このプレスリリースはギブン・イメージング社 2011 年 5 月 10 日の発表を翻訳したものです Press Release 【ギブン・イメージング社最新情報】 ギブン・イメージング社、消化管出血患者における PillCam® カプセル内視鏡の価値を強調する新たな報告が 2011 年米国消化器病週間で発表されたことを報告 ‐ 診断アルゴリズムでの早期使用および患者転帰の管理における PillCam・ SB の有益性、 ならびに救急救命室での上部消化管出血患者のトリアージにおける PillCam・ ESO の 有用性を示す試験データが報告される ‐ ギブン・イメージング社(NASDAQ: GIVN、イスラエル・ヨクネアム)は本日 5 月 10 日、診断アルゴリズムにおいて PillCam® SB を早期に使用すると、原因不明の消化管出血(OGIB)を伴う患者の診断を早める有益性があることが、 新しい研究で確認されたと発表しました。また別の試験では、急性上部消化管出血患者が救急救命室に搬送され たときに、PillCam® ESO を患者のトリアージに使用すると有用であることが示されました。これらの研究は、本日シ カゴで閉幕した 2011 年米国消化器病週間(DDW: Digestive Disease Week)で発表されたものです。 「消化管出血は適切な診断と治療が行われないと重症化し、生命を脅かしかねない疾患です。発表された新しい 試験データは、診断のための精密検査で PillCam® SB カプセル内視鏡を早期に施行することの有益性を強調する ものであり、患者の正確なトリアージと治療を可能な限り早めることができます」と、ミシガン大学ヘルスシステム消 化器科・カプセル内視鏡/深部小腸内視鏡プログラムの科長、Laurel Fisher, MD は述べています。 診断アルゴリズムにおける PillCam® SB カプセル内視鏡の早期使用 受賞発表(abstract #302):「上部消化管内視鏡検査(EGD)陰性の下血患者におけるカプセル内視鏡検査と 大腸内視鏡検査の診断率の比較」と題し、ミシガン州アナーバーにあるミシガン大学の Eugene Zolotarevsky, MD らは、黒色便が見られる下血患者 987 例の出血病変を特定するため、EGD 陰性後にこれまで一般的に 施行されていた大腸内視鏡検査と、PillCam® SB 検査の診断率を比較しました。EGD 陰性の下血患者におけ る出血病変の診断率は PillCam® SB カプセル内視鏡検査が大腸内視鏡検査を上回った(47.4% vs 20.7%)と結 論しています。 ポスター発表(Tu1576):「原因不明の潜在性消化管出血に対するカプセル内視鏡検査:標準的な上部内視鏡 検査(胃カメラ)で診断できる範囲における病変の検出率」と題し、ロンドン・ロイヤルフリー病院の Laura Marelli, MD らは、鉄欠乏性貧血(IDA)で紹介された患者 279 例を対象に、前回上部消化管内視鏡検査で検 出できなかった上部消化管病変の PillCam® SB による検出率を評価しました。前回上部消化管内視鏡検査で 病変を検出できなかった原因不明の消化管出血患者にカプセル内視鏡検査を実施したところ、患者の 12.9% に IDA の原因と思われる有意な病変が上部消化管に検出されたと報告しています。著者らは、IDA 患者に対 しカプセル内視鏡検査を第一選択検査とすべきであり、その後、標的病変の生検または治療が必要な場合に 上部消化管内視鏡検査を行うべきであると示唆しています。 1 臨床転帰に効果を及ぼす PillCam® SB カプセル内視鏡 受賞発表(abstract #303):「原因不明の顕在性消化管出血に対するカプセル内視鏡検査の実施時期によっ て診断率は変わるか?」と題し、マサチューセッツ州ウースターにあるマサチューセッツ大学メディカルスクー ルの Anupam Singh, MD らは、原因不明の顕在性消化管出血で入院した患者 144 例にカプセル内視鏡検査 を入院後 3 日以内と 4 日以降に実施した場合の診断率の違いを、レトロスペクティブに調査しました。さらに、 カプセル内視鏡検査の実施時期が入院日数の減少および治療の成功に関係するかについて分析しました。 入院後 3 日以内に PillCam® SB 検査を実施した患者の平均入院日数は 6.1 日であったのに対し、入院後 4 日以降に PillCam® SB 検査を実施した患者では 10.3 日でした。原因不明の消化管出血の発症に対して PillCam® SB 検査を実施するタイミングは、診断率の向上、ひいては治療の成功率の向上と入院日数の減少 に重要な関連性があると、結論しています。 ポスター発表(Tu1587):「患者の臨床管理と転帰に及ぼすカプセル内視鏡の効果:5 年間の経験」と題し、イ ギリス・ケンブリッジのアデンブルック病院の Rui Gao, MD らは、イギリスの三次医療センターにおいて患者 340 例を対象に、患者の臨床管理と転帰に及ぼす PillCam® SB 検査の効果を評価するレトロスペクティブ研 究を実施しました。PillCam® SB は患者の 57.1%で小腸の異常を診断し、患者の 43.3%で臨床管理の変更をも たらしたと報告しています。さらに著者らは、PillCam® SB はさまざまな小腸病変を診断できる重要なツールで あり、患者の管理を有意に変更させると結論しています。 救急救命室における PillCam® ESO (食道用カプセル内視鏡) PillCam® SB の有効性に関するデータの発表に加え、別の受賞発表(abstract #233)では、救急救命室におけ る上部消化管出血の可視化における PillCam® ESO の使用について検討したフィージビリティ試験の結果が 報告され、PillCam® ESO は患者のトリアージを早めることができると報告しています。 「PillCam® ESO は上部消化管出血の有用な診断ツールであることをこのフィージビリティ試験は示しています。 PillCam® ESO を早期に使用すれば患者のトリアージを早めることができ、ひいては、内視鏡による治療介入 を早期に実施できるようになることを示しています。今後、より大規模な比較試験でこの仮説を実証したいと 思っています」と、イスラエル・ハイファのランバム・ヘルスケア・キャンパス消化器科の教授 Ian Gralnek は述 べています。 Dr. Gralnek は、「急性上部消化管出血(UGIH)患者におけるカプセル内視鏡検査(CE)-プロスペクティブなコ ホート試験」と題する受賞発表(abstract #233)の筆頭演者です。2 施設(イスラエルのランバム医療センター と香港のプリンス・オブ・ウェールズ病院)でのプロスペクティブなフィージビリティ試験において、急性 UGIH で 救急救命室に搬送された患者 41 例を対象に PillCam® ESO を評価しました。その結果、PillCam® ESO は急 性 UGIH 患者に対して実施可能であり、かつ安全であると結論しました。さらに、PillCam® ESO は経鼻胃吸引 よりも有意に高頻度に上部消化管の出血を特定し、上部消化管内視鏡検査と同程度に消化性疾患および炎 症性病変を特定しました。PillCam® ESO は患者のトリアージを容易にして早期の内視鏡による治療介入を促 進すると結論しています。 ■上部消化管出血について 上部消化管出血は、消化性潰瘍、出血性胃炎、胃食道静脈瘤、マロリーワイス症候群など、さまざまな原因で生じ る、十二指腸と空腸の間のトライツ靱帯より上部の出血と定義されています。出血の発生原因を問わず、迅速な臨 床評価が欠かせません。急性の上部消化管出血は救急救命を必要とする最も一般的な疾患のひとつであり、これ を原因とする救急入院患者は毎年約 30 万人にのぼり、死亡率は 10%近くに上ります 1。 2 ■鉄欠乏性貧血(IDA)について 欠乏性貧血(IDA)とは、健康な赤血球が不足している患者に良く見られる貧血のタイプです 2。血液中の鉄分が不 足すると、酸素の運搬能が低下して、疲労、脱力、イライラ、めまいを感じます。IDA の原因はさまざまですが、出 血、妊娠、不適切な食事、食物からの鉄吸収能力の低下、出血性潰瘍、大腸ポリープ、大腸癌などが原因してい る場合があります 3。 ■原因不明の潜在性消化管出血について 原因不明の潜在性消化管出血(Occult OGIB)とは、目に見える明らかな出血の徴候がないにもかかわらず、消化 管からの出血が認められる臨床症状を言います 4。この症状は通常、便潜血で陽性または鉄欠乏性貧血の発見に よって発覚し、その原因はさまざまに考えられています。原因不明の潜在性消化管出血患者の約半数が出血源を 特定できません 5。 ■Digestive Disease Week® (DDW、米国消化器病週間)について DDW は、消化器病学、肝臓病学、内視鏡学、消化管外科学の各分野の医師、研究者、学者が一堂に集まる世界 最大の国際会議です。米国肝臓病学会(AASLD: American Association for the Study of Liver Diseases)、米国消 化器病学会(AGA: American Gastroenterological Association)、 米国消化器内視鏡学会(ASGE:American Society for Gastrointestinal Endoscopy)、および米国消化器外科学会(SSAT:Society for Surgery of the Alimentary Tract)が共同で主催されます。この会議では、消化管関連の研究、医薬品、技術における最新の進展 に関する約 5,000 件の抄録が発表され、数百件の講演が行われました。詳細については、www.ddw.org をご覧くだ さい。 ■PillCam® SB(=写真)について PillCam® SB カプセル内視鏡のサイズは 11mm x 26mm で、重量は 4 グラム 未満です。現在の第二世代 PillCam® SB 2 は撮像カメラと光源を内蔵し、毎 秒 2 枚の速度で画像を転送し、1 回の検査で 50,000 枚以上の画像を撮影 します。PillCam® SB カプセル内視鏡は、2001 年に米国食品医薬品局 (FDA)より認可を得て、その臨床適応は、1,500 件以上の権威ある医学専 門誌での論文によって臨床的に実証されています。2 歳以上(米国における 認可)の患者の小腸を可視化する非常に精度が高く、患者にやさしいツー ルです。PillCam® SB は、小腸診断のゴールドスタンダードです。 すべての医療処置にはリスクが伴います。PillCam®カプセル内視鏡には、カ プセルの滞留と誤嚥、皮膚刺激のリスクがあります。PillCam® パテンシーカ プセルには、カプセルの滞留と誤嚥のリスクがあります。また、内視鏡的に 留置することにより、他のリスクが発生する場合もあります。合併症が発生 した場合は、医療的、内視鏡的、外科的介入が必要になることがあります。 詳細については、ユーザーマニュアルまたは http://www.givenimaging.com をご覧ください。 11×26mm と大きめのビタミン剤程度。 これまで 80 か国以上で 150 万人以上 の使用実績があります ■PillCam® ESO について PillCam® ESO カプセル内視鏡は、成人患者を対象に患者にやさしい食道診断ツールとして、2004 年 11 月に米国 食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。第二世代の PillCam® ESO 2 はカプセルの両側に撮影装置と光源を 搭載し、食道を通過する 30 分間に最大毎秒 18 枚の画像を撮影します。 すべての医療処置にはリスクが伴います。PillCam®カプセル内視鏡には、カプセルの滞留と誤嚥、皮膚刺激のリス クがあります。PillCam® パテンシーカプセルには、カプセルの滞留と誤嚥のリスクがあります。 3 PillCam® カプセル内視鏡を嚥下してから排泄されるまで、患者は MRI 装置などによって生成される強力な電磁場 源に近づいてはなりません。また、内視鏡的に留置することにより、他のリスクが発生する場合もあります。合併症 が発生した場合は、医療的、内視鏡的、外科的介入が必要になることがあります。 詳細については、ユーザーマニュアルまたは http://www.givenimaging.com をご覧ください。 ギブン・イメージング社について ギブン・イメージング社は、2001 年にカプセル内視鏡という新たな分野を切り開いて以来、消化管診断ツールの世 界的リーダーとして、消化管の可視化、診断、モニタリングのための画期的な幅広い製品を医療従事者に提供して います。ギブン・イメージング社は、小腸、食道、大腸(大腸用カプセル内視鏡 PillCam® COLON は米国では未認 可)を撮像する PillCam®カプセル内視鏡をはじめ、業界をリードする高解像度マノメトリの ManoScan™、ワイヤレス の Bravo® pH システムの、Digitrapper® pH、各種インピーダンス製品など、広範な製品ポートフォリオを取り揃えて います。ギブン・イメージング社は、消化管領域に画期的なイノベーションを起こし、消化管領域が抱える臨床ニー ズを満たすことに取り組んでいます。ギブン・イメージング社の本社はイスラエルのヨクネアムにあり、米国、ドイツ、 フランス、日本、オーストラリア、ベトナム、香港に子会社があります。 詳細については、http://www.givenimaging.com をご覧ください。 日本法人 ギブン・イメージング株式会社について ギブン・イメージング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:河上正三)は、世界で初めてカプセル内視鏡を 開発し、現在世界のカプセル内視鏡市場において豊富な経験を持つギブン・イメージング社(Given Imaging Ltd. 2001 年 NASDAQ 上場)の日本法人であり、日本におけるカプセル内視鏡の製造販売会社です。 http://www.givenimaging.co.jp 注) 日本では、PillCam® SB および PillCam® SB 2 カプセル内視鏡(小腸用)が承認されています。大腸用の PillCam® COLON、および PillCam® COLON 2、食道用の PillCam® ESO 2 は承認されておりません。 1. Krumberger, Joanne M. RN, MSN, FAAN. How to manage an acute upper GI bleed. RN/Thomson AHC Home Study Program CE CENTER. March 1, 2005. http://rn.modernmedicine.com/rnweb/article/articleDetail.jsp?id=150046 2. http://www.mayoclinic.com/health/iron-deficiency-anemia/DS00323 3. http://www.nhlbi.nih.gov/health/dci/Diseases/ida/ida_causes.html 4. http://www3.utsouthwestern.edu/endocrine/Rockey.htm 5. http://www.aafp.org/afp/20040215/875.html 4
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