 2 に行われ た。自験例 は膵体部 に 例, 放 射線治療 が 1 4 2 1 め 色 が 陽性 で あ る場合が多 い。そ の他,腺 房細胞 癌 は成人 に発症 し腺房構造 を呈 し悪性度 が高 い こと, 癌併存例 のみで あ った。 自験例 は乳癌 と胃癌 の 2 重 複 癌 を合併 し, きわ めて まれで あ るが, 乳 癌 の際, 胃 転 移 と S C T お よび原 発 性 胃癌 の鑑別 が 問題 とな る。乳 癌 の膵 転移 と S C T の 鑑別 は組織像 か ら容易 で あ る. 型 X 線 所見 を 乳癌 の 胃転移例 は, l i n i t i s p l a s t i cのa胃 こ い と報告 さ の は で る とが多 示 し, そ 組織型 小葉癌 あ い れ てい る 。この点 では 自験例 と合致す るが, 胃 癌病巣 が主 に粘膜 内 に存 在 し, さ らに 印環 細胞 内 に a l c i a n ‐ 発生 した S C T に 対 し, 際 尾側切除 を行 った。 8 . 予 後 t S C T の 予 後 は 良好 な も の と され て い る b l u e , P A S 染 色陽性顆粒 が 多数見 られた こ とか ら原発 が, 7 0 例 中 2 例 が S C T の 肝転 移 お よび癌 性腹膜 炎 で 死亡 しゆ, ま た, 結 腸間膜再発 を生 じ再切 除を行 った症 e s t r o g e n および p r o g e s t e r o n e r e c e p t o有意 r の な増加 性 胃癌 の 可能 性 が よ り高 い と考 え られ る。 S C T 内 の 1992年1月 155(155) 例 の 報 告 もあ り1い ,SCTが 若 年 女 性 に好 発 し,自 験 4/1 で 乳癌 を重 複 した こ とに 興 味 が もた れ た 。 文 献 Pancreatic nOn‐ endocrine tumors Pancreatic pathology, lst ed 79 (Kibppel G, 1)K16ppel G: Heitz PU),Churchil LivingstOne,New YOrk, 6)Morrison DM,Jewell LD,McCaughey WTE et ali Papillary cystic tumOr of the pancreas. Arch PathOI Lab Med 108,723-727, 1984 7)HOrie A, YanO Y, KOt00 Y et al: 酌 IOr‐ phOgenesis Of pancreatoblastoma,infantile car‐ cinoma of the pancreas,Cancer 39 1 247--254, 1977 1984,p101-103 2)Frantz VK: Tumor Of the Pancreas,Atlas of Tumor path01ogy. Section 7, Fasc 27 and 28 AFIP,WashingtOn,1959,p27-73 3)松 能久雄,小 西二三 男,石 川義麿 ほか I Papilla呼 ‐ cystic neoplasm of the pancreasの 臨床病理学的 検討.胆 と陣 7:1293-1302,1986 4)戸 谷拓二,島 田勝政,渡 辺泰宏ほか :Frantz腫瘍 の臨床 と病理 .小 児外科 1711097-1110,1987 5)Hamoudi AB,Misugi K,GrOsfeld JL et all 8 ) 高 木 雄 二 , 中 尾 丞 ″栄 田和 行 ほ か i 際 臓 P a p i ト l a r y t u m o r2 の 例.癌 の臨 31!1737-1743, 1985 9)Cormierヽ VJ,Caffey TA,Welch JM et al: Linitis plastica caused by metastatic iobular carcinOma of the breast.Mayo Clinic Proc 55 t 747--753, 1980 10)Ladanyi M, Mulay S, Arseneau 」 et al: Estrogen and prOgesterone receptor determian‐ Papillary epitheliai neOplasm Of pancreas in a tion in the papillary cystic neoplasm Of the child.Cancer 26: 1126--1134, 1970 pancreas Cancer 60 ! 1604--1611, 1987 A Case of Solid and Cystic Tumor of the Pancreas with Breast and Gastric Cancer Masayoshi Ueno, Atsushi Imagawa, Mannosuke Yakura, Masakazu Segawsr),Yoshiyuki Nakajimarr, Hiroshige Nakanor),Masahiro Tsutsumi2) and yoichi Konishi2r Department of Surgery, Saiseikai Chu-wa Hospital, The First Department of Surgery, Nara Medical Universityu, Department of Oncologicalpathologyzr A caseof solid and cystic tumor of the pancreas(SCT) is reported. The patient was a 39-year-oldwoman with a history of invasive lobular carcinoma of the breast, stage II (tz, n,.a,M). Nine months after a standard radical mastectomy, distal pancreatectomyand bilateral oophorectomywere performed becauseof solid occupying lesions detectedby an abdominal sonogram.Although metastasesfrom the breast cancer were suspected,the histological findings revealed SCT and metastasis to the ovaries from signet ring cell carcinoma of the stomach. Therefore, 2 months after the secondoperation, it was necessaryto perform a total gastrectomy for gastric cancer, stage IV @2, Ho' no, ssy). At present, 2 years and 3 months after the third operation, recurrence cannot be observedand the patient is well. SCT is very rare, only 70 caseshaving beenreported inJapan. Moreover, there was only one case of SCT with an other primary qtncer, in addition to our case. Reprint requests: Masayoshi Ueno The First Department of Surgery, Nara Medical University 840 Shijo-cho,Kashihara, 634JAPAN
© Copyright 2024 Paperzz