タイへの不正商品対策ミッションの派遣 2005 年 10 月 (社)日本ベアリング工業会 貿易部会不正商品対策専門委員会では、これまでの中国国内での対策に加え、輸入国側での偽造ベアリング対策を強化するため、 本年 7 月に専門委員会の下にアセアン分科会を設置し、アセアン地域での偽造品の状況を把握するとともに、現地日本政府機関の支 援を得ながら、現地国政府機関との支援・協力関係の確立、現地代理店の啓蒙活動などを検討していくこととなった。 このため、先ずはとりわけ偽造ベアリングの被害が大きいタイにミッションを派遣し、今後の活動の基礎を築いていくことになっ た。 期間 訪問先 訪問者 :2005年9月18日(日)〜9月21 日(水) :JETRO バンコクセンター(黒田所長他) タイ国知的財産局(Kanissorn 局長他) タイ国税関(Yuttana 部長他) :専門委員会メンバー 稲葉専務理事、山本部長(NSK) 、吉田部長(NTN) 、 吉川部長(Koyo) 、瀬戸部長(Nachi) アセアン分科会メンバー 奥田社長(NSK インターナショナル) 、竹田社長(シンガポール NTN) 、 星野社長(シンガポール Koyo) 、高野副社長(シンガポール Nachi) 春元部長(タイ IKO) タイ現地法人 島田部長(タイ NSK) 、松尾社長(タイ NTN) 、 田中部長(タイ Koyo) 、佐々木部長(タイ Nachi) なお、JETRO バンコクの松尾知的財産権担当部長が全行程に同行され、また日本の財務省よりタイ国税関に長期専門 家として派遣されている沼口氏が同税関訪問に同行された。 1、今回の訪問団の目的 ①、 中国における偽造ベアリング対策についてはこれまで中国政府の協力により一定の成果をあげつつあるが、輸入国側で被 害のあるアセアン、中でも特に一番被害が大きいと思われるタイにおいて、対策強化のために関係各省庁との協力関係を 築く。 ②、 日本の不正商品対策専門委員会委員とアセアン分科会委員及びタイの現地法人幹部間での認識の共通化を図り、今後の活 動推進の基礎作りをする。 2、今回の訪問団の成果 ①、 知的財産局及び税関の両政府機関とも不正商品問題について高い意識を持っている事を確認できた。 ②、 特に知的財産局は不正商品問題対策で重要な役割を果たす事が分かった。 ③、 各政府機関からそれぞれ具体的な共同作業の提案を受ける事が出来た ・ 知的財産局・税関・経済警察と日本側メーカー4者のタスクフォースを設け、具体的な取り組みにつき検討していきたいと の提案があった。 ・ 偽造品を24時間以内に確認するために日本側メーカーによるコンタクトポイント設置の要望があった。 ・ 罰則強化を検討するとの発言があった。 ・ 税関では正規輸入者登録による取締り効果向上の提案に対し同意を得た。 ・ セミナー開催の提案(税関職員等)を行ったところ、了承を得た。 ④、 以上により、タイにおける今後の取り組みの方向性が明確となった。 ⑤、 事前打合せから総括会議までの日程を通じて日本・シンガポール・タイの日本側メンバー間での意思疎通を図ることが できた。 今回の訪問後、早速 NSK の偽造ベアリングがタイ国税関で摘発(9 月 28 日、中国製の 6 万 3 千個)された。 以上
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