5.ノンポイント対策に係る効果の検証・計画の見直し 5.1 対策効果の検証 対策実施後,モニタリングを行い,対策による効果を検証することが望ましい。 【解 説】 市街地ノンポイント負荷削減対策を具体的に実施する際,実証実験を行わず本書に示す既往 実験結果等を参考に対策検討を行い対策実施する場合と対象地区で実証実験を行ってから対策 実施する場合が考えられる。 一方で,市街地ノンポイント負荷の挙動は,対象地区の土地利用,人口,周辺環境などによ り大きく異なることがあり,実証実験を行わないで対策を実施した場合には予定した対策効果 が十分に発現しない場合もありうる。また,実証実験により効果を確認した上で対策実施した 場合であっても,降雨自体が量・質ともに非定常な性質を有しており,実証実験当時と降雨の 傾向が変化すると当初期待していた効果が発現しない場合も想定される。この他,対策施設の 維持管理が適切に行われていないために効果が発現しきれないような場合も起こりうる。 このようなことから,対策実施後はモニタリング調査を継続的に実施し,対策効果の検証を 行う必要がある。 (1) 初期(稼動後1~2年)の検証項目 ・ 実証試験では把握しきれなかった日変動や季節変動を含めた実流入負荷量 ・ 対策施設による効果の確認 ・ その他初期不具合の有無,等 (2) 安定期(稼動後3年程度経過後以降)の検証項目 ・ 1回/年程度以上の頻度による実流入負荷,対策施設による効果の確認(経年変化の把 握) ・ 維持管理体制の検証 具体のモニタリング調査方法については,計画策定時の実態調査方法に準拠するものとす る(本書「3.3 ノンポイント負荷の実態調査」参照)。 なお,巻末資料D-4に,対策実施後のモニタリング事例として「滋賀県における実施設 の汚濁負荷削減効果確認事例」を示すので、参考とされたい。
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