科学論文を書くためのチェックリスト 科学論文では,複数の解釈が存在しえないように,意味の一義性に注意しながら文章を 書く必要がある.以下のチェック項目をいつも確認しながら,文書を作成してください. 文章の基本構造である主語と述語の関係については,特に厳密に書くように心がけてくだ さい. 1.表題化「は」に注意しながら主語を明確にする. (誤)材料はアクリルを用いた (正)材料にはアクリルを用いた 2.主語のすぐ後に読点「,」がくるのはおかしい. (例)首相は,日中関係について → 首相は日中関係について 3.能動と受動の区別が不明確 「東海道新幹線は始発から平常通り運転しています」→「平常通り運転されています」 「○○の収支は○○パーセント改善した」→「改善された」 4.自動詞と他動詞の区別 (自動詞)ドアが開く (他動詞)私はドアを開ける 5.全角と半角に使い方に注意する (全角)漢字,平仮名,カタカナ (半角)数字,アルファベット,ギリシャ文字 6.明朝とゴシック,Serif と Sans Serif(ひげ無し) (漢字・仮名)「明朝」と「ゴシック」を区別する (英数字)Serif と Sans Serif(ひげ Serif がない)を区別する “Times” と ”Helvetica” 7.横書きの場合の句読点には「,」 , 「.」を使う.一部では「,」 ,「。」と定められている場 合もある. 8.半角の英数字と全角文字との間には半角のスペースを入れる. 9. 「()」を使う場合,全角文字ばかりが続く文においては全角,半角の「 () 」を使用する 場合,前後には半角スペースを入れる. 10.半角「,」,「.」,「:」, 「;」,「)」の後には半角スペースを入れる.直前にはスペースを置 いてはいけない. 11.括弧のすぐ後にピリオド「.」がくる「・・・ (A). 」のような場合には半角の括弧を使 って「・・・ (A).」として間延びを防ぐ工夫をする. 12.物理量を表す記号や変数また数式を斜体にする.数式中の立体にすべきものとしは, 演算記号( log, ln, sin, exp(e), lim, d(微分), Re, Im, Tr ),虚数単位( i, j ),元素記号,単 位である. 13.単位記号と数値の間に半角スペースを入れる.(例)60 kg .キログラムは Kg ではな く kg である.キロワットは Kw ではなく kW である. 14.物理量の重力加速度 g には,Bookman Old Style の斜体を,リットル l には,1 から 2 ポイント大きくした MT Extra フォントを使う. 15.参考文献のページ番号を表示するには p. 120 のようにする. 小文字の p + ピリオド「.」 + 「半角スペース」 + 「半角のページ番号」 複数のページにまたがることを示す場合には pages の省略形で pp. 222-225 のように書く. このチェックリストを作成するにあたり,名古屋工業大学大学院の太田教授が書かれた ホームページの内容を引用させて頂いた.物理量などの表記方法としては,日本物理学会 の投稿規定を参考にさせて頂いている. 太 田 安 彦 . 工 学 を 記 述 す る . <http://qube.mech.nitech.ac.jp/~ohta/Jlanguage.html>, Access Nov.21, 2005 太田先生 HP http://qube.mech.nitech.ac.jp/~ohta/japanese.html
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