「私の障害は私の可能性」 加藤学園高等学校 3年 高村 遥南 私は幸せなことにたくさんの愛情に囲まれ生まれ育ってきました。家族そして周りの 方の愛と勇気のおかげで今私はここにいます。今までお世話になり私を信じ支えてきて くれた皆さんありがとう。この文を書くにあたり母と真剣に話しました。母親だけでは なく父、兄にも話を聞きました。そして改めて私は今まで自分の人生について深く知る ことができました。 私は障害を抱え生れてきました。生まれつきの障害で治ることはありません。骨に障 害があり同じ年齢の方にくらべて背が低かったり、手足が短いです。今までにたくさん の手術をしてきましたがその中でも一番つらかったのは足の骨を伸ばす延長という治 療です。ももとふくらはぎに器具をつけて骨を伸ばしていくのです。わざと骨を折りそ の間の骨ができてきそうだったらまた伸ばすのです。初めにふくらはぎの両足の治療を しました。ふくらはぎのほうがももより負担が少ないからです。毎日0.5mm ずつ伸 ばしていき最終的には10cm を目標に伸ばしていきました。そして目標の 10cm まで 伸ばし骨が固定してしっかりなったら器具をはずしました。 次に両足の太ももをやりふくらはぎ以上に大変でした。太ももは脂肪が多く化膿した り痛みをともない本当に大変でした。体を見れば障害があることがわかります。 双子の姉も同じ障害を持っています。両親は私たちが生まれる前から障害のことは知っ ていました。不安がありながらも私たちを産む決心をしてくれたのです。両親は私たち が生まれると親戚、友人に私たちを見せてくれました。なぜならば、私たちを育てるに は多くの協力と支えが必要だと考えたからです。 6歳のとき、両親は私たちを普通学校へ入れることを決めました。しかしそれは簡単 なことではありません。入学する前に、友達と遊べるか、トイレに一人で行けるかなど をチェックされました。みなさんにはどの小学校に入るかを知らせるはがきが届いたと 思いますがわしたちは違いました。手にしたのは、入学許可のはがきだったのです。た とえこのような内容でも家族はうれしかったそうです。今まで聞いたことがなかったの でとても驚きました。 しかし、普通学級での苦労は多かったです。私たちは身体を見れば障害があるとわか るほど身長が低いです。ですから買い物や学校などでたくさんじろじろ見られてきまし た。学校でいじめられた時もありました。でもあるときそれを見た兄は私達の前に立ち いじめている子にこう言いました。「誰でも弱点はある。お前もそうだろ。もちろん俺 にもある。完璧な人間なんていないんだ」と。小学生までは相手に何か言われたら自分 で説明ができませんでした。そんなときに兄が言ってくれた言葉は本当に嬉しかったで す。そして家族に心の底から感謝しています。そして難しい決断をしこのような沢山の 体験をさせてくれている両親の勇気と強さは本当にすごいと思いました。両親のおかげ で私たちは普通学校で学んできました。 今の日本では普通学校と特別支援学校に分かれています。人を分けることで偏見を生 んでいることは事実です。だから私は同じ学校の中で学ぶべきだと考えています。普通 学校の中に特別クラスがあれば、私達はもっとお互いを知ることができると思います。 そして、そのような共用する時間が必要で、理解すれば障害を持つ人が怖いなどと言っ た偏見が少なくなると思います。私は何らかの障害がある場合幼少期からその障害を人 に見せないような風習が日本にはあると感じています。私たちの両親は皆と一緒に生活 することを望んでくれ今では私たちの周りの人たちも理解しあい学校生活を送ってい ます。日本は他国に比べ自分を主張せず周りと同調し外見で判断することが多いです。 しかしアメリカでは多文化社会であり自分のやりたいことを主張し自分で何かを発信 しようとしています。また目の見えない人、耳の聞こえない人、体に障害を持っている 人誰もが同じ空間に溶け込んでいます。ドラマや映画にもたくさん出ていますまた私と 同じ障害を持った方も有名な映画に出ています。 私は家族のおかげで自分の障害は可能性だと気づくことができました。 そしてどれほど周りの方がかけがえのない存在なのかにも気づくことができました。人 と違うことは悪いことではないと。それは自分の強さだということにも気づくことがで きました。障害を持ったからこそわかる事もたくさんあります。「障害を持った方あき らめないでください。あなたの弱さも。」どんな人でもみんな特別な可能性があるはず です。お互いを尊重し、受け入れればもっと勇気を持つことができ、それは生きていく 力になります。小さいころ家族は私の前に立ち差別や偏見から私を守ってくれました。 今度は私の番です。今、私ができることは自分の経験を伝え、同じ問題を抱えている 人たちを支えていくことです。もう、自分の足でしっかり立たなくてはいけません。残 り高校生活を楽しく過ごし、そしてもっと自分の可能性を広げていきたいです。そして 私もこれから出逢う誰かのことを信じ支えていける人になりたいです。
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