はじめて助成金を得る 学生のための手引き

NETAC Teacher Tipsheet
はじめて助成金を得る
学生のための手引き
障害者サービスを提供する者として、自分の学校の学生のニーズと、学業
の達成を助けるためのいろいろなサービスにかかる費用を負担する余力には
ギャップがあることは周知のことである。資源、特に人的資源の確保が限界
に達しているときに、一般に行われるのが、
「助成金をもらう」ということで
ある。そしてこの助成金は、通訳、ノートテイカー、CARTや C-Print™の
筆記者の費用をまかなうために使われる。
資金源は、どのようにして探したらいいのだろうか。申請手続きはやっか
いではないか。もらえる可能性は低いのか。助成金申請の手続きをしたり、
助成金の運用管理を任せたり、最終報告書を書いたりする時間はあるのか、
人的余力はあるのか。その答えはここにある。
助成金とは?
助成金を出す側(資金提供機関やスポンサー)が心配しているのは、特定
の問題点、不公正、不平等である。彼らは、ろう・難聴者のギャップの存在
を認識し、そのギャップを埋めるために資金を提供したいと考えている。
「助
成金」
(慈善組織や個人からの贈与とは異なる)の場合、多くは、特定のプロ
ジェクトが対象であり、時間にも制約がある。そして助成機関の終了時には
成果物の提出が求められている。こうした資金は、もらう側に厳密な会計処
理が必要で、プロジェクトの一部費用の負担が求められることもしばしばで
ある。
助成金が適用される分野は?
一般に助成金でカバーできるのは、人件費、手当、学生アルバイト、交通
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費、設備、コンサルタント、ワークショップへの参加費用、教材開発(書籍、
パンフレット、配付資料)カリキュラム開発、ウェブサイト開発、ワークシ
ョップやカンファレンス開催費、プロジェクトに関する資料や情報の見積と
配布である。スポンサーがサポートしている活動について知るには、助成金
プログラムの申請文書(応募のガイドライン)をしっかり読んでからプログ
ラム担当者(後述)に電話する。
助成金が適用されない分野は?
助成金プログラムに対して、スポンサーから継続的にサポートを得ること
は非常に難しい。彼らは、建設関係、改装補修、極めてローカルなプログラ
ム、運営費用などには資金を出したがらない。通訳、ノートテイカー、同時
通訳筆記者などにも同様に資金を出したがらない傾向がある。スポンサーの
ウェブサイトにすべて目を通し、連邦TRIOプログラムのひとつ、教育省・
学生サポート・サービス・プログラムに問い合わせて、自分の学校に必要な
資金提供の申請受付に道が開かれているか確認することは、やってみるだけ
の価値があるだろう。(ウェブサイトのURLは「情報源」項目に記載)
資金源をどうやって探すか?
・
自分の学校のスポンサー・オフィス・リサーチに問い合わせてみる。主
な大学には、申請プロジェクトの資金提供者を捜すのを助けてくれたり、
申請書を作成してスポンサーに提出する仕事を代行してくれたりするオフ
ィスがある。(このオフィスは、「スポンサー・リサーチ」、「スポンサー・
プログラム」、「助成金と手続き」などいろいろな呼び方がある)ほかにも
開発オフィスがあって、そこでプライベート・スポンサー(基金、企業、
個人など)に関する情報を入手することができる。小さなカレッジなどで
はこれらのオフィスはひとつに統合されていることもある。
・
インターネットを検索する。教育省、国立科学財団、プライベート・ス
ポンサーなどの資金提供の機関はすべて、助成するもの、助成しないもの、
申請方法などに関する情報を公開している。
・ 教育省や連邦政府広報が発行する EdInfo のようなリストサーブに登録し
ておく。この情報源は、連邦政府のいろいろな連邦機関が提供する助成金
の最新情報を知らせてくれる。
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・
自分の所属する学校、研究所の図書館に協力してもらう。図書館の資料
係に頼めば、他に同じような問題点を抱えている学校や研究機関はないか、
それらはどのように解決したのか、探す手伝いをしてくれるだろう。また
助成金や申請手続き、資金提供者に関する資料を探すのに力になってくれ
るだろう。少なくとも図書館には基金一覧があって、この一覧に挙げる基
金に問い合わせる場合など協力してくれるはずである。
・
身近にある公立図書館に行ってみる。大きな公立図書館は、基金センタ
ーが発行する資料の宝庫であり、必要な資料を検索するスタッフを揃えて
いることが多い。
どこから手をつけるか?
プロジェクトを管理したり、資金提供先の申請基準(年次報告、最終報告、
会計報告など)を満たすのは時間がかかるのと同じように、提案書を企画し
たり、作成したりするのも時間のかかることである。どれくらい時間がかか
りそうか、上司と相談し、かけた時間に見合う結果が確実に得られるように
する。
・
申請書提出の計画を進める件につき、また内部承認と申請提出に要する
組織内での基準を作成する件につき、自分のチーム(オフィス)の全員に
知らせておくこと。
・
同業者の集まりには出席してほかの学校・研究機関の同じようなニーズ
を持った人たちと、ひょっとしたら解決策を持っている人たちと意見を交
換する。
・
信頼のおける相談相手を見つけること。学内に研究費申請の経験があっ
て、申請手続きを進めるのに力を貸してくれる人が必ずいる。その相談相
手とはいろいろなプロジェクトで研究費をもらったことのある教職員のこ
ともあれば、自分の委託研究チームにいる専門家のたまごのこともある。
・ 記事のスクラップの収集を始める。自分の分野に関係する雑誌の記事で、
ニーズに満足するもの、他の学校・研究機関の仲間の連絡先、助成金提供
者の情報、申請計画に組み込めそうなプロジェクトのアイデア、評価と配
布に関するヒントになるものなどをスクラップしておく。すべての情報が
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1カ所にあれば申請の期限が迫ったときには必ず役に立つ。
・
プログラムの審査官になること。優れた助成金申請書の作成法を考え出
す最高の方法のひとつは、資金提供側の審査官になることである。特に連
邦政府当局は常に審査官を探しており、ここで審査手続きに携わった経験
が自分で申請書を書くときに絶大な競争力を発揮することになる。ここで
も、自分の委託研究チームが、審査官を探している当局とのパイプになる。
・
プログラムのガイドラインと解説をよく読むことである。申請プログラ
ムの応募受付がスタートしてから最終申請案を作成、提出するまで2、3
週間しかないことが多い。前回の申請ガイドラインに目を通しておくと、
次のガイドラインが発表される前に申請案の全体を考え、骨組みを組み立
てるのに役立つ。当局のウェブサイトや自分の委託研究チームが、これま
でのガイドラインを調べるのを手伝ってくれるだろう。
申請が認められる可能性は高くない?
資金を提供する当局は、プログラムごとに数百の申請を受け付けるが、実
際に資金を提供できるのは2つか3つである。申請が却下されるとがっかり
するが、助成金申請は一度では終わらない仕事であることを忘れてはならな
い。失敗から何かを学び、あきらめずに頑張らなければならない。プログラ
ムの担当者に自分の申請に関する審査官のコメントを教えてもらい、指摘を
真摯に受け止め、プロジェクトについてプログラムの担当者を含むいろいろ
な関係者と検討し、そしてもう一度提出するのである。
These materials were developed in the U.S.A. by the Northeast Technical
Assistance Center (NETAC) of the National Technical Institute for the Deaf at
Rochester Institute of Technology in the course of an agreement with the U.S.
Department of Education. This tipsheet was compiled by Gail Hyde, Senior
Research Administrator, Grants, Contracts and Intellectual Property, RIT,
and translated into Japanese by Prof. Toshiaki Hirai a faculty member at
Shizuoka University of Welfare as part of the PEPNet-Japan program--a
collaborative effort of Tsukuba College of Technology and PEN-International
at NTID.PEN-international is funded by grants from The Nippon Foundation
of Japan to NTID.
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