Q サッカーの試合では相手を押したり、引っぱったりするのを見ますが、スポーツマンシップとは何でしょうか？ A スポーツマンシップとは、特にイギリスにおいてジェントルマンを育成するために重視されたスポーツの行為規範です。具体的には、１. ルールに従う、２. 相手を尊重する、３. 勝つために最善の努力をする、４. よい試合をする、５. 負けたときに冷静な態度をとる、６. チームのために尽くす、７. 審判を尊重する、８. フェアプレイを行う、などが挙げられます。ご質問のケースですと、以上の項目の３と６に合致しているかもしれませんが、１と２と４と８に反していると考えられます。このケースとは逆に、紳士的態度で試合をしたとしても、本気で勝とうとしない場合はやはりスポーツマンシップに反しているといえます。スポーツマンシップの基準をすべて満たすのは難しいかもしれませんが、本当の一流選手はかなりの確率でこれらの規範を現実に実現しているともいえます。たとえばサッカーの試合で相手を押したりジャージを引っ張ったりしなければならないのは、技術が未熟であることの証拠です。一流の技術をもつプレイヤーは意外にフェアなプレイをしているものです。ちなみに最近はスポーツマンシップではなく、スポーツパーソンシップという言い方がなされるようになってきています。関根正美（岡大大学院教育学研究科）参考文献・日本体育学会監修『最新スポーツ科学事典』平凡社、2006 年