病理診断科 - 金沢医科大学

病理診断科
科長のメッセージ
スタッフが充実しており、剖検も多いです。総合医学研究所と共同研究して遺伝子学的解析も行っ
ています。日本病理学会のコンサルテーションを担当しており、全国から送られてくる様々な標
本を診断できます。
科長
湊宏
教授
(みなと ひろし)
◦専門分野
人体病理学
◦得意な分野
呼吸器の病理診断、頭頚部腫瘍の病理診断
◦職歴
石川県立中央病院病理科医員( 1994 )、石川県立中央病院病理
科医長( 1996 )、金沢大学医学部附属病院病理部助手( 1997 )
、
金沢大学医学部附属病院病理部助教授( 2003 )、金沢大学医学
部附属病院病理部部長( 2003 )
◦主な所属学会
日本病理学会、日本臨床細胞学会、日本臨床検査医学会、アメリ
カ・カナダ病理学会、国際細胞学会
◦専門医資格等
臨床検査医学会専門医、日本病理学会病理専門医研修指導医、国
際細胞学会認定医、日本臨床細胞学会専門医、日本病理学会専門
医
◦研究課題
胸膜孤在性線維性腫瘍、悪性中皮腫の病理学的研究
◦研究の概要
肺・縦隔疾患の病理学的研究。とくに胸膜孤在性線維性腫瘍の臨
床病理学的研究。各臨床病理学的因子と予後との関連の解析。悪
性中皮腫の病理診断精度の向上。診断に有用な血中マーカーや特
定の遺伝子異常を探求する。アスベストによる発癌機序の解明。
概要
当院において採取されたすべての病理・細胞検体の診断を行っている。また、不幸にしてなくなられた
患者様の剖検に対しては年間を通じて対応している。組織診年間約8000件、細胞診年間約7000件、剖
検約70件である。高い診断技術と標本作成技術を誇るスタッフを擁し、術中迅速診断はもとより各科の
細分化された要望にできるだけ対応している。開設以来の報告書・ブロック・ガラス標本等が保存され、
過去の材料が随時検索可能である。また多種抗体が管理保存され免疫組織化学による広範囲な抗原検索が
可能である。難解症例に関しては国内、国外へのコンサルテーションを適宜行っている。また日本病理学
会のコンサルサントとして全国からコンサルトを受けている。各科とのカンファレンスも盛んである。
特徴・特色
小生検材料に対しては迅速標本作成システムを導入し、ワンデイパソロジーにも対応可である。ISHや
FISHの活用により腫瘍の診断精度の向上や適切な治療の選択に役立てている。また遺伝子シークエンス
も検出でき、高度先進医療に対応すべく日夜努力している。
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指導担当医
黒瀬 望 (くろせのぞむ)
木下 英理子 (きのしたえりこ)
中田 聡子 (なかださとこ)
◦専門分野
膠芽腫細胞の造腫瘍性の研究、軟部腫瘍にお
けるWT-1の作用機序
◦学会活動
日本病理学会専門医、日本臨床細胞学会専門
医
◦得意な分野
消化器、移植病理、腎の病理
◦専門分野
骨外性粘液型軟骨肉腫における融合変異遺伝
子の解析
◦学会活動
日本病理学会専門医、日本臨床細胞学会
◦得意な分野
乳腺の病理診断
◦専門分野
脳腫瘍の形態像と遺伝子解析
◦学会活動
日本病理学会、日本脳腫瘍研究会
◦得意な分野
脳・神経腫瘍の病理診断
講師
助教
三輪 有香子 (みわゆかこ)
塩谷 晃広 (しおやあきひろ)
◦専門分野
病理診断
◦学会活動
日本病理学会、日本臨床細胞学会
◦得意な分野
病理診断
◦専門分野
病理診断
◦学会活動
日本病理学会
◦得意な分野
病理診断
医員
助教
医員
教育関連施設
病院名
福
富
井
山
赤
市
十
所在地
字
民
病
病
指導者
院
福井市
616床
太田諒
院
富山市
626床
斉藤勝彦
富山県氷見市
250床
湊宏
金沢医科大学氷見市民病院
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規模
③細胞病理診断学
プログラムの目的
・細胞診断の意味付けや限界について理解する。各種検体を
適切に処理することができ、標本の作成法について理解す
将来臨床医として、病理医として必要な基礎的、総合的な
臨床病理学の知識と技量を獲得することを目的とし、全人的
視点にたった医師の育成と医療の質的向上ならびに精度管理
に貢献する。全身全科にわたる豊富な病理材料を用いて、病
理学的検査を施行し、幅広い知識の吸収と判断力、問題解決
能力を身につけ、的確かつ迅速な病理診断を下す。また、他
の医療スタッフや各科との盛んなカンファレンス、CPC を
ることができる。
・細胞診標本のスクリーニングを行い、細胞学的所見を正確
に把握し、記載することができる。
・的確かつ迅速な細胞診断を下し、適切な報告書を作成する
ことができる。
・病理学的な立場から患者の病態や治療などを臨床医と討論
できる。
通じて、協調性を身につけ、病理学的な立場から臨床医と討
④病理解剖診断学
論できる技能、資質を磨く。本研修を通じて得られる臨床病
・死体解剖保存法などの基本的な法知識を学び、病理解剖の
理学の知識と技量は、将来専門とする臨床科目の如何にかか
手続き、法的制限や感染症対策の重要性についても学ぶ。
わらず、臨床医としての実力を支える根幹となり、極めて重
・自ら執刀医となり、病理解剖の基本的な手技を習得する。
要な位置を占めることは間違いない。
肉眼所見を正しく把握、理解し、病理解剖学的診断を下す
ことができる。
期間割(後期臨床研修開始後)
・必要に応じて検体のスケッチやマッピング、写真撮影を行
う。検査目的に応じた固定と切り出しができる。
第1年次〜第3年次
初期臨床研修において習得した知識と技術をさらに発展さ
・臨床情報や生前の組織診断、肉眼所見、組織学的所見を総
合して、病態を考察し、的確な病理解剖報告書を作成する。
せ、病理専門医になるために必要な知識を取得する。病理専
⑤分子細胞病理学実験病理学
門医の補助医として幅広い症例を経験しながら、病理解剖、
・電子顕微鏡による細胞の微細構造、酵素抗体法による免疫
生検・手術材料の病理診断、および細胞診について学ぶ。
組織学的検索、細胞培養、遺伝子学的検討を必要に応じて
行い、その意義や解釈、手技を理解する。疾病の本質を究
研修内容と到達目標
明し、人体病理診断学に応用する。
各種カンファレンス、CPC、抄読会、勉強会に参加し、
研修内容(第1年次〜第3年次)
自ら病理所見の呈示、解説をすることができる。顕微鏡写
①生検病理・外科病理診断学
真撮影技術も併せて習得する。
・検体の肉眼所見を正しく把握し、必要に応じてスケッチや
マッピング、写真撮影を行う。検査目的や取り扱い規約に
プログラム修了後のコース
沿った固定と切り出しができる。
・標本の作成法について理解することができる。
3年間のコース終了後は引き続き病理専門医を目指し病理
・組織学的所見を正確に把握し、記載することができる。
研修を継続することができる。
・的確かつ迅速な組織診断を下し、適切な報告書を作成する
ことができる。
・病理学的な立場から患者の病態や治療などを臨床医と討論
取得できる認定医、専門医(必要な期間)
資格と、その取得にかかわる概要
できる。
②術中病理診断学
●死体解剖資格
・検体の肉眼所見を正しく把握し、適切な切り出しを行い、
⑴医学又は歯学に関する大学等で、免許取得後2年以上解剖
必要に応じてスケッチやマッピング、写真撮影を行う。凍
に関する研究・教育業務に従事し、かつ直近の5年以内に
結切片による迅速診断を執刀医に的確に報告し、適切な報
20体以上(副執刀5体以上、主執刀15体以上)の解剖経
告書を作成することができる。
験を有する医師、歯科医師。
⑵医学又は歯学に関する大学の解剖学、病理学、法医学の専
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病理標本の切り出し
複数の病理医による病理診断
任講師(これと同等と認められる者を含む)の職にある者
であって、5年以上解剖に関する研究・教育業務に従事し、
かつ直近の5年以内に50体以上(主執刀25体以上)の解
剖経験を有する者。
●日本病理学会病理専門医
⑴この制度により病理専門医の認定を受けようとする者は、
この規程に基づき日本病理学会が行う資格審査ならびに認
定試験に合格しなければならない。
⑵認定出願の資格は、次のとおりとする。
イ日本国の医師免許を取得していること。
ロ死体解剖保存法による死体解剖資格を取得しているこ
と。
患者診療におけるネットワーク
ハ出願時3年以上継続して日本病理学会会員であること。
ニ病理専門医受験申請時に、厚生労働大臣の指定を受けた
臨床研修病院における臨床研修(医師法第16条の2第
1項に規定)を終了していること。
ホ日本病理学会の認定する研修施設において5年以上人体
⒞日本病理学会、国際病理アカデミー日本支部、あるい
は日本病理医協会(支部を含む)等の主催する病理組
織診断に関する講習を受講していること。
病理学を実践した経験をもち、その期間中に次の各項の
⒟日本病理学会あるいは日本病理医協会等の主催する細
研修を終了していること。ただし、5年の実践期間のう
胞診に関する講習を受講し、細胞検査士を指導し的確
ち最高1年までを、厚生労働大臣の指定を受けた臨床研
な診断をするに十分な細胞診の知識と経験を有してし
修病院における臨床研修(臨床検査医学研修を含む)を
ていること。
もって充当すること。また、法医での研修期間は、2年(法
医学専攻の大学院修了者)までを充当することができる。
⒜いちじるしく片寄らない症例についてみずからの執刀
ヘ人体病理学に関する原著論文または学会報告が3編以上
あること。
ト人格・識見に関する研修指導者の推薦があること。
による病理解剖を行い、病理解剖学的診断を附したも
チ人体病理業務に専任していること。
の50例以上を経験していること。
日本の大学医学部・医科大学の病理学講座・附属病院は認
⒝いちじるしく片寄らない症例についてみずから病理
定施設である。
組織学的診断を附した生検(外科切除標本を含む)
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5,000例( 50例の迅速診断を含む)以上を経験して
●細胞診指導医資格
いること。
⑴医師・歯科医師資格取得後5年以上の者。
⑵日本臨床細胞学会会員歴3年以上の者。
⑹研修指導者の推薦があること。
⑶細胞診断学ならびに細胞病理学に関する論文3篇以上をも
金沢医科大学病院はいずれも各資格取得の認定施設であ
ち、そのうち1篇は筆頭者であること。 発表論文の中で
る。
少なくとも1編は論文査読制のとられているものを対象と
する。
⑷日本臨床細胞学会活動の顕著な実績、および教育委員会の
主催するセミナー参加は細胞診指導医 委員会の審議を経
て論文1篇に該当するものとみなされる。
●臨床検査専門医
取得可能な認定医・専門医および指導医
死体解剖資格
2年以上
日本病理学会病理専門医
5年以上
細胞診専門医資格
5年以上
臨床検査専門医
5年以上
⑴日本国の医師免許証を有し、医師としてふさわしい人格・
識見を持つこと。
出願時5年以上継続して日本臨床検査医学会の会員である
大学院進学と研究内容、概要、学位取得後
の道すじ
こと。
⑵日本臨床検査医学会の定める研修プログラムにより、5年
①大学院進学
間の研修を修了していること。必須学科として、日本臨床
後期臨床研修開始直後から入学することも可能である。ま
検査医学会の認定する認定研修施設において以下の内容の
た、病理専門医取得後に入ることも可能である。
全てを含む研修を2年以上終えていること。
a )臨床検査医学(臨床病理学)総論、b )一般臨床検査
②研究内容
学、c )臨床血液学、d )臨床化学、e )臨床微生物学(感
●湊宏
染症学を含む)、f )臨床免疫学、g )輸血学
・肺縦隔腫瘍の生物学的特性の研究
⑶厚生労働省の認定する研修施設において選択科目として、
・中皮腫の病理学的発生機序・進展の解明
以下の学科のうちいずれか1学科を1年以上研修している
・間質性肺炎の病理診断
こと。
・頭頸部腫瘍の病理診断
a )病理学、b )臨床医学(専門医認定制協議会の基本的
診療領域における卒後初年度臨床研修プログラムないしは
●黒瀬望
総合診療方式によるものを原則とする。)
・膠芽腫細胞の造腫瘍性の研究
ただし日本専門医認定機構での基本的診療領域のいずれか
の認定医・専門医資格を有する者、または米国の臨床病理
●木下英理子
医認定試験合格者およびそれと同等とみなされる外国の臨
・骨外性粘液型軟骨肉腫における融合変異遺伝子の解析
床検査専門医資格を有する者は、選択科目の研修および選
・人体病理学、細胞分子病理学に関する研究
択科目の試験は免除される。
⑷臨床検査室等での日常業務内容を証明する、各種のコンサ
ルテーション記録、骨髄像報告書、免疫電気泳動報告書、
●中田聡子
・脳腫瘍の形態学的観察と遺伝子解析
染色体分析報告書、その他の臨床検査専門医による解釈・
コメント付き検査報告書、On-Callカンファレンス記録等
③学位取得後の道すじ
20編を提出すること。
各研修医の意向に沿って対応する。
ただし病理組織診断業務に関するもの、内科等の診療業務
内容を主とする病歴要約等は含まない。
他科研修、他教室での研究、留学の可能性
⑸臨床検査医学(臨床病理学)に関する筆頭者としての学会
報告、または原著論文が3編以上あること。なお原則とし
各研修医の意向に沿って対応する。
て、5年間の研修期間中に日本臨床検査医学会に発表した
ものであることが望ましい。
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活躍する先輩達
黒瀬 望(くろせのぞむ)
木下 英理子(きのしたえりこ)
◦代表所属学会
日本病理学会、臨床細胞学会
◦得意な分野
造血器、泌尿器
◦コメント
基礎と臨床のかけ橋となる事が私
の役目。病理検体を通じて、病気
の成り立ちを細胞レベルから総合
的に考える医師を育てます。
◦代表所属学会
日本病理学会、臨床細胞学会
◦得意な分野
乳腺腫瘍
◦コメント
適切な切り出しと正確な診断を心
掛けています。
病理診断科 講師
病理診断科 助教
塩谷 晃広(しおやあきひろ)
病理診断科 医員
◦代表所属学会
日本病理学会
◦得意な分野
病理診断
◦コメント
顕微鏡を使った診断が面白くて入
局しました。組織標本を通して
様々な科の病気を勉強できるのが
魅力です。
週間スケジュール
午 前
剖検マクロカンファレンス
月
外科材料カンファレンス
研究発表抄読会
火
水
検鏡
検鏡
木
検鏡
金
検鏡
土
((検鏡)
)
( )は月1回、(( ))は隔週
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午 後
切り出し
検鏡
切り出し
検鏡
切り出し
検鏡
切り出し
検鏡
切り出し
検鏡
(脳腫瘍カンファレンス)
(細胞診カ
ンファレンス)
(泌尿器カンファレ
ンス)
(
(検査部カンファレンス))
症例検討会
(婦人科カンファレンス)
(形成外科カ
ンファレンス)
(呼吸器カンファレンス)