寅 卯 天 中 殺 六つに分けられている天中殺の中でも、この寅卯天中殺は相当に個性の強い天中殺です。 男性よりも女性に特色があって、何々の女傑(じょけつ) ぶりを発揮する人が多い。 算命学では、『東征(とうせい)天中殺』とも呼ばれていますが、女性としては活動範囲が広く、不思議なほど に人の中にとけ込み、なんとなく集団の中心的存在となる傾向があります。 それも、要領が良いとか、調子が良いと云うのではありません。ことを起こし、行う場合には邪念(じゃねん) がないのです。それは逆に用心深さや猜疑心(さいぎ しん)が無いようなところから、ある一面にお人好してき なところがあるわけです。 この中殺は、かなり単純な性格をもつため頭脳構造はあまり複雑とは云えません。 しかし、この天中殺を持つ人の不思議さは、家庭運や、子供運など、内的な環境と、外的な経済運との間に 運気がシーソーゲームをする という特色があります。 総体的に寅卯天中殺をもつ女性は、精神面はともあれ、相当に強い星の所有者であっても家庭運は良好であ ります。 たとえ、天将星などの家庭運に薄い星をもっていても、この天中殺をもった女性は家庭運に良好さが加わる ようです。(ただし、表面的には家庭運が良好であっても心の中は別です。) そこえ活動力が加わるわけですから、身は家庭婦人でありながら、外え出れば男性顔負けの働きをする と いった状態があらわれるわけです。 子丑天中殺の女性の場合は、孤独的な人が多いのにくらべて、寅卯天中殺の女性の場合は孤独的な人生には なりません。 また、この天中殺は男女を問わず、他人を活かすことが上手で、人を守り立てたり、ときにはマネージャー 的な存在で人を作り出す才能にめぐまれています。 算命学の天中殺原理からいえば、補佐的(ほさてき)存在になって心の安住があり、長となっては孤独となる ということになります。 しかし、逆に長となり、孤独な人生を歩むことを余儀なくされた場合は、たとえ女性の身であっても相当に 経済力に恵まれ、晩年期における金銭の心配はまったくいりません。 (たとえ、人生の歩み方が経済を目的としなくても であります。) しかし、男性の場合は、女性の場合と趣を異にして、実に人情家であります。 それは、ある種の人徳とも云えるもので、その人徳によって人に好かれ、同時に仕事運の伸長に結びつくこ とになります。 (もちろん、本人の努力 もあるでしょうが、実力に何らかの恩徳が加わります。) 俗に云う、大器晩成(たいきばんせい)のタイプで人生の歩みの遅いことを特色の一つとしてあげることが出来 るのであります。 寅卯天中殺 寅 卯 天 中 殺 ひと口に天中殺と云っても、いろいろあります。例えば 『年運天中殺』 12年に一度のわりあいで、めぐってくる「年」の天中殺。 『月運天中殺』 毎年の中の2ヵ月間の「月」の天中殺。 『日運天中殺』 12日にうち2日間の「日」の天中殺。 などですが、これらの天中殺は一定の周期をもって、誰の上にも平等にめぐって来る天中殺なのです。 それに、この天中殺は何方にも、大変影響力の強い天中殺ばかりです。 ■寅卯天中殺の方の天中殺期間(範囲)は、次の通りです。 年運天中殺 次の天中殺は西暦2010年2月4日 2012年2月3日 月運天中殺 毎年、2月と3月の2ヵ月間 日運天中殺 別表「'04の日運天中殺」をご覧ください この天中殺期間を抜け出して間もなく、突然のエアポケットのような落ち込みを経過することになる、珍し い運の流れをもっているのが寅卯天中殺のサイクルです。 6っの天中殺の星のうちで最も大きなパワーをもっているのが寅卯天中殺ですが、その力を充分に発揮でき るかどうか それが、この天中殺あけにめぐってくる 落ち込み をどう乗り越えるか にかかってい るのです。 寅卯天中殺は、本来、12年のサイクルごとに、蛹(さなぎ)が蝶(ちょう)に変身するように大きく飛躍していく 宿命を持っているのです。それだけに、算命学では「羽脱(うだつ)」の運と表現をしていますが、寅卯天中 殺の人が、この「羽脱(うだつ)」の運とも言うべき宿命を活かし切るには、実はこの天中殺範囲から続く数 年間の生き方にあるのです。(この事実は宗家が天中殺の神秘を世に明かすまでは、天中殺秘中の秘として極く限ら れた人だけが相伝した原理だったのです。) 寅卯天中殺の人にとって、天中殺サイクルの出発点は寅年と卯年の2年間からです。 寅卯天中殺の人の一番の問題点は、天中殺期間中の行動にあるのです。 と申しますのは、寅卯天中殺の 人は天中殺中に、してはいけない 新しい事 に精力的に手を出してしまう という事です。 それというのも、寅卯天中殺の人には宿命的に、そのような流れの運をもっているからなのでしょう。 もともと、寅卯天中殺の人は、男女とも大変真面目な働き者で、義理人情にも厚いため、仕事に熱中して天 中殺の期間中にも関わらず、どんどん仕事を広げていってしまうし、また、自分でもどうかな と思うよ うな事までも人から頼まれたら、ついやってしまう。(つまり天中殺中にも関わらず、どんどん 新しい仕事 を 積極的にやってしまう傾向が強いのです。)しかも天中殺中の災厄現象は案外少ないと言って良いくらいに感じ られるのがこの星中殺の特色なので、当人にしてみれば「やっぱり強運」なのだ と思い込んでしまう訳 なのです。実は、この どんどん新しい事に手を出していく 事こそ、寅卯天中殺の天中殺現象なのです。 その天中殺期間に働き過ぎたことの ひずみ が辰年と巳年に現れて来るのです。 辰年は、天中殺を抜け出てすぐ、運気が上昇している為あまり問題はありません。むしろ、「経済的な恩 恵」のある現象が暗示されているのです。天中殺に働いたことが案外良い結果となって、思わぬ収入とか財 運になって入って来る事になるのです。 「なーんだ、天中殺には 新しい事や 打算的、現実行動 はしてはいけないと言ったって、成功した じゃないか」という気持ちになるくらいです。 ところが、グラフ(別表、寅卯天中殺のサイクル表)を見て下さい。辰年から巳年にかけて、とたんに運気がドスン と落ち込んでいるのがお分かりでしょう。 寅卯天中殺のサイクル 1 寅卯天中殺の人にとって、とくに巳年が人生最大の危険な時期になります。 文字どうり、天中殺の つけ をここで払わされる事になるのです。天中殺中の仕事はすべてダメになっ たり、人間関係での争いが非常に多くなります。 人間関係の争いが人間不信にまでつながり、ときには自分の心まで信じられないくらいの深い心の悩みを経 験することになるのです。 それだけに、まさに、人(相手)も信じられぬ、人(相手)からも信じられず。信用・信頼という大事なものを失 うことになりかねないのです。 寅卯天中殺にとって、辰年から巳年にかけて「盲いて、千仞の谷沿いの小径を歩くが如し」といった危ない 時期なのです。 まさに一歩誤ればとんでもないところへ落ち込む時期なのです。また、巳年はとくに寅卯天中殺にとって自 分の運命の軌道を見失いかねない危険期といえます。 この、危険を通過することこそ、寅卯天中殺のいわば宿命なのです。 一歩一歩に神経を配り、目的を見失わずに慎重に進んで脱け出すべき時でもあるのです。 ようやく暗闇を脱出して、三巡目の2年間、三紘期の午年と未年が来ます。 三紘期は何も悪い事は起きないけれど、午年には寅卯天中殺は自らの心の迷いを見つめ、非常に孤独に過ご す事になります。反省し思索し深く人生を考える年になります。まさに、精神的なものが強調される年と 言って良いでしょう。 さて、三紘期後半、未年は 新しい運気の大いなる出発の時 いよいよ本格的な上昇運のスタートです。 となります。 は一番神経を配って、慎重に過して頂きたい月運です。 一歩踏み外せば、それまで上昇していた運気が下降線をとりはじめ、平穏だった天中殺中の社会運・仕事運 はすべてダメになったり、人間関係での争いが非常に多くなります。 算命学では、古来からと言われているくらい 寅卯天中殺のサイクル 2
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