上野学園 古楽器コレクション Museum Concert 第8回 ヴァイオリン ~19世紀初頭 ・ シャノの試み~ 2015年2月20日(金) 18:30開演 上野学園 オーケストラ・スタジオ (10階 第1リハーサル室) 上野学園大学楽器研究室では、2007年の新校舎竣工を機に、楽器展示室が新たに設けられ、 2008年からはMuseum Concertのシリーズを開始しました。 第8回目の今回は19世紀初期、フランソワ・シャノ制作によるヴァイオリンを取り上げます。 パリで活動していたヴァイオリン制作家フランソワ・シャノは、弦をギターのように表板に直接固定 するなど通常のヴァイオリンの形状にいくつかの変更を加えたヴァイオリンを考案し、1818年に特 許を取得しました。そもそもヴァイオリンは16世紀にその形状が定まって以来、基本的な構造は 変化しませんでしたが、この時期にこうした試みが実践され、社会的にも一定の評価が得られた ということは興味深いことです。 こうした新奇な試みの背景にヴァイオリン奏法自体を変革して いこうとする機運を読み取ることもできるのではないでしょうか。 パリには1795年にコンセルヴァトワールが開設され、クロイツェル、ローデ、ヴィオッティらによる 今日ヴァイオリン学習者が必ず学ぶ楽曲が生み出されたのもこの時期のことです。 本学園所蔵のシャノは通常のヴァイオリンと同様緒止めで弦を固定するように改造されており、 シャノ本来の特徴を実演で味わうことはできませんが、このような楽器を用いて演奏することにより ヴァイオリン奏法の変革期、近代ヴァイオリン奏法の基礎が形作られた時代の音楽に対して、より 豊かな認識を得ることができるものと考えます。 なお、当日は本学所蔵のG.B. ロジェーリ(ブレーシア、1703年)の楽器も使用いたします。 演奏は本学の緒方恵教授と田中美千子教授。 また本学、櫻井茂准教授との対談も予定して 使用楽器: ヴァイオリン (19世紀初頭、フランソワ・シャノ) おります。 緒方 恵 (ヴァイオリン) 東京藝術大学大学院博士課程修了。 C.ニールセンの研究で博士号を取得。在学中にデンマーク、ロンドンでも研鑽を積む。 CDや、音楽誌の北欧音楽に関する記事への寄稿、楽譜の校訂、解説も多く手がけている。 上野学園大学教授(学部長)。 田中 美千子 (ピアノ) 東京藝術大学、同大学院修士課程修了後、ドレスデン音楽大学院修了。 マイクノイキルヒェン国際音楽コンクールにて最優秀 伴奏者賞受賞。 国内外でソロ、室内楽で幅広く活躍し、高い評価を得ている。 上野学園大学短期大学部教授。 全席自由 一般 \3,000 学生 \1,000 お問い合わせ・チケットのご購入希望の方 ◎IMHチケットオンライン http://www.ishibashimemorial.com ◎上野学園大学事務部 演奏課 Tel: 03-3842-1020 ◆ 上野学園楽器研究室 上野学園大学楽器研究室は、日本で初めて古楽器の専門科を設置した上野学園大学音楽学部の付属研究機関として1975年に開設されました。 コレクションの母体は、同年、コペンハーゲンの著名な楽器商エミール・ヒョルト・オク・センネル社から購入した53点の楽器です。それらはヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ ダモーレ、リュート、マンドール、ハープが中心で、中には第二次世界大戦前にドイツの著名な収集家フリッツ・ヴィルトハーゲンが所蔵していた楽器も含まれています。 以来17・18世紀のヨーロッパ音楽を、楽器の面から研究することを目的として、 蒐集が続けられ、 歴史的 観点からも重要な 鍵盤楽器・管楽器・打楽器が付加 されて今日、150点余りの収蔵に至っています。 この企画に関するお問い合わせ ◎上野学園大学楽器研究室 Tel:03-3842-1021 (内線1208) 火曜日:9:30~12:30 金曜日:9:30~15:30
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