世界の音楽界を牽引 成田 達輝 近い将来 おおお! 電気的なエネルギーが走る! 衝撃的な出会い! フランス音楽の 魅力! 表情がクルクル変わる プーランク 萩 原 ヴァイオリン・ソナタ 珍しいサティの「ヴァイオリンとピアノ」の作品 風刺の効いた面白い曲 この 訳のワカラナイ世界 の面白さ(笑) ヴァイオリン to ピアノ 若手とは思えない 演奏の成熟ぶり すごい人がいる! Okazaki New Artist Series 麻未 10月4日(日) 15:00 開演 14:30 開場 一般 2,500円 岡崎市シビックセンター コロネット TEL:0564-72-5111 〒444-0813 愛知県岡崎市羽根町字貴登野15番地 【主催】岡崎市/岡崎市シビックセンター指定管理者 SPS・トーエネック・ピーアンドピー共同事業体 (裏面にインタビュー記事有) 間違いなく⽇本の、いや世界の⾳楽界を牽引してい の楽章から成り、10 分くらいの聴きやすい作品です。第 4 楽 くに違いないヴァイオリニスト成⽥達輝とピアニス 章は「タンブラン」、つまりタンバリンを叩きながら踊る二拍 トの萩原⿇未。 子の早い踊りです。ピアノ伴奏は「レ」の音をずっと連打し 若い⼆⼈が共演するとエネルギーが掛け合わされ、 さらに⽩熱したステージになります。ふたりにデュ オの聴きどころについて語っていただきました。 ていて、その中でヴァイオリンが上に行ったり下に行ったり 華やかに演奏します。カントリーダンス風の楽しい楽章です。 萩原:フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」もとても素敵な 曲で、ご存知の方も多いかもしれませんね。サティやミヨー の作品も不思議で面白い曲です。どこかでシリアスなものも 入れたいと思い、プーランクのヴァイオリン・ソナタを選び ―萩原⿇未さんは 2010 年にジュネーヴ国際コンクールのピ ました。これはオペラを題材として書かれた作品で、第 3 楽 アノ部⾨で優勝、成⽥達輝さんは 2012 年にエリザベート王 章には、銃声をイメージした音が出てきます。プーランクの 妃国際コンクールのヴァイオリン部⾨で第 2 位と、権威ある 作品には、表情がクルクルと変わる不気味なお面のようなと コンクールで素晴らしい成績を修めたお⼆⼈です。ソリスト ころがあります。恐ろしい雰囲気が続いたかと思えば、ぜん としての精⼒的な活動に加え、デュオとしても演奏されるよ ぶ嘘だよと戯れてみせるようなフレーズが出てきたり。そん うになったきっかけは何だったのでしょうか? なプーランクの音楽を挟むことで、他の作品の華やかさや楽 萩原:二人ともパリ音楽院で学んでいましたが、学内でデュ しさがさらに引き立てばいいな。と思いました。 オを始めたというわけではありません。きっかけは 2013 年 に宇都宮で開かれることになったコンサートの主催者さんの -サティの「右と左に⾒えるもの〜眼鏡なしで〜」というの 提案でした。私は成田君のエリザベートでの演奏動画をイン は珍しい作品ですね。 ターネットで観て「すごい人がいる!」と感激していたので、 成田:そうですね。タイトルがとても面白いんです。第 1 楽 その話を頂いたときは、是非一緒に演奏してみたいと思いま 章は「偽善者のコラール」。真面目なキリスト教徒が一糸乱れ した。 ずに歌うコラールを風刺的に描いています。第 2 楽章は「手 成田:宇都宮でのお話が決まって二人で曲目をいろいろと考 探りのフーガ」。フーガとは、本来しっかりとした構築力のあ えていた頃に、僕は 3 年前の萩原さんのジュネーヴでの演奏 る音楽形式ですが、それを「手探り」としてしまうところが 動画をパリのアパートで観て、ものすごく感動してすぐに本 サティの風刺です。第 3 楽章は「筋肉的なファンタジー」 。ヴ 人に電話したんですよ。宇都宮のプログラムにはグリーグの ァイオリンとピアノのためのサティの作品は珍しいですし、 ヴァイオリン・ソナタを入れていたのですが、初めて二人で あまり演奏される機会も多くないので、ぜひ聴いていただき 合わせた時、本当に感動して、お互いに目を見合わせて「お たいです。 おお!」という感じでしたね。電気的なエネルギーが走った 萩原:ミヨーの「屋根の上の牡牛」も風刺の効いた面白い曲 というか。 です。屋根の上に牛がいるわけがない、この訳の分からない 萩原:打合せなしに、いきなり弾いたのにバシッバシッと合 世界の面白さ(笑)! うものがあって、本当にびっくりしました。 -今回のコンサートの翌⽇には、アウトリーチとして岡崎市 -演奏技術はもちろん、⾳楽的な集中⼒が⾮常に⾼いお⼆⼈ 内の学校でも演奏されるそうですね。 のデュオは、⼤変話題となりましたね。さて、10 ⽉に岡崎市 萩原:はい。子どもたちは良いものは良い、面白くないもの シビックセンターで開かれるコンサートでも、お⼆⼈の素晴 は面白くないと、肌で感じてくれます。大人よりも経験が少 らしいアンサンブルを聴かせていただけるわけですが、今回 ない分、フレッシュな気持ちと感覚で聴いてくれるんです。 のプログラムの聴き所を教えてください。 彼らの反応はすごく正直。ある意味一番怖いお客さんかもし 成田:今回はフランスの作曲家の作品を、バロック時代から れません。 近現代のものまで、いろいろと並べています。フランス音楽 成田:コンサートとアウトリーチ、どちらも精一杯演奏しま の魅力を網羅的にお届けしたいと思いました。オープニング すので、皆さんに僕らの音楽をぜひ楽しんでいただきたいと は華やかな曲です。フランス・バロックの中でも代表的なヴ 思います。 ァイオリニストでもあったルクレールの「12 のヴァイオリ ン・ソナタ」から、一番有名な第 3 番を取り上げます。4つ MEG7月号掲載 interview&Text/飯田有抄
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