第2章 統合飛行 このために、パイロットは常に姿勢指示器のミニチュア・エアプレーンの翼端を図2− 14 に示す 90°ポインターに正確にセットしておかなければならない。 統合飛行では姿勢指示器の人工水平線が、大自然の形成する水平線と一致することを 基本操作とし、これによって正確な姿勢を判断する。 機体が地上にある時、たいていの前輪式飛行機の姿勢は機首上げとなっているので、図 2− 14 のようにやや機首上げ姿勢を指示するのが当たり前である。 このようなことから、地上滑走中や巡航飛行中にミニチュア・エアプレーン調整ノブ を回して、ミニチュア・エアプレーンを人工水平線と一致させるような誤った操作をし てはならない。 一般的な有視界飛行の際、水平線が見えない時に操縦をやり易くするために姿勢指示 器のミニチュア・エアプレーン調整ノブを回して人工水平線と一致させ、高度計が狂わ ないような姿勢に合わせることがある。 このような方法で巡航すると、現在の重量・速度・重心位置等に適合する飛行姿勢にとっ ては好都合だが、飛行諸元(条件)が違うと巡航姿勢の基準が分からなくなってしまう。 図2− 15 は姿勢指示器を 90°ポインターにセットした場合、同じ水平飛行状態でも 巡航姿勢の違いによって姿勢指示器の指示が変化する様子を示す。 2-32
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