地方における情報化推進の課題 総務省 情報通信政策局 地方情報化推進室長 牧 慎 太 郎 ネットワーク社会の進展 ∼インターネットの普及状況∼ インターネット人口普及率は50%を超え、2人に1人以上がインターネットを利用。 10,000 (万人) 80% 68.3% 利用者数 8,000 70% 人口普及率 54.5% 60% 44.0% 6,000 50% 37.1% 40% 8,720 4,000 21.4% 2,000 9.2% 13.4% 30% 6,942 4,708 5,593 20% 2,706 1,155 10% 1,694 0 0% 平成9年末 平成10年末 平成11年末 平成12年末 ※利用者数には、携帯電話・PHS等からの利用を含む。 平成13年末 平成14年末 平成17年 (2005年)末の 将来推計 (出典:総務省通信利用動向調査、平成14年版情報通信白書) 1 ブロードバンドの加入状況 DSLの急速な普及により、ブロードバンド加入者は900万人を突破。 1,000 (万人) 939.7 900 780.6 800 DSL CATV FTTH 700 600 613.8 499.6 386.1 500 400 282.7 300 200 100 DSL 702.3 180.2 63.5 85.5 46.6 33.0 21.6 125.8 CATV 206.9 0 3月 6月 9月 12月 3月 平成12年 6月 9月 12月 3月 平成13年 ※FTTH加入者数は平成14年より調査開始。 6月 FTTH 30.5 9月 12月 3月 平成14年 平成15年 (出典:総務省情報通信統計) 2 アクセス網のブロードバンド化 ブロードバンド化により、映像・音楽などのリッチコンテンツを円滑に利用することが可能。 ケーブルインターネット アクセス回線の具体例 ADSL、FWA ISDN 64kbps 600kbps 1.5Mbps FWA、ADSL 光ファイバ ∼ 100Mbps∼ 8Mbps ■スムーズな利用が可能となるコンテンツ・サービスの例 電子メール Web閲覧 静止画像配信 テレビ会議 通常のテレビ映像 高精細度映像 (ハイビジョンレベル) のライブ中継 ■コンテンツのダウンロードに要する時間 音楽CD 1枚※ 約2時間半 約15分 約6分 約1分 約6秒 映画 1本※ 約125時間 約13時間 約5時間 約1時間 約5分 ※ 音声・映像デジタル信号をそれぞれの圧縮技術により情報量を小さくして伝送した場合。 (出典:平成14年版情報通信白書) 3 諸外国のブロードバンド料金 100kbps当たりの通信料金は、日本が「安さ」で世界一。 0.18 0.29 1.09 1.27 1.70 2.17 2.19 2.86 3.06 日本 韓国 ベルギー 香港 台湾 ニュージーランド シンガポール アメリカ カナダ データ 伝送量100kbps当たり の月額料金 データ 伝送量100kbps当たり の月額料金 ( 平成1 5 年4 月現在) ( 平成15年4月現在) 4.42 5.13 オーストラリア オランダ 6.55 7.18 7.27 7.94 ノルウェー イギリス アイスランド スウェーデン 10.33 オーストリア 13.90 スイス 19.13 デンマーク 21.21 (米ドル) フィンランド 0 5 10 15 20 25 (出典:国際電気通信連合(I TU)資料) 4 諸外国のブロードバンド普及状況 日本のブロードバンド人口普及率は13位にとどまっている。 21.3 韓国 14.6 香港 11.5 カナダ 台湾 9.4 アイスランド 8.7 デンマーク 8.6 ベルギー 8.4 スウェーデン 7.7 オーストリア 6.6 オランダ 6.5 アメリカ 6.5 スイス ブロード バンド 人口普及率 ブロード バンド 人口普及率 ( 平成1 4 年末現在) (平成14年末現在) 6.3 6.1 日本 シンガポール 5.5 (%) 5.3 フィンランド 0 5 10 ※ ブロードバンド:DSL、CATV、FTTH、その他 15 20 25 (出典:国際電気通信連合(I TU)資料) 5 ブロードバンド環境の利用状況 ブロードバンド環境の整備は進んでいるが、実利用が伴っていない。 100% 80% 60% 実利用 20.1% 実利用 9.0% 実利用 1.9% 702.3万加入 /3,500万回線 206.9万加入 /2,300万世帯 30.5万加入 /1,600万世帯 DSL CATV FTTH 40% 20% 0% ※加入可能数を100%として算出。 ※DSLサービスが提供されている東・西NTTの収容局における住宅向け回線数の合計。 ※CATVインターネットを行っている事業者のケーブルテレビ視聴可能エリアの世帯数。 (出典:I T戦略本部資料、総務省情報通信統計) 6 ブロードバンドの普及状況(都道府県別) 採算性の違い等によりブロードバンドの普及に地域間格差が生じている。 0% 5% 10% 東京都 神奈川県 三重県 静岡県 福井県 大阪府 埼玉県 愛知県 千葉県 富山県 兵庫県 奈良県 京都府 石川県 長野県 岡山県 栃木県 山形県 山梨県 滋賀県 宮城県 福岡県 香川県 岐阜県 茨城県 広島県 大分県 群馬県 和歌山県 新潟県 徳島県 愛媛県 鳥取県 秋田県 山口県 北海道 宮崎県 青森県 沖縄県 長崎県 佐賀県 岩手県 福島県 島根県 熊本県 高知県 鹿児島県 全国平均 15% 20% 25% 30% CATV世帯普及率 DSL世帯普及率 ※ブロードバンド加入者数は平成15年2月末現在。 ※世帯数は平成14年3月末現在。 ( 出典:総務省情報通信統計、住民基本台帳統計) 7 都市規模別加入者系光ファイバ網の整備状況 100 カバー率(%) 政令市及び県庁所在地 級都市(全エリア) 政令市及び県庁所在地 級都市(うち主要エリア) 人口10万人以上の都市 等(全エリア) 90 80 92 89 93 94 95 77 74 その他 70 全国 61 56 60 47 50 40 44 28 30 20 10 16 13 0 6 11 2 3 7 22 22 13 11 5 8 38 31 19 16 10 8 40 27 21 54 36 34 32 43 59 6 9 ※主要エリアは、加入者の50%以上が事業所であるエリア 14 8 10 11 12 13 年度末 (出典:総務省情報通信統計) 8 地域公共ネットワーク整備計画の策定状況 「e−Japan重点計画−2002」において、2005年度までに全国整備 の実現を目指すこととされている。 平成14年7月 平成15年4月 ③整備計画なし ③整備計画なし 920団体 (27.9%) ①ネットワークを 整備している 617団体 (18.9%) 1,143団体 (34.8%) ②整備計画を策定済み 今後、2005年度までに ネットワークを整備予定 1,225団体 (37.3%) 合計 3,288団体( 100%) ①ネットワークを 整備している ②整備計画を策定済み 今後、2005年度 までにネットワーク を整備予定 940団体 (28.8%) 1,703団体 (52.3%) 合計 3,260団体(100%) (平成15年4月1日現在) 9 地域公共ネットワークの整備状況(都道府県別) 77 55 岡山県 大分県 30 57 47 30 67 富山県 愛媛県 山梨県 鳥取県 福島県 52 23 34 56 26 37 72 41 31 40 52 28 25 21 54 38 34 24 19 25 22 39 47 38 23 25 42 19 28 34 83 19 18 26 38 30 23 18 27 広島県 福井県 高知県 兵庫県 石川県 島根県 長野県 三重県 沖縄県 秋田県 熊本県 佐賀県 京都府 香川県 岐阜県 宮城県 東京都 宮崎県 神奈川県 滋賀県 大阪府 長崎県 福岡県 千葉県 和歌山県 山口県 鹿児島県 山形県 青森県 茨城県 北海道 徳島県 栃木県 静岡県 新潟県 愛知県 群馬県 岩手県 埼玉県 奈良県 総計 2 9 1703 4 2 4 11 10 10 2 2 18 6 15 13 10 15 3 5 18 9 15 7 22 43 1 6 15 14 7 15 17 18 13 21 14 8 10 8 12 7 34 10 20 17 13 12 12 8 7 12 25 1 14 20 29 28 22 23 9 21 21 15 6 9 24 31 16 10 19 21 2 48 78 52 32 20 27 39 12 21 35 23 36 29 24 18 17 14 18 50 21 940 617 79 59 36 70 59 40 91 80 36 54 89 42 60 121 70 53 70 91 50 45 38 98 70 63 45 38 51 45 80 97 81 51 57 97 45 68 84 213 51 50 74 112 89 70 59 91 48 3260 全自治体数 ( 都道府県数を含む) 整備済み 整備予定 計画なし ※ 都道府県を通じて 報告された整備計画 の策定状況等を単純 に集計したもの。 (平成15年4月1日現在) 10 地域イントラネット基盤施設整備事業等 地域の教育、行政、福祉、医療、防災等の高度化を図るため、学校、図書館、公民館、市役所 などを高速・超高速で接続する地域公共ネットワークの整備に取り組む地方公共団体等を支援。 1 施策の概要(平成15年度においては下線部を拡充) 学校、図書館、公民館、市役所などを高速・超高速で接続する地域公共ネットワークを整備することにより、電子 自治体を推進するとともに、市町村合併の推進等を重点的に支援。 (1)実施主体:都道府県、市町村、第三セクター及び複数の地方公共団体の連携主体 (2)補助対象経費:① 施設・設備費(センター施設、映像ライブラリー装置、送受信装置、構内伝送路、双方向画像 伝送装置、伝送施設等) ② 用地取得費・道路費 (3)補助率:① 都道府県、市町村単独の場合及び都道府県、政令市、中核市から成る連携主体の場合 1/3 ② ①以外の連携主体、合併市町村(ただし、合併年度及びこれに続く一年度に限る。)の場合 及び沖縄県、沖縄県内の市町村 1/2 ③ 第三セクターの場合 1/4 (4)その他:ITビジネスモデル地区に係る案件については、当初から整備主体以外の電気通信事業者等に利用させる ことを目的とした整備を可能とする。 2 イメージ図 保健所 プロバイダ 3 所要経費 市役所 情報通信センター 保健医療情報システム 行政情報システム 地域公共ネットワーク 防災情報システム 教育情報システム 公民館等 小中高校等 インターネット 平成14年度補正予算額 24,365百万円 平成15年度予算額 6,005百万円 駅 住民が利用 住民が利用 教育・講習に活用 11 IT関連資格保有者の大都市圏集中 より高度なI T資格保有者ほど、三大都市圏へ集中する傾向にある。 0% 20% 初級システム アドミニストレーター 40% 三大都市圏集中率 :64.4% 38.6% 16.4% 60% 80% 9.4% 100% 35.6% 70.2% 49.3% 基本情報技術者 13.4% 情報セキュリティー アドミニストレーター 61.4% アプリケーションエンジニア 61.4% システムアナリスト 65.4% テクニカルエンジニア (ネットワーク) 65.3% プロジェクトマネージャー 65.0% 上級システム アドミニストレーター 全人口 79.1% 26.3% 46.7% 13.4% 首都圏 29.8% 12.8% 82.0% 83.2% 83.5% 85.1% 20.9% 7.8% 9.9% 7.4% 18.0% 17.3% 12.3% 5.7% 16.8% 12.9% 5.6% 16.5% 18.2% 7.0% 大阪圏 4.9% 12.8% 82.7% 60.2% 7.5% 6.8% 14.9% 53.3% 名古屋圏 その他 ※三大都市圏とは、首都圏( 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県) 、大阪圏( 京都府、大阪府、兵庫県) 、名古屋圏( 岐阜県、愛知県、三重県) (出典:初級シスアド∼上級シスアド資格者数は「情報処理技術者センター資料(平成14年 秋)」、全人口は「国勢調査(平成12年)」)12 情報サービス業就労者の地域分布(都道府県別) 情報サービス業就業者は、大都市圏に集中している。 2.50 情報サービス・調査業 理容・美容業 2.00 1.50 1.00 0.50 奈良県 島根県 滋賀県 佐賀県 青森県 山口県 鹿児島県 和歌山県 山形県 秋田県 鳥取県 三重県 岐阜県 長崎県 宮崎県 大分県 福島県 岩手県 熊本県 栃木県 山梨県 京都府 香川県 埼玉県 新潟県 愛媛県 高知県 沖縄県 徳島県 福井県 北海道 富山県 長野県 群馬県 静岡県 兵庫県 茨城県 宮城県 広島県 石川県 岡山県 福岡県 千葉県 愛知県 全 国 ◆ 大阪府 神奈川県 東京都 0.00 ※特化係数により( 全体に占める割合と一部に占める割合との比率で表した指数) 計算式 A県の情報サービス・ 調査業就業者数÷A県のサービス業就業者数 全国の情報サービス・ 調査業就業者数÷全国のサービス業就業者数 (出典:「サービス業基本調査(平成13年)」)13 地域情報化モデル事業(eまちづくり交付金) 住民の目に見える形でITを活用した地域情報化のモデル事業を全国展開するために 必要な経費を市町村に交付する。 採択・ 内示 採択・ 内示 市町村 都道府県 【対象となるモデル事業の例】 ・地域内リサイクルを促進するネットオークションの開催 ・地域の自然・文化等のブロードバンド・コンテンツ制作・発信 による地域PR ・都市NPOと農村生産者グループを結ぶダイレクト マーケティング ・バーチャル商店街の形成による中心市街地活性化 ・3Dバーチャルによる観光ナビの作成 ・地域SOHO共同受発注システムの構築 ・情報家電を活用した独居老人安心ネットワークの形成 ・地域伝統芸能、地域の放送番組等の貴重映像のアーカイブ化 ・CATVを活用した地産地消の展開 総合通信局等 2 所要経費(平成14年度補正予算額) 15億円(採択件数 全国100件、各都道府県あたり1∼5件) 総務本省 1 施策の概要 (1)事業主体 市町村または市町村の連携主体 (2) 要 件 地域における知恵と工夫の競争を通じた個性あるまちづくりを推進する事業で、次の要件を満たすもの。 ① IT関連技術を組み合わせた実証実験の実施、ITを活用した地域振興モデルの構築、地域の個性豊かな コンテンツの制作 に関するもの ② 地域の中小IT企業・NPO法人等が参画していること ③ IT人材の新規雇用を創出するもの ④ 事業を早期に執行できるよう、今年度の補正予算に計上可能であること (3)助成内容 定額交付金 事業規模、内容等に応じて1千万円、1千5百万円、2千万円 【仕組み】 の三段階とする。 (4)助成対象経費 管内 5 件以内 要望 サーバ等の機器賃借料、コンテンツ作成費、システム開発・ 順位付け 推薦 運営費等 交付申請 定額交付金 事業の採択と交付 ( 1000万円、 1500万円、 2000万円) 住民の目に見える形でIT を活用した 地域情報化モデル事業を全国展開 するために必要な経費を交付 事業の実施 地域における知恵と工夫の競争を 通じた個性あるまちづくりを推進 14
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