2012.冬号(Vol.4)

社会福祉法人 広報誌「道しるべ」2012年冬号(Vol. 4) 1
題字:福原吉隆
(社会福祉法人みずうみ相談役)
今回のテーマは、
みずうみの「食」。
巻頭言:おせち料理への思い
平成24年元旦。みずうみのご利用者の皆さまも
のメインを競い合いました。これ
穏やかな新年を迎える事が出来ました。
は年12回の行事食でも取り組んで
おります。
調理室も心新たに「おせち」を作りました。おせち
調理はうぐいす苑、はなうみ苑、
と言えば、何といっても「お雑煮」でしょう。ご利
すまいる苑、みずうみ保育園、
用の皆さまそれぞれ、ご当地の味が楽しみです。
第2保育園の5つの厨房で行ってい
そこで厨房は、様々な工夫を凝らし、年ごとに「小
ます。いずれの厨房も、栄養士・介護士・医師の指
豆雑煮」、「岩のり仕立て」、「寒ブリすまし仕立
導など多職種による綿密なミーティングを重ね、普
て」、「鶏野菜入り」と変化を心掛けてお出しして
通食・きざみ食(3段階)・ミキサー食・ソフト
います。
食・治療食として提供しています。
ことにお
は、じゃが芋と白玉粉を混ぜて形作って
おり、食感はお
ながら飲み込みやすくして誤嚥を
防止しています。黒豆、数の子、栗きんとんなど
「おせち」に欠かせない料理が華やかさを添え、
また、災害時に必要な利用者の皆さまの非常食を備
蓄しており、その幅を広げていく
ことにより、地域の方のご支援に
お応えしたいと願っております。
作っている調理員もほのぼのした気持ちで入居者様
さて、皆様のご家族ではどのよう
のお顔を思い浮かべながら、いかに喜んでいただこ
な「おせち」をお作りになられま
うかと力が入ります。
したでしょうか。
うぐいす苑は「寒ブリと甘海老のお刺身」、はなう
み苑は「ロブスターのウニ焼き」、すまいる苑は
「伊勢海老チーズの大葉和え」といったおせち料理
社会福祉法人みずうみ調理部長
宇山 正美
2 社会福祉法人 広報誌「道しるべ」2012年冬号(Vol. 4)
「食」をテーマにした
みずうみのキラリ☆さん<特別編>
今回は、すまいる苑の調理長に昇任さ
れたばかりの日野義正さん、主任栄養
士渡辺幸太さんに「食」にまつわる話
をきいてみた。イケメン2人、夢のコ
ラボレーション♡ まずはプライベー
トな部分を探ってみよう。
日野さんは、
大学では経営学部に籍を置いていた
が、当時アルバイトした中華料理に魅
せられて、25歳で調理師を目指し専
門学校へ。松江市内では有名な中華料
理店で腕を磨いた後、縁あってみずう
み厨房へ。渡辺さんは18歳からみず
うみ厨房の調理師として働いていた
中、志を新たに栄養士の資格所得を目
指して短大に進学。見事栄養士とな
り、みずうみに復帰したという経歴の
持ち主。
そんな二人が
語るエピソード。日野調理長が腕を振
るった水餃子が出される日。ある利用
者Aさんが餃子がお好きだと知った栄
養士。しかしAさんはミキサー食(食
べやすいように形状をなくしたもの)
しか食べられない。栄養士から伝え聞
いた日野さんはおいしい餃子を味わっ
ていただきたいとの思いから、餃子の
形を器の中に再現。Aさんはとても喜
ばれペロッと完食。利用者様の美味し
そうな笑顔を見ることが調理師の一番
の喜びと日野さん。
厨房では、
利用者様お一人お一人に美味しく召し
上がっていただけるよう努力してい
はなうみ苑入居者の
伊達善夫様・かじえ様ご夫妻に
インタビューしました。
ーー(善夫様)はなうみ苑の食事は、
なんといっても味がよい。栗ご飯、
むかごご飯、べべ貝のご飯など…… 季節をいち早く感じさせてくれる新鮮
な野菜を中心としたメニュー。彼岸に
大きなおはぎを食べると、おふくろの
ことを思い出しますよ。
ーー(かじえ様)はなうみ苑に入居し
たきっかけは、わたくしの病気からで
す。足腰の痛みで毎日の家事が億劫に
なって、老後の不安と、どちらかが病
気になったときの介護の見通しなどを
考えてのことで、入居を決めてから8
社会福祉法人みずうみ調理部
日野義正さん&渡辺幸太さん
る。介護現場からの要望と厨房の対応
を橋渡しするのが栄養士の役割。
1日3回135∼170食を提供する中で、
個別に調理することは容易ではない。
治療食はもちろん、形態を変えたり、
食べることができない食材の代替えを
けている中で、今後最もこだわりたい
のは「温かいものは温かく」という基
本。食数が多ければ多いほどむずかし
い。でもおいしく食べていただくには
最も大切なこと。最後に、2人に目標
をたずねると、声をそろえて「日本一
考えたり、材料や調理の無駄をなくす
ことが栄養士にかかっている。渡辺さ
んたち栄養士の腕の見せ所である。
の厨房。」2人にとっては、夢ではな
い。
渡辺さんに、
日 野 さ ん に つ いて 聞 いて み た 。
「几帳面で、細やかな気配りをしつ
つ、自然にみんなを引っ張って行って
くれる人。出遅れた人がいればそっと
背中を押してくれる。」日野さんは渡
辺さんを「自分が気づかないところを
気づいてくれる人。」お互いに 、 なく
てはならない存在だ。
みずうみでは
様々な行事を介護職員と調理職員でコ
ラボし「食」を楽しんでいただけるよ
う企画が練られている。日々進化し続
日野義正■42歳。
178cmの長身。2児の
父。家庭でも得意の中
華料理を振る舞う。長
男のサッカーに負けじ
とフットサルを始めて2
年。みずうみのチームで活躍中。
渡辺幸太■31歳。洗
濯、食器洗い好き。味
の素を使ったパスタが
得意。おしゃれが好き
で山陰の某タウン誌に
載ること3回。
年になります。夫婦ともに血圧も下が
り、大病をしなかった歳月を振り返り
ながら、バランスのとれた食生活の大
切さを改めて痛感しています。年齢を
重ねると食が細くなるので、手作りの
温かい家庭料理を、自分にとって適量
「いらっしゃいませ」の明るい声は、
ほっとする一瞬です。それに桐原調理
長を中心に、女性スタッフの皆さんの
きめ細やかな配慮に、心の温かさが感
じられますよ。
いただけることもありがたいですね。
ーー(善夫様)年に1回の「食事懇談
会」もいいですね。50名近くの入居
者の意見を聞いていただいて。もちろ
ん、すべて希望通りとは行きませんけ
ど、いろいろ考えていただいているこ
とがわかりますよ。本当に感謝してい
ます。
ーー(善夫様)私は仕事を持っていた
関係で、食事がかたよりがちでした。
医療関係の仕事をしている娘からは、
はなうみ苑のバランスのとれた食事が
理想と、いつも言われているんですよ
(笑)。
ーー(かじえ様)大野苑長のお出迎え
も い いで す ね 。 食 堂 に 入 る と 響 く
社会福祉法人 広報誌「道しるべ」2012年冬号(Vol. 4) 3
企業内保育園がオープン
しました
頑
平成23年12月23日、みずうみ保育園の隣りに
張
『企業内保育園』が完成しました。
ろ
仕事と家庭を両立しながら、安心して働き続けら
う
れる職場環境の整備は、当法人の課題の一つでし
日
たが、この施設の完成により、小さな子どもを育
本
てながら働く職員のワーク・ライフ・バランスの
!
向上が期待されます。それぞれが在籍している保育
園等の補完的な役割を果たしていく予定です。
クリーム色の優しい外壁の建物の内部は、ピンク
を基調とした温かく、家庭的な雰囲気で、安心し
て一日を過ごして頂けることでしょう。
また、この建物には、『相談室』も設けてあり、
独立した空間で、リラックスして相談業務を行う
ことができます。働く人たちがその持てる能力を
発揮し、仕事や職場で活躍するために必要な
『心』の健康管理への取り組みも、ここを起点
に、より充実させていきたいと考えています。
食のコラム:
食知る〜べ
は な うみ苑 で は、入居者の皆さま1人1人 に、
週1回、献立表をお配りしています。その献立の
中で、栄養士や職員が考えた「食に関する便り」
(旬の食材や料理の紹介など)を書かせてもらっ
ています。
献立を配ると、食堂で、入居者の皆さまがじ∼っ
くりと目を通して下さるんです。なにか、食事を
する時の会話のタネになっていたり、楽しみの
一つになっていたりするといいなと思っています。
その中の一つをご紹介させて頂きます。
∼冬の野菜を知ろう∼
冬の食材 かぶ の古い呼び名は次のうちどれで
しょう?
①なずな ②すずな ③みずな
カブは種類が多く、約80種類もあります。小さな
ものから大きなもの、白の他に赤や紫のものもあ
ります。7日に食べていただいた七草粥の中にも
入っていました! 「春の七草」の1つでもありま
すよね。近いうちに、カブや大根菜を使った「菜
飯」の献立を考えています。カブは根っこから葉
まで捨てるところがありませんね! 旬の混ぜご飯
です。お楽しみに♪
このような簡単な便りではありますが、回数を重
ねて、気付けば第108回! 200回目指して、
楽しみながら続けていけたらと思います。
はなうみ苑管理栄養士
答え: ②すずな
福田 恵美子
4 社会福祉法人 広報誌「道しるべ」2012年冬号(Vol. 4)
12月の行事あれこれ
法吉デイサービスセンターでは、
12月23日、クリスマスの催しとして職員による
「シンデレラ」が上演されました。純白のドレスを
まとい、所長扮するシンデレラ姫が繰り広げるラブ
ロマンス。美しすぎるシンデレラ姫を一目見よう
と、はなうみ苑の利用者様や職員も駆けつけ、大い
に盛り上がりました。
すまいる苑では、
12月27日、西棟(いきいき棟)と東棟(はくろく棟)
の対戦による「大相撲法吉場所」を開催。各棟代表
の力士が、力の入った真剣勝負を展開しました。
間近の観戦で大迫力! 足踏みで力士を動かす
「人間紙相撲」では、利用者の皆さまにもご参加
いただき、 一緒に楽しみました。
新春特別企画
2月29日まで限定!
2012年
「社会福祉法人みずうみ広報誌
『道しるべ』を見たよ」で
「カフェ太郎」の飲食代
10%OFF
編集後記
松江市西法吉町36-28
(法吉団地入口)
TEL 0852-60−6305
もある すべての人が笑顔になる為の環境作り への一歩
とも言えるのではないでしょうか。社会福祉法人みず
∼絆∼ 心をひとつに・・・
うみ、益々の発展を願って、まずは職員一人ひとりが
笑顔で元気な挨拶を心掛けたいと思います。
1月4日(仕事初め式)、岩本久人理事長による1年の
テーマが発表されました。社会人になって50年を迎え
皆様にとって幸多き年になりますように。そして、
る理事長が、初心に帰って新たな気持ちで迎える1年と
一日も早い被災地の回復を願って。今年も引き続き、
いう意味で 一歩 という言葉が選ばれました。何事も
道しるべ(法人広報
初心に帰って「歩(ふ)」の心を大切にしたいという
誌)をよろしくお願
願いも込められています。まずは社会人の第一歩であ
いします。
発行日: 2012年1月19日
る、挨拶を徹底しましょう!!お互いに笑顔で元気な
(editor B)
発行人: 社会福祉法人みずうみ
挨拶ができれば、みんなが自然に笑顔になれるだろう
という願いも込められており、わが法人の基本理念で
社会福祉法人みずうみ広報誌
「道しるべ」2012年冬号(通巻第4号)
松江市西法吉町36-1
Tel. 0852-27-3400 / Fax. 27-3402
URL http://mizuumi.jp
[email protected]