福岡大学 工学部電子情報工学科

電子情報工学科
電子情報
電子情報工学科のカリキュラムについて
デルカリキュラム図を入学時のオリエンテーショ
1.教育理念
現在、情報処理技術の飛躍的な進歩は社会における
ンで配布し、講義中にこれを引用します。
⑷
⑶と同様に座学と実験・演習科目の関連性を、
電子情報システムの役割を質的に変えており、「IT 革
科目関連図およびモデルカリキュラム図を用いて
命」と呼ばれるまでに至っています。このような状況
周知徹底します。
において、時代に応じた最新の情報処理技術を持つ技
⑸
実用化されている総合的な情報システム全体の
術者を養成することは、社会からの強い要請です。そ
仕組みや社会の動向を知るため、企業人を講師と
こで、本学科では、福岡大学工学部の教育理念「十分
して招き入れた講義(電子情報産業論)や社会の
な社会的良心に基づいた責任感を有し、時代に即応し
変化を正しく理解するための教養と判断力、理性
た判断力と、科学技術を以て社会の持続的発展に貢献
を備えた技術者を養成するための講義(情報職業
する人材を育成すること」に基づき、常に時代の要求
に応じた新しい電子情報システムを構築することので
論、情報化社会論)を4年次に配置します。
⑹
きる技術者を養成することを教育の理念としています。
1年次に電子情報工学への興味を駆り立てて学
習意欲を向上させるべく、応用システムや研究の
紹介などを行う科目(電子情報工学特論)を配置
します。また、1年次後期と3年次後期には学生
2.教育目標
を各教員で分担し、専門的な実験・演習を小人数
福岡大学工学部の教育目標「工学(技術)者に求め
制で行います(電気回路演習、電子情報工学特別
られる豊かな 造性と実務に促した応用力を育成する
ために、十分な基礎学力にくわえて深い専門の科学技
演習)。
⑺
学部教育の目標は基礎科目の理解を徹底させる
術を教授し、さらに幅広い教養を修得させて調和のと
こととし、高度に専門的な内容は大学院に委ねま
れた人格の発達を促す。」に基づき、社会の変化を正し
す。
く理解するための教養と判断力、理性を備えた技術者
を養成することを目標としています。専門分野におい
ては、電子工学と情報工学の基礎を理解し、情報シス
175
4.コースの決定について
テム工学あるいは電子情報工学の技術開発に寄与でき
本学科の学生は2年次から電子情報コース、情報デ
る技術者を養成することを目標としています。具体的
バイスコース、情報システムコースのいずれかを選択
には、コンピュータ・ソフトウェアの知識を有する電
します。選択するコースの希望は1年次後期の終わり
子工学技術者と電子工学の知識を有する情報処理技術
に調査します。各コースの学生数は原則としてその学
者を育成します。
年の学生数の50%、25%、25%とします。コースの希
望が偏った場合には、1年次の総合成績と1年次に行
3.教育方法
われた基礎科目の成績を参
にしてコースを決定しま
す。2年次以降のコース変更は認められません。
上記の教育目標を実現するために本学科で行ってい
る具体的な教育方法を次に示します。
⑴ 1年次に電子工学と情報工学に共通の基礎科目
5.情報システムコースの履修者へ
を履修した後、学生は希望と適性に従って電子情
情報システムコースは、JABEE(Japan Accredita-
報コース、情報デバイスコース、情報システムコー
tion Board for Engineering Education, 日本技術者教
育認定機構)の認定を目的とした教育プログラムです。
スのいずれかを選択します。情報デバイスコース
では電子工学、情報システムコースでは情報工学
シ
ラ
バ
ス
をより深く学習します。電子情報コースでは電子
JABEE の認定審査は平成13年度から始まりましたが、
本学科の「情報システムコース」は平成20年度に審査
工学と情報工学両分野の科目について広く学習す
を受けて認定を取得しました。JABEE によって認定
ることができます。
されたプログラムは世界に公表されます。それによっ
⑵ 2年次以降、学生は各コースのカリキュラムに
て、認定プログラムの修了生は十分な能力を持った大
従って学習しますが、共通科目および関連科目を
学卒業生として国際的に評価されることになります。
通して電子工学と情報工学の関連を常に意識しな
また、認定プログラムの修了生は技術者の国際的な資
がら学習します。
格である「技術士」の一次試験が免除されます。
⑶ ⑵の目的を達成するため、科目関連図およびモ
― 487―
シラバス
⑴ 情報システムコースの教育目的
先に示した学科の教育目標に準じて、
「社会の変化
⑶
情報システムコースの修了要件
この教育プログラムを修了するためには、卒業要
を正しく理解するための教養と判断力、理性を備え、
件を満たし、さらに学習・教育目標
電子工学と情報工学の基礎を理解して社会の要求を
以下に示す科目の単位を取得している必要がありま
解決する情報システムを構築できる情報処理技術者
す。
を養成すること。」をこの教育プログラムの教育目的
とします。
∼
について
(A-1) 歴史や文化、経済、価値観などに関する知
識に基づき、自分自身の文化や価値観、利益だけ
ではなく、地球規模で他者の立場から物事を
⑵ 情報システムコースの学習・教育目標
この教育プログラムでは、上記のような目標を達
成するため共通教育、工学共通および専門科目の諸
総合教養科目の中から6科目12単位
科目の履修を通して、次の基礎的能力を身に付ける
(A-2) 情報技術が自然および社会に及ぼす影響
や効果を理解し、情報処理技術者が社会に負って
ことを目標とします。
いる責任を自覚すること。
社会の変化を正しく理解するための教養と判
専門教育科目の情報職業論、情報化社会論の
断力、理性を備えていること。
電子工学と情報工学の基礎を理解すること。
ソフトウエアおよびハードウエアを含む情報
2科目4単位
(A-3) 文献や種々の情報媒体を利用して情報を
集め、自主的、継続的に学習できる能力。
システムを構築できること
電子情報工学特論、電子情報工学特別演習、
これらの3つの教育目標を達成するために以下の
ような能力を身につけることを教育の目標にします。
の教育目標を達成するためには
(A-1) 歴史や文化、経済、価値観などに関する知
識に基づき、自分自身の文化や価値観、利益だけ
シ
ラ
バ
ス
176
え
ることができること。
卒業論文の3科目8単位
(B-1) 数学と物理学を中心とする自然科学につ
いての基礎知識を持ち、実際の問題に応用する能
力。
工学共通科目の必修8科目16単位と専門教育
ではなく、地球規模で他者の立場から物事を え
科目の微分積分学
ることができること。
学の3科目6単位
(A-2) 情報技術が自然および社会に及ぼす影響
や効果を理解し、情報処理技術者が社会に負って
、微分積分学
、情報数
(B-2) 電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解
すること。
いる責任を自覚すること。
工学共通科目の「図学
(A-3) 文献や種々の情報媒体を利用して情報を
集め、自主的、継続的に学習できる能力。
門教育科目の全コース共通必修科目から(B-
の教育目標を達成するためには、
(B-1) 数学と物理学を中心とする自然科学につ
いての基礎知識を持ち、実際の問題に応用する能
力。
(B-2) 電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解
すること。
の教育目標を達成するためには、
」1科目2単位、専
1)に含まれる科目と電子情報工学特論、計算
機工学
、計算機工学
を除いた19科目38単
位
(C-1) コンピュータシステムとシステムプログ
ラムの原理や構造を理解し、その設計や実現を効
果的に行う能力。
全コース共通必修科目の計算機工学
機工学
、計算
2科目4単位と情報システムコース
(C-1) コンピュータシステムとシステムプログ
ラムの原理や構造を理解し、その設計や実現を効
の必修専門科目から、情報数学、電子情報工
果的に行う能力。
情報工学実験B、卒業論文、情報化社会論、
(C-2) 画像処理、音声処理、自然言語処理、知識
工学などコンピュータ応用システムの基礎を習得
し、応用する能力。
(C-3) 社会の要求を解決する情報システムをデ
ザインする能力。
学特別演習、ソフトウェアシステム設計
、
情報職業論を除いた6科目12単位
(C-2) 画像処理、音声処理、自然言語処理、知識
工学などコンピュータ応用システムの基礎を習得
し、応用する能力。
専門教育科目の知識工学、ソフトコンピュー
(C-4) 論理的な文章の記述や口頭発表により情
報システムを説明する能力。
ティング、画像処理工学、自然言語処理工学、
(C-5) 与えられた制約の下で情報システムを構
築するために計画的に仕事を進め、まとめる能力。
クスの中から3科目6単位
音声情報処理工学、コンピュータグラフィッ
(C-3) 社会の要求を解決する情報システムをデ
ザインする能力。
情報システムコースの必修専門科目のソフト
― 488―
ウェアシステム設計
と情報工学実験B、卒
新たに登録した単位数との和が卒業に必要な単位数
業論文の3科目8単位
に達し、しかもその必要単位数のうち8単位以内の
(C-4) 論理的な文章の記述や口頭発表により情
報システムを説明する能力。
不合格点を得た者(後期の追試験の結果、不合格点
専門教育科目の電子情報工学特論、電気回路
該年度に登録した科目について、学年末に再試験を
演習、電子情報工学特別演習、卒業論文の4
行うことがあります。(成績・査規定12条⑴)
を得た者を除く。)に対しては、本人の願出により当
科目10単位。共通教育科目の外国語科目12単
位
(C-5) 与えられた制約の下で情報システムを構
築するために計画的に仕事を進め、まとめる能力。
⑵
編・転・学士入学時の単位認定について
他の高等教育機関等で取得した単位の換算は、本
学教務委員会が定める基準によって行なわれます。
電子情報工学特別演習、卒業論文の2科目6
取得した専門教育科目の単位は、その科目の学習・
単位
教育目標が、本学科シラバスに記載している専門教
育科目の学習・教育目標に相当し、しかも達成目標
6.その他
を満たしている場合に認定されます。
⑴ 再試験について
第4年次以上の卒業見込者にして、既得単位数と
シ
ラ
バ
ス
177
― 489―
電子情報
専門教育科目
(第 1 年 次)
科
目
名
電気回路基礎Ⅰ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
古
末
当
田
次
者
洋
介
正
703000000101
概
要 ………………………………………………
テレビ・オーディオなどの家電機器やコンピュー
タ・通信機器など多くの電子機器内では電子回路が働
いています。この電子回路の動作を理解する基礎とな
るのが電気回路です。まず電流と電圧についての復習
から始めます。前半は直流に重きを置きますが、後半
は交流に入ります。交流を扱うには「複素数」が大変
便利な手段です。最初は戸惑うと思いますが練習問題
を多く解き、慣れる事が大事です。
一 般 目 標 ………………………………………………
抵抗の直列・並列回路、及びその複合回路の各部の電
流電圧が計算できること。交流を表現する各種のパラ
メータの理解。複素数の計算と複素数を用いた交流の
表現について学ぶ。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電気回路の基礎知識を習得し、コンピュータ原理や構
造を理解する基礎能力を育成する(B-2)。
電流法の双方で解ける事。
2:重ね合わせの理やテブナンの定理を理解している
こと。
3:正弦波交流の理解、複素数での表現と簡単な回路
の計算が出来る事。
授業 計 画
1:電圧と電流、オームの法則
2:抵抗の直並列接続
3:電圧源と電流源、電力と電力量
4:直流回路網方程式、キルリホッフの法則
5:枝電流法、閉路電流法
6:各種の直流回路、ブリッジ回路
7:重ね合わせの式、テブナンの定理
8:Δ Y 変換、正弦波電圧・電流
9:周期変化量の大きさ
10:電力と電力量、抵抗の消費電力
11:複素数1
12:複素数2
13:複素数による正弦波交流の取り扱い1
14:複素数による正弦波交流の取り扱い2
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の方法 ………………………………………
講義途中での課題評価20%、期末テスト80%の割合で
評価します。
参
書 ………………………………………………
電気回路演習 ISBN ISBN4886861849
・電気学会大学基礎講座「電気回路演習」電気学会
難易度に応じて A、B、C と三つの段階に演習問題が
分類されています。解答も備わっています。紙と鉛筆
を手に取り、皆さんの力に応じて解き進んでいくこと
が本当の理解の近道です。電気回路で用いる数学につ
いても簡潔に整理してあります。
テ キ ス ト ………………………………………………
「第2版 基礎電気回路」伊佐・谷口・岩井共著
出版
ISBN978-4-627-73292-2
森北
履修の条件 ………………………………………………
正弦波関数の理解と簡単な微分・積分が出来ること。
履修上の留意点 ………………………………………
事前に必ずテキストに目を通し、疑問点を明確にして
講義を受けてください。公式を「暗記」するのでは無
く、なぜ?どうして?の視点で理解するよう心がけて
ください。新しい概念が次々と出てくることは避けら
れません、専門用語は定義をしっかり頭に入れてくだ
さい。基本的な専門用語は日本語と英語で頭に入れて
ください。頭を働かしての理解はもちろん必要ですが、
手を動かしての理解(演習問題を多く解く)も欠かせ
ません。テキスト中の演習問題は講義後すぐに取り掛
かること、これが理解を確実にする早道です。問題を
解く際は単位(ボルト、アンペア、オームなど)も忘
れずに記載する習慣をつけてください。
講義時に演習問題を提示し、評価に加える。
成績評価の基準 ………………………………………
1:2−3のループを含む直流回路を枝電流法と閉路
― 493―
シ
ラ
バ
ス
178
シラバス
科
目
名
電気回路基礎Ⅱ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
古
末
1
当
田
次
者
洋
介
正
703000000201
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
R、C、L を含む交流回路の各部の電流・電圧・電力が
計算できるように学習する。正弦波交流を取り扱うが
1−2:L と C のインピーダンス
複素数を用いた交流の表現を主とする。共振回路や理
電流・電圧の計算
想変成器についても学ぶ
5−6:フェーザ図
3−4:交流回路の解法
7:共振回路
8−9:交流回路の電力
一 般 目 標 ………………………………………………
複素電力、力率、最大電力の問題
上に上げた項目について基本原理を理解し、その応用
10−11:相互誘導現象と変成器
事例について学ぶ。
12−14:総合復習
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の基準 ………………………………………
1:2∼3のループを含む交流回路の各部の電流電圧
シ
ラ
バ
ス
履修上の留意点 ………………………………………
が計算できること。
電気回路基礎Ⅰの場合以上に予習・復習が欠かせませ
2:交流の電圧電流を複素平面で大きさと相互間の位
ん。必ずテキストに目を通し、疑問点を明確にして講
相関係を理解できること。
義を受けて下さい。定義はしっかり頭に入れる必要が
3:複素電力の理解。
あります。暗記も必要ですが、それ以上になぜ?どう
4:理想変成器の理解。
して?の視点で理解するよう心がけてください。毎回
179
の講義内容をしっかりと理解して次の講義に臨んで下
成績評価の方法 ………………………………………
講義途中での課題評価20%と定期試験80%で評価する。
さい。手を動かしての理解(演習問題を多く解く)も
欠かせません。テキスト中の演習問題や各章末の演習
問題は講義後すぐに取り掛かること、これが理解を確
実にする早道です。問題を多く解くように心がけて下
参
書 ………………………………………………
電気回路演習 ISBN ISBN4886861849
・電気学会大学基礎講座「電気回路演習」電気学会
さい。問題を解く際は単位(ボルト、アンペア、オー
ムなど)も忘れずに記載する習慣をつけてください。
式を作成した場合に各項の単位が同じになっているか
どうかを確認すること理解を深める有効な手段です。
難易度に応じて A、B、C と三つの段階に演習問題が
専門用語は英語をそのまま用いることが多い。テキ
分類されています。解答も備わっています。電気回路
スト中では基本的な専門用語は英語と併記されていま
で用いる数学についても簡潔に整理してあります。
す。英語の表現も日本語と同時に頭に入れてください。
講義での演習問題を評価に加える。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子回路の基礎知識を習得し、コンピュータ原理や構
造を理解する基礎能力を育成する(B-2)。
履修の条件 ………………………………………………
電気回路基礎Ⅰを理解していること。
― 494―
科
電気回路演習
目
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
1
1
担
当
者
古田洋介・末次 正・荒牧重登
吉村賢治・首藤公昭・佐藤寿倫
モシニャガ ワシリー・森元 逞
友景 肇・鶴田直之・鶴岡知昭
太郎丸眞・鈴木孝将・文仙正俊
703000040201
概
要 ………………………………………………
電気回路基礎Ⅰと電気回路基礎Ⅱに対応した演習を
12−13人程度の小人数クラスで行う科目です。演習問
題を解くことで電気回路の理解を深めるばかりでなく、
学生諸君が黒板で演習問題の解法・解答を発表するこ
とを通してプレゼンテーションのレベルを向上させる
ことも大きな狙いです。
一 般 目 標 ………………………………………………
電気回路の基礎知識を習得し、それを電気回路の演
習問題の解法に利用できるようになることを目標にし
ます。また、図などを使って解法の手順を分かりやす
く的確に説明できるようになることも目標にします。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴電気回路の演習問題を正しく解くことができること。
⑵解法の手順について、図などを適切に用いて分かり
やすく説明できること。
成績評価の方法 ………………………………………
演習問題を事前に解いていることを重視します。評価
の割合は、電気回路の理解度を50%、普段の学習情況
を50%とします。
履修の条件 ………………………………………………
特になし
履修上の留意点 ………………………………………
小クラス担当の教師より指示された課題・問題を解
き、演習当日に教師に提示しチェックを受けること。
演習当日は学生諸君が黒板に演習問題の解法・解答を
書き、発表してもらうことになります。皆さんが交代
で教師の立場に立つゼミ形式で進めることになります。
重要なポイントを押さえて簡潔に分かり易く説明する
ことができるようになることも、この科目の大事な目
標です。教師はアドバイザーの役目です。講義では理
解しきれなかった点を「なぜ」「どうして」の視点で理
解するよう努めてください。
問題を解く際は単位(ボルト、アンペア、オームなど)
も忘れずに記載する習慣をつけてください。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
論理的な文章の記述や口頭発表により情報システムを
説明する能力(JABEE 学習・教育目標の(C-4)に対
応)
授業 計 画
下記は標準計画です。クラスにより異なることがあ
ります。
1:ガイダンス
ポートフォリオの記入、演習方法の説明
2:直流回路1
電圧と電流、オームの法則、抵抗の直並列接続、
電圧源と電流源、電力と電力量
3:直流回路2
キルヒホッフの法則、枝電流法、閉路電流法、
節点電位法
4:ブリッジ回路、重ね合わせの式、テブナンの定
理、Δ Y 変換
5:正弦波交流
瞬時値と位相、平 値と実効値、正弦波電圧電
流、回路方程式とその解
6:複素数1
7:複素数2
8:交流回路の解法1
電流・電圧の計算、フェーザ図
9:交流回路の解法2
電流・電圧の計算、フェーザ図
10:共振回路
11:電力の計算1
複素電力、力率、最大電力の問題
12:電力の計算2
複素電力、力率、最大電力の問題
13:理想変成器
14:総合復習
この科目の授業時間数は21時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
電気回路基礎ⅠとⅡのテキスト「基礎電気回路」の
各章末の演習問題を主として使います。クラスによっ
ては追加問題を使うこともあります。
参
書 ………………………………………………
・電気学会大学基礎講座「電気回路演習」電気学会
難易度に応じて A、B、C と三つの段階に演習問題が
分類されています。解答も備わっています。紙と鉛筆
を手に取り、皆さんの力に応じて解き進んでいくこと
が本当の理解の近道です。電気回路で用いる数学につ
いても簡潔に整理してあります。
― 495―
シ
ラ
バ
ス
180
シラバス
科
目
名
電 気 回 路 演 習「TL09台以前」
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
当
者
古田洋介・末次 正・荒牧重登
吉村賢治・首藤公昭・佐藤寿倫
モシニャガ ワシリー・森元 逞
友景 肇・鶴田直之・鶴岡知昭
太郎丸眞・鈴木孝将・文仙正俊
703000200401
概
要 ………………………………………………
電気回路基礎Ⅰと電気回路基礎Ⅱに対応した演習を
12−13人程度の小人数クラスで行う科目です。演習問
題を解くことで電気回路の理解を深めるばかりでなく、
学生諸君が黒板で演習問題の解法・解答を発表するこ
とを通してプレゼンテーションのレベルを向上させる
ことも大きな狙いです。
一 般 目 標 ………………………………………………
電気回路の基礎知識を習得し、それを電気回路の演
習問題の解法に利用できるようになることを目標にし
ます。また、図などを使って解法の手順を分かりやす
く的確に説明できるようになることも目標にします。
成績評価の基準 ………………………………………
シ
ラ
バ
ス
⑴電気回路の演習問題を正しく解くことができること。
⑵解法の手順について、図などを適切に用いて分かり
やすく説明できること。
181
成績評価の方法 ………………………………………
演習問題を事前に解いていることを重視します。評価
の割合は、電気回路の理解度を50%、普段の学習情況
を50%とします。
履修の条件 ………………………………………………
TL09台以前
履修上の留意点 ………………………………………
小クラス担当の教師より指示された課題・問題を解
き、演習当日に教師に提示しチェックを受けること。
演習当日は学生諸君が黒板に演習問題の解法・解答を
書き、発表してもらうことになります。皆さんが交代
で教師の立場に立つゼミ形式で進めることになります。
重要なポイントを押さえて簡潔に分かり易く説明する
ことができるようになることも、この科目の大事な目
標です。教師はアドバイザーの役目です。講義では理
解しきれなかった点を「なぜ」「どうして」の視点で理
解するよう努めてください。
問題を解く際は単位(ボルト、アンペア、オームなど)
も忘れずに記載する習慣をつけてください。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
論理的な文章の記述や口頭発表により情報システムを
― 496―
説明する能力(JABEE 学習・教育目標の(C-4)に対
応)
授業 計 画
下記は標準計画です。クラスにより異なることがあ
ります。
1:ガイダンス
ポートフォリオの記入、演習方法の説明
2:直流回路1
電圧と電流、オームの法則、抵抗の直並列接続、
電圧源と電流源、電力と電力量
3:直流回路2
キルヒホッフの法則、枝電流法、閉路電流法、
節点電位法
4:ブリッジ回路、重ね合わせの式、テブナンの定
理、Δ Y 変換
5:正弦波交流
瞬時値と位相、平 値と実効値、正弦波電圧電
流、回路方程式とその解
6:複素数1
7:複素数2
8:交流回路の解法1
電流・電圧の計算、フェーザ図
9:交流回路の解法2
電流・電圧の計算、フェーザ図
10:共振回路
11:電力の計算1
複素電力、力率、最大電力の問題
12:電力の計算2
複素電力、力率、最大電力の問題
13:理想変成器
14:総合復習
15:再履修者向け修学指導
この科目の授業時間数は22.5時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
電気回路基礎ⅠとⅡのテキスト「基礎電気回路」の
各章末の演習問題を主として使います。クラスによっ
ては追加問題を使うこともあります。
参
書 ………………………………………………
・電気学会大学基礎講座「電気回路演習」電気学会
難易度に応じて A、B、C と三つの段階に演習問題が
分類されています。解答も備わっています。紙と鉛筆
を手に取り、皆さんの力に応じて解き進んでいくこと
が本当の理解の近道です。電気回路で用いる数学につ
いても簡潔に整理してあります。
科
目
名
電子回路素子
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
1
鈴
当
木
者
孝
将
703000207801
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
電子工学全般に関する講義です。今後始まる専門科
目とのつながりを付ける科目としての役目も持たせて
1:電子産業・エレクトロニクスとは?
2−3:電子とは
います。電子回路の主要構成素子であるダイオード・
「電子」の用語は良く使われますが具体的なイ
トランジスタ・M OS 等に半分以上の重点を置いてい
メージが描けるように歴史的な実験の紹介や身
ます。これらに関しては、正確さは犠牲にしても電子
近な現象を通して電子のイメージが描けるよう
論的なリアルなモデルを頭の中に描けるように、直感
試みます。
的な理解に重点を置きます…そんな観点からの講義を
4−5:半導体材料
心がけています。できるだけ高校時代の物理の延長線
6−7:PN 接合
上で理解できるよう工夫していますが、新しい概念が
8:ダイオード
出てくることは避けられません。なぜ?どうして?の
9−10:トランジスタ
視点から理解するようにしてください。毎回の講義内
11:MOS
容をしっかりと理解して次の講義に臨んでいただきた
12:光電変換固体素子
い。「見てきたような嘘を言い」ではないが、各自で鮮
13−14:総合演習
明なイメージが描けるようになって欲しい。
各講義で最近の産業界の話題についての話を盛り込
電子産業界の話も随時織り込んでいきます。これらの
みます。
話を通して今後の専門科目との関連も理解していただ
きたい。
一 般 目 標 ………………………………………………
半導体・PN 接合・ダイオード・トランジスタ・MOS
の基本構成・動作を理解し、簡単な使い方を理解する
ことに重点をおきますが、電子情報産業界の重要分野
この科目の授業時間数は22時間である。
シ
ラ
バ
ス
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
182
ダイオードやトランジスタなどの電子回路素子の基本
を学習し、コンピュータの原理や構造を理解する能力
を育成する(B-2)。
に関して理解し各講義課目との関連を理解する。
参
成績評価の基準 ………………………………………
ダイオード・トランジスタ・M OS の基本構成・動作を
理解し、簡単な使い方を理解していること。
書 ………………………………………………
日本が今日のエレクトロニクス産業を築いた歴史を
知るのには最適です。NHK の放送番組を本にしたも
の。
図書館に有ります。次のビデオも興味深い。
・「電子立国日本を育てた男」松尾 博志
成績評価の方法 ………………………………………
文芸春秋社
(中央図書館・ビデオ)
復習のための課題と期末試験で評価する。
履修の条件 ………………………………………………
特に無し。
履修上の留意点 ………………………………………
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
― 497―
シラバス
科
計算機科学概論
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
吉
当
村
者
賢
治
703000030001
概
学部での4年間、計算機科学については、コンピュー
タを構成している電子回路の基礎から複雑な論理回路
に至るハードウェアに関する講義や、プログラミング
やコンピュータシステムそのものをコントロールする
ソフトウェアの集合体であるオペレーティングシステ
ムなどに代表されるソフトウェアに関する講義などが
行われる。本講義では、これからの4年間に行われる
コンピュータのハードウェアやソフトウェアの専門的
な講義に先立ち、
●アルゴリズムとは何か
●コンピュータはどのようにしてアルゴリズムを実
行するか
●コンピュータには何ができて、何ができないか、
といった計算機科学の入門を行う。
シ
ラ
バ
ス
183
授業 計 画
要 ………………………………………………
授業計画
学習目標
1
アルゴリズム
アルゴリズムの重要性を理解す
る
2
連続、選択
連続、選択について理解する
3
繰返し
繰返しについて理解する
4
アルゴリズム
の設計
モジュール性、再帰性、並行性
について理解する
5
データ構造
列、キュー、スタック、木構造
について理解する
6
アルゴリズム
の理論
計算可能性と計算の複雑さにつ
いて知る
7
中間テスト
1∼6の内容に対する理解度の
確認
一 般 目 標 ………………………………………………
8
素子と論理
ゲート
素子と論理ゲートについて基礎
的なレベルで理解する
計算機科学全般について本学科で何を学ぶかについ
て知り、その入門としてアルゴリズムの基礎的概念と
コンピュータの動作原理について理解することを目標
とする。
9
フ リップ フ
ロップとメモ
リ
フリップフロップとメモリの構
成について基礎的なレベルで理
解する
10
加算器とク
ロック
加算器の構成とクロックについ
て基礎的なレベルで理解する
11
アーキ テ ク
チャ
マイクロプログラム方式の計算
機の構成について概略的なレベ
ルで理解する
12
マイクロプロ
グラム
マイクロプログラムについて概
略的なレベルで理解する
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ アルゴリズムの重要性と基礎的概念について理解
していること。
⑵ コンピュータの仕組みと動作原理について理解し
ていること。
成績評価の方法 ………………………………………
13 機械語
システムソフ
トウェア
機械語について概略的なレベル
で理解する
オペレーティングシステムにつ
いて知る
中間テストと期末テストの結果と授業中に行う演習
により評価する。評価の割合は中間テスト20%、期末
テストを60%、演習を20%とする。
この科目の授業時間数は22時間である。
履修の条件 ………………………………………………
U
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
履修上の留意点 ………………………………………
14
R
L ………………………………………………
講義で使用するスライド
(http://www.tl.fukuoka-u.ac.jp/ yosimura//csppt/
index.html)
本科目の内容はプログラミングⅠ・Ⅱと相補的な関
係にあることに留意されたい。
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
テ キ ス ト ………………………………………………
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
参
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
― 498―
L.ゴールドシュレーガー・A.リスター共著、武市正人・
小川貴英・角田博保共訳:計算機科学入門[第2版]、
1987
(近代科学社)
、
2730円、
ISBN 978-4-7649-0284-8
文 献 ………………………………………………
アービッブ他著,甘利俊一他訳:計算機科学入門(サ
イエンス社)、ISBN 978-4-7819-0375-0
科
目
プログラミングⅠ
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
吉
当
村
者
賢
治
703000200501
概
要 ………………………………………………
今日、コンピュータは様々な分野において必要不可
欠な道具になっている。しかし、現在のコンピュータ
はわれわれの望んでいることを自動的に行ってくれる
までには進歩していない。コンピュータは与えられた
作業手順に従って、数値演算や論理演算を行う機械で
あり、コンピュータを便利な道具として使いこなすた
めには、適切な作業手順の作り方を知っている必要が
ある。このコンピュータに与えられる作業手順のこと
をプログラムといい、プログラムの記述に用いられる
言語をプログラミング言語という。そして、プログラ
ミング言語を用いてプログラムを作成する作業をプロ
グラミングという。
この講義では、プログラミング言語の一つであるC
言語を使用してプログラミングの入門を行うとともに、
プログラミングの学習を通じてコンピュータはどのよ
うに動いて、どんなことができるのかを学習し、オペ
レーティングシステム UNIX 上でC言語による基本
的なプログラムの作成・実行が行えるようになること
を目標とする。
一 般 目 標 ………………………………………………
プログラミングについて理解し、UNIX 上でC言語
を用いて基本的なプログラムを作成し、実行すること
ができるようになることを目標とする。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ コンピュータにおけるデータの表現方法について
理解していること。
⑵ UNIX 上で、プログラムを作成して実行できるこ
と。
⑶ C言語を用いて基本的なプログラムを記述できる
こと。
成績評価の方法 ………………………………………
中間テストと期末テストの結果と授業中に行う演習
により評価する。評価の割合は中間テスト20%、期末
テストを60%、演習・課題を20%とする。
履修の条件 ………………………………………………
授 業 計 画
授業計画
1
プログラミン
グ
2
コンピュータ
の構成
3
データの表現
4
アルゴリズム
の表現
5
基本的なCの
規則
6
7
データの入出
力⑴
データの入出
力⑵
8
中間テスト
9
簡単な計算
10
Cプリプロ
セッサ
11 条件判断
12 繰返し1
学習目標
プログラミングに関係する諸概
念を知る
コンピュータの基本構成を知り、
2進数、8進数、16進数につい
て理解する
コンピュータにおける整数と実
数、文字の表現について理解す
る
フローチャートと PAD につい
て理解する
簡単なC言語のプログラムを入
力し、コンパイルして実行する
ことができる
変数とデータ型について理解す
る
printf,と scanf を 使って 簡 単
な入出力ができる
1∼7の内容に対する理解度の
確認
定数と変数、演算子と代入につ
いて理解する
Cプリプロセッサの基本的な機
能について理解する
if 文と条件式の書き方について
理解する
while 文を使った繰返しの記述
について理解する
for 文を使った繰返しの記述に
ついて理解する
do while 文 を 使った 繰 返 し の
14 繰返し3
記述について理解する
この科目の授業時間数は22時間である。
13 繰返し2
U
R
L ………………………………………………
講義で使用するスライド
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/ yosimura//c1ppt/
index.html)
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
テ キ ス ト ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
全般的な注意として、プログラミング技術を習得す
るためには実際に自分の手と頭を使って実習すること
が重要であることを強調しておく。なお、プログラミ
ング演習Ⅰは本講義と連動した演習科目である。
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
吉村賢治著:
「C言語によるプログラミング入門」
(昭
晃堂)
、2200円、ISBN4-7856-3099-X
参
文 献 ………………………………………………
⑴ L.Hancock,M .Krieger,S.Zamir 著、倉骨彰、
三浦明美訳:
「改定第3版C言語入門」
(アスキー出版
局)
、ISBN4-7561-0270-0
⑵ B.W.Kernighan,D.M .Ritchie 著、
石田晴久訳:
「プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 C 第 2 版」
(共 立 出 版)
、
ISBN4-3200-2692-6
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
― 499―
シ
ラ
バ
ス
184
シラバス
科
目
プログラミングⅡ
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
吉
当
村
者
賢
治
703000200601
概
要 ………………………………………………
今日、コンピュータは様々な分野において必要不可
欠な道具になっている。しかし、現在のコンピュータ
はわれわれの望んでいることを自動的に行ってくれる
までには進歩していない。コンピュータは与えられた
作業手順に従って、数値演算や論理演算を行う機械で
あり、コンピュータを便利な道具として使いこなすた
めには、適切な作業手順の作り方を知っている必要が
ある。このコンピュータに与えられる作業手順のこと
をプログラムといい、プログラムの記述に用いられる
言語をプログラミング言語という。そして、プログラ
ミング言語を用いてプログラムを作成する作業をプロ
グラミングという。
この講義では、プログラミング言語の一つであるC
言語を使用してプログラミングの入門を行うとともに、
プログラミングの学習を通じてコンピュータはどのよ
うに動いて、どんなことができるのかを学習し、オペ
レーティングシステム UNIX 上でC言語による基本
的なプログラムの作成・実行が行えるようになること
を目標とする。
シ
ラ
バ
ス
185
一 般 目 標 ………………………………………………
プログラミングについて理解し、UNIX 上でC言語
を用いて基本的なプログラムを作成し、実行すること
ができるようになることを目標とする。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ コンピュータにおけるデータの表現方法について
理解していること。
⑵ UNIX 上で、プログラムを作成して実行できるこ
と。
⑶ C言語を用いて基本的なプログラムを記述できる
こと。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
授 業 計 画
学習目標
一次元配列について理解する
多次元配列について理解する
連立一次方程式の解法を行うプ
多次元配列の
3
ログラムを例に多次元配列の利
利用例
用方法について理解する
関数と変数の 関数と変数の有効範囲の関係に
4
有効範囲
ついて理解する
関数と変数の 関数と変数の記憶クラスの関係
5
記憶クラス
について理解する
関数と分割コ 分 割 コ ン パ イ ル と UNIX の
6
ンパイル
make コマンドの使い方を知る
7 再帰呼出し
再帰呼出しについて理解する
1∼7の内容に対する理解度の
8 中間テスト
確認
ポインタの概念と利用方法につ
9 ポインタ
いて理解する
ポインタの利 配列、関数とポインタの関係に
10
用
ついて理解する
文字と文字列を処理するプログ
11 文字と文字列
ラムについて理解する
12 構造体
構造体について理解する
ビット演算子とその利用につい
13 ビット処理
て理解する
ファイルの入 ファイル入出力について理解す
14
出力
る
この科目の授業時間数は22時間である。
1
2
U
成績評価の方法 ………………………………………
中間テストと期末テストの結果と授業中に行う演習
により評価する。評価の割合は中間テスト20%、期末
テストを60%、演習・課題を20%とする。
授業計画
一次元配列
多次元配列
R
L ………………………………………………
講義で使用するスライド
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/ yosimura//c2ppt/
index.html)
テ キ ス ト ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
履修上の留意点 ………………………………………
全般的な注意として、プログラミング技術を習得す
るためには実際に自分の手と頭を使って実習すること
が重要であることを強調しておく。なお、プログラミ
ング演習Ⅱは本講義と連動した演習科目である。
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
― 500―
吉村賢治著:
「C言語によるプログラミング入門」
(昭
晃堂)
、2200円、ISBN4-7856-3099-X
参
文 献 ………………………………………………
⑴ L.Hancock,M .Krieger,S.Zamir 著、倉骨彰、
三浦明美訳:
「改定第3版C言語入門」
(アスキー出版
局)
、ISBN4-7561-0270-0
⑵ B.W.Kernighan,D.M .Ritchie 著、
石田晴久訳:
「プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 C 第 2 版」
(共 立 出 版)
、
ISBN4-3200-2692-6
科
目
名
プログラミングⅡ「再」
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
吉
当
村
者
賢
治
703000200603
概
要 ………………………………………………
今日、コンピュータは様々な分野において必要不可
欠な道具になっている。しかし、現在のコンピュータ
はわれわれの望んでいることを自動的に行ってくれる
までには進歩していない。コンピュータは与えられた
作業手順に従って、数値演算や論理演算を行う機械で
あり、コンピュータを便利な道具として使いこなすた
めには、適切な作業手順の作り方を知っている必要が
ある。このコンピュータに与えられる作業手順のこと
をプログラムといい、プログラムの記述に用いられる
言語をプログラミング言語という。そして、プログラ
ミング言語を用いてプログラムを作成する作業をプロ
グラミングという。
この講義では、プログラミング言語の一つであるC
言語を使用してプログラミングの入門を行うとともに、
プログラミングの学習を通じてコンピュータはどのよ
うに動いて、どんなことができるのかを学習し、オペ
レーティングシステム UNIX 上でC言語による基本
的なプログラムの作成・実行が行えるようになること
を目標とする。
一 般 目 標 ………………………………………………
プログラミングについて理解し、UNIX 上でC言語
を用いて基本的なプログラムを作成し、実行すること
ができるようになることを目標とする。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ コンピュータにおけるデータの表現方法について
理解していること。
⑵ UNIX 上で、プログラムを作成して実行できるこ
と。
⑶ C言語を用いて基本的なプログラムを記述できる
こと。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
授 業 計 画
学習目標
一次元配列について理解する
多次元配列について理解する
連立一次方程式の解法を行うプ
多次元配列の
3
ログラムを例に多次元配列の利
利用例
用方法について理解する
関数と変数の 関数と変数の有効範囲の関係に
4
有効範囲
ついて理解する
関数と変数の 関数と変数の記憶クラスの関係
5
記憶クラス
について理解する
関数と分割コ 分 割 コ ン パ イ ル と UNIX の
6
ンパイル
make コマンドの使い方を知る
7 再帰呼出し
再帰呼出しについて理解する
1∼7の内容に対する理解度の
8 中間テスト
確認
ポインタの概念と利用方法につ
9 ポインタ
いて理解する
ポインタの利 配列、関数とポインタの関係に
10
用
ついて理解する
文字と文字列を処理するプログ
11 文字と文字列
ラムについて理解する
12 構造体
構造体について理解する
ビット演算子とその利用につい
13 ビット処理
て理解する
ファイルの入 ファイル入出力について理解す
14
出力
る
この科目の授業時間数は22時間である。
1
2
U
成績評価の方法 ………………………………………
中間テストと期末テストの結果と授業中に行う演習
により評価する。評価の割合は中間テスト20%、期末
テストを60%、演習・課題を20%とする。
授業計画
一次元配列
多次元配列
R
L ………………………………………………
講義で使用するスライド
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/ yosimura//c2ppt/
index.html)
テ キ ス ト ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
履修上の留意点 ………………………………………
全般的な注意として、プログラミング技術を習得す
るためには実際に自分の手と頭を使って実習すること
が重要であることを強調しておく。なお、プログラミ
ング演習Ⅱは本講義と連動した演習科目である。
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
吉村賢治著:
「C言語によるプログラミング入門」
(昭
晃堂)
、2200円、ISBN4-7856-3099-X
参
文 献 ………………………………………………
⑴ L.Hancock,M .Krieger,S.Zamir 著、倉骨彰、
三浦明美訳:
「改定第3版C言語入門」
(アスキー出版
局)
、ISBN4-7561-0270-0
⑵ B.W.Kernighan,D.M .Ritchie 著、
石田晴久訳:
「プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 C 第 2 版」
(共 立 出 版)
、
ISBN4-3200-2692-6
― 501―
シ
ラ
バ
ス
186
シラバス
科
目
プログラミング演習Ⅰ
名
期
前
別
期
単位数 開講年次
1
1
担
鶴田
田辺
橋本
当
者
直之・高橋 伸弥
利文・前田佐嘉志
浩二
703000040401
概
計算機を道具として自在に利用する必要がある電子
情報系の技術者にとって、プログラミング能力は必要
不可欠な基礎能力である。プログラミングを学習する
うえで最も重要なことは、作成したプログラムの実行
効率や再利用性を高めるための基本概念(データ構造
とアルゴリズムや構造化プログラミングなど)を系統
立てて理解することである。しかしながら、これらの
概念を実践的な場面で応用できるように身につけるた
めには、十分な反復練習が必要である。
一 般 目 標 ………………………………………………
この科目ではドリル形式に演習問題を解くことに
よって不足しがちな反復練習を補うことを目的とする。
成績評価の基準 ………………………………………
シ
ラ
バ
ス
187
授業計画の各回の内容を理解し、実際のプログラミ
ングによって内容を検証できること。
成績評価の方法 ………………………………………
ほぼ毎回の小テストを行い、総合得点で評価する。
各小テストの不合格者と病欠者(要医師の診断書)、教
育実習や対外試合などの届出欠席者(要欠席届け等の
証明書)は再・追試験(最高点が通常の60%)を行い、
小テストの点数とする。無断欠席した場合は、その小
テストの点数を0点とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
本科目は、プログラミングⅠと並行して行う演習科
目である。プログラミングⅠの内容を十分に理解して
おくこと。
参
授業 計 画
要 ………………………………………………
授業計画
イントロダク
ション
学習目標
本演習の目的や位置づけ、進め
1
方を理解すればよい。
ディレクトリの概念と指定方法
Unix コ マ ン を理解し、コマンド
cd, mkdir,
2 ドの利用方法
rmdir, ls Netscape の使い方を
1
習得する。
ファイルの概念と操作を理解し、
Unix コ マ ン コ マ ン ド
ls -l, chmod, cat,
3 ドの利用方法
more,
cp,
mv, rm, find の使い
2
方を習得する。
テキストエディタ mule の起動、
テ キ ス ト エ 終了、ファイル読込・保存、カー
4 ディタ使用法 ソル移動、文字入力・削除の方
1
法、その他 Mail の使い方を習
得する。
日本語入力法を習得する。ウィ
テキストエ
ンドウ分割、文字列の複写・移
5 ディタ使用法
動・検索・置換の方法を習得す
2
る。
以下の道具を使って簡単な文書
テキストエ
を作成できる。TeX,xdvi,dvi2
6 ディタ使用法
ps, ghostview, OpenOffice,
3
gnuplot
7 復習
復習を行い、質問を受け付ける。
main 関数と文を理解し、単純
8 C の基本規則 なプログラムを作成・実行でき
る。
pintf 関数と scanf 関数、変数と
代入について理解し、プログラ
9 データ入出力
ムの外部からデータを入出力で
きる。
定数と演算子について理解し、
10 簡単な計算
計算をするプログラムを作成で
きる。
プ リ プ ロ C プリプロセッサの利用法を理
C
11
セッサ
解し、コンパイラを制御できる。
if 文と条件式の構文を理解し、
12 条件判断
分岐構造が書ける。
while 文の構文を理解し、繰り
13 繰返し1
返し構造が書ける。
for 文の構文を理解し、while 文
14 繰返し2
との使い分けができる。
この科目の授業時間数は21時間である。
書 ………………………………………………
教科書:Web 上で公開するドリル問題集。
参 書:吉村賢治著:「C言語によるプログラミング
入門第2版」(昭晃堂) ISBN 4785630997
参 書:引地美恵子、引地信之共訳:「GNU ソフトウ
エアプログラミング」オライリー・ジャパン
900900206
ISBN 4-
U
R
L ………………………………………………
プログラミング演習問題集や FAQ、連絡用
(http://media.tl.fukuoka-u.ac.jp/navi/)
履修上の留意点 ………………………………………
授業中の反復練習だけで十分であるとは
い。予習復習には十分な時間を割くこと。
― 502―
えられな
科
目
プログラミング演習Ⅰ
名
期
前
別
期
単位数 開講年次
2
1
担
鶴田
田辺
橋本
当
者
直之・高橋 伸弥
利文・前田佐嘉志
浩二
703000100101
概
計算機を道具として自在に利用する必要がある電子
情報系の技術者にとって、プログラミング能力は必要
不可欠な基礎能力である。プログラミングを学習する
うえで最も重要なことは、作成したプログラムの実行
効率や再利用性を高めるための基本概念(データ構造
とアルゴリズムや構造化プログラミングなど)を系統
立てて理解することである。しかしながら、これらの
概念を実践的な場面で応用できるように身につけるた
めには、十分な反復練習が必要である。
一 般 目 標 ………………………………………………
この科目ではドリル形式に演習問題を解くことに
よって不足しがちな反復練習を補うことを目的とする。
成績評価の基準 ………………………………………
授業計画の各回の内容を理解し、実際のプログラミ
ングによって内容を検証できること。
成績評価の方法 ………………………………………
ほぼ毎回の小テストを行い、総合得点で評価する。
各小テストの不合格者と病欠者(要医師の診断書)、教
育実習や対外試合などの届出欠席者(要欠席届け等の
証明書)は再・追試験(最高点が通常の60%)を行い、
小テストの点数とする。無断欠席した場合は、その小
テストの点数を0点とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
本科目は、プログラミングⅠと並行して行う演習科
目である。プログラミングⅠの内容を十分に理解して
おくこと。
参
授業 計 画
要 ………………………………………………
授業計画
イントロダク
ション
学習目標
本演習の目的や位置づけ、進め
1
方を理解すればよい。
ディレクトリの概念と指定方法
Unix コ マ ン を理解し、コマンド
cd, mkdir,
2 ドの利用方法
rmdir, ls Netscape の使い方を
1
習得する。
ファイルの概念と操作を理解し、
Unix コ マ ン コ マ ン ド
ls -l, chmod, cat,
3 ドの利用方法
more,
cp,
mv, rm, find の使い
2
方を習得する。
テキストエディタ mule の起動、
テ キ ス ト エ 終了、ファイル読込・保存、カー
4 ディタ使用法 ソル移動、文字入力・削除の方
1
法、その他 Mail の使い方を習
得する。
日本語入力法を習得する。ウィ
テキストエ
ンドウ分割、文字列の複写・移
5 ディタ使用法
動・検索・置換の方法を習得す
2
る。
以下の道具を使って簡単な文書
テキストエ
を作成できる。TeX,xdvi,dvi2
6 ディタ使用法
ps, ghostview, OpenOffice,
3
gnuplot
7 復習
復習を行い、質問を受け付ける。
main 関数と文を理解し、単純
8 C の基本規則 なプログラムを作成・実行でき
る。
pintf 関数と scanf 関数、変数と
代入について理解し、プログラ
9 データ入出力
ムの外部からデータを入出力で
きる。
定数と演算子について理解し、
10 簡単な計算
計算をするプログラムを作成で
きる。
プ リ プ ロ C プリプロセッサの利用法を理
C
11
セッサ
解し、コンパイラを制御できる。
if 文と条件式の構文を理解し、
12 条件判断
分岐構造が書ける。
while 文の構文を理解し、繰り
13 繰返し1
返し構造が書ける。
for 文の構文を理解し、while 文
14 繰返し2
との使い分けができる。
15 復 習
復習を行い、質問を受け付ける。
この科目の授業時間数は22.5時間である。
書 ………………………………………………
教科書:Web 上で公開するドリル問題集。
参 書:吉村賢治著:「C言語によるプログラミング
入門第2版」(昭晃堂) ISBN 4785630997
参 書:引地美恵子、引地信之共訳:「GNU ソフトウ
エアプログラミング」オライリー・ジャパン
900900206
ISBN 4-
U
R
L ………………………………………………
プログラミング演習問題集や FAQ、連絡用
(http://media.tl.fukuoka-u.ac.jp/navi/)
履修上の留意点 ………………………………………
授業中の反復練習だけで十分であるとは
い。予習復習には十分な時間を割くこと。
えられな
― 503―
シ
ラ
バ
ス
188
シラバス
科
目
プログラミング演習Ⅱ
名
期
後
別
期
単位数 開講年次
1
1
担
鶴田
田辺
橋本
当
者
直之・高橋 伸弥
利文・前田佐嘉志
浩二
703000040601
概
計算機を道具として自在に利用する必要がある電子
情報系の技術者にとって、プログラミング能力は必要
不可欠な基礎能力である。プログラミングを学習する
うえで最も重要なことは、作成したプログラムの実行
効率や再利用性を高めるための基本概念(データ構造
とアルゴリズムや構造化プログラミングなど)を系統
立てて理解することである。しかしながら、これらの
概念を実践的な場面で応用できるように身につけるた
めには、十分な反復練習が必要である。
一 般 目 標 ………………………………………………
この科目ではドリル形式に演習問題を解くことに
よって不足しがちな反復練習を補うことを目的とする。
成績評価の基準 ………………………………………
シ
ラ
バ
ス
授業計画の各回の内容を理解し、実際のプログラミ
ングによって内容を検証できること。
189
成績評価の方法 ………………………………………
ほぼ毎回の小テストを行い、総合得点で評価する。
各小テストの不合格者と病欠者(要医師の診断書)、教
育実習や対外試合などの届出欠席者(要欠席届け等の
証明書)は再・追試験(最高点が通常の60%)を行い、
小テストの点数とする。無断欠席した場合は、その小
テストの点数を0点とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
本科目は、プログラミングⅡと並行して行う演習科
目である。プログラミングⅡの内容を十分に理解して
おくこと。
参
書 ………………………………………………
教科書:Web 上で公開するドリル問題集。
参 書:吉村賢治著:「C言語によるプログラミング
入門第2版」(昭晃堂) ISBN 4785630997
参 書:引地美恵子、引地信之共訳:「GNU ソフトウ
エアプログラミング」オライリー・ジャパン
900900206
ISBN 4-
― 504―
授業 計 画
要 ………………………………………………
授業計画
学習目標
do while 文の構文を理解し、
1 繰返し3
while 文との使い分けができる。
一次元配列の作成・利用方法を
2 一次元配列
理解し、繰り返し構文を応用で
きる。
多次元配列の作成・利用方法を
3 多次元配列
理解し、多重繰り返し構文を応
用できる。
関数と変数の有効範囲の関係を
関数定義と利
4
理解し、独立性の高い関数を作
用
成・利用できる。
5 復 習
復習を行い、質問を受け付ける
関数と変数の記憶クラスの関係
関数と変数の
6
を理解し、関数の利用形態を使
関係
い分けができる。
関数の再帰呼 再帰呼び出しを用いたプログラ
7
出
ミングを作成できる。
ポインタの概念と利用方法を理
ポインタの概
8
解し、構造化データの利用がで
念
きる。
配列、関数とポインタの関係を
ポインタの利
9
理解し、配列データの受け渡し
用
ができる。
10 復習
復習を行い、質問を受け付ける
文字と文字列の取り扱いを理解
11 文字と文字列 し、簡単な文字列処理関数を作
成できる。
文字列処理用の組込み関数を利
12 文字列の処理 用し、高度な文字列処理ができ
る。
構造体の利用を理解し、高度な
13 構造体
構造データを作成・利用できる。
ファイル入出力の方法を理解し、
ファイルの入
14
データの再利用や処理結果の保
出力
存ができる。
この科目の授業時間数は21時間である。
U
R
L ………………………………………………
プログラミング演習問題集や FAQ、連絡用
(http://media.tl.fukuoka-u.ac.jp/navi/)
履修上の留意点 ………………………………………
授業中の反復練習だけで十分であるとは
い。予習復習には十分な時間を割くこと。
えられな
科
目
プログラミング演習Ⅱ
名
期
後
別
期
単位数 開講年次
2
1
担
鶴田
田辺
橋本
当
者
直之・高橋 伸弥
利文・前田佐嘉志
浩二
703000100201
概
計算機を道具として自在に利用する必要がある電子
情報系の技術者にとって、プログラミング能力は必要
不可欠な基礎能力である。プログラミングを学習する
うえで最も重要なことは、作成したプログラムの実行
効率や再利用性を高めるための基本概念(データ構造
とアルゴリズムや構造化プログラミングなど)を系統
立てて理解することである。しかしながら、これらの
概念を実践的な場面で応用できるように身につけるた
めには、十分な反復練習が必要である。
一 般 目 標 ………………………………………………
この科目ではドリル形式に演習問題を解くことに
よって不足しがちな反復練習を補うことを目的とする。
成績評価の基準 ………………………………………
授業計画の各回の内容を理解し、実際のプログラミ
ングによって内容を検証できること。
成績評価の方法 ………………………………………
ほぼ毎回の小テストを行い、総合得点で評価する。
各小テストの不合格者と病欠者(要医師の診断書)、教
育実習や対外試合などの届出欠席者(要欠席届け等の
証明書)は再・追試験(最高点が通常の60%)を行い、
小テストの点数とする。無断欠席した場合は、その小
テストの点数を0点とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
本科目は、プログラミングⅡと並行して行う演習科
目である。プログラミングⅡの内容を十分に理解して
おくこと。
参
授業 計 画
要 ………………………………………………
書 ………………………………………………
教科書:Web 上で公開するドリル問題集。
参 書:吉村賢治著:「C言語によるプログラミング
入門第2版」(昭晃堂) ISBN 4785630997
参 書:引地美恵子、引地信之共訳:「GNU ソフトウ
エアプログラミング」オライリー・ジャパン
900900206
ISBN 4-
授業計画
イントロダク
ション
学習目標
本演習の目的や位置づけ、進め
1
方を理解すればよい。
do while 文の構文を理解し、
2 繰返し3
while 文との使い分けができる。
一次元配列の作成・利用方法を
3 一次元配列
理解し、繰り返し構文を応用で
きる。
多次元配列の作成・利用方法を
4 多次元配列
理解し、多重繰り返し構文を応
用できる。
関数と変数の有効範囲の関係を
関数定義と利
5
理解し、独立性の高い関数を作
用
成・利用できる。
6 復 習
復習を行い、質問を受け付ける
関数と変数の記憶クラスの関係
関数と変数の
7
を理解し、関数の利用形態を使
関係
い分けができる。
関数の再帰呼 再帰呼び出しを用いたプログラ
8
出
ミングを作成できる。
ポインタの概念と利用方法を理
ポインタの概
9
解し、構造化データの利用がで
念
きる。
配列、関数とポインタの関係を
ポインタの利
10
理解し、配列データの受け渡し
用
ができる。
11 復習
復習を行い、質問を受け付ける
文字と文字列の取り扱いを理解
12 文字と文字列 し、簡単な文字列処理関数を作
成できる。
文字列処理用の組込み関数を利
13 文字列の処理 用し、高度な文字列処理ができ
る。
構造体の利用を理解し、高度な
14 構造体
構造データを作成・利用できる。
ファイル入出力の方法を理解し、
ファイルの入
15
データの再利用や処理結果の保
出力
存ができる。
この科目の授業時間数は22.5時間である。
U
R
L ………………………………………………
プログラミング演習問題集や FAQ、連絡用
(http://media.tl.fukuoka-u.ac.jp/navi/)
履修上の留意点 ………………………………………
授業中の反復練習だけで十分であるとは
い。予習復習には十分な時間を割くこと。
えられな
― 505―
シ
ラ
バ
ス
190
シラバス
科
目
電子情報工学特論
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
1
担
当
者
末次 正・友景 肇・鈴木孝将
吉村賢治・太郎丸眞・古田洋介
文仙正俊・モシニャガ ワシリー
佐藤寿倫・荒牧重登・鶴岡知昭
首藤公昭・森元 逞・鶴田直之
703000200301
一 般 目 標 ………………………………………………
電子情報工学科のカリキュラムの構成を理解し、卒
業後の進路との関係を えて4年間の学習目標を設定
する。また、プレゼンテーションの基礎技法を学習し
た上で、設定した課題に関する調査とプレゼンテー
ションの演習を行い基本的なプレゼンテーション技術
を身に付ける。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴電子情報工学科のカリキュラムと電子情報産業との
関係を知っていること。
⑵設定した課題について情報収集を行い、その結果を
プレゼンテーションする基本技術について理解してい
ること。
本講義の目的の一つは電子情報工学に対する学生の
興味を喚起することである。普段から、身の回りで電
子情報工学がどのように応用されているかに注意し、
電子情報工学に関する様々なトピックについて広く読
書すること。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
文献や種々の情報媒体を利用して情報を集め、自主
的、継続的に学習できる能力。(JABEE 学習・教育目
標の(A−3)に対応)
論理的な文章の記述や口頭発表により情報システム
を説明する能力。(JABEE 学習・教育目標の(C−4)
に対応)
授業 計 画
授業計画
学科のカリ
キュラムの構
成
電子情報工学科で何を学ぶかを
知る
2
学習目標と方
法
電子情報工学科でどう学ぶかを
える
3
コ ン ピュー
タ・リ テ ラ
シー
電子メールやインターネットの
利用方法を理解する
4
情報倫理
イ ン ターネット 利 用 上 の エ チ
ケットなど情報倫理について理
解する
5
電子情報産業
のはなし
卒業後の進路と産業界の状況に
ついて知る
先輩と語る
産業界で活躍されている本学科
の卒業生の講演を聞き、産業界
の実情を知る
日本の電子情
報技術
日本の電子情報技術、工業技術
の発展について知る
プレゼンテー
ション技法
プレゼンテーションの基本技術
を理解する
グループ学習
情報の収集とプレゼンテーショ
ンの演習を行い、情報を収集し、
それをまとめて発表する能力を
身に付ける
6
7
8
9
10
成績評価の方法 ………………………………………
原則としてすべての講義に出席していることを合格
の条件とする。成績評価の内訳は、レポート(60%)、
プレゼンテーションの演習(40%)とする。
学習目標
1
−
191
電子情報工学の世界は非常に急速な進歩を遂げつつ
あり、高度経済成長期以降のわが国の優位性は韓国、
中国、インド、台湾を始めとするアジア、中近東など
の工業化急進国の急追を受け、一方では欧米諸国との
競争のますますの熾烈化も有って、安閑とはしていら
れない状況にある。電子情報工学は今や国家を支える
基幹的学問であり、当学科に入学してこれから学部4
年間(及び進学者についてはその後の博士前期課程2
年間)をどのように学ぶかは学生個人の問題であるだ
けでなく、わが国のIT技術の将来に関わる重大な問
題と言わなければならない。
電子情報工学特論では、まず、当学科のカリキュラ
ムがどのような目的でどのように構成されているか、
どのような点に留意して学び、実力を蓄えればよいか、
開講科目が産業界にどのように関わっているかを中心
に解説した後に、各自が本学科で今後の4年間何を目
標として努力すべきかについて える機会を与える。
前半ではコンピュータ・リテラシーやインターネッ
トを利用する際に留意すべきエチケットの講義や日本
の電子情報技術、産業界の状況などについての講義を
行う。後半では、自主性、企画性、プレゼンテーショ
ン能力を養うことを目的に少人数のグループで学習す
る。
履修上の留意点 ………………………………………
11
−
シ
ラ
バ
ス
要 ………………………………………………
−
概
15
この科目の授業時間は22.5時間である。
履修の条件 ………………………………………………
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
テ キ ス ト ………………………………………………
使用しない。
― 506―
科
目
名
基礎電気磁気学Ⅰ「再」
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
友
公
1
当
景
文
者
保
肇
則
703000230201
概
要 ………………………………………………
テ キ ス ト ………………………………………………
自然に存在する物質の原子、分子は、陽子と電子(正
電気磁気学」築地武彦
著(理工図書)を用いる。
と負の電荷)によって構成されている。これらの微小
で目に見えない電荷を自由に操ることで、テレビを見
授業 計 画
たり、パソコンゲームをしたり、携帯電話で話したり
が可能となる。電気磁気学は、電荷を自由に操るため
1
ベクトル演算子(定義、和、差)
に必要な電気的な法則に関する学問である。
2
ベクトルの積、三重積
電気磁気学は、静止した状態の電荷によって生じる
3
ベクトルの微分と grad
現象を論じる静電気学と、移動する電荷(電流)によっ
4
ベクトルの積分と div
て生じる現象である磁気学の2つに大別される。
5
電気力、電荷、電界
基礎電気磁気学Ⅰでは、静電気学の部分を学習する
6
電束とガウスの法則
が、最初の4回は電気磁気学を履修する上で不可欠な
7
電位の定義、電位の特性(grad)
ベクトル解析の概要を説明する。
8
ポアソンの式
9
導体と誘導電荷
教 育 目 標 ………………………………………………
電気磁気学は、物理的な現象に関する学問であるが、
10 導体表面の電界
11 静電容量
電気磁気学を理解し、応用するためには数学を道具と
13 電流、電荷の運動方程式
し縦横に駆使することが不可欠な学問でもある。
14 オームの法則、電気抵抗
⑴ベクトル解析を習得する。
⑵電気磁気学の法則をベクトルを使って表示する方法
シ
ラ
バ
ス
12 キャパシタ
192
この科目の授業時間数は22時間である。
を習得する。
⑶基本的な例題をベクトル演算で解き、電気磁気学現
象を理解する。
参
書 ………………………………………………
電気磁気学」川村雅恭著(昭晃堂)、「ファインマン
物理学Ⅲ
成績評価の基準 ………………………………………
⑴法則(公式)を知っている事……20%
電磁気学」宮島龍興訳(岩波書店)、「電磁
気 学」西 村 久 著(森 北 出 版)、「ELECTROM AGNETICS」Kraus and Carver (M cGraw Hill)
⑵公式を問題に当てはめる事……50%
⑶数学的な演算が正しく行える事…70%
⑷問題に対する正しい解答が示せる事…100%
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験の結果を70%、毎回の授業で行う演習の成
績の合計を30%とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子情報工学の基礎となる電気磁気学を学習し、電
子工学分野に応用する能力(JABEE 学習・教育目標の
B-1に対応)
― 507―
シラバス
科
目
名
基礎電気磁気学Ⅱ「再」
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
友
公
1
当
景
文
者
保
肇
則
703000230401
概
要 ………………………………………………
テ キ ス ト ………………………………………………
自然に存在する物質の原子、分子は、陽子と電子(正
電気磁気学」築地武彦
著(理工図書)を用いる。
と負の電荷)によって構成されている。これらの微小
で目に見えない電荷を自由に操ることで、テレビを見
授業 計 画
たり、パソコンゲームをしたり、携帯電話で話したり
が可能となる。電気磁気学は、電荷を自由に操るため
1
アインシュタインの相対性理論と電磁力
に必要な電気的な法則に関する学問である。
2
アンペアの電流力の法則
電気磁気学は、静止した状態の電荷によって生じる
3
磁束密度
現象を論じる静電気学と、移動する電荷(電流)によっ
4
ビオ・サバールの法則
て生じる現象である磁気学の2つに大別される。
5
磁 束
基礎電気磁気学Ⅱでは、電流によって生じる磁界の
6
アンペアの周回積分の法則
正体は何か。なぜ電磁力は生じるか。また、ファラデー
7
電磁力
の電磁誘導の現象が生じる原因は何か、などベクトル
8
運動する荷電粒子に働く力(ローレンツの力)
を使った解析により磁界に伴う現象の原理について説
9
ファラデーの電磁誘導の法則と運動起電力
明する。
10 変成器起電力
11 相互誘導係数
シ
ラ
バ
ス
教 育 目 標 ………………………………………………
193
電気磁気学を理解し、応用するためには数学を道具と
電気磁気学は、物理的な現象に関する学問であるが、
し縦横に駆使することが不可欠な学問でもある。
12 自己誘導係数
13 磁気エネルギー
14 磁性体
この科目の授業時間数は22時間である。
⑴ベクトル解析を習得する。
⑵電気磁気学の法則をベクトルを使って表示する方法
を習得する。
⑶基本的な例題をベクトル演算で解き、電気磁気学現
象を理解する。
参
書 ………………………………………………
電気磁気学」川村雅恭著(昭晃堂)、「ファインマン
物理学Ⅲ
電磁気学」宮島龍興訳(岩波書店)、「電磁
気 学」西 村 久 著(森 北 出 版)、「ELECTROM AGNETICS」Kraus and Carver (M cGraw Hill)
成績評価の基準 ………………………………………
⑴法則(公式)を知っている事……20%
⑵公式を問題に当てはめる事……50%
⑶数学的な演算が正しく行える事…70%
⑷問題に対する正しい解答が示せる事…100%
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験の結果を70%、毎回の授業で行う演習の成
績の合計を30%とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子情報工学の基礎となる電気磁気学を学習し、電子
工学分野に応用する能力(JABEE 学習・教育目標の B
-1に対応)
― 508―
電子情報
専門教育科目
(第 2 年 次)
科
目
名
アナログ回路Ⅰ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
末
当
次
者
正
703000201001
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
電子回路基礎でトランジスタ1個の動作を理解したと
1.トランジスタ回路(バイアス方式)
ころで、いろいろな種類のトランジスタ増幅器とその
2.トランジスタ回路(バイアス方式)電流帰還型
の増幅率
進んだ動作解析法を学ぶ。
3.演習
4.トランジスタ回路(接地方式)
成績評価の基準 ………………………………………
5.演習
⑴トランジスタのバイアス方式について概念と使い方
6.トランジスタ回路(エミッタフォロア)
がわかること。
7.演習
⑵増幅器の接地方式について概念と使い方がわかるこ
8.電力増幅回路(A級、B級、C級)
と。
9.電力増幅回路(A級、B級、C級)電力効率
⑶負荷線を用いた増幅器の動作解析について概念と使
10.演習
い方がわかること。
11.トランジスタの動作特性(負荷曲線)
⑷増幅器のクラスについて知っていること。
12.演習
⑸小信号等価回路および小信号解析について知ってい
13.小信号等価回路
ること。
14.演習
シ
ラ
バ
ス
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験により評価する。
U
R
L ………………………………………………
末次正2010年度講義一覧
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
(http://www.tl.fukuoka-u.ac.jp/ suetsugu/CLASS/
classes2009.htm)
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
履修上の留意点 ………………………………………
講義前には講義に関連する項目の事柄について予習を
行い、また授業中良く分からなかった点や演習の解答
についてよく復習を行うこと。
参
書 ………………………………………………
「インターユニバーシティ電子回路A」藤原修著、オー
ム社 ISBN978-4-274-13073-1
― 511―
194
シラバス
科
目
名
電子回路基礎
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
末
当
次
者
正
703000202301
概
要 ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
トランジスタやダイオードを含む電子回路の導入と
講義前には講義に関連する項目の事柄について予習を
して、電子信号の概念、ダイオードの動作、増幅器の
行い、また授業中良く分からなかった点や演習の解答
基本を学び、最終的にバイポーラトランジスタ1個に
についてよく復習を行うこと。
よる増幅器の動作を理解できるようにする。授業は特
に演習に重点を置いて授業時間の大半は演習を行う。
授業 計 画
隔週で講義を行い、講義の後演習を行う。次の週は
講義なしで演習のみ行う。黒板に問題を書くので各自
1
直流と交流
自分のノートに解答を書いて、できた人は前に持って
2
演習
くる。正解の場合、出席を記録しノートにスタンプを
3
ダイオード
押す。最後までできなかった人は別のスタンプだけ押
4
演習
して宿題にする。後にできたときに出席を記録する。
5
トランジスタの静特性
6
演習
7
増幅器とは(デシベルと電力利得)
成績評価の基準 ………………………………………
8
演習
1.直流と交流、高調波について理解する。
シ
ラ
バ
ス
9
トランジスタ増幅器1(入力信号なし)
2.ダイオードの動作について ON・OFF 動作につい
10 演習
て理解する。
11 トランジスタ増幅器2(入力信号あり)
3.バイポーラトランジスタの動作を能動、遮断、飽
12 演習
195
和について理解する。
13 結合コンデンサ
4.増幅器の基本特性を理解する。
14 演習
5.トランジスタ増幅器の動作を増幅率の概念と使い
方がわかる。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験により評価する。
この科目の授業時間数は22時間である。
U
R
L ………………………………………………
電子回路基礎
(http://www.tl.fukuoka-u.ac.jp/ suetsugu/KEN/
electronic-circuits-kiso.htm)
一 般 目 標 ………………………………………………
電子回路の最も初歩的なレベルとして“トランジスタ
1個の回路なら何とかわかるようになる。”ことを目標
とする。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
テ キ ス ト ………………………………………………
なし
― 512―
科
目
ディジタル電子回路
名
期
後
別
期
単位数 開講年次
2
2
担
佐
当
藤
者
寿
倫
703000232201
概
要 ………………………………………………
最も基本的なディジタル電子回路の特性・構成・動
作を講義する.ディジタル電子回路の代表的な基本素
子にはバイポーラトランジスタ(ダイオード論理,
TTL)と M OS 型電界効果トランジスタ(MOSFET)
とがあるが,本科目では主に M OSFET 論理ゲート,
特に CM OS 論理ゲート回路の特性・構成・動作を講義
する.フリップフロップ,メモリ,プログラマブルデ
バイス,算術演算回路についても講義する.適宜,課
題を課す.講義中にも演習を課す場合がある.
一 般 目 標 ………………………………………………
ディジタル電子回路の初歩として,基本素子の特
性・構成・動作をトランジスタレベルで理解すること
を目標とする.具体的には「成績評価の基準」に掲げ
る項目を目標とする.
成績評価の基準 ………………………………………
1.CM OS 回路の特性を理解し,その説明ができる.
2.CMOS 論理ゲート回路の構成と動作を理解し,そ
の実現や説明ができる.
3.フリップフロップやメモリ等の記憶素子の構成と
動作を理解し,それらを説明できる.
4.算術演算回路の構成と動作を理解し,その実現や
説明ができる.
成績評価の方法 ………………………………………
「成績評価の基準」に掲げた目標の一部または全部に
つ い て,予 復 習 へ の 取 組 状 況 を 勘 案 し,定 期 試 験
(100%)で評価する.
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
「電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること」
を教育目標とする(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に
対応).
教
科
書 ………………………………………………
天野英晴(著),ディジタル設計者のための電子回路 改
訂版,コロナ社,2004年,2,625円(税込),
ISBN-9784339007695
参
授業 計 画
1.ガイダンス,ディジタル回路の基本
2.組み合わせ回路と順序回路
3.MOS トランジスタの基本
4.CMOS 回路の基本
5.CMOS 論理ゲート回路
6.CMOS 回路の特性
7.演習
8.バイポーラトランジスタ
9.フリップフロップ
10.メモリ
11.PLD と FPGA
12.算術演算回路
13.CMOS 回路の消費電力
14.演習
15.試験
この講義の授業時間数は22時間である.
履修の条件 ………………………………………………
「関連する科目」に掲げられている科目のうち,前学
期までに開講されるものを全て単位修得していること
が望ましい.
シ
ラ
バ
ス
196
関連する科目 …………………………………………
1年前期の「計算機科学概論」で教育される半導体
の基本概念に関する知識と,2年前期の「論理回路」
で教育されるハードウエアの基本に関する知識を踏ま
え,スイッチング素子としてのディジタル電子回路に
関する教育を行う.
コンピュータにおける算術演算器の位置づけについ
ては2年後期の「計算機工学Ⅰ」が,コンピュータシ
ステムの開発については3年後期の「マイクロコン
ピュータⅡ」が,半導体回路の固体物性特性について
は2年後期の「半導体工学」と3年前期の「半導体デ
バイス」が,それぞれ設けられている.
履修上の留意点 ………………………………………
1.予め講義資料を Moodle で配布するので,予習し
ておくこと.
2.講義終了後は,M oddle で提供される小テストを
行い,復習に努めること.
3.定期試験での持ち込みについては別途連絡する.
書 ………………………………………………
五島正裕(著),ディジタル回路,数理工学社,2008
年,2,415円(税込),ISBN-9784901683531
高木直史(著),算術演算の VLSIアルゴリズム,コロ
ナ社,2005年,2,520円(税込),ISBN-9784339025859
― 513―
シラバス
科
論
理
回
目
名
路
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000200701
授業の目的・概 要
…………………………………
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
コンピュータ関連技術は今日では社会の重要な基幹技
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
術の一つであり、コンピュータと関わりを一切持たな
(JABEE 学習・教育目標の(B-1)に対応)
い分野を見出すのは殆ど不可能な時代を迎えている。
従ってこれらの技術を学ぶことは工学部電子系専門課
程学生にとって必要の課題であるが、特に電子情報工
テ キ ス ト ………………………………………………
学科の学生にはコンピュータを巧く使いこなす事だけ
柴山潔「コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とそ
でなく、コンピュータの開発、設計等、より専門的な
の設計」(近代科学社)1999 ISBN4764902753
技術を学ぶことが要請される。本講義ではコンピュー
タハードウェアを構成する論理回路とその設計の基礎
授業 計 画
について学習する。ブール代数(論理代数)と論理回
シ
ラ
バ
ス
197
路の関連付けを行い、論理回路の基本である組み合わ
1
論理回路の基礎、論理数学
せ回路と順序回路の設計理論および実際的な構成方式
2
ブール代数の公理と定理、標準形
について講述する。論理回路とその設計法へ(電子工
3
カルノー図による論理関数の表現
学ではなく)情報工学の立場からアプローチすること
4
論理関数の最小化(カルノー図による)
によって、「ディジタル回路」における電子工学からの
5
論理最小化(クワイン・マクラスキー法)
アプローチとの違いを学び、電子工学と情報工学の接
6
論理ゲート、組合わせ回路の設計
点と差異について理解を深める。
7
組合せ論理回路解析
8
理解度確認テスト1
9
順序回路と順序機械
成績評価の基準 ………………………………………
10 順序回路基本素子
⑴論理回路の基本、ブール代数の基礎について理解し
11 順序回路設計、状態最小化
ていること。
12 状態割当、順序回路の実現
⑵論理ゲート、論理簡単化、組み合わせ回路計手法と
13 順序回路設計例、順序回路の解析
解析手法について分かること。
14 理解度確認テスト2
⑶順序回路の基本素子、順序回路の最小化、同期式順
序回路手法の設計と解析手法について分かること。
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、宿題や小テスト
(10%)、理解度確認テスト(2回で合計20%)とする。
履修の条件 ………………………………………………
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
この科目の授業時間数は22時間である。
U
R
L ………………………………………………
「論理回路」科目のホームページ
( http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/lc/lc.
html)
参
書 ………………………………………………
高木直史「論理回路、New Text、電子情報系シリー
ズ」(昭晃堂)1997
履修上の留意点 ………………………………………
全般的な注意として、論理回路設計技術を習得するた
めには実際に自分の手と頭を使って実習することが重
要であることを強調しておく。
― 514―
授業の資料を web で公開する。
論
理
科
目
回
路「再」
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000200702
授業 計 画
授業の目的・概要 ……………………………………
この科目は再履修クラスの科目です。本講義はコン
1
論理回路の基礎、論理数学
ピュータの主としてハードウェアの基礎となるバック
2
ブール代数の公理と定理、標準形
グラウンドを獲得することを目的とする。講義ではま
3
カルノー図による論理関数の表現
ず論理動作とはどの様なものかを理解したのうち、こ
4
論理関数の最小化(カルノー図による)
れらの回路等の設計手法を学ぶ。具体的には、ブール
5
論理最小化(クワイン・マクラスキー法)
代数、論理関数の表現、組合せ論理回路と順序回路を
6
論理ゲート、組合わせ回路の設計
設計する手法に理解させる。授業は特に演習に重点を
7
組合せ論理回路解析
置いており、講義中演習を行う。
8
理解度確認テスト1
9
順序回路と順序機械
10 順序回路基本素子
成績評価の基準 ………………………………………
11 順序回路設計、状態最小化
⑴論理回路の基本、ブール代数の基礎について理解し
12 状態割当、順序回路の実現
ていること。
13 順序回路設計例、順序回路の解析
⑵論理ゲート、論理簡単化、組み合わせ回路計手法と
14 理解度確認テスト2
解析手法について分かること。
この科目の授業時間数は22時間である。
⑶順序回路の基本素子、順序回路の最小化、同期式順
序回路手法の設計と解析手法について分かること。
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、宿題や講義中に
U
R
L ………………………………………………
198
論理回路(再)クラスのホームページ
( http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/lc/lc.
html)
行う小テスト(合計10%)、理解度確認テスト(2回で合
計20%)とする。
履修の条件 ………………………………………………
本科目は必修科目であり、履修の条件は特にない。
参
シ
ラ
バ
ス
書 ………………………………………………
高木直史「論理回路、New Text、電子情報系シリー
ズ」(昭晃堂)1997
授業中に資料を配布し、同時に web で公開する。
履修上の留意点 ………………………………………
全般的な注意として、論理回路設計技術を習得するた
めには実際に自分の手と頭を使って実習することが重
要であることを強調しておく。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-1)に対応)
テ キ ス ト ………………………………………………
柴山潔「コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路とそ
の設計」(近代科学社)1999 ISBN4764902753
― 515―
シラバス
科
計算機工学Ⅰ
目
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000035001
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
情報化社会ではその中枢を担う計算機を理解すること
が必要不可欠である。この講義では汎用コンピュータ
システムの構成と機能について、基本から最新技術動
向までを解説する。具体的には、計算機の基本構成、
処理、データ形式と表現、命令セット、演算アルゴリ
ズムとハードウェアの構成および設計手法について述
べる。
1
2
3
4
5
一 般 目 標 ………………………………………………
計算機ハードウェアの原理や構造、ハードウェアとソ
フトウェアのインターフェース、ハードウェア設計基
礎を理解することを目標とする。
6
7
8
9
成績評価の基準 ………………………………………
シ
ラ
バ
ス
199
⑴ プロセッサの構成や性能評価について理解してい
ること。
⑵ ハードウェアとソフトウェアのインタフェース、
命令セットアーキテクチャ、アドレシング方式につい
て理解していること。
⑶ コンピュータにおけるデータ表現、演算法、算術
論理演算器の基本構成および機能について理解してい
ること。
⑷ プロセッサのデータパース、制御方式、命令実行
サイクルについて理解していること
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、宿題や小テスト
(4回で合計10%)、理解度確認テスト(20%)とする。
10
11
12
13
14
コンピュータの基本構成と動作原理 基本ハー
ドウェア構成、プログラム内蔵方式
コンピュータの原理 数値データの表現、基数
変換、非数値データの表現
命令セットアーキテクチャ⑴ 命令形式、ハー
ドウェアとソフトウェアのインタフェース
命令セットアーキテクチャ⑵ 論理演算命令、
条件判定用の命令
命令セットアーキテクチャ⑶ アドレシング方
式、プログラムの起動
命令実行サイクル
理解度確認テスト
コンピュータにおける算術論理演算⑴
加減算、算術論理演算器の構成
コンピュータにおける算術論理演算⑵
乗算アルゴリズムとハードウェア
コンピュータにおける算術論理演算⑶
除算アルゴリズムとハードウェア
コンピュータにおける算術論理演算⑷
浮動小数点演算とそのハードウェア
プロセッサの性能評価
計算機の信頼性とコスト
理解度確認テスト
この科目の授業時間数は22時間である。
U
R
L ………………………………………………
「計算機工学Ⅰ」科目のホームページ
( http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/cd01/
comp-design1.html)
テ キ ス ト ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
計算機概論、論理回路、プログラミングが十分に理解
できていること。
パターソン&へネシー「コンピュータの構成と設計、
ハードウェアとソフトウェアのインタフェース」第3
版 [上](日経BP社)2005
授業の資料を web で公開する。
履修上の留意点 ………………………………………
特になし。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること
(JABEE 学習・教育目標の(B-1)に対応)
― 516―
参
書 ………………………………………………
馬場敬信 「コンピュータアーキテクチャ」、改訂2版
(オーム社)2000
科
目
名
計 算 機 工 学 Ⅰ「再」
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000035002
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
この科目は再履修クラス科目です。この講義では汎用
1
コンピュータシステムの構成と機能について、基本か
ら最新技術動向までを解説する。具体的には、計算機
の基本構成、処理、データ形式と表現、命令セットアー
キテクチャ、演算装置の構成および設計手法について
述べる。授業は特に、演習に重点を置いており講義中
演習を行う。
2
3
4
5
一 般 目 標 ………………………………………………
計算機ハードウェアの原理や構造、設計基礎を理解す
ることを目標とする。
6
7
8
成績評価の基準 ………………………………………
⑴プロセッサの構成や性能評価について理解している
こと。
⑵ハードウェアとソフトウェアのインタフェース、命
令セットアーキテクチャ、アドレス修飾方式、命令実
9
10
11
行サイクルについて理解していること。
⑶データ表現、演算法、演算部の基本構成および基本
機能について理解していること。
12
13
14
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、講義中に行う小
コンピュータの基本構成と動作原理 基本ハー
ドウェア構成、プログラム内蔵方式
コンピュータの原理 数値データの表現、基数
変換、非数値データの表現
命令セットアーキテクチャ⑴ 命令形式、ハー
ドウェアとソフトウェアのインタフェース
命令セットアーキテクチャ⑵ 論理演算命令、条
件判定用の命令
命令セットアーキテクチャ⑶ アドレシング方
式、プログラムの起動
命令実行サイクル
理解度確認テスト1 1∼6の内容に対する理
解度の確認
コンピュータにおける算術論理演算⑴
加減算、算術論理演算器の構成
コンピュータにおける算術論理演算⑵
乗算アルゴリズムとハードウェア
コンピュータにおける算術論理演算⑶
除算アルゴリズムとハードウェア
コンピュータにおける算術論理演算⑷
浮動小数点演算とそのハードウェア
プロセッサの性能評価
計算機の信頼性とコスト
理解度確認テスト2 8∼13の内容に対する理
解度の確認
この科目の授業時間数は22時間である。
テスト(10%)、理解度確認テスト(2回で合計20%)と
する。
U
R
L ………………………………………………
「計算機工学Ⅰ」科目のホームページ
履修の条件 ………………………………………………
論理回路、プログラミングが十分に理解できているこ
( http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/cd01/
comp-design1.html)
と。
テ キ ス ト ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
特になし。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること
(JABEE 学習・教育目標の(B-1)に対応)
パターソン&へネシー「コンピュータの構成と設計、
ハードウェアとソフトウェアのインタフェース」第3
版 [上](日経BP社)2005
参
書 ………………………………………………
馬場敬信 「コンピュータアーキテクチャ」、改訂3版
(オーム社)2000
授業中に資料を配布し、同時に web で公開する。
― 517―
シ
ラ
バ
ス
200
シラバス
科
情
報
理
目
名
論
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
太郎丸
者
眞
703000012901
概
要 ………………………………………………
近年パソコン、携帯電話などのディジタル通信機器
が急速に普及し、社会生活において不可欠なものと
なっている。それらは光ファイバ、無線、銅線などの
伝送媒体によるネットワークにより結ばれ、テキスト、
音声、画像などのディジタル化された情報が行き交っ
ている。また CD やディジタル TV 放送など、かつて
はアナログだったメディアもディジタル化されている。
このような現代のディジタル情報化社会を支える基本
技術は、半導体プロセスの微細化によるハードウエア
の進歩に加え、高能率符号化(データ圧縮)や、誤り
検出・訂正符号などの情報理論を基礎とした技術の進
歩によるところが大きい。
この講義では、パソコン、携帯電話、CD、ディジタ
ル TV など身近な情報通信システム・機器で使われて
いる高能率符号化・誤り検出・訂正符号と、それらの
基礎となるシャノンの情報理論を学ぶ。
シ
ラ
バ
ス
一 般 目 標 ………………………………………………
情報理論の基礎概念を理解し、またそれが実際の情
報・通信システムでどのように利用されているかを理
解する。
201
履修の条件 ………………………………………………
本科目は全コースとも必須科目である。
履修上の留意点 ………………………………………
事前に教科書を予習し、キーワードだけでも頭に入
れておくこと。理解できない所、難解な所は自分なり
に自由に想像し、何らかのイメージを持ったうえで講
義に臨むこと。板書は丸写しせず、授業の要点やテキ
ストに書かれていない事項を中心にノートを取り、復
習時にはテキストも参照しながら授業のポイントをま
とめておくこと。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴情報理論の目的や応用分野を理解していること。
⑵事象の生起確率と情報量、平 情報量について分か
ること。
⑶情報源符号化の原理について理解していること。
⑷通信路符号化の原理、相互情報量、通信容量につい
て理解していること。
J ABEE 学習目標・教育目標 ……………………
電子工学と情報工学の基礎となる情報理論を理解す
ること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
授業 計 画
1.概要
情報通信における情報理論
2.確率論の基礎
事象の生起確率、同時生起確率、条件付確率、
確率変数、期待値(平 値)
3.情報量の数量化
生起確率と自己情報量、平 情報量(エントロ
ピー)、エントロピーの性質。
4・5.情報源符号化
情報源符号化の原理、符号の条件、符号の木、
クラフトの不等式、平 符号長、ハフマン符号、
拡大情報源、情報源符号化定理
6.記憶のある情報源
マルコフモデル、マルコフ情報源、定常状態に
おけるエントロピー
7.データ圧縮
可逆・非可逆圧縮、ランレングス符号化、テキ
ストデータ圧縮
8.誤り検出・訂正
通信路符号化と誤り検出・訂正の原理
9.ハミング距離
ハミング距離、符号空間、ハミング距離と誤り
検出・訂正能力の関係
10.演習
1∼9の内容に対する理解度の確認
11・12.通信路符号化と相互情報量、通信容量
通信路における相互情報量、通信路の通信容量、
通信路符号化定理
13.誤り検出・訂正符号
パリティ検査符号、ハミング符号、CRC 符号
14.音声・映像の圧縮
予測符号化と非線形量子化
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
小川英一:「マルチメディア時代の情報理論」(コロナ
社)
ISBN:978-4-339-02372-5
成績評価の方法 ………………………………………
参
演習・課題(30%)と期末試験(70%)で評価する。
今井秀樹:「符号理論」(電子情報通信学会)
ISBN:978-4-88552-090-7
宮川洋:「情報理論」(コロナ社)
ISBN:978-4-339-00102-0
― 518―
書 ………………………………………………
情
報
科
目
理
論「再」
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
森
当
元
者
逞
703000012902
概
要 ………………………………………………
近年のパソコン、ネットワーク、ディジタル機器の
進展には目覚しいものがある。扱えるデータもテキス
トだけではなく、オーディオ、音声、グラフィックス、
画像などに広がり、まさにマルチメディア時代が到来
しつつあるといえる。これらの技術革新は半導体など
のハードウエア技術の進展が基本となってはいるが、
同時に高能率符号化(データ圧縮)や、高信頼符号化
(誤り検出・訂正)などのソフト的な技術に負うところ
が大きい。これらの技術がなければ、音声やオーディ
オ、画像などの情報を取り扱うには、現在の CD や
DVD に比べ数十倍の記憶容量のものが必要になり、
また大幅に高速な通信回線が必要になる。さらには、
コンピュータやネットワークなどを極めて高信頼・高
価格の部品で構成しなければならない。
情報理論は、およそ半世紀ほど前にシャノンにより
提案された⑴生起確率に基づく情報量の定義、⑵符号
化の限界、などの基礎概念を出発点とし、数学的な美
しさを持った理論として発展してきた。また単なる基
礎理論としてだけでなく、通信装置や大型コンピュー
タなどの開発にその成果が取り込まれてきた。今日に
おいては、パソコン、インターネット、ディジタル放
送、CD、携帯電話など、その応用分野はさらに広がっ
ており、極めて重要な技術となりつつある。
一般的な学習目標 ……………………………………
情報理論の基礎概念を理解し、またそれが実際の情
報・通信システムでどのように利用されているかを理
解する。
履修の条件 ………………………………………………
本科目は全コースとも必須科目である。
履修上の留意点 ………………………………………
重要な事項については、復習を行って充分理解する
こと。どの項目が重要かは講義の時に説明する。
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験の結果で評価する。
J ABEE 学習目標・教育目標 ……………………
電子工学と情報工学の基礎となる情報理論を理解す
ること。
(JABEE 学習・教育目標の(B−2)に対応)
授業 計 画
1.概要 情報通信における情報理論
2.確率論の基礎 事象の生起確率、同時生起確率、
条件付確率、確率変数、期待値(平 値)
3.情報量の数量化 生起確率と自己情報量、平
情報量(エントロピー)、エントロピーの性質。
4・5.情報源符号化 情報源符号化の原理、符号
の条件、符号の木、クラフトの不等式、平 符
号長、ハフマン符号、拡大情報源、情報源符号
化定理
6.記憶のある情報源(マルコフ情報源) マルコ
フモデル、マルコフ情報源、定常状態における
エントロピー
7.データ圧縮 可逆・非可逆圧縮、ランレングス
符号化、テキストデータ圧縮
8.演習1 1∼7の内容に対する理解度の確認
9.誤り検出・訂正 通信路符号化と誤り検出・訂
正の原理
10.ハミング距離 ハミング距離、符号空間、ハミ
ング距離と誤り検出・訂正能力の関係
11・12.通信路符号化と相互情報量、通信容量 通
信路における相互情報量、通信路の通信容量、
通信路符号化定理
13.基本的な誤り検出・訂正符号 パリティ検査符
号、ハミング符号、CRC 符号
14.演習2 9∼13の内容に対する理解度の確認
本科目の授業時間は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
成績評価の基準 ………………………………………
⑴情報理論の目的や応用分野を理解していること。
⑵事象の生起確率と情報量、平 情報量について分か
ること。
⑶情報源符号化の原理について理解していること。
⑷通信路符号化の原理、相互情報量、通信容量につい
て理解していること。
小川英一:「マルチメディア時代の情報理論」(コロナ
社)ISBN978-4-339-02372-5
参
書 ………………………………………………
今井秀樹:「情報理論」(昭晃堂)
南敏:「情報理論」(産業図書)
― 519―
シ
ラ
バ
ス
202
シラバス
科
目
名
数 値 計 算 法
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
文
当
仙
者
正
俊
703000001301
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
コンピュータを用いて数値計算を行うことで、簡易か
1
数値計算とは
つ高速に、また代数解を得ることができない問題につ
2
代数方程式の解法(ニュートン法)
いても近似解を得ることができ、工学の広範な分野へ
3
代数方程式の解法(はさみうち法)
応用されている。この講義では数値計算法の理論とア
4
数値積分法(台形公式)
ルゴリズムについて学習し、代数方程式、微分方程式、
5
数値積分法(シンプソンの公式)
行列計算など代表的な問題に取り組む。
6
微分方程式の解法(オイラー法)
7
微分方程式の解法(ルンゲクッタ法)
8
微分方程式の解法(ミルン法)
学 習 目 標 ………………………………………………
9
行列計算法(ガウスジョルダンの消去法)
⑴ さまざまな数値計算法の理論とアルゴリズムを理
10 行列計算法(ガウスザイデルの反復法)
解する。
11 最小二乗法(1次関数近似)
⑵ プログラミング言語を用いた上記アルゴリズムの
12 最小二乗法(2次関数近似)
表現法を理解する。
13 テーラー展開
14 高精度計算
シ
ラ
バ
ス
成績評価の基準 ………………………………………
203
⑵ 上記アルゴリズムをプログラミング言語を用いて
⑴ さまざまな数値計算法の理論とアルゴリズムを理
解し説明できる。
表現できる。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(70%)と小テスト(30%)により評価する。
教
科
書 ………………………………………………
「数値計算」,若山芳三郎・藤森允之著,工学図書,
ISBN-10: 4769203322
注 意 事 項 ………………………………………………
授業中演習で使用するので関数電卓を持参すること。
適宜演習問題や小テストを行うので予習復習をするこ
と。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること。
(JABEE 学習・教育目標の(B-2)に対応)
― 520―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
電子情報工学実験A(電気回路・電子
回路素子実験から AM ラジオ作成へ)
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
古田 洋介・文仙 正俊
(平川 一美)・(佐藤 伴昭)
(大原
進)
703000030601
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
R、C、L やダイオード、トランジスタの基本特性を理
解し、回路を組み立てて動作させ、回路各部の波形を
1:実験の進め方についての説明と抵抗半田付け及
観測することにより回路動作の理解を深めることを目
2:抵抗測定のレポート作成と提出
的とする。目的意識を明確にさせるためにステップを
3:オシロと発信器操作
追って回路を作成し、最終段階で AM ラジオとして動
4:オシロと発信器操作、レポート作成と提出
作まで体験することを狙う。
5:L の作成と共振回路
び計測
6:L の作成と共振回路、レポート作成と提出
7:ダイオード、トランジスタのバイアス回路
一 般 目 標 ………………………………………………
8:ダイオード、トランジスタのバイアス回路、レ
ポート作成と提出
1:R、C、L 回路素子やダイオードやトランジスタを
組み込んだ回路の作成と特性測定を通して電気・電子
9:トランジスタアンプ
回路の基本を習得する。
10:トランジスタアンプ、レポート作成と提出
11:AM ラジオ1
12:AM ラジオ特性検討
成績評価の基準 ………………………………………
13:AM ラジオ2
1:R、C、L 回路素子について電気回路基礎で学習し
た結果を実験と照合する。
14:AM ラジオ、レポート作成と提出
2:共振回路の設計と作成、共振周波数の測定。
シ
ラ
バ
ス
15:実験総括、アンケート提出
この科目の授業時間数は45時間である。
3:ダイオードやトランジスタを組み込んだ回路の作
成と特性測定。
成績評価の方法 ………………………………………
204
履修上の注意 …………………………………………
実験には専用のノートとグラフ用紙を準備し、測定結
果、実験装置、実験中に気づいたことなどを全て記入
全ての実験を行っていることと、提出されたレポート
する習慣つけること。実験データはその場でグラフに
の内容により評価する。
プロットすること。実験内容を予習しておき、ノート、
グラフ用紙、電卓、定規など実験に必要なものは各自
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解すること
(B−2)。
持参すること。実験レポートは実験後直ちに作成する
こと。時間が経過すると実験内容を忘れてきてレポー
トの作成が億劫になってくる。
レポート提出後に実験指導者より内容の修正・再検
討指示がでることもある。レポート提出期限は再提出
履修の条件 ………………………………………………
を含めて実験終了後1週間とする。
(この期限は厳格に
守ること。)
電気回路基礎Ⅰ・Ⅱ、電子回路素子、基礎電子回路を
レポートは人に見せるために作成するものであるので
理解していること。
簡潔に丁寧に書くこと。
テ キ ス ト ………………………………………………
実験初日に配布する。
― 521―
シラバス
科
目
名
電子情報工学実験B
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
末次
崔
(秋富
当
者
正・佐藤 寿倫
雲・
(松村 貴嗣)
拓也)
703000030801
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
本格的なディジタル・ハードウエアを設計するには、
1
実験の概要説明
論理素子、論理回路に関する十分な知識を持っていな
2
オシロスコープの基礎
ければならない。また近年集積回路の設計法と処理技
3
レポート作成
術が大きく進歩したことにより、低価格の万能素子(マ
4
イクロプロセッサ)を用いたりシステムの1チップ集
5
IC トレーナーの基礎
レポート作成
積化が可能になっており、LSI 設計手法やマイクロプ
6
論理ゲートの特性 TTL や CMOS・IC の伝達
特性
7
レポート作成
本実験では、ハードウェアシステム設計において、
8
組合せ回路
素子の動作、設計手法、およびそのシステムの作成手
9
レポート作成
法について学習する。前半では電子波形を観測するオ
10 記憶回路
ロセッサに関する十分な知識を持っていなければなら
ない。
論理回路を組合わせて加算回路
シロスコープの使い方の学習、後半の実験で用いる IC
SR ラッチ、JK フリップフロップ
11 レポート作成
トレーナーの使い方の学習を進める。後半は、論理回
12 同期式順序回路
路のうち基本的なものを対象に、実際の回路を組み立
13 レポート作成
て、その動作を確認する。
シ
ラ
バ
ス
この科目の授業時間数は39時間である。
一 般 目 標 ………………………………………………
テ キ ス ト ………………………………………………
205
⑴論理回路を実際にハードウェアとして構成し、その
最初の時間に「実験の手引き」を配布する。
基本動作を確認する。
参
成績評価の基準 ………………………………………
書 ………………………………………………
⑴池田克夫編:情報工学実験(新コンピュータサイエ
⑴ TTL や CM OS の伝達特性を理解していること。
ンス講座)(オーム社)
⑵論理回路の構成、基本動作を理解していること。
⑵萩原宏編:情報工学ハードウエア実験(オーム社)
成績評価の方法 ………………………………………
レポート64%および出席36%により評価する。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
JABEE 学習・教育目標の(B-2)電子工学の基礎を幅
広く理解するに対応する。
履修上の留意点 ………………………………………
実験前には実験に関連する項目の事柄について予習を
行い、また実験後も良く分からなかった点や課題の解
答についてよく復習を行うこと。
― 522―
科
目
名
論 理 回 路 Ⅱ「再」
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000001601
概
要 ………………………………………………
この科目は再履修科目です。前期科目の「論理回路Ⅰ」
の続きとして順序回路設計法と計算機の基本回路表現
を中心に講義する。有限状態機械の順序回路による実
現を理解させる。ここでは論理回路によって数学概念
参
書 ………………………………………………
富川武彦、例題で学ぶ論理回路、森北、2001 ISBN 2
0014627827016
Randy H. Katz 「Contemporary Logic Design」
(The Benjamin Publ)1992
(論理関数や有限状態機械)が実現できる原理を教える
ことを主眼にする。与えられた順序機械の仕様に対し
授業 計 画
て、状態数の最小化、状態割り当て、論理設計の各過
程を理解し、同期式と非同期式順序回路による順序機
1
械の実現手法を修得する。また、効率の良い論理回路
の設計手法を理解させ、論理合成の原理を教える。
授業は特に演習に重点を置いており、講義中演習を行
う。与えられた課題に各自自分のノートに解答を書く。
正解の場合、出席を記録する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴順序回路の基本素子の動作について理解しているこ
2
3
4
5
6
7
8
と。
⑵順序機械の作成手法について分かること。
9
⑶同期式順序回路の設計手法と解析手法について分か
ること。
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、講義中に行う小
テスト(10%)、理解度確認テスト(2回で合計20%)
とする。
履修上の留意点 ………………………………………
10
11
12
13
14
順序回路 順序理論回路と順序機械、定義、表
現、有限状態機械
順序回路基本素子⑴ ラッチ
順序回路基本素子⑵ フリップフロップ
フリップフロップの応用 フリップフロップ回
路の設計
同期式順序回路設計手順 順序機械の作成法
状態機械の最小化 完全定義順序機械の最小化
理解度確認テスト1 1∼6の内容に対する理
解度の確認
状態機械の最小化 不完全定義順序機械の最小
化
順序機械の状態割当 順序機械の状態割当、手
法
実例による同期式順序回路の設計 カウンタ回
路とその設計
順序回路設計例 種々の同期式順序回路とその
設計
順序回路の解析 順序回路解析とその手法
PLA による論理回路設計 PLA による論理回
路設計法、回路の最適化
理解度確認テスト2 8∼13の内容に対する理
解度の確認
この科目の授業時間数は22時間である。
全般的な注意として、論理回路設計技術を習得するた
めには実際に自分の手と頭を使って実習することが重
要であることを強調しておく。
U
R
L ………………………………………………
「論理回路Ⅱ」
学習・教育目標 ………………………………………
(http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/lc02/lc2.
html)
コンピュータシステムとシステムプログラムの原理や
構造を理解し、その設計や実現を効果的に行う能力を
育成する。
テ キ ス ト ………………………………………………
・柴山
潔「コンピュータサイエンスで学ぶ論理回路
とその設計」(近代科学社)1999 ISBN4764902753
・高木直史「論理回路、New Text、電子情報系シリー
ズ」(昭晃堂)1997
― 523―
シ
ラ
バ
ス
206
シラバス
科
応用情報処理
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
鶴
当
岡
者
知
昭
703000100301
概
要 ………………………………………………
とかく初学者にあっては情報工学とかコンピュータ
サイエンスといえば、パソコンやインターネットの表
面的利用形態に気を奪われがちである。電子計算機が
どのように応用、活用されているかを理解することで、
それらを支える技術として電子工学や通信工学の成果
が多用されていることを知る。それとは逆に、ソフト
ウェア技術が電子工学の学習にとっても有益であるこ
とを理解し、今後のハードウェア技術の学習にソフト
ウェア技術を活用できるようにする。
4.インターネットの基本的な仕組みを理解し、調査、
学習に活用できること。
5.電子工学の学習に有用な応用プログラムの入手と
導入方法について理解していること。
6.代表的なツール(gnuplot,octave(MATLAB))
の使用方法を理解していること。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験による。
参
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
207
電 子 計 算 機 シ ス テ ム の 基 本 構 造 を 学 ん だ 後、
Internet、E-mail などを活用して、情報の収 集、蓄
積、処理などの一連の過程を学び、レポートや論文の
書き方やプレゼンテーションの段階までを学べるよう
にする。時系列データや他の実験データなどからグラ
フを作成する。また実験データの簡単な統計処理、分
析なども体験を通して理解する。
電子回路設計へのコンピュータの活用、シミュレー
ションなどを通して電子工学と情報工学の関連を理解
することにより、今後の電子工学関連科目学習の際に
必要となる情報処理技術の取捨選択が自らできるよう
になることを目標とする。
履修の条件 ………………………………………………
デジタル計算機の基本的な構造と動作について知って
いること。
UNIX のよく利用されるコマンドの使い方を知って
いること。
C 言語によるプログラミングを理解していること。
履修上の留意点 ………………………………………
計算機の使い方や応用プログラムの使い方は講義だけ
では理解し難い面があるので、自習環境を整えること。
必要に応じてソフトウェアのインストール作業等がで
きること。
成績評価の基準 ………………………………………
1.電子工学上の発見や電子計算機の構造についての
代表的な事柄についての知識を有すること。
2.UNIX や Windows 等の実用的な利用方法を習得
していること。
3.データの前処理、加工などを行えるプログラミン
グの能力やツールの活用ができること。
― 524―
書 ………………………………………………
吉村賢治、「C言語によるプログラミング入門」、昭晃
堂 ISBN-13:978-4785630829
授業 計 画
1.電子計算機の歴史 電子工学が果たした功績を
知る
2.電子計算機の構成 CPU、演算装置、入力装置
の機能を理解する
3.機械命令と CPU のかかわり ソフトウェアと
ハードウェアの関連を理解する
4.OS の基本構造 OS とアプリケーションソフ
トの違いを理解する
5.UNIX とコマンド 実用的な各種コマンドを
活用する
6.コンピュータネットワーク インターネットを
支える電子工学を学ぶ
7.インターネットの活用 Web、E-mail の学習へ
の活用を学ぶ
8.ドキュメンテーション 文書作成、レポートの
書き方を学ぶ
9. DBMS の活用 情報の収集、蓄積、管理の手法
を理解する
10.シミュレーション 計算機による模擬実験の基
礎を理解する
11.データの可視化 データを2次元、3次元図形
として可視化について学ぶ
12.データの前処理 文字データ、数値データを予
め加工手法を学ぶ
13.計算機による回路設計 ECADによる回路図
作成とシミュレーションを学ぶ
14.統計処理 統計的手法によるデータの分析、評
価について学ぶ
この科目の授業時間数は22時間である。
科
回路応答解析
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
末
当
次
者
正
703000200901
概
要 ………………………………………………
電子・通信工学分野の研究や技術開発は日進月歩で
あるが、その成果を理解し発展させるためには電気回
路の基礎を十分理解しておく必要がある。電子情報工
学科では、一年次の科目「電気回路基礎Ⅰ、Ⅱ」で抵
抗、コイル、コンデンサなどの回路素子によって構成
された基本的な回路の電圧・電流の振る舞いについて
学習し、その基礎にたって二年次では前期に本科目を、
後期では「回路網理論」を学ぶ。
二年次前期の本科目では、過渡現象解析を中心に学
習する。過渡現象とは、コイルやコンデンサが接続さ
れている定常状態の回路が、起電力・回路定数(R,L,
C)・回路構成などの変化によって他の定常状態に移る
過程の現象をいう。これは回路内のエネルギ分布が変
化する現象であり過渡応答とも呼ぶ。この変化は瞬間
的には起こり得ず、「電気回路基礎Ⅰ、Ⅱ」で学習した
定常状態における回路理論では説明できない現象であ
る。この現象の解析は、回路方程式を微分方程式で表
現しそれを解くことによって明らかとなる。
本講義では、基本的回路の過渡応答解析法、微分・
積分回路、複素周波数などについて解説する。
履修の条件 ………………………………………………
1年次の科目「電気回路基礎Ⅰ、Ⅱ」で学習した内
容を理解していること。
履修上の留意点 ………………………………………
この科目内容は、将来、回路・通信・半導体などの
分野の学習の基礎となるので、テキストや参 書の演
習問題をできるだけ多く解き、理解を深めておくこと
が大切である。
講義前には講義に関連する項目の事柄について予習を
行い、また授業中良く分からなかった点や演習の解答
についてよく復習を行うこと。
授業 計 画
シ
ラ
バ
ス
1.回路の定常状態解析と過渡応答解析
2.RC 回路の過渡現象解析
3.例題解説と演習
4.RL 回路の過渡現象解析
208
5.例題解説と演習
6.RLC 回路の過渡現象
一 般 目 標 ………………………………………………
7.例題解説と演習
8.微分・積分回路
⑴抵抗、コイル、コンデンサからなる回路の過渡現象
解析法を、信号源が直流及び正弦波の場合について学
ぶ。
⑵過渡現象の応用としての微分・積分回路を学ぶ。
⑶複素周波数の概念と伝達関数について学ぶ。
9.過渡応答解析における初期値の決定法
10.例題解説と演習
11.複素周波数の概念
12.伝達関数とその零点・極
13.複素周波数の過渡応答解析への導入
14.例題解説と演習
成績評価の基準 ………………………………………
⑴信号源が直流及び正弦波の基本的な回路の過渡応答
解析の方法を理解している。
⑵微分・積分回路の構成と動作を理解している。
⑶複素周波数、伝達関数、伝達関数の零点・極などの
概念を知っている。
⑷フィルタの基本概念を知っている。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験で評価する。
この科目の授業時間数は22時間である。
参
書 ………………………………………………
⑴鎌倉、上、渡辺共著:「電気回路」(培風館)
2,800円 ISBN 978-4-563-03663-8
⑵成田誠之助他著:「電気回路理論」(昭晃堂)
ISBN 978-4-7856-1086-9
⑶日比野倫夫著:「インターユニバーシティ電気回路
B」(オーム社) ISBN 978-4-2741-3082-3
⑷平野忠男他著:「基礎電気回路2」
(第2版)(森北出版) ISBN 978-4-627-73192-9
⑸早原悦朗著:「電気電子回路1 電気回路編」(森北
出版) ISBN 978-4-627-73511-8
― 525―
シラバス
科
目
名
電気磁気学Ⅰ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
友
当
景
者
肇
703000232001
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
電気磁気学は、電子情報工学の重要な基礎科目の1
1
エレクトロニクスと電気磁気学
つで、半導体工学や通信工学などを理解するために必
2
ベクトル解析1
要な科目である。物質を構成する原子がもつ正、負の
3
ベクトル解析2
電荷によって誘発される静的な電界、定常電流が作る
4
クーロンの法則
磁界、磁性体、交流電流が流れたときの電磁界などが
5
ガウスの法則とポアソン方程式
学ぶ領域である。電気磁気学の応用例と演習を交えな
6
真空中の電界
がら、電気磁気学 I ではベクトル解析の後、真空中の静
7
電気双極子
電界、静電エネルギー、誘電現象などを取り扱う。
8
静電エネルギーと電位
9
静電エネルギーと力
10 誘電分極と誘電率
成績評価の基準 ………………………………………
11 電束密度と電界
1)ベクトルの演算が理解でき、ベクトルの微分、積
12 キャパシタの静電容量
分ができること(授業計画2∼3)
13 誘電体の境界条件1
2)静電界での基本法則が理解できており、電界計算
14 誘電体の境界条件2
ができること(授業計画4∼7)
シ
ラ
バ
ス
3)静電エネルギーの理解と作用する力の計算に応用
209
計算ができること(授業計画10∼14)
できること(授業計画8∼9)
4)誘電現象、、誘電率が理解でき、誘電体内部の電界
テ キ ス ト ………………………………………………
ノート講義とし、特定の教科書は使わない。
参
書 ………………………………………………
電気磁気学」川村雅恭著(昭晃堂)、「ファインマン
物理学Ⅲ
電磁気学」宮島龍興訳(岩波書店)、「科学
者と技術者のための物理学Ⅲ
電磁気学」松村博之訳
(学術図書出版)、「電磁気学」西村久著(森北出版)、
「ELECTROM AGNETICS」 Kraus and Carver
(M cGraw Hill)
成績評価の方法 ………………………………………
毎回、小テストまたは演習を行い、これと定期試験の
結果を総合して評点をつける。原則として、小テスト
または演習2割、定期試験8割とする。
― 526―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
電気磁気学Ⅱ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
友
当
景
者
肇
703000232101
概
要 ………………………………………………
成績評価の方法 ………………………………………
電気磁気学は、電子情報工学の重要な基礎科目の1つ
毎回、小テストまたは演習を行い、これと定期試験の
で、半導体工学や通信工学などを理解するために必要
結果を総合して評点をつける。原則として、小テスト
な科目である。物質を構成する原子がもつ正、負の電
または演習2割、定期試験8割とする。
荷によって誘発される静的な電界、分極によって起こ
る誘電現象と誘電体、定常電流が作る磁界、磁性体、
授業 計 画
交流電流が流れたときの電磁界などが学ぶ領域である。
電気磁気学の応用例と演習を交えながら、電気磁気学
1
オームの法則と連続方程式
II では定常電流下での抵抗、磁界、電磁誘導、磁気エ
ネルギー、交流電流印加時の電磁界などを取り扱う。
2
ビオ・サバールの法則
3
定常電流が作る磁界
4
磁束と磁束密度
5
アンペアの周回積分の法則
成績評価の基準 ………………………………………
6
ローレンツ力
1)定常電流下でのオームの法則、連続方程式が理解
7
ファラデーの電磁誘導の法則
できていること(授業計画1)
8
磁気エネルギーとエネルギー密度
2)定常電流が作る磁界の基本式を理解し、磁界の計
9
磁気エネルギーと力
算ができること(授業計画2∼6)
10 磁性体と透磁率
3)電磁誘導現象を理解していること(授業計画7)
11 自己インダクタンスと相互インダクタンス
4)磁気エネルギーの理解と作用する力の計算に応用
12 マックスウェル方程式
できること(授業計画8∼9)
13 変位電流
5)磁性体の物理現象と透磁率を理解していること(授
14 表皮効果と自由空間の電磁波
業計画10)
6)自己インダクタンス及び相互インダクタンスを理
210
この科目の授業時間数は22時間である。
解し、計算できること(授業計画11)
7)マックスウェル方程式とその応用例が理解できて
いること(授業計画12∼14)
テ キ ス ト ………………………………………………
ノート講義とし、特定の教科書は使わない。
参
書 ………………………………………………
電気磁気学」川村雅恭著(昭晃堂)、「ファインマン
物理学Ⅲ
電磁気学」宮島龍興訳(岩波書店)、「科学
者と技術者のための物理学Ⅲ
シ
ラ
バ
ス
電磁気学」松村博之訳
(学術図書出版)、「電磁気学」西村久著(森北出版)、
「ELECTROM AGNETICS」 Kraus and Carver
(M cGraw Hill)
― 527―
シラバス
科
電
子
物
目
性
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
鈴
当
木
者
孝
将
703000201901
概
シ
ラ
バ
ス
211
要 ………………………………………………
エレクトロニクスの分野で使われている様々な素子
を構成する電子材料の特性を理解することは、将来素
子を製作するためにも、利用するためにも重要である。
電子材料を電気抵抗で分類すれば、絶縁体(誘導体)、
半導体、導体(金属)および超伝導体に分類できる。
半導体は2年次後期の半導体工学で学習するので、電
子物性では取り扱わない。原子構造、結晶の話から始
めて、統計力学、結晶格子の振動、金属中の電気伝導、
誘電体の話などについて説明する。具体的な内容は、
1)原子と電子構造
原子は原子核とそれを取り巻く電子によって構成
されている。電子が1個の水素原子をモデルに原子
構造を える。
2)結晶の話
原子が周期的に配列されたものを結晶という。地
球上の全ての結晶は14種類に分類される。それぞれ
の構造、結合の仕方などについて学ぶ。
3)統計力学の話
多数の粒子から成る系での平 を統計的に処理す
るための分布関数(distribution function)および分
布関数を用いた速度成分などの平 の計算方法につ
いて学ぶ。
4)格子の熱振動
原子が周期的に配列している結晶は、熱エネル
ギーによって原子が振動しており、この振動によっ
て結晶の熱的、光学的特性が決まってくる。ここで
は、弾性波近似から始めて、1次元での格子振動モ
デルを取り扱う。
5)金属中の電子の話
金属は電気を流しやすいが、その電気伝導率がど
のようにか記述できるかについて学ぶ。
6)誘電体の話
電界下で分極を起こす材料を誘電体という。電気
磁気学では、誘電率の大きさで誘電体は記述し、中
身はブラックボックスとして扱うが、ここではどの
ようにして誘電率が決まるか、その周波数特性はど
のようになるかについて学ぶ。
業計画8∼9)
4.金属中の電子の振る舞いを、自由電子モデルで理
解していること(授業計画10∼11)
5.誘電体のミクロな性質と誘電率との関係を理解し
ていること(授業計画12∼14)
成績評価の方法 ………………………………………
復習のための課題と定期試験との結果から評点をつけ
る。原則として、演習・課題2割、定期試験8割とす
る。
履修上の留意点 ………………………………………
講義の1週間前に講義資料をポータルから提供する
ので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復習の
ための課題を行うこと。
授業 計 画
1
講義の内容と概要説明
2
原子と電子構造
3
結晶構造
4
ブラベ格子
5
原子の結合の強さ
6
分布関数と平
7
マクセル・ボルツマン統計
8
格子振動の弾性波モデル
9
1次元の振動モデル
10 金属の電気伝導度
11 自由電子モデル
12 誘電率と誘電体の微視的
察
13 分極率とローレンツの内部電界
14 複素誘電率とその周波数変化
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
なし
成績評価の基準 ………………………………………
1.電子、原子、結晶の基礎的構造を理解しているこ
と(授業計画1∼5)
2.多数の粒子系での分布関数と統計的処理を理解し
ていること(授業計画6∼7)
3.結晶の格子振動と分散関係を理解していること(授
― 528―
参
書 ………………………………………………
C.Kittel 著「Introduction to Solid State Physics」
(Wiley)は優れた固体物性の教科書として推薦でき
る。また、この訳本も利用できる。
科
半 導 体 工 学
目
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
友
当
景
者
肇
703000003101
概
要 ………………………………………………
シリコンを中心とする半導体材料を用いた半導体素
子および集積回路は、ほとんど全ての電化製品に使わ
れている。また、半導体産業は「産業の米」と呼ばれ、
日本の産業の中核にある。トランジスタ(transistor)
の発明が1947年で、60年余りしかたっていないことを
えると、半導体産業の成長は驚異的である。この授
業では、半導体の基本的な物性を理解し、pn 接合の理
論を勉強することを目的とし、以下の内容で解説する。
1)半導体のエネルギーバンド(energyband)と電
気的性質
金属、半導体、絶縁体の電気抵抗の違いを、エ
ネルギーバンドの違いで学ぶ。
2)半導体中のキャリア(carrier)数
電流は電子と正孔
(hole)
の移動によって作られ
る。電子と正孔をキャリアと呼ぶが、これらの単
位体積あたりの数を統計的に記述する方法を学ぶ。
3)不純物原子の添加
純粋な半導体は工業的にほとんど使われず、半
導体素子として使われる半導体材料には微量の不
純物原子が混ぜてある。そして、電気的な性質は
添加された不純物によって決まり、p形半導体ま
たはn形半導体となる。不純物原子数とキャリア
数との関係、その温度依存性等を学ぶ。
4)キャリアのドリフトと拡散
電荷をもった電子及び正孔は、電界下で力を受
けて移動する。これをドリフト(drift)という。
また、濃度の高いところから低いところへの濃度
勾配に従っての移動を拡散(diffusion)という。
電子と正孔のドリフト、拡散による電流を理解す
る。
5)キャリアの生成と再結合
キャリア数は統計的な平 で、電子と正孔が出
会うと消滅する。これを再結合(recombination)
という。また、外部からのエネルギーによって電
子と正孔の対が形成される過程を生成(generaという。再結合の速さ、再結合を仲介する再
tion)
結合中心(recombination center)の効果等を学
ぶ。
6)キャリアの注入(injection)
外部から光や電流を半導体に流すと、注入が起
こる。ここでは、低注入の概念を学習し、このと
きのキャリアの時間的および空間的変化を記述す
るためのキャリア連続方程式を学ぶ。
7)pn 接合のエネルギーバンド
p形半導体とn形半導体を結晶工学的に接続し
たものを pn 接合(pn junction)と言い、電極を取
り付けたものがダイオードである。ここでは外部
から電圧を印加したとき、どのように電流が流れ
るかを定性的に学ぶ。
8)pn 接合の静電容量
pn 接合の両側には約1ミクロンの幅で空間電
荷領域が形成される。この領域にはキャリアが存
在しないので、空乏層と呼ばれる。外部から印加
する電圧によって空乏層幅は変化し、これによっ
て静電容量が変わることを学ぶ。
9)pn 接合の電流−電圧特性
pn 接 合 の 電 流−電 圧 特 性 を 記 述 す る ショク
レー(Shockley)の式を導出する。これは、注入
されたキャリアが拡散することによって流れる電
流を取り扱ったものである。空乏層中で生成−再
結合電流が流れる場合も取り扱う。
なお、トランジスタ等の半導体デバイスの構造と特
性については、3年次後期の「半導体デバイス」で学
習する。
成績評価の基準 ………………………………………
1)絶縁体、半導体、金属の抵抗率(または導電率)
とバンド構造との関連をりかいしていること(授業計
画1∼2)
2)電子濃度、正孔濃度の記述式を理解し、外因性半
導体と不純物との関係を理解していること(授業計画
3∼5)
3)
キャリアの輸送機構であるドリフト、
拡散及びキャ
リアの再結合過程を理解していること(授業計画6
∼8)
4)キャリアの連続方程式を用いて、半導体に光を照
射した場合のキャリア分布を理解できていること(授
業計画9∼10)
5)pn 接合のエネルギーバンド図と静電容量について
理解できていること(授業計画11∼12)
6)pn 接合を通しての電流-電圧特性が理解できてい
ること(授業計画13∼14)
テ キ ス ト ………………………………………………
宇佐美、兼房、前川、友景、井上共著「集積回路の
ための半導体工学」
(工業調査会)
をテキストとして用
い、徳田、兼房、前川、友景、井上共著「集積回路の
ための詳解半導体工学演習」
(工業調査会)
を演習用の
テキストとして併用する。
参
書 ………………………………………………
S. M . Sze 著「SEM ICONDUCTOR DEVICES
(Wiley)は半導体工学の優
Physics and Technology」
れた教科書として推薦できる。また、この訳本も利用
できる。
成績評価の方法 ………………………………………
毎回小テストまたは演習を行い、これと定期試験の結
果を総合して評点をつける。原則として、小テストま
たは演習2割、定期試験8割とする。過去の試験問題
を印刷して配布するので、学習の参 にされたい。
授業 計 画
1 講義の概要および半導体の話
2 結晶構造とエネルギーバンド
3 フェルミエネルギーと状態密度
4 真性半導体
5 外因性半導体
6 キャリアのドリフト及び拡散
7 キャリアの生成と再結合
8 再結合中心を介した再結合
9 キャリアの連続方程式
10 キャリアの注入と半導体中の静電界
11 pn 接合のエネルギーバンド
12 空乏層の静電容量
13 pn 接合の電流−電圧特性
14 pn 接合の高周波特性
演習は、講義で学習した理論を理解するために大
事である。また、半導体のパラメータを使って pn 接
合に流れる電流等を実際に計算してみることも必要
である。授業では、演習問題を解く時間を設ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
― 529―
シ
ラ
バ
ス
212
シラバス
科
目
名
オートマトンと言語理論
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
首
当
藤
者
公
昭
703000234001
概
要 ………………………………………………
人間は古来、文字や音素という離散的な記号を並べ
た言葉を情報伝達の道具として駆使してきた。従って、
文字列(記号列)を使った情報授受は情報科学の一大
関心事である。実際の単語の列を用いて議論する『言
語学、Linguistics』とは異なり、記号の列を対象とし
てその数理的構造を論じる学問分野は『形式言語学、
Formal Linguistics』あるいは『数理言語学、M athematical Linguistics』と 呼 ば れ る。いっぽ う、コ ン
ピュータをはじめとする論理的機械は、抽象化すれば
記号列を処理する機構と えることができ、この様な
論理的機械とその能力を論じる学問分野は『オートマ
トン理論、Automata Theory』と呼ばれるが、形式言
語学とオートマトン理論は対象とする記号列の構造を
介して密接に関連付けられる。本講義の目的はこの様
な関連性をふまえながら理論体系への入口を示すこと
である。
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
213
文字列は、ある種の「構造」を持たせる事によって
情報伝達に用いられる。構造の基本的なものが有限
オートマトン、3型文法、あるいは正規表現によって
同等に特徴付けられる事、有限オートマトンはハード
ウェアの順序機械に対応しており、一般には世の中の
現象のある側面を説明するモデルとも えられる事、
確率論のマルコフ過程などへの発展性を持つ事等を理
解する。また、非決定性プッシュダウンオートマトン
と2型(CF)文法との等価性およびチョムスキーの
階層構造の概要を理解する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴(ε-動作を許容した)非決定性有限オートマトンを
等価な決定性有限オートマトンに変換でき、決定性有
限オートマトンの受理言語のクラスと(ε-動作を許容
した)非決定性有限オートマトンの受理言語のクラス
が等しい事を理解している事。
⑵正規表現された言語を受理する有限オートマトンを
構成でき、⑴のクラスと正規表現で記述できる言語の
クラスが等しい事を理解している事。
⑶与えられた有限オートマトンの受理言語を正規表現
できること。また、その逆。
⑷与えられた3型文法で生成される言語を受理する有
限オートマトンを構成でき、与えられた有限オートマ
トンの受理言語を生成する3型文法を構成でき、⑵の
クラスと3型文法で生成される言語のクラスが等しい
事を理解している事。
⑸ M yhillNerode の定理の意味を知っている事。
⑹非決定性プッシュダウンオートマトンと2型
(CF)
文法との等価性を理解している事。
⑺チョムスキーの階層の概要を理解している事。
成績評価の方法 ………………………………………
基本的に期末試験によるが、小テスト、宿題解答を
参 にする場合がある。
ので事前に目を通して出席し、講義後は1週間以内に
こ此れをもとに自分のノートに整理すること。
JABEE学習・教育目標
コンピュータシステムとシステムプログラムの原理
や構造を理解し、その設計や実現を効果的に行う能力。
(JABEE 学習・教育目標の(C−1)に対応)
授 業 計 画
授業計画
「情報数学」を履修している事が望ましい。
履修上の留意点 ………………………………………
授業1週間前には講義内容のハンドアウトを配布する
― 530―
学習目標
1
数学的基礎事
項の整理
集合、演算、写像、モノイド、
同値関係、帰納法、定理の証明
法を復習・理解する。
2
・
3
決定性有限
オートマトン
決定性有限オートマトンの定義、
受理の意味、状態遷移図による
記述法を理解する。
4
・
5
非決定性有限
オートマトン
(ε-動作を許容する)非決定性
有限オートマトンの定義、受理
の意味、状態遷移図による記述
法を理解する。
6
・
7
決定性有限
オートマトン
と非決定性有
限オートマト
ンの等価性
決定性有限オートマトンの受理
言語のクラスと(ε-動作を許容
する)非決定性有限オートマト
ンの受理言語のクラスが等しい
事を理解する。
8
MyhillNerode M yhillNerode の 定 理 の 意 味
の定理
を学ぶ
9
・ 正規表現
10
正規表現のシンタクス、セマン
ティクスを理解し、決定性有限
オートマトンの受理言 語のク
ラスと正規表現で表される言語
のクラスが等しい事を理解する。
11 形式言語、3
・
12 型文法
0型から3型に到る生成文法の
体系を知り、3型言語のクラス
が有限オートマトンの受理言語
のクラスと等しい事を理解する。
2型言語と非
13 決 定 性 プッ
・ シュダ ウ ン
14 オートマトン
の等価性
2型言語のクラスが 非 決 定 性
プッシュダウンオートマトンの
受理言語のクラスと等しい事を
理解する。チョムスキーの階層
の概要を学ぶ。
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
指定しない。配布資料による。
参
履修の条件 ………………………………………………
………………………
書 ………………………………………………
「オートマトン・言語理論・計算論Ⅰ」
、J.ホップク
ロフト、J.ウルマン著、野崎昭弘、高橋正子、町田
元、山崎秀記、共訳、サイエンス社
「オートマトンと形式言語」
、都倉信樹著、昭晃堂
「形式言語と有限オートマトン入門」
、小倉久和著、コ
ロナ社
科
目
名
記号処理プログラミング
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
吉
当
村
者
賢
治
703000233001
概
要 ………………………………………………
C言語や FORTRAN などに代表される高級言語の
出現によって、プログラマはアセンブリ言語によるプ
ログラミングにおいて要求されたハードウェアに関す
る知識から開放されたが、プログラミングのスタイル
は依然として処理の手順を記述するものである。この
ように処理の手順を記述する言語は手続き型言語(ま
たは how 型言語)と呼ばれる。これに対して、解を求
めるための手順ではなく、解くべき問題の構造や前提
と解の因果関係を記述するスタイルのプログラミング
言語を宣言型言語(または what 型言語)と呼ぶ。人工
知能(AI)の問題は基本的に記号処理であるが、問題
そのものが複雑であり、その問題を解くプログラムの
記述に大変な労力を要するため、人工知能における記
号処理プログラミングには宣言型言語が適している。
宣言型言語は更に関数型言語と論理型言語に分類さ
れ る。こ の 講 義 で は 関 数 型 言 語 の 代 表 で あ る Lisp
(List Processor)と論理型言語の代表である Prolog
(Programming in Logic)を用いて、関数型言語と論
理型言語の基本概念を学習し、具体的な応用例を通し
てその有効性を理解する。
Lisp と Prolog は、ともに対話的なプログラミング
を行うことができるインタプリタ言語であり、リスト
と呼ばれるデータ構造とリストに対する再帰的な問題
の記述に特徴がある。Lisp では関数概念、Prolog では
述語概念を用いて情報の局所化と抽象化を行っている。
情報の局所化と抽象化はプログラムの保守性と再利用
性を高めるうえでの重要な設計戦略であり、オブジェ
クト指向プログラミングの基礎を与えるものである。
一 般 目 標 ………………………………………………
関数型言語 Lisp と論理型言語 Prolog によるリス
ト処理程度の簡単なプログラミングの基礎を理解し、
手続き型以外にもプログラミングのパラダイムがある
ことを理解する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ LISP と Prolog で用いられるリストの内部構造
について理解していること。
⑵ LISP の基本的なプログラミングについて理解し
ていること。
⑶ Prolog による基本的なプログラミングについて
理解していること。
が重要であることを強調しておく。
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
コンピュータシステムの原理や構造を理解し、その
設計や実現を効果的に行う能力。
(JABEE 学習・教育
目標の(C−1)に対応)
授 業 計 画
学習目標
リスト構造について理解する
Lisp の式、変数などについて理
2
解する
基本的なリスト処理関数につい
3
て理解する
Lisp の関数定義について理解
4
する
Lisp における制御構造につい
5
て理解する
破壊的リスト処理と等号につい
6
て理解する
1∼6の内容に対する理解度の
7 中間テスト
確認
Prolog シ ス Prolog システムの使い方につ
8
テムの概観
いて理解する
9 述語の定義
述語の定義について理解する
再帰的なルー 再帰的なルールの定義について
10
ルの定義
理解する
項によるデータ表現と項の単一
11 項と単一化
化について理解する
Prolog におけるリスト処理に
12 リスト処理
ついて理解する
問題解決のプ プログラム例を通してリスト処
13
ログラム
理の使い方を理解する
バックトラッ カットオペレータについて理解
14
クの制御
する
この科目の授業時間数は22時間である。
1
授業計画
リスト構造
Lisp シ ス テ
ムの概観
リスト処理関
数
Lisp 関 数 の
定義
Lisp の 制 御
構造
リスト処理と
等号
成績評価の方法 ………………………………………
中間テストと期末テストの結果と授業中に行う演習
により評価する。評価の割合は中間テスト20%、期末
テストを60%、演習・課題を20%とする。
U
R
L ………………………………………………
講義で使用するスライド
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/ yosimura//spppt/
index.html)
履修の条件 ………………………………………………
必修科目の場合、履修の条件は特にない。選択科目
の場合はプログラミングⅠとプログラミングⅡの単位
を取得していることを履修の条件とする。また、PC
教室の座席数に制約があるため、受講希望者数が座席
数を超えた場合には1年次のプログラミングⅠ、Ⅱの
成績を用いて受講生を制限する。
履修上の留意点
………………………………………
全般的な注意として、プログラミング技術を習得す
るためには実際に自分の手と頭を使って実習すること
テ キ ス ト ………………………………………………
テキストは使用しない。講義で使うスライドは Web
で公開する。
参
文 献 ………………………………………………
⑴ 湯浅、萩谷共著:Common Lisp 入門、岩波コン
ピュータサイエンス
(岩波書店)
、
ISBN4-0000-7685-X
⑵ Ivan Bratko 著、安部憲広訳:「Prolog と AI ①
(近代科学社)
、ISBN4-7649-0165-X
Prolog への入門」
― 531―
シ
ラ
バ
ス
214
シラバス
科
情
報
数
目
名
学
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
首
当
藤
者
公
昭
703000233801
概
要 ………………………………………………
コンピュータやコンピュータシステムの設計、アル
ゴリズムによる問題解決、コンピュータプログラミン
グなど、情報処理の種々の領域に科学的な基礎を与え
る分野は『計算機科学、Computer Science CS』と呼
ばれる。情報工学系の学生にはコンピュータを使いこ
なす能力ばかりでなく、CSの基礎的事項には精通し
ている事が必要である。本科目はCSの中で数学的で
参
書 ………………………………………………
「情報科学の基礎論への招待」、小倉久和著、近代科学
社
「情報の論理数学入門」、小倉久和著、高濱徹行著、近
代科学社
「情報系の数学入門」、林
晋、八杉満利子著、オー
ム社
「論理数学」、細井勉著、筑摩書房
基礎的な領域の講義を行う。
履 修 方 法 ………………………………………………
一 般 目 標 ………………………………………………
計算機は情報を離散的な記号に置き直して処理する
メカニズムであるため、計算機科学・工学も離散量を
授業1週間前には講義内容のハンドアウトを配布する
ので事前に目を通して出席し、講義後は1週間以内に
これをもとに自分のノートを整理すること。
扱う数学が有用である。本科目はこれらのうち情報系
学部生として最小限必要と思われる事項を理解するこ
シ
ラ
バ
ス
215
授業 計 画
とを目標とする。
授業計画
成績評価基準および方法 ……………………………
計算機科学の中心的な概念である関数や帰納的定義、
証明法、確率論の初歩、木構造の取り扱い、定理の証
1
・
2
・
3
集合、写像、関係の概念を理解
集合、写像、
する。論理関数などの計算機科
関係
学で重要な概念をこの枠組みで
整理する。
明法、ブール代数、を理解していること。
4
同値関係、
2項関係として同値関係、半順
半順序関係
序関係を理解する。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
(B-1)数学と物理学を中心とする自然科学につい
ての基礎知識を持ち、実際の問題に応用する能力。
(B-2)電子工学と情報工学の基礎を幅広く理解す
ること。
テ キ ス ト ………………………………………………
「計算機科学入門」、M.アービブ、A.クフォーリ、
R.モル著、甘利俊一、金谷健一、嶋田晋訳、サイエ
ンス社
ISBN4-7819-0375-4 C3341
学習目標
可算無限な対象の性質を有限の
5
・
6
帰納法
7
・
8
代数系
記述で証明、定義する帰納法の
原理、用法を理解する。
群、半群、単位半群、束、ブ−
ル代数を理解する。例として記
号列、言語の概念を学ぶ。
確率、条件付
9
・ 確率、ベイズ
10
の定理
確率論の初歩を理解する。情報
11
・ 木構造と再帰
12
木構造、入れ子構造とその扱い
13 論理と定理の
・
14 証明
量、エントロピー等の概念との
関連を理解する。
を理解する。
命題論理、述語論理の基礎を学
び、論理展開の理論的側面を理
解する。
この科目の授業時間数は22時間である。
― 532―
科
目
名
データ構造とアルゴリズムⅠ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
森
当
元
者
逞
703000033401
概
要 ………………………………………………
アルゴリズムとは、問題解決の手続きである。本格
的なプログラムを作成するには、アルゴリズムに関す
る知識が欠かせない。また効率の良いアルゴリズムを
作成しようと思えば、問題に適したデータ構造を採用
する必要がある。従ってアルゴリズムとデータ構造は
極めて密接な関係にある。
本科目では特定の分野に限定されない共通的なアル
ゴリズムとそのデータ構造について学習を進める。ア
ルゴリズムの学習においては、それらを知識として理
解することも重要であるが、具体的なプログラムとし
て実現できることが重要である。従って、本講義では、
あわせてプログラミング能力を向上させることも大き
な目標とする。なお、プログラミング言語としては実
際への応用を 慮し、C言語とする。
一般的な学習目標 ……………………………………
本科目では、実際的なプログラム開発を行なう際に
必要となる共通的なアルゴリズムやデータ構造を理解
し、また具体的なプログラムとして実現する能力を習
得する。
履修上の条件 …………………………………………
プログラミングⅠ、Ⅱ」、「プログラミング演習Ⅰ、
Ⅱ」を充分理解し、基本的なプログラミング能力を身
に付けておくこと。なお本科目は情報システムコース
では必須科目である。
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験の結果で評価する。
J ABEE 学習目標・教育目標 ……………………
基本的なアルゴリズムやデータ構造に関する知識を
学習し、また具体的なプログラムとして実現する能力
を習得する。(JABEE 学習・教育目標の(C−1)に
対応)
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
履修上の留意点 ………………………………………
各種アルゴリズムは、実際にプログラムとして実現
し、動作させることによってはじめて充分に理解でき
る。積極的に端末やパソコンを利用して、自分でプロ
グラムを作ってみること。また、ホームページに各プ
ログラムの例を掲載しておくので、適宜ダウンロード
し予習・復習などに利用すること。
11
12
13
14
データ型、配列、構造体 データの性質に最適
なデータ構造
計算機、コンパイラ、プログラム、関数 関数
の呼び出し、引数・戻り値の引渡し、再帰呼び
出し
表構造での線形探索、2分探索 アルゴリズム
による処理効率の相違
アルゴリズムと計算量 時間計算量、O記法、
領域計算量
データのファイ ル 入 出 力 ファイ ル の オープ
ン・クローズ、データ入出力、バッファの指定
スタック 配列を用いたスタックの実現法
演習1 1∼6に関する理解度の確認
ソート⑴ 単純なソート(バブルソート、挿入
ソートなど)
ソート⑵ 効率 を 改 善 し た ソート(ク イック
ソート 、マージソートなど)、ソートの計算量
ポインタ、動的記憶域 動的記憶域の確保、ポ
インタによるデータへのアクセス
基本的なリスト構造 連結リスト、待ち行列
ハッシュ法⑴ ハッシュ表、ハッシュ関数
ハッシュ法⑵ チェイン法、開番地法
演習2 8∼13に関する理解度の確認
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
成績評価の基準 ………………………………………
⑴計算機やコンパイラなどに関する基本知識、ならび
にデータ型、関数、再帰呼び出しなどのプログラミン
グの基本知識を有すること。またアルゴリズムと計算
量の関係を理解していること。
⑵配列を用いた基本的なデータ構造や、2分探索、ス
タック、各種ソート法などの基本的なアルゴリズムを
理解していること。
⑶構造体などの動的確保やポインタによるアクセス法
などを理解していること。またリスト構造やハッシュ
法を理解していること。
森元:「C をさらに理解しながら学ぶデータ構造とア
ルゴリズム」(共立出版)ISBN978-4-320-12197-3
参
書 ………………………………………………
浅野哲夫:「データ構造」(近代科学社)
茨木俊秀:「Cによるアルゴリズムとデータ構造」(昭
晃堂)
東野、臼田、葭谷:「C言語によるアルゴリズムとデー
タ構造入門」(森北出版)
[さらに高度なアルゴリズムに関する説明]
R.セジウィック(野下、星、佐藤、田口、共訳):「ア
ルゴリズムC第1巻∼3巻」(近代科学社)
― 533―
シ
ラ
バ
ス
216
シラバス
科
目
回 路 網 理 論
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
2
担
末 次
当
者
正
703000200801
概
要 ………………………………………………
電子・通信工学分野の研究や技術開発は日進月歩で
あるが、その成果を理解し発展させるためには電気回
路の基礎を十分理解しておく必要がある。電子情報工
学科では、1年次の科目「電子回路基礎Ⅰ、Ⅱ」によっ
て抵抗、コイル、コンデンサなどの回路素子で構成さ
れた基礎的な回路の電圧・電流の振る舞いについて学
習し、その基礎にたって二年次前期に「回路応答解析」
を学習した。
2年次後期の本科目では、
⑴信号源と負荷回路の間に種々の目的で接続される二
端子対回路の理論と応用
⑵高周波信号を伝送する線路いわゆる分布定数線路理
論
などについて学ぶ。
シ
ラ
バ
ス
217
一 般 目 標 ………………………………………………
本講義では、以下の項目について、その基礎を理解
することを目標とする。
二端子対回路:
⑴基本的な回路に関する種々の行列表示
⑵相互接続、等価回路、回路解析
⑶信号の減衰と位相変化
⑷抵抗減衰器、等化器、フィルタ
分布定数線路:
⑴線路上の電圧・電流分布を解析するための基礎方
程式
⑵基礎方程式の解法
⑶電圧・電流派の伝搬と反射
成績評価の基準 ………………………………………
⑴2端子対回路の行列表示を理解している。
⑵2端子対回路の電圧、電流、入・出力インピーダン
スなどを求める方法を理解している。
⑶基本的なフィルタの伝達関数と特性解析の方法を理
解している。
⑷分布定数線路の解析法、電圧・電流波の伝搬の特徴
を知っている。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験で評価する。
履修の条件 ………………………………………………
07台以前の情報デバイスコースの学生のみ履修可能。
― 534―
1年次の科目「電気回路基礎Ⅰ、Ⅱ」で学習した内
容を理解していること。
履修上の留意点 ………………………………………
この科目は、将来、回路や通信などの分野を志す場
合に基礎となるので、テキストや参 書の演習問題を
できるだけ多く解き、理解を深めておくこと。
授業 計 画
1.二端子対回路の定義、入出力の行列表示
2.回路の相反性
3.インピーダンスパラメータやアドミタンスパラ
メーターを用いた二端子対回路の行列表示
4.例題解説と演習
5.Fパラメータを用いた二端子対回路の行列表示
6.例題解説と演習
7.二端子対回路の相互接続
8.二端子対回路の行列表示の回路解析への応用例
9.題解説と演習
10.二端子対回路の反復パラメータ表示
11.抵抗減衰器、減衰等化器
12.分布定数回路の概念と基礎方程式
13.入射波と反射波
14.電圧定在波比
テ キ ス ト ………………………………………………
鎌倉、上、渡辺共著:「電気回路」(培風館)
2,800円 ISBN 978-4-563-03663-8
これは、2年次前期の科目「回路応答解析」で使用
したテキストである。
参
書 ………………………………………………
⑴成田誠之助他著:「電気回路理論」(昭晃堂)
ISBN 978-4-7856-1086-9
⑵日比野倫夫著:「インターユニバーシティ電気回路
B」(オーム社)
ISBN 978-4-2741-3082-3
⑶平野忠男他著:「基礎電気回路2」
(第2版)(森北出版)
ISBN 978-4-627-73192-9
⑷早原悦朗著:「電気電子回路1 電気回路編」
(森北出版)
ISBN 978-4-627-73511-8
科
電
気
計
目
名
測
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
山
当
口
者
俊
尚
703000008901
概
要 ………………………………………………
計測は科学技術を支える基盤の一つであり、その中
参
書 ………………………………………………
特になし。
でも電気電子計測は電気電子分野のみでなく機械、化
学、医学その他多くの科学技術分野における計測に欠
授業 計 画
かせない基本技術となっている。今日のように計測シ
ステムが高度化されると、ややもすればその内容を十
分把握せずブラックボックスとして取り扱う傾向が生
ずるが、正しい測定をおこなうためには計測について
の基本的理解が欠かせない。この科目ではこのような
観点に立って、電気磁気測定の基礎全般を学修する。
1章では、計測全般についての基本を把握する。測
定誤差と測定値の信頼性についての認識を明確にし、
さらに複合的測定システムにおける誤差解析の基本を
学ぶ。また、最小二乗法による回帰解析やアベレージ
(計測の基礎)
1.測定の概念、測定法の分類 測定誤差と測定値
の集合の表現、
2.誤差の伝般、測定値の統計的処理の手法
3.演習
(電気磁気単位と標準)
4.電気磁気単位系、電気標準、単位のトレーサビ
リティ、演習
(電圧・電流の測定)
ングなどコンピュータ計測の時代にあって特に重要な
5.指示計器の一般的性質、
データ処理の最も基本的な手法を学び、演習をおこな
6.電圧電流計(各種の指示計器、電子計器)、
う。2章では電磁気単位の構成と計測の標準について
7.電圧・電流測定におけるいくつかの問題、測定
学ぶ。3章では電圧・電流測定の方法に関連する事項、
範囲の拡張、ディジタル測定器、テスタ(回路
すなわち計器の一般的性質、各種計器の原理と特徴・
計)
用途について学ぶとともに、計器の内部インピーダン
8.演習
ス、交流の波形と計器の指示など電圧電流測定上の重
要な留意事項に関わる演習をおこなう。4章では抵
抗・インピーダンスの測定方法について、5章では電
力の測定方法について学修する。6章では磁界をはじ
めとする磁気量の測定を学ぶ。また、材料測定の代表
例として磁性体の磁気特性測定を学ぶ。
本科目においては、講義を行うのみでなく、実践的
演習課題をまじえて内容の理解を深めることを心掛け
る。
218
(抵抗・インピーダンスの測定)
9.抵抗の測定、低抵抗および高抵抗の測定、特殊
な抵抗の測定、
10.交流ブリッジとその諸問題、高周波ブリッジ
(電力の測定)
11.電力測定の原理、電流力計形電力計、各種の乗
算原理と電力計、電力計と力率誤差
12.電力量計、多相電力の測定
(磁気量の測定)
13.磁界の測定、磁性材料の磁気特性測定
成績評価の基準および方法
………………………
レポートまたは小テストの形で6回の演習を課し、
シ
ラ
バ
ス
14.総合演習
この科目の授業時間数は22時間である。
期末試験と演習課題の達成状況を合わせて総合的に評
価する。このため平常の授業への参加状況も重視する。
原則として定期試験を7割、平素の演習課題の達成状
況等を3割の割合で評価する。なお、授業への参加を
成績評価の前提としており、2/3以上の出席を要す
る。
テ キ ス ト ………………………………………………
小野・久保・山口著:電気・電子計測(愛智出版)
ISBN978-4-87256-700-7
― 535―
シラバス
科
目
名
電子通信系のための数学Ⅰ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
鈴
当
木
者
孝
将
703000202101
概
要 ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
私達の周りの多くの物理現象は、共通した簡単な数
「数学」を頭から難しいと感じる人が多いが、本講義
式で記述される場合が多い。特にエンジニアとして社
で扱う項目は、エンジニアとして、自然界の物理現象
会で活躍するためには、それらの現象をよく理解し、
を理解し、説明する上で必須の内容である。従って、
どの様な数式で表されるかをよく見極め、それらを解
授業には毎回出席し、演習を通して、分りにくい点は
析して現象を解明し、具体的に製品を設計しなければ
質問等により、その都度理解を深め、積み残しのない
ならない。その意味で、本講義の題名は「数学」であ
ようにすることが大切である。
るが、数学を数学として深く学ぶのではなく、それぞ
講義の1週間前に講義資料をポータルから提供する
れの専門のエンジニアが数学を道具として使えるよう
ので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復習の
訓練をするのが目的である。
ための課題を行うこと。
物理、電気、機械、電子、通信などの分野で多く取
扱われている現象やデバイスにおいては、微分方程式
授業 計 画
(特に偏微分方程式)で記述される場合が多い。そこ
で、「電子通信系のための数学Ⅰ」では、それらの微分
1
微分方程式の解とフーリエ級数展開
方程式を境界条件を与えて具体的に境界値問題として
2
フーリエ級数のための基礎と演習
解く場合、それらの解がフーリエ級数展開と密接な関
シ
ラ
バ
ス
3
フーリエ級数Ⅰ
係にあると同時に、フーリエ級数はいろいろな分野で
4
演習
重要な役割を果たしている。本講義ではその内容やい
5
フーリエ級数Ⅱ
ろいろな性質について理解を深め、演習も含めて詳し
6
演習
219
く学習する。
7
複素フーリエ級数
8
演 習
9
三角多項式近似
一 般 目 標 ………………………………………………
フーリエ級数の内容やいろいろな性質を理解し、演
10 フーリエ級数の収束
11 演習
習を通じてそれらを身近なものとし、身の回りのいろ
12 パーセバルの等式、ギップスの現象
いろな現象の解明や、製品の設計に役立つ応用力をつ
13 項別微分、項別積分
けることを目標とする。特に本講義では有限境界にお
14 フーリエ級数の応用
ける任意の関数のフーリエ級数展開に主点を置き、無
15 演習
限の境界への拡張については「電子通信系のための数
学Ⅱ」にゆずる。
成績評価基準および方法 ……………………………
期末の試験結果に、復習のための課題等を
慮して
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
なし
成績評価を行う。
参
書 ………………………………………………
数学教育研究会編
工学系数学セミナー「フーリエ解
析と偏微分方程式」東京電機大学出版局
ISBN 978-4-501-62020-2Cコード C3341。
いろいろな関数の微分、積分や定数係数の1階、2階
常微分方程式の解き方位は習熟しておくことが望まし
い。
― 536―
科
目
名
ディジタル信号処理
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
当
太郎丸
者
眞
703000237401
概
要 ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
ディジタル信号処理技術は、CD コンポ、テレビなど
のAV機器をはじめ、携帯電話やパソコン、デジタル
事前に教科書を予習し、キーワードだけでも頭に入
れておくこと。理解できない所、難解な所は自分なり
カメラなど、私達がごく普通に使っているディジタル
に自由に想像し、何らかのイメージを持つこと。板書
機器に組み込まれて活躍している。例えばオーディオ
は丸写しせず、授業の要点やテキストに書かれていな
のトーンコントロールや通信カラオケ装置のエコーや
い事項を中心にノートを取り、復習時にポイントをま
採点といった身近な機能をはじめ、テレビや携帯電話
とめた自分オリジナルのノートを作ること。
の中では雑音の除去や冗長な情報の圧縮処理といった、
直接ユーザーの目に見えない機能が現代の情報化社会
授業 計 画
を支えている。本講義では、これら実用システムの開
発・設計・維持管理に必要なディジタル信号処理技術
1.信号の表現と複素数
の基礎を学ぶ。
2.三角関数とフーリエ解析
3.信号の電力と相関
一 般 目 標 ………………………………………………
本講義では、3年次に学習する音声処理工学、情報
4.直交信号、不規則信号
5.線形システムの定義と性質
6.線形システムの安定条件と周波数応答
伝送工学、および画像処理工学の基礎として、これら
7.線形システムの時間軸表現と状態方程式
に共通する信号処理の基本を理解することを目標とす
8.サンプリングと量子化
る。
9.離散時間信号の表現
10.離散時間システムの応答と安定条件
成績評価の基準 ………………………………………
12.FIR フィルタ
13.IIR フィルタ
⑵ 量子化と量子化雑音について理解していること。
14.適応信号処理と適応フィルタ
⑶ 線形システム・フィルタの伝達関数とインパルス応
答について理解していること。
220
11.離散時間システムの時間軸表現と状態方程式
⑴ サンプリング定理について理解していること。
この科目の授業時間数は22時間である。
⑷ トランスバーサルフィルタおよび2次程度の IIR
フィルタの設計ができること。
テ キ ス ト ………………………………………………
赤岩芳彦著:「信号処理の基礎」(昭晃堂)
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(70%)と課題レポート(30%)で評価する。
履修の条件 ………………………………………………
電気回路基礎Ⅰ、Ⅱの内容を復習しておくこと。
ISBN 4-7856-1218-5
授業中に参 資料を配布する場合は Web でも公開す
る。
参
シ
ラ
バ
ス
書 ………………………………………………
⑴ 貴家仁志著:「ディジタル信号処理」(昭晃堂)
ISBN 4-7856-1194-4
⑵ 宮川洋他共著:「ディジタル信号処理」(電子情報
通信学会)
― 537―
シラバス
科
目
名
データ構造とアルゴリズムⅡ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
2
森
当
元
者
逞
703000033601
概
要 ………………………………………………
データ構造とアルゴリズムⅠ」では基本的なデータ
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験の結果で評価する。
構造やアルゴリズムについて学習したが、種々の本格
的なシステムが開発できるようになるには、さらに高
度なデータ構造やアルゴリズムについての知識が必要
となる。
本科目では、「データ構造とアルゴリズムⅠ」を理解
テ キ ス ト ………………………………………………
森元:「C をさらに理解しながら学ぶデータ構造とア
ルゴリズム」(共立出版)ISBN978-4-320-12197-3
していることを前提に、やや高度なデータ構造やアル
ゴリズムについて学習を進める。
授業 計 画
なお、プログラミング言語としては、
「データ構造と
アルゴリズムⅠ」と同様にC言語を用いる。
1
種々のリスト⑴
双方向リスト、優先度付きリ
ストなど
学 習 目 標 ………………………………………………
2
種々のリスト⑵
3
木構造、2分探索木
⑴ポインタやリスト構造を利用したデータ構造を理解
する。
リスト構造によるスタック
木構造、2分探索木の構
造。探索、挿入、削除
4
平衡木、B木、その他の木(トライ、パトリシア)
シ
ラ
バ
ス
⑵木構造の基本を理解し、また2分探索木や平衡木な
平衡木、B木の構造、探索、挿入、削除
どを理解する。
他の木構造(トライ、パトリシア)
⑶グラフ構造の基本を理解し、また基本的な探索問題
5
演習1
221
の解法について理解する。
6
グラフ⑴
グラフの表現、グラフの探索
⑷文字列探索、字句解析など、文字、文字列、字句の
7
グラフ⑵
最短路問題、最小スパニング木
解析方法について理解する。
8
文字列探索
⑸縦型╱横型などによる解空間の一般的な探索法、分
9
字句解析
割統治法、動的計画法などの効率的な解法について理
解する。
その
1∼4に関する理解度の確認
BM法
字句取り出し、変換、正規表現、有
限オートマトン
10 種々のアルゴリズム⑴
深さ優先探索、幅優先
探索
履修上の条件 …………………………………………
データ構造とアルゴリズムⅠ」で学習した内容につ
いて十分に理解しておくこと。
履修上の留意点 ………………………………………
各種アルゴリズムは、実際にプログラムとして実現
し、動作させることによってはじめて充分に理解でき
る。積極的に端末やパソコンを利用して、自分でプロ
グラムを作ってみること。
11 種々のアルゴリズム⑵
分割統治法、動的計画
法、貪欲法
12 演習2
6∼11に関する理解度の確認
この科目の授業時間数は22時間である。
参
書 ………………………………………………
浅野哲夫:「データ構造」(近代科学社)
茨木俊秀:「Cによるアルゴリズムとデータ構造」(昭
晃堂)
東野、臼田、葭谷:「C言語によるアルゴリズムとデー
タ構造入門」(森北出版)
成績評価の基準 ………………………………………
学習目標で述べた項目について理解していること。
― 538―
[さらに高度なアルゴリズムに関する説明]
R.セジウィック(野下、星、佐藤、田口、共訳):「ア
ルゴリズムC第1巻∼3巻」(近代科学社)
電子情報
専門教育科目
(第 3 年 次)
科
計算機工学Ⅱ
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
佐
当
藤
者
寿
倫
703000035201
概
要 ………………………………………………
今日ではコンピュータは非常に馴染み深いものであ
る.PC はその最たるものであろうが,携帯電話などに
も高性能なプロセッサが組み込まれていることを意識
することは稀だと思われる.この科目では,PC や携帯
電話などで利用されているマイクロプロセッサを主に
扱い,その高速化技術について講義する.具体的には,
プロセッサの制御,パイプライン処理,記憶階層につ
いて講義する.命令レベル並列処理や入出力などにつ
いても講義する.適宜,課題を課す.講義中にも演習
を課す場合がある.
一 般 目 標 ………………………………………………
計算機科学と情報処理技術の基礎を幅広く学んで
様々な ICT システムを開発する能力を身につけるた
めに,コンピュータアーキテクチャ,特にプロセッサ
アーキテクチャの基礎を理解することを目標とする.
具体的には「成績評価の基準」に掲げる項目を目標と
する.
成績評価の基準 ………………………………………
1.コンピュータアーキテクチャに関する基本的な用
語を理解できる.
2.プロセッサ性能の評価方法を説明できる.
3.プロセッサ性能の改善方法を説明できる.
成績評価の方法 ………………………………………
「成績評価の基準」に掲げた目標の一部または全部に
つ い て,予 復 習 へ の 取 組 状 況 を 勘 案 し,定 期 試 験
(100%)で評価する.
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
「コンピュータシステムとシステムプログラムの原
理や構造を理解し,その設計や実現を効果的に行う能
力」を身につけることを教育目標とする(JABEE 学
習・教育目標の(C-1)に対応).
教
科
書 ………………………………………………
パターソン,ヘネシー(著),コンピュータの構成と設
計 ハードウエアとソフトウエアのインタフェース 第
3版(下),日経 BP 社,2006年,3,990円(税込),
ISBN-9784822282677
参
書 ………………………………………………
ヘネシー,パターソン(著),コンピュータアーキテク
チャ 定量的アプローチ 第4版,翔泳社,2008年,8,610
円(税込),ISBN-9784798114408
授業 計 画
1.ガイダンス,命令セットアーキテクチャ
2.データパスと制御(データパスの構築)
3.データパスと制御(マルチサイクル)
4.パイプライン(概要)
5.パイプライン(データハザード)
6.パイプライン(分岐ハザード)
7.演習
8.パイプライン(高度なパイプライン)
9.記憶階層(キャッシュの基礎)
10.記憶階層(キャッシュの改善)
11.記憶階層(仮想記憶)
12.周辺装置(外部記憶装置)
13.周辺装置(インターフェース)
14.演習
15.試験
シ
ラ
バ
ス
222
この科目の授業時間数は22時間である.
履修の条件 ………………………………………………
「関連する科目」に掲げられている科目のうち,前学
期までに開講されるものを全て単位修得していること
が望ましい.
関連する科目 …………………………………………
1年前期の「計算機科学概論」と2年後期の「計算
機工学Ⅰ」で教育されるコンピュータの基本概念に関
する知識,2年前期の「論理回路」で教育されるハー
ドウエアの基本に関する知識,そして2年後期の「ディ
ジタル電子回路」で教育される基本的なディジタル回
路素子に関する知識を踏まえ,プロセッサ内部に密接
なアーキテクチャに関する教育を行う.
コンピュータシステムの開発については,3年後期
に「マイクロコンピュータⅡ」が設けられている.
履修上の留意点 ………………………………………
1.予め講義資料を Moodle で配布するので,予習し
ておくこと.
2.講義終了後は,M oddle で提供される小テストを
行い,復習に努めること.
3.定期試験での持ち込みについては別途連絡する.
― 541―
シラバス
科
目
計 算 機 工 学 Ⅱ「再」
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
佐
当
藤
者
寿
倫
703000035202
概
要 ………………………………………………
今日ではコンピュータは非常に馴染み深いものであ
る.PC はその最たるものであろうが,携帯電話などに
も高性能なプロセッサが組み込まれていることを意識
することは稀だと思われる.この科目では,PC や携帯
電話などで利用されているマイクロプロセッサを主に
扱い,その高速化技術について講義する.具体的には,
プロセッサの制御,パイプライン処理,記憶階層につ
いて講義する.命令レベル並列処理や入出力などにつ
いても講義する.適宜,課題を課す.講義中の演習に
重点を置く.
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
223
計算機科学と情報処理技術の基礎を幅広く学んで
様々な ICT システムを開発する能力を身につけるた
めに,コンピュータアーキテクチャ,特にプロセッサ
アーキテクチャの基礎を理解することを目標とする.
具体的には「成績評価の基準」に掲げる項目を目標と
する.
成績評価の基準 ………………………………………
1.コンピュータアーキテクチャに関する基本的な用
語を理解できる.
2.プロセッサ性能の評価方法を説明できる.
3.プロセッサ性能の改善方法を説明できる.
ヘネシー,パターソン(著),コンピュータアーキテク
チャ 定量的アプローチ 第4版,翔泳社,2008年,
8,610円(税込),ISBN-9784798114408
授業 計 画
1.ガイダンス,ディジタルな表現
2.プロセッサの制御(データの流れ)
3.プロセッサの制御(制御の流れ)
4.プロセッサの制御(命令セットアーキテクチャ)
5.パイプライン処理(基本概念)
6.パイプライン処理(データハザード)
7.パイプライン処理(制御ハザード)
8.記憶階層(参照の局所性)
9.記憶階層(キャッシュの基本)
10.記憶階層(キャッシュの改善)
11.記憶階層(仮想記憶)
12.命令レベル並列処理
13.アウトオブオーダー処理
14.入出力と周辺装置,例外処理
15.試験
この科目の授業時間数は22時間である.
履修の条件 ………………………………………………
再履修生のみを対象とする.履修済みを前提に講義
を進めるので,未履修生は登録しないこと.
成績評価の方法 ………………………………………
「成績評価の基準」に掲げた目標の一部または全部に
ついて,演習への取組状況を勘案し,定期試験(100%)
で評価する.
関連する科目 …………………………………………
「コンピュータシステムとシステムプログラムの原
理や構造を理解し,その設計や実現を効果的に行う能
力」を身につけることを教育目標とする(JABEE 学
習・教育目標の(C-1)に対応).
1年前期の「計算機科学概論」と2年後期の「計算
機工学Ⅰ」で教育されるコンピュータの基本概念に関
する知識,2年前期の「論理回路」で教育されるハー
ドウエアの基本に関する知識,そして2年後期の「ディ
ジタル電子回路」で教育される基本的なディジタル回
路素子に関する知識を踏まえ,プロセッサ内部に密接
なアーキテクチャに関する教育を行う.
コンピュータシステムの開発については,3年後期
に「マイクロコンピュータⅡ」が設けられている.
教
書 ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
坂井修一(著),コンピュータアーキテクチャ,コロナ
社,2004年,2,835円(税込),ISBN-9784339018431
1.予め講義資料を Moodle で配布するので,予習し
ておくこと.
2.講義終了後は,M oddle で提供される小テストを
行い,復習に努めること.
3.定期試験での持ち込みについては別途連絡する.
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
科
参
書 ………………………………………………
パターソン,ヘネシー(著),コンピュータの構成と設
計 ハードウエアとソフトウエアのインタフェース 第
3版(下),日経 BP 社,2006年,3,990円(税込),
ISBN-9784822282677
― 542―
科
目
名
オペレーティングシステムⅠ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
鶴
当
岡
者
知
昭
703000034401
概
要 ………………………………………………
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
オペレーティングシステム(OS)とは、中央処理装
システムの設計に参画し、社内のサーバの運用管理や
置や記憶装置、入出力装置などのハードウェアとプロ
ネットワークの管理ができるようになることを目標に
グラムなどのソフトウェアを管理して、これらを無矛
する。(JABEE の(C-1))
盾に効率よく利用することを目的として構成された基
本ソフトウェアであり、コンピュータを使いこなすた
めには、OS によって実現されている仮想記憶やタイ
テ キ ス ト ………………………………………………
ムシェアリングなどの機能がどのような仕組みで動い
清水謙多郎、「オペレーティングシステム」情報処理入
ているのか、どう構成されているのかを理解すること
門コース2、岩波書店 ISBN 9784000078528
が重要である。この科目ではこのようなことを念頭に
おいて、OS の基本的な概念をできるだけわかりやす
授業 計 画
く解説する。
1.OS 概論
一 般 目 標 ………………………………………………
OS とそれに関連するソフトウェアの概要、ユーザ
から見た使用法、ファイル、入出力、プロセスの概念
とその管理について学習する。
2.OS 概論
OS の基本機能を理解する
OS の発展と現状を学ぶ
3.オペレーション
4.オペレーション
ユーザインターフェースを学
ぶ
5.オペレーション
履修の条件 ………………………………………………
コマンドとプログラムの実行
を学ぶ
プログラムの開発と OS を学
ぶ
224
6.ファイル
ファイルの概念を理解する
電子計算機の構造および動作および演算命令や制御命
7.ファイル
ファイルの基本設計を学ぶ
令に関する基本的な知識を有すること。
8.ファイル
ファイルシステムの構造を理解する
成績評価の基準 ………………………………………
9.入出力
入出力とその制御を学ぶ
10.入出力
入出力割込みを理解する
11.プロセス
マルチプログラミングの仕組みを理
1.OS の構成と機能全般についての知識を有するこ
と。
12.プロセス
プロセス、タスクの概念を理解する
2.プロセス管理(状態遷移、プリエンプション、ラ
13.プロセス
プロセスの基本設計を学ぶ
ウンドロビン、実行制御、スケジューラー、ディスパッ
14.プロセス
スケジューリングを理解する
チャー)を理解していること。
3.カーネルと割込み制御、システムコールを理解し
シ
ラ
バ
ス
解する
この科目の授業時間数は22時間である。
ていること。
4.主記憶管理(メモリプロテクション、ダイナミッ
クアロケーション、フラグメンテーション、メモリリー
ク)を理解していること。
5.いくつかのスケジューリングアルゴリズムの特性
について知っていること。
6.待ち行列に関する初歩的な知識を有すること。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験による
― 543―
シラバス
科
目
計算機ネットワーク
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴
当
岡
者
知
昭
703000039401
概
要 ………………………………………………
現在社会の基盤のひとつともいえる情報通信ネット
ワークのうち、もっぱら電子計算機同士を結ぶ計算機
ネットワークについて学ぶことにする。計算機ネット
ワークを構成する要素は通信路と通信機器などや中継
を担当するルータなどのソフトウェア、ネットワーク
へ接続されたパソコンなどのコンピュータ機器など多
岐にわたっている。また、通信方式を規定するプロト
コルなどの理論面や実装上の諸問題など議論の尽きな
い分野でもある。通信プロトコルとしては米国で開発
された TCP/IP がインターネット用に用いられてい
るので、これに焦点をあてることにする。
7.IP パケットのルーティング(経路制御)のあらま
しを理解していること。
8.代表的な暗号化方式(RSA,DES)の特徴について
知っていること。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験による。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
企業内 LAN を構築したり、いわゆる WAN との接続
ができる程度の技術の修得し、基本的な運用・管理が
できることを目標とする。(JABEE の(C-1))
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
225
前半ではもっぱら LAN に用いられる一般的な通信
路や通信方式について学ぶが、できるだけ無線 LAN
などのトピックスについても理解がえられるようにす
る。後半ではもっぱらインターネットで採用されてい
る TCP/IP による通信技術について学習し、小規模な
ネットワークの運用、管理ができるようにする。
履修の条件 ………………………………………………
伝送路工学、無線通信工学などの基礎があることが望
ましい。
成績評価の基準 ………………………………………
1.基本的な伝送理論(伝送路、変復調方式、多重化
方式、誤り検出・訂正、信号同期方式)について知っ
ていること。
2.ネットワークの種類と特徴(LAN と WAN の定
義、代表的な特徴、構成要素)を知っていること。
3.メディアアクセス制御(データの送受信方法や誤
り検出方法などを規定する M AC
(Media Access Control:メディアアクセス制御)の基本的な仕組みを理
解していること。
4.LAN 内接続、LAN 間接続、LAN-WAN 接続の装
置の種類、代表的な特徴、各装置の機能が OSI モデル
のどの層に対応するかを理解していること。
5.ネットワーク制御(プロトコル制御、通信プロト
コル、TCP/IP、OSI 参照モデル、LAN、WAN)につ
いて理解していること。
6.インターネットプロトコル(TCP,UDP,ICMP)の
概要を理解していること。
― 544―
参
書 ………………………………………………
「TCP/IP プロトコル徹底解析」、日経 BP
ISBN-13:978-4822280376
授業 計 画
1.計算機ネットワークの概要 データ通信の方式
と歴史を学ぶ
2.TCP/IP 開発の歴史 ARPANET から TCP/
IP 誕生までを学ぶ
3.有線通信方式 伝送路、変調方式、モデム、イ
ンターフェースを学ぶ
4.無線通信方式 スペクトラム拡散、ブロードバ
ンド通信方式を学ぶ
5.LAN の 構 成 要 素 HUB、リ ピータ、ブ リッ
ジ、ルータを理解する
6.LAN の通信方式 Ethernet、FDDI、ATM 等
の方式を理解する
7.OSI プロトコル体系 通信プロトコルの階層
化を学ぶ
8.TCP/IP プロトコル⑴ IP、TCP、UDP を学ぶ
9.TCP/IP プロトコル⑵ ICMP について学ぶ
10.アプリケーションプロトコル Telnet、FTP、
HTTP 等を学ぶ
11. ネット ワーク 管 理 ⑴ ルータ の 管 理、ネット
ワークの設定等を学ぶ
12.ネットワーク管理⑵ ping, netstat, traceroute, tcpdump の使い方を学ぶ
13.セキュリティ ファイアウォール、侵入検知の
しくみを理解する
14.暗号化 RSA、DES 各種暗号化方式を学ぶ
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
マイクロコンピュータⅠ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000203901
概
要 ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
近年マイクロコンピュータ(マイコン)を組み込んだ
装置が広く出回っており、自動車、産業用ロボットや
各種制御機器にもマイコンは不可欠のものとなってい
る。マイコンはもはや汎用的な一部品であるといって
よい。マイコンは小さくとも完全なコンピュータとし
ての機能を有しているので、回路(ハードウェア)の
構成と同時に、プログラム(ソフトウェア)を用意し
ないとなんら機能しない。また、そのほかに機器を制
御するためには、物理量などを電気信号に変換するセ
ンサーや、制御動作を行うアクチュエーターなどの知
識も必要である。マイコンとしては極めて多種の製品
が使われているが、入門用にはワンチップマイコン
(PIC)が適当であると えられる。
本講義では PIC をモデルとして、ハードウェアの構
成法や制御のためのソフトウェアの え方、作成法な
どについて説明する。また、マイコンのプログラミン
グにはアセンブリ言語がよく使用されているので、そ
れらにも習熟できるよう指導する。さらに PIC プログ
ラム開発ツール MPLAB を用いてプログラムの動作
を確認する。講義の中で実習の進め方について説明す
るので、以後は各自の理解に応じて実習をすること。
論理回路、計算機工学Ⅰ、プログラミングが十分に理
解できていること。
一 般 目 標 ………………………………………………
コンピュータの中身と動作についての理解を深めると
ともに、マイコンによる制御技術を習得し、マイコン
制御技術の基礎をハードウェアとソフトウェアの両面
から身につける。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴マイコンの構成と機能を理解していること。
⑵ハードウェアとソフトウェアのインタフェース、命
令フォーマット、アドレッシング方式、アセンブリ言
語でプログラムの開発について理解していること。
⑶マイコンの応用、入出力制御、割込み制御、タイマ
の使用法についてわかること。
成績評価の方法 ………………………………………
成績評価の内訳は、期末試験(70%)、宿題や講義中に
行う小テスト(10%)、理解度確認テスト(20%)とする。
履修上の留意点 ………………………………………
特になし。
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
マイコンの特徴、PIC マイコンのアーキテク
チャ
PIC 命令セット⑴ データの表現、命令実行サ
イクル
PIC 命令セット⑵ バイト処理命令
PIC 命令セット⑶ リ テ ラ ル 命 令、ビット 命
令、ジャンプ命令
PIC 命令セット⑷ 特殊な命令
PIC プログラミングⅠ(アセンブリ言語プログ
ラムの作成法、基本処理方式)
理解度のテスト1
機械コード作成環境、MPLAB コンパイラ
PIC プログラミングⅡ(入力・出力制御)
PIC プログラミングⅢ(LED 制御、待ち時間を
作り方)
PIC プログラミングⅣ(タイマ0とプリスケー
ラの使用法)
PIC プログラミングⅤ(割込み制御)
PIC プログラミングⅥ(WDT)
理解度のテスト2
この科目の授業時間数は22時間である。
U
R
L ………………………………………………
「マイクロコンピュータⅠ」科目のホームページ
(http://133.100.26.125/ vasily/syllabus/mc/micro.
html)
テ キ ス ト ………………………………………………
堀 桂太郎(著)
「図解 PIC マイコン実習―ゼロからわ
かる電子制御」森北出版
中 尾 真 治(著)「は じ め て の PIC マ イ コ ン」2001
オーム社
授業の資料を web で公開する。
― 545―
シ
ラ
バ
ス
226
シラバス
科
目
名
マイクロコンピュータⅡ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
佐
当
藤
者
寿
倫
703000204101
概
今日では至る所に組込みシステムが存在し,わたし
達は意識することなくそれらを利用している.組込み
システムを開発するためには,その重要な構成要素で
あるプロセッサそのものを理解するだけでは十分では
なく,ハードウエアとソフトウエアそれぞれの開発工
程に関する知識が必要である.本科目では,組込みシ
ステムのためのハードウエア設計とソフトウエア設計,
そしてそれらの協調設計について講義する.適宜,課
題を課す.講義中にも演習を課す場合がある.
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
227
授業 計 画
要 ………………………………………………
ICT システムの開発に携わることのできる能力を
養うために,組込みシステムの構成や開発工程を理解
することを目標とする.具体的には「成績評価の基準」
に掲げる項目を目標とする.
成績評価の基準 ………………………………………
1.組込みシステムの要件と構成を理解し,説明でき
る.
2.組込みシステムの開発工程を理解し,説明できる.
3.組込みシステムの基本的なハードウエア構成要素
を知っており,それらの要件と動作を説明できる.
4.マイコンと周辺装置とのインターフェースを説明
できる.
1.ガイダンス,組込みシステム総論
2.組込みシステムの事例(ディジタルカメラ)
3.組込みシステムの事例(自動改札)
4.組込みシステムの事例(ロボット制御)
5.ハードウエア設計概論
6.ソフトウエア設計概論
7.演習
8.ハードウエア要素技術
9.組込みプロセッサ
10.メモリと周辺モジュール
11.関連技術
12.マイコンと周辺装置とのインタフェース(パソ
コンとの接続)
13.マイコンと周辺装置とのインタフェース(マイ
コンによる制御,センサ)
14.演習
15.試験
この科目の授業時間数は22時間である.
履修の条件 ………………………………………………
「関連する科目」に掲げられている科目を全て単位
修得していることが望ましい.
関連する科目 …………………………………………
2年後期の「ディジタル電子回路」で教育される基
成績評価の方法 ………………………………………
本的なディジタル回路素子に関する知識,3年前期の
「成績評価の基準」に掲げた目標の一部または全部に
つ い て,予 復 習 へ の 取 組 状 況 を 勘 案 し,定 期 試 験
(100%)で評価する.
「計算機工学Ⅱ」で教育されるプロセッサの基本概念に
関する知識,そして3年前期の「マイクロコンピュー
タⅠ」で教育されるマイコンの利用に関する知識を踏
まえ,プロセッサを利用する組込みシステムの開発に
教
科
書 ………………………………………………
戸川望(編・著),組込みシステム概論,CQ 出版社,
2008年,2,730円(税込),ISBN-9784789845502
関する教育を行う.
履修上の留意点 ………………………………………
1.予め講義資料を Moodle で配布するので,予習し
参
書 ………………………………………………
枝廣正人(編・著),組込みプロセッサ技術,CQ 出版
社,2009年,2,940円(税込),ISBN-9784789845496
阪田,高田(著),組込みシステム,オーム社,2006年,
3,150円(税込),ISBN-9784274203107
― 546―
ておくこと.
2.講義終了後は,M oddle で提供される小テストを
行い,復習に努めること.
3.定期試験での持ち込みについては別途連絡する.
科
通
信
方
目
名
期
式(通信への入門科目) 前
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
古
当
田
者
洋
介
703000202901
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
電話線・同軸ケーブルや光ファイバなどの有線通信
1.通信の概念1
固定電話を例に取った通信の仕組み
から無線通信に至るまで通信線路の特徴とそれに対応
した変調、その結果生じるキャリアや側波帯など周波
2.通信の概念2
信号と周波数スペクトル、ベースバンド伝送と
数成分といった通信の基礎部分をカバーしている。
搬送波伝送など通信の基本事項の解説
2地点間の通信を中心に取り扱う。ネットワークに関
しては次の講義に譲る。
3.多重伝送
周波数分割多重と時分割多重
4.通信路の特徴1
学習・教育目標 ………………………………………
高度情報化社会を支えるコア技術の一つである電気
ペア線(電話)、閉空間(同軸ケーブル、導波管)
5.通信路の特徴2
自由空間(放送、衛星通信、無線通信)
通信の最も基礎的なしくみを学び、多様な通信システ
ムを理解するための知識を得ることを目標とする。ア
6.通信路の特徴3
ナログ・ディジタル通信の基礎を学んだ後に、周波数
7.変調1
光ファイバ
分割多重化や時分割多重の仕組みへ進む。変調・復調
アナログ変調(振幅変調、周波数変調、位相変
に関しては原理構成にとどめる
調)、サンプリング定理
8.変調2
ディジタル変調(振幅偏移変調、周波数偏移変
成績評価の基準 ………………………………………
調、位相偏移変調)
⑴通信の基本概念、多重化の基本構成を理解している。
9.変調3
⑵変調・復調の原理を理解している。
10.復調
⑶標本化定理を理解している。
11.中継伝送による長距離通信
PCM
228
大陸横断通信、海底ケーブル通信
12.時間同期
時間管理・精度の重要性
履修の条件 ………………………………………………
13.光ファイバ通信
電気回路基礎Ⅰ・Ⅱ、基礎電子回路、アナログ回路、
14.各種通信システムへの展開
ディジタル電子回路、電気磁気学Ⅰ・Ⅱ、電子情報系
この科目の授業時間数は22時間である。
数学等の各科目を履修・理解していることを前提とし
た科目です。
成績評価の方法 ………………………………………
テ キ ス ト ………………………………………………
宮内一洋著:「通信方式入門」(コロナ社)2,835円
ISBN978-4-339-00582-0
講義中での評価20%、定期試験80%で評価する。
参
履修上の留意点 ………………………………………
固定電話・携帯電話・無線 LAN・インターネットな
ど通信を意識せず使っていると思います。講義の内容
をこれらの通信と関連させて理解するよう心がけてく
ださい。講義後に課題を提示し次回の講義開始時にレ
ポートを提出してもらいます。
シ
ラ
バ
ス
書 ………………………………………………
⑴高作義明:「通信の仕組み」(新星社)
ISBN978-4-405-10665-9
⑵植松友彦著:「よくわかる通信工学」(オーム社)
ISBN978-4-274-13041-0
⑶畔柳功芳著:電子情報通信学会大学シリーズ F-1
「通信工学通論」(コロナ社)
ISBN978-4-339-00029-0
― 547―
シラバス
科
目
名
電 磁 波 理 論
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
文
当
仙
者
正
俊
703000219501
概
要 ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
ラジオ・テレビ放送や携帯電話等に用いられる電波、
微分積分 I-IV と電気磁気学 I-II の講義内容が理解で
より周波数の高い赤外線、可視光、紫外線等もその正
きていること。
体はみな電磁波である。本講義ではこの電磁波の振る
舞いがマクスウェルの方程式により説明されることを
授業 計 画
学習する。特に基本的な波動である平面波の伝搬につ
いて理解を深め、その反射、透過、屈折等の物理現象
1
電磁波とその応用分野
について学ぶ。
2
波の表現-平面波と球面波
3
分布定数回路中の波
4
ベクトル場とベクトル演算子
5
マックスウェルの方程式と変位電流
⑴ 波動の数式的表現と性質を理解する。
6
波動方程式とその解
⑵ 電磁波の基本的な性質を理解する。
7
波動方程式とその解
⑶ 電気回路中の波動現象を理解する。
8
電磁波の基本的性質1
9
TEM 波、偏波、時間周波数と空間周波数
電磁波の基本的性質2
学 習 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
成績評価の基準 ………………………………………
229
⑵ 電磁波の反射・屈折・干渉等について理解し、説明
⑴ 波動、特に平面波の振る舞いを理解し、説明できる
こと。
3次元空間を伝搬する波
ポインティングベクトル、電磁波の放射と受信
10 電磁波の基本的性質3
損失性媒質
できること。
⑶ 集中定数回路と分布定数回路の違いを理解し、説明
できること。
11 平面波の反射屈折1
波動インピーダンス、境界条件、垂直入射
12 平面波の反射屈折2
干渉と多重干渉
13 平面波の反射屈折3
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(70%)と授業中に行う小テスト(30%)と
で評価する。
教
科
書 ………………………………………………
「光・電磁波工学」鹿子嶋憲一,コロナ社,ISBN-10:
433901849X
注 意 事 項 ………………………………………………
⑴ 講義中の演習で使用するので関数電卓を持参する
こと。
⑵ 3年次後期開講の「光情報素子工学」を受講する学
生は、本科目を受講することを薦める。
⑶ 適宜演習や小テストを行うので、予習復習をするこ
と。
― 548―
斜め入射、スネルの法則
14 平面波の反射屈折4
反射係数、透過係数、全反射、ブリュースタ角
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
電子工学実験A(変調・復調・増幅回
路等アナログ回路実験)
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
古田
当
者
洋介・太郎丸
(佐藤 伴昭)
眞
703000032601
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
基礎電子回路・アナログ回路などの科目で学習した回
1:テキスト配布・班分け・諸注意
路の動作や特性を実験によって確かめることにより、
2−3:低周波増幅回路
トランジスタ回路の理解を深める。
エミッタ接地の低周波増幅回路の理論計算と特性
測定を通して、バイアス回路や帰還増幅回路に関す
る理解を深める。
一 般 目 標 ………………………………………………
4−5:高周波増幅回路
増幅回路、変調回路の動作や特性を実験により理解す
FET による高周波増幅回路の段間結合に、単一同
調回路や複同調回路を用いる場合の特性の違いを把
る。
握する。
6−7:リング変調回路
成績評価の基準 ………………………………………
搬送波除去通信に広く利用されている代表的な平
1:各実験項目の内容を理解し、データが適切にまと
衡変調器であるリング変調回路の特性を理解する。
められていること。
8−9:振幅変調及び復調回路
2:全ての実験を行い、レポートを提出していること。
コレクタ変・復調回路を用い、変調度の測定や回
路定数による変調・検波波形の変化を観察し、これ
らの回路の特徴を把握する。
成績評価の方法 ………………………………………
全実験を行ないレポートを提出していること。
レポートについては指摘事項がある場合は再提出をし
ていること。
10−11:電力増幅回路
OTL 増 幅 回 路 と し て 一 般 的 な SEPP(Single
Ended Push-pull)回路を用いて、負荷抵抗値の出
力波形への影響、利得の周波数特性、無歪最大出力
など電力増幅回路の特性を理解する。
12−13:低周波増幅回路の制作
履修の条件 ………………………………………………
電子回路関係の講義内容を理解していること。
トランジスタの特性や回路素子の定数を確認し、
半田付けにより基板上に回路を作成する。
14−15:実験総括
テ キ ス ト ………………………………………………
最初の授業時間に配布します。
履修上の注意 …………………………………………
1:少人数かつ限られた時間での実験なので、実験が
参
書 ………………………………………………
スムーズに進むように事前に実験内容について予習し
ておくこと。やむを得ず欠席する場合は事前に実験指
講義課目の電子回路素子・基礎電子回路・アナログ回
導者に必ず連絡しておくこと。
路のテキストや講義ノートを役立てること。又、図書
2:実験テキストに「実験に関する注意」「レポートの
館にも多くの本があります。
書き方」「グラフの書き方」など詳しく説明しているの
で十分に読み、レポート作成を行うこと。
3:レポートの内容・書き方が不備であれば返却・再
提出となる。実験指導者の OK を得てレポート提出
(受理)となるのでこの点は特に留意すること。
― 549―
シ
ラ
バ
ス
230
シラバス
科
目
名
電子工学実験B
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
佐藤 寿倫・末次
正
崔
雲・林田 隆則
(松村貴嗣)・(秋富拓也)
703000032801
概
要 ………………………………………………
最近のエレクトロニクスの発達は,マイコンを始め
とする半導体の進歩に預かるところが極めて大きい.
授業 計 画
1.Verilog HDL:ハードウエア記述言語を用いた
LSI 設計について,その設計フローを理解し,設
計支援ツールの利用法を習得する.
LSI(大規模集積回路)は,複雑な電子回路を一つのデ
バイスに集積し,回路部品を組み合わせる感覚で,複
2.ストップウォッチ:ハードウエア記述言語を用
雑なシステムを構成できるものである.LSI にはオペ
いて設計し,シミュレーションにより検証した
アンプ(演算増幅器)に代表されるアナログ LSI と,
うえで,FPGA ボード上に実装する.一連の設
計フローとツールの利用法を体得する.
マイコンに代表されるディジタル LSI がある.
この実験は,ディジタル LSI の設計フローとその支
3.簡易電卓:ハードウエア記述言語を用いて設計
援ツールの利用法とを理解し,ディジタル回路を実際
し,シミュレーションにより検証したうえで,
に設計し,FPGA 上に実装してその動作を確認するこ
とによって,ディジタル工学の技術を習得しようとす
FPGA ボード上に実装する.LSI の設計・検証
を体得する.
るものである.
この実験の特徴は,少人数のグループ毎に専用の実
験装置(パソコンと FPGA ボード)を準備し,各グルー
シ
ラ
バ
ス
231
関連する科目 …………………………………………
プがそれぞれの理解度に応じた早さで実験を進めてい
2年前期の「論理回路」で教育されるディジタル回
けるようにしたことである.学生は実験テーマを前
路の基本に関する知識,2年後期の「ディジタル電子
もってテキストや参
回路」で教育される FPGA デバイスに関する知識,そ
書で予習し,理解してから実験
に取りかかる.
この実験ではマイコン関連のテーマは扱わないが,
マイコンおよび周辺回路に関する知識をある程度身に
つけることができるように指導を行う予定である.
して2年後期の「電子情報工学実験 B」で教育される
基本的なディジタル回路設計に関する技能を踏まえ,
システム LSI 設計の基本に関する教育を行う.
コンピュータシステムの開発については3年後期の
「マイクロコンピュータⅡ」が設けられている.
成績評価の基準 ………………………………………
出席して実験に参加したうえで,レポートを提出す
ることが必須である.
履修上の留意点 ………………………………………
1.実験に取り掛かる前にテキストで予習し,その原
理・内容を良く把握しておくこと.
成績評価の方法 ………………………………………
実験および予復習への取組態度を勘案し,レポート
と試問で評価する.
テ キ ス ト ………………………………………………
適宜,資料を配布する.
参
書 ………………………………………………
深山正幸 他(著),HDL による VLSI設計 第2版,共
立出版,2002年,3,990円(税込),ISBN-9784320120273
小林優(著),入門 Verilog HDL 記述,CQ 出版,2004
年,3,360円(税込),ISBN-9784789833981
― 550―
2.実験終了後は復習し,実験結果を理解してレポー
トにまとめること.
科
目
電子情報工学特別演習
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
末次 正・友景 肇・鈴木孝将
吉村賢治・太郎丸眞・古田洋介
文仙正俊・モシニャガ ワシリー
佐藤寿倫・荒牧重登・鶴岡知昭
首藤公昭・森元 逞・鶴田直之
703000031001
概要と学習の目標 ……………………………………
この科目は4年次進学以前にできるだけ専門性を身
につけ、先端技術への目を開かせるために開設された。
4年次開講の卒業論文への導入という意味で「プレ卒
論」と略称されることがある。
授 業 方 法 ………………………………………………
学生は各教員の研究テーマを選び、各研究室で少人
数のセミナー形式で演習を行うものである。4年次で
履修する卒業論文の準備段階として位置づけられるの
で、学生の主体的な態度が要求される。
この科目の授業時間数は、科目に先立って行われる
ゼミの説明会も含めて45時間である。
成績評価の基準
………………………………………
⑴文献や種々の情報媒体を利用して情報を集め、自主
的、継続的に学習できていること。
⑵与えられた要求や課題を説明できること。
⑶自分で行った設計や演習の内容を説明できること。
⑷以上の内容を計画的に実行し、成果としてまとめて
いること。
成績評価の方法
………………………………………
成績の内訳は平常点50%、プレゼンテーションの評
価点50%とする。平常点、プレゼンテーションの評価
点の具体的な評価方法については学科のホームページ
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/)に掲載する。
履修上の留意点
………………………………………
この科目の内容は、セミナー形式の演習と課題の達
成とそのプレゼンテーションなので、毎回の予習と復
習および自主的な学習態度が必須になる。
J AB EE 学習・教育目標 …………………………
JABEE 学習・教育目標の(A-3)文献や種々の情報
媒体を利用して情報を集め、自主的、継続的に学習で
きる能力、
(C-4)
論理的な文章の記述や口頭発表によ
り情報システムを説明する能力、
(C-5)
与えられた制
約の下で情報システムを構築するために計画的に仕事
を進め、まとめる能力、に対応している。
授 業 計 画
◎教 授 荒牧 重登
卒論の準備として、知能ロボットや自律自動車のソ
フトとハードに関する基礎を学ぶ。
◎教 授 古田 洋介
ゼミ形式で光についての基礎学習の後に光の干渉・
回折もしくは通信実験を行います。ゼミ発表により
プレゼンテーション能力を高めることも重要視して
います。
◎教 授 佐藤 寿倫
計算機工学ⅠとⅡで学んだマイクロアーキテクチャ
について学習する。輪講により知識を深めるととも
にソフトウエアシミュレーションによって既存技術
の効果を確認する。
◎教 授 首藤 公昭
言語をコンピュータで取り扱うことは情報工学の重
要な研究テーマであるが、この分野の研究を行うた
めの基礎的な事柄を解説する。
◎教 授 吉村 賢治
形態素解析、構文解析、意味解析など自然言語処理
の基礎的な技術の学習とプログラミング言語
JAVA を用いたオブジェクト指向プログラミング
の入門を行う。
◎教 授 森元 逞
音声認識、言語モデル、言語解析、対話処理、マイ
コン制御などについて基礎的な学習を行う。また,
実験システムの使用方法やプログラミング技術につ
いても実習を行う。
◎教 授 友景 肇
シリコンウェハ上に M OS トランジスタを集積した
IC をクリーンルーム内で実際に製作する。製作プロ
セスは酸化、拡散、リソグラフィ等からなり、それ
ぞれの工程を実習する。
◎教 授 モシニャガ ワシリー
組み込みシステム設計に関する学習、または画像処
理プログラミングを行う。次に、与えられた課題を
実現する簡単なシステムを構築し、その報告を発表
会形式で行う。
◎教 授 鶴田 直之
画像処理工学の理解を深めるためのPBL(グルー
プ単位で自らプロジェクトを企画し、進 を管理し
ながらシステムを作る)形式で面白い画像処理の開
発を行う。
◎教授 末次 正
基礎的な電子回路の製作実習を行う。SPICE の使用
方法、実験装置の使用方法を学習する。
◎教授 太郎丸 眞
携帯電話や無線 LAN に代表されるディジタル無線
通信システムに関する基礎的な理論とシステム構成
を学習する。
◎准教授 鶴岡 知昭
ネットワーク通信技術や待ち行列理論について学習
すると同時にコンピュータを使った通信、インター
ネットで利用される各種機器についても習熟できる
ようにする。
◎准教授 鈴木 孝将
4年次の卒論への準備として、表面物理学や表面ナ
ノ電子物性の基礎的な事を学習する。
また、実際の表面分析装置や超高真空装置の取扱い
等についても学習する。
◎准教授 文仙 正俊
光学の基礎理論について学習し,光の波動的性質を
十分に理解することを目的とする。
学習したことを確認するための光学実験も行う予定
である。
U
R
L ………………………………………………
学科のホームページ
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/)
― 551―
シ
ラ
バ
ス
232
シラバス
科
目
名
コンパイラ構成法
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
首
当
藤
者
公
昭
703000038801
概
要 ………………………………………………
我々は通常、C言語等のプログラミング言語を使っ
て計算機ハードウェアを動かしている。ハードウェア
自体はその計算機固有の機械語で指示されなければ動
けないので、プログラミング言語で書かれたプログラ
ムを機械語あるいはアセンブリ言語のプログラムに翻
訳するコンパイラが必要となる。コンパイラはOSの
一部として供給されるが、情報技術者はその概要を理
解しておく必要がある。この科目はまず、目標言語と
なるアセンブリ言語、機械語への理解を深めた後、C
言語からアセンブリ言語に翻訳するコンパイラについ
て入門的な解説を行う。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
コンピュータシステムとシステムプログラムの原理
や構造を理解し、その設計や実現を効果的に行う能力。
(JABEE 学習・教育目標の(C−1)に対応)
授業 計 画
授業計画
1
・
2
コンパイラの
概要
一般的なコンパイラの構成、機
能を理解する。
3
C OM E T Ⅱ
のハードウェ
ア
基本情報技術者試験のモデル計
算 機 COMET Ⅱ の ハード ウェ
アを理解する。
4
・
5
・
6
CA S L Ⅱ に
よるプログラ
ミング
基本情報技術者試験のアセンブ
リ言語 CASL Ⅱを理解し、簡単
なプログラムが読めるようにな
る。
7
字句解析
C言語を例とした字句解析の概
要を理解する。
8
・
9
構文解析
C言語を例とした構文解析の概
要を理解する。
10 意味解析
C言語を例とした意味解析の概
要を理解する。
11
12
コード生成
13
14
Pentium プ ロ セッサ の ア セ ン
ブリ言語を知り、Pentium プロ
セッサ上のC言語を例と し た
コード生成の概要を理解する。
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
233
⑴組込み型ソフトやOSの開発に携わるエンジニアに
はハードウェアとソフトウェアの繋ぎの部分に相当す
る機械語およびアセンブリ言語を理解し、アセンブリ
言語を使う能力が必要である。まず、入門的レベルで
この能力を身に付ける。
⑵C言語をアセンブリ言語に変換するコンパイラの基
本構成、機能について理解する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴基本情報技術者試験のアセンブリ言語CASLⅡを
理解している事。
⑵CASLⅡで簡単なプログラムが組める事。
⑶ Pentium のアセンブリ言語の概要を知っている事。
⑷C言語から Pentium のアセンブリ言語に翻訳する
コンパイラの基本構成、機能を理解している事。
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験による。
履修の条件 ………………………………………………
学習目標
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
配布資料と
湯浅太一;「コンパイラ」情報系教科書シリーズ、昭
晃堂 ISBN4-7856-2050-1 C3355
プログラミング言語Ⅰ、Ⅱを履修していること。
参
履修上の留意点 ………………………………………
オートマトンと言語理論を同時履修する事が望まし
い。授業1週間前には講義内容のハンドアウトを配布
するので事前に目を通して出席し、講義後は1週間以
内にこ此れをもとに自分のノートに整理すること。
― 552―
書 ………………………………………………
疋田輝男、石畑清;「コンパイラの理論と実現」計算
機科学・ソフトウェア技術講座、共立出版
吉村賢治;「C言語によるプログラミング入門」、昭晃
堂
科
目
名
ソフトウェアシステム設計Ⅰ
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴
当
田
者
直
之
703000239001
概
要 ………………………………………………
情報処理技術者を目指すものは、単にプログラムを
コーディングするだけのプログラマではなく、問題を
把握してシステム全体を設計し、その開発を管理でき
るシステム・エンジニアに成長することが望まれてい
る。本講義では、その成長の過程で必要とされる基本
知識について学習する。
一 般 目 標 ………………………………………………
実際に大規模なシステムの開発に携わるエンジニア
に求められる3つの能力は、
1.標準化された仕様記述を読み書きでき、開発メン
バ間で正しく情報を共有できる能力、
2.典型的な設計戦略を理解し、利用できる能力、
3.一般的なデザインパターンを熟知し、それを応用
して短期間で設計を完成させる能力、
である。本講義では、主に上記の1と3を習得するこ
とを目標とする。
成績評価の基準 ………………………………………
1.クライアント・サーバ型システムの基本構成につ
いて理解し、典型的な設計戦略を知っていること。
(授業計画の1∼4)
2.フローチャートやUMLなど標準的な仕様設計書
の構成要素とその役割について理解していること。
(授業計画の5∼6)
3.ユーザインターフェイスの設計法とユニバーサル
デザインなどの一般的なデザインパターンについ
て知っていること。(授業計画の9)
4.クライアント・サーバシステムに用いられる主要
な技術について、その違いや特徴を理解している
こと。(授業計画の10∼14)
授業 計 画
授業計画
学習目標
1
3、4階層の
Web ア プ リ
ケーション
3、4階層の Web アプリケー
ションの構造と原理を理解し、
CGIを動かしてみる。
2
プロセス間通
信
ソケットを用いたプロセス間通
信について理解する。
3
通信の多重化
select 関数を用いた通信の多重
化について理解する。
4
高度な通信の
実現
多対一通信で必要な排他制御や
優先制御、
セッション管理、
コー
ルバックの設計パターンについ
て理解する。
5
逐次アルゴリ
ズムの記述法
比較的小規模な逐次アルゴリズ
ムの記述方法を理解し、実際に
読み書きをやってみる。
6
並行処理アル
ゴリズムの記
述法
シナリオ図、関連図、静的構成
図からなる並列処理アルゴリズ
ムの記述方法を理解し、実際に
読み書きをやってみる。
オブジェクト
指向の基礎
続く授業計画8∼11までを理解
するのに必要なオブジェクト指
向概念を学ぶ。
9
ユーザ イ ン
ターフェイス
の設計・実装
イベント駆動型処理と設計方式
と applet について理解する。ま
た、ユーザインターフェイスの
重要性とユニバーサルデザイン
について知る。
10
データベース
応用
W e b ア プ リ ケーション で の
データベース活用について知る。
7
8
11
成績評価の方法 ………………………………………
12
定期試験(60%)と平常点(40%)で評価する。平
常点は、出席者のみに課す、ほぼ毎回の予習復習課題
にて評価する。
13
14
さまざまな実
現方式
データの構造
化
Servlet と JSP の設計パターン
を知る。
PHP の設計パターンを知る。
XM L について知る。また、全体
の復習を行い質問を受付ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
社会の要求を解決する情報システムをデザインする
能力。
(JABEE 学習・教育目標の(C−3)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
プログラミング言語Ⅰ、Ⅱ、記号処理プログラミン
グ、データ構造とアルゴリズムが十分に理解できてい
ること。
参
書 ………………………………………………
教科書:資料を講義中に配布し、学内の M oodle シス
テムサービスでも公開する。
参 書:雪田、UNIX ネットワークプログラミング入
門、技術評論社 ISBN 47
7
4
11
7
5
44
参 書:依田訳、実践 UM L、ピアソン・エデュケー
ション ISBN 48
9
4
7
10
7
73
●ほぼ毎回の予習復習課題は学内の M oodle システム
サービスを用いる。
U
R
L ………………………………………………
M oodle システムサービス
(https://moodle.cis.fukuokau.ac.jp/)
履修上の留意点 ………………………………………
本講義は、ソフトウエアシステム設計Ⅱの基礎とな
る。また、本学大学院では、ITスペシャリストの育
成に力を入れており、2科目とも進学予定者には必須
の講義である。
平常点にかかる予習復習には十分な時間を割くこと。
― 553―
シ
ラ
バ
ス
234
シラバス
科
目
データベースシステム
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴
当
岡
者
知
昭
703000034801
概
要 ………………………………………………
データを蓄積し、再利用することは、計算機利用の
主たる目的のひとつであり、データベースの分野で
様々な技術が開発されている。この科目では、このよ
うなデータベースの基礎的技術を解説する。特に広く
使われ始めたリレーショナルデータベース(RDB)に
焦点をあて、データベースの重要性とその動作メカニ
ズムを示し、データベース言語 SQL の記述法を学ぶ
ことによりデータベースに関する理解を深めることを
目的とする。
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
235
データベースの重要性を理解し、ネットワーク型を
初めとする各種 DBM S(データベース管理システム)
について理解を深める。リレーショナルデータベース
では関係モデルの概念や、代数学的概念について学習
し、抽象的な概念に慣れ親しむようにする。リレーショ
ナルデータベースでは特有の正規化と呼ばれる概念が
ある。これらを概念的に学習するだけでなく、DBM S
上で SQL を操作するなどの方法で具体的なイメージ
を獲得するようにする。
履修の条件 ………………………………………………
RDM S のインストールを行い、データベースの作成、
テーブルの操作などの自習ができるようなパソコン環
境をもっているのが望ましい。
成績評価の基準 ………………………………………
1.代表的なデータベースの種類、データの表現構造、
レコード間の関連付けの方法など種類ごとの代表的な
特徴を知っていること。
2.データベースでは、システムの利用者やプログラ
ムから見たデータの定義、論理的なデータ構造、物理
的なデータ構造の3層を区別することでデータの独立
性を高めていること、データモデルの種類、3層スキー
マの え方を理解していること。
3.関係データモデルにおいて、データがどのように
表されるのか、表の構成、 え方、複数の表の関係付
けを理解していること。
4.データベース管理システム(DBM S)は、対象と
するデータモデルに沿って、データを構造的に蓄積し、
それらの一貫性を保ち、効率的に取り出すための機能
を備えることを理解していること。
5.データの正規化の目的と手順、第一正規化、第二
正規化、第三正規化を理解していること。
― 554―
6.関係データベースのデータの操作としてデータの
挿入、更新、集合演算(和、差、積、直積)、関係演算
(選択、射影、結合、商)などの代表的なデータの操作
を理解し、SQL での表現ができること。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験による。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
データベースシステムの概念設計に参画し、専門家の
補助業務ができることを目標とする。(JABEE の(C1))
テ キ ス ト ………………………………………………
川越恭二著、「楽しく学べるデータベース」、昭晃堂、
ISBN978-4-7856-3158-1
授業 計 画
1.基本概念 データベースの歴史、CODASYL を
学ぶ
2.データモデル データと操作の対応付け、各種
モデルを理解する
3. RDB 序論 リレーショナルデータモデルの概
念を理解する
4.第1正規形を理解する
5.第2正規形を理解する
6.第3正規形とその他の正規形を理解する
7.整合性制約 ドメイン制約、キー制約を理解す
る
8.整合性制約 従属性、関数従属を理解する
9.リレーショナル代数 リレーショナル演算子、
和、差、直積、射影を理解する
10.リレーショナル代数 結合、自然結合、共通部
分を理解する
11.SQL による操作を学ぶ
12.データベースの作成 データベースの設計、運
用、管理を学ぶ
13.トランザクション管理 トランザクションと分
散処理を理解する
14.その他の DBM S 情報検索専用システムなど
の手法を学ぶ
この科目の授業時間数は22時間である。
科
情報工学実験A
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
モシニャガ,ワシリー
703000035401
概
要 ………………………………………………
近年,集積回路および計算機アーキテクチャ工学の進
歩により,低価格の万能素子(マイクロプロセッサ)
があらゆるところで用いられるようになり,さらには
組込みシステムの1チップ集積化が可能になっている.
そうした今日において,諸君らはマイクロプロセッサ
や LSI 設計手法に関する十分な知識を持ってなけれ
ばならない.そこで本実験では組込みシステムを設計
するにおいて,マイクロプロセッサの動作,LSI 設計手
法,およびそのシステム作成の手法について学習する.
前半では500inOne エレクトロニクス・ラボ機材を使用
し,初歩的なマイクロプロセッサを用いたシステムの
組み立てについて学習する.後半では「LSI 論理回路設
計」と「マイクロプロセッサ実験」にテーマが分けら
れ,どちらか一方を選択する.LSI 論理回路設計では
ハードウェア記述言語について学習した後,FPGA
ボード上にやや大規模なディジタル・ハードウェアを
実現してみる.マイクロプロセッサ実験では14ビッ
ト・マイクロコントローラ LSI(PIC)を用いた単純な
組込みシステムの作成手法を学習した後,ライント
レーサー・ロボットのプログラミングまで行う.
一 般 目 標 ………………………………………………
⑴ 簡単なハードウェア回路を作成し,その動作を確
認する.
⑵ 初歩的なマイクロプロセッサを用いたシステムを
作成し,その動作を理解する.
⑶ ハードウェア記述言語を用いた論理回路設計手法
について理解する.またはマイクロコントローラを用
いたシステム設計手法について理解する.
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
コンピュータシステムの原理や構造を理解し,その設
計や実現を効果的に行う能力.(JABEE 学習・教育目
標の(C−1)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
論理回路とディジタル電子回路の内容を十分に理解で
きていること。
マイクロプロセッサ実験を選択することを希望する者
は「マイクロコンピュータⅠ」科目をあわせて受講す
ること。
履修上の留意点 ………………………………………
情報工学実験AとBは同時並行的に進行する。
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
実験の概要説明
実験用の LED 点灯回路の製作
実験用7セグメント LED 回路の製作
ステッピングモータ駆動回路の製作
マイコンの命令と基本プログラミング
マイコンを使用したオシロスコープへの文字表
示
7 7セグメント LED 制御回路と分岐プログラム
作成
8∼14 LSI 設 計 実 験 ま た は PIC マ イ ク ロ プ ロ
セッサ応用実験
15 最終報告書提出
この科目の授業時間数は45時間である。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ ハードウェア回路の構成,動作を理解しているこ
と.
⑵ ハードウェア記述言語である Verilog-HDL によ
る回路記述作成手法,またはマイクロコントローラの
アセンブリ言語によるプログラム作成手法を理解して
いること.
⑶ Verilog-HDL を用いてディジタル・ハードウェア
を設計する手法,またはマイクロコントローラを用い
た組込みシステムを設計する手法を理解していること.
U
レポートにより評価する.全ての実験に出席し、かつ
全レポートを提出すること.欠席した実験のレポート
は受理しない。やむを得ず欠席した場合は, 別の日に
再実験を行う.
L ………………………………………………
情報工学実験 A ポータルサイト
(http://vasily00.tl.fukuoka-u.ac.jp/ expstaff/)
テ キ ス ト ………………………………………………
最初の時間に「実験の手引き」を配布する。
参
成績評価の方法 ………………………………………
R
書 ………………………………………………
⑴ 浅田邦博編:ディジタル集積回路の設計と試作
(培風館)
⑵ 中尾真治 はじめての PIC マイコン(オーム社)
― 555―
シ
ラ
バ
ス
236
シラバス
科
情報工学実験B
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴田
田辺
当
者
直之・高橋 伸弥
利文・前田佐嘉志
703000035601
概
シ
ラ
バ
ス
237
要 ………………………………………………
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
情報処理技術者を目指すものは、単にプログラムを
コーディングするだけのプログラマではなく、問題を
把握してシステム全体を設計し、その開発を管理でき
るシステム・エンジニアに成長することが望まれてい
る。本実験では、その成長の過程で必要とされる基礎
能力を習得する。設計の例題には、1年次のプログラ
ミング演習で利用した「プロナビ・システム」を用い
る。
社会の要求を解決する情報システムをデザインする
能力。(JABEE 学習・教育目標の(C−3)に対応)
一 般 目 標 ………………………………………………
授業 計 画
実際に大規模なシステムの開発に携わるエンジニア
に求められる能力は、
1.標準化された仕様記述を読み書きでき、開発メン
バ間で正しく情報を共有できる能力。
2.典型的な設計戦略を理解し、利用できる能力。
3.一般的なデザインパターンを熟知し、それを応用
して短期間で設計を完成させる能力。
である。本講義では、上記⑴と⑵に関する主な基礎能
力を習得することを目標とする。
成績評価の基準 ………………………………………
テーマ1:プログラム開発を効率的に行う方法(関数
化、分割コンパイル、ライブラリ化)が分かっている
こと。
テーマ2:プログラム開発を効率的に行うための道具
立て(ライブラリ、make)及び開発手法(動作テスト)
について理解しており、利用方法が分かっていること。
テーマ3:クライアント・サーバ型システムの基本機
能について理解しており、実装方法が分かっているこ
と。
テーマ4:クライアント・サーバ型システムで起こり
がちな問題点を理解しており、改良方法が分かってい
ること。
テーマ5:ユーザインターフェイスの重要性とユニ
バーサルデザインについて説明できること。
また,テーマ1から5を通して、仕様記述を読んで
作成すべきシステムの内容を理解でき、かつ作成すべ
きシステムが正しく動作していること。
成績評価の方法 ………………………………………
テーマごとの実験終了後に提出するレポートにより
理解度を評価する。同じく、テーマごとの実験中の最
後に試問を行い、システム作成の達成度を評価する。
レポート70%、試問30%、合計100%で評価する。ただ
し、皆出席し、かつ全レポートを提出すること。欠席
した実験のレポートは受理しない。やむを得ず欠席し
た場合は、別の日に再実験を行うこと。
― 556―
参
書 ………………………………………………
最初の時間に「実験の手引き」を全員に配布する。
プログラミング言語Ⅰ、Ⅱ、データ構造とアルゴリズ
ムの授業内容。
1
授業計画
実験の概要説
明
学習目標
実験の概要と注意事項を知る。
2
3
4
テーマ1:プ
ロナビシステ
ムの設計
関数化、分割コンパイル、ライ
ブラリ化が分かる。
5
テーマ 2:
CGI プ ロ グ
ラムの改良
ライブラリ、make の使い方、動
作テスト方法が分かる。
テーマ 3:
プロナビシス
テムの改良
クライアント・サーバ型システ
ムを構築し、その基礎を知る。
9 テーマ 4:
10 サーバプロセ
11 スの高機能化
実用的なクライアント・サーバ
型システムの構造を理解する。
6
7
8
ユーザインターフェイスの重要
性とユニバーサルデザインにつ
いて理解する。
設計したユーザインターフェイ
スの品評会(コンテスト)を行
う。
テーマ5のレ レポート提出状況のチェックな
15
ポート提出
どを行う。
この科目の授業時間数は45時間である。
12
テーマ 5:
13 ユ ー ザ イ ン
ターフェイス
14 の設計
U
R
L ………………………………………………
実験内容や FAQ、連絡用のホームページ
(http://media.tl.fukuoka-u.ac.jp/ie/)
履修の条件 ………………………………………………
プログラミング言語Ⅰ、Ⅱ、データ構造とアルゴリ
ズムが十分に理解できていること。
履修上の留意点 ………………………………………
情報工学実験AとBは、科目は別であるが表と裏の関
係にあり、同時に進行する。
科
目
名
情報伝送工学
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
太郎丸
者
眞
703000002801
概
要 ………………………………………………
近年ディジタル通信技術が急速に進歩し、ADSL や
光ファイバによるインターネットアクセス、第3世代
(3G)携帯電話、WIFI 無線 LAN 等の新しい通信方式
が一般家庭にも浸透し、ブロードバンド化が進んでい
る。本講義ではこれらの身近な通信システムやネット
ワーク機器を理解する上で、あるいは新たなシステム
や装置を設計・開発するうえで基礎となる以下の事項
について学習する。
⑴通信網における交換と通信手順
⑵搬送波ディジタル伝送における各種多重方式と特徴
⑶搬送波ディジタル伝送における各種変調方式と特徴
⑷雑音による符号誤りの発生原理と回線設計
一 般 目 標 ………………………………………………
高度情報化社会を支えるコア技術の一つである電気
通信の最も基礎的な理論と実例について学び、通信シ
ステムやネットワーク機器を設計・開発・維持管理す
るうえで基礎となる上記項目を理解することを目標と
する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴通信網における交換とトラフィック理論の概要につ
いて理解していること。
⑵通信手順と標準化の意義について理解していること。
⑶無線通信システムと多元接続方式の概要について理
解していること。
⑷搬送波ディジタル伝送の各種方式を理解しているこ
と。
⑸雑音指数と雑音温度について理解し、基本的な回線
設計ができること。
に教科書を予習し、キーワードだけでも頭に入れてお
くこと。理解できない所、難解な所は自分なりに自由
に想像し、何らかのイメージを持つこと。板書は丸写
しせず、授業の要点やテキストに書かれていない事項
を中心にノートを取り、復習時にポイントをまとめた
自分オリジナルのノートを作ること。
授業 計 画
1.通信網トポロジーとトラフィック理論の基礎
2.パケット交換と回線交換
3.時分割多重とフレーム構成
4.通信手順(プロトコル)と標準化
5.LAN におけるプロトコルと階層化
6.無線 LAN のプロトコルと標準化
7.各種無線通信システムと多元接続方式
8.符号分割多元接続と携帯電話システム
9.搬送波ディジタル伝送における各種変調方式
10.搬送波ディジタル伝送における信号空間ダイア
グラム
11.光通信と波長分割多重
12.雑音の概念、熱雑音、雑音指数
13.符号誤り率と回線設計
14.回線設計の実例と演習
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
宮内一洋著:「通信方式入門」(コロナ社)2,835円
ISBN:978-4-339-00582-0
これは、3年次前期の科目「通信方式」で使用したテ
キストである。
参
成績評価の方法 ………………………………………
演習・課題(30%)と期末試験(70%)で評価する。
履修の条件 ………………………………………………
3年次前期の科目「通信方式」で学習した内容を理解
していること。なお、「計算機ネットワーク」を履修し
ていることが望ましい。
履修上の留意点 ………………………………………
ここで学習した理論と、日頃使用している携帯電話な
どの通信システムとの関連について えること。事前
書 ………………………………………………
⑴植松友彦著:「よくわかる通信工学」(オーム社)
ISBN 978-4-274-13041-0
⑵畔柳功芳著:電子情報通信学会大学シリ−ズ F-1
「通信工学通論」(コロナ社)
ISBN 978-4-339-00029-0
⑶寺田浩詔他共著:「大学課程 情報通信工学」(オー
ム社)
ISBN 978-427-4-2932-2
⑷ラシィ著、山中・宇佐美共訳:「通信方式」(マグロ
ウヒル出版)
ISBN 9784833770156
⑸山下不二雄著:基礎電気・電子工学シリ−ズ9「通
信工学概論」(森北出版)
ISBN 978-4-627-70592-0
― 557―
シ
ラ
バ
ス
238
シラバス
科
工
業
英
目
名
語
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
鄭
磊
703000004301
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
本授業では最新科学ニュースから身近なトピックを利
1.導入
用し、聴解力と語彙力のレベルアップすることを目指
す。具体的には、読解問題、リスニング及び英作文の
2.Unit 1:Secrets of ston skimming revealed
3.Unit 2:Sonar cane helps blind navigate
問題を解けることを通じて、受講生の英語力を伸ばし、
4.Unit 3:Coffee breakes slugs
更に実践的な英語運用能力を身につけていくことを目
5.Unit 4:Solar Challenge revs up
指す。
6.Unit 5:Melt may trigger quakes
7.Unit 6:Ants avoid traffic jams
8.Unit 7:Mixed advice on alcohol
一 般 目 標 ………………………………………………
9.Unit 8:Insect deaths add to extinction fears
本授業では、科学・工業に関する英語を身につけ、将
10.Unit 9:Should we go back to the moon?
11.Unit 10:Multivitamins slow HIV
来に役立つ英語力を築くことを目標とする。
12.Unit 11:Do women clasp infants to their left
成績評価の基準 ………………………………………
to boost bonding?
13.Unit 12:Appetite may be hard-wired
1.本授業で用いる教科書程度の内容であれば、辞書
14.まとめ
シ
ラ
バ
ス
を用いながら読解できること。
239
3.簡単な科学装置や工業製品の構成や原理を英作文
2.ゆっくりした話であれば、ネイティブスピーカー
の発話内容を聴解できること。
して説明できること。
成績評価の方法 ………………………………………
学期末試験60%、小テスト40%。
テ キ ス ト ………………………………………………
News in Science (金星堂)
ISBN:978-4-7647-3793-8
履修上の留意点 ………………………………………
必ず辞書を持参すること。
授業中のマナー厳守。
― 558―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
集積回路工学
目
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鈴
当
木
者
孝
将
703000019901
概
要 ………………………………………………
現在の集積回路工学の進歩は秒進分歩の感がある。
例えば代表的なメモリーIC(Integrated Circuit)であ
る DRAM (Dynamic Random Access M emory)に
関していえば、1970年に1Kb だった集積度は1Gb と
100万倍に上がっている。講義では数百ステップからな
る集積回路の製作プロセスの基本をまず解説し、次に
プロセスを理解した上での回路設計について述べる。
具体的な内容は、
1.結晶成長
シリコン基板を珪石からどの様にして精製し、結
晶として成長させるのかについて学ぶ。次にウェハ
(wafer)状にシリコンを加工する方法を学ぶ。
2.不純物の導入
半導体基板中にp形やn形の領域を形成するため
にはアクセプタ(acceptor)やドナー(donor)とし
て働く不純物原子を導入しなければならない。ここ
ではその導入方法として熱拡散法とイオン注入法に
ついて学ぶ。
3.リソグラフィ
微細なパターンを半導体上に何層も形成するため
には、マスクパターンを紫外線のような波長の短い
光を使って転写するリソグラフィ(lithography)と
いう技術が使われている。ここではその基本的なプ
ロセスを学ぶ。
4.絶縁膜の形成
シリコンは酸化することによって良質の絶縁膜が
形成できる。熱酸化(thermal oxidation)法および
CVD(chemical vapor deposition)法に代表される
堆積法による薄膜形成について学ぶ。
5.メタライゼーション(metallization)
金属薄膜を付着させ、微細な電極を形成する方法
を学ぶ。
6.回路素子の構造
集積回路を構成するバイポーラトランジスタ、
キャパシタ、抵抗、MOSFET の構造及びそれらを製
作するために必要なマスクパターンとプロセスにつ
いて学ぶ。
7.回路設計の基礎
バイポーラトランジスタ及び MOSFET を用い
た基本的な回路構成と動作原理について学ぶ。
8.IC の将来像
IC 製造の技術的課題、半導体産業の課題と将来予
測について述べる。
成績評価の基準 ………………………………………
1)シリコン結晶成長とウェハ製造方法が理解できて
いること(授業計画1∼4)
2)半導体製造プロセスである、酸化、リソグラフィ、
拡散、電極化が理解されていること(授業計画5∼8)
3)バイポーラトランジスタ、M OSFET の構造と製造
プロセスが理解できていること(授業計画9∼11)
4)バイポーラ IC 及び M OSIC の回路構成と動作原
理が理解できていること(授業計画12∼14)
成績評価の方法 ………………………………………
復習のための課題と定期試験の結果を総合して評点
をつける。原則として、課題または演習2割、定期試
験8割とする。
履修上の留意点 ………………………………………
講義の1週間前に講義資料を FU ポータルから提供
するので事前に予習し、講義終了後は1週間以内に復
習のための課題を行うこと。
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
授業の概要および半導体産業の現状についての
説明
半導体材料の精製法
単結晶成長方法(CZ 法、FZ 法)
エピタキシャル成長法(CVD 法)
熱拡散方法とイオン注入法
絶縁膜の形成法
リングラフィ技術
電極形成法およびプロセス環境
バイポーラトランジスタの構造と製造プロセス
抵抗、キャパシタの構造と寄生素子
MOSFET の構造と製造プロセス
バイポーラ IC の回路構成と動作
MOSIC の回路構成と動作
集積回路の課題と将来像
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
なし
参
書 ………………………………………………
S. M . Sze 著の『SEM ICONDUCTOR DEVICES
Physics and Technology』(Wiley)は、優れた参
書として推薦できる。また、この訳本も市販されてい
る。
宇佐美、兼房、前川、友景、井上著『集積回路のため
の半導体工学』(工業調査会)。
演習問題用には、徳田、兼房、前川、友景、井上 著
『集積回路のための半導体工学演習』(工業調査会)を
使うとよい。
― 559―
シ
ラ
バ
ス
240
シラバス
科
制
御
工
目
名
学
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
荒
当
牧
者
重
登
703000203501
概
要 ………………………………………………
自動制御はあらゆる分野にわたって広く用いられて
参
書 ………………………………………………
尾崎弘明著、制御工学の基礎(昭和堂)
いる。本講義では主として線形のフィードバック自動
増田良介他著、制御工学の基礎(昭晃堂)
制御理論の基礎について述べる。
水上憲夫著、自動制御(朝倉書店)
まず自動制御の概念から始める。続いて、入力信号
山口勝也著、詳解自動制御例題演習(コロナ社)
と出力信号との関係が微分方程式によって関係付けさ
れ、その解を見出すことが今後の理論的基盤となって
いることを示す。また、そのためには、ラプラス変換
成績評価の基準 ………………………………………
の知識が不可欠で、ひとまずこれについての勉強をし
線形のフィードバック自動制御理論の基礎について理
た後、伝達関数という重要な概念を得る。次に各要素
解していること。
の過渡応答と周波数応答について述べるが、これらは
フィードバック制御系の動作を理解する上で重要であ
授業 計 画
る。さらに、フィードバック制御系におけるいろいろ
な振る舞いに焦点を当て、その定常特性や過渡特性を
1
明らかにする。さらに制御系の安定性について述べた
あと制御系設計の基礎について学ぶ。
シ
ラ
バ
ス
自動制御の基本構成
2
本講義では特殊な手法の紹介や数学的な厳密さなど
よりも、制御工学における問題の
え方の理解に重点
古典制御理論の基本的概念を理解する。
ラプラス変換
ラプラス変換、ラプラス逆変換
4
学習・教育目標 ………………………………………
線形システム
線形モデルの作成と微分方程式
3
をおく。
241
自動制御の基礎概念
システムの要素
基本的要素と伝達関数
5
ブロック線図
6
過渡応答
一次遅れ系の応答、二次遅れ系の応答
成績評価の方法 ………………………………………
講義中に実 施 す る 演 習 課 題 の レ ポート 提 出 結 果
7
ボード線図、ベクトル軌跡など
8
(10%)、小テスト(20%)および定期試験の結果(70%)
により判定する。
周波数応答
閉ループ系の周波数応答
ニコルス線図
9
制御系の安定判別法
ラウスの方法、フルビッツの方法など
履修の条件 ………………………………………………
特になし。
10 ナイキスト線図
11 安定余裕
ゲイン余裕、位相余裕
12 制御系の特性
履修上の留意点 ………………………………………
微分積分学を復習しておくこと。
定常偏差
13 制御系設計の基礎
根軌跡法
14 補償の概念とその方法
テ キ ス ト ………………………………………………
添田 喬、中溝高好著、自動制御の講義と演習(日新
出版)1993年 ISBN 4-8173-0137-6
― 560―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
電
子
計
目
名
測(センサ工学)
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
古
当
田
者
洋
介
703000009601
概
要 ………………………………………………
履修の条件 ………………………………………………
最近の電子機器はより便利になってきている。この
電気回路基礎Ⅰ・Ⅱ、電子回路基礎、半導体工学、ア
大きな要因はマイコンの発達と各種多様なセンサーが
ナログ回路Ⅰ、ディジタル回路、電気磁気学Ⅰ・Ⅱ、
開発・提供されてきたことによる。ここで言うセンサー
光エレクトロニクス、電磁波理論等の科目を履修・理
とは外界の各種情報を収集する部品・デバイスを総称
解していることを前提とした講義内容です。
している。情報とはどこに存在するか等の位置情報、
温度・圧力・明るさなど多様である。更に、前出の情
授業 計 画
報の時間変化も重要である。最近では2次元・3次元
情報としての把握も重要になってきている。これらの
情報は電子技術を用いて計測される場合が多いので
「電子計測」なる言葉を使った。2次元・3次元現象を
把握する際に情報処理技術のウエートが非常に高く
なっていることに注意を喚起したい。
1.センサについて
感覚機能、センサはシステム、具体的なセンサを
各自1個レポートしてもらう。
2.センサの分類1
センシングする物理量での分類と使われる手法
3.センサの分類2
一 般 目 標 ………………………………………………
センシングする物理量での分類と使われる手法
4.半導体の持つ性質を利用したセンサ1
日常生活で出会う機械類や各種システムに用いられて
5.半導体の持つ性質を利用したセンサ2
いる基本的なセンサについて基本構造や動作について
6.光のセンサ
の理解が出来ること。
7.温度のセンサ
シ
ラ
バ
ス
明るさの計測
8.磁気センサ
テ キ ス ト ………………………………………………
「基礎センサ工学」稲荷 隆彦、コロナ社
ISBN 978-4-339-03181-2
242
9.圧力センサ
10.位置情報の検出
x、y、z に角度、それらの時間変化
11.イメージ(2次元)センサ、3次元センサ
12.アナログからディジタルへの変換
参
書 ………………………………………………
トコトンやさしいセンサの本
526049824
ISBN ISBN4計測・センサ工学 ISBN ISBN4274132064
13.波(音波・超音波・光波)を利用したセンサ
14.基本物理量の国家管理と精度維持
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴基本物理量を計測するセンサの基本構造と動作原理
が理解できていること。
成績評価の方法 ………………………………………
講義中の課題で20%、定期試験80%で評価する。
― 561―
シラバス
科
目
名
期
電子情報産業論
(社会人講師による産業界の最新事情紹介)
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
当
者
古田洋介・友景 肇・首藤公昭
森元 逞・荒牧重登・(井口健司)
(神田 忠)・(山内智之)・(宗 信博)
(中村哲夫)・(吉田秀治)・(山崎賢二)
(長尾彰士)・(小俣和彦)
703000213001
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
本講義はエレクトロニクスに関する産業界での最近
の状況を紹介し、大学と産業界の橋渡しを主眼として
います。産業界からの講師を迎えて、ホットな情報を
織り交ぜながら進めて行きます。大学での学習を土台
として、実社会での研究・開発・実用化に対する理解
1:情報サービス・ソフトウエア産業の動向
ステック
井口元取締役
2:半導体のテスト業界動向
シスウェーブ長岡社
長
3:システムLSI開発の最新動向
レックス
を深めるとの態度で受講していただきたい。
ジャ
アイピーフ
中村会長
4:大規模ソフトウエアシステムの構築
日立金融
システム小俣主任技師
一 般 目 標 ………………………………………………
最新の産業界の情況を知り、勉学中の各講義課目との
つながりを認識すると共に、卒業後の進路を
える手
助けとする。
5:最先端シリコンウェハの製造技術動向 SUM
CO
神田課長
6:マイクロコンピュータ設計技術動向
NECマ
イクロシステムズ 山内課長
7:半導体産業の歴史 佐鳥エスアイシー 高野社
シ
ラ
バ
ス
243
長
成績評価の基準 ………………………………………
各講師の講義内容の基本的なところを理解できている
ことと、講義内容に関連して提示された課題に対し自
分の えを表現できること。
8:九州における通信工事業界 西部電機工業
土
師常務
9:コンピュータ・ゲームの開発
ガンバリ オ ン
吉田取締役
10:小型・中型モータの世界戦略 日本電産シバウ
ラ 山崎常務
成績評価の方法 ………………………………………
毎回の講義ごとに提示された課題に対するレポートに
よって評価する。
11:自動車産業におけるエレクトロニクス マツダ
自動車
長尾部長
12:三次元画像技術の現状
ジオ技術研究所
岸川
社長
13:医療業界におけるエレクトロニクス ワーク
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
情報技術が自然および社会に及ぼす影響や効果を理解
し(A-1)、情報処理技術者が社会に負っている責任を
理解する(A-2、C-3)。
ショップ・イー・エム・エー 宗社長
14:ユビキタスネットワーク社会1
ステム
NEC 通信シ
八谷課長
15:講義総括、授業アンケート
講義の順序は変更になる場合があります。
履修の条件 ………………………………………………
特に無し
履修上の留意点 ………………………………………
企業の第一線で活躍されている人たちの講義ですので、
受講する皆さんから活発な質問が出てくることを期待
しています。
― 562―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
電
波
応
目
名
用
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
当
太郎丸
者
眞
703000013401
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
テレビ、ラジオ、携帯電話、コードレス電話、パソ
1.無線通信の歴史、電波伝搬と周波数割り当て
コン内蔵の無線 LAN など、電波は私たちが普段使っ
2.アンテナと電磁波
ている身近な情報伝送媒体であり、現代社会において
3.ダイポールアンテナのインピーダンスと指向性
電波の無い生活は えられない。
4.インピーダンス整合と伝送線路
本講義では電波を送受信するためのアンテナ、送受
5.スミスチャートによるインピーダンス表示
信機の構成と送受信回路の基礎を学ぶ。さらに、放送
6.送受信機の構成と受信機のシステム設計
や携帯電話に代表される無線通信システムの概要と、
7.高周波増幅回路とミクサ回路
レーダーなどのセンシング応用や、GPS に代表される
無線航法システムについても触れる。
8.変復調回路と高周波電力増幅回路
8.移動通信の概要
9.スペクトラム拡散通信方式とマルチキャリア伝
送
一 般 目 標 ………………………………………………
10.移動通信の基本技術、セルラ方式と周波数繰り
返し
基本的には、期末試験で評価する。しかし、毎回、
授業中に10分程度の演習問題を課し、それの学期中の
11.ディジタル携帯電話方式
合計点を期末試験結果に加味する。
12.無線 LAN とコードレス電話
シ
ラ
バ
ス
13.レーダー
14. 無線航法システム
成績評価の基準 ………………………………………
この科目の授業時間数は22時間である。
⑴ 線状アンテナの指向性と放射の理論を理解してい
ること
⑵ インピーダンス整合について理解していること
244
テ キ ス ト ………………………………………………
⑶ 送受信機の代表的構成に関する知識を有すること
大友功他共著:「ワイヤレス通信工学」(コロナ社)
⑷ 各種無線システムに関する概略の知識を有するこ
ISBN:978-4-339-00743-5
授業中に参 資料を配布する場合は Web でも公開す
と
る。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(70%)と課題レポート(30%)で評価する。
参
書 ………………………………………………
⑴ 築地武彦著:「電波・アンテナ工学入門」(総合電
履修の条件 ………………………………………………
「電気磁気学Ⅱ」、「アナログ回路Ⅱ」、「通信方式」で学
習した内容を理解していること。
履修上の留意点 ………………………………………
子出版)
ISBN:978-4-915449-98-7
⑵ 後藤尚久著:「アンテナの科学」(講談社)
ISBN:978-4-06-132679-8
⑶ 後藤尚久著:「図説・アンテナ」(電子情報通信学
会)
ISBN:978-4-88552-129-4
事前に教科書を予習し、キーワードだけでも頭に入
れておくこと。理解できない所、難解な所は自分なり
に自由に想像し、何らかのイメージを持って授業に臨
むこと。板書は丸写しせず、授業の要点やテキストに
書かれていない事項を中心にノートを取り、復習時に
ポイントをまとめた自分オリジナルのノートを作るこ
と。
― 563―
シラバス
科
半導体デバイス
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
友
当
景
者
肇
703000003201
概
シ
ラ
バ
ス
245
要 ………………………………………………
2年次後期で学んだ「半導体工学」を基礎として、
pn 接合ダイオード、ショットキーダイオード(Schottkydiode)、バイポーラトランジスタ(bipolar transistor)、MOSFET (metal oxide semiconductor field
effect transistor)、太陽電池(solar cell)、LED (light
emitting diode)、半導体レーザ LD (laser diode)、
CCD (charge coupled device)等の半導体素子の構造
と動作原理を勉強する。具体的な内容は以下の通りで
ある。
1)pn 接合ダイオード
p 領域と n 領域が結晶学的に接触している pn 接
合にバイアスを印加したときの電流−電圧特性、高
周波特性などを理解する。
2)ショットキーダイオード
金属と半導体とを接触させると、整流特性を示す
場合があり、マイクロ波等の高周波の検波に応用で
きる。何故、このような整流動作が起こるかを学び、
次にベーテ(Bethe)の熱電子放出モデルを使って電
流−電圧特性を表す式を導く。
3)バイポーラトランジスタ
pn 接合を2つ有し、pnp または npn 構造を持つバ
イポーラトランジスタの定性的な動作の説明から入
り、ベース(base)と呼ばれる中央部分でのキャリ
アの連続方程式を解くことによって、電流利得を求
める。次に、電流利得の周波数特性、高周波での等
価回路について学ぶ。
4)M OSFET
シリコン基板と金属で絶縁体である SiO2を挾ん
だものを M OS 構造という。外部から電圧を印加し
たときの、MOS の蓄積、空乏、反転の3つの状態に
つ い て 学 ぶ 。 次 に 、 M OS の 両 側 に ソ ー ス
(source)、ドレイン(drain)と呼ばれる2つの電極
を持つ MOSFET の電流−電圧特性、高周波特性等
を学ぶ。
5)フォトニックデバイス
太陽電池や CCD のように光エネルギーを電気エ
ネルギーに変換する素子と LED や LD のように電
気エネルギーを光に変換する素子の構造および動作
原理を学ぶ。
成績評価の基準 ………………………………………
1)pn 接合ダイオード、ショットキーダイオードの電
流-電圧特性を理解していること(授業計画2∼4)
2)バイポーラトランジスタの動作原理、静特性、周
波数特性を理解していること(授業計画5∼7)
― 564―
3)M OS 構造と M OSFET の動作原理を理解してい
ること(授業計画8∼10)
4)フォトニックデバイスの中で、太陽電池、LED、
LD の動作原理を理解していること(授業計画11∼14)
テ キ ス ト ………………………………………………
宇佐美、兼房、前川、友景、井上著「集積回路のた
めの半導体工学」(工業調査会)をテキストとして用
い、徳田、兼房、前川、友景、井上著「集積回路のた
めの詳解半導体工学演習」(工業調査会)を演習用のテ
キストとして併用する。
参
書 ………………………………………………
S. M . Sze 著「SEM ICONDUCTOR DEVICES
Physics and Technology」(Wiley)は半導体工学の優
れた教科書として推薦できる。また、この訳本も利用
できる。
成績評価の方法 ………………………………………
毎回小テストまたは演習を行い、これと定期試験の
結果を総合して評点をつける。原則として、小テスト
または演習2割、定期試験8割とする。過去の試験問
題を印刷して配布するので、学習の参 にされたい。
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
授業の概要
pn 接合ダイオードの電流-電圧特性
ショットキー障壁の静電容量
ショットキーダイオードの電流-電圧特性
バイポーラトランジスタの構造と動作
バイポーラトランジスタの静特性
バイポーラトランジスタの周波数特性
MOS 構造と静電容量
MOSFET の動作原理
MOSFET の電流−電圧特性
太陽電池の構造と特性
発光ダイオード LED の動作原理
半導体レーザ LD の動作原理
CCD 他フォトニックデバイスの動作原理
演習は、講義で学習した理論を理解するために大
事である。また、半導体のパラメータを使って pn 接
合に流れる電流等を実際に計算してみることも必要
である。授業では、演習問題を解く時間を設ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
光エレクトロニクス
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
文
当
仙
者
正
俊
703000203301
概
要 ………………………………………………
FTTH や DVD・ブルーレイディスク等の光通信・
記録技術、液晶パネルやプロジェクタを用いたディス
教
科
書 ………………………………………………
「光エレクトロニクスの基礎」桜庭一郎
他,森北出
版,ISBN-10: 4627783515
プレイなど、光を利用した機器はますますその応用範
囲を広げており、光学とエレクトロニクスの複合分野
である光エレクトロニクスは身近な必須技術となって
いる。
本科目ではまず様々な光エレクトロニクスデバイス
の動作原理を理解するために必要な、光の回折や干渉
などの波動光学の基礎を学ぶ。また、光エレクトロニ
クスの多様な応用において、直進性・集光性・単色性・
可干渉性など、その波動的な品質の高さから主たる光
参
文 献 ………………………………………………
⑴「基本光工学 I」B.E.A.Saleh 他,森北出版,
ISBN-10: 4627153511
⑵「光学 II」ユージン ヘクト,丸善,
ISBN-10: 4621074482
⑶「光学の原理 II」Max Born 他,東海大学出版会,
ISBN-10: 4486016793
源として用いられるレーザに関しても、原理や応用に
ついて学ぶ。
学 習 目 標 ………………………………………………
授業 計 画
1
光エレクトロニクスの概要
2
光の回折(フレネル回折とフラウンホーファー
⑴ 光の基本的な性質として回折やレンズによるフー
回折)
リエ変換、結像について理解する。
3
様々なフラウンホーファー回折
⑵ 光の干渉とコヒーレンスについて理解する。
4
ガウスビーム
⑶ レーザの発振原理やレーザ光の物理的特性につい
5
レンズによるフーリエ変換と結像
て理解する。
6
平面波の干渉
7
光の干渉とコヒーレンス
8
レーザ増幅1
9
レーザ増幅2
成績評価の基準 ………………………………………
⑴ 光の回折やレンズの働きを理解し、数式を用いて説
10 光共振器1
明できる。
11 光共振器2
⑵ 光の干渉とコヒーレンスについて理解し、コヒーレ
12 レーザ発振1
ント光の形成する干渉縞を計算できる。
13 レーザ発振2
⑶ レーザの発振原理やレーザ光の物理的特性につい
14 様々なレーザ
て理解し、説明できる。
シ
ラ
バ
ス
246
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(70%)と授業中に行う小テスト(30%)と
で評価する
注 意 事 項 ………………………………………………
電磁光学的な光の取り扱いは別科目(電磁波理論)に
て行うので、併せて受講することを薦める。また、3
年次後期開講の「光情報素子工学」を受講する学生は、
本科目の受講を薦める。講義中に適宜小テストを行う
ので予習復習をすること。
― 565―
シラバス
科
目
名
光情報素子工学
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
文
当
仙
者
正
俊
703000203401
概
要 ………………………………………………
光情報処理は光の運ぶ時間的な信号のみならず空間
的な情報も利用して、電気的な情報処理システムの性
教
科
書 ………………………………………………
「光エレクトロニクス入門」西原浩 他,コロナ社,
ISBN-10: 4339011509
能向上を図ったり、あるいは光そのものを各種演算に
用いることでより高機能な情報処理システムを構築し
ようとするものである。
本講義では発光・受光、偏光、分光、導波、光偏向
素子等、光情報処理システムに用いられている様々な
参
図 書 ………………………………………………
「光情報工学」渡辺敏英 他,コロナ社,
ISBN-10: 4339011452
光学素子の動作原理や基礎特性を学ぶことを目的とす
る。また、光通信、光メモリ、光計測システム等への
授業 計 画
これら素子の具体的な応用例についても学習する。
1
学 習 目 標 ………………………………………………
光情報処理-時間的光情報処理と空間的光情報
処理
2
光波動と光線1
⑴ さまざまな光学素子について、その機能や動作原理
3
光波動と光線2
を理解する。
シ
ラ
バ
ス
4
光受動素子1
⑵ 光システムにおいてさまざまな光学素子が果たし
5
光受動素子2
ている役割を理解する。
6
発光素子(発光ダイオード、レーザ)
⑶ 光通信や光メモリシステムの概要や背景となる物
7
受光素子(フォトダイオード、CCD センサ、
247
理現象を理解する。
⑷ ホログラフィーの原理やその応用について理解す
8
CMOS センサ)
光制御素子1
る。
9
光制御素子2
10 光ファイバ通信
成績評価の基準 ………………………………………
11 光メモリ
12 光計測
⑴ さまざまな光学素子の機能や動作原理を理解し説
13 その他光情報処理機器
明できる。
14 ホログラフィー
⑵ 光システムにおいてさまざまな光学素子が果たし
ている役割について理解し説明できる。
⑶ 光通信や光メモリシステムの概要を理解し説明で
きる。
⑷ ホログラフィーの原理やその応用について理解し
説明できる。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験で評価する。
注 意 事 項 ………………………………………………
本科目は電磁波理論・光エレクトロニクスで電磁光
学・波動光学の基礎を学習していることを前提に講義
を進める。適宜問題演習を課すので予習復習を行うこ
と。
― 566―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
オペレーティングシステムⅡ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴
当
岡
者
知
昭
703000034601
概
要 ………………………………………………
オペレーティングシステム(OS)とは、中央処理装
こと。
6.セキュリティ制御、障害管理について理解してい
ること。
置や記憶装置、入出力装置などのハードウェアとプロ
7.ネットワークプロトコル(OSI,TCP/IP)について
グラムなどのソフトウェアを管理して、これらを無矛
理解していること
盾に効率よく利用することを目的として構成された基
本ソフトウェアであり、コンピュータを使いこなすた
めには、OS によって実現されている仮想記憶やタイ
ムシェアリングなどの機能がどのような仕組みで動い
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験による
ているのか、どう構成されているのかを理解すること
が重要である。この科目は「オペレーティングシステ
ムⅠ」の続編である。
テ キ ス ト ………………………………………………
清水謙多郎、「オペレーティングシステム」情報処理入
一 般 目 標 ………………………………………………
門コース2、岩波書店 ISBN 9784000078528
オペレーティングシステムⅠでは、OS とそれに関
授業 計 画
連するソフトウェアの概要、ユーザから見た使用法、
シ
ラ
バ
ス
ファイル、入出力、プロセスの概念とその管理につい
1.記憶管理
主記憶の管理を学ぶ
て学習してきた。
2.記憶管理
セグメンテーションを学ぶ
オペレーティングシステムⅡでは、記憶管理、プロ
3.記憶管理
ページングを学ぶ
セスの同期と通信、分散処理、セキュリティなどの概
4.記憶管理
セグメンテーションページングを学
念と具体的なモデルについて学習する。
学習の結果、システムの設計に参画し、社内のサー
バの運用管理や LAN の管理ができるようになること
を目標にする。
履修の条件 ………………………………………………
「オペレーティングシステムⅠ」を受講済みか同等以上
の知識を有しているのが望ましい。
成績評価の基準 ………………………………………
1.OS の構成と機能全般についての知識を有するこ
と
2.分散 OS やネットワーク化された処理についての
ぶ
5.並行プロセス
プロセス間の相互作用を理解す
る
6.並行プロセス
プロセスの同期を理解する
7.並行プロセス
プロセス間通信を学ぶ
8.並行プロセス
プロセスの階層構造を学ぶ
9.分散処理
コンピュータネットワークを学ぶ
10.分散処理
プロトコルの概念と実例を学ぶ
11.分散処理
TCP/IP とその応用を学ぶ
12.その他の OS 並列計算機について学ぶ
13.その他の OS グリッドコンピューティングに
ついて学ぶ
14.その他の OS 仮想計算機について学ぶ
この科目の授業時間数は22時間である。
基本的な知識を有すること。
3.主記憶管理(メモリプロテクション、ダイナミッ
クリンクアロケーション、フラグメンテーション、メ
モリリーク)を理解していること。
4.仮想記憶(セグメンテーション、ページング、ペー
ジングアルゴリズム、スラッシング)を理解している
こと。
5.資源の共有制御(排他制御、デッドロック、ピー
ターソンのアルゴリズム、セマフォ)を理解している
― 567―
248
シラバス
科
知
識
工
目
学
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
荒
当
牧
者
重
登
703000237001
概
シ
ラ
バ
ス
249
要 ………………………………………………
コンピュータを使って人間の知能機能の実現を目指
す目的で人工知能の研究が生まれた。そして、パズル、
ゲーム、積木の世界のような簡単な構造をもった領域
の問題を例に問題解決における探索や推論のアルゴリ
ズムなどが探求された。一般に人工知能では問題に依
存しない一般的アルゴリズムを求めたが、現実的な問
題を対象としたときその一般原則だけでは不十分なこ
とがわかった。そこで、問題毎に固有の知識を集め、
それを基に現実の問題を解決するためのシステム作り
を目指す「知識工学」が提唱された。その際、大量の
知識をどのように形式化してコンピュータの中に蓄え
ておけば効率よく利用できるか、つまり知識表現の問
題が重要になってくる。知識表現の問題は、知識情報
処理システムを構成する上で核となるものであるとい
える。
また、知識情報処理システムを構築する際、コン
ピュータ上で構築された知識ベースを操作して答えを
導く推論機構が必要である。本講義では、まず推論に
関連してその基礎的な事柄を学ぶ。さらに知識を論理
をベースとしたモデルで表現し、三段論法によって推
論を行う方法について述べる。そしてこの論理モデル
は形式的に厳密な定義と推論系をもっていることを知
る。しかし、一般には論理的な知識だけでなく、発見
的な知識、手続き的な知識、あるいはあいまいな知識
など論理の枠組みだけでは表現できない知識を取り扱
うことも多い。そこで、プロダクションシステム、意
味ネットワーク、フレームの各知識表現法と推論法に
ついて述べ、その基礎概念を学ぶ。全体を通じて、な
るべく具体例を挙げながら講義を進める。
一 般 目 標 ………………………………………………
知識を用いて現実の問題を解決する知識情報処理シ
ステムについて、その基本概念を理解する。
成績評価の基準 ………………………………………
問題解決、述語論理や導出原理、代表的な知識表現
法と推論について、その基本的な え方を理解してい
ること。
履修の条件 ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
特になし。
成績評価の方法 ………………………………………
講義中に実 施 す る 演 習 課 題 の レ ポート 提 出 結 果
(10%)、理解度確認テスト(20%)および定期試験の
結果(70%)により評価する。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
画像処理、音声処理、自然言語処理、知識工学など
コンピュータ応用システムの基礎を習得し、応用する
能力。(JABEE 学習・教育目標の(C-2)に対応
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
知識工学の概要
問題解決
状態空間法
基本的な探索法
縦型探索と横型探索
発見的な探索法
山登り法、最良優先探索、A アルゴリズム
問題分割法
AND ╱ OR 木による問題分割、再帰表現に
よる問題分割
理解度確認テスト
1∼6の内容に関する理解度の確認
論理と推論
命題論理、論理式と推論
述語論理と導出原理
ホーン節と Prolog 言語
プロダクションシステム
意味ネットワーク
フレーム
知識工学の応用例
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
菅原研次 著:「人工知能」森北出版 2003年
ISBN4-627-80302-8
特になし。
参
太原育夫
荒屋眞二
― 568―
書 ………………………………………………
著:「人工知能の基礎知識」近代科学社
著:「人工知能概論(第2版)」共立出版
科
目
名
ソフトコンピューティング
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
荒
当
牧
者
重
登
703000237201
概
要 ………………………………………………
コンピュータは定型的な情報処理に対しては人間と
は桁違いの能力を発揮するが、あいまいな情報を含ん
だり、状況に依存するような情報処理を行う場合には
人間とは比較にならないほどその処理能力は劣る。そ
こで、従来の定型的な計算手順(ハードコンピューティ
ング)に対して、人間の柔軟な情報処理能力をコン
ピュータに持たせるためにソフトコンピューティング
の概念が提案された。すなわち、不確定性、不確実性
をある程度許容しつつ、扱いやすさ、頑健性、低コス
トを目指す知的システムを構築しようというものであ
る。現在、その方法論として、ニューラルネットワー
ク、ファジイ理論、遺伝的アルゴリズム、カオス理論、
人工生命などがあげられている。また、これらの方法
論が融合されているシステムもある。
本講義ではこれらの方法論の中でよく使われる、
ニューラルネットワーク、ファジイ理論、遺伝的アル
ゴリズムの基礎について述べる。ニューラルネット
ワークは脳の情報処理方式を模擬するもので、パター
ン認識など多くの分野で使用されている。ファジイ理
論は、人間の持つ「あいまい」な情報処理を模倣し人
間に近い処理を実現することを目的として使用されて
いる。遺伝的アルゴリズムは、生物が進化してきた遺
伝的な法則をコンピュータ処理のためのアルゴリズム
としてモデル化するもので、最適化問題などにも適用
されている。これら3つの方法論は、いずれも人間を
はじめとする生物のすぐれた情報処理機能をコン
ピュータ上に実現するモデルといえる。
一 般 目 標 ………………………………………………
ニューラルネットワーク、ファジイ理論、遺伝的ア
ルゴリズムについて、それぞれの基本概念とアルゴリ
ズムを理解することを目標とする。さらにこれらの実
際の応用例を通してその応用の仕方も習得する。
履修上の留意点 ………………………………………
特になし。
成績評価の方法 ………………………………………
講義中に実 施 す る 演 習 課 題 の レ ポート 提 出 結 果
(10%)、理解度確認テスト(20%)および定期試験の
結果(70%)により評価する。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
画像処理、音声処理、自然言語処理、知識工学など
コンピュータ応用システムの基礎を習得し、応用する
能力。(JABEE 学習・教育目標の(C-2)に対応
授業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
ソフトコンピューティングの概要
ニューラルネットワーク
ニューロンのモデルと学習
ホップフィールドネットとボルツマンマシン
バックプロパゲーション
ニューラルネットワークの応用例
理解度確認テスト
1∼5の理解度のテスト
ファジイ理論
ファジイ集合
ファジイ推論の方法
ファジイシステムの応用例
遺伝的アルゴリズム
基本操作
選択、交叉、突然変異の各操作法
遺伝的アルゴリズムの応用例
ニューロ・ファジイ・遺伝的アルゴリズムの融
合例
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の基準 ………………………………………
ニューラルネットワーク、ファジイ理論、遺伝的ア
ルゴリズムについて、それぞれの基本的な概念を理解
していること。
履修の条件 ………………………………………………
特になし。
テ キ ス ト ………………………………………………
萩原将文 著:「ニューロ・ファジイ・遺伝的アルゴ
リズム」、産業図書 2001年 ISBN4-7828-5539-7
参
書 ………………………………………………
岩田 彰 編:「ソフトコンピューティング」、オーム
社
村上周太監修:「ファジィシステム演習問題集」、工業
調査会
廣田 薫 編著:「知能工学概論」、昭晃堂
― 569―
シ
ラ
バ
ス
250
シラバス
科
画像処理工学
目
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
鶴
当
田
者
直
之
703000237601
概
要 ………………………………………………
近年、学生諸君も「ロボットが人の顔を判別し、周
りの3次元環境を把握しながら歩み寄ってくる」と
いったトピックを目にすることがあったであろう。こ
のような最新の技術を支えているのが画像処理工学で
ある。具体的には、人の顔などを判別する技術を画像
認識と呼び、3次元幾何情報を正しく計測する技術を
3次元ビジョンと呼ぶ。これらの技術は、実際の応用
が始まったばかりであるが、将来的には様々な情報処
理システムの要素技術として欠かせないものになる。
新しい画像処理技術を開発する者、画像処理技術を利
用して新しい応用システムを開発する者に必須の講義
である。
一 般 目 標 ………………………………………………
本講義では、上にあげた2つの技術(画像認識、3
次元ビジョン)の基本原理を理解し、その応用事例に
ついて学ぶ。
シ
ラ
バ
ス
251
成績評価の基準 ………………………………………
1.多次元データの統計的パターン認識における諸問
題を知っていること。(授業計画の1∼3)
2.多次元正規分布と分散共分散行列の性質を理解し、
統計的パターン認識への応用を知っていること。
(授業
計画の4∼6)
3.3次元ビジョンの諸問題が逆光学問題であること
を理解し、線形連立方程式に帰着させる方法を理解し
ていること。(授業計画の7∼9)
4.線形連立方程式と誤差を含むデータを元に未知パ
ラメータを最小自乗推定する方法を理解していること。
(授業計画の10∼13)
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(60%)と平常点(40%)で評価する。平
常点は、出席者のみに課す、ほぼ毎回の予習復習課題
にて評価する。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
画像処理、音声処理、自然言語処理、知識工学など
コンピュータ応用システムの基礎を習得し、応用する
能力。(JABEE 学習・教育目標の(C-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
行列Ⅰ、Ⅱ、ディジタル信号処理、情報理論の講義
内容が理解できていること。
参
書 ………………………………………………
教科書:資料を講義中に配布し、学内の M oodle シス
テムサービスでも公開する。
― 570―
参 書:辻、徐 著、3次元ビジョン、共立出版 ISBN
4320085221
参 書:石井、上田、前田、村瀬 著、わかりやすいパ
ターン認識、オーム社 ISBN 4274131491
●ほぼ毎回の予習復習課題は学内の M oodle システム
サービスを用いる。
授業 計 画
授業計画
ベイズの決定
則
多次元正規分
布
学習目標
画像処理の研究や応用事例をイ
メージできれば良い
パターン間の類似性を評価する
ために「パターン間の距離」が
定義できる空間を える
確率論に基づくパターン認識の
手法の概要を理解する
多次元正規分布の表現と性質を
理解する。
ベイズ決定則
の応用
多次元正規分布を用いたベイズ
決定則の実現方法を理解する。
1
導入
2
画像認識(最
近傍決定則)
3
4
5
6
3次元ビジョンが逆光学問題で
あることを理解する。
7
複数台のカメラを用いて奥行き
両眼視
情報を計測する基本原理を理解
する。
両眼視における対応点問題の難
エピポーラ幾
8
しさを緩和する手法について理
何
解する
複数台のカメラ間の位置姿勢関
9 カメラの校正
係を求める方法を理解する
線形連立方程式と誤差を含む
10 連立方程式の データを元に未知パラメータを
最小自乗推定する方法を理解す
11 解法
る
12 線形変換によ 多次元データの問題点を再認識
し、次元数削減の方法を理解す
13 る特徴抽出
る
これまでの復習を行い、質問を
14 復習
受け付ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
カメラモデル
U
R
L ………………………………………………
M oodle システムサービス
(https://moodle.cis.fukuoka-u.ac.jp/)
履修上の留意点 ………………………………………
画像処理に関するより高度で最先端の内容は、プレ
卒論・卒論(鶴田ゼミ)と大学院で学ぶことができる。
平常点にかかる予習復習には十分な時間を割くこと。
科
目
名
自然言語処理工学
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
3
首
当
藤
者
公
昭
703000237801
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
授業計画
人は文字や声による「言語」によって情報交換する。
本講義は我々が日常使っている自然言語をコンピュー
タで取り扱うための基礎的技術を解説する。
一 般 目 標 ………………………………………………
自然言語処理の基礎技術として文字列探索、照合法
を理解し、形態素解析技術、構文解析技術、意味解析
技術を理解し、ワープロ技術、機械翻訳技術の概要を
学ぶ。
成績評価の基準 ………………………………………
1
自然言語処理
の歴史と現状
2
・
3
文字列操作
4
辞 書
5
・
6
・
7
8
⑶日本語形態素解析法を知っていること。
⑷上昇型、下降型構文解析法を知っていること。
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験による。
自然言語処理の研究がどのよう
な点に努力して進められてきた
かを学ぶ。
文字列の探索アルゴリズム(B
M法、KMP法)を理解する。
TRIE構造辞書とその利用法
を理解する。
形態素解析技術としてのビター
形態素解析
ビ・アルゴリズムを理解する。
かな漢字変換技術への応用を知
る。
⑴文字列の探索法を理解していること。
⑵TRIE構造の辞書とその利用法を知っていること。
学習目標
上昇型構文解
上昇型解析法としてCKY法を
析
理解する。
9
・ 下降型構文解
10
・ 析
11
12
・ 意味解析
13
履修の条件 ………………………………………………
14 機械翻訳
情報数学、オートマトンと言語理論を理解できてい
下降型解析法として Earley法
を理解する。
意味を
252
慮した依存解析法を学
ぶ。
機械翻訳技術の歴史と概要を知
る。
ること。
この科目の授業時間数は22時間である。
履修上の留意点 ………………………………………
テ キ ス ト ………………………………………………
授業1週間前には講義内容のハンドアウトを配布する
配布資料による。
ので事前に目を通して出席し、講義後は1週間以内に
こ此れをもとに自分のノートに整理すること。
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
コンピュータシステムとシステムプログラムの原理
や構造を理解し、その設計や実現を効果的に行う能力。
(JABEE 学習・教育目標の(C−1)に対応)
参
書 ………………………………………………
「自然言語処理」、岩波講座、ソフトウェア科学15、長
尾
真編、岩波書店
「自然言語解析の基礎」、田中穂積著、産業図書
「自然言語の基礎理論」、知識情報シリーズ4、古川康
一、溝口文男編、共立出版
「岩波、情報科学辞典」、長尾
シ
ラ
バ
ス
真ほか編、岩波書店
― 571―
シラバス
科
目
名
音声情報処理工学
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
森
当
元
者
逞
703000238201
概
シ
ラ
バ
ス
要 ………………………………………………
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
人間の社会生活や活動において、音声は極めて重要
なコミュニケーション手段である。このため、長年に
わたって音声をいかに品質よくかつ効率的に伝送する
かについての技術開発が進められてきた。一方近年に
おいては、コンピュータの処理能力の向上やパーソナ
ルコンピュータ、インターネットなどの普及にともな
い、人と機械のコミュニケーションにも音声を利用可
能にしようとする努力が精力的になされており、その
結果、音声で入力できるワープロシステム、音声合成
を組み込んだカーナビシステム、音声での問い合わせ
や応答ができるシステムなどが順次実現、実用化され
ている。また、音声の伝送に関しても、音声情報を効
率的に圧縮する音声符号化技術の開発が進めれ、携帯
電話やインターネット電話に利用されている。
音声情報処理技術は、信号処理、統計的パターン処
理、言語処理など、多くの要素技術からなる。本講義
では、これらの要素技術について学習を行い、またそ
れらを組み合わせた音声認識技術、音声合成技術、音
声言語処理技術、ならびに音声符号化技術等について
学習する。
音声を処理するための基本技術について理解し、ま
たその応用分野や将来性について理解すること
(JABEE 学習・教育目標の(C-2)に対応)
253
一般的な学習目標 ……………………………………
音声を処理するための基本技術を習得する。
履修の条件 ………………………………………………
本科目は選択科目である。
履修上の留意点 ………………………………………
ディジタル信号処理(2年次後期)」を履修してい
ることが望ましい。
重要な事項については、復習を行って充分理解する
こと。どの項目が重要かは講義の時に説明する。
成績評価の基準 ………………………………………
音声を処理するための基本技術について理解してい
ること。
成績評価の方法 ………………………………………
期末試験の結果により評価する。
授業 計 画
1
音、音声の基本的性質
音の基本的性質、人の聴覚・発声、音声・音声言
語の基本的性質
2 音声処理のための信号処理⑴
フーリエ級数展開、フーリエ変換╱逆変換、畳み
込み積分、DFT/ IDFT
3 音声処理のための信号処理⑵
パワースペクトル、インパルスレスポンス、相関
関数
4 音声分析⑴
フィルタバンク、ケプストラム分析、線形予測分
析など
5 音声分析⑵
スペクトル距離、ピッチ抽出
6 演習1
1∼5の内容に関する理解度の確認
7 パターンマッチングによる連続音声認識
DP マッチング、ワンパス DP
8 HM M による連続音声認識
HMM の原理、トレリス/ビタビ・アルゴリズム
9 言語モデル
ネットワーク・統計言語モデル、言語モデルの性
能
10 音声合成
テキスト音声合成
11 話し言葉理解
構文・意味解析、対話・談話解析
12 音声符号化
波形符号化、分析合成、ハイブリッド符号化
13 音声応用システム
各種音声応用システムと今後の展望
14 演習2
7∼13に関する理解度の確認
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
講義中にテキストを配布する。
参
書 ………………………………………………
板橋秀一:「音声工学」(森北出版)
古井貞熙:「音声情報処理」(森北出版)
― 572―
科
目
名
ソフトウェアシステム設計Ⅱ
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
3
担
森
当
元
者
逞
703000238601
概
要 ………………………………………………
情報処理技術者を目指すものは、単にプログラムを
参
書 ………………………………………………
教科書:資料を講 義 中 に 配 布 し、Web で も 公 開 す
コーディングするだけのプログラマではなく、システ
る。
ム全体の構成を設計し、また開発を管理できるシステ
参
書:小泉,他:「ソフトウエア開発」,オーム社
ム・エンジニアに成長することが望まれている。本講
義では、大規模情報処理システムの開発の手順(プロ
授業 計 画
セス)と,各段階における一般的な設計・開発・管理
授業計画
技術などを学習する。
1
概要
2
開発プロセス
とプロセスモ
デル
3
要求分析
一 般 目 標 ………………………………………………
実際に大規模なシステムの開発に携わるエンジニア
に求められる能力は
1.標準化された仕様記述を読み書きでき、開発メン
バ間で正しく情報を共有できる能力。
2.典型的な設計戦略を理解し、利用できる能力。
3.一般的なデザインパターンを熟知し、それを応用
4
して短期間で設計を完成させる能力。
である。本講義では、主に上記の1と2を習得するこ
5
とを目標とする。
6
成績評価の基準 ………………………………………
7
1.大規模情報処理システムの開発の手順(プロセス)
とその種類や特徴を知っていること。
(授業計画の
1、2)
2.各段階における一般的な設計・開発技術とその役
割を理解していること。(授業計画の3∼12)
3.オブジェクト指向設計の基礎を理解し、UMLで
記述された仕様を理解できること。
(授業計画の8
∼10)
4.各段階における一般的な管理技術と各人の役割を
理解していること。(授業計画の13∼14)。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験により評価する。
8
9
10
11
12
13
14
学習目標
情報処理システムの発展と情報
処理システムの開発プロセスの
概要を知る。
開発プロセスの種類と特徴を知
る。
要求分析とは何かを理解し、
ユースケース図など要求分析の
技法を知る。
システムやネットワーク、ファ
イル、データベース設計の要点
を理解する。
システム設計
モジュール分割、性能の設計、
信頼性の設計について要点を理
解する。
列車座席予約システムをはじめ
システム事例
とする事例を知る。
逐次アルゴリズムの記述方法と
プログラム開 構造化プログラミングに基づく
発
ライブラリ作成について理解す
る。
システムのモジュール化とクラ
スの関係を理解する。
オブジェクト UML を用いたシステムの分析
指向開発
方法について理解する。
UML を用いたシステムの設計
方法について理解する。
テストの単位、手法、評価につ
テスト
いて知る。
システム移行、システム移行、保守について要
保守
点を知る。
開発工数の見
LOC 法と FP 法を理解する。
積もり
打合せの形態を知り、使用する
作業管理
内部ドキュメントの種類・役割
を理解する。
この科目の授業時間数は22時間である。
履修の条件 ………………………………………………
プログラミング言語Ⅰ、Ⅱ、記号処理プログラミン
グ、データ構造とアルゴリズム、システムソフトウエ
アⅠの内容が十分に理解できていること。
履修上の留意点 ………………………………………
本学大学院では、ITスペシャリストの育成に力を
入れている。その基礎として、進学予定者には必須の
講義である。
― 573―
シ
ラ
バ
ス
254
電子情報
専門教育科目
(第 4 年 次)
科
卒
業
論
目
文
名
期
通
別
単位数 開講年次
年
4
4
担
当
者
末次 正・友景 肇・鈴木孝将
吉村賢治・太郎丸眞・古田洋介
文仙正俊・モシニャガ ワシリー
佐藤寿倫・荒牧重登・鶴岡知昭
首藤公昭・森元 逞・鶴田直之
703000031201
概要と学習の目標 ……………………………………
4年間の最終仕上げとして、先端技術に関わる個別
の具体的テーマに取り組み、各種システムの立案、設
計、試作、開発、実験、評価等に携わることにより、
実戦力を身につける。
授 業 方 法 ………………………………………………
学生が教員より提示されたテーマから興味の有るも
のを選択して履修する形式であるが、基本的には学生
の主体的な勉学、研究が前提となっている。テーマは
年度の初めに示され、説明会が催される。その後、学
生の希望と各テーマの収容人員を勘案して配属が決定
される。
この科目では1週間に最低2コマのゼミ形式の授業
を行う。授業の具体的な時間は各教員から指示する。
この科目の最低授業時間数は、毎週の授業時間(3×
30=90時間)と卒論発表会(6時間)で96時間になる。
成績評価の基準
………………………………………
⑴文献や種々の情報媒体を利用して情報を集め、自主
的、継続的に学習できていること。
⑵与えられた要求を説明できること。
⑶要求を満足するように情報システムの設計と製作を
試みていること。
⑷設計の内容を説明できること。
⑸以上の内容を計画的に実行し、論文としてまとめて
いること。
⑹教員の指導の下で行った学習が220時間以上になっ
ている学習の記録があること。
成績評価の方法
………………………………………
日常の学習状況の評価(75%)、論文および最終試問
の評価(25%)で評価する。具体的な評価項目と内容、
評価基準等については、学科のホームページ(http://
www.tl.fukuokau.ac.jp/)に掲載している。
J AB EE 学習・教育目標 …………………………
JABEE 学習・教育目標の(A-3)文献や種々の情報
媒体を利用して情報を集め、自主的、継続的に学習で
きる能力、
(C-3)
社会の要求を解決する情報システム
をデザインする能力、
(C-4)
論理的な文章の記述や口
頭発表により情報システムを説明する能力、
(C-5)
与
えられた制約の下で情報システムを構築するために計
画的に仕事を進め、まとめる能力、に対応している。
授 業 計 画
◎教 授 荒牧 重登
知能ロボットシステム(自律自動車も含む)全般。
多センサ系と行動系を統合するための情報システム
の開発。
◎教 授 古田 洋介
光通信装置の試作を計画しています。部屋の天井に
光の送受信機を配置し屋内光 LAN を構成する。電
子回路、光、半導体に興味がある人、自発的に動く
人来たれ。
◎教 授 首藤 公昭
自然言語をコンピュータに理解させる分野を言語工
学と呼ぶ。この分野で日本語文を対象とした機械翻
訳や知的ワープロの開発に必要な基礎研究を行う。
◎教 授 吉村 賢治
自然言語処理に関するテーマやアプリケーションプ
ログラムの開発などの中から適当な問題を設定し、
システムの設計、C 言語や JAVA を用いた開発を行
う。
◎教 授 佐藤 寿倫
コンピュータアーキテクチャに関する研究を行う。
特に低消費電力技術とディペンダブル技術を扱う。
具体的にはソフトウエアシミュレーションにより、
実験と評価を行う。
◎教 授 モシニャガ ワシリー
組み込みシステム設計技術、データ処理アルゴリズ
ムの最適化、
マイコンシステム開発、
LSI 回路設計お
よびユーザーインターフェイスの研究を行う。
◎教 授 森元 逞
音声解析、音声認識・理解、対話処理システムなど
に関する研究を行う。理論的な検討や方式の提案だ
けでなく、実際のシステムを構築し、動作確認、評
価を行う。
◎教 授 友景 肇
SiP(SysteminaPackage)モジュールの設計、解析
と TEG(Test Element Group)を使った電気的特性
の評価を行う。論文を各自読んで5月に発表し、夏
休みまでにデータを集める。
◎教 授 鶴田 直之
パターン認識の技術を応用して画像メディアシステ
ムやデータマイニング、elearning ツールの開発・実
装を行う。実装方式でも先端技術を取り入れる。
◎教授 末次 正
高効率で小型の電源回路であるスイッチング電源回
路と計算機による電子回路のシミュレーション技術
を研究する。
◎教授 太郎丸 眞
携帯電話や無線 LAN に代表されるディジタル無線
通信システムに関する信号処理、プロトコル(通信
手順)などの研究を行う。
◎准教授 鶴岡 知昭
携帯電話やインターネット、無線 LAN などの通信
方式やセキュリティなどネットワーク上の様々な応
用技術について各自で設定したテーマに基づいて調
査・研究を行う。
◎准教授 鈴木 孝将
Si や GaAs 表面上の有機分子-半導体ハイブリッド
構造や、有機薄膜の研究を行う。
また、Si や SiC 表面にエピタキシャル形成させた
Graphene の研究も行う。
◎准教授 文仙 正俊
ホログラフィック光メモリを中心にホログラム応用
技術についての研究を行う。基礎理論を学習した後、
光学実験、電磁界シミュレーション、信号処理ソフ
トの作成等を行う。
U
R
L ………………………………………………
学科のホームページ
(http://www.tl.fukuokau.ac.jp/)
― 577―
シ
ラ
バ
ス
255
シラバス
科
目
情報化社会論
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
福
当
留
者
和
治
703000225001
概
要 ………………………………………………
コンピュータの出現以来、その成長とともに社会もそ
の影響を受けて大きく変化してきた。社会の重要な要
素として、従来の人、もの、金に、情報が加えられ情
報化社会の到来が言われるようになって久しいが、近
年は情報の社会における重要性がますます大きくなっ
てきている。このような情報化社会を促進してきた情
報機器の発展と情報化の進展、情報化が社会に及ぼす
影響や変化等について学ぶ。特に、著作権やその他の
法制度、社会モラル及び情報倫理、個人情報保護、情
報公開法、コンピュータ・セキュリティと犯罪等の現
状や、ネットワーク世代やソシアル・ネットワーク・
サービス等の役割や今後の社会に与える影響について
理解し、情報化社会の展望について える。
一 般 目 標 ………………………………………………
情報化社会の進展と社会の変化についての認識し、さ
らに知的所有権、個人情報保護、情報公開、セキュリ
ティその他の仕組みと現状を理解することによって、
情報社会の変化に対応していける知識を習得する。
シ
ラ
バ
ス
256
成績評価基準
…………………………………………
⑴情報化社会の進展と社会の変化について理解してい
ること。
⑵情報化社会における諸制度の仕組みと今後について
理解していること。
⑶情報化社会における情報倫理について理解している
こと。
⑷情報化社会における情報活用のための支援ツール
(マインドマップ)を活用できる。
成績評価の方法 ………………………………………
原則としてすべての講義に出席していること。
成績評価は演習等の課題(50%)と期末試験(50%)
とする。
履修の条件 ………………………………………………
特になし
履修上の留意点 ………………………………………
本講座の目的は、情報化社会の発展の歴史や社会変化
および今後の変化を認識することにあるので、日常の
中で新聞、ニュース等に関心を持ち、インターネット
でも調べてみること。
講義終了時に講義資料を FU ポータルから提供するの
で、各人復習し次の授業で実施する課題テストに備え
ること。
授 業 計 画
1.情報社会論序論と M indM ap
情報化社会出現の過程と情報および情報化社会の
定義を確認する。さらに情報活用ツールとしてのマ
インドマップを学び、活用していく。
2.コンピュータの歴史と概要
情報化社会を支えているコンピュータの誕生、発
展およびその種類と役割について理解する。
3.コンピュータとインターネット
コンピュータの 特 異 性 と ハード ウェア、ソ フ ト
ウェアの概要とインターネットの歴史と仕組みにつ
いて理解する。
4.情報社会の倫理と法
健全な情報化社会を展開していくために必要なモ
ラル、倫理および法について理解する。
5.情報化社会と犯罪
情報化社会で見受けられる犯罪事例と対応につい
て える。
6.知的財産権
知識社会に向けて知的財産権の概要と大切さを理
解する。
7.個人情報保護と情報公開
情報化社会で情報の適切な活用をするために関連
法律の現状と適切な対応を学ぶ。
8.セキュリティ対策
情報化社会において情報環境を安全に維持してい
くための必要性と対応を理解する。
9.ネット利用のエチケット
インターネットを適切に活用していくためのマ
ナー(ネチケット)について学ぶ。
10.高度情報通信社会を目指して
日本を先進的な高度情報社会にしていくための政
府の施策等について理解する。
11.高度 IT 人材の育成をめざして
これからの高度情報通信社会を支えていく技術者
の育成の為の、情報処理技術者試験の概要を理解す
る。
12.情報化による社会への影響
情報化の発展に伴い、その環境に対応するために
変化していく社会環境や人の変化について認識する。
13.デジタル・ネイティブの出現
デジタル環境で育った若者達の思 、能力の変化
と今後について える。
14.ソシアル・ネットワーク・サービス
ネットワーク上の社会が実社会の活動をも変えて
世界的に変化していることを学ぶ。
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
JABEE学習教育目標 ……………………………
情報技術が自然および社会に及ぼす影響や効果を理解
し、情報処理技術者が社会に負っている責任を自覚す
ること。
(JABEE 学習・教育目標の(A-2)に対応)
― 578―
テキストは利用しない。講義で使用するスライドは
FU ポータルで公開する。
参
書 ………………………………………………
各講座の中のスライド中において紹介する。
科
目
名
情 報 職 業 論
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
大
当
者
原
進
703000224901
概
要 ………………………………………………
コンピュータやインターネットの普及により、社会の
情報化は急激なスピードで進行している。社会の情報
化は、さまざまな価値観や新しいビジネスモデルを生
み出し、ビジネス環境や生活スタイルにも変化を与え
ている。
この講義の前半では、ビジネスにおけるコンピュー
タやインターネットの役割、情報化によるビジネスの
変化、また、それらによる労働環境や職業に関する価
値観などの変化について学習する。
コンピュータやインターネットに限らず、技術の進
歩は世界に大きな影響を与える。講義の後半では、こ
の技術に携わる人々がその職務を遂行する上で従わな
ければならない技術者や組織の行動規範である技術者
倫理について学習する。
一 般 目 標 ………………………………………………
情報化社会の進展と職業の変化について理解し、技術
者倫理を含む職業観と労働観を習得することを目標と
する。
成績評価の基準
………………………………………
⑴情報化社会の進展と職業の変化について理解してい
ること。
⑵情報化社会における技術者倫理について理解してい
ること。
★予習よりも、授業時に提示した仮説について、各自
が独自に検証し、次回の演習や討議を行う「復習」を
求めます。
成績評価の方法 ………………………………………
原則としてすべての講義に出席していることを合格の
条件とする。
□中間レポート30%
・演習1 情報化社会の起業演習(20%)
・演習2 企業リスク管理演習(10%)
□期末レポート20%
□期末試験50%
疑似コンサルティング
通常試験
起業、擬似コンサルティングでは情報化社会と環境を
めぐる諸問題に関し、自らの仮説を立てる。企業の経
営状態と自身のシナリオをベースに説得性を論証でき
るかにより総合評価する。
者倫理について理解することであるから、日頃から関
連した新聞記事やニュースなどには関心を持つように
心がけて欲しい。
講義の1週間前に次回、講義内容をFUポータルで事
前提供し、予習する。終了後、1週間以内に復習のた
めの課題を実施させる。
J ABEE 学習教育目標 ……………………………
情報技術が自然および社会に及ぼす影響や効果を理解
し、情報処理技術者が社会に負っている責任を自覚す
ること。
(JABEE 学習・教育目標の(A-2)に対応)
授 業 計 画
第1部>
第1週 講義計画、評価方法等の説明
情報関連分野の職業の具体的内容
グループ分け
日本の産業構造についての概要
第2週 日本の職業構造と特徴
※基礎データを読む
産業構造と政府の構造対比し理解を深める
第3週 職業での倫理観(公務員の倫理観)
社会で働くことの意味
第4週 情報サービス産業の歴史と現状
第5週
情報・知識の時代」の到来で情報化社会
日本産業構造改革の検討項目
自己の改革(M ILESTONE)
第2部>
第6週
ユビキタスネットワークと「情報・知識の
時代」
第7週 インターネットによる「新たな IT 市場の
現状と展望」
第8週 情報化社会に於ける働き方、雇用問題起業
のノウハウについて理解する
第9週 ベンチャー起業 演習1
実際に起業し会社を設立する(20%)
第3部>
第10週 情報社会の特質と職業観
(情報モラル向上)
第11週 企業に於けるリスク管理
第12週 職業教育と職業資格
第13週 テクノストレスと労働衛生
第14週 企業の課題と解決案策定
擬似コンサルティング
(顧客役と SE 役でグループ演習)
最終提案書発表と提出(提案の独
性が重要)
この科目の授業時間数は、22時間である。
履修の条件 ………………………………………………
特にない。
テ キ ス ト ………………………………………………
履修上の留意点 ………………………………………
こちらで作成した独自テキストを授業初日に販売しま
本講義の目的の一つは情報化社会と職業の関係、技術
す。1,000円程度になる予定
(コピー料金+製本代金の
実費)
― 579―
シ
ラ
バ
ス
257
シラバス
科
通
信
法
目
名
期
規
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
4
佐
当
藤
者
伴
昭
703000211901
一 般 目 標 ………………………………………………
通信や放送等を規制する電気通信事業法、電波法及
び関連する法令の概要を学ぶ。電気通信主任技術者、
⑻ 無線局の運用、監督、関係雑則を理解している。
2.方法
定期試験の成績を7割、講義時間に行う小テストの
成績を3割とする。
無線技術士の資格取得を目指す学生には必携の科目。
第1級陸上特殊無線技士等の卒業による資格取得に必
要な科目。
テ キ ス ト ………………………………………………
プリントを配付する。
概
要 ………………………………………………
通信・放送の世界では今大きな変革の時代を迎えて
いる。キーワードは「ディジタル」と「融合」である。
「ディジタル」についていえば、技術革新の中心技術が
参
書 ………………………………………………
今泉至明著
「電波法要説」
ISBN978-4-8076-0467-8
ディジタルといえる。例えば、携帯電話は既にディジ
タル化が完了し、2011年にはアナログテレビジョン放
送は終了する予定である。「融合」については、通信と
放送の融合が具体的な形で進展している。例えば、携
履修上の留意点 ………………………………………
法令条文の単なる暗記ではなく、各法令の
え方や
シ
ラ
バ
ス
帯電話に放送受信機能が付加され、テレビジョン受信
その裏付けとなる技術的な内容と関連づけて理解する
機にはインターネット機能が付加されている。これら
こと。
258
別よりも、サービスの内容が興味の中心をなすように
の事実は、利用者側からみれば最早、通信と放送の区
授業 計 画
なる。これは単なる技術の世界の問題ではなく、経営
の問題でもある。
1
通信法規の意義と概要
この授業科目では、通信・放送の技術・事業につい
2
電気通信事業の参入・退出
て法的な枠組みを定めた電気通信事業法、電波法など
3
電気通信業務
を中心に関連する法令について分かりやすく解説する。
4
電気通信主任技術者・工事担任者
通信・放送業界に就職を希望する学生はもとより、電
5
電気通信設備の技術基準
気通信主任技術者、無線技術士の資格取得を目指す学
6
有線電気通信法、不正アクセス防止法、
生には必要な科目である。
電子署名法
成績評価基準および方法 ……………………………
7
無線局の免許等
8
無線設備の技術基準
9
無線従事者
1.成績評価基準
10 無線設備の一般運用
⑴ 各法令の目的、各法令で使用される基本用語を理解
11 海上・航空通信の運用
している。
12 無線局の監督
⑵ 電気通信事業への参入・退出の要件・手続きを理解
13 無線局関係雑則
している。
14 罰則、国際法
⑶ 電気通信役務提供条件の説明、回線接続条件を理解
している。
⑷ 電気通信設備の技術基準を理解している。
⑸ 不正アクセス防止法、電子署名法の
え方を理解し
ている。
⑹ 無線局免許の欠格事由、免許等の手続きを理解して
いる。
⑺ 無線設備の技術基準を理解している。
― 580―
この科目の授業時間数は22時間である。
科
目
名
電 気 音 響 学
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
4
香
当
者
田
徹
703000013601
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
聴覚・音声科学のための音響学を、講義OHP呈示用
1
聴覚と音声
の講義ノートのプリントを配付して、右の授業計画に
1.1 ヒトの聴覚器官と内耳蝸牛における周波数
分析
従って講義を進める。
1.2 ヒトの音声発生器官とフォルマント
2
成績評価基準および方法 ……………………………
成績評価は定期試験の結果を基本とするが、授業中
音波の性質
2.1 平面波の伝播
2.2 集中定数回路と分布定数回路
の質問に対する応答や授業後に随時受け付ける学生の
2.3 フェーザ解析と波の伝播
質問を特に評価する。回路理論の基礎である集中定数
2.4 電気回路と音響系・機械系対応
回路のフェーザの習熟度を評価する。
3
単振動
3.1 正弦波とフーリエ分析
4
対数と逆対数
テ キ ス ト ………………………………………………
5
音の強さと音圧:デシベル
配布資料の講義ノートや OHP 資料が主である。
6
複合波
6.1 フーリエ級数
シ
ラ
バ
ス
6.2 フーリエ分析
参
書 ………………………………………………
7
共鳴とフィルタリング
音響工学:三井田淳郎著、昭晃堂
7.1 直列共振回路
音声・音響工学:古井貞ひろ、近代工学社
7.2 共振の良さと帯域幅
8
259
歪み
8.1 非線形特性による歪
8.2 時間応答による歪
9
音の伝搬
9.1 進行波の入射波と反射波
9.2 定在波
9.3 球面波
この科目の授業時間数は22時間である。
― 581―
シラバス
科
メディア機器
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
4
佐
当
藤
者
伴
昭
703000219701
概
シ
ラ
バ
ス
260
要 ………………………………………………
電話システム、データ通信システム、テレビジョン、
移動体通信システム、無線電話システム、衛星通信シ
ステム、電波の伝搬などについて述べる。
公衆用の電話回線システムを理解しておくことは他
の多くの通信システムの理解に役立つ。ここでは、電
話回線の基本回路や、通信網の構成、電話信号の多重
化、伝送システムの実例などについて述べる。
データ通信は電話をはじめとする一般の通信とは異
なり、通信系の中に情報処理機能をもつ。本講義では、
データ通信の形式、データ交換の方式、データ通信網
の形式などについて述べる。
テレビジョンは、画像と視覚に関する基礎的な理解
をもとに、テレビジョンの原理、画像の高能率符号化、
ディジタル変調について述べる。
移動体通信システムは、セル、ゾーン構成とともに
携帯電話・PHS を中心に述べる。
各種の無線電話システムは、PCM 方式、SS-SS 方
式、SS-FM 方式について述べる。
衛星通信は、衛星通信回線の仕組みや伝送方式など
について述べる。
無線伝送における電波の伝搬は、地上、対流圏、電
離圏における各伝搬様式と媒質の影響(吸収,屈折,回
折,反射,散乱)について述べる。
学習・教育目標 ………………………………………
3年次までに回路や通信関係の基礎科目で学習して
きた内容が、電話、テレビジョン、衛星通信、移動体
通信などの各通信システムでどのように機能してこれ
らの通信が可能になっているかについて理解し、同時
に、有限の資源としての周波数の有効利用の大切さを
認識する。
履修の条件 ………………………………………………
3年次の「通信方式」「情報伝送工学」を履修してい
ることが望ましい。
履修上の留意点 ………………………………………
第1級陸上特殊無線技士等の卒業による資格取得に
必要な科目。
日頃新聞などに掲載される電子・情報・通信分野の
トピックに注意。
授業 計 画
1.電話信号の多重化と電話回線網(音声の周波数
成分、回線の基本構成、通信網と交換)
2.データ通信システム
3∼6.テレビジョン(視覚と画像、テレビジョン
の原理、高能率符号化、ディジタル変調)
7.移動体通信におけるゾーン構成とセル
8.携帯電話・PHS システム
9.各種の無線電話システム
10.衛星通信の概要(歴史、種類、軌道、使用周波
数)
11.衛星通信回線の構成、雑音、干渉
12.衛星通信における多元接続(周波数分割多元接
続、時分割多元接続、符号分割多元接続)
13.電波伝搬(地上波伝搬)
14.電波伝搬(対流圏伝搬、電離圏伝搬)
この科目の授業時間数は22時間である。
テ キ ス ト ………………………………………………
プリントを配布する。
成績評価の基準 ………………………………………
⑴電話信号の多重化と電話回線網の構成、データ通信
の概要を知っている。
⑵視覚と画像の関係、テレビジョンの原理、高能率符
号化、ディジタル変調の概要を知っている。
⑶携帯電話・PHS、各種無線電話システムの概要を
知っている。
⑷衛星通信の概要を理解している。
⑸電波の伝搬現象の基礎を知っている。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験の成績を7割、講義時間に行う小テストの
成績を3割とする。
― 582―
参
書 ………………………………………………
内容が多岐にわたるので、講義内容に即して参 書
を適宜選択すること。
⑴池上文夫著:電気・電子工学基礎講座「通信工学」
(理工学社)
⑵佐々木・宮崎共著:テレビジョン学会参 書シリー
ズ1「テレビジョン」(コロナ社)
⑶直川一也著:「改訂版 入門カラーテレビ」(東京電
機大学出版局)
⑷小川 他共著:「宇宙工学シリーズ4 宇宙通信およ
び衛星放送」(コロナ社)
科
ロボティクス
目
名
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
荒
当
牧
者
重
登
703000240001
概
要 ………………………………………………
知能をもったロボットを構築する際、学際的な分野
の知識を必要とするが、ここでは、電子情報工学科の
学生向けに講義する。すなわちロボットを認識や行動
の機能が知的に結合された一種のコンピュータシステ
ムとしてとらえる。つまりロボットシステムは、知能
を発現するように構成された情報処理系と身体からな
ると え、前者の情報処理系の構築を中心に話を進め
る。
一般にロボットは実世界で知的に動くものでなけれ
ばならないので次のような機能を備える必要がある。
・物体を操作して作業したり自分自身が動き回った
りする、操作・移動機能。
・ロボットを取りまく外部の環境を認識する、感覚・
認識機能。
・人間から与えられた命令を理解し、その動作手順
を計画し実行する、思 ・判断機能
・人間とロボットがコミュニケーションできる、人
間とのインターフェイス機能
本講義ではこれらの各機能要素について説明したあ
と、これらの機能を一つのロボットシステムとしてま
とめあげる手法についても述べる。
まず、
ロボットの本質は知能であるので、
知能ロボッ
トが備えるべき要件についてふれる。つぎにロボット
を構成する各機能要素をシステムとしてまとめあげる
ためのファンクションセットの概念について説明する。
この概念は、ちょうど計算機の汎用性がつきつめてい
けば、注意深く選ばれたインストラクションの体系と、
それを組み合わせるプログラムの体系に帰着すること
から えられたものであることを知る。ロボットの操
作機能としてアーム(腕)の運動学についてふれる。す
なわち、X,Y,Z座標で表現される3次元空間とロ
ボットの関節座標系相互の座標変換について説明する。
ロボットの環境認識能力は非常に重要である。ここで
は、視覚を用いた対象物のトラッキング、位置姿勢の
計測法などについて える。また、ロボットは位置と
力の制御を行いながら作業することも多いので、力覚
センサの原理についてもふれる。各機能要素のファン
クションセットを並行プロセスの概念と実時間モニタ
を使ってロボットシステムとして統合する方法を実際
のプログラム例を示しながら説明する。これからのロ
ボットは人間とフレンドリーなインターフェイスを持
つことが必要となる。われわれ人間はいろいろな知識
を利用しながら日常生活を営んでいる。そのために、
人にものを頼む場合も細かな指示をせずにすむことも
多い。そこでロボットも知識データベースを持つ必要
がある。実際にわれわれが行なった音声による人間と
ロボットとのインターフェイスの開発事例を通してロ
ボットに必要な知識表現の構築法について説明する。
ロボットは、実世界でその知能を発現するものでな
ければならない。そこでロボットの身体が必要になる。
現在、多くの企業、研究機関で人間型ロボットが開発
されている。本講義でも、人間型ロボットの情報処理
システムの構造をハードウエアとソフトウエアの両面
にわたって概説する。次世代のロボットが家庭や事業
所、公共の場で普及していった場合、20年後その市場
規模は約7兆円になるという報告がなされている。今
後のロボットの応用分野についても概観する。
学習・教育の目標 ……………………………………
知能ロボットシステムを構成する各機能要素の基礎
知識の修得、これらの機能を一つの情報システム(ロ
ボット)としてまとめあげる能力の育成。
またこのシス
テム構築に関連する電子系、情報系の基礎項目の復習
とその適用事例を学ぶ。
履修の条件 ………………………………………………
オペレーティングシステムⅠ,Ⅱ、知識工学、画像
処理工学などを履修しておくことが望ましいが、本講
義中においても、必要に応じて基本的な事項の復習を
行う。
成績評価の方法 ………………………………………
講 義 中 に 実 施 す る 演 習 課 題 の レ ポート 提 出 結 果
(10%)
、理解度確認テスト(20%)および定期試験の
結果(70%)により評価する。
テ キ ス ト ………………………………………………
授業中に講義資料を配布する。
参
書 ………………………………………………
井上博允 著:ロボットシステム「メカトロニクス」
(石井威望編)5章 岩波書店
井上博允 他著:岩波講座
「ロボット学」
シリーズ 岩
波書店
白井良明 編著:「ロボット工学」オーム社
授 業 計 画
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
知能ロボットシステムとは
ファンクションセット
操作機能
アームの運動学
環境の認識
視覚情報処理
力覚およびその他の感覚機能
並行プロセスの概念と実時間モニタ
感覚と行動の統合プログラム例
人間とのインターフェイス機能
ロボットのための知識表現法
音声言語を使ったインターフェイスの事例
人間型ロボットのシステム構成例
ロボットの応用例
この科目の授業時間数は22時間である。
成績評価の基準 ………………………………………
ロボットを情報システムとしてとらえたときの基本的
な え方および各機能要素の基礎について理解してい
ること。
― 583―
シ
ラ
バ
ス
261
シラバス
科
目
計算機支援設計概論
名
期
後
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
鶴
当
田
者
直
之
703000017601
概
要 ………………………………………………
計算機の発達に伴い、計算機を利用して設計や生産
の効率化、自動化を図るための技術、すなわち CAD
(Computer Aided Design)や CAE(Computer Aided
Engineering)の技術が重要になってきている。この講
義の目的は、CAD や CAE の入門である。
参 書:菊地文雄:有限要素法概説、サイエンス社
781909116
ISBN 4●資料を講義中に配布し、学内の M oodle システム
サービスでも公開する。
●ほぼ毎回の予習復習課題は学内の M oodle システム
サービスを用いる。
授業 計 画
一 般 目 標 ………………………………………………
シ
ラ
バ
ス
262
講義では、以下の3つの基礎について学習する。特に
有限要素法を用いた数値シミュレーションは、非常に
多くの分野で利用されており、様々な情報の視覚化に
おいて重要な技術である。この講義では、有限要素法
や各種シミュレーションで用いられる数値的な最適化
手法について集中的に講義を行う。
1.CAD や CAE が発達してきた過程
2.CAD や CAE のハードウェア、ソフトウェアの構
成
3.CAD や CAE の要素技術(3次元物体の形状表
現、数値シミュレーション
1
2
3
4
5
成績評価の基準 ………………………………………
1.CAD の応用分野、構成要素とそれぞれの役割を
知っていること。(授業計画の1)
2.CAD に関する技術用語を英訳も含めて知ってい
ること。(授業全般)
3.3次元物体の表現方法を理解していること。
(授業
計画の2∼4)
4.簡単な微分方程式で表される1、2次元の境界値
問題を有限要素法で解く方法が理解できているこ
と。(授業計画の6∼12)
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(60%)と平常点(40%)で評価する。平
常点は、出席者のみに課す、ほぼ毎回の予習復習課題
にて評価する。
履修の条件 ………………………………………………
特になし。本科目は、07台以前の学生には情報科教
職課程の科目となっている。
参
書 ………………………………………………
教科書:安田仁彦:メカトロニクス教科書シリーズ5、
339043945
CAD と CAE、コロナ社 ISBN 4参 書:千田豊満:CAD ╱ CAM システム、理工学社
844522485
ISBN 4-
― 584―
6
7
8
9
システムのハードウエア、ソフ
CAD ╱ CAE ト ウ エ ア CAD ╱ CAE の 応
の歴史
用分野や役割、構成がイメージ
できれば良い。
3次元物体の形状を関数で表現
し、計算機に記憶する方法を理
解する。面積や体積を計算する
方法を理解する。
3次元物体の
関数以外の表現方法と計算機に
表現とモデル
記憶する方法、それぞれの利点
化
と欠点を理解する。
以上のモデルを用いた物体の内
外判定や体積計算の方法を理解
する。
微分方程式の復習と差分法によ
微分方程式の る解法を理解する。
数値解法の基
重みつき残差法について理解す
礎
る。
有限要素法の 有限要素法の原理と計算手順を
序説
一般化して理解する。
有限要素法を 1次元問題を例にして、有限要
用いた1次元 素法の処理手順とその利点を理
問題の解法
解する。
10 有限要素法を
11 用いた2次元
12 問題の解法
より高度な有
13
限要素法
2次元問題を例にして、有限要
素法の処理手順とその利点を理
解する。
有限要素法の様々な工夫につい
て知る。
復習をかねた演習を行い、質問
14 復 習
を受け付ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
U
R
L ………………………………………………
M oodle システムサービス
(https://moodle.cis.fukuoka-u.ac.jp/)
履修上の留意点 ………………………………………
コンピュータグラフィックスは、CAD 以外にも広く
利用される技術であるので、詳細については「コン
ピュータグラフィックス概論」の講義にゆずる。
平常点にかかる予習復習には十分な時間を割くこと。
科
目
名
コンピュータグラフィックス概論
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
鶴
当
田
者
直
之
703000039801
概
要 ………………………………………………
画像処理工学で学んだ画像認識・理解に対して、こ
の講義では狭義の画像処理と呼ばれる技術について学
習する。前者は画像が表すシーンの内容を解析するの
に対し、後者は単に画像が利用者にとって見やすいか
利用しやすいかを議論する。このように狭義の画像処
理は、限定された応用目的で利用されるものではある
が、マルチメディア表現や情報の可視化といった今日
極めて重要になってきている技術の大半を含むもので
ある。特にコンピュータグラフィックスと呼ばれる画
像の生成・合成処理は、今日の映像情報メディアでは
必要不可欠なものとなっている。
一 般 目 標 ………………………………………………
本講義では、画像処理関連の各種検定試験中級レベ
ルの理解を目指している。ただし、検定受験を志す者、
実技を身に着けたい者はエクステンションセンターな
どの課外講義で実践にあたることを勧める。
成績評価の基準 ………………………………………
1.ディジタル画像の諸性質を理解していること。
(授
業計画の1∼3)
2.画像の様々な表示方法を知っており、基本的なも
のについて理解していること。(授業計画の4
∼6)
3.フィルタ処理について理解していること。
(授業計
画の7、8)
4.直交変換の原理について理解しており、応用を
知っていること。(授業計画の9)
5.画像合成の基本原理について理解していること。
(授業計画の10∼12)
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験(60%)と平常点(40%)で評価する。平
常点は、出席者のみに課す、ほぼ毎回の予習復習課題
にて評価する。
参
教科書:資料を講義中に配布し、学内の M oodle シス
テムサービスでも公開する。
参 書:画像処理標準テキストブック、㈶画像情報教
育振興協会発行
●ほぼ毎回の予習復習課題は学内の M oodle システム
サービスを用いる。
授業 計 画
画像処理・CGの応用分野と役
割をイメージできれば良い
画像の種類を知り、数学的に扱
画像の生成と
2
うための画像の関数表現を理解
表現
する。
色の定義と複数の表現方法を理
3 色の表現
解する。
濃淡画像の濃淡表示について理
4
解する。
濃淡画像の2値表示について理
5 画像の表示
解する。
カラー画像の表示について理解
6
する。
線形平滑化フィルタとその応用
7
を理解する。
フィルタ処理
微分フィルタ、非線形フィルタ
8
とその応用を理解する。
直交変換とそ 直交変換の基本原理を理解し、
9
の応用
画像圧縮などの応用を知る。
光線追跡法の基本原理を理解す
10
る。
CGの基本原 光線追跡法の高速化について知
11
理
る。
ラジオシティ法の基本原理を理
12
解する。
フォトンマップの基本原理とそ
13
の効果を知る。
CGの最先端
ボリュームレンダリングの基本
技術
14
原理とその効果を知る。また,
全体の質問を受け付ける。
この科目の授業時間数は22時間である。
1
U
J ABEE 学習・教育目標 …………………………
画像処理、音声処理、自然言語処理、知識工学など
コンピュータ応用システムの基礎を習得し、応用する
能力。(JABEE 学習・教育目標の(C-2)に対応)
履修の条件 ………………………………………………
書 ………………………………………………
イントロダク
ション
R
L ………………………………………………
M oodle システムサービス
(https://moodle.cis.fukuoka-u.ac.jp/)
履修上の留意点 ………………………………………
本科目は情報科の教職課程科目になっている。
平常点にかかる予習復習には十分な時間を割くこと。
ディジタル信号処理の復習をしておくことが望まし
い。
― 585―
シ
ラ
バ
ス
263
シラバス
科
目
名
電 気 工 学 通 論「TL クラス」
期
前
別
単位数 開講年次
期
2
4
担
松
当
原
者
和
宣
703000013701
講義の概要と学習目標 ………………………………
シ
ラ
バ
ス
264
電力エネルギーは我々の家庭生活、交通、情報・通
信をはじめ、あらゆる産業分野にとって不可欠であり、
その需要は止まるところを知らず増大し続けている。
電気工学はこのような電力エネルギーの発生から動力、
熱及び光(照明)など必要とされる様々なエネルギー
形態に変換して利用するまでの学術を幅広く扱う学問
であり、電気工学通論はこの学問分野を横断的に把握
するための科目であるが、内容が多岐にわたるため、
短時間の学習では得られる知識も断片的に成りがちで
ある。
そこで、本授業では電子情報工学を中心に学ぶ諸君
にとって関連の深い、電気機器(変圧器、直流・交流
モータ)に関する基礎的事項とパワーエレクトロニク
スの基本技術を重点にして講義を行う。パワーエレク
トロニクスとは、電力エネルギー(パワー)を電子技
術(エレクトロニクス)を用いて制御するための総合
技術を総称したものであり、半導体回路技術を中心に
発展している新しい工学分野の一つである。
この学習目標は、まず単相及び三相変圧器の基礎事
項を理解する。 次に、ダイオード、サイリスタ(SCR)
など電力用半導体を用いて交流を直流に変換(順変換)
し、その出力電圧や出力電力を自由自在に制御するた
めの基本回路の動作原理、直流を任意の周波数の交流
に変換するための各種インバータ回路について理解し
た上で、前者の直流(DC)サーボモータ制御への応
用、後者の交流(AC)サーボモータ制御への応用並び
にパワーM OSFET や絶縁ゲート形バイポーラトラン
ジスタ(IGBT)のような電力損失が少なく、高速かつ
大容量の新しい電力用半導体の活用技術と最近の電力
変換・制御システムに関する基礎知識を習得すること
である。
成績評価の基準 ………………………………………
授業計画に記載した内容の基礎的な部分を理解して
いること。
成績評価の方法 ………………………………………
定期試験60%、演習課題の報告書30%、および講義
中に行う小テスト10%で行う。
履修上の留意点 ………………………………………
講義を受講するに当たって、予習と復習を確実に実
行するように心掛けること。各授業の終わりに、授業
内容の理解確認やキーワードに関する演習課題を出す
ので、次の授業時にレポートを必ず提出すること。特
に、就職活動等で欠席の場合は欠席理由書と同時に、
― 586―
その時間を補充するための学習ノートを各自で作成・
提出し、チェックを受けること。
テ キ ス ト ………………………………………………
西方正司:「よくわかるパワーエレクトロニクスと電
気機器 ,オーム社 ISBN978-4-274-13037-3
参
書 ………………………………………………
パワーエレクトロニクスに関する参 書や実用書は
多くの書店から出版されているが、ここでは次の4冊
を紹介する。⑴ Takashi Kenjo: Power Electronics
for the Micro Processor Age , Oxford Science
Publications ⑵ 中 野 道 雄 他 著:「サーボ 技 術 と パ
ワーエレクトロニクス , 共立出版 ⑶古橋 武著:
「パワーエレクトロニクスノート(工作と理論)」、コロ
ナ社 ⑷高橋 寛監修、粉川昌巳著:「絵ときでわか
るパワーエレクトロニクス」、オーム社出版局
授業 計 画
1.講義の進め方、パワーエレクトロニクスとは、
電気機器の省エネルギー化の重要性
2.単相交流、正弦波交流の最大値、実効値および
平 値、三相交流の相電圧と線間電圧
3.単相変圧器(理想変圧器とは、印加電圧と磁束、
二次コイルの誘導起電力)
4.理想変圧器の等価回路、インピーダンス変換器
としての役割
5.実際の変圧器、三相変圧器、結線方式(Y-Y 結
線、Δ-Y 結線ほか)
6.電力用半導体(スイッチング素子の種類と基本
特性、スイッチ損失)
7.交流-直流変換Ⅰ(順変換とは、単相半波整流回
路、単相全波整流回路)
8.交流-直流変換Ⅱ(平滑回路、平滑リアクトルお
よび還流ダイオードの役割、三相整流回路)
9.直流電力の制御(チョッパの原理、降圧チョッ
パ)
10.昇圧チョッパおよび昇降圧チョッパ
11.SCR 位相制御の原理、ゲート制御回路、直流
(DC)モータ制御への応用)
12.直流-交流変換(逆変換とは、他励式インバー
タ、自励式インバータ)
13.パルス幅変調(PWM )方式の原理、交流(AC)
モータのインバータ制御
14.無停電電源(UPS 回路)、本講義のまとめ
この科目の授業時間数は、22時間である。
科
工
業
経
目
名
期
営
前
別
単位数 開講年次
期
2
担
4
藤
当
野
者
真
701000T17901
概
授業 計 画
要 ………………………………………………
自分自身のキャリア(職業生活)を
えてほしいと
1.イントロダクション
思います。企業において技術者や研究者は、自身の工
2.協働行為の組織化
学に関する専門知識に基づき仕事を行うだけでなく、
3.科学的管理とその普及
当然、企業内部において管理的業務を担わざるを得な
4.フォード・システム
いと思います。また、もしかしたら経営者として企業
5.経営管理機能と管理サイクル
の将来を左右する役割を担うようになるかもしれませ
6.官僚制の理論とその逆機能
ん。
7.社会的存在としての人間
したがって、本講義は、来るべきその日の準備のた
8.自己実現を目指して成長する人間
めの講義と位置付けられればと思っています。本講義
9.活動と諸力の体系としての人間
では、工学部の学生が工業経営に関する基礎的な知識
10.心理的環境を前提とした組織
を修得することを目的に講義を進めていきたいと思い
11.生産技術と組織構造
ます。
12.技術概念の拡張と組織分析の体系化
13.ごみ箱モデル・組織学習
14.まとめ
評価基準および方法 …………………………………
シ
ラ
バ
ス
評価は、定期試験(60%)、小テスト(40%:2回を
予定)を総合して行います。
265
テ キ ス ト ………………………………………………
指定しません。
講義はレジュメをもとに進めます。
参
書 ………………………………………………
稲村毅・百田義治[2006]、『経営組織の論理と変革』
ミネルヴァ書房(叢書
現代経営学8)
623038963
ISBN 4廣岡久生・松山一紀[2007]、『ケースで学ぶ経営管理』
中央経済社
4502395901
ISBN 978-
履修上の留意点 ………………………………………
1.工業経営について意欲的に学習する意思がある学
生の受講を希望します。
2.注意したにも関わらず、著しく受講態度が悪い場
合には、出席を遠慮してもらいます。
― 587―