熱ガス循環式 (特許出願中) 直接乾留式油化設備 説 明 書 FIRST 株式会社 ファースト エンジニアリング Fantastic and Ideal Recycle System Technology & Engineering すばらしい理想的なリサイクルシスティム技術とエンジニアリング 販売代理店: 株式会社 ステラ・ディベロップメンツ [email protected] 熱ガス循環式 直接乾留式油化設備 はじめに 油化設備の設置と社会的背景 ① 平成 12 年 4 月 1 日より完全実施された「容器包装リサイクル法」、「税制上の優遇 措置」、「融資制度の整備」等の法的整備に加えて、「限りある資源を大切に」 ・・・の理念をもとにその廃棄物の安全処理・再生・再利用対策が世界的急務 になっており、適切なリサイクル設備の出現が待たれるところです。ここにご紹介 致します油化設備も、この様な時代の背景を下に弊社が独自に開発したもので あります。 ② 現在既に提供されている油化装置の場合、これを事業所が取り入れたとしても、 収支が釣り合わないことは試算するまでもありません。弊社が提供しようと する油化装置は原理的に異なり、技術的にも安定した要素により構成されて おり、事業所にとって収支の合う唯一の処理方法と考えております。 1. 油化の原理 廃プラスティック原料(廃タイヤを含む)を無酸素状態の高温熱ガスと直接接触熱分解させ、 油性ガスとして導き出し、コンデンサーにより冷却し、凝縮分を油として回収します。 この過程で油性ガスと同時に若干の非凝縮性炭化水素ガスが発生しますが、この 非凝縮性ガスの一定量を熱分解釜の加熱源ガス(キャリアーガス)として使用し、余剰の ガスを自己燃料として用いた後、高度な排ガス処理をして大気へ放散します。 2. 油化工程 2-1 熱分解工程 原料は熱分解釜に投入されます。 熱分解釜の底部より、無酸素状態の高温炭化水素ガスを吹き込みます。これが キャリアーガスとなり、充填された原料の隙間を原料と直接接触しながら上昇します。 この間に原料を熱分解し、分子量が C1Hm∼C20Hm の炭化水素と一部は C3Hm 以下のガスとして取り出します。 2-2 凝縮工程 熱分解された炭化水素ガスは次にコンデンサーに送られ冷却水により冷却され、ここ で、高炭素数の炭化水素ガスは、冷却面上に凝縮させコンデンサー底部へ滴下させて 回収します。一方、低炭素数の炭化水素ガスは、熱分解釜の熱源ガス (キャリアーガス) として熱交換器で加熱後循環使用します。 2 2-3 熱源ガス (キャリアーガス)加熱工程 キャリアーガスは、熱交換器により約 600℃まで加熱され、再び熱分解釜に送られ、 熱分解用熱源ガスとして使用されます。一方、熱交換器の熱源はコンデンサーにより 油化しない低分子炭化水素ガスの一部の燃焼熱を利用します。 2-4 分離工程 コンデンサーで回収された凝縮油は原料中の水分と若干の炭素微粒子を含む可能性 がありますが、分離タンクに一定時間貯留し油水を分離します。この時沈降性の 固形物は分離タンクの底に堆積します。また、必要な場合は遠心分離器により 固形分を分離します。 2-5 排ガス処理 一方コンデンサーにより凝縮油を回収した後の低分子炭化水素ガスのオフガスには、 非凝縮性の低分子の炭化水素ガスと CmHn ガス、H2 ガス等が若干残るため、 これは焼却炉において燃焼処理した後、熱交換器においてキャリアーガスと熱 交換したのち大気へ放散します。 直接熱分解方式 システィム フロー 熱分解により炭化 水素ガスに分解 排プラスティックス 冷却により炭化水素 成分を凝縮・分離 熱分解 凝 縮 排ガス処理 本油化システィムにすると上図の様にこれだけ簡素化でき、併せて 収支 が成り立ちます ! 3. 既存設備の概要 現在既に提供されている廃プラスティック類 (以下原料という)の油化装置は、原料を 容器の中に充填し容器の外側から加熱する方式がとられています。従って、 原料と加熱用熱ガスと接触せず、熱分解に時間がかかると同時に熱効率が悪く、 以下に記す不利な点があります。 3-1 原料の性状 (特に融点)が相違するものに適さない。 3-2 原料を粗破砕と細破砕との 2 段に破砕する必要がある。 3-3 原料を水洗いするか、土砂類を取り除く必要がある。 3-4 紙及び木屑類の混入を避けるための選別が必要である。 3 3-5 伝熱面を介しての伝熱であるため、伝熱効率が悪い。 3-6 伝熱面の内側にスケールが付着し易く、又付着した場合、清掃に手間がかかる。 3-7 原料を水洗いする場合は、水処理設備を必要とする。 3-8 以上の設備を運転する為には、各所の自動制御及び管理を必要とするが、 原料の溶融液が高温且つ高粘性流体である為、技術的に困難であることと、 その信頼性に欠け、費用も高くつく。 3-9 爆発の危険性が多い。 4. 当油化設備の特徴 4-1 経済性 現在既に提供されている油化設備に対して、当該直接熱分解法による場合、 油化設備の建設費は 1/2~1/3 となります。 4-2 性 能 ① 原料の種類を広範囲に摘要できると同時に、混合原料に対しても使用 可能な装置です。 ② 原料を破砕及び水洗いせずに使用可能な装置です。 ③ 原単位は 0.2kg/kg 程度です。(従来品は 0.3~0.4kg/kg 以上) ④ 回収油の収率は自己消費分を差し引いて 70%以上です。 ⑤ 回収油の品質は、A 重油と灯油、またはその中間程度です。 ⑥ シンプルな設備とし、その為の要素技術は次の 4 要素で構成される設備で 極めて簡単です。 ■原料の熱分解 ■熱分解ガスの冷却、油成分の凝縮 ■熱源ガスの加熱 ■オフガスの処理 5. 当油化設備の詳細 現在の油化設備が、前述の様に間接伝熱式であるのに対して、当開発技術は、 原料と熱ガスが直接接触し熱分解を起こさしめる直接熱分解法です。これは、 間接熱分解方式に比べて次の利点が実証されております。 5-1 適用原料の範囲が広い 分類① C ・ H より構成される原料 (油の回収率は極めて高い) ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP)、ポリスチレン (PS) 分類② O を含有する原料 ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリメタクリル 分類③ Cl ・ S 分を含有する成分 ポリ塩化ビニール、ポリフェレンスルフィド 4 N を含有する原料 分類④ ポリアミド 電線被覆材、印刷用フィルム (巻物)、ペットボトル、発砲スチロール (魚箱、 分類⑤ トレイ)、廃タイヤ、フレコンバッグ、農業用ビニール、魚網、防水シート、ナイロン 5-2 前処理の必要がない。 ① 原料の破砕が必要ない。(破砕機) 原料の排出姿のままで処理できる。 ② 原料の水洗いが必要ない。(水洗設備及び水処理設備) 原料に土砂などが付着しても影響されない。 ③ 金属類の除去を特に必要としない。(磁選機) 電線類、アルミ箔にコーティングされた巻物 (ロール状、紙管を含む) 5-3 熱効率が良い。 直接熱ガス接触の為、排ガス損失量が少なく熱効率が高い。 5-4 設備が簡単で設備費が安い。 要素設備は、熱分解釜、コンデンサー、熱源ガス加熱装置、及び、排ガス処理設備と 少なく、従って、設備の建設コストが安い。 5-5 操作が簡単でランニングコストが安い。 要素設備が少ない分、操作が簡単でランニングコストが極めて安い。 5-6 設備の安全性が高く、安定した操作性がある。 ① 爆発の危険性がない。 ② 熱源ガス量に対して、熱分解ガス発生量が安定した対応を示す。 ③ 熱源ガス量の変化に対して、時間遅れなく熱分解ガスの発生が追随する。 ④ 系に自己平衡性があり、自動制御を殆ど必要としない。 6. 回収油の用途 ■ ボイラーバーナーの燃料 ■ 焼却炉バーナーの燃料 ■ ディーゼルエンジン用燃料 ■ プラスティックモノマーの原料 5 7. 他社製設備との比較 比較項目 取扱える対象と なる原料 設備の構成 回収油の量 回収油の性状 他社技術 当社技術 ○PP, PE,及び PS 等の単一物性の もの ○排出時の形状のままでは扱えず 破砕を必要とする。 ○土砂等の付着及び金属等の混入 は好ましくない ○熱硬化性の樹脂には適用しがたい 原料の 1 次破砕機 原料の 2 次破砕機 原料の選別機 原料の水洗装置 汚水処理装置 原料の熔解槽 原料の分解槽 分解ガスの改質装置 コンデンサー オフガス処理装置 x1台 x1台 x1台 x1式 x1式 x1台 x1台 x1台 x1台 x1式 回収率 75% 但し、自己消費熱量を差引いた値 灯油及び A 重油相当 ●廃プラスティックスの性状は限定され ない ●投入可能な寸法ならば形状等に は限定されない ●狭雑物の付着、また、金属は 混合しても可 ●熱硬性、熱軟化性を問わない 原料の分解釜 コンデンサー オフガス処理装置 回収率 75% 但し、自己消費熱量分を差引いた値 灯油及び A 重油相当 若干の炭素微粒子が浮遊するが 簡単な濾過で灯油相当品となる 設備の建設費 100 20- 30 運転管理人員 4 人~6 人 1 人~2 人 装置運転の 難易度 安全性 設備要素が多く、各設備が連動して 動くものが多く運転の高度な熟練度 を必要とする ① 静電気による爆発事例が多い ② 設備数が多く溶融プラスティックスの 高粘性流体に対する検出計器類 の信頼性に欠けるものが多く、 事故潜在原因が多い x1台 x2台 x1台 設備要素が少なく運転は簡単 ① 爆発防止できる ② 高粘性流体を検出する部分は 存在しなく、又他の計装関係 も極めて少ない 付表 1 6 廃タイヤ乾留ガス化回収油分分析試験成績表 中外テクノス株式会社施行 資 料 名 分析項目 単 位 ガス導管等の タール 乾留ガスの 凝縮オイル 凝縮オイルの 蒸留油 分析方法 密度 (15℃) g/cm3 0.9951 0.9348 0.8932 JIS K2249 粘度 (50℃) Cst 47.9 4.31 1.74 JIS K2283 引火点 ℃ 100.00 30.0 30.5 JIS K2265 流動点 ℃ - 12.5 -35.0 以下 JIS K2269 0.73 JIS K2541 硫黄分 % 1.45 銅板腐食 - 1a 1a 1b JIS K2513 反 応 - 中性 中性 中性 JIS K2252 水 分 % < 0.5 0.20 0.14 JIS K2275 残留炭素 % 4.06 2.57 0.21 JIS K2270 灰 % 0.15 0.04 < 0.01 JIS K2272 Cal/g 10050 10190 10280 JIS K2279 B 重油 A 重油 A 重油 H4.9.28 H5.3.1 H5.3.15 分 発熱量 判 定 1.12 -35.0 以下 付表 2 7 原料の種類と油回収率 原料名 分解温度 (℃) 乾留ガス温度 (℃) 油回収率 (kg/kg) 記 事 ポリエチレン 440 160 - 180 0.86 ペレット ポリプロピレン 430 160 - 180 0.88 成型品 及び残材 ポリスチレン 395 160 - 170 0.82 成型品 及び残材 0.75 成型品 及び残材 ABS 樹脂 (標) 430 180 タイヤ (中型) 390 150 - 200 0.45 発砲スチロール 440 180 - 200 0.40 発砲状態 発砲スチロール 440 160 - 170 0.86 油にて 収縮状態 150 0.46 成型品 及び残材 150 - 180 0.85 PP・PE 160 - 200 0.83 紙管巻物 ABS 樹脂 (難) フレコンバッグ 430 PP フィルム 添付書類 :■ 直接・間接熱分解油の分子量分布 ■ 廃プラスティック類油化設備スケッチ図 ■ バッチ式油化設備フローシート・レイアウト図 ■ 油化対象物 vs 油化率 8
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