3月号 - ヘラ スパイス ジャパン

Hela News 2014年3月号(223号)
ヘラ・スパイス・ジャパン株式会社
茨城県守谷市松ヶ丘1-4-1
http://www.helajapan.com
ドイツ鉄道DBの朝食Frühstück~ネーミングも重要
ドイツ鉄道の特急インターシティ
ICEは大都市間を結ぶ快適な
空間~車窓を眺めながら、朝食
は車内で・・・というビジネスマン
も多い。
Baguette-Frühstück バゲットサンド(ハムとチーズ)とコーヒーで6.8€
City-Frühstück=City breakfastクロワッサン 2 個、黒パンスライス3枚、ゼンメル2個に
バター、ジャム、蜂蜜、チョコバター、クリームチーズのミニポーションがついて8.20€
Boulevard-Frühstück ジャズでも良く謳わ
れるシカゴギャングが活躍した有名な通りブールバードをネーミン
グ。 ハム 2 枚、サラミ 3 枚、スライスチーズ 1 枚がプラス10.2€
Rührei-Frühstück スクランブルエッグセット
基本:黒パン3切れ8.2€
ニュールンベルガー3 本付き9.2€
スモークサーモン2切れ付き9.9€
ターゲットはビジネスマンなので、大人のスマートなイメージをネーミングし
ているのが特徴。
パンもバター類も豊富でボリュームがあり、同僚と打ち合わせしながらの朝
食にピッタリである。
お昼も夜もグルメな Bio 有機肉&野菜料理
Kartoffel-Lauch-_Eintopf
ジャガイモとねぎの具だくさんシチュー9.9€
Rindergulasch 牛肉の煮込みグーラッシュ14.9€
Grünkohl ケールキャベツ煮込みカスラー&メットヴルスト添え12.9€
Königsberger
Klopse
ベルリン名物:肉団子のクリームシチ
ュー:ケーニックスベルガークロプセ
バターライス添え 10.9€
辛子~甘辛対決
永遠のライバル
出来立てのヴァイスヴルストにたっぷりの甘い辛子・・・
パリっと音を立てて食べるアツアツのウインナーには、中辛マスター
ド・・・・どちらも美味しいソーセージをさらに引き立てる、無くてはなら
ないパートナー。
南ドイツ新聞の、辛子に関する記事によると、ドイツ人は1年間で平
均1kgの辛子を消費している。
1回につける中辛マスタードの量は10g、甘口は20g、ソーセージに
付けている。
10gで換算すると、100 本は辛子をつけて食べていることになる。
ドイツで甘い辛子と言えば、Händlmaier へンデルマイヤー
中辛は Develey デヴエライ とバイエルンでは決まり事のように消費
されている。
両社とも、バイエルン州に本社があり、甘口、中辛のどちらも製造しているが、市場のシェアは、きれいにす
みわけが出来ている。 しかし、高級デリカテッセンやデパートの売り場では、ヘンデルマイヤーの製品が
甘口、中辛とも多く目につく~主婦は昔からの無添加で手作りの歴史が長いルイーズおばさんが始めたヘ
ンデルマイヤーを好むのかもしれない。
Luise Händlmaier 社
生産量50トン/日
本社 Regensburg 現社長 Franz Wunderlich(同族経営)
製品数10万種類
小売りで世界中のデパートに輸出
Develey 社
年間売上2300万ユーロ
http://www.haendlmaier.de/
本社 Unterhaching 現社長 Michael Durach(同族経営)
生産量100トン/日(生産量25000トン/年) 年間売上4500万ユーロ
00人
雇用人数70人
雇用人数3
姉妹会社を含むと年間売上3億ユーロ サラダドレッシングなど生産量の3分
の1以上をレストラン、外食向けに出荷している
http://www.develey.de/unsere-produktwelt.html
両社とも、製品のクオオリティを保持し、市場をにぎやかにしていることで、良きライバルとして共存している
バイエルンの2大マスタード対決は、バイエルン州の自慢でもある。
ドイツ・肉の消費量~年間60kg
定番の細引きウインナーだけで4.1kg
ドイツ食肉組合の発表では、ドイツ人は年間平均:細引きウインナーだけ
で4.1kgを消費と発表。
25gの小さいものだと164本、大きいフランクなら50gで80本食べている
計算。
フランクフルトを、平均で、4日に1本の平均で食べていることになる。
Aldi がその40%を売る
子供から老人まで、幅広く食べられているのが細引きタイプのいわゆるウインナー (ドイツ語ではヴィーナー)。
ドイツ最大のディスカウントスーパーAldi(アルディ)では大きめに50gサイズが主流。
ドイツ人ひとり当たりの年間平均消費量4.1kgものウインナーの、その40%をディスカウントスーパーAldi
が売っているという驚異的な数字が発表された(ドイツの新聞 Die Welt)~ 納入業者は3社。
その3社の製品のどれも味と品質の差はほとんど無く、天然羊腸に充填し、4本入りガスパック、2.69€が
定価だったが、(1本当たり65セント)昨年クリスマス直前に、10セント値下げして2.59€に踏み切ったこと
で話題になる。
品質は下げられない
クリスマス時期の思わぬプレ
ゼントに、多くの消費者のクリ
スマスディナーは「恒例のチキ
ンの丸焼きではなく、ウインナ
ーにポテトサラダだっただろ
う!!」というジョークまで飛
び出した。
いくら納入価格を下げるように
指示されても、簡単に製造レ
シピは変えられない。
以前にもご説明したが、ドイツ
のレシピでは、タンパク質の含
有量(BEFE)が定義付けられているので、肉の部位や量を減らして、脂肪や水の量を増やしたら、ウインナ
ー(Wiener)という名称では売れなくなるのだ。
そして、安易に質を落としたら、もう消費者は足を向けなくなる・・・・自分の首を絞めることになるので、品質
を下げるような危険行為はできない。
このような大手スーパーの値下げは、そのまま仕入れ業者が涙を呑むだけなのである。
以前の真空包装から、ガスパックに変更したコストアップ、エネルギー問題から電力料金の相次ぐ値上げ、
原料肉、包装資材の値上がりと、製造業者は値上げしたいにもかかわらず、食肉製品の販売価格は199
1年から20年で148%へ上昇しているの
に、納入価格は134%にとどまっている。
卸価格と販売価格が同比率では上昇して
いないのだ。
ドイツ国内で、全国展開している大手スー
パーが、力をつけている源もここにあると
言えよう。
資料提供 Die Welt
肉屋さんの生き残り作戦
ドイツ国内に限らず、個人の店と大規模スーパーとの競争は世界中で激しく、小規模の店では、後継者が
なく、経営者の高齢化と共に店をたたむことが多くなった。
逆に、たたもうとする店を探して買い取り、店舗数を増やしチェーン展開をする元気な企業もある。
バイエルン州を中心に250店舗を経営する Vinzenzmuur(フィンツエンツムーア)の拡大路線が典型。
セントラルキッチンで、多くのマイスターが金メダルを受賞した商品を毎日製造し、各店舗に配送。
自家
製品だから、利益利率も高い http://vinzenzmurr.de/
ヘラニュース No206(2012年10月号)で、スーパーの数が15685店、個人の店は25252店と報告したが、
2013年の下記の表では、2013年初頭では、個人の店は14372店と表示している。
2012年に1543店が閉店してしまったが、逆に1045店のチェ-ン店舗が増えたとある。 毎年500軒の
減。つまりこの数字はチェーン展開をしている企業を1店舗とカウントしている。
全体の59%8480店舗は、店舗数1のみ
2店舗あるのは20%、3店舗=3%、4店舗=4%
5店舗=2%、6~10店舗=4%、11~60店舗=2%
51~100店舗=1%、100店舗以上=1%
この表で店舗総数を計算すると36686店舗となり、前回の総数より
かなり多くなるので、販売のみの店舗もカウントしている模様。
動向をみると、後継者が育っている企業のみ、力をつけてチェーン
展開を広げていると見える。
現ドイツ食肉組合長 Süss 氏の店
ドイツ中部ライランドファル
ツ州の肉屋さん Süss 氏(奥
さんと娘2人)は、閉店する
という周辺5店舗を買い取
って現在6店舗を経営~長
女もマイスターで、次女が経
理を手伝い、各店舗には店外には自動販売機、店内には支払いの自動精算機を設置して、不正の心配も
無くしている。昨年4月にはマイスターの長女に女の子が生まれ、敷地内に2家族が暮らす家族経営。初孫
もいずれはマイスターに・・・と工場内で子守をしながら、将来も順風満帆である。