レ バン コアさんの受賞作品(PDF 83.0 KB)

ベトナムの子供達のために助け合える社会の仕組みを作る
東京工業高専
レバン コア
私はベトナムに住んでいた時に、大きな都市の路上で新聞やお菓子・タバコなどを売っ
たり、ゴミを拾ったりして生活している路上生活の子供をよく目にしました。その子供達
は様々な理由で家がなく、仕事もなく、もちろん学校へ行って勉強するお金もありません
でした。毎日、路上で新聞を売っても、ごみを拾っても、色々な仕事をしても得るのは一
日に 500 円くらいで、それだけで暮しているのです。現在、ベトナムは発展途上国で、経
済が急速に成長しています。そのおかげで多くの人達の生活が豊かになっている一方で、
お金がない人も増えています。貧富の格差が広がっているのです。路上で生活する子供の
数も増えてきて、国の大きな問題になっています。そのための対策が非常に重要になって
きています
私はベトナムにいた時には、路上で生活する子供達のために色々なボランティア活動に
参加していました。それらの活動を通して様々な理由で路上生活をしなければならなくな
った子供達から話を聞きました。そうした子供達のために、
「自分の夢を絵で描く」という
活動をしたことがありました。その活動では学校を描く子供が多くいました。学校で友達
と勉強したり、遊んだりするのはその子供達の夢だったのです。路上で生活する子供達は
仕事が安定してなくて、教育も受けられないために、町で万引きをしたり、風俗などの悪
い影響を受けやすいのです。子供を悪い目的のために利用したり、子供を売ったり、子供
さくしゅ
の内臓を他の国で販売したりする悪い大人に搾取される危険性が高いのです。路上で生活
する子供達を守るのはベトナムではとても難しい問題なのです。この問題を解決するため
には、一人だけではなくて社会の多くの人々と政府が一緒に努力する必要があります。私
の将来の夢は路上で生活する子供達のためにちゃんとした専門的な知識や、生きてゆくの
に必要な社会知識を勉強しながら、仕事も出来るようなシステムを作ることです。社会を
良くするためにどうしたらいいか少しずつアイデアを考えてゆかなければなりません。
現在のベトナムは経済が発展しているので、日本や他の国などから沢山の人々がベトナ
ムを訪ねてきます。ベトナムの観光地には多くの外国人観光客が訪ねてきます。そうした
観光でやってくる人々にベトナムの文化を伝えるのも非常に大事なことであると思います。
しかし、現在のベトナムでは伝統的な製品を作る技術を持った職人がどんどん減っていま
す。一つの理由は若者が家族を残して都市に出てしまうということがあります。この状況
が続くと、いつかベトナムでは多くの伝統的な文化はなくなってしまうのではないかと心
配されます。その結果として、人材がなく、家もなく、仕事もなく、教育も受けることが
できない路上の子供達が増えてしまうのです。私はこの状況を変えてみたいと考えます。
具体的には、ベトナムの多くの伝統的な製品は竹や草などから作られていいるので、こう
した材料を使った製品を作ることを考えています。材料は安くて、製品は様々あります。
小さい飾り物でも家庭の道具でも竹や草から作ることができるので、経済的な面からも、
伝統的な作業を続けるという点でも意味があります。その子供達に仕事を教えて、色々な
製品を自分で作ることができるようにしてあげたいのです。そうしてできた製品を観光地
で販売するのです。利益やお金はその子供達の現在の生活と将来のために使用します。ま
た、大学生や会社員などのボランティアが、授業で修理などの専門知識と社会知識を勉強
します。都市にあるレストランや店などと連携して、残った食べ物やまだ使える食材を提
供してもらうことにより、子供のために十分に美味しい食事が作れます。
このように製品を売るために色々なアイデアを考えなければならないので、私はこれか
らも自分の夢を実現できるように人間関係や必要な知識などを準備したいと考えています。
いつか貧富の格差や路上で生活する子供達がいなくなることを信じてこれからも頑張りた
いと考えています。
この夢を実現するために、日本でも積極的に色々な事をチャレンジしたいと思います。
専門知識だけでなく、国際交流活動やボランティア活動などに関わることも大事だと考え
ています。日本に留学したおかげで、価値観が変わり、自分の人生も変わってきました。
これも私を支えてくれる周りの人々のおかげです。いつも応援してくれる人たちから力を
もらいました。それで、自分はいつも積極的に活動しようと決めたのです。いつの間にか
日本は自分の国と感じていて、ベトナムにも日本にも全力で貢献したいと思っています。
3月11日の東日本大震災がいまでも記憶を残っています。災害を受けた人達のために何
かをやってあげたいと考え、ボランティア活動に参加しました。学校の学園祭では募金活
動を行ない、1か月一回は上野駅で陸前高田子供支援の募金活動を参加しています。お金
は少ないけど、いつも応援するから一緒に乗り越えましょうという気持ちを伝えたいと考
えています。災害を受けた人々は物やお金だけじゃなくて心の支えも必要だと思います。
次に陸前高田市に行くときには、そこの人々に自分の国の文化を紹介する活動を考えてい
ます。現地の食材を使ってベトナム料理と日本料理を作り、暖かいパティ―を作りたいで
す。そして、ベトナムの伝統的な踊りや歌などを現地の人々に見てもらいたいです。今年
の目標として、このようなことに頑張りたいと思っています。