2010夏

平成22年8月19日
2010夏
7月21日から夏季休業となりサッカー一色の生活を送った。産能大学遠征でチームの
最終的な方向性(選手権で作るチーム)が固まり、そのコンビネーションや精度を高める
という充実した流れでトレーニングを積むことが出来た。
恒例の長期合宿は10泊11日の中でほぼ狙い通りのカタチにまで持って行くことが出
来た。流通経済大に引き分け、下妻一高とのゲームは完成度が高くすぐにでも選手権を戦
いたいと思わせる内容であった。
合宿での縦割り班での結束も深まった。きっと3年生の背中だけでなく内面も垣間見る
ことが出来たのではないだろうか。中日のプール、演芸大会・花火大会と年を追うごとに
充実していく環境にも感謝の言葉しかありません。実に100名を超える保護者・OBの
方々に来寮して頂き多くの激励とパワーを貰いました。
万全の状態で8月18日、大井第2球技場での選手権予選2回戦を迎える事が出来た。
前日から残暑が一段と厳しくなり15時30分キックオフだったが、生徒の安全性を考慮
して一時は会場長の判断でキックオフを遅らせようとした程であった。しかし暑さへの対
策も出来ており大きな不安はなかった。
キックオフから若干ウチがペースを握りつつあった10分過ぎに失点。その後は受けに
回ってしまい、連続失点をしてしまった。しかしそれでも諦めている者はいなかった。ハ
ーフタイムでも1点取れば勝つチャンスは出てくる事を確認してピッチへ。魂のこもった
攻撃を見せるが当然前掛かりになった全体を、ディフェンス陣が体を張って凌ぐという展
開。後半も半分を過ぎた頃、とうとう右サイドを崩されて失点。だが攻撃は緩まるどころ
か更に勢いが増し、怒涛のプレシャーで攻め続けた。しかし更にカウンターから5点目。
それでも彼らの目から闘志の火は消えなかった。ピッチ上の誰一人諦めることなく、応援
にまわった生徒も当然ベンチも1点を奪う為の意地の攻撃。何度も決定機を逸し続けたが
ロスタイムについに1点を奪う事に成功した。4点目で勝負は決まってしまったが「秋に
繋がるゴール」
、決めたのは2年生であったが、まさに3年生の執念がもたらしたゴールで
あった。
この代は少ない人数で良く頑張ってくれた生徒たちであった。上の代と下の代に力のあ
る選手が多く、チーム結成時はレギュラーとして前年戦った者は2名。新チームでも1年
生(現2年生)が中心となって行った。前に出て後輩を引っ張っていく者は少なかったが
ウチに秘めた闘志は持っていた。最後となってしまったゲームに2人の3年生を出場させ
てあげられなかった。またマネージャーの白井も1人で奮闘してくれ大事な3年生部員と
して引っ張ってくれた。それなのに夏の歓喜を味あわせてあげられず、悔しい思いだけを
させてしまい本当に申し訳ない気持ちで一杯だ。彼ら若者たちの涙を見ていられなかった。
宮城達也・黙々とやるタイプの主将。あまり気の利いた言葉は言えないがプレーでチー
ムを引っ張った。悔しい思いの方が多かったかもしれないが彼に助けられた事は数知れず。
センス溢れるプレーと元来の負けず嫌い根性で常に先頭に立って戦い、良いキャプテンに
成長した。これからも誠実さを失わずに成長し続けて欲しい。社会人サッカーでも全力で
楽しめ。
「本気でやった者が、仲間の存在の大きさに気付く事が出来る」
南澤翔太・いつも甘えん坊オーラを出していた。でもやる時はやる男に成長した。解散
式での彼の涙にはグッと来た。ゆっくりであるが着実に進歩、成長した。大学でも更に伸
びようとしている。今後も応援して行きたい人間である。いつもニコニコ、人に優しく自
分に厳しく良い大人になって欲しい。
「自分を大切にすることは、相手を大切にする第一歩
目、次の二歩目を相手の事を考えられるか、自分の事だけを考えるのかで変わるのだ」
野村翔平・彼のスピードは必ず我々の武器となると信じていた。不完全燃焼で高校最後
の夏を終わらせてしまった。彼も次のステージへと巣立って行く。更に自分との戦いとな
るがこの悔しさを必ず晴らして欲しいと思う。謙虚に感謝の気持ちを忘れずに、それは「本
気」で自分の事を考えないと生まれて来ないもの。「本気」を楽しめ。
「10年経てば、し
たことよりもしなかったことを後悔する」
廣瀬良平・宮城と共にチームを引っ張った。入学時からしっかりと自分を持った男であ
ったが、年次が上がるにつれてチームの中でも自分の立場を確立して行った。独特の感覚
はプレーでも生活でも如何なく発揮された。大人としっかり話が出来る男であるし自分の
進む道は自分で決めるであろうが、まだまだサッカーだってやればやる程上達していくだ
ろう。「出来る・出来ないではなく、やったか、やらなかったかである」
新川俊介・入学前からの怪我でプレー出来始めたのが2年の夏、そして新人戦では勝負
を決めるゴール。それが3年の夏にはレギュラーとしてピッチに立ったのだから努力は並
大抵のものではなかっただろう。そのメンタルを持ってすれば大抵の事はやってのけられ
るだろ。そして怪我をした人間にしかわからない部分を理解出来る人間に成長した。笑顔
とチャレンジャー精神を忘れずに精進しろ。「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出
る。いい加減だと言い訳ばかり」
高安翔太・常にマイペース、のんびりしていて決して慌てないのが良い所。いつも練習
や試合の後は着替えるのは一番最後。試合の前には必ずトイレに行ってミーティングには
間に合わず。そんな憎めないキャラだった彼が3年の夏には見間違いかと感じるほど逞し
く見えた。産能遠征や下妻一高との試合の後のダッシュはやらされているものではなかっ
た。それがレギュラーとなった決め手だった。
「幸福を求めるのではなく、幸福を感じられ
る人になれ。美しい花とは花が美しいのではなく、その花を見た人の心が美しいのだ」
平松友也・高校生だけど赤ちゃんだったのが、立派な大森学園高校サッカー部員に成長
した。最後の大会に出して上げられなかったのが本当に心残りだ。交替枠があと一つ多け
れば間違いなく出場していた。そしてサイドを駆け上がり、素晴らしいクロスを見せてく
れた事だろう。この悔しい思いを是非大学受験にぶつけてくれ。
「何も咲かない寒い日は下
へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
飯田敦士・何事にも全力で取り組む人間であった。そして仲間を思いやる心も人一倍あ
った。最後の最後でレギュラーから外れた。それでも常に100%の準備をしてくれた。
自主練量は歴代のОBたちの中でも群を抜いて一番である。その誠実さでもう一度大学サ
ッカーでもチャレンジして欲しいと願う。
「300パーセントやって人はようやく100パ
ーセントの評価をしてくれたと思ってことに臨むこと」
白井加奈子・こんなに献身的に人を支えられる事は一つの才能だ。彼女の存在に救われ
た人間も多い。弱っちそうに見えて実は芯のしっかりしている、真面目そうに見えてちょ
っと抜けている、いじり甲斐のある名マネージャーに成長しました。
「誰かが喜んでくれる、
ということが無かったら全てが揃っていても何が楽しいだろうか。誰かが喜んでくれる、
ということが無かったら本当にうれしいことなど何も無い。」自分の夢に向かって自分を信
じて頑張れ。
69期生、宮城主将のチームは大森学園の歴史に残る強いチームであった
9人の戦士たち、お疲れ様でした。そして・・・、ありがとう
小川 伸太郎
敗戦の翌日8:00から新チームのトレーニングを再開した。この悔しい気持ちの中で
どれだけやれるか、それは生徒たちも私自身もである。正直眠る事も出来ない状態であっ
た。悔しい気持ちもあったのかもしれないが、それ以上にこのチームでもう少しサッカー
をしたかったという思いの方が断然に強かった。ウトウトするとそんな夢が頭の中を駆け
回って何度も目が覚めた。重い気持ちのままで学校に向かうと一回り成長した雰囲気を感
じさせる2年生22名、それについて行こうとする1年25名が決意新たに集合していた。
これは1日で1、2年が変わったのではなく、3年生の背中を見て少しずつ変わっていた
のだろう。3年生が大きな存在であった事とその影にいた下級生の成長の二つを感じるこ
とが出来た集合であった。
新主将の鈴本が泣きじゃくって言っていたが、解散式での3年生の言葉と涙を忘れずに
必ず今年を超えるチームを作って恩返しする。これからはОB・ОGとしてチームを支え
て下さい。頼りにしています。