15) 食道類基底細胞癌 6 切除例の臨床病理学的検討

15)
食道類基底細胞癌 6 切除例の臨床病理学的検討
佐久総合病院外科 1 ) 、同
内科 2 ) 、
中村二郎、都甲昭彦、植松大、大井悦弥 1 ) 、小山恒男 2 ) 、
〔対象) 1990年4 月"'-' 2000年 8 月に 当科で外科的に切除された食道
癌 93 例中組織学的に類基底細胞癌と診断された 6 症例 (6. 5 %)
(表在癌5例、術前表在癌と診断した mp癌 1 例) を対象とし、臨
床病理学的に検討を加えた 。
{ 結果〕 平均年齢 64. 2歳
、 全例男性。占 居部位は Mt 2例、L t 2 例
、
A e1例
、 E G1 例で、肉眼型は O- Isep 2例
、
oーI sep+I I c 1例、
例
、 O-III+IIc 1例
、 1+0- I I I +I I c 1例であ った。深達度は
O- Ipl +IIc 1
sm2: 1例
、
sm3: 4例
、 mp 2 :1 例で、脈管侵襲率 66. 7 % (表在癌 60 % ) 、リン パ
節転移率33. 3 % (表在癌40 % ) であ った。また 全例、類基底細胞
癌以外の組織型( 腺様嚢胞癌、腺癌、 扇平上皮癌) の併存が見 ら
れた 。予後は、 再発死亡が 1例み られたが、その他は無再発生存中
( 5 年生存 3 例) で、比較的良好あ った。
[考察) 1. 類基底細胞癌は、粘膜下腫蕩様発育を 示すこと、多彩
な組織像を示す ことが特徴と考え られた 。2. 表在癌では類基底細
胞癌 と扇平上皮癌の悪性度は変わ らないと 考え られた 。
さら に上記 6 例の粘液染色・免疫染色を施行し、病理組織学的
に再検討 を加 え、その 結果も 合わせて報告する 。
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