にて発表された新しい研究結果で PillCam

このプレスリリースはギブン・イメージング社
2010 年 9 月 14 日の発表を翻訳したものです。
Press Release
報道関係各位
第 1 回 ICCD(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡国際会議)にて
発表された新しい研究結果で PillCam®プラットフォームの有用性を強調
600 名を超す世界各国の消化器病学オピニオンリーダーがパリに集結し、
カプセル内視鏡の可能性を討論
急性上部消化管出血に対する PillCam® ESO(食道用カプセル内視鏡)の
救急医療での使用の有用性を確認
ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は本日、2010 年 8 月 27 日~28 日にフラン
ス・パリで開催された第 1 回 ICCD(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡国際会議)において報告された研究
成果のハイライトを発表しました。この国際医学会議では、ギブン・イメージング社とフジノン社(ヨーロッパ)が共
同スポンサーを務め、600 名を超す消化器病学のオピニオンリーダーが参加し、今後の成長が見込まれるこの
市場セグメントにフォーカスした過去最大規模の会議となりました。食道から大腸までの領域の臨床問題に対す
る新しいカプセル内視鏡検査にフォーカスした科学セッションが開催され、小腸の診断および治療に関する研究、
ベストプラクティス、将来の適応などが討論されました。24 の口頭発表、61 のポスター発表、5 つのビデオフォー
ラムを含め、123 件の科学抄録が報告されました。
「今回初めての会合となった ICCD(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡国際会議)は、消化管疾患患者
の診断と治療に対するカプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の臨床的意義を強調するものとなりました。消
化管専門医がこれらの手技をさらに進展させていけば、患者様とそのご家族の利益に大きく貢献することでしょ
う」と、ICCD の議長で、フランス・ナンシー市のセントラル大学病院教授の Gerard Gay 氏は述べています。
「この 10 年の間、当社の PillCam®プラットフォームは医療界から熱心に支持されてきました。この国際会議に
600 名を超す消化器病学のオピニオンリーダーが集結して当社のテクノロジーを討論いただいたことは、科学を
大きく前進させるものであり、今後も引き続き、患者様にやさしく、臨床的意義の高い画期的な消化管視覚化
ツールを医師と患者様に提供していける確認を得る機会となりました」と、ギブン・イメージング社のホミ・シャミー
ル社長兼最高経営責任者は述べています。
以下に、この会議で報告された内容のハイライトを紹介します。
■ PillCam® SB (小腸用カプセル内視鏡)
原因不明の消化管出血 - PillCam®を使った検査は患者の予後を予測
「カプセル内視鏡検査の結果が陰性であれば、原因不明の消化管出血(OGIB)患者の再出血率と死亡率は
低いことが予測される:長期フォローアップ研究の結果」(COCS No. 35)と題する研究で、香港中文大学の研究
者らは、カプセル内視鏡検査によって OGIB 患者の長期予後をどれだけ予測できるかを検討しました。103 例
の OGIB 患者をカプセル内視鏡検査後、中央値で 50 ヵ月間追跡して、再出血率と死亡率を調べたところ、カプ
セル内視鏡検査で陽性であった患者でこれらの率が全体的に高かったと報告しました。PillCam® カプセル内視
鏡は再出血率の低い患者および死亡率の低い患者も同定できると、発表者らは結論付けています。このカテ
ゴリーに入るのは、ヘモグロビン値が 8 g/dL を超え、カプセル内視鏡検査が陰性であった 65 歳未満の患者で
あり、一方、65 歳以上の患者およびヘモグロビン値の低い患者では、再出血例と死亡例が有意に高かったと
しています。これらの結果は、患者の予後管理における PillCam® の有用性を支持するものです。
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東京慈恵会医科大学の研究者らは、「原因不明の顕在性消化管出血の検査にカプセル内視鏡を用いるとき
の最適なタイムフレーム」(COCS No. 43)と題するポスター発表を行いました。157 例の小腸出血患者にカプセ
ル内視鏡検査を実施して、カプセル内視鏡読影の最適なタイムフレームを調べました。小腸出血エピソード後
6 日以内にカプセル内視鏡検査を実施すると、出血巣を検出できる可能性が有意に高くなると、発表者らは結
論付けています。
クローン病-PillCam® カプセル内視鏡は患者の診断と管理戦略を改善
スウェーデン・マルメのスコーネ大学病院の研究者らは、「肛門周囲クローン病患者に対するカプセル内視
鏡検査の臨床的価値」(COCS No. 72)と題する研究を発表しました。この研究は、41 例を対象にクローン病の
原疾患患者の臨床管理に資するカプセル内視鏡検査の効果、ならびに疾患の範囲を特定するカプセル内視
鏡検査の役割を検討しています。その結果、小腸を含む、肛門以外にも明らかなエビデンンスを得ることがで
き、カプセル内視鏡検査は、肛門周囲クローン病患者の診断および管理に有用というだけでなく、その効果は
有意に高いと言えると結論しています。
カナダ・マギル大学の Dr. F. Costea、Dr. Michael Starr、Dr. Ernest Seidman は、「脊椎関節症(SpA)患者の
クローン病診断におけるカプセル内視鏡検査と大腸内視鏡検査の比較:Space 研究の予備結果」(COCS No.
79)と題し、SpA 患者における炎症性腸疾患の有病率を、カプセル内視鏡検査と大腸内視鏡検査とで比較しま
した。SpA は、関節リウマチに似た炎症性の関節疾患です。SpA 患者の 40%以上がクローン病を併発する可
能性がある。予定されている SpA 患者 80 例のうち、最初の 15 例の予備結果を発表しました。それによると、
SpA を罹患していることが分かっている患者のクローン病診断率は、大腸内視鏡検査よりも小腸カプセル内視
鏡検査の方が優れていたと結論しています。これは、炎症性腸疾患を伴う SpA 患者の治療に際し、より適切な
薬剤を選択する上で重要な所見と言えます。
■ PillCam® COLON (大腸用カプセル内視鏡)
PillCam® CONLON 2 に関しては、2 件の症例研究から有望な結果が得られていることの発表のほかに、現
在ヨーロッパで進行中の試験についての言及もありました。これらの試験の結果は、今後の消化器病学会で議
論されることになります。第一世代の PillCam® COLON に関しては、大腸の病理学診断における PillCam®
COLON の適用を検証したものから、炎症性腸疾患患者の管理における PillCam® COLON の価値を検討した
ものまで、数多くの研究結果が報告されました。
■ PillCam® ESO (食道用カプセル内視鏡)
上部消化管出血-上部消化管出血と静脈瘤を伴う患者の転帰の改善
イスラエルのランバム・メディカル・センターの Dr. Ian Gralnek は、「急性上部消化管出血を呈する患者に
おけるカプセル内視鏡検査を評価したフィージビリティ研究)」(COCS No. 54)と題する研究結果を発表しました。
この研究では、急性上部消化管出血を発症した 33 例の救急患者の予備データから、この患者集団に対し
PillCam® ESO は安全に適用可能であることが示されました。一方、経鼻胃管を挿入する従来の出血評価は価
値が低いようであることも示されました。さらに、上部消化管内視鏡検査(EGD)に比べ、PillCam® ESO は静脈
瘤出血の有無を識別できるとしています。これらの結果は、同様の患者集団を対象とした過去の良好な研究結
果と一致するものです。
スペインのヴィルゲン・マカレナ大学病院の研究者らは、「食道静脈瘤が確認または疑われる患者における
PillCam® ESO 2 の診断精度:予備データ」(COCS No. 103)と題し、食道静脈瘤の診断および分類における
PillCam® ESO の有用性を評価した予備データを発表しました。これまでに登録された 16 例の患者において、
PillCam® ESO は上部消化管内視鏡検査に比べて、食道静脈瘤の検出と分類に引けを取らない診断率であっ
たと報告しています。PillCam® ESO は 100%の患者に対して一次予防の必要性を正確に診断しました。
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原因不明の潜在性消化管出血(OGIB)について
原因不明の潜在性消化管出血(OGIB)とは、目に見える明らかな出血の徴候がないにもかかわらず、消化
管からの出血が認められる臨床症状を言います。(1) この症状は通常、便潜血で陽性または鉄欠乏性貧血の
発見によって発覚し、その原因はさまざまに考えられています。(2)
クローン病について
クローン病とは、小腸の内側の粘膜が炎症を引き起こし、消化管のあらゆる部分に影響を及ぼしうる慢性疾
患です。症状には、下痢、腹痛、体重減少、直腸出血などが挙げられます。クローン病患者の約 50%は、小腸
の終末部(回腸末端)と盲腸で診断されています。この部位は、回盲部としても知られています。クローン病の
その他の症例は、大腸のみ、小腸のみ(十二指腸、空腸、回腸のいずれか一つまたは複数)、胃または食道の
うち、一つ以上に影響を及ぼす可能性があります。(3) 米国人の約 500,000 人がクローン病に罹患しており、約
20%は何らかの炎症性腸疾患(IBD)と直接的な関連があります。(4) 男性、女性の性差はなく発症します。原因
は不明ですが、最も支持されている学説は、炎症の原因となるウイルスまたは細菌に免疫系が反応していると
いう説です。(5) 治療選択肢は、重症度に応じて、栄養補助剤、薬物の投与、手術などがあります。現在のとこ
ろ、この疾患の根治法はありません。
上部消化管出血について
上部消化管出血は、消化性潰瘍、出血性胃炎、胃食道静脈瘤、マロリーワイス症候群など、さまざまな原因
で生じる、十二指腸と空腸の間のトライツ靱帯より上部の出血と定義されています。出血の発生原因を問わず、
迅速な臨床評価が欠かせません。急性の上部消化管出血は救急救命を必要とする最も一般的な疾患のひと
つであり、これを原因とする救急入院患者は毎年約 30 万人にのぼり、死亡率は 10%近くに上ります。(6)
PillCam® SB について
PillCam® SB カプセル内視鏡のサイズは 11mm x 26mm で、重量は 4 グラム未満です。現在の第二世代の
PillCam® SB 2 は撮像カメラと光源を内蔵し、毎秒 2 枚の速度で画像を転送し、1 回の検査で 50,000 枚以上の
画像を撮影します。PillCam® SB カプセル内視鏡は、2001 年に米国食品医薬品局(FDA)より認可を得て、その
臨床適応は、1,200 件以上の権威ある医学専門誌での論文によって臨床的に実証されています。2 歳以上の
患者の小腸を可視化する非常に精度が高く、患者にやさしいツールです。鉄欠乏性貧血、クローン病疑い、小
腸腫瘍疑いなどの原因不明の消化管出血を有する患者、ポリポーシス症候群患者の管理、疑診例または難
治例に相当する吸収不全性症候群(セリアック病など)の評価に使用されています。PillCam® SB は、小腸診断
のゴールドスタンダードです。
PillCam® COLON について
PillCam® COLON 2 は、2 台の小型カラービデオカメラ(両側に 1 台ずつ)、バッテリー、LED 光源を備えてい
ます。サイズは 11mm×31mm。 PillCam® COLON 2 はインテリジェント機能を搭載し、最高毎秒 35 枚の画像を
約 10 時間の間、患者に装着したレコーダに転送します。レコーダに記録されたデータは、RAPID® ソフトウェア
を使ってコンピュータに転送され、ビデオ画像として編集された後、読影・レポートに利用されます。PillCam®
COLON 2 は、2009 年に CE マークを取得し、2010 年 1 月からヨーロッパで販売されています。
PillCam® ESO について
成人患者を対象に患者様にやさしい食道診断ツールとして、2004 年に米食品医薬品局(FDA)から承認を得
た PillCam® ESO は、食道のさまざまな病変の検出に使用することができます。第 2 世代の PillCam® ESO 2
は、カプセルの両側に撮影装置と光源を搭載し、30 分で食道を通過しながら最高毎秒 18 枚の画像を撮影し
て検査を行います
ICCD について
ICCD(カプセル内視鏡・ダブルバルーン内視鏡国際会議)は、これまでカプセル内視鏡とダブルバルーン内
視鏡にそれぞれ焦点を当てて開催されていた 2 つの会議が合同で開催された最初の国際会議です。ICCD 会
議では、最新のトピックに関する講演から原著論文の発表まで多岐にわたり、消化管病学の国際的オピニオン
リーダーがカプセル内視鏡およびダブルバルーン内視鏡に関する最新の研究、ベストプラクティス、将来の適
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応について討論する場です。2010 年 8 月、パリで開催され、ギブン・イメージング社とフジノン(ヨーロッパ)社が
共同スポンサーを務めました。詳細については、www.iccd2010.com をご覧ください。
<※脚注>
(1) http://www3.utsouthwestern.edu/endocrine/Rockey.htm
(2) http://www.aafp.org/afp/20040215/875.html
(3) qurlyjoe.bu.edu/cduchome.html Inflammatory Bowel Disease Frequently Asked Questions.
(4) Crohn's and Colitis Foundation of America (ccfa.org)
(5) National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (niddk.nih.gov)
(6) Krumberger, Joanne M. RN, MSN, FAAN. How to manage an acute upper GI bleed. RN/Thomson AHC
Home Study Program CE CENTER. March 1, 2005.
http://rn.modernmedicine.com/rnweb/article/articleDetail.jsp?id=150046
ギブン・イメージング社について
ギブン・イメージング社は、2001 年から、PillCam® プラットフォームのコンセプトを基盤とした革新的で患者様
に優しい先進的な消化管診断ツールを提供しています。PillCam® SB は小腸、PillCam® ESO は食道、PillCam®
COLON は大腸の自然のままの消化管画像を提供します。PillCam® カプセル内視鏡は、患者様が嚥下するカ
プセル型の小型ビデオカメラです。ギブン・イメージング社では、他にもカプセル型製品を販売しております。
PillCam® カプセル内視鏡が消化管を通過できるかどうか、開通性をみるための AGILE、胃食道逆流症(GERD)
の pH 検査に使用する医療機器としては、カテーテルを使用しない唯一のワイヤレス 48 時間 pH 検査システ
ムの Bravo® があります。ギブン・イメージング社の製品は、最先端のワイヤレス通信技術とソフトウェアを使用
することにより、より正確な消化管疾患の診断を可能とし、
患者様には、より適切な治療を実現することができます。全てのギブン・イメージング社の製品は低侵襲性で、
かつ無拘束であり、患者様は検査中も日常生活を送ることが可能です。ギブン・イメージング社は、2010 年 4
月に、消化管の運動機能を評価する高解像度マノメトリのパイオニアであり、消化管診断ソリューションの大手
プロバイダーである Sierra Scientific Instruments 社を取得しました。これで、Sierra Scientific 社は、ギブン・イ
メージング社の完全子会社となりました。ギブン・イメージング社の本社、工場、研究開発施設は、イスラエル
のヨクネアムにあり、アメリカ、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、シンガポールに子会社があります。
さらに詳しい情報が知りたい方はこちらをご覧ください。http://www.givenimaging.com.
日本法人 ギブン・イメージング株式会社について
ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を開発
し、現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd.
2001 年 NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。
<ホームページ>
http://www.givenimaging.co.jp
注)日本では、PillCam® SB および PillCam® SB 2 カプセル内視鏡(小腸用)が承認されています。大腸用の
PillCam® COLON、および PillCam® COLON 2、食道用の PillCam® ESO 2 はまだ承認されておりません。
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