クロール導入 『ローリングと呼吸』を極める

4、呼吸の動作
クロール導入 『ローリングと呼吸』を極める
水泳をするにあたり『呼吸が楽にできること=泳げること』と言えます。水泳中も決して呼吸を止めることはありません
水泳では吸気量が浮力に大きく関わり、呼気の最後に一気に吐き出した反動で吸います。水泳時の呼吸はより深く吸
今回はクロールのローリングと呼吸についての練習です。
気し、呼気も強く吐きます。また呼気と吸気との間隔が短いため平常時の呼吸に比べてより爆発的なものとなります。
1、ローリング
よって他のスポーツ以上にその重要性を認識する必要があると言えるでしょう。
水泳においてローリングとはクロールや背泳ぎでのカラダの軸(頚椎)を中心に大きく傾く回転動作を言います。(図1
ローリングの動作でけん引役となる躯幹(体幹)の使い方が重要になります。腹直筋、腹斜筋(図2)、脊柱起立筋(図3
☆呼吸の練習(鼻から吐いて、口から吸う) 『ブクブク~パッ!』
当たり前のようですが、初心者では呼吸を止めてしまうことが多く、逆に
などです。前回の姿勢の練習で腰の凹みを無くすために『ギュッ』っと力を入れたお腹周辺の筋肉がローリングの動作
上級者では最初から強く吐きすぎてしまう傾向があります。
においても総動員されるわけです。
そんなことを念頭に置き、呼気、吸気の基礎練習をしましょう。
ローリングは肩の動きに先導されて起こります。積極的にローリングを行いその動作に連れて腕が動くことが理想です
☆練習方法
①ボビングジャンプ→『潜る⇔ジャンプ』に合わせて『呼気⇔吸気』を繰り返す。鼻から吐き、口から吸う基本練習。
②その場で、または歩きながら手回し(クロール)で呼吸つけ→手回しに気をとられないように呼吸の動作を続ける
※鼻から強く、長く息が吐けるように、自分にあった吐出量を練習で身につけましょう
5、呼吸の動作とローリング
2、運動方向を一致させる
『長く、楽に、速く』泳ぐためには目的方向に対して運動方向を合わせることが必要となります。
クロールにおいてはフィニッシュ(かき終わり)の時に前に伸びている手は水面より30~40センチ下にあるはずです。
こうすることで運動方向が一致し、効率よく目的方向に進みます。(図4)
ですからフィニッシュをした勢いで、かき終わった手が水面に対して斜め45度位まで上がるようにしっかり後ろまでかく
こと。図4のようにフィニッシュのときに前の手と後ろの手を結んだ線が、斜め一直線になるようにしてみましょう。
なぜならばフィニッシュはローリング、スピードが共に最大になるからです。
方向の一致
方向の不一致
ローリングで練習した運動方向を一致させる動作を使って呼吸の動作を練習します。
呼吸の動作は肩の動きと連動しますので、ローリングの動きに合わせて呼吸をすることが自然な動作になります。
ですから初めは呼吸するときにかき終わった手先を見るようにして呼吸しましょう。するとローリング動作に合わせて
無理なく呼吸の動作ができます。
このときに大事なことは頭の運動方向も一致させることです。頭の先も
前に体重を乗せることで、前の手の方向、かき終わりの方向、頭の方向
が一致して大きなベクトルを発生します。(図6)
何度も言いますがフィニッシュ(かき終わり)はローリング動作、スピードが
共に最大になります。このローリングと前に進む力を上手に使って無理なく
呼吸ができることが『長く、楽に、速く』のポイントとなります。
ローリングと呼吸を合わせるに
ローリングの動作を大きくするため、泳ぎのトップスピードを向上させるためにも、後ろまでしっかり水をかくことを意識
して泳ぐようにしましょう。そのための練習方法をいくつか紹介します。
☆呼吸動作とローリングの練習方法
初級→片手クロール・・・かき終わりに合わせて1回ずつ呼吸の動作を練習しましょう。
ローリングのとき同様、後ろまでしっかり水をかき、かき終わった手を見るように呼吸動作
をしましょう。ローリングと呼吸の回転動作を合わせることが重要です。
☆ローリング動作の練習方法(水をかくときは腕をまっすぐで水の重さを十分意識しながらやります)
初級→片手クロール・・・片手ずつ後ろまでしっかりかきましょう。後ろまでしっかりかいた反動で自分の肩の上を通
って腕は前に戻ります。フィニッシュ時にローリングが最大になるように。
中級→きおつけ片手クロール・・・呼吸する側の手を回して、反対の手はきおつけにします。
前に伸ばしている手が無いため、前に進む力を使って呼吸をする必要があります
後ろまでしっかり水をかいて前に体重を乗せながら進むことが要求されます。
中級→チキンウイング・・・片手クロールの延長で水をかかない方の手を肩に添えて泳ぎます。ローリングに合わせ
肩と肘の方向が常に同じ方向であることで大きなローリング動作と躯幹(体幹)の筋肉が
使う感覚が分かりやすい練習です。
上級→ブラインド側の片手クロール・・・呼吸する反対側の手(ブラインド側)を回して、反対側の手はきおつけにします。
ブラインド側の腕が顔の横にきたタイミングで呼吸動作をします。
肩と顔の回転動作が合わないと呼吸できない難しい練習です。
※前ページのフォロースルードリル
上級→フォロースルードリル・・・片手クロールで泳ぎかき終わった手が斜め30~45度位まで上がったところで、
リラックスして水面に戻したら、また大きく前に戻します。
かき終わった腕の重さを前に体重移動させ運動方向を一致させます。
※次のページでフォロースルードリルの連続写真を掲載しています。