勇 欝 平成15年1月 第1回郡市区医療保険担当者会・提出協議題回答 醐平成14年11月14日開催躍 1. 保険証に他院で義歯装着の記載のない場合や、他院での「か初診」終了月日が確認で きない場合は患者等に照会するしかありませんが、他に良い方法はないでしょうか。 【答】今のところ、患者または保険者に確認する以外に方法はありません。 2. カード式の保険証を発行している保険者が増加していますが、義歯装着の記載および 「か初診」の記載はどうしたらよいでしょうか。老人の場合は老人手帳があるので手 帳に記載できますが・・。また、前半の「か初診」および義歯の6ヵ月規制の確認は 保険者に直接確認するのでしょうか。 【答】カード式保険証の記載事項については関係団体との協議が必要かと思われます。「か , 初診」および義歯の6ヵ月規制の件については今のところ患者または保険者に確認す るしかありません。 3. お盆休みの扱いについて、地域医療の確保の見地から口腔保健センター等の休日加算 はできないでしょうか。 【答】お盆休みの休日加算はできません。時間外加算の算定は可です。 4. P継診を算定した後の「か初診」はいつ起こせますか。 【答】騰でメインテナンスが不要と判断し、治療が終了した場合はメインテナンスに入 っておらず、従来の初診起こし(終了日から起算して2ヵ月経過後)となります。 5. P総診中のP以外の治療について、必要があり義歯の新製や歯冠修復物等の新製を行 つた場合の算定は如何でしょうか。 【答】新たな疾患については実態に応じて算定してください。ただし、歯周疾患以外の治療 が必要と判断し実施した場合は「摘要」欄に当該疾患の状態を記載してください。 6. P総診算定期間中に歯牙外傷等でTFix(複雑)を行った場合は530点の算定はできる と思われますが、急発等で簡単なTFixを行った場合は330点の算定はできますか。 【答】P総診に入って数ヵ月後であれば、Pの三野等の場合は算定できます。ただし、簡単、 複雑それぞれ1初診1顎1回に限りの算定です。 7. P総診算定期間中にPとは別病名における薬剤情報提供料を算定して差し支えありま せんか。 【答】算定して差し支えありません。 8. P総診の間隔1ま1∼3ヵ月とありますが、翌月に前回の受診日より30日未満でも算定 できますか。また、90日以上経過しても算定できますか。 【答】30日未満のこともありえます。また、P総診は算定した翌月から3ヵ月間(レセプト 3枚)算定が可能ですので90日以上経過して算定する場合もあります。メインテナン スは1年間継続するものですので患者が任意に治療を中断する以外は初診、「か初診」 む は起こせません。 9. 訪問歯科衛生指導料は、歯科訪問診療料を算定すべき訪問診療を行った場合に算定で きるとありますが、歯科訪問診療料を算定できない場合でも従来どおり算定できます か。 【答】算定できません。医療保険だより12月号の「お知らせ」をご参際ください。 10. 顎関節症患者の治療に際し、病状や咬合挙上副子の装着等により精神安定剤や睡眠導 入門などの投薬が必要な場合があると思われますが算定は可能でしょうか。 【答】必要な場合は算定できます。 11. 健胃消化整腸剤を投薬時、薬剤性胃炎等の「摘要」が必要ですか。また、「薬価基準 . による歯科関係薬剤点数表」(日本歯科医師会)に於いて、成人適応ρ抗菌剤で小児 の適応に記載のない薬剤を減量して小児に投薬することは可能ですか。 【答】健胃消化整腸剤の投与に関して、「摘要」欄記載の必要はありません。小児への投薬 も適量であれば問題ないと思われます。 12. 漂白を行い、効果不十分で補綴処置に移る場合、漂白の算定は可能でしょうか。 【答】漂白は変色無髄歯に対して行うものでありますが、効果がなければそのようなことも あり得ると思います。 13. 1日で全顎にわたるスケーリングは如何でしょうか。 【答】残存歯数が少数である等特別な場合を除き、1日で行えるスケーリングは3ブロック までです。原則として全顎のスケーリングは認められません。 14. スケーリング、SRP、 PCur後の含噺剤の投与は良いでしょうか。 り の む 【答】観血的な処置後の投与はかまいませんが、傾向的にならないよう必要に応じて投与し てください。 15. 歯周基本治療の際に、TFix(単純)330点を行い、その後に歯周外科手術に伴い4歯 以上のTFix(複雑)530点を行う場合、 TFix除去30点は算定できますか。 【答】算定できます。ただし、単純、複雑それぞれ1初診1顎につき1回の算定です。 16. 上顎義歯のDIを算定した翌月に下顎の義歯作製(着手)は如何でしょ・うか。 【答】長調(調D)は1口腔単位の算定ですので、上顎のDIの算定を行った月および翌月に おける下顎有床義歯の新製の費用は算定できません。 17. P管理中に新たな疾患が生じた場合のト摘要」欄記載はどの程度の記載が必要でしょう か。例えば床裏装、義歯新製時はどのように書けばよろしいでしょうか。 【答】必要性が判る程度の記載をしてください。床裏装の場合は「義歯不適合」、義歯新製 の場合は「義歯ハセッ等」があると思われます。 18. 補綴物の点数および一部負担金を仮着時に請求できる様にして戴かないと現状の様に 仮着時に仮着料と仮着セメント料のみの請求だと、もし仮着のまま患者が来院せず放 置され、数ヵ月後に脱離、他の歯科医院に「取れてしまいました」と受診し、“ダツ リ再set”の扱いを受けてしまった場合は製作した歯科医院は補綴物の点数を全く請 求できない事になり、余りに不合理と考えます。仮着とは言え、患者の口腔内に補綴 物が装着されたわけですので、その時点で点数も発生してよいのではないでしょうか。 【答】仮着した後で中止になった場合は、1ヵ月経過後に未装着物として請求してください。 ただし、「摘要」欄にその旨を言己載してください・また、患者に説明し了承を得られ れば、仮着の際に補綴物の一部負担金は徴収できます。 19. 「か初診」で印象した補綴物に関して翌月が未来院の場合、未装着請求をしてもよい ですか。また、その翌月に来院した場合、「か再診」で、未装着物のsetをすべきです か。 【答】「か初診」であっても製作後1ヵ月程度待って未装着物として請求します。また、そ の翌月に来院した場合に適合等問題なければ、「か再診」で未装着物のsetを行ってく ださい。ただし、「○月未装着請求済み」の「摘要」欄記載が必要です。しかし「か 初診」は計画的なす主導管理の下で石うものですから・できるだけ医療機関から連絡し て来院を促すべきと思われます。 お知らせ 1.P総診期間中の「摘要」欄記載について P総診算定要件としての「一連の歯科治療が終了した」とは、一口腔単位での治 療が終了したことであり、P総診算定期間中に新たな疾患(急性歯髄炎、義歯破損 等)が起こった場合は治療を行っても差し支えありませんが、その場合は治療が必 要になった理由が分かるように「摘要」欄に当該疾患の状態を記載してください。 最近、この場合の「摘要」欄記載漏れが多いのでご注意ください。 2.歯周疾患指導管理料(P管理)について P管理はPに罹患している患者に対して、プラークコントロール、栄養、日常生 活その他の療養上必要な指導を行った場合に算定できますが、歯周組織検査や治療 方針等に基づき行います。従って、P検査未実施の場合や治療方針が明確でない場 コ 合、また実際にP治療が行われていない場合は算定できません。 例えば、月末初診においてP全面で切開を行った場合は初診月はP管理を算定せ ず翌月に消炎後、P検査を行ってからP管理を算定してください。 3.コンビネーション(異種充填)の「摘要」欄記載について 、 平成14年4月より、充填の1歯複数窩洞の場合は歯冠修復および欠損補綴の「そ の他」欄に当該歯と1歯2窩洞等記載するようになりましたが、コンビネーション (異種充填)の場合、保険者が理解しやすいように「摘要」欄にその旨記載するよ うにしてください。 り ㍉ 盤露 国 平成15年2月 Ql 会員からの質問に答えて(Q&A) 精神病で入院中の知的障害者の方 に訪問診療料や障害者加算は算定で きますか。 Q2 自院でメタルコア装着後、形成前 に未来院となった患者が再来初診と ロ なり、今回形成時にメタルコア加算30点を 算定しました。摘要欄記載はどのようにす Q3 ればよろしいですか。 単Gの診断でスケーリングのみで メインテナンスに入れますか。 Al この場合で、常時寝たきり状態等 により、通院が認められなければ訪 問診療料は算定できます。ただし障害者加 算については ①脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張 が強く体幹の安定が得られない状態 ②知的発達障害により開口保持ができな い状態や治療目的が理解できず協力が 得られない状態 ③重症の喘息患者で頻繁に治療の中断が 必要な状態 またはこれらに準ずる状態でなければ 算定できません。また、P処等の簡単 な処置では算定できません。 A2 「○年○月 メタルコア装着済」 等、皇院での装着が分かるように記 載してください。ただし、1歯1回の算定 ですので形成時完了時に算定してください。 また、メタルコア装着後の自費移行等には 十分野注意ください。 A3 基本的に単Gではメインテナンス に入れまぜん。メインテナンスとは 長期間に亘る管理が必要な場合に行われる ものです。 Q4 「P管理中」にP急発で抜歯し、 ブリッジ作製した場合に一連の治療 の保険請求はできますか。 A4 一連の歯科治療が終了し、メイン テナンスに入って数ヵ月経過してい れば算定できます。ただし、Pに関わる特 掲診療料は算定できませんので、抜歯時の 投薬における薬剤情報提供料は算定できま せん。 Q5 シーラントを行えるのは幼若永久 歯および乳歯ということですが、幼 若永久歯とは何歳くらいですか。 「P管理中」に新たに生じた疾患に対して 治療を行った場合、摘要欄に当該疾患の状 態の記載が必要です。 A5 原則として第一大臼歯については 12歳まで、第二大臼歯についてはお おむね20歳までと思われます。 Q6 査でもよろしいですか。 P継診時の歯周組織検査は精密検 A6 歯周組織検査についてはP基検、 P精検を問いません。P憎憎の算定 要件は①初診から3ヵ月経過し、②Pを含 む一連の歯科治療が終了し、③最終の歯周 組織検査から1ヵ月以上経過していること、 となっていますので実態に応じて算定して ください。 Q7 置について教えてください。 「P管理中」に算定可能な外科処 A7 メインテナンスに入った後に生じ た急性疾患に対しては、歯周外科以 外の外科処置は算定できます。ただしP急 発GAの切開はメインテナンスに入って数 ヵ月経過していれば算定できます。 投薬についてはA5をご参照ください。 Q8 に抜歯窩が閉鎖できないため、歯肉 Pericoで下顎第3大臼歯抜歯時 弁移動術を行いましたが算定できますか。 A8 算定できません。抜歯創閉鎖の費 用は抜歯料に含まれます。歯肉弁移 動術の算定要件は①歯周疾患に対し歯肉側 方移動術、歯肉移植術を行った場合、②転 位歯等の抜歯に際し隣在歯の根面が露出し て知覚過敏のおそれがあり、歯肉移植術を 行った場合、となっています。 Q9 覆軍とKPの同日算定はできます か。 A9 間接歯髄覆軍〔25〕は同日のKP 算定ができます。平成14年4月に直 接歯髄覆軍〔70〕が新設されましたが、 「直接歯髄覆軍を行った場合は1ヵ月程度 の経過観察を行うものである」とされてい ますので同日のKP算定はできません。ま た、レセプト摘要欄に「○月○日 直接歯 髄覆軍」の記載が必要です。 お知らせ ・審査の返戻事例の中でも病名もれ、病名重複等、単なる事務的ミスと思われるも のが多数あります。例えば、初診時にP病名であがっていた歯牙が治療途中の抜歯 後もPの歯式から削除されないまま補綴に着手した場合、明細書上PとMTの病名 重複となり返戻の対象となります。明細書作成時には、病名と処置内容を十分にチ ェックして誤りのない請求をしてください。 ・長期に亘る治療経過(同一初診内)での6ヵ月以内の充形、緊縛の重複算定、補 管中の再製作や脱離再装着、 P病名でのSRP(歯数オーバー)、再SRPの繰り 返し等にもご注意ください。 ・ ・保険請求の内容の疑義に関して、医療機関から直接支払基金や国保連合会に問い 合わせをされる事があるようですが、支払基金、国保連合会には通常事務職員しか おりませんので、保険診療の内容についてはお答えできません。 返戻内容等についてのご質問がある場合には先ず所属郡市区会の医療保険委員会 にお尋ねください。 陵慰 聞陥 禽より ぬ ゑ 平成15年3月 平成14年ll月17日に会員研修セミナー「特集“歯周治療”学術と医療保険の接点を探る」 が開催されましたが、その趣旨はEBMを踏まえて歯周治療を行い、保険診療を行う際の 学術的根拠と保険算定とのギャップを埋めようというものでした。当日解説を行った医療 保険に関する項目の中でポイントと思われるものについて説明します。 1.かかりつけ歯科医初診 患者への治療計画等の情報提供を踏まえた継続的な歯科医学的管理を行うということで、 治療計画を立てる、継続的に管理するという点が重要です。算定にあたっては、患者また はその家族等に「か初診」の主旨を十分に説明し同意を得た上で、文書で情報提供を行っ た場合に算定できます。本来、我々はかかりつけ歯科医であるべきであり、患者説明用の 資料に、患者が自分自身の病態や診療方針の理解を得られる病態模型・病態図・病態写真 等が追加され、患者さんへの説明がし易くなっていますので積極的に取り組んでください。 2.歯周治療の流れ (14年1月門歯発行の図から) 図は歯周治療のガイドラインを分かり易く、点数・注意点等を含めて解説したもので歯 周病の程度により色分けをして流れを説明していますので参考にしてください。初回の歯 周組織検査で診断後、治療計画に基づいて治療を進めて行きますが、検査に基づいて治療、 治療の効果を判定する検査、検査の結果必要なら次のステップへ、という流れを十分理解 して歯周治療を行ってください。流れを無視した検査なしでの次のステップなどは保険算 定のルール上認められませんので注意してください。 3.画像診断 パノラマは総覧的、いわゆる全顎撮影は歯周組織を詳細に診査することができますが、 診療体系・病高等により選択すればよいと思います。Pについては画像診断や歯周組織検 査を行い、的確に診断した上で歯周治療に取りかかってください。 パノラマは「か初診」では患者への現症説明として当然必要になってくるもので、従来 む の算定要件にとらわれず、結果的に1歯のみの病名やG病名であっても必要i生はあると考 えられます。 4.スタディモデル スタディモデルを製作した場合は患者氏名、製作年月日等の必要事項を記載し、バイト 材料とともに咬合関係が分かる状態で保管します。12年4月からスタディモデルにより口 腔内診査を行った場合は詳細な検査結果をカルテに記載するようになりましたが、高歯か. ら配布された用紙の該当項目にチェックをし、カルテに添付することで記載に替えること がそきまテ。 5.口腔内写真検査 口腔内写真は検査項目として独立しましたが、歯周組織検査を行った場合に撮影、説明 を行えば5枚までの算定ができます。しかし、「か初診」の場合スタディモデルと同様に 同月の初回の歯周組織検査時は算定できません。 5枚の標準的撮影方法は、正面観、左側および右側臼歯部頬側面観、口蓋側および舌側 咬合面観の撮影を基本とします。「か初診」ではこの中の3枚程度があればよいと思われ ます。 6.歯周組織検査 歯周基本検査は1点法以上のポケット測定および歯の動揺度検査を行いますが、精密検 査では4点法以上によるポケット測定と歯の動揺度にプラークチャートを用いたプラーク 付着状況の検査が追加されます。いずれの検査を行うかは裁量権に委ねられますが、基準 としては「歯周治療の流れ図」にあるように基本検査はGおよびPの軽度、精密検査はP の中等度、重度が目安となっています。 指導の場では、画像診断と合わないポケットの数値や数値と合わないその後の歯周治療 がよく指摘されていますので、正確な数値を測定するようにしてください。例えば、2, 3㎜で歯周外科を行ったり、逆に6,7㎜もあるのにスケーリングのみで後の治療がない などのケースが指摘されていますので、正確な検査を行い正常値でも記載するように注意 してください。また、P急信・GAなどいわゆる急性症状がある状況での検査は妥当でな いとされています。 14年4月より老人保健の歯周組織検査が独立しましたが、精密検査を行っても基本検査 を準用して算定する取り扱いですので注意してください。 歯周組織検査は歯周外科後の部分的再評価を除き、一口腔単位で算定することを間違え ないようにしてください。 7.歯周疾患指導管理料 P基管とP精管が統合されP管理となりましたが、同時に算定要件も少し変わり、初回 のP管理は歯周組織検査や治療方針を明確に立てた上で算定するようになりました。従っ て、初回のP管理は急性症状が在る状況や月末初診で歯周組織検査なしでの算定には注意 してください。 P管理のカルテ記載で問題になるのが、「P管理」の記載のみや毎月漫然と同じ内容の 記載が続けられている場合です。具体的に記載し、行った指導管理が効果があったのか寅 なければどのように対応したのかなど、評価や指導の効果が分かるように記載する必要が あります。 8.歯科衛生実地指導料 実地指は齢蝕の場合も算定できますが、カルテには衛生士に指示した内容の記載が必要 です。また、業務記録簿を必ず衛生士に記載させ、その際にプラークスコアも忘れずに付 けるよう指示しておく必要があります。指導の場で算定要件を満たさない業務記録簿が見 受けられますので、できるだけ県歯発行の記録簿を利用してください。 9.スケーリング . スケーリングは1ブロック行えば60点、1/3顎増す毎に40点を加算じます。原則的には 1日では通常3ブロックまでで、ブロック内の歯数が少ないなど特殊な場合には全顎スケ む 一リングもあり得ます。 スケーリングで問題になる点は、ブロックオーバーや逆に全顎のスケーリングが終わら ずに検査を行うこと、スケーリングとその後の検査までの期間が短いなどがありますので 注意してください。スケーリングを行った後は1週間程度経過した後に必ず歯周組織検査 を行ってください。特に、指導の場ではスケーリング後の検査がなく補綴に移行するケー スが指摘されていますので、その点にも注意してください。全てを理想的な状態にするの は困難ですが、原則的には歯周治療終了後歯肉の改善状態を確認した後に補綴に入るべき と思われます。 10.咬合調整・歯冠形態修正 咬調は1歯1回につき算定できますので、必要があれば複数回の算定も可能です。ただ し、一どの患者さんにもどの歯牙にも複数回というような傾向的な算定には注意してくださ い。指導の場で、時々1ヵ月で20∼30回、2∼3ヵ月で100回以上の咬調が指摘されてい ますので注意してください。 歯冠形態修正では犬歯も50点が算定できますが、病名として「歯冠形態異常」「咬合性 外傷」「挺出歯」「咬耗症」などの病名が必要です。 ‘ 11.歯周治療用装置 歯周治療用装置とは、重度の歯周病で長期の治療期間が予測される場合に、歯周外科(F OpとGEct)を行うと診断した歯周組織検査以降に算定します。冠形態ではC・Pu l・Perの病名が必要で、ブリッジダイプではMT病名を記載してください。冠形態と Tekを混同しないように注意してください。 床義歯形態ではP病名があればMT病名などは必要ありません。クラスプについては、 通常線鉤ですが必要なら鋳造鉤も使用できますし、人工歯、バーなども算定できます。し かし、印象、装着、調整、修理は算定できません。 12.SRP・PCur SRP・PCurは、歯周基本治療として1歯単位の算定となります。 注意点としては、ブロック単位の算定や1回に行われる歯数にも自ずと限度があるとい の う点、縦覧点検で問題となる数ヵ月に亘ってダラダラと再SRPを繰り返さない,こと全区、 牙のSRP・PCurなどの傾向的算定、多数歯にSRP・PCurが行われている状況, での補綴処置などに注意してください。 13.歯周組織検査(スケーリング、SRP・PCur後) この検査で治癒となる場合や必要があれば次のステップ、また、歯周外科を行う場合は ここでの検査は精密検査を行った後に実施してください。稀には局所薬物送達療法、いわ ゆるペリオクリンの使用などを行う訳ですが、使用にあたってはSRP・PCur後の3 回目の検査後ポケットが4㎜以上で十分な薬効が期待できる場合に計画的に1ヵ月間薬剤 を注入するという算定要件に注意してください。 14.暫間固定(TFix) 簡単なものは歯周外科を伴わない場合、歯周外科を予定した4歯未満の場合で、複雑な ものは歯周外科を伴う4歯以上固定した場合ですが、いずれの場合もそれぞれ1顎1回の・ 算定ですので、間違いのないように注意してください。また、除去は1装置につき30点算 定できますので忘れないように算定してください。 TFixが破損した場合の修理については、レジンワイヤー固定法の場合は再製すべき と思われますが、修理を行った場合は装着材料料22点を歯数分を算定します。レジン連続 冠固定法は70点の修理を算定できますが、病名の「TFix破損」を忘れずに記載してく ださい。 15.歯周治療のメインテナンスの総合評価 従来の歯周治療後のフォローの方法もありますが、漫然と再SRP・再PCur、・検 査などを繰り返さずにメインテナンスの導入を考えてください。 まずぐメインテナンスが必要かどうかを判断する「歯周疾患継続治療診断料」は初診日 から3ヵ月以上経過し、Pを含む一連の歯科治療が終了し、最終の歯周組織検査から1ヵ 月以上経過して行います。歯周病の程度によりますが、初診から2ヵ月経過した時点で最 ら 終の検査を行い、1ヵ月後の来院を促し、その時点で「P継診」を行って「治癒」か「病 状安定」かを診断することもできます。 P継診は、「検査」に該当しますが、必ず歯周組織検査に基づいて診断し、継続的管理 が不要と判断した場合は、検査の結果等継続的管理が不要と判断した根拠をカルテに記載 し、「最終回用」の文書を提供しその写しをカルテに添付します。 継続的管理が必要と判断した場合メインテナンスに入る訳ですが、P継診の検査の結果、 基本治療がすぐに必要な場合は同月もあり得ますが、そうでなければ1ヵ月程度経過後に 入ってください。病状安定と診断した内容をカルテに記載し、指導計画・歯周組織検査・ 歯周基本治療などの概要および回数などの継続治療計画を策定し、「P継診用」で情報提 供し、写しをカルテに添付します。 P二又を算定してメインテナンスに入った場合は・原則として1年間継続的に管理し・ その計画により1∼3ヵ月毎の来院を促し管理を行いますが、燭者の中断以外津中での治 癒や終了はありません。1年経過後に再度「P継診」により、治癒か再度のメインテナン スかを判断することになります。 「歯周疾患継続総合診療料」は再診時に歯周組織検査、歯周基本治療、指導管理を行っ た場合Pの歯数により所定点数を月1回算定します。算定した月に歯周基本治療を行わな ’かった場合は所定点数から減算して算定します。「P総診」は保険算定上は「基本診療料」 に該当し、再診・か再診・歯周組織検査・P処・基本治療・指導管理料が含まれます。カ ルテにはその内容を記載しますが、「P総診用」の文書を提供し、写しをカルテに添付す れば指導管理に関する記載だけは省略できます。同月でも、実地指・診療情報提供料・画 像診断は別に算定できますし、「P総診」とは別の日の再診料・か再診料も別途算定でき ます。ただし、歯周外科はメインテナンス中は行っても算定できません。 P総二三定期間中に歯周疾患以外の疾患を生じ治療が必要な場合は行えますが、明細書 の摘要欄にその状況を記載してください。 初回の「P総診」算定時には「P継診」算定日、2回目以降の「P二二」算定時には前 回の算定日を明細書の摘要欄に記載してください。 P総診を最後に算定した翌月の初日から起算して3ヵ月を経過した場合、つまり来院予 定日に来院せず患者が任意に中断し、3ヵ月間レセプト請求が無かった場合はP総記は算。 定できず、,初診に戻ります。 知 2月に配布しました「症例編」は歯周治療、取り扱いの変わった訪問診療について、模 範的なカルテ記載例と点数算定の解説をしたものです。また、同じ手引きにも事務編、請 求事務編、官庁関係諸届出事項編があり、それぞれ受付事務、請求事務等に役立てるよう に作成していますのでご活用ください。 平成15年4月 平成15年4月から実施(健康保険法等) される改正点の内容について 1.一部負担金及び自己負担額の見直し (1)3歳以上で70歳未満は3割負担(各医療保険制度での給付率の統一) ①すべての医療保険で3歳以上で70歳未満は3割負担に統一されます。 ②3歳未満の2割負担及びケ0歳以上の原則1割負担は変わりません。 ③3割負担に伴う高額療養費の自己負担限度額算定方法が変更になります。 ④国保組合では、負担割合が統一されておりませんので、被保険者証で十分ご の 確認ください。なお、国保組合等で、現時点で判明している3割以外は以下の 通りです。 本人 2割 変更なし 本人 2割 変更(旧1割) 甲 2割 変更なし 本人 2割 変更なし 本人 2割 変更なし 福岡県歯科医師国保組合 福岡県医師国保組合 福岡県薬剤師国保組合 中央建設(133264) 建設連合(233064) 医療保険制度を通じて負担割合の統一 平14.10∼平15.3 3歳未満 外来薬剤﹁部 負担金︵6歳以上︶ 70歳未満 一定以上1 割 所得者 2割 一定以上1 割 所得者 2割 70歳以上 3歳以上 平15.4 健保被保険者 2割 退職者本人 2割 ゙職者家族 3割 瀦ロ被扶養者タト来3割 ⇒ 健保・国保・退職者すべて3割 早@ 保 3割 @ 入院2割 2 割 2 割 (2)外来の薬剤一部負担金は廃止 すべての薬剤一部負担金が廃止となり、薬剤を含めた点数の3割負担となりま す。従って、窓口での薬剤一部負担金の徴収は、一切ありません。 (3)3割負担に伴うその他の改定 ①任意継続被保険者期間の見直し 1)任意継続の期間が2年を限度とされます。 2)健康保険の被保険者期間が2月以上ある者が被保険者資格を失った場合、 引き続き2 年間は、個人で健康保険の被保険者になることができます。(任意継続被 コ 保険者) 3)55歳以上で退職した者も2年をすぎると任意継続被保険者の資格を失いま す。なお平成15年3月までに任意継続被保険者となった人については、これ までのように2年忌過ぎても60歳又は60歳未満で国保の退職被保険者になる までの問、任意継続被保険者になることが認められていますが、「部負担金 の は3割です。 ②資格喪失後の継続療養給付の廃止 平成15年3月31日をもって継続療養の給付は廃止となります。ただし、資格 む 喪失後に日雇特例被保険者またはその被扶養者になったときは、6ヵ月を限度 に継続療養がうけられます(特別療養給付)。法公布日以前の発行で受給期限 が4月1日以降とされている傷病についても給付は3月31日までとなりました。 ③日雇特例被保険者の受給期間延長の廃止 日雇特例被保険者の受給期間は1年に短縮されました。 2.総報酬制の導入と保険料率の改定 (1)ボーナスも月給と同様に保険料の対象とする「総報酬制」を導入 (2)政管健保の一般保険料率を1000分の82に改定 3 診療報酬請求書及び診療報酬明細書について 薬剤一部負担金の廃止に伴い、請求書及び明細書の様式も薬剤一部負担金欄を削 除したものに改正されました。ただし、旧様式の請求書及び明細書はそのまま使用 しても差し支えありません。また、編てつ方法につきましては、今回は変更致しま せんので従来通りでお願いします。 4.月遅れ請求分の取扱いについて 医療保険(老人保健、高齢受給者及び三歳未満を除く)の平成15年3月以前分は 明細書を別とじとし、当月分とは別に請求書を作成してください。 また、老人保健の平成14年9月以前分も医保、国保ともに、今まで通り明細書を 別とじとし、当月分とは別に請求書を作成してください。 、 霊灘ililliiiiiii難1灘iiiii}iil 平成15年5月 Ql 会員からの質問に答えて(Q&A) Al たため、消炎鎮痛剤(ボルタレン、 消炎鎮痛剤については、適応に合 つた薬剤を投与してください。 ロキソニン等)を内服投与したいが如何で ボルタレン、ロキソニン等は、外傷や手 しょうか。 術後の鎮痛消炎に適応となっています。 SRP、 PCur後に疹痛を訴え SRP、 PCurは観血的処置ではあり ますが、外科手術には該当しませんので、 内服での投与はできません。 ただし、頓服としての投与であれば認め られます。また、必要であれば抗生剤の投 与もできますが、傾向的にならないように 注意してください。 中等度の歯周病で初回に歯周精密 Q2 検査を行い、下顎6前歯の歯周ポケ 歯周外科手術の前には必ず、歯周 精密検査が必要です。歯周基本治療 ット掻爬術を計画し、まずPの流れに沿っ が十分に行われた後に、歯周精密検査を実 てスケーリング、SRP等の歯周基本治療 施し、その結果必要と認められる場合に歯 周外科手術を行ってください。 を行いました。その後、歯周組織検査を行 A2 ったところ経過が良好で下顎の2歯のみ歯 周外科が必要と判断しました。この場合の 歯周組織検査は、歯周基本検査で確認して も良いですか。 Q3 他院にて植立されたインプラント 歯を鉤歯として使用した場合当該義 歯は保険給付されますか。 A3 インプラントに関わるものは、す べて保険給付外です。ただし、他院 にて植立されたインプラントを除去する場 合においては当該部位のX線およびインプ ラント摘出術、それに係る投薬は保険請求 できます。 前月歯頚部襖状欠損部に単純窩洞 Q4 のCR充填を行ったが、翌月同一歯 同一初診内であれば、同一歯に対 A4する充形、充填技術料\EE.EB、 の隣接面に鶴蝕を発見し、複雑窩洞のCR 研磨は1回の算定となりますので、翌月は 充填を行った場合、算定はどうなりますか。 複雑の充填材料料(28点)のみの算定となり、 補綴のその他欄に1歯2窩洞と記載し、摘 要欄に「先月充形済み」と記載してください。 Q5 顎関節症での咬合挙上副子の調整 回数について制限はありますか。 回数についての制限はありません A5が症状により異なると思いまづ㌔ 通常1∼2週間に1回程度が原則ですが、 ただ漫然と6ヵ月∼1年以上も調整を繰り 返すのは医学的に問題があると思われます。 Q6 なかなか改善しないような難症例のものは 専門医に紹介すべきと思われます。 6⑥⑦や⑤⑥6のような分割延長 ブリッジは原則として認められない という事ですが、④⑤6⑥7のようなケー A6 保険給付されます。 スは認められますか。 先月シーラントを行い、今月実地 Q7 指を行いましたが、か初診届出医療 先月月末にシーラントを行い、実 A7地指を算定せず、翌月に実地指を行 機関の20点加算は算定できますか。 ったのであれば算定できます。この場合は、 摘要欄にシーラントを行った部位および日 付を記載してください。 福岡県の診療報酬平均(平成14年12月診療分) 内 訳 1件当たり 冝@ 数 1件当たり _ 数 1日当たり _ 数 医 保 本 人 国 保 家 族 老 人 一般+退職 老 人 生活保護 2.8日 2.5日 3.0日 2.9日 3.1日 3.4日 1790.1点 1352.6点 2190.1点 1794.3点 2157.8点 2637.8点 637.5点 547.8点 728.0点 620.0点 703.4点 771.5点 お 知 ら せ 1 ケアハウスやグループホームに入所中の患者に歯科訪問診療を行った場合は、 当該施設を居宅として取り扱ってください。また、有料老人ホームおよび軽費老 人ホームにおいても施設全体が1つの居宅としての取り扱いとなります。 必要に応じ、施設区分を十分ご確認の上訪問診療を実施してください。 2 「特別の関係」にある施設等に訪問して歯科訪問診療を行った場合においては、 歯科訪問診療料は算定できません。 「特別の関係」とは、⑦開設者が同一の場合 ◎代表者が同一である場合 ⑪代 表者同士が親族などの場合 ㊤役員等のうち親族等の占める割合が10分の3を超 える場合 ㊨イから二までに掲げる場合に準ずる場合 以上の場合です。 …陵・居 ’』・・ 摺靭一 平成15年6月 基本診療料 1 かかりつけ歯科医初診料(か初診)270点 (1)従来のスタディモデルまたは口腔内写真に加え平成14年4月より病態図、病態模型、 病態写真での説明でも算定が可能になりました。またこの際、治療計画を策定し、文 書により患者に治療内容等のお知らせを行います。 む (2)初診日に急i生炎症などで挙要な検杢が行えない場合2回目の再診日 (初診から3回目 の来平時)までに必要な検査を行い、文書により治療計画等の情報提供を行えば算定 できます。 (3)当初に計画した治療が終了した日から起算して2ヵ月以内は再診扱いです。 2ヵ月を超えて再度のか初診を算定する場合1年以内の場合はレセプトの摘要欄に前 回終了年月日の記載が必要です。 (4)か初診算定時の㊥は算定できませんが、抜歯などにより口腔内状況に変化があれば 算定できます。 (5)口腔内写真検査は2回目以降の歯周組織検査時には算定できます。 (6)算定要件を満たせば患者の年令、歯数、治療期間による制限はありません。 (実日数1日でも算定可です) (7)病名によらず、か初診算定患者にはパノラマまたはX線全顎撮影が算定できます。 (8)一人の患者に対して同一期間中に2医療機関以上ではか初診は算定できません。 (か初診を算定されている患者を別の保険医療機関において休日等に救急的に診療を 行った場合は、歯科初診料180点で算定してください。) 、 鳶 む り む (9)か初診届出医療機関への加算項目(その患者にか初診算定していない場合でも可です) ①初期ウ蝕小窩裂溝填塞処置(填塞)l19点+12点 ②填塞を行った日の歯科衛生実地指導料80点+20点 ③充形120点+5点 2 歯科初診料(初診)180点 (1)以下の場合は初診料が算定できません。 ・検診目的 ・自費から保険への切替 の り ・学校等の健診後、一ヵ月.以内の当該歯科医での受診 ・他院よりX線撮影のみ依頼された時 の の む ・他院で撮影されたフイルムの診断のみ求められた時 ・医院の継承、移動等と見なされた時 など (2)1ヵ月以上経過しても抜歯後の治癒待ち・P管理中・C管理中などは再度の初診料は 算定できません。 ※ 診察の結果明らかな疾病等が認められない場合でも「○○の疑い」「原因不明の疹痛」 などとして初診料が算定できます。 ※ 患者の号泣などのため診療行為ができない場合でも初診料が算定できます。 (ただし摘要欄に「号泣のため治療不可能」などの記載が必要です) ※ 加算について ①障害者加算1%点 障害者加算における著しく歯科診療が困難な障害者とは 1)脳性麻痺等で身体の不随運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態。 2)知的発達障害によリ開口保持ができない状態や治療の目的が理解できず協力が 得られない状態。 3)重症の喘息患者で頻繁に治療の中断が必要な状態。 またはこれらに準ずる状態にあるものです。 ②時間外加算85点 1)概ねAM8:00以前・PM6:00以降及び休日加算対象日以外を終日休診日と する医療機関の休診日。 (お盆休みは休日でなく時間外で算定します) 2)診療標榜時間外で診療応需の態勢を解いた後の救急的診療を行った場合。 ③休日加算250点 1)日曜日、国民の祝日及び12月29、30、31日、1月2、3日に救急的診療を行っ た場合。(1月1日は国民の祝日) 2)救急医療施設または輪番制の休日当番医療機関では休日加算が算定できます。 ④深夜加算480点 PMIO:00∼AM6:00(診療時間としてない場合)に救急的診療を行った場合。 ⑤紹介患者加算50点(老人55点) 診療情報提供書持参者(病院で情B、情C、情Dを算定した患者)に算定できます。 3 かかりつけ歯科医再診料(か再診)40点 (1)か初診を算定し治療が終了した日から起算して2ヵ月以内はか再診料を算定します。 (2)歯科初診料180点を算定した後で、患者の同意を得てもか再診の算定はできません。 (3)初診料が算定できないなど(歯科初診料の(1)の場合など)特別な患者でか初診を算定 できる要件を満たせばか再診から算定できます。(すなわち、か初診料、歯科初診料 どちらも算定してなくて再診料が出る場合です) 4 再診料(再診)38点 (1)以下の場合は再診料が算定できません。 ・薬剤のみを受け取りにきた場合 ・検査、画像診断の結果の照会 ・手術などの必要性を認めてもいったん帰宅し、再度検査、画像診断、手術などを受 けた場合 など (2)電話による再診について。 電話(テレビ画像等を含みますが、通常FAX、電子メールは含みません)により治 療上の意見を求められ必要な医学的指示を行った場合に算定できます。 ・診療行為のない日の電話再診は実日数1日とし回数を摘要欄に記載します。 ・診療の行われた日の電話再診は実日数に数えないでTEL再診と摘要欄に記載しま す。 ・電話再診でも時間外、休日、深夜加算が算定できます。 ・乳幼児、障害者またはその看護にあたっている者から意見を求められた場合には ⑭㊥加算が算定できます。 〈事前届出によるブリッジ(いわゆる承認補綴)の取扱いについて〉 事前届出によるブリッジの提出につきましては保険の種別にかかわらず(医保、国保、生 保とも)下記へ提出してください。 〒812−8534 福岡市博多区博多駅前3丁目25−21 博多駅前ビジネスセンター2F 福岡社会保険事務局 保険課 医療係 TEL O 92−415−3689 「注」1.欠損補綴に係る届出 エックス線・着手前の模型(咬合関係がわかるもの)を添えて届書を提出します。 2.補幻象定期間中の事前承認ブリッジの申請 着手前の模型(咬合関係がわかるもの)を添えて申請書を提出します。 場合によってはエックス線の提出を求められることもあります。 * * お 知 ら せ 乳幼児、重度心身障害者及び母子家庭等医療費支給事業に要する 診療報酬明細書等の様式の販売について 今回、上記関係の明細書を、有料印刷物にて販売することといたしましたのでお 知らせいたします。 また、政令指定都市の福岡市及び北九州市においては、市行政で作成することと なっております。 つきましては、保険用紙の敢り扱いと同じになりますので、ご希望の先生は郡市 区会へご注文ください。 ○ 各種明細書等様式(9種類) (1)障・母明細書(国保用/単票) (2)乳・障・母明細書(国保用/単票) (3)障・母明細書(医保用/カーボン式2部複写) (4)障・母明細書(医保用/単票) (5>乳・障・母明細書(警保用/カーボン式2部複写) (6)乳・障・母明細書(医保用/単票) (7)乳・障・母医療費請求書 (8)障害者(老人保健法該当者)一部負担金・老人訪問看護基本利用料請求書 (9)障害者(老人保健法該当者)一部負担金・老人訪問看護基本利用料請求書 総括票 「注」 1 (4)・(6)については、レセコン利用の医療機関用として、新たに連合会 提出分のみを作成することといたしました。 2 医保(国保連合会提出分)については、手書き記入の医療機関はカー ボン式2部複写を、レセコン利用の医療機関はそれぞれの単票をご利用 ください。 鞭 平成15年7月 半 「歯周疾患のメインテナンスに係る総合評価の新設」としてP急診・P総診が導入されて、 1年が経過しました。2回目のP継診の算定時期について、算定誤りのないように説明しま す。 算定要件の中(留意事項あるいは注)に、r (A)歯周疾患継続総合診療は1年を目途として実施するものであり、当該総合診療の開 始から1年を経過した時点で、P継診に定める歯周疾患継続治療診断を行い、歯周疾 患のメインテナンスの終了または継続の必要性について判断する。 (B)P継診を1回算定した後、当該診断料を算定した日の属する月の初日から起算して 1年を経過するまでは再度算定できない。 との記載があります。 したがって、(A)によりP管理点の開始日はP総診の1回目の算定日であり、この日か ら1年経過.した時点でP継診を行って、歯周疾患のメインテナンスの終了または継続の必要 性について判断することになります。(B)についてはP継診の算定できない期間を規定し ているだけです。例えば、中断あるいは2回目のP継診時に治癒となったが、その後初診(か 初診)が起こり歯周基本治療等を行ってメインテナンスに入る場合に、「初診日から3月以 上経過し、歯周治療を含めた一連の歯科治療が終了し、最終の歯周組織検査から1月以上経 過している」場合でも、前回のP訳出を行った日の属する月の初日から起算して1年忌経過 していない場合には、1年経過する日まで歯周疾患継続治療診断を行えません(P継診を算 .定できません)。また、P心証後に歯周外科等を行って再度のメインテナンスに入る場合に ついても同様です。 ゴ 会員からの質問に答えて(Q&A) Ql P継診とP総診の同月算定の場合 の処理について教えてください。 A1 算定できない歯周組織検査(P基 検、P精薄、⑳老人)、口腔内写真 検査、P管理、 P処等を=線で抹消し、1 日毎計算し直して返金処理します。 Q2 診療録の「傷病名」欄でP管理中 の開始日はP継当を算定した日で良 A2 を算定した日です。 P継診ではなく、1回目のP総診 いでしょうか。 歯周疾患継続総合診療に入り1年 Q3経適後、ごくまれな場合ですが2回 目の歯周疾患継続治療診断を行ってメイン テナンスを中止し、数歯程度歯周外科治療 A3 前回(2回目)のP継診算定の日の 属する月の初日から起算して1年経 過していれば、メインテナンスに入れます。 後病状安定となった場合に再度のメインテ 例えば2回目のP継診が平成15年6月20 日の算定であれば、平成16年6月1日以降 に3回目のP無熱を算定してからメインテ ナンスに入れますか。 ナンスに入れます。 (FOP, GEct等)を行いました。その Q4 平成14年8月20日にP継診を算定 し10月までP総診を算定していまし たが、糖尿病の悪化により入院し中断しま した。平成15年3月20日に患者が来院し初 A4 8月1日以降でないと実施できま せん。P継診は前回算定月より起算 して1年間算定できませんので、8月1日 以降となります。 診となりスケーリング、SRP, PCur等 Q5 を行い「初診日から3月以上経過し、歯周 治療を含めた一連の歯科治療が終了し、最 終の歯周組織検査から1月以上経過してい る」場合に、6月20日以降歯周疾患継続診 断および歯周疾患継続総合診療を実施でき ますか。 歯周疾患継続総合診療を平成14年 6月16日に始めた場合に、平成15年 6月16日以降に約束していても患者の都合 で15日以前に来院した場合の算定について A5 P総診を行って、次月以降の次回 来院日に歯周疾患継続治療診断を行 うか、P総意を算定せず、16日以降に来院 を促しP継診を行うことになります。 ’教えてください。 Q6 1年後に歯周疾患継続治療診断を 行う月の算定について教えてくださ いo A6 実態に応じて再診料、歯周組織検 査(P基検、P精検、⑳老人)、口 腔内写真検査、P管理、 P処、実地指、歯 科エックス線撮影等の算定になりますが、 Q7 再度のメインテナンスで同月P総診の算定 であればP総帰期間中の算定要件に従いま す。 歯周疾患継続総合診療を実施し1 年経過後に2回目のP継診を算定し A7あ灘難民書品二言磁雛奢 て歯周疾患継続治療診断を行った場合に、 について「2回目P歯面○月○日」と「摘 レセプトの「摘要」欄に前回のP継診算定 要」欄に記載してください。 日の記載が必要ですか。 また、2クール目の初回P総診算定時に ついても「摘要」欄に「2回目P継診○月 また、2クール目の初回P総診算定時の 「摘要」欄記載についてはいかがでしょう ○日」と記載してください。 か。 P総診と日を異にして実地指等を 行った場合で、心月の算定となった Q8 再診料と実地指の算定となります。 場合の請求について教えてください。 管理中を記載してください。 Q9 継続できます。ただし、「摘要」 欄でその旨説明してください。 前回P総踊算定月より3月後の月 末P早早を予定していた患者が、急 病のため来院できなくなりました。歯周疾 A8 「病名」欄にPの歯式およびP・P A9 患継続総合診療は継続できないのでしょう か。 * お 知 ら せ * 1歯欠損2二分間隙について 例えば魁L全②③(1歯欠損2油分間隙)のようなブリッジの 1歯欠損2歯分間隙については、今まで承認補綴となっていましたが、 承認を受ける必要がなくなりましたのでお知らせいたします。 1 P継診、P総診のまとめ *注意事項 (用紙は必ず手渡してください) ※「摘要」欄記載事項 ロ 初診・か初診(黄色用紙) H14.4.15 ※再度のか初診を1年未満に算定する場合、前回治療 終了年月日を記載します。 診ら・二上 初か3以 下一+ 歯周組織検査(P基検、P精検、⑳老人) † 歯周治療の流れに従って ! 歯周基本治療(スケーリング、SRP、 PCur). i 歯周外科手術(ソウハ術、ENAP、 GEct、 FOp) ← ↓ を行います。 一「一一歯周騰検査(P基盤・P精血・⑰老人) H14.6.15 轍塗査から± *SRP、 PCur等1歯も行っていないこと。 *歯周治療を含めた一連の歯科治療が終了していること。 歯周組織検査(P基検、P精検、⑳老人)’ H14.7.15 左記の歯周組織検査 ○ △ (口腔内写真検査) ○ △ P継診→治癒(白色用紙) ⋮ ⋮ ⋮ :← (赤色用紙) 程度 ↓ → 概ね1月 P総診 H14.8.16一* (P管理中 (青色用紙) 開始日) 1∼3月 野 P総診 」L *患者の同意に基づく継続治療計画を策定すること。 *P継診と同月算定の場合は△については算定できません。(同月内の以前の日についても同様です)。 …一一一一一※1回目はP継診算定日を記載します。 *P継診算定日より野江以降算定の場合は○について算定できます。 *カルテには、再診、指導管理(文書の写しを添付する場合は省略できます)、歯周組織検査、P処、歯周基本治療に係る内容を記載します。 *歯周基本治療の有無により点数が異なります(基本治療を行った歯数ではありません)。 P病名歯数 1∼9歯 10∼19歯’20歯’以上 歯周基本治療あり 310点 450点 620点 同上 なし 210点 (再診、か再診) 270点 360点 *P総診と日を異にした場合には、算定できます。 開始から ↓ 1年経過 P総診 P二黒算定期間中の注意事項 (青色用紙) *実地指、X−Ray、情(A)、情(B)等算定できます。 した時点 P回診を ↓ H15.8.16 (以降に実施) ↓ 歯周外科等の後、 再度のメインテナ ンスを行う場合は、 H16.8.1以降に P継診を算定して 判断します。 P回診 (青色用紙) P回診 (青色用紙) ξ÷ 算定して 歯周疾患 継続治療 診断を 行います ↓ ‡ で再度 (か)再診料 O P 管 理 ○ △ P 処 0 △ 実 地 指 O P以外の特掲診療料 ○ / 基本的には *歯周外科手術に係る費用は算定できません。 *P急発等での抜歯、投薬(ただし、薬剤情報提供料の算定は不可)等算定できます。 *Pとは別の疾患での投薬については、薬剤情報提供料の算定はできます。 *P総診を最後に算定した月の翌月の初日から起算して3月を経過した場合は、算定できません。 *歯周疾患以外の疾患を生じ、歯周治療以外の治療が必要と判断される場合に限り、並行して実施できます。 ・P総診の算定のない場合も、「病名」欄にPの歯式およびP・P管理中を記載します。 ・P総記の算定がない場合でもP管理、P処等算定できません。 *DI、D皿は歯周疾患継続治療診断を行う以前から実施することが計画されている場合は、算定できます。 〔灘蟹㍊苓翻撒三態禦1二二脇講盤器二二まで再度算定できま肱 ※2回目以降は、前回のP総診算定日を記載します。 一一一一一一 一一一一一一 ヲ当該疾患の状態を記載します。 ヲ「長調計画済み」と記載します。 ※「2回目P継診○月0日」と記載します。 (赤色用紙) \ 縞麟へ騰…撫鰻撫lllll舞響醐一一司 *P継診と同一日にP総診も算定できます。(用紙は赤色と青色の2枚になります。) ※「2回目P継診○月○日」と記載します。 主な指導管理料について 1.歯科ロ腔衛生指導料 (二二指) 100点 1)16歳未満でC、Pul、 Per、 G、 Pに罹患している患者またはその家族に対して療養上 必要な指導を行った場合に再診月より算定できます。 (2)C、Pul、 Per病名だけの場合は、年齢に関係なく算定できます。 じ (3)実日数1日で、抜歯のみの病名では算定できません。 (4)Cの疑い、Hys、 Perico、吸収不全、 M T、義歯フテキなどの病名だけでは算定でき ません。 (5)16歳以上のG、Pに罹患している患者の場合は歯周疾患指導管理料(P管理)の110 点を算定します。 (6)老人保健該当者またはその家族に対して療養上必要な指導を行った場合は歯科口腔疾 患指導管理料(歯科指)110点を算定します。 (7)13歳未満の爾蝕多発傾向者に対して継続的な指導管理が必要で継口指を算定した患者 の場合は、重複算定できません。 (8)電話による指導に対しては算定できません。 2.継続的歯科ロ腔衛生指導料 (継馬指) 105点 (1)13歳未満の翻蝕多発傾向者または、その家族に対して継続的指導管理を行った場合に、 算定要件をみたせば初診月でも算定できます。 (2)多発傾向者とは下記のものをいいます。 年 齢 歯冠修復終了乳歯 歯冠修復終了永久歯 0∼2歳 2歯以上 } 3∼4歳 5歯以上 一 5∼7歳 8歯以上および3歯以上 8∼10歳 一 6歯以上 ll∼12歳 一 8歯以上・ ・5∼7歳の者で永久歯の萌出歯が3歯未満の場合には、歯冠修復終了永久歯は判定の 要件としません。 ・フッ化ジアンミン銀塗布歯は歯冠修復終了乳歯には含まれないものですが、3歳未満 の初期鯖蝕で、歯冠修復の実施が困難と判断される場合に限り、フッ化ジアンミン銀 を塗布した場合は歯冠修復終了乳歯として取り扱ってください。 (3)傷病名は「C管理中」とします。その期間中は初診料の算定はできません。 (4) 「C管理中」に歯冠修復終了歯が自然脱落等により修復歯の本数に変化が出て要件を 満たさなくなった場合でも継口指の算定はできます。 (5)C管理中であっても6ヶ月以上経過した場合必要があって再度の充形、修形を行った 場合はそれぞれを算定できます。 (6)電話による指導に対しては算定できません。 (7)フッ化物局所応用加算 ・+80点 ・13歳未満の翻字多発傾向者に対して歯科医師、または歯科衛生士が指示に基づいて行 つた場合に加算します。 ・3∼4ヶ月毎に1回の算定となります。ただし、継口指の算定が必要です。 ・1年経過後の判定で新たな翻蝕があった場合、その月の継口指の算定はできませんが フッ素塗布を行った場合フッ化物局所応用加算の算定はできます。 (8)フッ化物洗口指導加算 +80点 ・4歳以上の翻蝕多発傾向者またはその家族に対して、フッ化物洗口に係る薬液の取り 扱いおよび洗口法に関する指導を行った場合に加算します。 ・継竿指の実施期間中に1回限り加算します。 ・フッ化物歯面塗布とフッ化物洗口による指導を行った場合には、いずれかの加算の算 定となります。 (9)1年経過後の判定 ・新たな翻蝕なしの場合 初回の継目指を行った日から1年間を経過した日以降の最初の診療日に指導の効果を 判定し、105+105×150/100 (263点)の算定ができます。 ・新たな耐蝕ありの場合 1年経過した日以降の最初の診療日に属する月に限り指導料の算定はできません。 3.歯周疾患指導管理料 (P管理) 110点 (1)歯周疾患(PまたはG)に罹患している患者に対してプラークコントロール、栄養、 日常生活その他の療養上必要な指導を行った場合に算定できます。なお、この場合、歯 周組織検査や治療計画に基づき適切に行う必要があります。 (2)初診月および再診月において、月に1回限り算定できます。ただし、初診月の算定に おいては歯周組織検査をもとに指導を行い算定してください。またその検査の結果に基 づき治療計画を立案してください。 (3)16歳未満または老人保健該当者の患者に対しては算定できません。それぞれ口衛指ま たは歯科指を算定してください。 、 雨 (4)患者の症状、指導内容、評価および治療計画等の要点を診療録に記載します。 (5)電話による指導に対しては算定できません。 4.歯科衛生実地指導料 (実地指) 80点 (1)CまたはG、Pに罹患している患者に対して、主治の歯科医師の指示に基づき歯科衛 生士が直接口腔内で下記について15分以上の実地指導を行った場合に算定します。 ア 歯および歯肉等口腔状況の説明 イ プラークチャートを用いたプラークの付着状況の指摘および患者自身によるブラッ シングを観察した上でのプラーク除去方法の指導 ウ 家庭において特に注意すべき療養指導 (2)業務記録簿の記載について 歯科衛生士は、業務記録簿に必要事項(患者の口腔内状況、指導の要点、実施時刻、 担当者の署名)を記載し、主治の歯科医師に報告します。なお記録簿の保管期間は3年 間です。 (3)初診月および再診月において月に1回限り算定します。 (4)下学指、継口指、P管理、歯科指との重複算定もできます。 (5)訪問歯科衛生指導料を算定している場合には算定はできません。 (6)2歳未満の患者の家族に行った場合も算定できます。 (7)歯科医師は、歯科衛生士に指示した内容の要点を診療録に記載します。 (8)地方社会保険事務局に歯科衛生士の届出をしていない医療機関は算定できません。算 定した医療機関は毎年7月1日現在で名称、開設者、常勤非常勤ごとの歯科衛生士数等 を地方社会保険事務局に報告します。 (9)か初診届出加算 +20点 ・か初診届出医療機関においてシーラント処置を行い、かつ同時に当該患者に対して翻 蝕再発抑制等に係る指導を行った場合に加算します。 ・月末にシーラント処置を行い翌月に加算を行った場合には、摘要欄に部位と日付を記 発してください。 5.歯科特定疾患療養指導料 150点 別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とする患者に対して、治療計画にもとづき療養上 必要な指導を行った場合に、月2回に限り算定します。ただし口衛指、継口指、P管理と の重複算定はできません。 6.歯科ロ腔疾患指導管理料 (歯科指) 110点 (1)老人の心身の特性を踏まえ、歯・顎骨・粘膜下の口腔状態、補綴物の状態、歯周疾患 等について当該患者またはその家族等に対して指導管理を行った場合は、初診月より月 に1回の算定ができます。 ② 診療録には患者の病状経過、指導内容、評価、治療計画等の要点を記載します。 《指導料算定のまとめ》 種 類 点 数 対象年齢 算定回数 算定時期 傷病名 6.Pul.Per =・16歳未満 歯科口腔衛生指導料 (口衛指) 100点 ● ● ● ● ● o o ● o o o ● ● ● ● ● ● ● ● ■ 16歳以上前期 高齢者まで 歯周疾患指導管理料 @ (P管理) 歯科衛生実地指導料 (実地指) (歯科指) 80点 110点 16歳以上前期 w諶メまで 制限はありま せん 老人保健該当 者 歯科口腔疾患指導料 llO点 1回/1月 再診月 ● ● ● ● o ・ ・ ● ● ● ● ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ● ● ● ● ● ● ● ● ■ ● ● ● ● ● ■ ● ● G・P ■ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 再診月 1回/1月 C・Pul・Per 初診再診月 1回/1月 G・P 初診再診月 1回/1月 初診・再診月 1回/1月 C・Pul・Per G・P 病名は問いま せん *お 知 ら せ* ○ 老人保健該当者の訪問診療で訪問診療料の算定がない場合には、 老人訪問口腔指導管理料(訪問口腔)の算定はできませんが、歯科 指については算定できます。 .靭 平成15年9月 第1回郡市区医療保険担当者会・提出協議題回答 平成15年7月15日開催 1 厚生労働省は、カード型被保険者証を将来的にはどのようにする予定でしょうか。 将来像と予定年度がわかりましたら、教えてください。 【答】厚生労働省は平成13年4月から各保険者に対してICカード化を推進し、現在個人カ ード化が増えつつあります。個人カード化への更新時期は各保険者に委ねるとしていま す。政府管掌健保は平成15年10月1日から順次個人カード化する予定です。 2.3月に「か初診」を算定し劃のFCKを製作、装着し、4月の再診時に歯科口腔衛生指 導料を算定した。その後L生Cにて修形、中旬にインレーsetして治療終了。5月に入り 患者が除石を希望し再来院した場合、「か初診」でなく、歯科初診料を算定してPの治療 を行いたいと思うが如何か。 【答】慢性疾患であるPの除石を希望しての再来院であり、歯科初診料の算定もできません。 「か初診」を算定した場合は治療計画に基づく一連の治療が終了した日から起算して2 ヵ月を超えた場合にあらたに「か初診」または歯科初診料を算定し、Pの治療を行って ください。 3.「∼の疑い」の病名のみで「か初診」の算定はできますでしょうか。 【答】「か初診」は治療計画を策定した場合に算定します。このような場合もありえますが、 実日数1日置の「Cの疑い」病名等で「か初診」、X−Rayの算定が傾向的にならないよ う注意してください。 4.P聡診算定開始から1年経過後にPのメインテナンスを中止し、歯周外科手術を実施す る場合には2回目のP継診時における歯周組織検査の算定は歯周精密検査で行う必要があ りますか。 、 【答】歯周外科手術が必要と考えられる場合には、歯周精密検査を行ってください。 ただし、メインテナンスを中止し、歯周外科手術への移行は極めて稀と思われます。 5、P総診算定から1年経過後にP回診を行いメインテナンスを中止し、歯周外科手術を実 施した場合、歯周外科手術料の算定後はP管理(llO点)やP処(10点)を算定できますか。 【答】算定できます。 6.P四阿の算定開始から1年を経過後1、2度目のP継診を算定時に、再診料、 P処、歯周 疾患指導管理料(P管理)、歯周組織検査等を同時に算定するのでしょうか。 【答】P継診の結果、実態に応じて再診料、P処、 P管理、歯周組織検査等が算定できます。 ただし、メインテナンスの継続が必要と判断し、同日にP総診を行う場合は再診料、P 処、P管理、歯周組織検査等はP総診に含まれ算定はできません。同月の後日にP総診 を行う場合はP継診と再診料の算定となります。 7.慢性疾患等で入院中の患者への歯科訪問診療の依頼があり、頻繁に訪問診療できないた めに止むを得ず近医に訪問診療を依頼した診療情報提供書を作成した場合、算定は可能で すか。 【答】診療に基づき、医学的に必要があれば診療情報提供料(A)220点が算定できます。 診療を行って、患者の状態を把握したうえで患者の同意を得て紹介してください。 また、電話、ファックス、メール等では診療情報提供料は算定できません。 8.「か初診」を算定した場合、総覧的な診断のためにパノラマX線撮影の条件が緩和され ていますが、同様の考え方で10枚法の撮影も可能でしょうか。 【答】必要な場合は算定できます。 9.歯周病にカンジダ菌が関係しているのではという説が出てきていますが、保険でハリゾ ンなどの抗真菌薬を投与できますか。また、位相差顕微鏡で、バイオフィルムやデンタル プラークなどからカンジダ症の病名で、保険でハリゾンなどの抗真菌薬を投与できますか。 この位相差顕微鏡像をデジタル保存することも可能ですが、その場合はどうでしょうか。 【答】病名が「P」では算定できませんが、「口腔カンジダ症」の病名は抗真菌薬を算定で きます。ハリゾン錠は100mg 1錠で1回100mg、1日2∼4回食後経口投与です。 10.歯周炎に関して、喫煙が増悪因子であることは明らかです。歯周炎は生活習慣病として の位置付けもあり、禁煙意思の強い喫煙者で歯周炎の患者に、禁煙補助薬を処方すること は可能ですか。 【答】医薬品の使用の原則は、薬価基準に収載されている効能効果(適応)の範囲内のもの です。薬価基準に収載のない医薬品を患者に処方した場合、その投薬については保険診 療の対象となりませんので注意してください。 ll.漢方エキス剤の健康保険適応は、平成15年現在百数十種類になっています。歯科におい ては長い間 立効散(歯痛に対して)と排膿散(歯周病に対して)等の4剤しか認められ ていませんでしたが、漢方エキス剤メーカーのカタログに歯科病名が載っていなくとも、 抗生剤との併用で消炎等に有効なものもあります。今後、漢方エキス剤の保険適用が認め られる方向になる可能性はあるのでしょうか。 【答】薬価基準に載っている薬を効能効果(適応)に従って使用するのが基本です。 歯科領域の適応がなければ保険請求はできません。 12.基礎疾患として糖尿病を有する患者の歯周治療中に、咀噛機能の補助のため、歯周治療 用装置が必要と判断しましたが、糖尿病のコントロールが不良で全身状態が安定せず、い つ歯周外科に移れるか不明です。このような場合でも歯周治療用装置の算定と装着は差し 支えありませんか。 【答】歯周治療用装置は重度の歯周病で長期の治療期間が予測される歯周病の患者に対して、 治療中の咀噛機能の回復、および残存歯への咬合の負担の軽減等を目的とするために装 着するものです。歯肉切除手術または歯肉剥離掻爬手術を行った場合、あるいは行う予 定で算定するのが基本です。質問のような場合には歯周外科を行うのが妥当とは考えら れませんので歯周治療用装置は算定できません。 13.同月で同一部位の2回以上の脱離再装着は可能でしょうか。 【答】算定できますが、摘要欄に「2度脱離」と記載してください。ただし、たびたび脱離 する場合には患者に説明し、再製すべきと思われます。 14.未装着物の義歯を装着した日に、必要があるなら、床裏装を算定してもよろしいでしょ うか。その場合、有床義歯調整指導料は調A、調Bのいずれの算定となるのでしょうか。 【答】未装着請求にかかわる義歯の装着料は算定せずに、必要な場合は床裏装を算定してく ださい。また、その場合の有床義歯調整指導料は調Aで算定します。摘要欄にその旨記 載してください。 第1回郡市区医療保険担当者会質疑回答 1.P総診開始後、1年経過したら必ず2回目のP継診は算定しなくてはいけませんか。 もうしばらくP総診をして、2回目あP継診を1年半後でもいいですか。 【答】「歯周疾患継続総合診療は1年を目途として実施するものであり、当該総合診療の開 始から1年を経過した時点で、歯周疾患継続治療診断を行い、歯周疾患のメインテナン スの終了又は継続の必要性について判断する」とありますので、1年経過後すみやかに P継診を行ってください。 2.前歯部において3歯欠損4歯分間隙、臼歯部において1歯欠損2歯分間隙は可能でしょ うか。 【答】前歯部においては ③②△1 12③④ ③②△1 12③ 臼歯部においては「爾 「’④両一 「④諏「 等可能です。 臼歯部においては2歯欠損3歯分間隙以上は算定できません。 平成15年10月 在宅 医療 在宅医療に関しましてはH14年8月号の「医療保険だより」にも掲載していますの で併せてご参照ください。 今回はその他注意すべき点について記載します。 1.歯科訪問診療料 (訪問診療1、訪問診療2) (1)患者の求めに応じたものでなければなりません。医療機関が一方的に訪問して診療を 行うことは認められません。 (2)歯科訪問診療に基づき継続的な歯科診療が必要と認められた患者に対して算定できま す。 (3)保険医療機i関の所在地と患家の所在地との距離が16kmを超えた訪問診療は絶対的に必 要であるという理由がある場合以外認められません。(16kmは直線距離です) ※同一保険医が2ヵ所以上の保険医療機関を開設している場合、歯科訪問診療の依頼 をうけた医療機関を起点とするのではなく、当該保険医が患家に赴くために出発し た保険医療機関から患家までの距離により判断し、当該保険医療機関で歯科訪問診 療料を算定します。 (4>保険医は診療上必要があると認めた場合は、他の保険医の立会診療(対診)を求めるこ とができます。この場合対診を求められて診察を行った保険医の属する保険医療機関か らは、当該基本診療料、歯科訪問診療料等が請求できます。他の診療行為にかかる特掲 診療料は主治医の属する保険医療機関で請求します。報酬の分配は相互の合議に委ねま す。 (5)レセプトの摘要欄には診療時間(開始時刻・終了時刻)を記載しますが、治療の為の 準備、後片づけ、患者の移動に要した時間は含みません。 (6)歯科訪問診療に要した交通費は、患家の負担となりますが、自転車、スクーター等の 費用は交通費に該当しません。自家用車を使用した場合は、ガソリン代を患者から徴収 できます。(タクシー代に換算した三等の請求はできません) 2.訪問歯科衛生指導料 (門衛指簡、門衛指複) (1)訪問歯科衛生指導料は、保険医療機関に勤務する歯科衛生士等(保健師・看護師・准 看護師)が当該保険医療機関内で歯科医師からの直接の指示を受け、当該保険医療機関 から居宅または施設に訪問して実施した場合に算定できます。当該歯科医師の訪問診療 前の歯科衛生士等による訪問歯科衛生指導料は算定できません。 (2)歯科訪問診療料を算定すべき訪問歯科診療を行った患者またはその家族等に対して行 つた場合に算定します。 (3)歯科訪問診療料を算定する保険医療機関の訪問診療の日から起算して1月以内に行わ れた場合に算定します。 (4)指導の終了後は当該保険医療機関内において、指示を行った歯科医師に直接報告しな ければなりません。 (5)レセプトの摘要欄には指導時間(開始時刻・終了時刻)を記載しますが、指導の為の 準備、後片づけ、患者の移動に要した時間は含みません。また訪問診療の診療時間およ び老人訪問ロ腔指導管理の実施時刻とは重複できません。 (6)療養上必要な実地指導を行った場合に算定しますが、単なる日常的口腔清掃等のケア のみを行った場合は算定できません。 (7)訪問歯科衛生指導料を算定した保険医療機関は、毎年7月1日現在で名称、開設者お よび常勤非常勤ごとの歯科衛生士数等を地方社会保険事務局長に報告します。 3,老人訪問二丁指導管理料 (訪問ロ腔) (1)歯科訪問診療料を算定すべき訪問診療を行った場合に算定します。 (2)居宅または介護保険施設等において療養を行っている患者であって、通院が困難なも のに対して、訪問して計画的な歯科医学管理を継続して行い、かつ、当該患者またはそ の患者の家族等に対して療養上必要な指導を行った場合に算定できます。 ※「介護保険施設等」とは介護保険施設、特別養護i老人ホームの他、歯科、小児歯科、 矯正歯科または歯科口腔外科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関が含まれ ます。 (3)レセプトの摘要欄には指導の実施時刻を記載します。ただし訪問診療の診療時間との 重複はできますが、訪問歯科衛生指導の指導時間とは重複できません。 4.介護保険との関係 (1)診療録の記載について 介護保険に係る管理指導内容は、医療保険の診療録(カルテ)に併記しても差し支え ありませんが、枠で囲むなど医療保険と明確に区別できるように記載します。 (2)請求の方法について 1)歯科訪問診療科およびそれに伴う処置、補綴などは医療保険で請求します。 居宅の要介護i者または要支援者(要介護i認定者)に対して介護i保険に相当する指 導を行った場合は、請求明細書「摘要」欄に㊧と記載します。 2)居宅の要介護者または要支援者(要介護認定者)に対する老人訪問口腔指導管理 料および訪問歯科衛生指導料は算定できません。介護i保険の「居宅療養管理指導費」 により請求します。 (3)月の途中で要介二二保険者となった場合、その日から、同一の傷害または疾病等につ いての給付が医療保険から介護i保険へ変更されますが、1月あたりの算定回数に制限が ある場合(医療保険における訪問歯科衛生指導と介護保険における歯科衛生士等が行う 居宅療養管理指導の場合の月4回など)については、同一保険医療機関において、両方 の保険からの給付を合算した回数で制限回数を考慮します。 φ ※介護保険との調整事項については県歯発行 保険診療の手引き「症例編」平成14年 4月改訂版 P192を参照してください。 5.明細書記載例 「処置・手術」の「その他」欄記載例 「歯冠修復及び欠損補綴」の「その他」欄記載例 その他 ①エンジン50×1 ②タービン200×1 ①②切削器具使用加算 (エンジン、タービン) ※歯科訪問診療料を算定した患者または著しく歯科診療が困難で50/IOO加算ができる 障害者に対して訪問診療を行った場合において、切削器具およびその周辺装置を訪問 先に携行して歯牙の切削や有床義歯の調整などを行った場合に主たるものの所定点数 に加:算します。 ※同時にエアータービンおよび電気エンジンを使用した場合はいずれか一方を加算しま す。 ※「処置・手術」または「歯冠修復及び欠損補綴」の「その他」の欄で主たるものの方 に記載します。 「全体」の「その他」欄記載例 その他 ①訪問診療1830×3 ②訪早早(複)550×1、−300×1 (簡)80×2 ③訪問口腔 430(13日)+20 ④診療時間加算100×1 ⑤深夜加算 830+100+(830+100)×200/100 ①訪問診療1および2を区分し、それぞれの点数および回数を記載します。 ②訪問歯科衛生指導料の複雑なもの(1回目および2回目以降)および簡単なものを区 比し、それぞれの点数および回数を記載します。複雑なもの簡単なものを合計して1月 に4回を限度として算定します。 ③老人訪問口腔指導管理料を算定したとき点数および算定日を記載します。 療養情報提供加算を算定した場合には+20を記載します。 ④患者ごとの診療時間が1時間を超えた場合、30分またはその端数を増すごとに100点 を加算します。 ⑤時間外等加算について (手術後の急変等速やかに歯科訪問診療の必要性を認めた場合に算定できます) 緊急歯科訪問診療加算(標榜時間内) 所定点数の50/100を加算 夜間(午後6時∼午後10時) 深夜(午後10時∼翌午前6時) 所定点数の100/100を加算 所定点数め200/100を加算 その他の時間帯 時間外加算あるいは休日加算を算定 ※所定点数は「歯科訪問診療料」に「診療時間加算点数」を合算した点数です。 (例)深夜であって患家における診療時間が1時間20分かかった場合。 830点 + 100点 + (830点+100点)×200/100=2790点 (基本点数) (診療時間加算) (深夜加算) 「摘要欄」記載例 摘 要 ②重度の糖尿病により寝たきり ①○△病院 ③訪問診療7日12:05∼12:451人目、27日14:25∼14:50 ④山高指 7日13:45∼14:1020日12:10∼12:3527日15:30∼16:00 ⑤訪問口腔12:35∼ ⑥㊨ ⑦3日外来診療 ⑧○○病院にて緊急外来診療 ⑨○○病院にて搬送にて外来診療⑩X線撮影のみ訪問診療車内 ①訪問先○△病院・○△社会福祉施設等、具体的名称を記載します。居宅の場合は「居 宅」と記載します。 ②通院困難な理由として「歩行困難」等ではなく、常時寝たきり状態などが分かるよう に全身疾患等の状態を記載します。 ③訪問診療を行った日付、開始時刻および終了時刻を記載します。社会福祉施設等で複 数の患者に歯科訪問診療2(380日置を算定した場合は、一人目の患者に限り(一人目) と記載します。 ※居宅の2人目以降や施設で複数人の場合の二日目以降で、訪問診療時間が30分に満 たない場合でもすべて記載が必要です。 ④訪問歯科衛生指導を行った日付、指導開始時刻および終了時刻を記載します。同一月 に歯科訪問診療料の算定がない場合は、その直近の歯科訪問診療料の算定を行った月日 を記載(○月△日訪問診療)します。 ※歯科訪問診療料を算定した日から起算して1月以内に行われた場合に算定します。 ⑤老人訪問口腔指導管理を実施した時刻を記載します。 . ※③と④、④と⑤の時間の重複はできません。 ⑥介護保険に相当するサービスのある診療を行った場合に、当該患者が要介護i者または 要支援者である場合には、㊧と記載します。 ⑦同一月内に訪問診療と外来分がある場合は、それぞれ明確に区分して記載します。 ⑧通常は訪問診療により内科的治療が行われているが、緊急の治療の必要性から医療機 関へ搬送して外来診療を受けたような場合で、歯科訪問診療料を算定する時は外来診療 を受けた医療機関名等を記載します。 ⑨寝たきりに準ずる状態のため、家族等の助けにより搬送等で医科の保険医療機関で外 来診療を受けている患者に対して歯科訪問診療料を算定する時は、外来診療を受けた医 療機関名田を記載します。 ⑩居宅等を訪問して個別に診察・処置等した上で、機材等が屋内に搬入できない関係で 患者を屋外に移し、一部の処置等を行った場合はその旨記載します。 在宅診療において、明細書の摘要欄記載事項が多数あります。記載もれを防ぐために、下 記の様な表を作り貼付しても構いません。(下表を利用してください) 訪問先( ) 理由 ( ・ ) 日 付 訪問診療 訪問口腔 : 1人目 / : ∼ : / : ∼ : / : ∼ : / : ∼ : 訪衛指 : ∼ : : / : ∼ : : ∼ : : : ∼ : : : ∼ : : : ∼ : 陵馨 悶 【自 由より 馬 平成15年11月 平成15年度社会保険指導者石刑彦会報告 厚生労働省と日本歯科医師会の共催による平成15年度社会保険指導者研修会が平成15年9 月3日(水)午前10時30分から東京都・日本教育会館で開催されました。辻哲夫厚生労働省 保険局長、臼田貞夫日本歯科医師会会長の挨拶のあと山内雅司厚生労働省保険局歯科医療管 理官、平井泰行日本歯科医師会常務理事から「社会保険診療について」という演題で講演が 行われました。午後からは塩見利明愛知医科大学附属病院睡眠医療センター部長、山田史郎 愛知医科大学教授、須田英明東京医科歯科大学教授の3氏による講演会が行われました。以 下、その内容について報告いたします。 1.辻哲夫厚生労働省保険局長 我が国の保険制度は世界的にも高い評価を受けていますが、その一方、少子高齢化社会お よび経済の低迷のなかで保険財源は厳しい状況です。そのような現状の中で平成14年度医療 制度改革は関係者の方々に、等しく痛みを分け合っていただく、厳しい結果となりました。 国民物保険を守り、将来にわたる安定した運営を確保するには必要な改革ですので、ご理解 いただきたいと思います。 平成14年3月、医療保険制度体系および診療報酬体系の基本方針が閣議決定されました。 その内容としては (1)医療技術の適正な評価 (2)医療機関のコスト、機能等を適切に反映した総合的な評価 (3)患者の視点の重視(診療情報提供) で、この3項目の基本的な考え方に立って見直しが進められています。 歯科診療報酬体系の基本方針としては、口腔機能の維持・増進の観点から (1)歯科診療所と病院歯科との機能や連携に応じた評価 (2)う蝕や歯周疾患等の重症化予防 (3)地域医療との連携を重視した在宅歯科医療の評価 の3項目です。 中医協では、医療機関の技術・コスト等診療報酬体系に係る診療報酬調査専門組織を設置 し、診療報酬の見直しについて具体的な検討を行っているところです。 2.山内雅司厚生労働省保険局歯科医療管理官 「社会保険診療について」という演題で研修会資料に基づき、統計的な考察について説明 されました。その中で以下のとおり話されました。 歯科医療費構成割合は、国民医療費の増加に対し歯科医療費は微増に留まっているため減 少傾向にあります。患者数の減少は歯科医療機関の増加によるという観点のみにとらわれず、 患者のニーズにあった医療サービスについて考えて欲しいと思います。患者への情報提供と さらには病診連携を充実させ、医療の質を変えていくことにより、充実した医療サービスを 患者に提供できる体制を整えていただきたい。 3.平井泰行日本歯科医師会常務理事 各医療機関の収入については、医療機関が増加するに従って1医療機関当りの収入が減少 するのは当然ですが、歯科医療費そのものが平成8年以降、ほとんど増額されてないことも 拍車をかけています。 診療報酬改正については、少子高齢化と経済の低迷による限られた財源の中で、新しいも のを加えると何かを削るという非常に厳しい状況です。次回の改定もマイナス改定が予想さ れていますが、かかりつけ歯科医機能の一層の推進を前面に打ち出すと共に、生涯にわたっ ての口腔機能の維持・増進を図っていくために何が必要か、訴えていきたいと考えておりま す。その他の要望に関しても日本歯科医学会と十分に連携を取りながら理論武装して、説得 力のある根拠を示さないと取り上げてもらうことは困難です。 中医協の中に診療報酬調査専門組織が設置されましたが36名中、歯科からはわずか2名で あり、歯科に関する評価は日本歯科医学会の協力でプロジェクトチームを立ち上げてもらい、 調査の協力を要請しています。今後とも会員の意見を取り入れ集約し、政府が閣議決定した 3つの歯科診療報酬体系の基本方針に基づいて、具体的な内容を考慮して発言していきたい と思います。 ※厚生労働省から強い要望があり、本年は保険の疑義解釈に対する質疑応答は行われませ んでした。 午後から医科と歯科の連携の例として「睡眠時無呼吸症候群における医科・歯科連携」と いう演題で塩見利明愛知医科大学睡眠医療センター部長と山田史郎愛知医科大学教授の講演 が行われ、最後に「歯内療法の治療指針」と題して須田英明東京医科歯科大学教授から平成 15年3月に日本歯科医学会がまとめた「今日の歯内療法」(歯内療法のガイドライン)の要 点の解説が行われ研修会を終了しました。 〈お知らせ〉 福岡県の歯科診療報酬平均(平成15年7月診療分) 内 訳 1件当たり 冝@ 数 1件当たり _ 数 1日当たり _ 数 医 保 本 人 家 族 前期高齢者 老 人 国 保 一般+退職 老 人 生活保護 2.8日 2.5日 3.4日 3.1日 3.1日 3.2日 3.6日 1751.1点 1363.9点 2263.4点 2203.1点 1836.0点 2225.8点 2654.4点 605.5点 537.7点 658.6点 706.3点 600.8点 688.0点 741.1点 誘 隠喩圏 【舗i獣 平成15年12月 平成15年度九州各県社保担当者会報告 平成15年度九州各県社保担当者会が平成15年10月4日(±)午後2時から鹿児島県歯科 医師会館で開催されました。四元貢鹿児島県歯科医師会会長の挨拶に続き、平井泰行 日本歯科医師会社会保険担当常務理事により日歯報告が行われ、さらに各県提出協議 題に対する解説がなされ各県社保担当者による活発な協議が行われました。以下その 内容について報告いたします。 1.四元貢鹿児島県歯科医師会会長挨拶 昌頭、「医療制度改革等により最近の医療界、とりわけ歯科においては非常に厳しい状 況である。平成15年6月分の支払基金本部による国民医療費の支払状況は、対前年同月比 で支払件数0.8%減、支払確定額5.0%減となり、また支払件数のうち老人保健:の占める割 合は5.1%減で、10月の制度改正の影響が顕著に表れているようである。 診療別件数は医科入院3.0%減、医科入院外1.8%減、歯科3.6%減、調剤3.4%増、支払 総額は医科入院6.2%減、医科入院外5.8%減、歯科12.0%減、調剤5.0%増であった。 4月以降本人3割負担への変更に伴い社保本人の支払確定額は医科入院14.2%減、医科 入院外15.7%減、歯科20,5%減となっており3ヵ月連続で2桁の減少を記録している。こ のような厳しい状況の中、日歯の平井常務を迎えての本日の社保担当者会が実りある会議 になるよう期待する」旨の挨拶がなされた。 2.日歯報告 (平井日歯常務理事) (1)平成14年度および15年度の医療費動向について 平成14年度総医療費30.2兆円のうち、歯科分は2.6兆円でその構成割合は8.6%であり 平成13年度と同じ割合であった。また対前年(13年度)・比の医療費の伸び率は一〇.4% であった。ただしパラジウムの価格見直しによる一1.2%の影響率があり、実質的な伸 び率はマイナスになっていない。一方、平成15年度は先ほどの会長挨拶で述べられたと おりかなり落ち込んでいるようである。 (2)歯科診療報酬体系について 今後の歯科診療報酬体系は、「自然治癒はない」という歯科疾患の特性を踏まえ、か かりつけ歯科医機能を軸とし「生涯にわたって患者と向き合っていく歯科医療」を中心 に評価していくことを考えるべきである。, 歯科の二大疾患のうち、歯周疾患については治療後のメインテナンヌの手法が導入さ れたが、さらに今後は翻蝕疾患を含めた疾病予防、再発・重症化予防等の予防・管理的 手法を重視した体系の構築や、欠損補綴における診断の充実と口腔機能回復の評価が重 要である。 (3)特定療養費制度について 「現在のわが国の経済・財政状況を考えると医療保険にすべてを求めていくことは事 実上不可能であり、『進歩する多様な歯科医療技術の中から国民が望む医療の選択肢を 広げるため、特定療養費制度の適用を拡大していくことが現実的である』とする考え方 と『適用の拡大は様々な制約の設定を招き、歯科医療の今後に禍根を残しかねない』と する考え方がある。今後の中医協における議論の推移を慎重に見極め、適切な対応を行 っていく中で決定していくべきものと考える。対応の基本は、あくまで良質で適正な国 民歯科医療の確保・推進と会員の歯科医業の発展・向上を期していくことである」とい う歯科医療対策プロジェクトチームにより9月ll日に提出された答申書の一文が紹介さ れ、特定療養費制度に関していろいろな角度からの解説がなされた。 3.各県提出協議題 (主に平井日歯常務理事のコメントを掲載) (1)在宅医療について ・車いす利用者が歯科訪問診療の対象ということではなく、あくまで寝たきりの状態等 かどうかが要件であり、個々に適切に判断するものである。 ・患者の他医療機関への通院状況も勘案されるものではあるが、通院の頻度、および通 糺している保険医療機関数等により個々に適切に判断するものである。 ・患者の求めに応じたものでない、いわゆる「出前診療」的なものは歯科訪問診療の主 旨に沿ったものではない。 (2)Pのメインテナンスについて ・かかりつけ歯科医機能を踏まえ、歯周疾患の治療後の再発・重症化予防等の継続管理 の重要性を評価したものであり、積極的に取り組んで欲しい。 ・「メインテナンスを行うには種々制約があり取り組みにくい」という声も聞かれるが、 長期におよぶメインテナンス中に起こった疾病に関しては原則として何ら制約されるも のではない。ただし、メインテナンスに入って早期でのPに起因する疾患やメインテナ ンス中の頻繁な歯科治療は認められない。 (3)保険証のカード化について ・平成13年4月1日より厚面省が各保険者に対し保険証の個人カード化を推奨している。 すでにカード化された保険者もあり、政管健保においては本年10月より順次カード化さ れ、原則として来年3月までに個人カード化が完了する予定である。 ・カード化に伴い、か初診や義歯装着日の記載ができず、後医においては前面の算定日 が確認できない状況である。特に義歯の6ヵ月規制においては後日保険者による縦覧点 検で判明するケースが起こってくる。か初診や義歯新製に際しては患者に十分確認を行 い、その旨カルテに記載しておくことが重要である。後日保険者からの返戻等があった 場合には「カルテ記載に基づき確認済」として認める方向で対処してもよいのではない だろうか。 (4)睡眠時無呼吸症候群の歯科領域での治療について ・バイトプレート等歯科領域の治療も積極的に推奨されるべきではあるが、睡眠学会の 認定等との関連もあり保険導入に関しては今後の検討課題であろう。
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